JP7080210B2 - ロータ及び回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、ロータ及び回転電機に関するものである。
従来、ロータコアの内部に永久磁石が埋設された磁石埋込型回転電機(いわゆるIPMモータ。IPM:Interior Permanent Magnet)の構成が知られている。これらの磁石埋込型回転電機では、ロータの回転時の状態に応じて、磁束の強さを調節するための技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、磁束量が変化する可変磁力磁石と、可変磁力磁石より磁力が大きい固定磁力磁石と、固定磁力磁石の磁路部分と磁束が漏れる部分とを取り囲む短絡コイルと、を有する回転電機の構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、短絡コイルを貫通する磁化電流による磁界によって、短絡コイルに誘導電流が発生する。この誘導電流により固定磁力磁石の磁界を打ち消すことにより、可変磁力磁石を増磁する際の磁化電流の増加を抑制できるとされている。
国際公開第2010/070888号
ところで、この種の磁石埋込型回転電機に用いられるネオジム磁石(永久磁石)は、温度が上昇するにつれて残留磁束密度(磁力)が弱まる。このため、最も磁力が強い低温条件下において、永久磁石による逆起電圧が回転電機の耐電圧以下となるようにインバータに使用される半導体素子等を設計する必要がある。一方、回転電機が駆動されてロータが高温となった状況下では、要求トルクを確保する必要がある。よって、回転電機においては、低温時に磁力が弱められ、高温時には磁力が強められるような磁気回路が要求されている。
そこで、本発明は、低温時に磁力を弱めるとともに、高温時に磁力を高めることができるロータ及びこのロータを用いた回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係るロータ(例えば、第1実施形態におけるロータ3)は、環状に形成され、軸方向に延びる磁石挿入孔(例えば、第1実施形態における磁石挿入孔31)を有するロータコア(例えば、第1実施形態におけるロータコア4)と、前記磁石挿入孔に挿入され、前記ロータコアの周方向に沿って複数設けられる永久磁石(例えば、第1実施形態における永久磁石5)と、前記周方向に隣り合う前記永久磁石同士の間に配置され、前記軸方向に沿って延びるとともに、温度が上昇するにつれて飽和磁束密度が低下する感温部材(例えば、第1実施形態における感温部材6)と、を備え、前記永久磁石は、複数の磁石要素により前記ロータの1極を構成するとともに、前記複数の磁石要素によりV字状に配置されており、前記感温部材は、前記ロータの1極を構成する前記複数の永久磁石要素の間にそれぞれ設けられることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明に係るロータは、前記ロータコアは、前記感温部材が挿入される感温部材挿入孔(例えば、第1実施形態における感温部材挿入孔32)を有し、前記感温部材挿入孔と前記磁石挿入孔との間には、リブ(例えば、第1実施形態におけるリブ35)が設けられ、前記軸方向から見て、前記感温部材挿入孔の角部は、面取りされていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係るロータは、前記感温部材は、温度が上昇すると軟磁性体から非磁性体に変化する部材であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係るロータは、前記感温部材は、前記軸方向から見て、前記ロータのd軸に対して対称に配置されることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係るロータは、前記ロータコアの前記軸方向の端部に配置される端面板(例えば、第1実施形態における端面板7)を備えることを特徴としている。
請求項6に記載の発明に係る回転電機(例えば、第1実施形態における回転電機1)は、上述のロータと、前記ロータの径方向の外側に隙間をあけて配置されるステータ(例えば、第1実施形態におけるステータ2)と、を備えることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のロータによれば、周方向に隣り合う永久磁石同士の間には感温部材が配置され、感温部材は、温度が上昇するにつれて飽和磁束密度が低下する。低温時には、感温部材の飽和磁束密度が相対的に大きい。このため、感温部材に磁束が通ることにより、永久磁石からの磁束漏れが発生し易くなる。これにより、ロータに生じる逆起電圧を低減させることができる。よって、低温条件下において、感温部材を有しない従来技術と比較して逆起電圧を低下できるので、インバータに使用される半導体素子の耐電圧を下げることができる。したがって、耐電圧の低いより廉価な半導体素子を使用できる。
