JP7077904B2 - タイヤパンクシール剤 - Google Patents
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Description
このように、タイヤパンクシール剤には、パンク穴を塞ぐシール性が要求される。
また、パンク修理キットの小型化の要請などに伴い、タイヤパンクシール剤の液量を減らすことが求められている。タイヤパンクシール剤の液量を減らす解決手法の一つとして、タイヤパンクシール剤に発泡剤を配合し、上記発泡剤による発泡効果でタイヤパンクシール剤の見かけの容積を増やすことが提案されている(例えば、特許文献1)。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、発泡効果と優れたシール性を確保しつつ、保管性、注入性に優れるタイヤパンクシール剤を提供することを目的とする。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、
最大繊維径が1000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維とを含有するタイヤパンクシール剤。
式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
[2] 上記セルロース繊維の数平均繊維径が、2~150nmである、[1]に記載のタイヤパンクシール剤。
[3] 上記官能基が、カルボキシル基及び/又はアルデヒド基である、[1]又は[2]に記載のタイヤパンクシール剤。
[4] 上記ゴムラテックスを含有し、
上記セルロース繊維の含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[5] 上記ゴムラテックスを含有し、
上記グリコールエーテルの含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、50~300質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[6] 上記樹脂エマルジョンが、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョンである、[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[7] 上記セルロース繊維が上記官能基を有し、
上記セルロース繊維の重量に対する上記官能基の総モル数が、0.1~2.2mmol/gである、[1]~[6]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[8] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記樹脂エマルジョンの固形分の含有量が、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.1~100質量部である、[1]~[7]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[9] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記セルロース繊維の含有量が、上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、[1]~[8]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[10] 上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンを含有し、
上記グリコールエーテルの含有量が、上記ゴムラテックス及び上記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、50~300質量部である、[1]~[9]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
[11] 上記セルロース繊維の最大繊維径が500nm以下である、[1]~[10]のいずれかに記載のタイヤパンクシール剤。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
本発明において、樹脂エマルジョンの固形分は樹脂を意味する。樹脂エマルジョンの固形分の含有量は樹脂エマルジョンに含有される樹脂の含有量、又は、樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量を意味する。本発明において、樹脂エマルジョンに含有される樹脂の含有量と樹脂エマルジョンの分散媒以外の成分の合計含有量とはほぼ同じである。
なお、セルロース繊維が乾燥していない状態(例えば、ゲル状、水溶液又は分散液が挙げられる。)で使用される場合、タイヤパンクシール剤に含有される媒体は、セルロース繊維の使用様態に由来する媒体を含むことができる。
本発明のタイヤパンクシール剤を製造する際、更に、水等の分散媒を系内に加えた場合、上記媒体は、上記加えられた分散媒を更に含むことができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有される式(1)で表されるグリコールエーテルは、上記媒体に含まれる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、
ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンと、
下記式(1)で表されるグリコールエーテルと、
最大繊維径が1000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維とを含有するタイヤパンクシール剤である。
式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
そして、本発明のタイヤパンクシール剤に含有される所定のセルロース繊維は、式(1)で表されるグリコールエーテルによる上記発泡効果を妨げないことが知見されている。
