JP7082552B2 - スパッタリング装置、薄膜製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スパッタリング技術にかかり、特に、形成される薄膜の面内の特性分布を均一にするスパッタリング技術に関する。
薄膜を形成するためにスパッタリング方法は広く用いられており、大面積基板に特性分布が均一な薄膜を形成するためのスパッタリング技術が求められている。
図9(図9は、平面図とそのE-E線、F-F線截断断面図である)に示したスパッタリング装置は、カソード電極112の表面にターゲット113が配置されており、裏面には、マグネトロンスパッタリングを行うための複数の磁石装置1151~1155が配置されている。
磁石装置1151~1155は、リング形形状の外周磁石125と、外周磁石125の内側に配置された内側磁石126と、ヨーク127と、で構成されている。
ターゲット113と対面する位置には基板配置装置114が配置されており、基板配置装置114には基板116が配置されている。
基板116の外周上にはアノード電極117が配置され、基板配置装置114の裏面側には加熱装置118が配置されている。
加熱装置118は赤外線を放出する発熱体121と、発熱体121と基板配置装置114との間に配置された均熱板122とを有しており、発熱体121は加熱電源から通電されると発熱し、赤外線を均熱板122に照射する。
発熱体121はその面内において均一でない赤外線を均熱板122に照射するが、均熱板122はその厚み方向で(面内にて分布を持つ)赤外線から受けた熱を拡散させ、基板に向けた面内に於いては均一に昇温するようになっているので、基板配置装置114に設けられた開口128を介して基板116裏面に対して照射される赤外線は、単位面積あたりの照射量が均一な赤外線となり、その結果、基板116が均一に加熱される。
その状態で、カソード電極112に電圧が印加されターゲット113がスパッタリングされると、基板116表面のアノード電極117で覆われた領域の内側に薄膜が形成される。
しかしながら基板116の大型化に伴って、均一に加熱されている基板であるにも関わらず、抵抗率等の薄膜の特性の面内均一性が悪化する結果となった。特に、基板116の表面に金属薄膜を形成すると、金属薄膜の比抵抗値が基板116の周辺部で低く、中央部分で高いという問題が発生する。
この場合、基板116の表面に発光層を形成し、金属薄膜によって配線を形成すると、基板116の中央の発光層に流れる電流と、周辺の発光層に流れる電流とが異なってしまい、画面の明るさが不均一になる。
スパッタリング方法で形成される金属薄膜は、薄膜成長時の基板温度が高いと比抵抗値が小さくなる傾向が知られており、比抵抗値の不均一性は、基板116の面内温度分布が不均一であることに起因すると考えられる。
このような場合には基板の温度分布を改善しようとすることについては次の公報に記載された発明があるが、基板の大型化に伴う問題を解決するには至らなかった。
特開2008-10614号公報
カソード電極112の裏面に配置された複数の磁石装置1151~1155は、両端がそれぞれ一列に並ぶように配置されており、磁石装置1151~1155毎にリング形形状のプラズマが形成されることに加え、図10のように、複数の磁石装置1151~1155の全体が配置された領域を取り囲む大径のリング形形状のプラズマ120が形成されることが推定された。この、大径のリング形形状のプラズマ120が重畳されるため、基板116の面内プラズマの強度が、中央より周辺付近で大きくなる事を起因とし、プラズマによる熱が、不均一に基板116に流入する。
つまり、基板116は加熱装置118から均一に照射される赤外線に加え、周辺の強度が大きな不均一なプラズマによっても加熱され、基板116の周辺付近の部分の温度が高くなると想定される現象が発生していることが判明した。
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は薄膜の基板面内の抵抗率等の特性分布を均一にすることにあり、特に、基板の周辺付近の薄膜特性と中央付近の薄膜特性とを均一にすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部に配置されたターゲットと、前記ターゲットの裏面側に配置されスパッタ電源に接続されるカソード電極と、前記カソード電極の裏面側に配置された複数の磁石装置と、基板が表面に配置される基板配置装置と、前記基板配置装置の裏面に設けられた加熱装置と、各前記磁石装置には、細長で二個の平行な長辺を有するリング形形状の外周磁石と、その内側に配置された内側磁石とが設けられ、前記ターゲットの表面には、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間で形成される磁束が漏洩され、前記加熱装置が放射する赤外線によって前記基板配置装置上の前記基板が加熱されながら前記ターゲットがスパッタリングされ、前記基板の表面に薄膜が形成されるスパッタリング装置であって、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石とは離間され、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間の部分であるプラズマ部分は、両端にそれぞれ位置する端部と、一方の前記端部と他方の前記端部とを接続する長辺とを有する細長のリング形形状にされ、前記ターゲットは、第一、第二のターゲット辺が平行であり、第三、第四のターゲット辺が平行である直角四辺形形状にされ、複数の前記磁石装置は、前記プラズマ部分の前記長辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、各前記プラズマ部分の両端のうち一方の端の前記端部は、前記第四のターゲット辺よりも前記第三のターゲット辺に近い場所で前記第三のターゲット辺に沿って並び、他方の端の前記端部は前記第三のターゲット辺よりも前記第四のターゲット辺に近い場所で前記第四のターゲット辺に沿って並ぶように配置され、前記基板は直角四辺形形状に形成され、四辺のうちの第一、第二の基板辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、第三、第四の基板辺が前記第三、第四のターゲット辺と平行になるように配置され、前記基板のうち、前記基板の中央を含む部分を中央部分とし、前記第一~第四の基板辺と前記中央部分との間に位置する部分をそれぞれ第一~第四の部分とし、前記基板の四隅に位置する部分を角部分とすると、前記加熱装置は、前記第一、第二の部分と前記角部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分と前記第三、第四の部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくするスパッタリング装置である。
