(実施例1) 図1から図13に、本発明に係る小型電気機器の充電器(機能装置)を、電気かみそりの充電器に適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図2、図3および図5に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
図2において小型電気機器である電気かみそりは、グリップを兼ねる縦長の本体部1と、本体部1の上部で支持されるかみそりヘッド(機能ヘッド)2とを備えている。かみそりヘッド2の上端には切断刃部3が配置されており、切断刃部3はメイン刃4と、その前側に設けられるトリマーユニット5で構成されている。メイン刃4は、水平軸まわりに回転する内刃6と、内刃6に外接する網状の外刃7とで構成されており、トリマーユニット5は、ともに櫛歯からなる可動刃8と固定刃9で構成されている。図示していないが、かみそりヘッド2の背面側にはきわ剃りユニットが設けられている。
メイン刃4の内刃6およびトリマーユニット5の可動刃8は、かみそりヘッド2の内部に設けられた減速機付きのモーター12の回転動力で駆動される。本体部1には、モーター12に電力を供給する二次電池13が収容されている。また、本体部1には、その前面に電気かみそりの駆動状態と停止状態を切り換えるプッシュ式のスイッチボタン14が設けられ、左右の側面に二次電池13への充電電流の供給を受ける受電端子15がそれぞれ設けられている。受電端子15は円柱状に形成されており、その先端の接触部16は半球状に丸められて、接触部16のみが本体部1の外面に露出している。かみそりヘッド2は水洗い洗浄することができ、洗浄時にモーター12を起動して内刃6および可動刃8を駆動することにより、かみそりヘッド2の内部に付着した毛屑や皮脂などを効果的に洗い流すことができる。
充電器は、平面視において上下方向に長い楕円状の充電器本体(装置本体)18を備えている。図3および図5に示すように、充電器本体18は、ベースフレーム19とベースフレーム19の上面を覆うハウジング20などで構成されており、ハウジング20には平面視において、左右開口幅の広い前側幅広部と、左右開口幅の狭い後側幅狭部からなる凸字状の上面開口を有する電気かみそりの装着部21が設けられている。装着部21における前側幅広部の左右開口幅は、かみそりヘッド2の左右幅寸法よりも僅かに大きく設定されている。充電器は、装着部21に装着された電気かみそりに対する充電動作に加え、水洗いされたかみそりヘッド2の乾燥動作、および殺菌動作を行うことができる。
ハウジング20は、充電器本体18の周側面を形成し、また装着部21の前側半周面を区画する外ハウジング24と、外ハウジング24の内側に配置されて、装着部21の後側半周面を区画する内ハウジング25と、装着部21の底面を区画する底ハウジング26と、ハウジング20の上面を形成する環状の上ハウジング27などで構成されている。
図5に示すように、ベースフレーム19の上面側は、その中途部上面に設けた区分壁28で前後に区分されており、区分壁28より前側に制御基板31が設けられ、区分壁28より後側に装着部21が設けられている。制御基板31は、その前面にスイッチ素子32と、動作状態を表示する2個の表示用LED33とが実装されており、区分壁28より前側のベースフレーム19に開設された開口34を塞ぐカバー体35の上面に、制御基板31が垂直姿勢で固定されている。上ハウジング27は、その前端部を除く過半部が外ハウジング24に一体に固定され、前端部は上下に弾性変形できるよう片持ち状に支持されている。上ハウジング27の前端を押込み操作して下方に弾性変形させると、リンクアーム36を介してスイッチ素子32をプッシュ操作できる。
電気かみそりが装着部21の適正な充電位置に装着されると、制御基板31は自動的に充電器をオフ状態から充電モードに切換え、電気かみそりへの充電電流の供給を開始する。充電動作中に上ハウジング27の前端を押込み操作してスイッチ素子32がプッシュ操作されると、制御基板31は充電器を充電モードから乾燥殺菌モードに切換え、充電動作が停止されたのち電気かみそりの乾燥動作および殺菌動作が行われる。乾燥動作および殺菌動作は所定時間実行され、それぞれの動作が完了すると再び充電動作が開始される。いずれのモードにおいても二次電池13が満充電されると充電動作は自動的に停止される。なお、二次電池13が満充電される前に、スイッチ素子32がプッシュ操作された場合には、プッシュ操作の都度、充電モードと乾燥殺菌モードとが交互に切換えられる。充電器の動作状態は、上ハウジング27の前端上面に設けられた2カ所の動作表示部37・37で表示される。充電動作用の表示用LED33が点灯されると、制御基板31の上端に固定された導光体38を介して、その光が充電動作用の動作表示部37(右側)から外面に照射される。また、乾燥動作および殺菌動作用の表示用LED33が点灯されると、導光体38を介して、その光が乾燥動作および殺菌動作用の動作表示部37(左側)から外面に照射される。
充電器本体18の後側内部には送風手段が設けられている。図4および図5に示すように送風手段は、ハウジング20の内部に設けられるボックスファンからなる送風ファン41と、外ハウジング24の後面に開設されて送風ファン41に外気を取り入れる吸込開口42と、内ハウジング25に開設されて送風ファン41から送給される乾燥風を装着部21内に吹出すための吹出開口43などで構成されている。吸込開口42および吹出開口43は、それぞれ多段溝状に開口されている。送風ファン41が駆動されると、充電器本体18の外部空気が吸込開口42から取り入れられ、当該空気が送風ファン41により圧送され吹出開口43から乾燥風として装着部21内に送給される。乾燥動作においては、送風手段と後述する加熱手段が駆動され、水洗い後のかみそりヘッド2の乾燥を促進させる。
底ハウジング26には殺菌手段が設けられている。図3および図5に示すように殺菌手段は、底ハウジング26に設けられた透光窓44と、透光窓44の内面側に配置された紫外線領域の光(電磁波)が照射可能な紫外線発光LEDからなる4個の殺菌用光源45などで構成されている。透光窓44は透光性を有する素材からなり、装着部21の充電位置に装着された電気かみそりの切断刃部3に正対する位置に設けられている。殺菌用光源45が点灯されると、メイン刃4の内刃6と外刃7、およびトリマーユニット5の可動刃8と固定刃9に殺菌光が照射され、切断刃部3の殺菌が行われる。また、内刃6、外刃7、可動刃8、および固定刃9に光触媒がコーティングされている場合には、殺菌用光源45から照射される殺菌光で光触媒を励起させることができ、付着した有機物の分解を促すことができる。なお、殺菌用光源45はUVランプで構成することもできる。
