JP7077904B2 - タイヤパンクシール剤 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤパンクシール剤に関する。
従来、自動車の標準またはオプションの装備として、パンク修理キットが導入されている。パンク修理キットが装備さえていれば自動車タイヤのパンクを応急的に修理することができる。パンク修理キットには、通常、タイヤパンクシール剤とコンプレッサー等がパッケージされており、タイヤがパンクした際、パンク修理キット内のタイヤパンクシール剤をコンプレッサー等でタイヤに注入し、その後自動車を走行させ、タイヤを回転させる。タイヤが回転してタイヤ内のタイヤパンクシール剤が撹拌されると、タイヤパンクシール剤中の固形分がタイヤパンクシール剤から分離してパンク穴を塞ぎ、これによって、上記タイヤで自動車を再び走行可能な状態にすることができる。
このように、タイヤパンクシール剤には、パンク穴を塞ぐシール性が要求される。
また、パンク修理キットの小型化の要請などに伴い、タイヤパンクシール剤の液量を減らすことが求められている。タイヤパンクシール剤の液量を減らす解決手法の一つとして、タイヤパンクシール剤に発泡剤を配合し、上記発泡剤による発泡効果でタイヤパンクシール剤の見かけの容積を増やすことが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、ゴムラテックスおよび/または樹脂エマルジョンと、下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、界面活性剤とを含有する、タイヤパンクシール剤が記載されている。
Figure 0007077904000001

(式(1)中、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。)
特許第5773010号公報
このようななか、本発明者が特許文献1を参考にしてタイヤパンクシール剤を調製しこれを評価したところ、上記のようなタイヤパンクシール剤は、保管性又は注入性が低い場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、発泡効果と優れたシール性を確保しつつ、保管性、注入性に優れるタイヤパンクシール剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のセルロース繊維を配合することによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンと、
下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、
最大繊維径が1000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維とを含有するタイヤパンクシール剤。
Figure 0007077904000002

式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
[2] 上記セルロース繊維の数平均繊維径が、2~150nmである、[1]に記載のタイヤパンクシール剤。
[3] 上記官能基が、カルボキシル基及び/又はアルデヒド基である、[1]又は[2]に記載のタイヤパンクシール剤。
[4] 上記ゴムラテックスを含有し、
上記セルロース繊維の含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[5] 上記ゴムラテックスを含有し、
上記グリコールエーテルの含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、50~300質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[6] 上記樹脂エマルジョンが、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョンである、[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[7] 上記セルロース繊維が上記官能基を有し、
上記セルロース繊維の重量に対する上記官能基の総モル数が、0.1~2.2mmol/gである、[1]~[6]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[8] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記樹脂エマルジョンの固形分の含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.1~100質量部である、[1]~[7]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[9] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記セルロース繊維の含有量が、上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、[1]~[8]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[10] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記グリコールエーテルの含有量が、上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、50~300質量部である、[1]~[9]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[11] 上記セルロース繊維の最大繊維径が500nm以下である、[1]~[10]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
本発明のタイヤパンクシール剤は、発泡効果と優れたシール性を確保しつつ、保管性、注入性に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
本発明において、ゴムラテックスは、分散質としてのゴムと分散媒とを含み、ゴムは分散媒中に分散している。樹脂エマルジョンは、分散質としての樹脂と分散媒とを含み、樹脂は分散媒中に分散している。なお本発明においてエマルジョンはサスペンション(液相である分散媒に固相である分散質が分散した系)及び液相である分散媒に液相である分散質が分散した系を含む概念とする。
