JP7080088B2 - 粘着物品 - Google Patents
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Description
一方、粘着物品の粘着力が低すぎる場合には、需要者が持ち運ぶ際に、粘着物品が剥がれてしまうことも予想される。粘着物品が容器類からの剥がれてしまった場合には、食品の保存日等が不明確となって、生鮮食品等の鮮度が低下したものを需要者が食する懸念も生じ得る。
また、粘着層の粘着強度の強弱は、糊殺しをする面積で調整できるとも記載されているが(0017)、当業者の知見によれば、粘着剤組成固有の粘着強度自体が変わらない以上、糊殺しをしていない部分のみが糊残りの原因となることは明白である。
更には、本発明の粘着物品は、食品衛生法(昭和34年厚生省告示第370号)に適合するものであるため、粘着剤に起因した有害物質の含有が制限され、人体に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の粘着物品の粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、合成ゴムを主成分とし、合成ゴム100質量部に対して粘着付与樹脂が60質量部以下の量で含有した組成物である。
具体的に合成ゴムとしては、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム及びその変性体等が挙げられるが、なかでも食品衛生法に適合する観点から、又は粘着付与樹脂の含有量が少ない場合であってもタックを有する観点から、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブチレンゴム(ポリブテンゴム)及びポリイソプレンゴムであることが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
合成ゴムを主成分とすることで、従来のアクリル系粘着剤と比較して容器類との接着性を抑制する効果が得られる。
一方、いたずらに粘着付与樹脂を多くした場合には、食品衛生法の基準に適合しなくなるおそれも生じ得る。
また、ゴム自体の粘着性及び自着性により所望する特性が得られることも多いので、粘着付与樹脂は必ずしも必須の成分ではないが、粘着付与樹脂はゴム成分100質量部に対して1質量部以上の範囲で含まれていることが好ましく、3質量部以上がより好ましい。3質量部以上であれば、比較的接着し難い容器類に対しても、粘着剤層に所望の粘着力を付与することができる。
本発明に用いる基材は特に限定されないが、一つの部材から成る単層基材であっても良いし、一の部材と他の部材を貼り合わせた積層構造を有する積層体からなる基材であっても良い。基材は柔軟性を有していても良いし、あるいは反発性を有していても良く、その性状は取扱い性等需要者の使い勝手から適宜選択され得る。
基材と粘着剤層を合わせた粘着物品の厚さは、需要者の取扱い性等を考慮して適宜選択すれば良いが、一般的には3~150μmである。好ましくは6~100μm、より好ましくは10~80μmである。
粘着物品の寸法は、需要者による取扱い性等を考慮して適宜選択すれば良いが、一般的には、一片の長さ・幅が、10~100mmであることが好ましい。また、用途によっては、背景技術に示すように、折返し端部を設けて掴みやすくすることが好ましい。折り返し端部は指で摘まむことを考慮して適宜設定され、通常5~25mm、好ましくは10~20mm程度とすればよい。
以下の各成分を表1に示す量(質量部)で混合して、実施例1~5に用いる粘着剤組成物を得た(配合1~5)を得た。なお、実施例1は参考例を示す。
2-エチルヘキシルアクリレート97部、アクリル酸2.5部及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.5部を溶媒中で2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)を開始剤として重合し、固形分50%のアクリル系ポリマーを得た。このアクリル系ポリマーをベースポリマーとして100部、イソシアネート系硬化剤(綜研化学社製、商品名L-45)1部添加することにより、粘着剤組成物を得た。
ブチルアクリレート20部、2-エチルヘキシルアクリレート77部、アクリル酸2.5部及び2-ヒドロキシエチルアクリレート0.5部を溶媒中で2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)を開始剤として重合し、固形分50%のアクリル系ポリマーを得た。このアクリル系ポリマーをベースポリマーとして100部と、イソシアネート系硬化剤(綜研化学社製、商品名L-45)1部添加することにより、粘着剤組成物を得た。
スチレンイソプレンブロックポリマー(日本ゼオン(株)製、商品名クインタック3433N)100部を、トルエンに溶解することにより、粘着剤組成物を得た。
