JP7079755B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機構を備える車両用駆動装置に関する。
車両用駆動装置として、例えば特許文献1に示すように、エンジンと、モータと、ジェネレータと、変速機構と、油圧クラッチと、を備え、油圧クラッチの係合と非係合とを切り替えることで、エンジンの駆動力で車両を駆動する経路と、モータの駆動力で車両を駆動する経路とを切り替え可能にしたものが知られている。
このような変速機構を備える車両用駆動装置では、変速機構のギヤ噛み合い部及び軸受等を適切に潤滑する必要がある。そのため、従来から、変速機ケースの底部に潤滑油を貯留する貯留部を設け、ギヤの回転によって潤滑油をかき上げることで潤滑油をギヤ噛み合い部及び軸受等に供給することが行われている(例えば、特許文献2、3)。
一方で、ギヤの回転に伴って貯留部の潤滑油を常に攪拌することになるため、ギヤには攪拌抵抗が作用する。車両の燃費を向上するためには、このギヤの攪拌抵抗を下げて攪拌損失を抑える必要がある。
特許第5489954号公報 特開2008-144900号公報 特開2010-174961号公報
しかしながら、貯留部の油面を下げると、貯留部の潤滑油が油圧クラッチに供給される際に、油圧クラッチに供給する潤滑油が不足してしまい、油圧クラッチの締結力が不安定になるおそれがある。
本発明は、液圧式クラッチの状態に応じて貯留部の潤滑油の液面位置を適切に調整可能な車両用駆動装置を提供する。
本発明は、
エンジンと、
電動機と、
前記エンジンの動力及び前記電動機の動力を車輪に伝達する変速機構と、
係合状態と非係合状態とを切り替えることにより前記エンジンと前記車輪との動力伝達経路を接続又は遮断する液圧式クラッチと、
前記変速機構を収容する変速機構収容部を有するケースと、
前記液圧式クラッチの前記係合状態と前記非係合状態との切り替えを制御する制御装置と、を備える車両用駆動装置であって、
前記ケースには、前記変速機構収容部の底部に潤滑油を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部より上方に位置し前記潤滑油を貯留する第2貯留部と、が設けられ、
前記第1貯留部と前記液圧式クラッチとは油路を介して接続され、
前記第1貯留部と前記第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁が設けられ、
前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの状態に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替えられ、前記液圧式クラッチの前記係合状態のとき前記連通状態となり、前記液圧式クラッチの前記非係合状態のとき前記非連通状態となり、
前記油路は、前記開閉弁に繋がる分岐油路を有し、
前記開閉弁は、前記分岐油路の液圧に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替わる液圧式開閉弁である
また、本発明は、
エンジンと、
電動機と、
前記エンジンの動力及び前記電動機の動力を車輪に伝達する変速機構と、
係合状態と非係合状態とを切り替えることにより前記エンジンと前記車輪との動力伝達経路を接続又は遮断する液圧式クラッチと、
前記変速機構を収容する変速機構収容部を有するケースと、
前記液圧式クラッチの前記係合状態と前記非係合状態との切り替えを制御する制御装置と、を備える車両用駆動装置であって、
前記ケースには、前記変速機構収容部の底部に位置し潤滑油を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部より上方に位置し前記潤滑油を貯留する第2貯留部と、が設けられ、
前記第1貯留部と前記液圧式クラッチとは油路を介して接続され、
前記第1貯留部と前記第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁が設けられ、
前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの状態に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替えられ、前記液圧式クラッチの前記係合状態のとき前記連通状態となり、前記液圧式クラッチの前記非係合状態のとき前記非連通状態となり、
前記制御装置は、