ゴムラテックス又は樹脂エマルジョンに含有される分散媒は特に制限されない。例えば、水;水と水に可溶な有機溶媒との混合物が挙げられる。
本発明において、ゴムラテックスの固形分はゴムを意味する。ゴムラテックスの固形分の含有量はゴムラテックスに含有されるゴムの含有量、又は、ゴムラテックスの分散媒以外の成分の合計含有量を意味する。本発明において、ゴムラテックスに含有されるゴムの含有量と、ゴムラテックスの分散媒以外の成分の合計含有量とはほぼ同じである。
本発明において、樹脂エマルジョンの固形分は樹脂を意味する。樹脂エマルジョンの固形分の含有量は樹脂エマルジョンに含有される樹脂の含有量、又は、樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量を意味する。本発明において、樹脂エマルジョンに含有される樹脂の含有量と樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量とはほぼ同じである。
本発明において、タイヤパンクシール剤に含有される媒体は、タイヤパンクシール剤から、ゴムラテックスに含有されるゴム及び/又は樹脂エマルジョンに含有される樹脂と、セルロース繊維とを除く、残りの成分全体を意味するものとする。なお、本発明のタイヤパンクシール剤が、更に、例えば、分散媒を含む成分(上記ゴムラテックス又は上記樹脂エマルジョンを除く。)を含有する場合、上記媒体は、更に、上記分散媒を含む成分から分散質(固形分)を除いた残りの成分を含むものとする。
なお、セルロース繊維が乾燥していない状態(例えば、ゲル状、水溶液又は分散液が挙げられる。)で使用される場合、タイヤパンクシール剤に含有される媒体は、セルロース繊維の使用様態に由来する媒体を含むことができる。
本発明のタイヤパンクシール剤を製造する際、更に、水等の分散媒を系内に加えた場合、上記媒体は、上記加えられた分散媒を更に含むことができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有される式(1)で表されるグリコールエーテルは、上記媒体に含まれる。
[タイヤパンクシール剤]
本発明のタイヤパンクシール剤は、
ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンと、
下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、
最大繊維径が1000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維とを含有するタイヤパンクシール剤である。
Figure 0007077904000003

式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
本発明の組成物はこのような構成を有するため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
まず、本発明のタイヤパンクシール剤は式(1)で表されるグリコールエーテルを含有するため、タイヤパンクを修理するためにタイヤ内で本発明のタイヤパンクシール剤が撹拌された際、本発明のタイヤパンクシール剤は効果的に泡立つことができ、発泡効果に優れる(見かけの容積を増大させることができる)。このため、本発明のタイヤパンクシール剤は液量を減らしても優れたシール性が得られるものと考えられる。
そして、本発明のタイヤパンクシール剤に含有される所定のセルロース繊維は、式(1)で表されるグリコールエーテルによる上記発泡効果を妨げないことが知見されている。
また、本発明のタイヤパンクシール剤において、セルロース繊維の最大繊維径が細い(1,000nm未満である)ことによって、セルロース繊維の表面積が大きくなり、ゴムラテックスのゴム及び/又は樹脂エマルジョンの樹脂が保管中又はタイヤへの注入時に凝集することを抑制すると推測される。又は、セルロース繊維の最大繊維径が細いことによって、ゴムラテックスのゴム及び/又は樹脂エマルジョンの樹脂の間に入り込みやすくなり、ゴムラテックスのゴム及び/又は樹脂エマルジョンの樹脂が保管中又はタイヤへの注入時に凝集することを抑制すると推測される。
その一方で、所定のセルロース繊維は、パンク孔をシールする際には、上記凝集を妨げないと推測される。
このように、本発明のタイヤパンクシール剤は、シールする際のゴム及び/又は樹脂の凝集性と、保管中及び/又は注入時のゴム及び/又は樹脂の耐凝集性とのバランスに優れると考えられる。
以下、本発明のタイヤパンクシール剤に含有される各成分について詳述する。
<<ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョン>>
本発明のタイヤパンクシール剤はゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンを含有する。
ゴムラテックスに含まれるゴム、及び/又は、樹脂エマルジョンに含まれる樹脂は、パンク孔をシールする機能を有する。
本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、本発明の効果(特に、保管性又は注入性)により優れる。
<ゴムラテックス>
本発明のタイヤパンクシール剤は、ゴムラテックスを含有することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有されうるゴムラテックスは特に制限されない。例えば、天然ゴムラテックス、ニトリルゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、アクリルゴムラテックスが挙げられる。
なかでも、本発明の効果(特にシール性)により優れるという観点から、天然ゴムラテックスが好ましい。天然ゴムラテックスは特に制限されない。天然ゴムラテックスは、タンパク質を除去したもの、及び、除去していないもののうちのいずれであってもよい。
ゴムラテックスはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴムラテックスはその製造方法について特に制限されない。
ゴムラテックスは市販品を使用することができる。天然ゴムラテックスの市販品としては具体的には例えば、脱蛋白天然ゴムラテックス(SeLatexシリーズ、SRIハイブリッド社製)、脱蛋白天然ゴムラテックス(Hytex HA、フェルフェックス社製、野村貿易社)、超低アンモニア天然ゴムラテックス(ULACOL、レヂテックス社製)が挙げられる。