本発明は、前記加熱装置は、前記第三、第四の部分に供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分に供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくするスパッタリング装置である。
本発明は、前記磁石装置を前記長辺とは垂直な方向に繰り返し往復移動させる移動装置を有し、前記第一の部分は、前記第一の基板辺と平行で第一の基板辺に近い第一の外側領域と前記第一の基板辺から遠い第一の内側領域と、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域の間に位置する第一の中間領域とに区分けされ、前記第二の部分は、前記第二の基板辺と平行で第二の基板辺に近い第二の外側領域と前記第二の基板辺から遠い第二の内側領域と、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域の間に位置する第二の中間領域とに区分けされ、前記第一の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量は、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さく、前記第二の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量は、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされたスパッタリング装置である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部に配置されたターゲットと、前記ターゲットの裏面側に配置されスパッタ電源に接続されるカソード電極と、前記カソード電極の裏面側に配置された複数の磁石装置と、基板が表面に配置される基板配置装置と、前記基板配置装置の裏面に設けられた加熱装置と、各前記磁石装置には、細長で二個の平行な長辺を有するリング形形状の外周磁石と、その内側に配置された内側磁石とが設けられ、前記ターゲットの表面には、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間で形成される磁束が漏洩され、前記加熱装置が放射する赤外線によって前記基板配置装置上の前記基板が加熱されながら前記ターゲットがスパッタリングされ、前記基板の表面に薄膜が形成される薄膜製造方法であって、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石とは離間され、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間の部分であるプラズマ部分は、両端にそれぞれ位置する端部と、一方の前記端部と他方の前記端部とを接続する長辺とを有する細長のリング形形状にされ、前記ターゲットは、第一、第二のターゲット辺が平行であり、第三、第四のターゲット辺が平行である直角四辺形形状にされ、複数の前記磁石装置は、前記プラズマ部分の前記長辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、各前記プラズマ部分の両端のうち一方の端の前記端部は、前記第四のターゲット辺よりも前記第三のターゲット辺に近い場所で前記第三のターゲット辺に沿って並び、他方の端の前記端部は前記第三のターゲット辺よりも前記第四のターゲット辺に近い場所で前記第四のターゲット辺に沿って並ぶように配置され、前記基板は直角四辺形形状に形成され、四辺のうちの第一、第二の基板辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、第三、第四の基板辺が前記第三、第四のターゲット辺と平行になるように配置され、前記基板のうち、前記基板の中央を含む部分を中央部分とし、前記第一~第四の基板辺と前記中央部分との間に位置する部分をそれぞれ第一~第四の部分とし、前記基板の四隅に位置する部分を角部分とすると、前記加熱装置によって前記第一、第二の部分と前記角部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分と前記第三、第四の部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくして前記薄膜を成長させる薄膜製造方法である。
本発明は、前記加熱装置は、前記第三、第四の部分に供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分に供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくして前記薄膜を成長させる薄膜製造方法である。
本発明は、前記磁石装置を前記長辺とは垂直な方向に繰り返し往復移動させる薄膜製造方法であって、前記第一の部分を、前記第一の基板辺と平行で第一の基板辺に近い第一の外側領域と前記第一の基板辺から遠い第一の内側領域と、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域の間に位置する第一の中間領域とに区分けし、前記第二の部分を、前記第二の基板辺と平行で第二の基板辺に近い第二の外側領域と前記第二の基板辺から遠い第二の内側領域と、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域の間に位置する第二の中間領域とに区分けし、前記第一の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量を、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくし、前記第二の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量を、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくする薄膜製造方法である。
大型基板に形成される薄膜の面内特性が均一になる。
本発明のスパッタリング装置 本発明のスパッタリング装置の内部構造を説明するための平面図とそのA-A線截断断面図とB-B線截断断面図 磁石装置とターゲットと基板との間の相対的な位置関係を説明するための図面 リフレクタと基板との間の相対的な位置関係を説明するための図面 基板の区分けを説明するための図面 本発明に用いられる磁石装置を説明するための平面図とC-C線截断断面図とD-D線截断断面図 (a)~(c):その磁石装置の動作を説明するための断面図 基板の区分けの他の例を説明するための平面図 従来技術のスパッタリング装置を説明するための図 磁石装置全体を取り囲むプラズマを説明するための図面