前記エンジンの動力で前記車輪を駆動するエンジン走行時に、前記液圧式クラッチを前記係合状態とし、
前記電動機の動力で前記車輪を駆動する電動機走行時に、前記液圧式クラッチを前記非係合状態とする。
本発明によれば、液圧式クラッチの状態に応じて貯留部の潤滑油の液面位置を適切に調整することができる。
本発明の一実施形態の車両用駆動装置のスケルトン図である。 図1の車両用駆動装置において、モータ走行(EV走行)時の駆動力及び電力の流れを説明する説明図である。 図1の車両用駆動装置において、モータ走行(シリーズ走行)時の駆動力及び電力の流れを説明する説明図である。 図1の車両用駆動装置において、エンジン走行時の駆動力及び電力の流れを説明する説明図である。 図1の車両用駆動装置のケースの内部を示す図である。 モータ走行時(油圧クラッチ非係合)の油圧回路の状態を示す図である。 エンジン走行時(油圧クラッチ係合)の油圧回路の状態を示す図である。
以下、本発明に係る車両用駆動装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[車両用駆動装置]
車両用駆動装置10は、エンジンENGと、ジェネレータGENと、モータMOTと、変速機構Tと、これらジェネレータGEN、モータMOT、及び変速機構Tを収容するケース11と、を備える。モータMOT及びジェネレータGENは、バッテリBATに接続されており、バッテリBATからの電力供給と、バッテリBATへのエネルギー回生が可能となっている。
[変速機構]
ケース11は、軸方向に沿ってエンジンENG側から変速機構Tを収容する変速機構収容室11a、モータMOTを収容するモータ収容室11b、ジェネレータGENを収容するジェネレータ収容室11cの順に設置される。
変速機構収容室11aには、互いに平行に配置された入力軸21、ジェネレータ軸23、及びカウンタ軸25と、デファレンシャル機構Dと、が収容されている。
入力軸21は、エンジンENGのクランク軸12と同軸上に並べて配置されている。クランク軸12の駆動力は、ダンパ13を介して入力軸21に伝達されるようになっている。入力軸21には、後述するジェネレータ駆動用ギヤ列を構成する出力ギヤ32が設けられている。
入力軸21におけるエンジンENG側と反対側には、エンジン駆動力伝達ギヤ列を構成する出力ギヤ53が設けられている。入力軸21上の出力ギヤ32と出力ギヤ53との間には、入力軸21と出力ギヤ53とを係脱可能に連結するための油圧クラッチCLが設けられている。油圧クラッチCLは、いわゆる多板式の摩擦型クラッチで、図示は省略するが、入力軸21に固定された大径の有底円筒状のクラッチドラムと、出力ギヤ53のエンジンENG側の端面から軸方向に突出するように一体形成された小径の略円筒状のクラッチハブと、これらクラッチドラムとクラッチハブとの間で軸方向に沿って交互に積層された複数の円盤状のクラッチディスク及びクラッチプレートと、これらクラッチディスクおよびクラッチプレートをストッパに向けて軸方向に付勢するクラッチピストンと、を備えている。
クラッチドラムとクラッチピストンとの間には、作動油室91(図6及び図7参照)が形成されている。作動油室91には、後述する油圧回路90の油路80から作動油が供給されるようになっている。
ジェネレータ軸23は、内周軸27と、該内周軸27に対して同心上で外周側に配置された外周軸29とを備えた二重構造の回転軸である。内周軸27におけるエンジンENG側には、入力軸21上の出力ギヤ32と噛合する入力ギヤ34が設けられている。入力軸21上の出力ギヤ32と内周軸27上の入力ギヤ34とで、入力軸21の駆動力を内周軸27に伝達するためのジェネレータ駆動用ギヤ列が構成されている。
また、内周軸27の略中央の外径側には、外周軸29が相対回転可能に設置されている。内周軸27におけるエンジンENG側と反対側には、ジェネレータGENが取り付けられている。ジェネレータGENは、内周軸27に固定されたロータRと、ケース11に固定されてロータRの外径側に対向配置されたステータSとを備えて構成されている。
入力軸21の駆動力がジェネレータ駆動用ギヤ列を介してジェネレータ軸23の内周軸27に伝達されることで、内周軸27の回転でジェネレータGENのロータRが回転する。これにより、入力軸21からの駆動力をジェネレータGENで電力に変換することができる。
外周軸29におけるエンジンENG側には、後述するカウンタ軸25上の入力ギヤ54に噛合する出力ギヤ52が設けられており、エンジンENG側と反対側には、モータMOTが取り付けられている。モータMOTは、外周軸29に固定されたロータRと、ケース11に固定されてロータRの外径側に対向配置されたステータSとを備えて構成されている。