(ゴムラテックスの固形分の含有量1)
上記ゴムラテックスの固形分の含有量(以下、ゴムラテックスの固形分の含有量を「含有量1」と称する場合がある。)は、本発明の効果(特にシール性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の10~50質量%が好ましく、20~40質量%がより好ましい。
<樹脂エマルジョン>
本発明のタイヤパンクシール剤は、樹脂エマルジョンを含有することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有されうる樹脂エマルジョンは特に制限されない。
樹脂エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル系重合体エマルジョンが挙げられる。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンは、上記エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体が酢酸ビニルによる繰り返し単位を有するポリマーであれは特に制限されない。
(酢酸ビニル系重合体エマルジョン)
酢酸ビニル系重合体エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体は酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体のいずれであってもよい。
酢酸ビニル系重合体が共重合体である場合、酢酸ビニル以外の単量体は、エチレン性不飽和結合を有する化合物であれば特に制限されない。例えば、エチレンのようなオレフィン;ベオバ(バーサチック酸ビニル:バーサチック酸とビニルアルコールとのエステル);(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸のような(メタ)アクリル系モノマー;スチレンのような芳香族ビニル化合物が挙げられる。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル単独重合体エマルジョン、酢酸ビニル系共重合体エマルジョンが挙げられる。
酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとしては、例えば、エチレン-酢酸ビニル系共重合体エマルジョンが挙げられる。
エチレン-酢酸ビニル系共重合体エマルジョンは、エチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合(樹脂)エマルジョン(エチレン-酢酸ビニル-バーサチック酸ビニル共重合(樹脂)エマルジョン)、及び、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ-(メタ)アクリル系モノマー共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。エチレン-酢酸ビニル-ベオバ-(メタ)アクリル系モノマー共重合体を構成する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸)が挙げられる。
なかでも、樹脂エマルジョンは、本発明の効果(特に注入性)により優れるという観点から、エチレン-酢酸ビニル系共重合体エマルジョン及び酢酸ビニル単独重合体エマルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合体(樹脂)エマルジョンがより好ましい。
樹脂エマルジョンはその製造方法について特に制限されない。樹脂エマルジョンは市販品を使用することができる。
樹脂エマルジョンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(樹脂エマルジョンの固形分の含有量2)
本発明のタイヤパンクシール剤が樹脂エマルジョンを含有する場合、樹脂エマルジョンの固形分の含有量(以下、樹脂エマルジョンの固形分の含有量を「含有量2」と称する場合がある。)は、本発明の効果(特に注入性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、3~8質量%が更に好ましい。
(ゴムラテックスの固形分の含有量1及び樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計量)
本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、ゴムラテックスの固形分の含有量1及び樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計量は、本発明の効果(特にシール性と注入性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の3~65質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、20~40質量%が更に好ましい。
また、本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、樹脂エマルジョンの固形分の含有量2は、本発明の効果(特に注入性)により優れるという観点から、ゴムラテックスの固形分の含有量1:100質量部に対して、0.1~100質量部が好ましく、10~80質量部がより好ましい。
<<グリコールエーテル>>
本発明のタイヤパンクシール剤は、下記式(1)で表されるグリコールエーテルを含有する。
Figure 0007077904000004
上記式(1)中、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
本発明において、上記グリコールエーテルは、発泡剤、又は、凝固点が低いため凍結防止剤として機能できる。
は、本発明の効果(特に発泡効果及び/又はシール性)により優れるという観点から、水素原子であることが好ましい。
としてのアルキル基は特に限定されない。アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。Rとしてのアルキル基はメチル基であることが好まし態様の1つとして挙げられる。
上記式(1)中、pは、1以上の整数を表す。なかでも、pは、本発明の効果により優れるという観点から、2以上の整数であることが好ましく、3以上の整数であることがより好ましい。