図1の符号2は本発明のスパッタリング装置であり、真空槽11を有している。
真空槽11の内部には、直角四辺形形状のターゲット13が配置されており、ターゲット13の表面と対向する位置に基板配置装置14が配置されている。基板配置装置14のターゲット13側の面には、基板16が配置されている。基板16の縁上には、アノード電極17が配置されている。
ターゲット13の裏面側には、カソード電極12が配置されている。カソード電極12の表面はターゲット13の裏面に接触されている。
カソード電極12の裏面側には、複数(ここでは5個)の磁石装置151~155が配置されている。磁石装置151~155は磁石ケース51の内部に配置されている。
図2は、ターゲット13と、磁石装置151~155と、基板16との相対的な位置関係を説明するための平面図と、そのA-A線截断断面図とB-B線截断断面図である。図2及び図3~図5の平面図では、基板配置装置14と、アノード電極17と、後述する発熱体21と均熱板22とは省略されている。
ここでは、磁石装置151~155は同じ形状、同じ大きさであり、図6に1個の磁石装置151~155の平面図と、そのC-C線截断断面図とD-D線截断断面図とを示す。
磁石装置151~155は細長のリング状の外周磁石25と、外周磁石25の内側に配置された細長の内側磁石26とを有しており、外周磁石25と内側磁石26とは、細長のヨーク27に取り付けられ、磁石装置151~155も細長の形状にされている。
外周磁石25と内側磁石26とは、N極とS極のうちの一方の極がヨーク27と接触し、他方の極がヨーク27とは反対側のカソード電極12に向けられており、外周磁石25と内周磁石26とは異なる極がヨーク27と接触するようにされている。
外周磁石25のカソード電極12に向けられた磁極と内側磁石26のカソード電極12に向けられた磁極との間に、アーチ形形状に湾曲された磁束が形成されており、その磁束はターゲット13表面に漏洩されており、ターゲット13表面の電子密度を増加させるようになっている。
各磁石装置151~155は細長であり、ターゲット13の四辺のうちの対向する第一、第二のターゲット辺T1,T2が平行であり、各磁石装置151~155の長辺は第一、第二のターゲット辺T1、T2と平行になるように配置されているものとする。第一、第二のターゲット辺T1、T2と直角であって互いに対向する第三、第四のターゲット辺T3、T4も平行である。
図3の平面図には、磁石装置151~155とターゲット13と基板16とが記載されており、それらの相対的な位置関係が示されている。各磁石装置151~155の長辺は外周磁石25の長辺と内側磁石26が伸びる方向と平行であり、各磁石装置151~155は、磁石装置151~155の一端が第四のターゲット辺T4よりも第三のターゲット辺T3に近い場所で、第三のターゲット辺T3が伸びる方向に沿って並び、また、磁石装置151~155の他端が第三のターゲット辺T3よりも第四のターゲット辺T4に近い場所で、第四のターゲット辺T4が伸びる方向に沿って並ぶように配置されている。
外周磁石25とその内側の内側磁石26とは離間され、外周磁石25とその内側の内側磁石26との間の部分であるプラズマ部分10は、両端にそれぞれ位置する二個の端部と、一方の端部と他方の端部とを接続する二本の長辺とを有する細長のリング形形状にされている。
各磁石装置151~155はヨーク27を介して移動板52に固定されている。
真空槽11の外部には移動板52を移動させることで、各磁石装置151~155とヨーク27とを移動させる移動装置53が配置されており、移動装置53が動作すると、移動板52はターゲット13の表面と平行な平面内で、各磁石装置151~155の長辺と垂直な方向に往復移動するようにされている。各磁石装置151~155は移動板52の移動と共に、一緒にターゲット13の表面と平行な平面内を繰り返し往復移動する。
図7(a)は、各磁石装置151~155のそれぞれが往復移動する範囲の中央に各磁石装置151~155が位置する状態を示し、同図(b)は、図面右端に位置する状態、同図(c)は図面左端に位置する状態を示している。各磁石装置151~155の長辺は第一、第二のターゲット辺T1、T2と平行であるから、各磁石装置151~155は第三、第四のターゲット辺T3、T4が伸びる方向に沿って同図(b)の状態と同図(c)の状態の間を繰り返し往復移動するとターゲット13表面に漏洩した磁束もターゲット13の表面上で一緒に移動し、ターゲット13の表面が広くスパッタリングされる。
次に、基板配置装置14は開口28が設けられた外周が直角四辺形形状の枠体であり、基板16は基板配置装置14よりも小さな直角四辺形形状であってその四辺付近の部分が基板配置装置14の枠の表面上に接触して基板配置装置14上に乗せられている。開口28は基板16よりも小さい直角四辺形形状であって基板16の外周よりも内側に配置され、基板16の裏面は開口28の底面に露出されている。
基板16の表面はターゲット13側に向けられており、アノード電極17は、基板16とターゲット13と間の基板16に近い場所に配置されており、アノード電極17の中央には貫通孔19が設けられ、基板16の表面は貫通孔19の底面に露出され、ターゲット13と対面するようになっている。
基板16の四辺のうちの二辺は第一、第二のターゲット辺T1、T2と平行であって、他の二辺は第三、第四のターゲット辺T3、T4と平行になるように、ターゲット13と基板16とが配置されている。ターゲット13は基板16よりも大きく形成されており、基板16はターゲット13の縁よりも内側に位置するように配置されている。
第一、第二のターゲット辺T1、T2と平行な基板16の二辺のうち、第二のターゲット辺T2よりも第一のターゲット辺T1に近い辺を第一の基板辺L1とし、第一のターゲット辺T1よりも第二のターゲット辺T2に近い辺を第二の基板辺L2とする。
また、第三、第四のターゲット辺T3、T4と平行な基板16の二辺のうち、第四のターゲット辺T4よりも第三のターゲット辺T3に近い辺を第三の基板辺L3とし、第三のターゲット辺T3よりも第四のターゲット辺T4に近い辺を第四の基板辺L4とすると、第一、第二の基板辺L1、L2は磁石装置151~155の長辺と平行に配置され、第三、第四の基板辺L3、L4は磁石装置151~155の一端が並ぶ方向と他端が並ぶ方向とに沿って伸びている。
基板配置装置14の裏面側には、加熱装置18が配置されている。
加熱装置18は、発熱体21と均熱板22と第一~第三のリフレクタ23a~23cとを有している。