外周軸29上の出力ギヤ52とカウンタ軸25上の入力ギヤ54とで、外周軸29の駆動力をカウンタ軸25に伝達するためのモータ駆動力伝達ギヤ列が構成されている。したがって、モータMOTの駆動力で外周軸29が回転すると、その回転がモータ駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に伝達される。
カウンタ軸25には、エンジンENG側から順に、デファレンシャル機構Dのリングギヤ58と噛合する出力ギヤ56と、入力軸21上の出力ギヤ53及び外周軸29上の出力ギヤ52と噛合する入力ギヤ54とが設けられている。入力軸21上の出力ギヤ53とカウンタ軸25上の入力ギヤ54とで、入力軸21の駆動力をカウンタ軸25に伝達するためのエンジン駆動力伝達ギヤ列が構成されている。また、カウンタ軸25上の出力ギヤ56とデファレンシャル機構Dのリングギヤ58とで、カウンタ軸25の駆動力をデファレンシャル機構Dへ伝達するためのファイナルギヤ列が構成されている。
モータ駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に入力されたモータMOTの駆動力、及びエンジン駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に入力されたエンジンENGの駆動力は、ファイナルギヤ列を介してデファレンシャル機構Dに伝達され、デファレンシャル機構Dから駆動輪WR,WRに伝達される。
また、変速機構収容室11aには、機械式の第1オイルポンプOP1及び第2オイルポンプOP2が設けられている。第1オイルポンプOP1は、出力ギヤ32と噛合する第1オイルポンプ駆動ギヤ14によって、エンジンENGの駆動によって駆動する。第2オイルポンプOP2は、デファレンシャル機構Dのリングギヤ58と噛合する第2オイルポンプ駆動ギヤ15によって、デファレンシャル機構Dの回転によって駆動する。第2オイルポンプOP2は、デファレンシャル機構Dの回転によって駆動するため、エンジンENGが駆動しない後述のモータ走行(EV走行)においても潤滑油を各部に供給できる(図6、7参照)。なお、油圧回路の詳細については、後述する。
本実施形態の車両用駆動装置10の変速機構Tは、モータMOTの駆動力を駆動輪WR,WRに伝達して車両を走行させる動力伝達経路(以下、第1伝達経路と称する)と、エンジンENGの駆動力を駆動輪WR,WRに伝達して車両を走行させる動力伝達経路(以下、第2伝達経路と称する)とを有しており、これら2つの動力伝達経路を選択的に用いるか又は併用して車両を走行させるように構成されている。具体的には、入力軸21と出力ギヤ53との間に設けた油圧クラッチCLの係合・非係合を切り替えることで、第1伝達経路と第2伝達経路を選択的に用いるか併用するかの設定を切り替えるようになっている。
この点を詳細に説明すると、油圧クラッチCLでは、作動油室91内の油圧を制御することで、油圧クラッチCLの係合(ON)・非係合(OFF)が切り替えられる。油圧クラッチCLが非係合状態であると、入力軸21の駆動力がエンジン駆動力伝達ギヤ列に伝達されない。図1中の符号CTRは、油圧クラッチCLの係合状態と非係合状態との切り替えの制御装置であり、油圧クラッチCLの制御に加えて、BATの放充電制御、エンジンENG、ジェネレータGEN、モータMOT等の駆動制御を行う制御装置である。
[モータ走行]
油圧クラッチCLが非係合状態では、第1伝達経路でモータMOTの駆動力を駆動輪WR,WRに伝達して車両をモータ走行させることができる。モータ走行は、EV走行とシリーズ走行とを含む。
[モータ走行(EV走行)]
EV走行は、図2に示すように、エンジンENGを非稼働状態とし、バッテリBATから供給される電力によってモータMOTを駆動する。すなわち、バッテリBATから供給される電力によってモータMOTを駆動させることで、モータMOTの駆動力でジェネレータ軸23の外周軸29が回転し、当該回転がモータ駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に伝達される。こうして伝達されたモータMOTの駆動力は、ファイナルギヤ列、デファレンシャル機構Dを介して駆動輪WR,WRに伝達される。これにより、EV走行が可能となる。なお、図2~4において、電力の流れを点線で示し、駆動力の流れを太い実線で示している。