装着部21に対する電気かみそりの装着は、以下の手順にて行うことができる。まず、電気かみそりをその前面が充電器の前方に指向する状態でかみそりヘッド2が下側に位置する倒立姿勢とする。この状態で、電気かみそりを上方開口の前側幅広部を介して上方から装着部21の底部まで差込み、さらに図5の矢印で示すようにかみそりヘッド2の先端(下側)を支点にして電気かみそりの全体を後方に傾動させ、本体部1を上方開口の後側幅狭部に移動させる。これにより、電気かみそりは装着部21の適正な充電位置に装着される。充電位置に装着された電気かみそりは、かみそりヘッド2が図3および図5において符号48で示す左右一対の位置決めリブで前側への移動が規制された状態で、かみそりヘッド2の先端が装着部21の底壁49(底ハウジング26)で受止められる。さらに電気かみそりの全体が後傾した状態で、本体部1が装着部21の後壁面50(壁面)にもたれかかっている。本体部1は、装着部21の後壁面(壁面)50および上方開口の後側幅狭部における左壁面(壁面)51および右壁面(壁面)52と正対しており、各壁面50・51・52の上端部分が本体部1の外面と接当して、本体部1の後方向、および左右方向への移動が規制されている。
ハウジング20を構成する外ハウジング24、内ハウジング25、および上ハウジング27はプラスチック成型品からなる。底ハウジング26は装着部21の底壁49を構成しており、柔軟性、耐熱性に富み、熱伝導性が良好なエラストマー(弾性体)を素材とする成型品からなる。底ハウジング26を形成する素材をエラストマーとすることにより、電気かみそりが装着部21の底壁49で受止められる際にかみそりヘッド2に作用する衝撃を緩和し、さらに切断刃部3の表面に傷等が生じるのを防止できる。
充電器による充電、乾燥、および殺菌の各動作は、電気かみそりが装着部21の適正な充電位置に装着されている場合に実行されるように構成されている。そのため、装着部21の充電位置に電気かみそりが適正に装着されたことを検知する1個の検知スイッチ55が、装着部21の後壁面50の上下中央位置に配置されている。図5および図6に示すように検知スイッチ55は、装着部21の後壁面50で出退自在に案内される接当体56と、接当体56でオンオフ操作されるスイッチ体57と、装着部21に装着された電気かみそりに向かって接当体56を進出付勢する付勢部材58などを備えている。スイッチ体57はマイクロスイッチで構成されており、同スイッチのアクチュエータ部59のスナップアクションを担う可動ばね58が付勢部材として機能している。なお、可動ばね58のみでは接当体56を進出付勢する付勢力が不足する場合には、圧縮コイルばねや板ばねなどからなる付勢部材58を別途設けてもよい。制御基板31は、スイッチ体57がオフ状態からオン状態に切換わった場合に充電、乾燥、および殺菌の各動作を実行する。
スイッチ体57は、前面が開口する四角箱状のスイッチケース62の内部に保持固定されており、スイッチケース62は内ハウジング25にビス(図示していない)で固定されている。接当体56は、上下方向の中央部が前側に膨出する湾曲板状の接当ベース63と、接当ベース63の上下端から後向きに延設される上下一対の連結壁64を備えている。スイッチケース62の上下面には案内爪65がそれぞれ形成されており、該案内爪65は、連結壁64に形成された案内溝66に係合している。これら案内爪65と案内溝66とで接当体56はスイッチベース62に対して前後方向に出退自在に支持されつつ、出退方
向(前後方向)の移動量が規制されている。接当体56は、内ハウジング25の後壁面50に開設されたスイッチ開口67に内嵌する状態で配置されており、該接当体56はスイッチ開口67の内周面においても出退自在に案内支持されている。本実施例ではスイッチ体57をマイクロスイッチで構成したが、スイッチ体57は接当体56の退避終端で押込み操作されるタクトスイッチで構成することができる。この場合には、別途圧縮コイルばねや板ばねなどの付勢部材58で接当体56を進出方向に付勢すればよい。
接当ベース63の前面は電気かみそりが接触する接当部とされており、接当部には上下方向(電気かみそりの差込み方向)に伸びる、先端が丸められた複数のリブ68が形成されている。接当面には本体部1の後面上端部が接触して、接当体56は後向きに押込み操作される。このように、検知スイッチ55を構成する接当体56の接当部を、上下方向に伸びる複数のリブ68で構成すると、電気かみそりと接当部との接触面積を可及的に小さくできる。これにより、着脱時における電気かみそりと接当部との摩擦による傷付きを抑制できる。さらにリブ68の先端を丸めることにより、より接触面積を減らすことができ、本体部1とリブ68の接触摩擦による本体部1の傷付きをより低減できる。本実施例のように水洗いされた電気かみそりが装着部21に装着されるような充電器の場合においては、接当体56に付着した水を隣接するリブ68・68間を通して下方に流下させることができるので、検知スイッチ55のまわりに水が溜まることによる検知スイッチ55の誤動作を防止でき、充電器の安全性を向上することができる。なお、複数のリブ68が電気かみそりの差込み方向を横切る向きに形成されている場合には、電気かみそりの着脱時にリブ68に電気かみそりが引っ掛かり検知スイッチ55が破損するおそれがある。
装着部21には、充電位置に装着された電気かみそりに対して充電電流を供給するために、左右一対の給電端子71が設けられている。図4および図5に示すように給電端子71は、本体部1を挟む装着部21の左右の壁面51・52にそれぞれ設けられている。図1および図7に示すように各給電端子71は、電気かみそりの受電端子15と係合する端子部72と、給電端子71を充電器本体18に固定するための固定部73と、一端が端子部72に連結され他端が固定部73に連結されて、固定部73に対して端子部72を揺動変位可能に支持するアーム部74と、アーム部74の他端側の固定部73に連設されてリード線が接続されるリード接続部75とを一体に備えている。固定部73、アーム部74、およびリード接続部75は板状に形成されており、固定部73に対してアーム部74が前向きに屈曲され、リード接続部75が後向きに屈曲されている。これにより、固定部73、アーム部74、およびリード接続部75はクランク状に一体に屈曲形成されている。
各給電端子71の端子部72は、左右の壁面51・52に開設された端子開口76に臨むようにアーム部74で出退自在に支持されており、進出方向(電気かみそり側)に向かって付勢部材77で付勢されている。端子部72は、端子開口76の内周面で出退自在に案内支持されている。付勢部材77は、端子部72と、該端子部72に向かい合う外ハウジング24の内面との間に設けられた圧縮コイルばねからなる。
板状のアーム部74は弾性変形可能であるため、当該アーム部74の弾性によっても端子部72は進出付勢されており、従って該アーム部74は付勢部材77としても機能している。こうした給電端子71によれば、アーム部74を付勢部材77として利用できるので、圧縮コイルばね77を省略することも可能である。この場合には、圧縮コイルばね77を設ける必要がないので、給電端子71まわりの構造を簡素化して、充電器の製造コストを低減できる。また、圧縮コイルばね77を設ける場合でも、圧縮コイルばね77のばねレートを小さくでき、給電端子71および圧縮コイルばね77の組付け性を向上できる。