上記グリコールエーテルの具体例としては、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、メチルポリグリコール、ジメチルグリコール、ジメチルジグリコール、ジメチルトリグリコール、ジメチルポリグリコールなどが挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール剤において、上記グリコールエーテルの含有量は特に制限されない。
本発明のタイヤパンクシール剤が上記ゴムラテックスを含有する場合、上記グリコールエーテルの含有量は、本発明の効果により優れ、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうち少なくとも2種のバランスに優れるという観点から、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、10~500質量部であることが好ましく、50~300質量部であることがより好ましく、70~300質量部であることが更に好ましく、100~300質量部であることが特に好ましい。
また、低温条件下での注入性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、10質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。
加工性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、300質量部以下が好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤が上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有する場合、上記グリコールエーテルの含有量は、本発明の効果により優れ、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうち少なくとも2種のバランスに優れるという観点から、上記ゴムラテックスの固形分1と上記樹脂エマルジョンの固形分2との合計含有量100質量部に対して、10~500質量部であることが好ましく、50~300質量部であることがより好ましく、70~300質量部であることが更に好ましく、100~250質量部であることが特に好ましい。
また、低温条件下での注入性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、10質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。
加工性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、300質量部以下が好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤が上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、後述するセルロース繊維の含有量がゴムラテックスの固形分の含有量1及び樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計含有量100質量部に対して0.01~4.0質量部である場合、上記グリコールエーテルの含有量は、本発明の効果により優れ、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうち少なくとも2種のバランスに優れるという観点から、上記合計含有量100質量部に対して、50~300質量部であることが好ましく、70~300質量部であることがより好ましく、100~200質量部であることが更に好ましい。
<<セルロース繊維>>
本発明のタイヤパンクシール剤は、最大繊維径が1,000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維を含有する。
本発明において、セルロース繊維の繊維径は、1つのセルロース繊維の短径を意味する。セルロース繊維の最大繊維径は、1つのセルロース繊維が有する最も太い部分の直径を意味する。セルロース繊維の長さは、1つのセルロース繊維の長径を意味する。
本発明において、セルロース繊維の繊維径又は長さは、以下の方法で測定できる。
まず、固形分率で0.05~0.1質量%の微細セルロースの水分散体を調製し、該分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして観察用試料とする。次に、上記観察用試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は原子間力顕微鏡(AFM)等で倍率500~5000倍で観察して、セルロース繊維の繊維径又は長さを求めることができる。
(セルロース繊維の最大繊維径)
セルロース繊維の最大繊維径は、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120本のセルロース繊維を選び、選ばれた各セルロース繊維において最も太い部分の繊維径を測定して得られた測定値である。
(セルロース繊維の数平均繊維径)
セルロース繊維の数平均繊維径は、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120本のセルロース繊維を選び、選ばれたセルロース繊維の先端部の繊維径を測定して、得られた測定値を平均した値である。
(セルロース繊維の平均長さ)
セルロース繊維の平均長さは、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120個のセルロース繊維を選び、選ばれたセルロース繊維の長さを測定して、得られた測定値を平均した値である。
セルロース繊維の最大繊維径は、本発明の効果(特に注入性及び/又は保管性)により優れるという観点から、500nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。
セルロース繊維の数平均繊維径は、本発明の効果(特に注入性)により優れるという観点から、2~300nmが好ましく、2~150nmがより好ましく、2~100nmが更に好ましく、2~20nmが特に好ましい。
セルロース繊維の平均長さは、本発明の効果(特に注入性及び/又は保管性)により優れるという観点から、10~150,000nmが好ましく、20~100,000nmがより好ましい。