均熱板22は、基板配置装置14と発熱体21との間であって発熱体21に近い場所に、発熱体21と対面した状態で配置されており、第一~第三のリフレクタ23a~23cは、均熱板22と基板配置装置14との間であって、均熱板22に近い方から、第一、第二、第三のリフレクタ23a、23b、23cの順序で配置されている。基板16とターゲット13と第一~第三のリフレクタ23a~23cと均熱板22と発熱体21の表面とは平行に配置されている。均熱板22及び第一~第三のリフレクタ23a~23cの間にはスペーサ24が配置され、スペーサ24の大きさだけ離間するようにされている。
図4の平面図には、第一~第三のリフレクタ23a~23cと基板16とターゲット13とが記載されており、図4の平面図はそれらの相対的な位置関係を示す図面である。
第一のリフレクタ23aは基板16よりも大きな一枚の金属板から成り、基板16は、第一のリフレクタ23aの外周よりも内側に配置されている。
第二のリフレクタ23bも金属板であり、第二のリフレクタ23bも基板16よりも大きく、中央に孔29が設けられており、基板16は第二のリフレクタ23bの外周よりも内側に配置されている。
第三のリフレクタ23cは、細長の二枚の金属板で構成されており、第三のリフレクタ23cの一方の金属板は、第一の基板辺L1を含み、第一の基板辺L1に沿った部分の裏面に配置されており、他方の金属板は、第二の基板辺L2を含み、第二の基板辺L2に沿った部分の裏面に配置されており、基板16の第一、第二の基板辺L1、L2に近い部分は第三のリフレクタ23cと対面するようになっている。
第三のリフレクタ23cは、第二のリフレクタ23bの孔29よりも外側に配置されており、基板16の中央部分の裏面は孔29を介して第一のリフレクタ23aと対面し、第一又は第三のリフレクタ23a、23cと対面する部分以外の部分では、基板16の裏面は第二のリフレクタ23bと対面する。
このように、基板16の面内の場所によって、基板16と均熱板22との間に、第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された場所と、第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置された場所と、第一のリフレクタ23aだけが配置された場所とに区分けされている。
発熱体21が通電され、発熱して赤外線を放出するとその赤外線によって均熱板22が加熱されて均一な温度に昇温し、均熱板22から、基板配置装置14が位置する方向に向けて均一な強度の赤外線が放射される。
第一のリフレクタ23aは均熱板22と対面しており均熱板22が放出する赤外線によって加熱され、昇温して基板16が配置された方向に向けて赤外線を放出する。
第二のリフレクタ23bは、第一のリフレクタ23aが放出する赤外線によって加熱され、昇温して基板16が配置された方向に向けて赤外線を放出し、第三のリフレクタ23cは第二のリフレクタ23bが放出する赤外線によって加熱され、基板16が配置された方向に向けて赤外線を放出する。
赤外線は、リフレクタに照射される度に弱まるから、基板16のうち、基板16と均熱板22との間に位置するリフレクタの枚数が少ない部分には、枚数が多い部分に比べて単位面積あたりの強度が大きい赤外線が照射されることになる。つまり、加熱装置18から基板16に供給される単位面積あたりの熱量は、リフレクタの枚数が少ない部分の方がリフレクタの枚数が多い部分よりも大きくなるから、基板16は、裏面に位置するリフレクタの枚数が異なる場所では加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量が異なることになる。
図5の平面図には、基板16とターゲット13とが示されており、基板16の区分けを説明するための図面である。
基板16のうち、基板16の中央位置Oを含み、裏面に第一のリフレクタ23aだけが配置された部分を中央部分R0とすると、中央部分R0は第二のリフレクタ23bの孔29を介して第一のリフレクタ23aと対面する場所であり、裏面に一枚のリフレクタが配置された場所である。中央部分R0は第一~第四の基板辺L1~L4から離間されている。
次に、第一の基板辺L1を含み第一の基板辺L1と中央部分R0との間の部分には、裏面に第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された部分とそれに隣接して第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置された部分とがあり、第一の基板辺L1を含み、裏面に第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された部分とそれに隣接して第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置された部分とを第一の部分R1とし、同様に、第二の基板辺L2を含み第二の基板辺L2と中央部分R0との間の部分には、裏面に第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された部分とそれに隣接して第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置された部分とがあり、第二の基板辺L2を含み、裏面に第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された部分とそれに隣接して第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置された部分とを第二の部分R2とする。
第一、第二の部分R1、R2の裏面側には、三枚のリフレクタ又は二枚のリフレクタが配置されており、第一、第二の部分R1、R2に加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量は中央部分R0に加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量よりも小さくなっている。
次に、第一、第二の部分R1、R2と同様に、第三、第四の基板辺L3、L4をそれぞれ含み、第三、第四の基板辺L3、L4と中央部分R0との間の部分の裏面には、第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置されており、第三の基板辺L3を含む部分を第三の部分R3とし、第四の辺L4を含む部分を第四の部分R4とする。