端子部72には、受電端子15側に向かって突出する円環状の山部80と、山部80に囲まれたすり鉢状の谷部81とが形成されている。受電端子15は、半球状の接触部16が山部80を乗り越えてすり鉢状の谷部81に嵌まり込む状態で、端子部72に係合する。このように、端子部72に、円環状の山部80と、山部80に囲まれたすり鉢状の谷部81とを形成すると、山部80で給電端子71が係合方向に移動するのを規制して、電気かみそりを適正な充電位置に的確に位置保持できる。また、受電端子15が山部80を乗り越え谷部81に落ち込む際に節度感を付与することができ、電気かみそりが適正な充電位置に装着されたことをユーザーに認識させることができる。また、端子部72に対する受電端子15の係脱方向がいずれの方向であっても、同様の節度感が得られ、同様の操作力で分離できる。
また、球状に形成した受電端子15先端の接触部16を、すり鉢状の谷部81に嵌まり込む状態で係合させると、接触部16と谷部81とを円状に線接触させることができるので、両者15・81を的確に接触させて接触部分における電気抵抗を低減することができる。
上記のように、端子部72に環状(円環状)の山部80を形成すると、端子部72の構造強度を増強できるので、長期にわたって安定的に充電動作を実行できる。なお、山部80は三角環状、四角環状、あるいは多角環状に形成することもできる。この場合には、端子部72に受電端子15が係合するとき、辺部を乗り越える場合と角部を乗り越える場合とで節度感が変化し、端子部72から受電端子15が分離するとき、辺部を乗り越える場合と角部を乗り越える場合とで分離操作力が変化する。
山部80の外側斜面82および内側斜面83のそれぞれはテーパー面で構成されており、山部80の頂点を通る平面に対して、外側斜面82の下り傾斜角度は、内側斜面83の下り傾斜角度よりも大きく設定されている。これによれば、外側斜面82を乗り越えて接触部16が谷部81に係合する際には、その乗り越え抵抗が比較的大きくなるので確実な節度感を得ることができ、ユーザーは電気かみそりが充電位置に装着されたことを明確に認識できる。また、内側斜面83を乗り越えて接触部16が谷部81から分離する際には、その乗り越え抵抗が比較的小さくなるので、分離操作力を軽減することができ、ユーザーは軽い力で電気かみそりを取外すことができる。なお、係合時において接触部16が山部80を乗り越えるタイミングは、装着部21に対する電気かみそりの装着動作中であるため、比較的大きな乗り越え抵抗であっても装着動作の勢いで、容易に接触部16を谷部81に係合させることができる。
端子部72には、外側斜面82の裾部分に連続して筒部84が設けられている。アーム部74は、筒部84の裾部分に一体に連結されている。また、アーム部74とは反対側の筒部84の裾部分には規制部85が折り曲げ形成されており、該規制部85が端子開口76の内側段部に接当することで、端子部72の進出限界が規定されている。給電端子71は、所定の形状に打ち抜き加工された金属板からなるブランク材にプレス装置により曲げ加工と絞り加工を施して形成される。このように、山部80の外側斜面82の裾部分に連続する筒部84を設けると、端子部72の構造強度をさらに増強でき、より長期にわたって安定的に充電動作を実行できる。
先に説明した圧縮コイルばね77の端子部72側の過半部(一端側)は、上記筒部84に収容される状態で設けられている。また、圧縮コイルばね77の端子部72側の座巻部は、山部80の内面側に形成された円環谷状の受け凹部86の底面で受止められている。このように、圧縮コイルばね77の一端を、筒部84に収容した状態で端子部72を電気かみそりに向かって付勢すると、筒部84で圧縮コイルばね77の移動を規制できるので、圧縮コイルばね77の反発力を的確に受け止めて端子部72を確実に進出付勢できる。圧縮コイルばね77を安定支持できる利点もある。また、筒部84に収容された圧縮コイルばね77の座巻部を、円環谷状の受け凹部86で受止めると、圧縮コイルばね77の移動をより確実に規制できるので、圧縮コイルばね77の反発力をより的確に受け止めて端子部72をより確実に進出付勢できる。圧縮コイルばね77をより安定支持できる利点もある。
固定部73は、内ハウジング25の背面に形成された端子固定座89に固定されている。具体的には、固定部73には板面を貫通する貫通孔90が開設されており、端子固定座89には端子部72の出退方向(左右方向)と直交する向き(後方向)に軸心を有する固定ピン(固定具)91が突設されている。貫通孔90に固定ピン91を挿通して固定部73を端子固定座89に密着させ、この状態で固定ピン91の先端を溶融変形させることにより、端子固定座89に固定部73を固定できる。なお、前記固定ピンに替えて貫通孔90を介して端子固定座89にねじ込み固定されるビスなどで固定具91を構成することもできる。
上記のように、内ハウジング25(充電器本体18)に固定部73を固定するための固定ピン91の軸心方向と、端子部72の出退方向とが直交するように構成すると、端子部72の出退移動に伴って固定部73はその伸び方向に移動しようとするので、固定ピン91にはせん断方向の力が作用する。これにより、固定部73は固定ピン91で確りと受け止められてがたつくことがなく、端子部72は的確に出退移動できる。逆に、固定ピン91の軸心方向と、端子部72の出退方向とが平行になるように構成すると、例えば固定ピン91がビスの場合には、端子部72の出退移動に伴ってビスに締結方向に沿う力が作用
するため、徐々にビスに緩みが生じるおそれがある。
端子部72の出退方向と固定部73の伸び方向とは同一方向(左右方向)であり、両者72・73は前後にずれた位置に配置されており、固定ピン91の軸心方向(前後方向)は、端子部72の出退方向および固定部73の伸び方向に直交するように構成されている。アーム部74の伸び方向は、固定ピン91の軸心方向に対して傾斜するように形成されており、屈曲板状に一体形成された固定部73とアーム部74とに挟まれる内角θは鈍角になるように設定されている。これによれば、内角θを直角に設定する場合に比べて、アーム部74の全長を長く形成することができ、端子部72の出退移動に伴うアーム部74の弾性変形量を小さくして、繰り返される弾性変形によるアーム部74の疲労破壊を回避できる。また、内角θを鋭角に設定した場合にも、アーム部74の全長を長く形成することができるが、この場合には、固定部73とアーム部74との境界部分(鋭角状の屈曲部分)で疲労破壊が生じやすい点で不利がある。
本実施例では、各給電端子71を進出付勢する付勢部材(圧縮コイルばね77とアーム部74)の付勢力の合計力が、検知スイッチ55を進出付勢する付勢部材(可動ばね)58の付勢力よりも大きく設定されている。このように、各付勢部材58・77の付勢力を設定すると、より大きな付勢力で電気かみそりを挟み込んで、電気かみそりが壁面から浮き離れるのを抑止することができる。