セルロース繊維の(平均長さ/数平均繊維径)は、本発明の効果に(特に注入性)により優れるという観点から、5~1,000が好ましく、10~800がより好ましい。
一般的に、セルロース繊維(又はセルロース)は、水酸基を有する。
本発明において、セルロース繊維は、官能基を有してもよい。上記官能基は、例えば、セルロース繊維が有する水酸基の少なくとも一部又は全てを変性することによって導入されうる。
本発明において、セルロース繊維が有することができる官能基はセルロース繊維が元来有する水酸基(変性前のセルロース繊維が有する水酸基)を含まない。
すなわち、本発明において、官能基を有さないセルロース繊維は、水酸基を有することができる。
また、官能基を有するセルロース繊維は、上記官能基のほかに水酸基を有してもよい。
セルロース繊維は、官能基を有することが好ましい。
セルロース繊維が有することができる官能基としては、例えば、カルボニル基及びアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基が挙げられる。
上記カルボニル基としては、例えば、式:-CO-Xで表される基が挙げられる。
上記式において、Xは、R、OH又はHを表し、Rはヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を表す。上記ヘテロ原子又は炭化水素基は特に制限されない。
上記カルボニル基は、例えば、カルボキシ(ル)基(-COOH)、又は、アルデヒド基を形成してもよい。
上記アルコキシ基は特に制限されない。上記アルコキシ基を形成するアルキル基は直鎖状、分岐状及び環状の何れであってもよく、これらの組合せであってもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10個とすることができる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルが挙げられる。
セルロース繊維が官能基を有する場合、上記官能基は、本発明の効果により優れるという観点から、カルボキシル基及び/又はアルデヒド基が好ましい。
セルロース繊維を構成するセルロースが官能基を有する場合、上記官能基はセルロースを構成する6員環と直接又は有機基を介して結合できる。上記有機基としては例えば、酸素原子、炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。具体的には例えば、-O-CH2-、-CH2-O-CH2-、-CH2-が挙げられる。
セルロース繊維は、例えば、マイナスイオン又はプラスイオンを有してもよい。セルロース繊維が官能基を有する場合、上記官能基の少なくとも一部がマイナスイオン又はプラスイオンを構成してもよい。具体的には例えば、-COO-が挙げられる。
セルロース繊維は、例えば、マイナスイオン又はプラスイオンを有する場合、セルロース繊維は更に対イオンを有してもよい。上記対イオンは特に制限されない。
セルロース繊維は、マイナスイオンを有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
セルロース繊維が官能基を有する場合、セルロース繊維の重量に対する官能基の総モル数は、本発明の効果により優れ、分散性に優れるという観点から、0.1~2.2mmol/gが好ましく、0.5~2.0mmol/gがより好ましい。
ここで、本発明において、セルロール繊維が官能基を有し、上記官能基がカルボニル基(具体的には、カルボキシ基及び/又はアルデヒド基)である場合、セルロース繊維の重量に対する官能基(例えばセルロースのアルデヒド基及び/又はカルボキシ基)の総モル数(mmol/g)は、以下の手法により評価できる。
乾燥重量を精秤したセルロース繊維の試料から0.5~1質量%スラリーを60ml調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下式を用いて官能基量1を決定する。官能基量1がカルボキシ基の量を示す。
官能基量1(mmol/g)=V(ml)×0.05/セルロースの質量(g)
次に、セルロース試料を、酢酸でpHを4~5に調製した2%亜塩素酸ナトリウム水溶液中で更に48時間常温で酸化し、上記手法によって再び官能基量2を測定する。この酸化によって追加された官能基量(=官能基量2-官能基量1)を算出し、アルデヒド基量とする。
上記セルロース繊維の製造方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
上記セルロース繊維が官能基を有する場合のセルロース繊維の製造方法としては、例えば、官能基を有さない原料セルロース繊維を用いて、従来公知の方法(例えば、TEMPO酸化法(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル触媒酸化する方法)等)で、上記原料セルロースが有する水酸基の少なくとも一部又は全部を、上記官能基に置換する方法が挙げられる。
セルロース繊維は、水溶性及び非水溶性のいずれであってもよい。セルロース繊維は、乾燥した状態で使用されてもよい。
セルロース繊維はその形態について特に制限されない。例えば、粉末、ゲル状、水溶液、分散液が挙げられる。セルロース繊維の形態が例えば、ゲル状、水溶液又は分散液である場合、セルロース繊維に適用された媒体(例えば分散媒)は特に制限されない。例えば、水が挙げられる。
セルロース繊維はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
セルロース繊維(正味のセルロース繊維。セルロース繊維の含有量に関し以下同様。)の含有量は、本発明の効果により優れるという観点から、ゴムラテックスの固形分の含有量1:100質量部に対して、0.01~10.0質量部が好ましく、0.01~5.0質量部がより好ましく、0.1~2.0質量部が更に好ましい。
セルロース繊維の含有量は、シール性をより高いレベルで確保できるという観点から、上記基準に対して、5.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
セルロース繊維の含有量は、保管性により優れるという観点から、上記基準に対して、4.0~10.0質量部が好ましく、4.0質量部超9.0質量部以下が好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、セルロース繊維の含有量は、本発明の効果により優れるという観点から、ゴムラテックスの固形分の含有量1及び樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計含有量100質量部に対して、0.01~10.0質量部が好ましく、0.01~5.0質量部がより好ましく、0.01~4.0質量部が更に好ましい。