[モータ走行(シリーズ走行)]
シリーズ走行は、図3に示すように、エンジンENGを稼働状態とし、ジェネレータGENで発電した電力によってモータMOTを駆動する。すなわち、エンジンENGの駆動力が入力軸21からジェネレータ駆動用ギヤ列を介して内周軸27に入力されることで、内周軸27が回転する。これにより、内周軸27に固定されたジェネレータGENのロータRが回転して、ジェネレータGENで発電が行われる。ジェネレータGENで発電された電力はモータMOTに供給され、この電力でモータMOTが駆動される。モータMOTの駆動力でジェネレータ軸23の外周軸29が回転し、当該回転がモータ駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に伝達される。こうして伝達されたモータMOTの駆動力は、ファイナルギヤ列、デファレンシャル機構Dを介して駆動輪WR,WRに伝達される。これにより、エンジンENGの駆動力を全てジェネレータGENで電気に変換して運転するいわゆるシリーズ走行が可能である。
[エンジン走行]
その一方で、油圧クラッチCLの作動油室91の圧力を所定値より高くすると、油圧クラッチCLが係合し、出力ギヤ53が入力軸21に直結してロックアップ状態になる。
この状態では、図4に示すように、第2伝達経路でエンジンENGの駆動力を駆動輪WR,WRに伝達して車両をエンジン走行させることができる。すなわち、油圧クラッチCLを締結することで、入力軸21の駆動力がエンジン駆動力伝達ギヤ列を介してカウンタ軸25に伝達され、ファイナルギヤ列、デファレンシャル機構Dを介して駆動輪WR,WRに伝達される。これにより、エンジン走行が可能となる。ここで、入力軸21と内周軸27はジェネレータ駆動用ギヤ列を介して常に接続されているため、内周軸27の回転に伴いジェネレータGENのロータRが回転する。したがって、ジェネレータGENで発電を行うことができるので、当該発電した電力によりモータMOTを回転させるいわゆるパラレル走行も可能である。
[油圧回路]
変速機構収容室11aの底部には、図5に示すように、潤滑油を貯留する第1貯留部61が設けられており、デファレンシャル機構Dのリングギヤ58の一部が潤滑油の油面Lに対し下方に位置している。これにより、リングギヤ58が回転することで、第1貯留部61の潤滑油がかき上げられて、変速機構Tの各ギヤ及び軸受等が潤滑される。しかしながら、リングギヤ58の回転に伴って第1貯留部61の潤滑油を常に攪拌するため、リングギヤ58には攪拌抵抗が作用する。この攪拌抵抗は、第1貯留部61の油面Lが高ければ高いほど大きくなる。そのため、潤滑及び攪拌抵抗を考慮すると、第1貯留部61の油面Lは、潤滑に必要な量だけを確保しながらできるだけ低く位置で維持することが好ましい。
一方、図6及び図7に示すように、第1貯留部61には、第1貯留部61の潤滑油を油圧クラッチCLの作動油室91に供給する油路80が接続されている。言い換えると、車両用駆動装置10の油圧回路90において、第1貯留部61と油圧クラッチCLとは油路80を介して接続されている。油路80には、第1オイルポンプOP1と調圧バルブ85が設けられている。調圧バルブ85でリリーフされた潤滑油は、第2オイルポンプOP2で送られる潤滑油と共に、各部の潤滑や冷却に用いられる。図7に示す油圧クラッチCLの係合時には、電磁バルブ82を接続状態(ON)とすることで、第1貯留部61に貯留されている潤滑油が調圧バルブ85によって一定圧に調圧された後に、油圧クラッチCLの作動油室91に供給される。第1貯留部61の油面Lが低くなると、調圧バルブ85に供給する潤滑油が不足し、所定の油圧まであがらなくなり、油圧クラッチCLの締結力が不足するおそれがある。第1貯留部61の油面Lは、車両の加減速時、旋回時、登坂時等で変動するため、油圧クラッチCLの係合時には第1貯留部61の油面Lを高くしておく必要がある。
これに対し、油圧クラッチCLの切断時には、電磁バルブ82を遮断状態(OFF)とすることで、第1貯留部61に貯留されている潤滑油が油圧クラッチCLの作動油室91に供給されず、第1貯留部61の油面Lを高く保持しておく必要もない。
そこで、ケース11には、図5に示すように、第1貯留部61より上方に位置し潤滑油を貯留する第2貯留部62が設けられるとともに、第1貯留部61と第2貯留部62との間には、非連通状態(OFF)と連通状態(ON)とを切り替えることにより第2貯留部62から第1貯留部61への潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁64が設けられる。