また、先に説明したように、装着部21の適正な充電位置に装着された電気かみそりは、後壁面50にもたれかかっている。そのため、電気かみそりの全体が垂直に倒立しているような(後傾していない)中途半端な装着位置においては、仮に受電端子15と給電端子71とが、接触していたとしても検知スイッチ55がオン状態に切換らないため、充電電流が供給されることはない。
本実施例の電気かみそりの充電器では、電気かみそりを間にして装着部21の向かい合う左右壁面51・52のそれぞれに給電端子71を設け、残る後壁面50に検知スイッチ55を設けた。このような給電端子71および検知スイッチ55の配置形態によれば、一対の給電端子71の付勢部材77による向かい合う方向に作用する付勢力で、受電端子15を介して電気かみそりを挟み込んで位置保持し、検知スイッチ55の付勢部材58による付勢力や充電器に作用する外力で、電気かみそりが壁面から浮き離れるのを効果的に抑止することができる。
水洗いされたかみそりヘッド2が装着部21に装着されると、洗浄後の残り水が滴り落ち底ハウジング26に溜まってしまう。当該水を排水するために、図4および図8に示すように、底ハウジング26には排水口94が開設されており、排水口94の下方に排水口94から排水された水を受け止め貯留する排水トレー95が設けられている。排水口94と排水トレー95との間には、水を排水トレー95へと流下案内する排水筒96が設けられている。排水トレー95は、充電器本体18の右周側面で開口するトレー開口97を備えたトレー装着部98に着脱自在に装着されており、トレー開口97を介して左右方向(水平方向)に着脱自在に装着されている。これにより、排水トレー95の着脱方向は、充電器の載置面に平行な方向(水平方向)に設定されており、また、排水口94を流れる水の流下方向と直交している。トレー装着部98は、ベースフレーム19の底面に上向きに凹み形成されて、その一部が充電器本体18の右側面の下部に露出しており、当該露出部分がトレー開口97とされている。充電器本体18の右側面に繋がるトレー開口97の上部分および前後部分には、斜めに切欠きが設けられて、指先で容易に排水トレー95を掴むことができるようにしている。
排水トレー95は、周回状の周側壁101と底壁102とで上面が開口する四角容器状に形成されており、左側の前後の角部は丸められている。前後側および左側の周側壁101の上縁には、フランジ壁103が外向きに張出し形成されている。排水トレー95の底壁102の一部にはゴミ受け凹部104が凹み形成されており、該ゴミ受け凹部104は、排水口94に臨む位置に設けられている。また、ゴミ受け凹部104は、周側壁101に接することなく底壁102に凹み形成されている。ゴミ受け凹部104の内側周面と底面とで挟まれる入隅部105の曲率は、周側壁101と底壁102との内面で挟まれる入隅部106の曲率よりも小さく設定されている。本実施例の入隅部105では、曲率をできるだけ小さくしたので、底壁102の底面とゴミ受け凹部104の底面とを繋ぐ略傾斜面状に入隅部105が構成されている。トレー開口97に臨む前後側の周側壁101には、指掛け凹部107が凹み形成されており、指先でより容易に排水トレー95を掴むことができるようにしている(図4、図10参照)。
上記のように、充電器本体18の右周側面に形成したトレー開口97を介してトレー装着部98から着脱される排水トレー95の着脱方向を、充電器の載置面に平行な方向に設定すると、充電器を持ち上げることなく排水トレー95の着脱が可能となり、排水トレー95に貯留された水の処分を簡便に行うことができる。載置面に対して斜め上方に引き上げながら、あるいは斜め下方に引き下げながら排水トレー95を着脱する場合に比べて、排水トレー95の着脱をスムーズに行うことができる利点もある。
また、排水口94に臨む排水トレー95の底壁102に、ゴミ受け凹部104を凹み形成すると、排出された水に毛屑が混入していた場合に、ゴミ受け凹部104に毛屑を溜めることができ、毛屑を含んだ水が排水トレー95からこぼれるのを可及的に抑制して、充電器周囲の載置面等が毛屑によって汚損されるのを阻止できる。
また、ゴミ受け凹部104の内側周面と底面とで挟まれる入隅部105の曲率を、排水トレー95の周側壁101と底壁102との内面で挟まれる入隅部106の曲率よりも小さく設定すると、毛屑が溜まりにくい排水トレー95の周側壁101と底壁102との入隅部106で排水トレー95の容量を可及的に大きくしつつ、ゴミ受け凹部104の入隅部105を毛屑が溜まりにくく清掃がしやすい形状にすることができるので、排水トレー95の清掃を容易化できる。
先に説明したように、装着位置にある電気かみそりは、装着部21を囲む内周面の3個の後壁面50、左壁面51、および右壁面52の上端で後方向、および左右方向の移動が規制されており、充電器の平面視において、排水トレー95を右方向(電気かみそりの移動規制方向とは反対側)に引出し分離するように構成した。これによれば、電気かみそりを掴んで排水トレー95を分離した場合でも、電気かみそりは移動が規制されて適正な充電位置を維持できるので、電気かみそりの充電中に排水トレー95を分離する場合でも、電気かみそりの充電動作は確実に継続される。
図8および図10に示すように、トレー装着部98の前後の内壁面のそれぞれには、内向きにレール壁(支持壁)110が突設されている。排水トレー95は、レール壁110で排水トレー95のフランジ壁103(排水トレー95の下面)が受け止められる状態で、トレー装着部98に装着されている。また、レール壁110はトレー開口97から差込み装着される排水トレー95をスライド案内するガイド部材を兼ねている。充電器本体18には、排水トレー95をレール壁110に押付け付勢する押圧体111が設けられている。
図9に示すように押圧体111は、ベースフレーム19(充電器本体18)に固定される固定部112と、排水トレー95に接当する押圧部113と、固定部112と押圧部113とを一体に連結する弾性変形可能な左右一対の弾性腕114とを備えている。押圧部113は、下突湾曲する帯板状に形成されて、一対の弾性腕114の先端どうしを連結するように設けられている。固定部112は板面中央に円形の流路開口115を有する額縁状(無端環状)に形成されている。押圧部113および一対の弾性腕114は、固定部112の前後にそれぞれ1組ずつ設けられている。押圧体111は、所定の形状に打ち抜き加工された金属板からなるブランク材にプレス装置により曲げ加工を施して形成される。