セルロース繊維の含有量は、シール性をより高いレベルで確保できるという観点から、上記基準(上記合計量100質量部)に対して、5.0質量部未満が好ましく、4.0質量部以下がより好ましい。
セルロース繊維の含有量は、保管性により優れるという観点から、上記基準(上記合計量100質量部)に対して、4.0~10.0質量部が好ましく、4.0質量部超8.0質量部以下が好ましい。
セルロース繊維は、本発明のタイヤパンクシール剤において、タイヤパンクシール剤の媒体中に分散していることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
(凍結防止剤)
本発明のタイヤパンクシール剤は更に凍結防止剤を含有することができる。
上記凍結防止剤は特に制限されない。ただし、上記凍結防止剤は上記式(1)で表されるグリコールエーテルを含まない。
なかでも、凍結防止剤は、低温での注入性に優れるという観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
凍結防止剤の含有量は、低温での注入性に優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量に対して、10~80質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は実質的に凍結防止剤を含有しないとできる。本発明のタイヤパンクシール剤が実質的に凍結防止剤を含有しないとは、凍結防止剤の量が、タイヤパンクシール剤全量に対して、0~5.0質量%であることを指す。
(界面活性剤)
本発明のタイヤパンクシール剤は、更に、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤は特に制限されない。例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両イオン系の界面活性剤が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリオキシエチレンアルキルアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンひまし油型、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエスエル型、ポリオキシエチレンロジンエステル型、ポリオキシエチレンラノリンエーテル型、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル型、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型、多価アルコール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアマイド型等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤のHLBは12.0~19.0が好ましい。
HLBは有機概念図に基づく小田式による計算値を意味し、この計算方法は、例えば「乳化・可溶化の技術」〔昭和51年、工学図書(株)〕に記載されている。またHLBを導き出すための有機性値及び無機性値については「有機概念図-基礎と応用-」〔昭和59年三共出版(株)〕記載の無機性基表(昭和49年、藤田らの報告値)を用いて算出できる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテルが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩(石けん)、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、(モノ)アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシモノおよびジスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムクロライド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルアミン、モノオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンが挙げられる。
界面活性剤は、本発明の効果(特に保管性)により優れるという観点から、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
セルロース繊維と界面活性剤の組合せについて、本発明の効果により優れるという観点から、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、アニオン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の量は、本発明の効果(特に保管性)により優れるという観点から、ゴムラテックスの固形分の含有量1:100質量部、樹脂エマルジョンの固形分の含有量2:100質量部、又は、上記含有量1と上記含有量2との合計100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のタイヤパンクシール剤は、上述した各成分以外に、所望により、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤、ゲル化剤、タッキファイヤーのような添加剤を更に含有することができる。
・タッキファイヤー
本発明のタイヤパンクシール剤が更に上記タッキファイヤーを含有する場合、シール性をより向上させることができる。
上記タッキファイヤーとしては、例えば、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンが挙げられる。
上記タッキファイヤーの形態は特に制限されない。例えば、上記タッキファイヤーを固形分として含むエマルジョン(水中油滴型エマルジョン)が挙げられる。