開閉弁64は、油圧クラッチCLの状態に応じて連通状態(ON)と非連通状態(OFF)とが切り替えられる。具体的に説明すると、開閉弁64は、油圧クラッチCLの係合状態のとき連通状態(ON)となり、油圧クラッチCLの非係合状態のとき非連通状態(OFF)となる。より具体的に説明すると、開閉弁64は、油圧クラッチCLが係合状態となるエンジン走行時に連通状態(ON)となり、油圧クラッチCLが非係合状態となるモータ走行時(EV走行時、シリーズ走行時)に非連通状態(OFF)となる。このように潤滑油を第2貯留部62に貯めることで、油圧クラッチCLの状態(走行モード)に応じて第1貯留部61の潤滑油の油面位置を変えることができる。
開閉弁64は、油圧クラッチCLの係合状態のとき連通状態となるので、第2貯留部62から第1貯留部61へ潤滑油が流れ、第1貯留部61の油面L位置が高くなる。これにより、車両の旋回や加減速等で油面Lが傾いた場合でも、油圧クラッチCLの油圧を適切に保持することができる。一方、開閉弁64は、油圧クラッチCLの非係合状態のとき非連通状態(OFF)となるので、第2貯留部62に潤滑油が貯められ、第1貯留部61の油面位置が低くなる。これにより、油圧クラッチCLの油圧を考慮する必要がない場合に変速機構Tの攪拌抵抗を下げることができる。
開閉弁64は、電気式開閉弁であってもよく、液圧式開閉弁であってもよい。開閉弁64が電気式開閉弁であれば、制御装置CTRは、油圧クラッチCLが係合状態のとき、開閉弁64を連通状態とし、油圧クラッチCLが非係合状態のとき、開閉弁64を非連通状態とする。
図6及び図7では、開閉弁64が液圧式開閉弁である場合を例示している。油路80は、電磁バルブ82と油圧クラッチCLとの間に開閉弁64に繋がる分岐油路81を有し、開閉弁64は、分岐油路81の油圧に応じて連通状態と非連通状態とが切り替わる。このようにすることで、油圧クラッチCLの制御とは別に開閉弁64を制御することを回避できる。
また、第2貯留部62には、開閉弁64に繋がる第1排出部62aと、開閉弁64を介さずに第1貯留部61に繋がる第2排出部62bと、が設けられる。第2排出部62bは、第2貯留部62に所定量の潤滑油が溜まった際に潤滑油が第1貯留部61に供給されるように構成されている。これにより、第1貯留部61の油面Lが低くなりすぎるのを抑制できる。
また、第2貯留部62には、油圧回路90から潤滑油が供給される導入部62cが設けられている。本実施形態では、第2貯留部62の導入部62cに、電磁バルブ82のドレンポート82aが接続される。したがって、油圧クラッチCLが係合状態から非係合状態に切り替えられるに伴って、電磁バルブ82が接続状態(ON)から遮断状態(OFF)に切り替えられるとき、油圧クラッチCLの作動油室91に溜まっていた潤滑油が導入部62cから第2貯留部62に導入される。なお、導入部62cには、油圧クラッチCLの作動油室91に限らず、他の部位から潤滑油が導入され得る。開閉弁64が連通状態(ON)のとき、導入部62cからの導入量よりも第1排出部62aからの排出量が多くなるように構成されることで、第1貯留部61の油面Lを適切に高くすることができる。
尚、本発明の車両用駆動装置は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) エンジン(エンジンENG)と、
電動機(モータMOT)と、
前記エンジンの動力及び前記電動機の動力を車輪に伝達する変速機構(変速機構T)と、
係合状態と非係合状態とを切り替えることにより前記エンジンと前記車輪との動力伝達経路を接続又は遮断する液圧式クラッチ(油圧クラッチCL)と、
前記変速機構を収容する変速機構収容部(変速機構収容室11a)を有するケース(ケース11)と、
前記液圧式クラッチの前記係合状態と前記非係合状態との切り替えを制御する制御装置(制御装置CTR)と、を備える車両用駆動装置(車両用駆動装置10)であって、
前記ケースには、前記変速機構収容部の底部に位置し潤滑油を貯留する第1貯留部(第1貯留部61)と、前記第1貯留部より上方に位置し前記潤滑油を貯留する第2貯留部(第2貯留部62)と、が設けられ、
前記第1貯留部と前記液圧式クラッチとは油路(油路80)を介して接続され、
前記第1貯留部と前記第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁(開閉弁64)が設けられ、