上記のように、充電器本体18に、トレー装着部98のレール壁110に排水トレー95のフランジ壁103を押付け付勢する押圧体111を設けると、押圧体111で排水トレー95が上下方向にがたつくのを阻止できるので、引出し操作時に排水トレー95が不必要にがたついて貯留された水がこぼれるのを防止できる。また、排水トレー95のフランジ壁103とレール壁110の上面との接触面における摩擦抵抗で、排水トレー95を着脱する際に適度な操作感が得られ、排水トレー95が素早く引出し分離されることによって水がこぼれたり、排水トレー95が素早く差込み装着されることによって排水トレー95が破損するのを防止できる。
先に説明した排水筒96の外周面には、周回状の固定座116が形成されて排水筒96が段付き筒状に形成されており、該固定座116に固定部112を固定することにより、押圧体111が充電器本体18に固定される。固定部112は、固定部112の流路開口115に底壁49の排水口94が臨む状態でベースフレーム19に固定される。具体的には、固定部112には、四隅部にそれぞれ貫通孔117が形成されており、固定座116には貫通孔117に対応する位置にそれぞれ固定ピン118が上向きに突設されている。固定部112の流路開口115に排水筒96の上半部を挿通し、排水筒96に固定部112を外嵌させる。さらに固定部112を固定座116に密着させ、この状態で固定ピン118の先端を溶融変形させることにより、固定座116に固定部112を固定できる。なお、前記固定ピン118に替えて貫通孔117を介して固定座116にねじ込み固定されるビスなどで押圧体111を固定することもできる。
押圧体111の固定部112は、その外郭形状を大きく形成するほど安定的に固定でき、弾性腕114をよりしなやかに弾性変形させることができるが、その分固定部112を固定するためのスペースを必要とし、充電器全体が大型化してしまう。しかし、本実施例のように、無端環状に形成した固定部112の流路開口115に底壁49の排水口94が臨む状態で、固定部112をベースフレーム19に固定すると、固定部112の外郭形状を大きくしながらも、デッドスペースとなる固定部112中央部分を排水が通る流路として利用できる。従って、弾性腕114をしなやかに弾性変形させることができるようにし
ながら、充電器全体をコンパクトに構成することができる。
各押圧部113の突部先端は、ベースフレーム19に開設された露出孔119を介してトレー装着部98に突出しており、当該押圧部113の突出部分が、排水トレー95に形成された係合凹部120に係合している。該係合凹部120は、周側壁101およびフランジ壁103の上面に凹み形成された凹部からなり、排水トレー95がトレー装着部98に装着された状態においては、押圧部113は係合凹部120に落込み係合している。このように、排水トレー95上面に、同トレー95が装着位置にあるときに押圧部113が落込み係合する係合凹部120を凹み形成すると、排水トレー95を装着位置において位置保持することができる。また、排水トレー95の着脱において、引出し分離開始時に押圧部113が係合凹部120から抜け出すとき、および差込み装着終了時に押圧部113が係合凹部120に落込むときに、ユーザーは排水トレー95の操作感に手応えを感じるため、押圧体111と係合凹部120を節度構造として機能させることができる。排水トレー95の位置保持構造と節度構造の両方の機能を兼用できるので、部品点数を削減して製造コストを低減できる利点もある。
固定部112から2個の弾性腕114を延設して、各弾性腕114の先端を排水トレー95に向かって下突湾曲する帯板状に形成された押圧部113の端部にそれぞれ連続させているので、固定部112、弾性腕114、および押圧部113が枠状に形成されている。これにより、押圧体111の構造強度を増強でき、弾性腕114をよりしなやかに弾性変形させることができるので、的確な位置保持機能と明確な節度機能を発揮させることができる。固定部112には、該固定部112を間にして対向するように、一対の弾性腕114と押圧部113とがそれぞれ一組ずつ設けられているので、2カ所で排水トレー95
をレール壁110に向かって押下げ付勢でき、排水トレー95が上下方向にがたつくのをより確実に阻止できる。また、より的確な位置保持機能と明確な節度機能を発揮させることができる点でも有利である。
ベースフレーム19に、排水口94から排水された水を排水トレー95へと流下案内する排水筒96を設け、該排水筒96に押圧体111の固定部112を固定すると、充電器の構造躯体である充電器本体18で固定部112を支持固定できるので、押圧体111を強固に固定することができ、さらに的確な位置保持機能と明確な節度機能を発揮させることができる。
また、押圧体111の流路開口115が排水筒96に外嵌する状態で、押圧体111の固定部112を排水筒96の固定座116に固定すると、固定部112は、排水筒96の筒軸に直交する方向への移動が規制されつつ支持固定されるので、押圧体111をより強固に固定することができる。
充電器本体18には、充電器の駆動電力の供給を受ける受電用の電源ソケット123が設けられており、該電源ソケット123に、電源コードの一端に設けられた接続プラグ124が差込み接続されている。接続プラグ124の他端側の電源コードには、商用電源のコンセントに差し込まれるプラグが設けられている。図10に示すように、充電器の平面視において、充電器本体18の中心を通る前後方向に伸びる仮想線Vを想定したとき、仮想線Vで分割された充電器本体18の右側(一方)の領域にトレー開口97が配置され、左側(他方)の領域に電源ソケット123が配置されている。
上記のように仮想線Vで分割された充電器本体18の右側の領域にトレー開口97を配置し、左側の領域に電源ソケット123を配置すると、トレー開口97と電源ソケット123との距離を可及的に遠ざけて、排水トレー95の分離時に水がこぼれた場合でも、電源ソケット123に水がかかることがない。従って、電源ソケット123において短絡や腐食が発生するのを効果的に防止できる。なお、先の仮想線Vと、充電器本体18の中心を通り仮想線Vと直交する第2の仮想線を想定するとき、対角位置にある象限領域にトレー開口97と電源ソケット123を配置することもできる。この場合には、両者97・123をさらに遠ざけて、排水トレー95の着脱時に電源ソケット123に水が付着するのをより抑制できる。
接続プラグ124は、電源ソケット123に対して後方から前方に向かって差込み接続されている。これにより、排水トレー95の着脱方向と、接続プラグ124の差し込み方向(前後方向)とは直交するように構成されている。さらに接続プラグ124の差し込み方向は、充電器の載置面に平行な方向(水平方向)に設定されている。先に説明したように排水トレー95の着脱方向は、排水口94を流れる水の流下方向と直交しているので、排水トレー95の着脱方向と、接続プラグ124の差し込み方向と、排水口94の流下方向とはそれぞれ直交するように構成されている。