第三、第四の部分R3、R4の裏面側には、二枚のリフレクタが配置されており、従って、第三、第四の部分R3、R4に加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量は、第一、第二の部分R1、R2の裏面のうちの第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置された部分に加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量よりも大きく、中央部分R0に加熱装置18から供給される単位面積あたりの熱量よりも小さくなっている。
上記スパッタリング装置2によって基板16の表面に薄膜を形成する際には、真空槽11の内部を真空排気装置31によって真空排気し、内部を真空雰囲気にする。
真空排気装置31による真空排気を継続しながら、ガス供給装置33によって真空槽11の内部にスパッタリングガスを供給し、所定圧力で安定したところで、磁石装置151~155を往復移動させながら、スパッタ電源32によってカソード電極12にスパッタ電圧を印加し、ターゲット13と基板16との間にプラズマを形成し、ターゲット13をスパッタリングし、基板16に薄膜を成長させる。
このとき、ターゲット13と基板16との間に形成されたプラズマから基板16に供給される基板16の単位面積あたりの熱量は、第一、第二の部分R1、R2のうちの第一又は第二の基板辺L1、L2に近接した部分が最も大きく、中央部分R0が最も小さくなり、第三、第四の部分R3、R4はその間の大きさになる。
プラズマから供給される熱量が大きい部分では加熱装置18から供給される熱量を小さくし、プラズマから供給される熱量が小さい部分では加熱装置18から供給される熱量を大きくすれば、スパッタリング中の基板16の温度の面内分布は均一になり、形成される薄膜の特性の面内分布が均一になる。
また、第一の部分R1と第三の部分R3とに隣接する角の部分を第一の角部分C1とし、第三の部分R3と第二の部分R2とに隣接する角の部分を第二の角部分C2とし、第二の部分R2と第四の部分R4とに隣接する角の部分を第三の角部分C3とし、第四の部分R4と第一の部分R1とに隣接する角の部分を第四の角部分C4とすると、第一~第四の角部分C1~C4では、裏面に第一~第三のリフレクタ23a~23cが位置する部分と第一、第二のリフレクタ23a、23bが位置する部分とがあり、加熱装置18から第一~第四の角部分C1~C4の三枚のリフレクタが位置する部分に供給される単位面積あたりの熱量は、第一、第二の部分R1、R2の三枚のリフレクタが位置する部分に供給される単位面積あたりの熱量と同じ大きさになり、二枚のリフレクタが位置する部分では第一、第二の部分R1、R2の二枚のリフレクタが位置する部分と同じ大きさになる。
但し、加熱装置18から供給する単位面積あたりの熱量を第一、第二の部分R1、R2とは異ならせることもできる。
第一、第二の部分R1、R2と第一~第四の角部分C1~C4とは、第一、第二のターゲット辺T1、T2に沿った方向に細長い三個の領域にそれぞれ区分けされており、発熱体21の発熱分布やリフレクタの配置によって三個の領域にそれぞれ異なる大きさの単位面積当たりの熱量を供給できるようにされている。
三個の領域を説明すると、第一の部分R1と第一、第四の角部分C1、C4とには、第一のターゲット辺T1に近い場所に、第一の外側領域R1(1)と、第一の角部外側領域C1(1)と、第四の角部外側領域C4(1)とが設けられ、第一のターゲット辺T1から遠い場所に第一の内側領域R1(3)と、第一の角部内側領域C1(3)と、第四の角部内側領域C4(3)とが設けられており、また、それら外側領域と内側領域との間の場所に、第一の中間領域R1(2)と、第一の角部中間領域C1(2)と、第四の角部中間領域C4(2)とが設けられている。
第二の部分R2と第二、第三の角部分C2、C3とには、第二のターゲット辺T2に近い場所に第二の外側領域R2(1)と、第二の角部外側領域C2(1)と、第三の角部外側領域C3(1)とが設けられ、第二のターゲット辺T2から遠い場所に、第二の内側領域R2(3)と、第二の角部内側領域C2(3)と、第三の角部内側領域C3(3)とが設けられており、また、それら外側領域と内側領域との間の場所には、第二の中間領域R2(2)と、第二の角部中間領域C2(2)と、第三の角部中間領域C3(2)とが設けられている。
従って、第一の中間領域R1(2)と、第一の角部中間領域C1(2)と、第四の角部中間領域C4(2)との片側には、第一の外側領域R1(1)と、第一の角部外側領域C1(1)と、第四の角部外側領域C4(1)とがそれぞれ位置し、反対側には第一の内側領域R1(3)と、第一の角部内側領域C1(3)と、第四の角部内側領域C4(3)とがそれぞれ位置している。
また、第二の中間領域R2(2)と、第二の角部中間領域C2(2)と、第三の角部中間領域C3(2)との片側には第二の外側領域R2(1)と、第二の角部外側領域C2(1)と、第三の角部外側領域C3(1)とがそれぞれ位置し、反対側には第二の内側領域R2(3)と、第二の角部内側領域C2(3)と、第三の角部内側領域C3(3)とがそれぞれ位置している。
第一の外側領域R1(1)と、第一の角部外側領域C1(1)と、第四の角部外側領域C4(1)と、第一の中間領域R1(2)と、第一の角部中間領域C1(2)と、第四の角部中間領域C4(2)とが位置する部分の裏面と、第二の外側領域R2(1)と、第二の角部外側領域C2(1)と、第三の角部外側領域C3(1)と第二の中間領域R2(2)と、第二の角部中間領域C2(2)と、第三の角部中間領域C3(2)とが位置する部分の裏面とには、第一~第三のリフレクタ23a~23cが配置されている。
他方、第一の内側領域R1(3)と、第一の角部内側領域C1(3)と、第四の角部内側領域C4(3)とが位置する部分の裏面と、第二の内側領域R2(3)と、第二の角部内側領域C2(3)と、第三の角部内側領域C3(3)とが位置する部分の裏面とには、第一、第二のリフレクタ23a、23bが配置されている。
ここでは、第三のリフレクタ23cの温度は、第三のリフレクタ23c内で均一になるようにされているので、第一の外側領域R1(1)と、第一、第四の角部外側領域C1(1)、C4(1)と、第一の中間領域R1(2)と、第一、第四の角部中間領域C1(2)、C4(2)とには同じ単位面積当たりの熱量が供給される。
従って、第一の外側領域R1(1)と、第一、第四の角部外側領域C1(1)、C4(1)と、第一の中間領域R1(2)と、第一、第四の角部中間領域C1(2)、C4(2)と、に供給される単位面積当たりの熱量を、中央部分R0と第三、第四の部分R3、R4と、第一の内側領域R1(3)と、第一、第四の角部内側領域C1(3)、C4(3)とにそれぞれ供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくすると、基板16の面内の温度分布が均一になる。