前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの状態に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替えられる、車両用駆動装置。
(1)によれば、ケースには、変速機構収容部の底部に設けられた第1貯留部より上方に第2貯留部が設けられているので、潤滑油を第2貯留部に貯めることができる。また、第1貯留部と第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより第2貯留部から第1貯留部への潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁が設けられているので、液圧式クラッチの状態に応じて第1貯留部の潤滑油の液面位置を変えることができる。
(2) (1)に記載の車両用駆動装置であって、
前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの前記係合状態のとき前記連通状態となり、前記液圧式クラッチの前記非係合状態のとき前記非連通状態となる、車両用駆動装置。
(2)によれば、開閉弁は、液圧式クラッチの係合状態のとき連通状態となるので、第2貯留部から第1貯留部へ潤滑油が流れ、第1貯留部の液面位置が高くなる。これにより、車両の旋回や加減速等で液面が傾いた場合でも、液圧式クラッチの液圧を適切に保持することができる。一方、開閉弁は、液圧式クラッチの非係合状態のとき非連通状態となるので、第2貯留部に潤滑油が貯められ、第1貯留部の液面位置が低くなる。これにより、液圧式クラッチの液圧を考慮する必要がない場合、変速機構の攪拌抵抗を下げることができる。
(3) (2)に記載の車両用駆動装置であって、
前記油路は、前記開閉弁に繋がる分岐油路(分岐油路81)を有し、
前記開閉弁は、前記分岐油路の液圧に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替わる液圧式開閉弁である、車両用駆動装置。
(3)によれば、開閉弁は分岐油路の液圧に応じて連通状態と非連通状態とが切り替わる液圧式開閉弁なので、液圧式クラッチの制御とは別に開閉弁を制御することを回避できる。
(4) (2)に記載の車両用駆動装置であって、
前記開閉弁は、前記制御装置によって制御される電気式開閉弁であり、
前記制御装置は、
前記液圧式クラッチが前記係合状態のとき、前記開閉弁を前記連通状態とし、
前記液圧式クラッチが前記非係合状態のとき、前記開閉弁を前記非連通状態とする、車両用駆動装置。
(4)によれば、制御装置が液圧式クラッチの状態にあわせて開閉弁を制御することで、液圧回路をシンプルにすることができる。
(5) (2)~(4)のいずれかに記載の車両用駆動装置であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの動力で前記車輪を駆動するエンジン走行時に、前記液圧式クラッチを前記係合状態とし、
前記電動機の動力で前記車輪を駆動する電動機走行時に、前記液圧式クラッチを前記非係合状態とする、車両用駆動装置。
(5)によれば、車両の走行モードに応じて第1貯留部の液面位置を調整することができる。
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の車両用駆動装置であって、
前記第2貯留部は、前記開閉弁に繋がる第1排出部(第1排出部62a)と、前記開閉弁を介さずに前記第1貯留部に繋がる第2排出部(第2排出部62b)と、を有し、
前記第2排出部は、前記第2貯留部に所定量の前記潤滑油が溜まった際に前記潤滑油が前記第1貯留部に供給されるように構成されている、車両用駆動装置。
(6)によれば、第2排出部は、第2貯留部に所定量の潤滑油が溜まった際に潤滑油が第1貯留部に供給されるように構成されているので、第1貯留部の液面が低くなりすぎるのを抑制できる。
(7) (6)に記載の車両用駆動装置であって、
前記第2貯留部は、前記油路を含む液圧回路から前記潤滑油が供給される導入部(導入部62c)を有し、
前記開閉弁が前記連通状態のとき、前記導入部からの導入量よりも前記第1排出部からの排出量が多くなるように構成されている、車両用駆動装置。
(7)によれば、開閉弁が非連通状態のとき、導入部からの導入量よりも第1排出部からの排出量が多くなるように構成されているので、開閉弁を非連通状態とすることで第1貯留部の液面を適切に高くすることができる。
10 車両用駆動装置
11 ケース
11a 変速機構収容室(変速機構収容部)