上記のように、排水トレー95の着脱方向と、電源ソケット123に差込み接続された接続プラグ124の差込み方向とが直交するように構成すると、電源コードを掴んだ状態で排水トレー95を分離しようとした場合でも、接続プラグ124が抜け外れるのを可及的に防ぐことができる。従って、排水トレー95が満水となり、電気かみそりの充電中に排水トレー95を分離しなければならないときでも、電気かみそりの充電動作が中断されるのを防ぐことができる。例えば排水トレー95の着脱方向と接続プラグ124の差込み方向とが反対方向の場合には、電源コードを掴んだ状態で排水トレー95を分離しようとすると、接続プラグ124も抜け外れるおそれがある。
また、接続プラグ124の差込み方向を充電器の載置面に平行な方向に設定すると、先の排水トレー95と同様に、載置面に対して斜め上方に引き上げながら、あるいは斜め下方に引き下げながら排水トレー95を着脱する場合に比べて、接続プラグ124の着脱をスムーズに行うことができる。
電源ソケット123は、充電器本体18に形成されたソケット凹部125の内奥部に設けられている。ソケット凹部125は、ベースフレーム19の底面に上向きに凹み形成されて、充電器本体18の左面、後面、および底面で開口している。図10および図11に示すように、ソケット凹部125の上側および右側を構成する内壁面は、接続プラグ124の差込み方向の内奥に向かって先窄まり状に形成されている。こうしたソケット凹部125によれば、ソケット凹部125の入口側を広くし、内奥部を狭くすることができる。これにより、電源ソケット123に対する接続プラグ124の接続初期においては、ソケット凹部125に接続プラグ124を差込みやすく、接続プラグ124と充電器本体18の外面との干渉を防ぐことができる。また、接続プラグ124の接続中期においては、接続プラグ124が壁面でガイドされ、接続プラグ124がソケット凹部125に近づくように差込むことができ、電源ソケット123への接続プラグ124の接続を容易化できる。なお、本実施例では、上側および右側を構成する内壁面の両方を、接続プラグ124の差込み方向の内奥に向かって先窄まり状に形成したが、いずれか一方の内壁面のみが先窄まり状に形成されていてもよい。
乾燥動作において送風手段とともに駆動される加熱手段が装着部21に設けられている。図3、図5、および図12に示すように加熱手段は、装着部21の底壁49(底ハウジング26)と、底壁49の下面に設けられるヒーター128と、底壁49とヒーター128との間に設けられる金属からなる防護プレート129などを備えている。ヒーター128は断面円形のシーズヒーターからなり、ベースフレーム19の区分壁28に固定された左右に長い四角枠状のヒーターベース130の周囲に環状に設けられている。ヒーターベース130の内側開口部分は、先に説明した透光窓44に臨むように配置されており、これにより、ヒーター128は、透光窓44の下面周縁に配置される。防護プレート129は、透光窓44の周囲を囲む四角枠状に形成されており、その下面がヒーター128と密着されており、上面が底壁49の裏面に密着されている。
充電位置における電気かみそりは、かみそりヘッド2の先端が底壁49に接当しており、加熱手段および送風手段を駆動することでかみそりヘッド2を加熱しつつ、乾燥風を送給して水洗い後のかみそりヘッド2の乾燥を促進させる。しかし、切断刃部3に設けられたメイン刃4およびトリマーユニット5は構造が緻密であり、さらに内刃6と外刃7、および可動刃8と固定刃9のそれぞれが密着状に設けられているため、乾燥に時間を要するのを避けられない。そのため、本実施例では、底壁49に切断刃部3の正面と正対する隆起壁133が設けられている。図12に示すように、隆起壁133は断面クランク状に上向きに立ち上がっており、その上端部がトリマーユニット5の正面と密着状に正対している。なお、切断刃部3の背面と正対するように隆起壁133を設けることができ、切断刃部3の正面および背面と正対するように2個の隆起壁133を設けることもできる。また、かみそりヘッド2の先端の左右側面と正対する隆起壁133を設けることもできる。
図12および図13に示すように加熱手段は、隆起壁133に熱を伝導するための伝熱プレート134を備えている。伝熱プレート134は金属板体に折り曲げ加工を施して形成されており、隆起壁133に沿って上向きに伸びる伝導板135と、伝導板135の下端に連設されてヒーター128の熱を受け取る受熱板136とを備えている。伝導板135は、隆起壁133の裏面に沿うようにクランク状に形成されて、隆起壁133の裏面に密着している。隆起壁133の上および左右の周縁の裏面には、差込溝140が設けられており、該差込溝140に伝熱板135の上縁部および左右縁部(上下に伸びる側縁)がそれぞれ差し込まれている。受熱板136は、防護プレート129の前辺の上面に密着されており、防護プレート129を介してヒーター128の熱が、伝熱プレート134に伝導される。なお、伝導板135は隆起壁133の裏面に僅かな隙間を介して向かいあう状態で設けることもできる。
上記のように、隆起壁133の裏面に密着する状態で伝導板135を設けると、柔軟性に富む素材で形成された隆起壁133の形状を伝導板135で保持でき、隆起壁133を切断刃部3の正面に的確に正対させることができる。また、伝導板135の熱を効率よく隆起壁133に移動させることができる。従って、効果的に切断刃部3を加熱して、水洗い後のかみそりヘッド2の乾燥をより促進させることができる。
また、伝導板135の上縁部および上下に伸びる縁部を、隆起壁133の裏面に設けられた差込溝140にそれぞれ差し込むようにすると、隆起壁133と伝導板135とを一体的に構成できるので、隆起壁133の形状をより的確に保持できる。隆起壁133と伝導板135とが離間することによる、両者133・135間の伝熱ロスを小さくできる利点もある。
また、隆起壁133を断面クランク状に上向きに立ち上げ、隆起壁133の裏面に沿う形状に伝導板135を形成すると、装着部21への電気かみそりの差込み装着時に、かみそりヘッド2が隆起壁133に接触した場合でも、クランク状の断面がばね性を発揮するので伝導板135が座屈変形するのを防止できる。隆起壁133が断面ストレート状である場合には、隆起壁133を上方に引き延ばすように伸び変形されると、伝導板135が差込溝140から抜け外れるおそれがある。しかし、本実施例では、伝導板135の中途部に屈曲部が形成されるため、当該屈曲部より上側の隆起壁133のみが伸び変形するため、伸び代が小さくなる分伝導板135が差込溝140から抜け外れるのを抑制できる。
伝熱プレート134は、ベースフレーム19の区分壁28に形成したプレート固定座141に固定されている。具体的には、受熱板136の先端には、防護プレート129を固定するための左右一対の固定舌片137が設けられている。該固定舌片137には板面を貫通する貫通孔142が開設されており、プレート固定座141には上向きに2個の固定ピン143が突設されている。各貫通孔142にそれぞれ固定ピン143を挿通して固定舌片137をプレート固定座141に密着させ、この状態で固定ピン143の先端を溶融変形させることにより、ベースフレーム19に伝熱プレート134を固定できる。なお、前記固定ピン143に替えて貫通孔142を介してプレート固定座141にねじ込み固定されるビスなどで伝熱プレート134を固定することもできる。このように、ベースフレーム19のプレート固定座141に伝熱プレート134を固定すると、該伝熱プレート134を強固に支持固定できるので、隆起壁133の形状をさらに的確に保持できる。