その一方で、所定のセルロース繊維は、パンク孔をシールする際には、上記凝集を妨げないと推測される。
このように、本発明のタイヤパンクシール剤は、シールする際のゴム及び/又は樹脂の凝集性と、保管中及び/又は注入時のゴム及び/又は樹脂の耐凝集性とのバランスに優れると考えられる。
以下、本発明のタイヤパンクシール剤に含有される各成分について詳述する。
本発明のタイヤパンクシール剤はゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンを含有する。
ゴムラテックスに含まれるゴム、及び/又は、樹脂エマルジョンに含まれる樹脂は、パンク孔をシールする機能を有する。
本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、本発明の効果(特に、保管性又は注入性)により優れる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、ゴムラテックスを含有することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有されうるゴムラテックスは特に制限されない。例えば、天然ゴムラテックス、ニトリルゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、アクリルゴムラテックスが挙げられる。
なかでも、本発明の効果(特にシール性)により優れるという観点から、天然ゴムラテックスが好ましい。天然ゴムラテックスは特に制限されない。天然ゴムラテックスは、タンパク質を除去したもの、及び、除去していないもののうちのいずれであってもよい。
ゴムラテックスはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴムラテックスはその製造方法について特に制限されない。
ゴムラテックスは市販品を使用することができる。天然ゴムラテックスの市販品としては具体的には例えば、脱蛋白天然ゴムラテックス(SeLatexシリーズ、SRIハイブリッド社製)、脱蛋白天然ゴムラテックス(Hytex HA、フェルフェックス社製、野村貿易社)、超低アンモニア天然ゴムラテックス(ULACOL、レヂテックス社製)が挙げられる。
上記ゴムラテックスの固形分の含有量(以下、ゴムラテックスの固形分の含有量を「含有量1」と称する場合がある。)は、本発明の効果(特にシール性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の10~50質量%が好ましく、20~40質量%がより好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は、樹脂エマルジョンを含有することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤に含有されうる樹脂エマルジョンは特に制限されない。
樹脂エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル系重合体エマルジョンが挙げられる。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンは、上記エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体が酢酸ビニルによる繰り返し単位を有するポリマーであれは特に制限されない。
酢酸ビニル系重合体エマルジョンに含有される酢酸ビニル系重合体は酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体のいずれであってもよい。
酢酸ビニル系共重合体エマルジョンとしては、例えば、エチレン-酢酸ビニル系共重合体エマルジョンが挙げられる。
エチレン-酢酸ビニル系共重合体エマルジョンは、エチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合(樹脂)エマルジョン(エチレン-酢酸ビニル-バーサチック酸ビニル共重合(樹脂)エマルジョン)、及び、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ-(メタ)アクリル系モノマー共重合体エマルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。エチレン-酢酸ビニル-ベオバ-(メタ)アクリル系モノマー共重合体を構成する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸)が挙げられる。
樹脂エマルジョンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤が樹脂エマルジョンを含有する場合、樹脂エマルジョンの固形分の含有量(以下、樹脂エマルジョンの固形分の含有量を「含有量2」と称する場合がある。)は、本発明の効果(特に注入性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、3~8質量%が更に好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤がゴムラテックス及び樹脂エマルジョンを含有する場合、ゴムラテックスの固形分の含有量1及び樹脂エマルジョンの固形分の含有量2の合計量は、本発明の効果(特にシール性と注入性)により優れるという観点から、タイヤパンクシール剤全量の3~65質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、20~40質量%が更に好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は、下記式(1)で表されるグリコールエーテルを含有する。
本発明において、上記グリコールエーテルは、発泡剤、又は、凝固点が低いため凍結防止剤として機能できる。