一方、回転電機が駆動され、内部発熱により温度が上昇した高温時には、感温部材の飽和磁束密度が低温時と比較して小さい。このため、感温部材に磁束が通るのを抑制することにより、永久磁石からの磁束漏れが発生し難くなる。これにより、高温条件下において、永久磁石の径方向に沿う磁力を高め、ロータのトルクを向上することができる。よって、回転電機の駆動時において所望のトルクを出力できる。
このように、本発明によれば、低温時に磁力を弱めるとともに、高温時に磁力を高めることができるロータを提供できる。
本発明の請求項2に記載のロータによれば、感温部材挿入孔と磁石挿入孔との間には、リブが設けられ、軸方向から見て、感温部材挿入孔の角部は、面取りされている。このため、リブに角部が形成されないので、例えばロータが回転した際に、永久磁石や感温部材の遠心力を受けてリブに応力が集中するのを抑制できる。よって、遠心力に耐え得るとともに、感温部材を確実に保持できるロータとすることができる。
本発明の請求項3に記載のロータによれば、感温部材は、軟磁性体である。このため、感温部材自体は磁束を発生しないが、感温部材の近傍に配置された永久磁石の磁力により磁化される。よって、温度に応じて感温部材の飽和磁束密度が変化することで、温度に応じた所望の磁路を形成できる。したがって、効果的に低温時に磁力を弱めるとともに、高温時に磁力を高めることができる。
本発明の請求項4に記載のロータによれば、感温部材は、軸方向から見て、ロータのd軸に対して対称に配置される。これにより、より効果的に永久磁石の磁力を調節できる。具体的に、低温時には感温部材における磁束の通過を許容することにより漏れ磁束を発生させ、高温時には感温部材における磁束の通過を抑制することにより径方向の磁力を増加させる。よって、温度に応じて磁力を顕著に変化させることができる。
本発明の請求項5に記載のロータによれば、ロータコアの軸方向の端部に配置される端面板を備える。この端面板により、永久磁石や感温部材の軸方向への移動を制限できる。また、例えば端面板を介してロータの径方向に沿って冷媒を供給する場合がある。この場合、冷媒を用いてロータの温度を積極的に冷却することができるので、ロータの温度を調節し易い。よって、所望の温度に設定することにより、感温部材の飽和磁束密度を所望の値に設定することができる。
本発明の請求項6に記載の回転電機によれば、上述のロータと、ステータと、を備える。これにより、低温時に磁力を弱めることで、インバータにおいて耐電圧の低い廉価な半導体素子を使用できるとともに、高温時に磁力を高めることでトルクを向上したロータを用いた、高性能な回転電機を提供できる。
第1実施形態に係る回転電機の部分正面図。 図1のII部拡大図。 第1実施形態に係るロータコアと感温部材の分解斜視図。 第1実施形態に係る感温部材における温度と飽和磁束密度との関係を示すグラフ。 第1実施形態に係る回転電機の低温時における磁束密度分布を示す説明図。 第1実施形態に係る回転電機の高温時における磁束密度分布を示す説明図。 第1実施形態に係る回転電機の無負荷時における逆起電圧波形を示すグラフ。 第2実施形態に係る回転電機の回転電機の部分正面図。 第3実施形態に係る回転電機の回転電機の部分正面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
(回転電機)
図1は、第1実施形態に係る回転電機1の部分正面図である。図2は、図1のII部拡大図である。
図1に示すように、回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される走行用モータである。但し、本発明の構成は、走行用モータに限らず、発電用モータやその他用途のモータ、車両用以外の回転電機1(発電機を含む)としても適用可能である。
回転電機1は、ステータ2と、ロータ3と、を備える。以下の説明では、ステータ2及びロータ3の中心軸である軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。
(ステータ)
ステータ2は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。ステータ2の外周部は、不図示のケースの内壁面に固定されている。ケースは、ステータ2及びロータ3を内部に収容している。ケースの内部には、不図示の冷媒が収容されている。上述したステータ2及びロータ3は、ケースの内部において、一部が冷媒に浸漬された状態で配置されている。なお、冷媒としては、トランスミッションの潤滑や動力伝達等に用いられる作動油である、ATF(Automatic Transmission Fluid)等が好適に用いられている。
ステータ2は、ステータコア21と、コイル22と、を有する。