上記タッキファイヤーは、本発明のタイヤパンクシール剤を例えば保管又は製造する際において、ゴムラテックス(例えば、天然ゴムラテックス)を凝固させないものであることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記タッキファイヤーの含有量は、本発明の効果により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤の全量に対して、1.0~30.0質量%が好ましく、5.0~10.0質量%がより好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は、最大繊維径が1,000nm以上のセルロース繊維を含有しないことが好ましい態様の1つとして挙げられる。この場合、最大繊維径が1,000nm以上のセルロース繊維の含有量は、タイヤパンクシール剤全体に対して、0~5質量%とすることができる。
(製造方法)
本発明のタイヤパンクシール剤はその製造方法について、特に限定されない。例えば、ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョン、上記グリコールエーテル、及び、上記セルロース繊維を、所望により用いることができる、界面活性剤、又は、添加剤とともに、減圧下で混合ミキサー等の混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
必要に応じて系内に更に水を加えてもよい。
また、上記各成分が分散媒又は媒体を含有する場合、上記各成分として、上記各成分から分散媒等を一部又は全て除いたものを使用してもよい。
(タイヤパンクシール剤に含有される水の量)
本発明のタイヤパンクシール剤における水の含有量(水の総量)は、タイヤパンクシール剤全量の10~40質量%であることが好ましく、15~30質量%がより好ましい。
上記セルロース繊維は、本発明のタイヤパンクシール剤の媒体中に分散していることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、タイヤのパンク孔をシールすることができる。
本発明のタイヤパンクシール剤の使用方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。具体的には例えば、本発明のタイヤパンクシール剤をコンプレッサー等を用いてタイヤのバルブからタイヤ内部に注入する。その後車を走行しタイヤを回転させると、タイヤ内において本発明のタイヤパンクシール剤が撹拌され、上記タイヤパンクシール剤に含有されるゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンの固形分が凝集し、凝集した固形分がパンク孔をシールするため、上記タイヤで車を再び走行させることができる。
本発明のタイヤパンクシール剤を使用する際の温度について特に制限されず、広い温度範囲の条件下において使用することができる。使用温度は例えば-40~+80℃とすることができる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、長期間、及び/又は、例えば上記のような広い温度範囲の条件下において保管できる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<タイヤパンクシール剤の製造>
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、タイヤパンクシール剤を製造した。
第1表の「ゴムラテックス」欄に示す2つの数値は、(ゴムラテックスの使用量)/(使用されたゴムラテックス中の固形分(ゴム)の含有量)を意味する。
第1表の「樹脂エマルジョン」欄に示す2つの数値は、(樹脂エマルジョンの使用量)/(使用された樹脂エマルジョン中の固形分(樹脂)の含有量)を意味する。
第1表の「セルロース繊維1」欄の数値は、使用されたセルロース繊維1に含有される正味のセルロース繊維の含有量を意味する。セルロース繊維2、3及び比較セルロース繊維も同様である。
<評価>
上記のとおり製造された組成物を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
(泡立ち性)
・ロスマイルス試験
得られたタイヤパンクシール剤についてロスマイルス試験を行った。具体的には、得られたタイヤパンクシール剤について、JIS K3362:2008に準じ、「すべての溶液が流出した5分後の泡の高さ」(初期の泡の高さ。単位mm)を測定した。
・評価基準
本発明において、上記泡の高さが300mm以上である場合、発泡効果に優れると評価した。上記泡の高さが高いほど、発泡効果により優れる。
一方、上記泡の高さが300mm未満である場合、発泡効果が悪いと評価した。
(保管性)
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤を70℃の環境下で静止して保管し、10日毎にタイヤパンクシール剤を目視で観察し、タイヤパンクシール剤の表層に膜(クリーム)が張っているかを確認した。観察開始から上記膜を確認した日までの日数を保管性の欄に記載した。
・評価基準
本発明において、上記日数が60日以上である場合、保管性(長期保管性)に優れると評価した。上記日数が長いほど、保管性(長期保管性)により優れる。
一方、上記日数が60日未満である場合、保管性(長期保管性)が悪いと評価した。
(注入性)
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤650mLを70℃に加温した。
コンプレッサーを使用して、注入圧300kPaの条件で、195/65 R15のタイヤ(トレッドのショルダー部にパンク孔(直径4mm)を有する)に、上記タイヤパンクシール剤をバルブコアからタイヤ内へ注入し、上記タイヤパンクシール剤を注入するために要した時間(注入時間)を測定した。
・評価基準
本発明において、上記注入時間が40秒以下である場合、注入性に優れると評価した。上記注入時間が短いほど、注入性により優れる。
一方、上記注入時間が40秒を超える場合、注入性が悪いと評価した。
(シール性)
まず、215/60 R16のタイヤのトレッドのショルダー部にパンク孔(直径4mm)を空けた。
次いで、パンク孔を空けたタイヤをドラム試験機に装着し、上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤650mLをタイヤのバルブコアから注入し、タイヤ内圧が200kPaになるように空気を充填した。
その後、荷重350kg、時速30kmの条件下で上記タイヤを走行させて停止する間欠運転を繰り返し、空気漏れがなくなるまで、タイヤパンクが修理できる走行距離(パンク修理距離)を測定した。空気漏れの有無は、上記パンク孔の部分に石鹸水を吹き付け、石鹸水が泡になるか否かで確認した。