R1としてのアルキル基は特に限定されない。アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。R1としてのアルキル基はメチル基であることが好まし態様の1つとして挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール剤が上記ゴムラテックスを含有する場合、上記グリコールエーテルの含有量は、本発明の効果により優れ、発泡効果、シール性、保管性及び注入性のうち少なくとも2種のバランスに優れるという観点から、上記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、10~500質量部であることが好ましく、50~300質量部であることがより好ましく、70~300質量部であることが更に好ましく、100~300質量部であることが特に好ましい。
また、低温条件下での注入性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、10質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。
加工性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、300質量部以下が好ましい。
また、低温条件下での注入性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、10質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。
加工性に優れるという観点から、上記グリコールエーテルの含有量は、上記基準に対して、300質量部以下が好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は、最大繊維径が1,000nm未満であり、官能基を有してもよいセルロース繊維を含有する。
まず、固形分率で0.05~0.1質量%の微細セルロースの水分散体を調製し、該分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして観察用試料とする。次に、上記観察用試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は原子間力顕微鏡(AFM)等で倍率500~5000倍で観察して、セルロース繊維の繊維径又は長さを求めることができる。
セルロース繊維の最大繊維径は、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120本のセルロース繊維を選び、選ばれた各セルロース繊維において最も太い部分の繊維径を測定して得られた測定値である。
セルロース繊維の数平均繊維径は、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120本のセルロース繊維を選び、選ばれたセルロース繊維の先端部の繊維径を測定して、得られた測定値を平均した値である。
セルロース繊維の平均長さは、上記観察用試料を、上記SEM等で上記倍率で観察し、そのなかから任意に120個のセルロース繊維を選び、選ばれたセルロース繊維の長さを測定して、得られた測定値を平均した値である。
セルロース繊維の(平均長さ/数平均繊維径)は、本発明の効果に(特に注入性)により優れるという観点から、5~1,000が好ましく、10~800がより好ましい。
本発明において、セルロース繊維は、官能基を有してもよい。上記官能基は、例えば、セルロース繊維が有する水酸基の少なくとも一部又は全てを変性することによって導入されうる。
本発明において、セルロース繊維が有することができる官能基はセルロース繊維が元来有する水酸基(変性前のセルロース繊維が有する水酸基)を含まない。
すなわち、本発明において、官能基を有さないセルロース繊維は、水酸基を有することができる。
また、官能基を有するセルロース繊維は、上記官能基のほかに水酸基を有してもよい。
セルロース繊維が有することができる官能基としては、例えば、カルボニル基及びアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基が挙げられる。
上記式において、Xは、R、OH又はHを表し、Rはヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を表す。上記ヘテロ原子又は炭化水素基は特に制限されない。
上記カルボニル基は、例えば、カルボキシ(ル)基(-COOH)、又は、アルデヒド基を形成してもよい。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルが挙げられる。
セルロース繊維は、例えば、マイナスイオン又はプラスイオンを有する場合、セルロース繊維は更に対イオンを有してもよい。上記対イオンは特に制限されない。
セルロース繊維は、マイナスイオンを有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
乾燥重量を精秤したセルロース繊維の試料から0.5~1質量%スラリーを60ml調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下式を用いて官能基量1を決定する。官能基量1がカルボキシ基の量を示す。
官能基量1(mmol/g)=V(ml)×0.05/セルロースの質量(g)
次に、セルロース試料を、酢酸でpHを4~5に調製した2%亜塩素酸ナトリウム水溶液中で更に48時間常温で酸化し、上記手法によって再び官能基量2を測定する。この酸化によって追加された官能基量(=官能基量2-官能基量1)を算出し、アルデヒド基量とする。
上記セルロース繊維が官能基を有する場合のセルロース繊維の製造方法としては、例えば、官能基を有さない原料セルロース繊維を用いて、従来公知の方法(例えば、TEMPO酸化法(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル触媒酸化する方法)等)で、上記原料セルロースが有する水酸基の少なくとも一部又は全部を、上記官能基に置換する方法が挙げられる。