61 第1貯留部
62a 第1排出部
62b 第2排出部
62c 導入部
62 第2貯留部
64 開閉弁
80 油路
81 分岐油路
CTR 制御装置
ENG エンジン
MOT モータ(電動機)
T 変速機構
CL 油圧クラッチ(液圧式クラッチ)

Claims (4)

  1. エンジンと、
    電動機と、
    前記エンジンの動力及び前記電動機の動力を車輪に伝達する変速機構と、
    係合状態と非係合状態とを切り替えることにより前記エンジンと前記車輪との動力伝達経路を接続又は遮断する液圧式クラッチと、
    前記変速機構を収容する変速機構収容部を有するケースと、
    前記液圧式クラッチの前記係合状態と前記非係合状態との切り替えを制御する制御装置と、を備える車両用駆動装置であって、
    前記ケースには、前記変速機構収容部の底部に位置し潤滑油を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部より上方に位置し前記潤滑油を貯留する第2貯留部と、が設けられ、
    前記第1貯留部と前記液圧式クラッチとは油路を介して接続され、
    前記第1貯留部と前記第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁が設けられ、
    前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの状態に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替えられ、前記液圧式クラッチの前記係合状態のとき前記連通状態となり、前記液圧式クラッチの前記非係合状態のとき前記非連通状態となり、
    前記油路は、前記開閉弁に繋がる分岐油路を有し、
    前記開閉弁は、前記分岐油路の液圧に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替わる液圧式開閉弁である、車両用駆動装置。
  2. エンジンと、
    電動機と、
    前記エンジンの動力及び前記電動機の動力を車輪に伝達する変速機構と、
    係合状態と非係合状態とを切り替えることにより前記エンジンと前記車輪との動力伝達経路を接続又は遮断する液圧式クラッチと、
    前記変速機構を収容する変速機構収容部を有するケースと、
    前記液圧式クラッチの前記係合状態と前記非係合状態との切り替えを制御する制御装置と、を備える車両用駆動装置であって、
    前記ケースには、前記変速機構収容部の底部に位置し潤滑油を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部より上方に位置し前記潤滑油を貯留する第2貯留部と、が設けられ、
    前記第1貯留部と前記液圧式クラッチとは油路を介して接続され、
    前記第1貯留部と前記第2貯留部との間には、連通状態と非連通状態とを切り替えることにより前記第2貯留部から前記第1貯留部への前記潤滑油の移動を許容又は規制する開閉弁が設けられ、
    前記開閉弁は、前記液圧式クラッチの状態に応じて前記連通状態と前記非連通状態とが切り替えられ、前記液圧式クラッチの前記係合状態のとき前記連通状態となり、前記液圧式クラッチの前記非係合状態のとき前記非連通状態となり、
    前記制御装置は、
    前記エンジンの動力で前記車輪を駆動するエンジン走行時に、前記液圧式クラッチを前記係合状態とし、
    前記電動機の動力で前記車輪を駆動する電動機走行時に、前記液圧式クラッチを前記非係合状態とする、車両用駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用駆動装置であって、
    前記第2貯留部は、前記開閉弁に繋がる第1排出部と、前記開閉弁を介さずに前記第1貯留部に繋がる第2排出部と、を有し、
    前記第2排出部は、前記第2貯留部に所定量の前記潤滑油が溜まった際に前記潤滑油が前記第1貯留部に供給されるように構成されている、車両用駆動装置。
  4. 請求項に記載の車両用駆動装置であって、
    前記第2貯留部は、前記油路を含む液圧回路から前記潤滑油が供給される導入部を有し、
    前記開閉弁が前記連通状態のとき、前記導入部からの導入量よりも前記第1排出部からの排出量が多くなるように構成されている、車両用駆動装置。
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