・評価基準
本発明において、上記パンク修理距離が10km以下である場合、シール性に優れると評価した。上記パンク修理距離が短いほど、シール性により優れる。
一方、上記パンク修理距離が10kmを超える場合、シール性が悪いと評価した。
Figure 0007077904000005
Figure 0007077904000006
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
(ゴムラテックス)
・NRラテックス:天然ゴムラテックス。Hytex HA、フェルフェックス社製、野村貿易社;固形分60質量%
(樹脂エマルジョン)
・VEVA:エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョン(スミカフレックス950HQ、住化ケムテックス;固形分約50質量%)
(式(1)で表されるグリコールエーテル)
・メチルトリグリコール:メチルトリグリコール(上記式(1)で表されるグリコールエーテル。ここで、R:水素原子、p=3。)
・メチルジグリコール:メチルジグリコール(上記式(1)で表されるグリコールエーテル。ここで、R:水素原子、p=2。)
(界面活性剤)
・アルキル硫酸エステル塩:アニオン系界面活性剤。ラウリル硫酸ナトリウム(製品名:エマール10PT、花王社製)
・セルロース繊維1:セルロース繊維。最大繊維径10nm、数平均繊維径5nm、平均長さ50nm。カルボニル基(カルボキシル基を含む。)を含有する。カルボニル基(カルボキシル基、又は、カルボキシル基及びアルデヒド基)含有量1.0mmol/g。商品名レオクリスタ キュービーテナー、第一工業製薬社製。セルロース繊維含有量2.0質量%。セルロース繊維1はマイナスイオンを有してもよい。
・セルロース繊維2:セルロース繊維。最大繊維径500nm、数平均繊維径250nm、平均長さ800nm。カルボニル基(カルボキシル基及び/又はアルデヒド基)を含有する。商品名セルロースナノファイバー、大王製紙社製。水分散体。
・セルロース繊維3:セルロース繊維。最大繊維径500nm、数平均繊維径200nm、平均長さ500nm。メトキシ基を含有する。商品名変性セルロースナノファイバー、日本製紙社製。セルロース繊維含有量2質量%。
・比較セルロース繊維:セルロース繊維。最大繊維径3000nm、数平均繊維径2000nm。カルボニル基を含有する。商品名メトロースLH-32、日本製紙社製。セルロース繊維含有量100質量%。
第1表に示す結果から明らかなように、所定のセルロース繊維を含有しない比較例1、2は、保管性、注入性が悪かった。
所定のセルロース繊維を含有せず、代わりに最大繊維径が1,000nm以上である比較セルロース繊維を含有する比較例3、4は、保管性、注入性が悪かった。
これに対して、本発明のタイヤパンクシール剤は、発泡効果と優れたシール性を確保しつつ、保管性、注入性に優れた。

Claims (11)

  1. ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンと、
    下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、
    最大繊維径が1000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維とを含有するタイヤパンクシール剤。
    Figure 0007077904000007

    式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
  2. 前記セルロース繊維の数平均繊維径が、2~150nmである、請求項1に記載のタイヤパンクシール剤。
  3. 前記官能基が、カルボキシル基及び/又はアルデヒド基である、請求項1又は2に記載のタイヤパンクシール剤。
  4. 前記ゴムラテックスを含有し、
    前記セルロース繊維の含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  5. 前記ゴムラテックスを含有し、
    前記グリコールエーテルの含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、50~300質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  6. 前記樹脂エマルジョンが、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョンである、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  7. 前記セルロース繊維が前記官能基を有し、
    前記セルロース繊維の重量に対する前記官能基の総モル数が、0.1~2.2mmol/gである、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  8. 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
    前記樹脂エマルジョンの固形分の含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.1~100質量部である、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  9. 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
    前記セルロース繊維の含有量が、前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  10. 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
    前記グリコールエーテルの含有量が、前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、50~300質量部である、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
  11. 前記セルロース繊維の最大繊維径が500nm以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
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