セルロース繊維はその形態について特に制限されない。例えば、粉末、ゲル状、水溶液、分散液が挙げられる。セルロース繊維の形態が例えば、ゲル状、水溶液又は分散液である場合、セルロース繊維に適用された媒体(例えば分散媒)は特に制限されない。例えば、水が挙げられる。
セルロース繊維はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
セルロース繊維の含有量は、シール性をより高いレベルで確保できるという観点から、上記基準に対して、5.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
セルロース繊維の含有量は、保管性により優れるという観点から、上記基準に対して、4.0~10.0質量部が好ましく、4.0質量部超9.0質量部以下が好ましい。
セルロース繊維の含有量は、シール性をより高いレベルで確保できるという観点から、上記基準(上記合計量100質量部)に対して、5.0質量部未満が好ましく、4.0質量部以下がより好ましい。
セルロース繊維の含有量は、保管性により優れるという観点から、上記基準(上記合計量100質量部)に対して、4.0~10.0質量部が好ましく、4.0質量部超8.0質量部以下が好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は更に凍結防止剤を含有することができる。
上記凍結防止剤は特に制限されない。ただし、上記凍結防止剤は上記式(1)で表されるグリコールエーテルを含まない。
なかでも、凍結防止剤は、低温での注入性に優れるという観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤は実質的に凍結防止剤を含有しないとできる。本発明のタイヤパンクシール剤が実質的に凍結防止剤を含有しないとは、凍結防止剤の量が、タイヤパンクシール剤全量に対して、0~5.0質量%であることを指す。
本発明のタイヤパンクシール剤は、更に、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤は特に制限されない。例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両イオン系の界面活性剤が挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、上述した各成分以外に、所望により、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤、ゲル化剤、タッキファイヤーのような添加剤を更に含有することができる。
本発明のタイヤパンクシール剤が更に上記タッキファイヤーを含有する場合、シール性をより向上させることができる。
上記タッキファイヤーとしては、例えば、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンが挙げられる。
上記タッキファイヤーの形態は特に制限されない。例えば、上記タッキファイヤーを固形分として含むエマルジョン(水中油滴型エマルジョン)が挙げられる。
上記タッキファイヤーは、本発明のタイヤパンクシール剤を例えば保管又は製造する際において、ゴムラテックス(例えば、天然ゴムラテックス)を凝固させないものであることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のタイヤパンクシール剤はその製造方法について、特に限定されない。例えば、ゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョン、上記グリコールエーテル、及び、上記セルロース繊維を、所望により用いることができる、界面活性剤、又は、添加剤とともに、減圧下で混合ミキサー等の混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
必要に応じて系内に更に水を加えてもよい。
また、上記各成分が分散媒又は媒体を含有する場合、上記各成分として、上記各成分から分散媒等を一部又は全て除いたものを使用してもよい。
本発明のタイヤパンクシール剤における水の含有量(水の総量)は、タイヤパンクシール剤全量の10~40質量%であることが好ましく、15~30質量%がより好ましい。
本発明のタイヤパンクシール剤の使用方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。具体的には例えば、本発明のタイヤパンクシール剤をコンプレッサー等を用いてタイヤのバルブからタイヤ内部に注入する。その後車を走行しタイヤを回転させると、タイヤ内において本発明のタイヤパンクシール剤が撹拌され、上記タイヤパンクシール剤に含有されるゴムラテックス及び/又は樹脂エマルジョンの固形分が凝集し、凝集した固形分がパンク孔をシールするため、上記タイヤで車を再び走行させることができる。
本発明のタイヤパンクシール剤を使用する際の温度について特に制限されず、広い温度範囲の条件下において使用することができる。使用温度は例えば-40~+80℃とすることができる。
本発明のタイヤパンクシール剤は、長期間、及び/又は、例えば上記のような広い温度範囲の条件下において保管できる。
下記第1表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、タイヤパンクシール剤を製造した。
第1表の「ゴムラテックス」欄に示す2つの数値は、(ゴムラテックスの使用量)/(使用されたゴムラテックス中の固形分(ゴム)の含有量)を意味する。
第1表の「樹脂エマルジョン」欄に示す2つの数値は、(樹脂エマルジョンの使用量)/(使用された樹脂エマルジョン中の固形分(樹脂)の含有量)を意味する。
第1表の「セルロース繊維1」欄の数値は、使用されたセルロース繊維1に含有される正味のセルロース繊維の含有量を意味する。セルロース繊維2、3及び比較セルロース繊維も同様である。
上記のとおり製造された組成物を用いて以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
・ロスマイルス試験