同様に、第二の外側領域R2(1)と、第二、第三の角部外側領域C2(1)、C3(1)と、第二の中間領域R2(2)と、第二、第三の角部中間領域C2(2)、C3(2)とには同じ単位面積当たりの熱量が供給される。
従って、第二の外側領域R2(1)と、第二、第三の角部外側領域C2(1)、C3(1)と、第二の中間領域R2(2)と、第二、第三の角部中間領域C2(2)、C3(2)とに供給される単位面積当たりの熱量を、中央部分R0と第三、第四の部分R3、R4と、第二の内側領域R2(3)と、第二、第三の角部内側領域C2(3)、C3(3)とにそれぞれ供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくすると、基板16の面内の温度分布が均一になる。
つまり、薄膜成長中の基板16の第一、第二の基板辺L1、L2付近の温度と、中央部分R0との温度とが等しくなるようにすることができる。
本発明は、リフレクタの枚数を変えることで、加熱装置18から放射される赤外線によって基板16に供給される単位面積あたりの熱量を、基板16の面内の場所で上述のように異ならせる場合の他、加熱装置18の発熱量を加熱装置18内の場所によって異ならせることができ、又、単位面積当たりの熱量を異ならせることとリフレクタの枚数を異ならせることとを組みあわせ、基板16に供給される単位面積あたりの熱量を、基板16の面内の場所で異ならせ、基板16の温度が均一になるようにすることができる。
例えば基板16の面内の場所のうち、単位面積あたりの熱量を大きくしたい中央部分R0には、加熱装置18のうちの温度が高い部分を対面させて熱を供給し、単位面積あたりの熱量を小さくしたい第一、第二の部分R1、R2と第一~第四の角部分C1~C4には、加熱装置18の温度が低い部分を対面させて熱を供給するようにすることもできる。
上記図2~図5で示した例では、第一の角部分C1と、第一の部分R1と、第四の角部分C4の中で、第一の外側領域R1(1)と、第一、第四の角部外側領域C1(1)、C4(1)と、第一の中間領域R1(2)と、第一、第四の角部中間領域C1(2)、C4(2)とを第一群とし、第一の内側領域R1(3)と、第一、第四の角部内側領域C1(3)、C4(3)とを第二群とすると、第一群は、同じ大きさの単位面積当たりの熱量が供給される一個の領域であり、第二群は、第一群よりも小さい値であって、第二群の中では同じ大きさの単位面積当たりの熱量が供給される一個の領域である。
従って、第一の角部分C1と、第一の部分R1と、第四の角部分C4の中は、供給される単位面積当たりの熱量が異なる二個の領域に区分けされていることになる。
同様に、第二の角部分C2と、第二の部分R2と、第三の角部分C3の中では、第二の外側領域R2(1)と、第二、第三の角部外側領域C2(1)、C3(1)と、第二の中間領域R2(2)と、第二、第三の角部中間領域C2(2)、C3(2)とを第三群とし、第二の内側領域R2(3)と、第二、第三の角部内側領域C2(3)、C3(3)とを第四群とすると、第三群は、同じ大きさの単位面積当たりの熱量が供給される一個の領域であり、第四群は、第三群よりも小さい値であって、第四群の中では同じ大きさの単位面積当たりの熱量が供給される一個の領域である。
このように、図5の第一~第四の角部分C1~C4の中と、第一、第二の部分R1、R2の中とは、供給される単位面積当たりの熱量が異なる第一、第二群の二個の領域、又は、第三、第四群の二個の領域にそれぞれ区分けされている。
ここで、第一の部分R1と第一、第四の角部分C1、C4との中を、第一のターゲット辺T1に平行な三個の領域に区分けし、また、第二の部分R2と第二、第三の角部分C2、C3との中を、第二のターゲット辺T2に平行な三個の領域に区分けし、三個の領域のうち、中間に位置する領域に供給する単位面積当たりの熱量を、中間に位置する領域の両側に位置する領域に供給する単位面積当たりの熱量よりも少なくすると、区分けした領域の温度を一層等しくすることができる。
図8の例では、第一の部分R1と第一、第四の角部分C1、C4とには、第一のターゲット辺T1に近い場所に第一の外側領域R1(4)と、第一の角部外側領域C1(4)と、第四の角部外側領域C4(4)とが設けられ、第一のターゲット辺T1から遠い場所に第一の内側領域R1(6)と、第一の角部内側領域C1(6)と、第四の角部内側領域C4(6)とが設けられており、また、それら外側領域R1(4)、C1(4)、C4(4)と内側領域R1(6)、C1(6)、C4(6)との間の場所に、第一の中間領域R1(5)と、第一の角部中間領域C1(5)と、第四の角部中間領域C4(5)とが設けられている。
第二の部分R2と第二、第三の角部分C2、C3とには、第二のターゲット辺T2に近い場所に第二の外側領域R2(4)と、第二の角部外側領域C2(4)と、第三の角部外側領域C3(4)とが設けられ、第二のターゲット辺T2から遠い場所に、第二の内側領域R2(6)と、第二の角部内側領域C2(6)と、第三の角部内側領域C3(6)とが設けられており、また、それら外側領域R2(4)、C2(4)、C3(4)と内側領域R2(6)、C2(6)、C3(6)との間の場所には、第二の中間領域R2(5)と、第二の角部中間領域C2(5)と、第三の角部中間領域C3(5)とが設けられている。
従って、第一の中間領域R1(5)と、第一の角部中間領域C1(5)と、第四の角部中間領域C4(5)との片側には、第一の外側領域R1(4)と、第一の角部外側領域C1(4)と、第四の角部外側領域C4(4)とがそれぞれ位置し、反対側には第一の内側領域R1(6)と、第一の角部内側領域C1(6)と、第四の角部内側領域C4(6)とがそれぞれ位置している。
また、第二の中間領域R2(5)と、第二の角部中間領域C2(5)と、第三の角部中間領域C3(5)との片側には第二の外側領域R2(4)と、第二の角部外側領域C2(4)と、第三の角部外側領域C3(4)とがそれぞれ位置し、反対側には第二の内側領域R2(6)と、第二の角部内側領域C2(6)と、第三の角部内側領域C3(6)とがそれぞれ位置している。
第一の中間領域R1(5)と、第一、第四の角部中間領域C1(5)、C4(5)とに供給される単位面積当たりの熱量は、中央部分R0と第三、第四の部分R3、R4とにそれぞれ供給される単位面積当たりの熱量よりも小さく、また、第一の内側領域R1(6)と、第一の角部内側領域C1(6)と、第四の角部内側領域C4(6)と第一の外側領域R1(4)と、第一の角部外側領域C1(4)と、第四の角部外側領域C4(4)とに供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされている。