上記のような加熱手段を備えた電気かみそりの充電器によれば、ヒーター128に通電することにより、該ヒーター128で加熱された底壁49を介して装着部21内の空気を加熱し、かみそりヘッド2全体を昇温して、水洗い後のかみそりヘッド2の乾燥を促進させることができる。また、ヒーター128で加熱された底壁49でかみそりヘッド2の先端を加熱し、さらに隆起壁133で切断刃部3の正面を積極的に加熱して、効果的に水洗い後のかみそりヘッド2の乾燥を促進させることができる。
また、底壁49とヒーター128の間に金属製の防護プレート129を備えていると、底壁49上に電気かみそりが落下した場合でも、防護プレート129でヒーター128を保護できる。加えて、該防護プレート129の板面に伝熱プレート134の受熱板136を密着させると、金属製の防護プレート129を介してヒーター128の熱を受熱板136で受け取ることができ、防護プレート129を設けたことによる、ヒーター128から伝熱プレート134への熱伝導効率の低下をほぼ皆無にできる。
なお、本実施例ではヒーター128に断面円形のシーズヒーターを採用したため、ヒーター128を直接底壁49に密着させると、両者49・128は線接触状に接触することになる。しかし、両者49・128の間に金属製の防護プレート129を介在させることにより、防護プレート129を介してヒーター128の熱をより広範の底壁49に伝導することができるので、底壁49を効率よく加熱することができる。
上記の実施例では、電源コードの一端側の接続プラグ124を電源ソケット123に接続し、さらに電源コードの他端側のプラグを商用電源のコンセントに接続したうえで、倒立姿勢の電気かみそりを装着部21に差込み後傾させることにより、検知スイッチ55がオン状態となって自動的に電気かみそりに対する充電動作が開始されるように充電器を構成した。このように、検知スイッチ55がオン状態に切換ることにより自動的に充電動作が開始される充電器の動作形態に替えて、電気かみそりが装着部21の適正な充電位置に装着されて検知スイッチ55がオン状態に切換わった状態において、手動でスイッチ素子
32がプッシュ操作(オン操作)されたときに充電動作が開始される動作形態とすることができる。さらにスイッチ素子32がプッシュ操作されると、充電モードと乾燥殺菌モードとの間でモードの切換えを行える動作形態とすることができる。この場合には、検知スイッチ55は充電器を充電、乾燥、および殺菌の各動作が実行可能なスタンバイ状態に切換えるスイッチとして機能する。なお、本動作形態においては、スタンバイ、充電モード、乾燥殺菌モードの3つのモードが、スイッチ素子32がプッシュ操作される毎に、ループ状に切換えられるように構成されている。
上記のような動作形態の電気かみそりの充電器によれば、保管のため二次電池13の充電残量が十分な電気かみそりを装着部21に装着した場合に、不必要に充電動作が行われることがなく、短時間の充電動作を頻繁に繰返すことによる二次電池13の劣化を抑制できる。なお、二次電池13の充電残量が例えば40%を下回っている場合には、スイッチ素子32のプッシュ操作なしに充電動作が開始されるようにしてもよい。
図14に端子部72の形状を変更した給電端子71の変形例を示す。そこでは、端子部72は、アーム部74に連続する板部をプレス装置により波板状に屈曲させることにより、2個の山部80・80と、両山部80・80間の谷部81と、規制部85が形成されている。2個の山部80・80は、受電端子15の係合方向に沿う方向に配置されている。こうした給電端子71によれば、ブランク材にプレス装置で曲げ加工を施すだけで形成できるので、絞り加工を施して端子部72を形成する給電端子71よりも、給電端子71の製造コストを低減することができる。また、絞り加工性の良い素材を選択する必要がなく、より安価な素材で給電端子71を形成できる点でも有利である。なお、山部80および谷部81の頂部にリブ押し加工を施すことにより、端子部72全体の構造強度を増強することができる。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の説明においても同じとする。
(実施例2) 図15は、本発明に係る小型電気機器の充電器の実施例2を示す。この実施例では、装着部21の左壁面51に検知スイッチ55を配置し、右側面52に両給電端子71・71を配置した点が先の実施例1と異なる。このような給電端子71および検知スイッチ55の配置形態によれば、給電端子71の付勢部材77と検知スイッチ55の付勢部材58による向かい合う方向に作用する付勢力で、電気かみそりを挟み込んで位置保持でき、各付勢部材58・77による付勢力や充電器に作用する外力で、電気かみそりがずれ動くのを効果的に抑止することができる。
(実施例3) 図16は、本発明に係る小型電気機器の充電器の実施例3を示す。この実施例では、装着部21の後壁面50に両給電端子71・71を配置し、右側面52に検知スイッチ55を配置した点が先の実施例1と異なる。このような給電端子71および検知スイッチ55の配置形態によれば、検知スイッチ55の付勢部材58による付勢力で、電気かみそりを左壁面51に押付けて位置保持でき、各付勢部材58・77による付勢力や充電器に作用する外力で、電気かみそりがずれ動くのを効果的に抑止することができる。
(実施例4) 図17は、本発明に係る小型電気機器の充電器の実施例4を示す。この実施例では、電気かみそりの本体部1を支持しつつ、後方向、および左右方向への移動を規制する支持体147を充電器本体18とは別体で形成した。支持体147は、左右一対の支持腕148と、一対の支持腕148と一体に設けられる支持柱149とで構成されており、充電器本体18に支持柱149を差込み装着できるように構成されている。一対の支持腕148には、それぞれ給電端子71が設けられている。こうした充電器によれば、不使用時に支持体147を分離することで、充電器の高さ寸法を小さくすることができ、充電器をコンパクトに収納することができる。支持柱149の基端部を、充電器本体18に設けた回動軸で回動自在に支持して、支持体147が、電気かみそりの充電が可能な直立姿勢と、装着部21に収納される横臥姿勢とに姿勢変更可能に構成されている形態を採ることもできる。