付加反応型シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名SRX211)100部に対し、白金触媒(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名SRX212P)0.5部添加することにより、粘着剤組成物を得た。
基材には、東レフィルム加工(株)社製ポリプロピレンフィルム(トレファン(登録商標)、厚さ:60μm)を用いた。
基材のアンカー処理面に粘着剤層を形成することにより粘着物品を得た。具体的には、実施例及び比較例記載の粘着剤組成物を固形分濃度20%になるようトルエンで希釈し、基材の片面にロールコーターで塗布した後、80℃2分間の加熱によりしてトルエンを揮発させることにより粘着剤層を形成した。
[評価方法]
被着体は、後述する容器類(容器1~5)を両面テープ((株)寺岡製作所製No.7641)でステンレス板に固定した。
粘着物品の幅10mmの試料とし、JIS Z 0237(2000)に準じて、剥離角180°、圧着後の養生時間20分、剥離速度300mm/分の条件で容器面に対する引き剥がし粘着力試験を実施した。結果を表2に示す。
評価は以下の基準に基づいて行った。
「○」:粘着力が0.1N/10mm以上であり、容器類からの剥がれが懸念されない。
「×」:粘着力が0.1N/10mm未満であり、容器類からの剥がれが懸念される。
上述の粘着力測定試験において、容器面への糊残りの有無を目視にて観察した。評価は以下の基準に基づいて行った。結果を表2に示す。
「○」:容器面への糊残りは発生しなかった。
「×」:容器面への糊残りが発生した。
上述の粘着力測定試験において、容器類が粘着面に引っ張られて破れが生じるか否かを目視にて観察した。評価は以下の基準に基づいて行った。結果を表2に示す。
「○」:容器類の破れは生じなかった。
「×」:容器類の破れが生じた。
粘着物品(幅10mm、長さ50mm)を準備し、長さ方向の端末を5mm折り返して粘着面同士を接着させることにより試験片を作製した。
当該試験片を雰囲気温度70℃に設定した恒温槽に2時間放置し、端部の捲れの有無を目視にて観察した。結果を表3に示す。
評価は以下の基準に基づいて行った。
「○」:端部の捲れが発生しなかった。
「×」:端部の捲れが発生した。
食品衛生法の適否については、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の3のDの2合成樹脂製の器具又は容器包装(区分:使用温度100℃以下)に基づき、テープ試料全体について試験を行った。
なお、一般規格(材質試験:カドミウム、鉛、溶出試験(重金属、過マンガン酸カリウム消費量)において、いずれも同規格が定める限度内にあるものを「適合」とし、限度該にあるものを「不適合」とした。結果を表2に示す。
容器1:サランラップ(登録商標、旭化成製、ポリ塩化ビニリデン)
容器2:ポリラップ(登録商標、宇部フィルム製、ポリエチレン)
容器3:リケンラップ(登録商標、リケンファブロ製、ポリ塩化ビニル)
容器4:フォーラップ(登録商標、リケンテクノス製、ポリメチルペンテン)
容器5:ビューラップ(登録商標、日立化成製、ポリオレフィン積層)
容器6:Ziplocフリーザーバッグ(登録商標、旭化成ホームプロダクツ製、ポリエチレン)
容器7:タッパー(登録商標、タッパーウェアー社製、ポリプロピレン)
また、本発明の粘着物品は、食品衛生法(昭和34年厚生省告示第370号)に適合するものであるため、粘着剤に起因した有害物質の含有が制限され、人体に悪影響を及ぼすことがない。
したがって、本発明の粘着物品は、表示等の機能を果たし終えた粘着物品を剥がし易くすることが可能である。
Claims (4)
- 基材の片面に、合成ゴムを主成分とした粘着剤層を設けて成る、野菜の結束用または食品容器に貼付するための粘着物品であって、該粘着剤層は合成ゴム100質量部に対する粘着付与樹脂の量が、60質量部以下である粘着剤組成物からなり、前記合成ゴムが、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブチレンゴム(ポリブテンゴム)及びポリイソプレンゴムから選択される1種であることを特徴とする粘着物品(ただし、前記合成ゴムがブチルゴムの場合、前記粘着付与樹脂は、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上である)。
- 前記粘着付与樹脂が水添石油系樹脂又は水添テルペン系樹脂である請求項1に記載の粘着物品。
- 食品衛生法(昭和34年厚生省告示第370号)に適合することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着物品。
- 粘着剤層の厚さが、1~50μmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着物品。
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