JP7077736B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、二次電池に関するものである。本開示は、特に、釘刺し試験等で、正極集電体と負極集電体が短絡した場合でも、温度上昇量が抑制されている二次電池に関する。
充電によって繰り返し使用できる二次電池は、経済性及び環境保全等の観点から、広く普及している。また、近年の二次電池は、エネルギー密度等の性能が飛躍的に向上しているため、二次電池が用いられる分野は、急速に拡大している。
二次電池には、多様な種類が存在する。いずれの種類の二次電池も、正極集電体と負極集電体(以下、正極集電体と負極集電体を総称して、「集電体」ということがある。)から、電気を取り出す点で共通している。
二次電池の集電体として、正極集電体については、アルミニウムが用いられ、負極集電体については、銅が用いられることがある。しかし、二次電池の集電体としては、前述の材料以外の組み合わせでもよく、二次電池の種類及び/又はその用途によって、集電体の材料は適宜決められている。
例えば、特許文献1には、非水電解液二次電池の正極集電体として、フェライト系ステンレス鋼箔を用いることが開示されている。また、そのフェライトステンレス鋼箔が、日本工業規格のSUS444でできており、その硬さが200Hvであり、かつ、その厚さが6~12であることが開示されている。
特開2003-178766号公報
特許文献1に開示された正極集電体は、それを薄くすることができ、かつ、短絡し難くすることができる。しかし、一旦、短絡してしまうと、二次電池の温度が上昇してしまうという課題があった。
このことから、釘刺し試験のように、二次電池に、その外部から釘が刺さるような短絡モードにおいては、従来の正極集電体では、抵抗が過剰に低下してしまい、二次電池の温度上昇量が高くなる、という課題を本発明者は見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたもので、釘刺し試験のように、二次電池に、その外部から釘が刺さるような短絡モードにおいても、二次電池の温度上昇量を抑制することができる二次電池を供給することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の二次電池を完成させた。その態様は、次のとおりである。
〈1〉正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方が、アモルファス合金を含む、二次電池。
〈2〉前記正極集電体がFe基アモルファス合金を含み、かつ、前記負極集電体が銅又は銅合金を含む、〈1〉項に記載の二次電池。
本開示の二次電池によれば、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方がアモルファス合金を含むことによって、釘刺し試験等の短絡モードにおいても、正極集電体と負極集電体の接触抵抗が過剰に低下しない。その結果、本開示の二次電池によれば、釘刺し試験等の短絡モードにおいても、温度上昇量を抑制可能な二次電池を提供することができる。
図1は、通常の金属又は合金とアモルファス合金の組織を模式的に示す図である。 図2は、全固体リチウムイオン二次電池の縦断面を示す模式図である。 図3は、図2に示した全固体リチウムイオン二次電池の構造を立体的に説明する模式図である。 図4は、釘刺し試験装置の概要を示す説明図である。 図5は、実施例1~2及び比較例1~2の正極集電体と負極集電体の組合せについて、応力と接触抵抗の関係を示すグラフである。 図6は、実施例1及び実施例3~4並びに比較例1~2の正極集電体と負極集電体の組合せについて、応力と接触抵抗の関係を示すグラフである。 図7は、実施例1、実施例3~4、及び比較例1~2の二次電池の出力を示すグラフである。
以下、本開示の二次電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の二次電池を限定するものではない。
二次電池において、通常使用時には、正極集電体は正極活物質と接触しており、負極集電体は負極活物質と接触している。一方、釘刺し試験のように、二次電池に釘等の金属物体等が挿入されたときには、正極集電体及び/又は負極集電体は、二次電池の内部に巻き込まれ、正極集電体と負極集電体が接触(短絡)する。そして、この接触により、ジュール熱が発生するため、二次電池の温度が上昇する。