ステータコア21は、複数の鋼板を軸方向に積層して形成される積層コアである。ステータコア21は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。ステータコア21は、ステータコア21の内周部から径方向の内側に向かって突出する複数のティース23を有する。ティース23は周方向に複数設けられている。各ティース23間はスロット24とされている。
コイル22は、ステータコア21のスロット24に挿入されている。コイル22は、例えば複数の銅線セグメントをスロット24に挿入することにより、ステータコア21に装着されている。コイル22は、ステータコア21のスロット24に挿入されるコイル挿通部22aと、ステータコア21から軸方向の両側に突出するコイルエンド(不図示)と、を有する。
(ロータ)
ロータ3は、環状に形成されている。ロータ3は、ステータ2に対して径方向の内側に、間隔をあけて配置されている。ロータ3は、軸線C回りに回転可能に構成されている。ロータ3は、ステータ2に装着されたコイル22に通電を行い、ステータ2とロータ3との間で磁界が生じることにより、ステータ2に対して軸線C回りに回転する。
ロータ3は、ロータコア4と、永久磁石5と、感温部材6と、端面板7と、を備える。
(ロータコア)
ロータコア4は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。ロータコア4は、複数の鋼板を軸方向に積層して形成される積層コアである。ロータコア4は、磁石挿入孔31と、感温部材挿入孔32と、シャフト挿通孔33と、リブ35と、を有する。
磁石挿入孔31は、ロータコア4の外周部に設けられている。磁石挿入孔31は、ロータコア4を軸方向に貫通している。磁石挿入孔31は、軸方向から見て、軸線Cを通るとともに径方向に延びる直線Lを挟んで周方向に並んで一対設けられている。一対の磁石挿入孔31は、軸方向から見て、直線Lから周方向に離間するにつれて径方向の内側から外側に傾斜している。換言すれば、一対の磁石挿入孔31は、径方向の内側から外側へ向かうにつれて互いに離間するV字状に配置されている。このように形成された一対の磁石挿入孔31は、周方向において等間隔に複数(本実施形態では8個)設けられている。直線Lは、ロータ3のd軸と一致している。
感温部材挿入孔32は、一対の磁石挿入孔31の間に設けられている。具体的に、感温部材挿入孔32は、軸方向から見て、一対の磁石挿入孔31の間でd軸上に配置されている。感温部材挿入孔32は、径方向において、一対の磁石挿入孔31の端部と対応する位置に設けられている。感温部材挿入孔32は、ロータコア4を軸方向に貫通している。感温部材挿入孔32は、軸方向から見て、角部が面取りされた矩形状に形成されている。
シャフト挿通孔33は、磁石挿入孔31及び感温部材挿入孔32より径方向の内側に設けられている。シャフト挿通孔33は、ロータコア4を軸方向に貫通している。シャフト挿通孔33は、軸線Cと同軸上に設けられている。シャフト挿通孔33には、不図示のシャフトが挿入されている。シャフトは、軸線Cを中心とする筒状に形成されている。シャフトは、例えばシャフト挿通孔33に圧入されて固定されている。シャフトは、ロータ3及びステータ2を収容するケースに取り付けられた軸受(不図示)を介して、ケースに対して回転可能に支持されている。これにより、ロータコア4及びシャフトは、軸線C回りに一体回転する。
図2に示すように、リブ35は、磁石挿入孔31と感温部材挿入孔32との間に設けられている。リブ35は、軸方向から見て、周方向を厚み方向とするとともに、径方向に沿って延びている。リブ35は、感温部材挿入孔32の周方向両側にそれぞれ設けられている。
(永久磁石)
図1に示すように、永久磁石5は、ロータコア4の各磁石挿入孔31にそれぞれ挿入されている。永久磁石5は、周方向に複数設けられている。永久磁石5は、軸方向から見て矩形状に形成されている。永久磁石5は、軸方向に沿って延びている。一対の磁石挿入孔31に挿入された一対の永久磁石5は、一対の磁石挿入孔31の形状に沿って、径方向の内側から外側へ向かうにつれて互いに離間するV字状に配置されている。
永久磁石5は、例えば希土類磁石である。希土類磁石としては、例えばネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石等が挙げられる。本実施形態において、永久磁石5は、ネオジム磁石である。ネオジム磁石は、温度が上昇するにつれて残留磁束密度が低下する性質を有する。
一対の磁石挿入孔31に配置される一対の永久磁石5の着磁方向は、径方向において同じ方向となるように配置されている。また、周方向に隣り合う一対の永久磁石5同士の着磁方向は、径方向において互いに逆方向になるようにそれぞれ配置されている。換言すれば、永久磁石5は、V字状に配置された一対の永久磁石5ごとに極が交互に異なるように配置されている。