また、第二の中間領域R2(5)と、第二、第三の角部中間領域C2(5)、C3(5)とに供給される単位面積当たりの熱量は、中央部分R0と第三、第四の部分R3、R4とにそれぞれ供給される単位面積当たりの熱量よりも小さく、また、第二の外側領域R2(4)と、第二の角部外側領域C2(4)と、第三の角部外側領域C3(4)と、第二の内側領域R2(6)と、第二の角部内側領域C2(6)と、第三の角部内側領域C3(6)とに供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされている。
つまり、第一の中間領域R1(5)と、第一、第四の角部中間領域C1(5)、C4(5)と、第二の中間領域R2(5)と、第二、第三の角部中間領域C2(5)、C3(5)とでは、それらの両側の領域よりも供給される単位面積当たりの熱量が小さくされており、薄膜成長中の基板16の第一、第二の基板辺L1、L2付近の温度と、中央部分R0との温度が等しくなるようにされている。
基板16内の単位面積当たりの熱供給量の分布は、図8の例と図5の例とで同じであり、第一、第二の基板辺L1、L2の方が第三、第四の基板辺L3、L4よりも長いことから、先ず、プラズマから第一、第二の基板辺L1、L2付近に供給される熱のため、第一、第二の部分R1、2と第一~第四の角部分C1~C4とに供給される単位面積当たりの熱量は、中央部分R0に供給される単位面積当たりの熱量と、第三、第四の部分R3、R4に供給される単位面積当たりの熱量とよりも小さくされている。次に、プラズマから第三、第四の基板辺L3、L4付近に供給される熱のため、第三、第四の部分R3、R4に供給される単位面積当たりの熱量は、中央部分R0に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされている。
上述したように、図8の例の場合は、更に、第一の中間領域R1(5)と、第一、第四の角部中間領域C1(5)、C4(5)と、に供給される単位面積当たりの熱量が、第一の内側領域R1(6)と、第一、第四の角部内側領域C1(6)、C4(6)と、第一の外側領域R1(4)と、第一、第四の角部外側領域C1(4)、C4(4)とに供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされ、また、第二の中間領域R2(5)と、第二、第三の角部中間領域C2(5)、C3(5)と、に供給される単位面積当たりの熱量が、第二の内側領域R2(6)と、第二、第三の角部内側領域C2(6)、C3(6)と、第二の外側領域R2(4)と、第二、第三の角部外側領域C2(4)、C3(4)とに供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされており、実験によると、図8の基板16に形成された金属薄膜のシート抵抗Rsの値は0.52Ω/□であり、シート抵抗Rsの値の基板16の面内の分布は±7.0%の範囲になっていた。
それに対し、中央部分R0に供給する単位面積当たりの熱量を他の部分よりも大きくした場合の基板16に形成した金属薄膜のシート抵抗Rsの値は0.54Ω/□であり、分布は±15.0%であった。このシート抵抗Rsの値と分布とは、従来技術の値と分布よりも改善されているが、図8の例の基板16の方が、値も分布もより改善されていることが分かる。
なお、以上説明した例では、加熱装置18が直接又はリフレクタを介して基板16に供給する単位面積当たりの熱量は、基板16の中央位置Oを通って、第一、第二の基板辺L1、L2に平行な直線に対して線対称にされ、また、基板16の中央位置Oを通って、第三、第四の基板辺L3、L4に平行な直線に対しても線対称にされており、線対称でない場合に比べて薄膜の特性の面内分布が均一になるようにされている。
また、加熱装置18が基板16に供給する単位面積当たりの熱量は、基板16の中央位置Oを通って、第一、第二の基板辺L1、L2に平行な直線に対して線対称にされ、また、基板16の中央位置Oを通って、第三、第四の基板辺L3、L4に平行な直線に対しても線対称にされており、線対称でない場合に比べて薄膜の特性の面内分布が均一になるようにされている。
2……スパッタリング装置
11……真空槽
13……ターゲット
14……基板配置装置
151~155……磁石装置
16……基板
18……加熱装置
32……スパッタ電源
1~C4……第一~第四の角部分
1~L4……第一~第四の基板辺
0……中央部分
1~R4……第一~第四の部分
1~T4……第一~第四のターゲット辺

Claims (6)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽の内部に配置されたターゲットと、
    前記ターゲットの裏面側に配置されスパッタ電源に接続されるカソード電極と、
    前記カソード電極の裏面側に配置された複数の磁石装置と、
    基板が表面に配置される基板配置装置と、
    前記基板配置装置の裏面に設けられた加熱装置と、
    各前記磁石装置には、細長で二個の平行な長辺を有するリング形形状の外周磁石と、その内側に配置された内側磁石とが設けられ、
    前記ターゲットの表面には、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間で形成される磁束が漏洩され、前記加熱装置が放射する赤外線によって前記基板配置装置上の前記基板が加熱されながら前記ターゲットがスパッタリングされ、前記基板の表面に薄膜が形成されるスパッタリング装置であって、
    前記外周磁石とその内側の前記内側磁石とは離間され、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間の部分であるプラズマ部分は、両端にそれぞれ位置する端部と、一方の前記端部と他方の前記端部とを接続する長辺とを有する細長のリング形形状にされ、
    前記ターゲットは、第一、第二のターゲット辺が平行であり、第三、第四のターゲット辺が平行である直角四辺形形状にされ、
    複数の前記磁石装置は、前記プラズマ部分の前記長辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、各前記プラズマ部分の両端のうち一方の端の前記端部は、前記第四のターゲット辺よりも前記第三のターゲット辺に近い場所で前記第三のターゲット辺に沿って並び、他方の端の前記端部は前記第三のターゲット辺よりも前記第四のターゲット辺に近い場所で前記第四のターゲット辺に沿って並ぶように配置され、
    前記基板は直角四辺形形状に形成され、四辺のうちの第一、第二の基板辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、第三、第四の基板辺が前記第三、第四のターゲット辺と平行になるように配置され、