得られたタイヤパンクシール剤についてロスマイルス試験を行った。具体的には、得られたタイヤパンクシール剤について、JIS K3362:2008に準じ、「すべての溶液が流出した5分後の泡の高さ」(初期の泡の高さ。単位mm)を測定した。
・評価基準
本発明において、上記泡の高さが300mm以上である場合、発泡効果に優れると評価した。上記泡の高さが高いほど、発泡効果により優れる。
一方、上記泡の高さが300mm未満である場合、発泡効果が悪いと評価した。
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤を70℃の環境下で静止して保管し、10日毎にタイヤパンクシール剤を目視で観察し、タイヤパンクシール剤の表層に膜(クリーム)が張っているかを確認した。観察開始から上記膜を確認した日までの日数を保管性の欄に記載した。
・評価基準
本発明において、上記日数が60日以上である場合、保管性(長期保管性)に優れると評価した。上記日数が長いほど、保管性(長期保管性)により優れる。
一方、上記日数が60日未満である場合、保管性(長期保管性)が悪いと評価した。
上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤650mLを70℃に加温した。
コンプレッサーを使用して、注入圧300kPaの条件で、195/65 R15のタイヤ(トレッドのショルダー部にパンク孔(直径4mm)を有する)に、上記タイヤパンクシール剤をバルブコアからタイヤ内へ注入し、上記タイヤパンクシール剤を注入するために要した時間(注入時間)を測定した。
・評価基準
本発明において、上記注入時間が40秒以下である場合、注入性に優れると評価した。上記注入時間が短いほど、注入性により優れる。
一方、上記注入時間が40秒を超える場合、注入性が悪いと評価した。
まず、215/60 R16のタイヤのトレッドのショルダー部にパンク孔(直径4mm)を空けた。
次いで、パンク孔を空けたタイヤをドラム試験機に装着し、上記のとおり製造されたタイヤパンクシール剤650mLをタイヤのバルブコアから注入し、タイヤ内圧が200kPaになるように空気を充填した。
その後、荷重350kg、時速30kmの条件下で上記タイヤを走行させて停止する間欠運転を繰り返し、空気漏れがなくなるまで、タイヤパンクが修理できる走行距離(パンク修理距離)を測定した。空気漏れの有無は、上記パンク孔の部分に石鹸水を吹き付け、石鹸水が泡になるか否かで確認した。
・評価基準
本発明において、上記パンク修理距離が10km以下である場合、シール性に優れると評価した。上記パンク修理距離が短いほど、シール性により優れる。
一方、上記パンク修理距離が10kmを超える場合、シール性が悪いと評価した。
・NRラテックス:天然ゴムラテックス。Hytex HA、フェルフェックス社製、野村貿易社;固形分60質量%
・VEVA:エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョン(スミカフレックス950HQ、住化ケムテックス;固形分約50質量%)
・メチルトリグリコール:メチルトリグリコール(上記式(1)で表されるグリコールエーテル。ここで、R1:水素原子、p=3。)
・メチルジグリコール:メチルジグリコール(上記式(1)で表されるグリコールエーテル。ここで、R1:水素原子、p=2。)
・アルキル硫酸エステル塩:アニオン系界面活性剤。ラウリル硫酸ナトリウム(製品名:エマール10PT、花王社製)
所定のセルロース繊維を含有せず、代わりに最大繊維径が1,000nm以上である比較セルロース繊維を含有する比較例3、4は、保管性、注入性が悪かった。
Claims (11)
- 前記セルロース繊維の数平均繊維径が、2~150nmである、請求項1に記載のタイヤパンクシール剤。
- 前記官能基が、カルボキシル基及び/又はアルデヒド基である、請求項1又は2に記載のタイヤパンクシール剤。
- 前記ゴムラテックスを含有し、
前記セルロース繊維の含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記ゴムラテックスを含有し、
前記グリコールエーテルの含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、50~300質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記樹脂エマルジョンが、エチレン-酢酸ビニル-ベオバ共重合樹脂エマルジョンである、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
- 前記セルロース繊維が前記官能基を有し、
前記セルロース繊維の重量に対する前記官能基の総モル数が、0.1~2.2mmol/gである、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
前記樹脂エマルジョンの固形分の含有量が、前記ゴムラテックスの固形分の含有量100質量部に対して、0.1~100質量部である、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
前記セルロース繊維の含有量が、前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、0.01~5.0質量部である、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンを含有し、
前記グリコールエーテルの含有量が、前記ゴムラテックス及び前記樹脂エマルジョンの固形分の合計含有量100質量部に対して、50~300質量部である、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。 - 前記セルロース繊維の最大繊維径が500nm以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載のタイヤパンクシール剤。
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