磁石挿入孔31のうち、永久磁石5が挿入されていない部分は、間隙Sとなっている。この間隙Sは、フラックスバリアとして機能する。磁石挿入孔31に永久磁石5が挿入された状態で、永久磁石5とロータコア4との間には、不図示の樹脂材料が充填されて固定されている。
(感温部材)
図3は、第1実施形態に係るロータコア4と感温部材6の分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、感温部材6は、軸方向からロータコア4の感温部材挿入孔32に挿入されている。よって、感温部材6は、周方向に隣り合う一対の永久磁石5同士の間に配置されている。感温部材6は、一対の永久磁石5と並列な磁気回路上に設けられている。感温部材6は、軸方向から見て、角部が面取りされた矩形状に形成されている。感温部材6は、軸方向に沿って延びている。
感温部材6は、軸方向から見て、ロータ3のd軸上に配置されている。感温部材6は、軸方向から見て、ロータ3のd軸に対して対称に配置されている。
図4は、第1実施形態に係る感温部材6における温度Tと飽和磁束密度Bsとの関係を示すグラフである。図4の横軸は、感温部材6の温度Tを表す。図4の縦軸は、各温度Tにおける感温部材6の飽和磁束密度Bsを表す。
感温部材6は、温度Tにより飽和磁束密度Bsが変化する材料により形成されている。具体的に、感温部材6は、図4に示すように、温度Tが上昇するにつれて飽和磁束密度Bsが低下する。本実施形態において、感温部材6は、例えばソフトフェライトや、キュリー温度に達すると常磁性体から非磁性体に変化する鉄ニッケル合金等の軟磁性体である。
図5は、第1実施形態に係る回転電機1の低温時(図4の温度T1)における磁束密度B分布を示す説明図である。図6は、第1実施形態に係る回転電機1の高温時(図4の温度T2)における磁束密度B分布を示す説明図である。
図5に示すように、低温時には、感温部材6の飽和磁束密度Bsが大きくなるので、永久磁石5の磁束が感温部材6を通過して漏れる。これにより、低温時、ロータ3は、永久磁石5による磁力が弱められている。
図6に示すように、高温時には、感温部材6の飽和磁束密度Bsが小さくなるので、低温時と比較して永久磁石5の磁束が感温部材6を通過し難くなる。このため、感温部材6を介して磁束が漏れ難い磁気回路が形成される。よって、高温時にはロータ3内において磁束が漏れ難くなるので、ロータ3は、永久磁石5による磁力が強められている。
(端面板)
図1に戻って、端面板7は、軸方向の両側からロータコア4を覆っている。端面板7は、ロータコア4の軸方向における両端部に一対設けられている。一対の端面板7は、ロータコア4の軸方向を向く端面と接触して配置されている。端面板7は、軸線Cを中心とする円環状に形成されている。端面板7の外径は、ロータコア4の外径とほぼ同等となっている。端面板7の内径は、ロータコア4の内径(シャフト挿通孔33の内径)とほぼ同等となっている。端面板7は、例えばカシメや締結によりロータコア4に固定されている。端面板7は、永久磁石5及び感温部材6の軸方向への移動を抑制している。
なお、端面板7は、例えば径方向に沿って冷媒を流通させるための流路等を有していてもよい。この場合、流路は、例えば端面板7のうち軸方向のロータコア4側を向く端面に溝を形成することにより、端面板7とロータコア4との間に設けられていてもよい。また、端面板7は、ロータコア4に接着固定されてもよい。
(作用、効果)
次に、上述のロータ3及び回転電機1の作用、効果について説明する。
図7は、第1実施形態に係る回転電機1の無負荷時における逆起電圧波形を示すグラフである。図7の横軸は、時間を表し、縦軸は、時間毎の逆起電圧を表す。図7における波形G1は、本実施形態におけるロータ3の温度Tが100°Cのときの逆起電圧波形を示す。波形G2は、本実施形態におけるロータ3の温度Tが-20°Cのときの逆起電圧波形を示す。波形G3は、感温部材6を有しない従来技術におけるロータ3の温度Tが-20°Cのときの逆起電圧波形を示す。
ここで、永久磁石5は、温度が低下するにつれて残留磁束密度B(磁力)が強められる。このため、低温条件下において、永久磁石5による逆起電圧が高温時と比較して大きくなり易い。図7に示すように、感温部材6を有しない従来技術の逆起電圧波形G3では、高温時の逆起電圧波形G1と比較して逆起電圧の値(振幅)が大きい。このため、従来技術にあっては、低温時の逆起電圧が回転電機1の耐電圧以下となるように、インバータの半導体素子等を設計する必要があった。一方、本実施形態のロータ3の低温時における逆起電圧波形G2は、高温時の逆起電圧波形G1と同等の値となる。
本実施形態のロータ3によれば、周方向に隣り合う永久磁石5同士の間には感温部材6が配置され、感温部材6は、温度Tが上昇するにつれて飽和磁束密度Bsが低下する。低温時には、感温部材6の飽和磁束密度Bsが相対的に大きい。このため、感温部材6に磁束が通ることにより、永久磁石5からの磁束漏れが発生し易くなる。これにより、ロータ3に生じる逆起電圧を低減させることができる。よって、低温条件下において、感温部材6を有しない従来技術と比較して逆起電圧を低下できるので、インバータに使用される半導体素子の耐電圧を下げることができる。特に、従来技術と比較してインバータにおける半導体素子のグレードを落とした場合であっても逆起電圧に耐えることができるので、より廉価な半導体素子を使用できる。