    前記基板のうち、前記基板の中央を含む部分を中央部分とし、
    前記第一~第四の基板辺と前記中央部分との間に位置する部分をそれぞれ第一~第四の部分とし、
    前記基板の四隅に位置する部分を角部分とすると、
    前記加熱装置は、前記第一、第二の部分と前記角部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分と前記第三、第四の部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくするスパッタリング装置。
  2. 前記加熱装置は、前記第三、第四の部分に供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分に供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記磁石装置を前記長辺とは垂直な方向に繰り返し往復移動させる移動装置を有し、
    前記第一の部分は、前記第一の基板辺と平行で第一の基板辺に近い第一の外側領域と前記第一の基板辺から遠い第一の内側領域と、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域の間に位置する第一の中間領域とに区分けされ、
    前記第二の部分は、前記第二の基板辺と平行で第二の基板辺に近い第二の外側領域と前記第二の基板辺から遠い第二の内側領域と、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域の間に位置する第二の中間領域とに区分けされ、
    前記第一の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量は、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さく、
    前記第二の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量は、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくされた請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
  4. 真空槽と、
    前記真空槽の内部に配置されたターゲットと、
    前記ターゲットの裏面側に配置されスパッタ電源に接続されるカソード電極と、
    前記カソード電極の裏面側に配置された複数の磁石装置と、
    基板が表面に配置される基板配置装置と、
    前記基板配置装置の裏面に設けられた加熱装置と、
    各前記磁石装置には、細長で二個の平行な長辺を有するリング形形状の外周磁石と、その内側に配置された内側磁石とが設けられ、
    前記ターゲットの表面には、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間で形成される磁束が漏洩され、前記加熱装置が放射する赤外線によって前記基板配置装置上の前記基板が加熱されながら前記ターゲットがスパッタリングされ、前記基板の表面に薄膜が形成される薄膜製造方法であって、
    前記外周磁石とその内側の前記内側磁石とは離間され、前記外周磁石とその内側の前記内側磁石との間の部分であるプラズマ部分は、両端にそれぞれ位置する端部と、一方の前記端部と他方の前記端部とを接続する長辺とを有する細長のリング形形状にされ、
    前記ターゲットは、第一、第二のターゲット辺が平行であり、第三、第四のターゲット辺が平行である直角四辺形形状にされ、
    複数の前記磁石装置は、前記プラズマ部分の前記長辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、各前記プラズマ部分の両端のうち一方の端の前記端部は、前記第四のターゲット辺よりも前記第三のターゲット辺に近い場所で前記第三のターゲット辺に沿って並び、他方の端の前記端部は前記第三のターゲット辺よりも前記第四のターゲット辺に近い場所で前記第四のターゲット辺に沿って並ぶように配置され、
    前記基板は直角四辺形形状に形成され、四辺のうちの第一、第二の基板辺が前記第一、第二のターゲット辺と平行になり、第三、第四の基板辺が前記第三、第四のターゲット辺と平行になるように配置され、
    前記基板のうち、前記基板の中央を含む部分を中央部分とし、
    前記第一~第四の基板辺と前記中央部分との間に位置する部分をそれぞれ第一~第四の部分とし、
    前記基板の四隅に位置する部分を角部分とすると、
    前記加熱装置によって前記第一、第二の部分と前記角部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分と前記第三、第四の部分とにそれぞれ供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくして前記薄膜を成長させる薄膜製造方法。
  5. 前記加熱装置は、前記第三、第四の部分に供給する単位面積あたりの熱量を、前記中央部分に供給する単位面積あたりの熱量よりも小さくして前記薄膜を成長させる請求項4記載の薄膜製造方法。
  6. 前記磁石装置を前記長辺とは垂直な方向に繰り返し往復移動させる薄膜製造方法であって、
    前記第一の部分を、前記第一の基板辺と平行で第一の基板辺に近い第一の外側領域と前記第一の基板辺から遠い第一の内側領域と、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域の間に位置する第一の中間領域とに区分けし、
    前記第二の部分を、前記第二の基板辺と平行で第二の基板辺に近い第二の外側領域と前記第二の基板辺から遠い第二の内側領域と、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域の間に位置する第二の中間領域とに区分けし、
    前記第一の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量を、前記第一の外側領域と前記第一の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくし、
    前記第二の中間領域に供給される単位面積当たりの熱量を、前記第二の外側領域と前記第二の内側領域に供給される単位面積当たりの熱量よりも小さくする請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の薄膜製造方法。
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