以上のように、上記各実施例の電気かみそりの充電器においては、給電端子71および検知スイッチ55を、装着部21を囲む内周面のうち後周面および左右周面に配置して、装着状態における電気かみそりの異なる周面に向かって付勢部材77・58で進出付勢するようにした。そのため、付勢部材77・58による付勢力を電気かみそりの周面に対して複数の方向から作用させることができる。従来の充電器では、周方向における同一周面に大きな付勢力が作用して電気かみそりが壁面から浮き離れるおそれがあったが、本実施例では、付勢力の作用方向を異ならせることにより電気かみそりが壁面から浮き離れるのを抑止できる。また、電気かみそりの同一周面に大きな付勢力が作用することがない分、従来の充電器のように保持構造を設けて電気かみそりの位置保持を行う必要もない。以上のように本実施例によれば、別途位置保持専用の構造を設けることなく、装着部21に装着された電気かみそりを適正な充電位置に保持できるので、製造コストを抑えながらも安定的に電気かみそりへの充電動作が実行される充電器を提供できる。
上記各実施例は、小型電気機器(電気かみそり)に対して充電動作を行う充電器(機能装置)に、乾燥動作および殺菌動作の機能を付加したものであるが、観点を変えれば、小型電気機器に対して乾燥動作を行う乾燥器(機能装置)に、充電動作および/または殺菌動作の機能を付加したものとして見ることができる。こうした小型電気機器の乾燥器は以下の形態で実施することができる。
小型電気機器の上方からの差込み装着を許す凹み状の装着部21を備える乾燥器本体(装置本体)18を備え、
小型電気機器が、本体部1と、本体部1の上部で支持される機能ヘッド(かみそりヘッド)2とを備え、該小形電気機器は、機能ヘッド2が下側に位置する倒立姿勢で、装着部21に差込み装着されており、
装着部21には、機能ヘッド2の乾燥を促進させる加熱手段が設けられており、
装着部21の底壁49は、柔軟性に富む素材で形成されて、機能ヘッド2の周側面と正対する上向きに立ち上がる隆起壁133を備えており、
加熱手段は、装着部21の底壁49と、該底壁49を加熱するヒーター128と、隆起壁133に熱を伝導するための伝熱プレート134とを含み、
伝熱プレート134が、隆起壁133に沿って上向きに伸びる伝導板135と、伝導板135の下端に連設されてヒーター128の熱を受け取る受熱板136とを備えていることを特徴とする小型電気機器の乾燥器。なお、ここで言う「機能ヘッド2の周側面」とは、機能ヘッド2の正面、背面、左側面、および右側面のうちの少なくともひとつの面のことを意味する。
上記のような構成の小型電気機器の乾燥器によれば、ヒーター128で加熱された底壁49を介して装着部21内の空気を加熱し、機能ヘッド2全体を昇温して、水洗い後の機能ヘッド2の乾燥を促進させることができる。また、ヒーター128で加熱された底壁49で機能ヘッド2の先端を加熱し、さらに隆起壁133で切断刃部3の周側面を積極的に加熱して、効果的に水洗い後の機能ヘッド2の乾燥を促進させることができる。
なお、小型電気機器の乾燥器は、上記形態の乾燥器と、特許請求の範囲に挙げた請求項31から36に記載の形態とを組み合わせることが可能である。さらに、小型電気機器の乾燥器は、上記形態の乾燥器と、特許請求の範囲に挙げた請求項1から30に記載の形態とを組み合わせることも可能である。このように形態を組み合わせる場合には、特許請求の範囲における「小型電気機器の充電器」の文言は、「小型電気機器の乾燥器」と置き換えればよい。また、明細書における「充電器本体18」の文言は、「乾燥器本体18」と置き換えればよい。
また、小型電気機器の乾燥器(機能装置)は次の形態で実施することもできる。すなわち、
小型電気機器の上方からの差込み装着を許す凹み状の装着部21を備える乾燥器本体(装置本体)18を備え、
小型電気機器が、本体部1と、本体部1の上部で支持される機能ヘッド(かみそりヘッド)2とを備え、該小形電気機器は、機能ヘッド2が下側に位置する倒立姿勢で、装着部21に差込み装着されており、
装着部21には、機能ヘッド2の乾燥を促進させる加熱手段が設けられており、
装着部21の底壁49に排水口94が設けられており、
乾燥器本体18に、排水口94から流下した水を受け止める排水トレー95が設けられており、
排水トレー95は、乾燥器本体18の周側面で開口するトレー開口97を備えたトレー装着部98に着脱自在に装着されており
トレー開口97を介して着脱される排水トレー95の着脱方向が、乾燥器の載置面に平行な方向に設定されていることを特徴とする小型電気機器の乾燥器。
上記のような排水トレー95を備えた小型電気機器の乾燥器によれば、乾燥器を持ち上げることなく排水トレー95の着脱が可能となり、排水トレー95に貯留された水の処分を簡便に行うことができる。また、載置面に対して斜め上方に引き上げながら、あるいは斜め下方に引き下げながら排水トレー95を着脱する場合に比べて、排水トレー95の着脱をスムーズに行うことができる利点もある。
なお、排水トレー95を備えた小型電気機器の乾燥器は、上記形態の乾燥器と、特許請求の範囲に挙げた請求項17から30に記載の形態とを組み合わせることが可能である。さらに、上記形態の乾燥器と、特許請求の範囲に挙げた請求項1から15、請求項31から36に記載の形態とを組み合わせることも可能である。このように形態を組み合わせる場合には、先と同様に特許請求の範囲における「小型電気機器の充電器」の文言は、「小型電気機器の乾燥器」と置き換えればよい。また、明細書における「充電器本体18」の文言は、「乾燥器本体18」と置き換えればよい。
上記各実施例の小型電気機器の充電器(機能装置)は、さらに観点を変えれば、小型電気機器に対して殺菌動作を行う殺菌器(機能装置)に、充電動作および/または乾燥動作の機能を付加したものとして見ることもできる。こうした小型電気機器の殺菌器は、殺菌用光源45を含む殺菌手段を備える形態で実施することができる。なお、殺菌手段を備えた小型電気機器の殺菌器は、前記形態の殺菌器と、特許請求の範囲に挙げた請求項1から36に記載の形態とを組み合わせることが可能である。このように形態を組み合わせる場合には、特許請求の範囲に記載された「小型電気機器の充電器」の文言は、「小型電気機器の殺菌器」と置き換えればよい。また、明細書における「充電器本体18」の文言は、「殺菌器本体18」と置き換えればよい。
本発明は、上記各実施例で示した電気かみそり(小型電気機器)の充電器(機能装置)は、イオン導入器、イオン導出器などの美容器具、ハンディマッサージ器、電動歯ブラシ、スマートフォン、携帯電話機などの充電器にも適用することができる。電気かみそりにおいてはかみそりヘッドが機能ヘッド2として構成されるが、前記の美容器具においては肌面に接当させる肌処理部(肌用電極ヘッド)、ハンディマッサージ器においては人体に接当させる施療部(マッサージヘッド)、電動歯ブラシにおいては口内部位に接当させる洗浄部(ブラシヘッド)がそれぞれ機能ヘッド2に相当する。また、前記スマートフォン、携帯電話機などのように、洗浄されることがないため乾燥動作を行う必要のない小型電気機器の充電器では乾燥手段が省略でき、充電動作、または充電動作および殺菌動作が行える小型電気機器の充電器とすることができる。