一方、回転電機1が駆動され、内部発熱により温度Tが上昇した高温時には、感温部材6の飽和磁束密度Bsが低温時と比較して小さい。このため、感温部材6に磁束が通るのを抑制することにより、永久磁石5からの磁束漏れが発生し難くなる。これにより、高温条件下において、永久磁石5の径方向に沿う磁力を高め、ロータ3のトルクを向上することができる。よって、回転電機1の駆動時において所望のトルクを出力できる。
したがって、低温時に磁力を弱めるとともに、高温時に磁力を高めることができるロータ3を提供できる。
図2に示すように、感温部材挿入孔32と磁石挿入孔31との間には、リブ35が設けられ、軸方向から見て、感温部材挿入孔32の角部は、面取りされている。このため、リブ35に角部が形成されないので、例えばロータ3が回転した際に、永久磁石5や感温部材6の遠心力を受けてリブ35に応力が集中するのを抑制できる。よって、遠心力に耐え得るとともに、感温部材6を確実に保持できるロータ3とすることができる。
感温部材6は、軟磁性体である。このため、感温部材6自体は磁束を発生しないが、感温部材6の近傍に配置された永久磁石5の磁力により磁化される。よって、温度Tに応じて感温部材6の飽和磁束密度Bsが変化することで、温度Tに応じた所望の磁路を形成できる。したがって、効果的に低温時に磁力を弱めるとともに、高温時に磁力を高めることができる。
図1に示すように、感温部材6は、軸方向から見て、ロータ3のd軸に対して対称に配置される。これにより、より効果的に永久磁石5の磁力を調節できる。具体的に、低温時には感温部材6における磁束の通過を許容することにより漏れ磁束を発生させ、高温時には感温部材6における磁束の通過を抑制することにより径方向の磁力を増加させる。よって、温度Tに応じて磁力を顕著に変化させることができる。
ロータ3は、ロータコア4の軸方向の端部に配置される端面板7を備える。この端面板7により、永久磁石5や感温部材6の軸方向への移動を制限できる。また、例えば端面板7を介してロータ3の径方向に沿って冷媒を供給する場合がある。この場合、冷媒を用いてロータ3の温度Tを積極的に冷却することができるので、ロータ3の温度Tを調節し易い。よって、所望の温度Tに設定することにより、感温部材6の飽和磁束密度Bsを所望の値に設定することができる。
本実施形態の回転電機1によれば、上述のロータ3と、ステータ2と、を備える。これにより、低温時に磁力を弱めることで、インバータにおいて耐電圧の低い廉価な半導体素子を使用できるとともに、高温時に磁力を高めることでトルクを向上したロータ3を用いた、高性能な回転電機1を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係る回転電機1の部分正面図である。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。第2実施形態では、永久磁石5及び感温部材6の配置及び個数が上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、ロータコア4は、一対の磁石挿入孔31の間に、さらに1個の中央磁石挿入孔231を有する。中央磁石挿入孔231は、軸方向から見て、軸線Cを通り径方向に沿う直線L(d軸)に対して直交する方向に沿って延びている。一対の磁石挿入孔31及び中央磁石挿入孔231は、V字状に配置されている。一対の磁石挿入孔31及び中央磁石挿入孔231には、永久磁石5が挿入されている。また、ロータコア4のうち、中央磁石挿入孔231と、各磁石挿入孔31と、の間には、感温部材挿入孔32がそれぞれ設けられている。各感温部材挿入孔32には感温部材6が挿入されている。本実施形態において、感温部材6は、d軸から周方向に離間した位置かつd軸を挟んで両側に設けられている。感温部材6は、軸方向から見て、径方向の内側から外側へ向かうにつれてd軸側に近接するように傾斜している。
本実施形態によれば、3個の永久磁石5(一対の磁石挿入孔31及び中央磁石挿入孔231に挿入される永久磁石5)により1個の極を形成するロータ3に適用する場合であっても、上述の第1実施形態と同等の作用、効果を奏することができる。よって、ロータ3の汎用性を向上できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係る回転電機1の部分正面図である。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。第3実施形態では、1個の磁石挿入孔31に永久磁石5及び感温部材6が挿入される点において上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、ロータコア4は、ロータ3の1個の極に対して1個の磁石挿入孔331を有する。磁石挿入孔331は、軸方向から見て、径方向の外側に開口するU字状に形成されている。磁石挿入孔331には、永久磁石5及び感温部材6が挿入されている。永久磁石5は、磁石挿入孔331の長手方向の両端部に一対配置されている。感温部材6は、一対の永久磁石5の間に配置されている。また、ロータコア4は、磁石挿入孔331の内壁から磁石挿入孔331の内部に向かって突出する複数の突起を有する。具体的に、突起は、磁石係止用突起336と、感温部材係止用突起337と、を有する。
磁石係止用突起336は、磁石挿入孔331のうち径方向の内側に位置する内壁から、径方向の外側に向かって突出している。磁石係止用突起336は、各永久磁石5に対して、磁石挿入孔331の長手方向の両側に設けられている。磁石係止用突起336は、永久磁石5が磁石挿入孔331の長手方向に移動するのを抑制している。
感温部材係止用突起337は、磁石挿入孔331のうち径方向の内側に位置する内壁から、径方向の外側に向かって突出している。感温部材係止用突起337は、感温部材6に対して、磁石挿入孔331の長手方向(周方向)の両側に設けられている。感温部材係止用突起337は、感温部材6が磁石挿入孔331の長手方向に移動するのを抑制している。
本実施形態によれば、永久磁石5と感温部材6との間にリブ35(図1参照)を設けることなくロータ3を形成できる。よって、リブ35に作用する応力等を考慮することなく、永久磁石5及び感温部材6を所望の位置に配置できる。また、磁石挿入孔31と感温部材挿入孔32とをそれぞれ設ける場合と比較して、ロータ3を簡素な構成とすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上述の実施形態では、2個又は3個の永久磁石5によりロータ3の1極を形成する構成について説明したが、これに限らない。例えば4個以上の永久磁石5によりロータ3の1極を形成してもよい。この場合、各永久磁石5の間に感温部材6を設けることが望ましい。同様に、例えば第1実施形態において、一対の永久磁石5よりも周方向の外側に感温部材6を配置してもよい。この場合、感温部材6は、一対の磁石の並列磁気回路上に配置されることが望ましい。
端面板7は設けなくてもよい。この場合、例えば感温部材6をエポキシやカシメによりロータコア4に固定する構成としてもよい。
感温部材6の軸方向から見た形状は、上述の実施形態に限定されない。例えば、感温部材6は、軸方向から見て、角部が面取りされない矩形状に形成されてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 回転電機
2 ステータ
3 ロータ
4 ロータコア
5 永久磁石
6 感温部材
7 端面板
31,231,331 磁石挿入孔
32 感温部材挿入孔
35 リブ

Claims (6)

  1. 環状に形成され、軸方向に延びる磁石挿入孔を有するロータコアと、
    前記磁石挿入孔に挿入され、前記ロータコアの周方向に沿って複数設けられる永久磁石と、
    前記周方向に隣り合う前記永久磁石同士の間に配置され、前記軸方向に沿って延びるとともに、温度が上昇するにつれて飽和磁束密度が低下する感温部材と、
    を備え
    前記永久磁石は、複数の磁石要素により前記ロータの1極を構成するとともに、前記複数の磁石要素によりV字状に配置されており、
    前記感温部材は、前記ロータの1極を構成する前記複数の永久磁石要素の間にそれぞれ設けられることを特徴とするロータ。
  2. 前記ロータコアは、前記感温部材が挿入される感温部材挿入孔を有し、
    前記感温部材挿入孔と前記磁石挿入孔との間には、リブが設けられ、
    前記軸方向から見て、前記感温部材挿入孔の角部は、面取りされていることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記感温部材は、温度が上昇すると軟磁性体から非磁性体に変化する部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロータ。
  4. 前記感温部材は、前記軸方向から見て、前記ロータのd軸に対して対称に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータ。
  5. 前記ロータコアの前記軸方向の端部に配置される端面板を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロータと、
    前記ロータの径方向の外側に隙間をあけて配置されるステータと、
    を備えることを特徴とする回転電機。
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