上述したように、二次電池においては、正極集電体にアルミニウムを用い、負極集電体に銅を用いることがある。これに対して、アルミニウム及び銅よりも高い抵抗を有するステンレス鋼を用いても、釘刺し試験時のジュール熱の発生量を抑制することができず、その上、二次電池の通常使用時の性能が低下してしまうこともあった。
ところが、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に、アモルファス合金を用いると、二次電池の通常使用時には、性能の低下が僅かで、実用上、ほとんど問題なく、釘刺し試験時には、ジュール熱を著しく抑制することができることを、本発明者は知見した。
理論に拘束されないが、この理由について、図1を用いて、次のように説明できると考えている。
図1は、通常の金属又は合金とアモルファス合金の組織を模式的に示す図である。図1において、(a)は通常の金属又は合金の組織を示し、(b)はアモルファス合金の組織を示す。
通常の金属又は合金、並びにアモルファス合金のいずれも、酸化物等の表面被膜200を有する。この表面被膜200は、人工的に施す高抵抗の被膜とは異なり、ある程度の導電性を有する。この導電性によって、二次電池の通常使用時には、表面被膜200の内部を電子が移動できる。
通常の金属又は合金は、結晶粒の集まりである。このことから、図1の(a)に示したように、通常の金属又は合金の表面被膜200には、結晶粒界220との交差部225が存在する。この交差部225では、表面被膜200の厚さが、局所的に減少している。
一方、図1の(b)に示したように、アモルファス合金の内部は、非晶質体230であるため、通常の金属又は合金のように、明確な結晶粒210及び結晶粒界220(図1の(a)を参照)が存在しない。このことから、アモルファス合金の表面被膜200は、図1の(b)に示したように、その厚さが比較的均一である。このように、通常の金属又は合金と、アモルファス合金とでは、表面被膜200の状態が異なる。
二次電池の通常使用時においては、表面被膜200によって生じる抵抗が小さいほど、二次電池の内部抵抗等を小さくでき、好ましい。一方、釘刺し試験時には、表面被膜200によって生じる抵抗が大きいほど、ジュール熱の発生量を抑制でき、好ましい。
二次電池の集電体には、応力が負荷されている。その応力の大きさは、通常使用時には0.01~40MPaであり、釘刺し試験時には100MPa以上である。
通常の金属又は合金においては、図1の(a)に示したように、交差部225がある。また、通常の金属又は合金のうち、アルミニウム及び銅においては、表面被膜200が全体的に薄い。そのため、集電体に負荷される応力が増加しても、表面被膜200の導電性は、それほど増加しない。しかし、集電体に負荷される応力が0.01~40MPa(通常使用時に相当)でも、既に、その導電性は充分に大きく、かつ、交差部225が電子の経路となっている。そのため、集電体に負荷される応力によらず、表面被膜200によって生じる抵抗が小さい。これにより、集電体にアルミニウム及び銅を用いると、通常使用時には、二次電池としての性能が良好であるが、釘刺し試験時には、ジュール熱の発生量を抑制することができない。
一方、通常の金属又は合金のうち、ステンレス鋼においては、表面被膜200が全体的に厚い。そのため、集電体に負荷される応力が0.01MPa程度では、表面被膜200の導電性は良好ではなく、かつ、交差部225もほとんど変形せず、交差部225が電子の経路となり難い。そのため、表面被膜200によって生じる抵抗は高いままである。しかし、集電体に負荷される応力が増加するにつれて、表面被膜200の厚さが減少して、その導電性は増加する。また、交差部225が変形することによって、交差部225が電子の経路となり、表面被膜200によって生じる抵抗が減少する。そして、集電体に負荷される応力が、釘刺し試験時のように100MPa以上になると、表面被膜200によって生じる抵抗は、さらに減少し、集電体にアルミニウム及び銅を用いる場合と同等になる。このことから、集電体にステンレス鋼を用いると、釘刺し試験時に、ジュール熱の発生量を抑制することができない。
これに対し、アモルファス合金の表面被膜200は、図1の(b)に示したように、交差部225がなく、厚さが比較的均一で、緻密である。そのため、集電体にアモルファス合金を用いると、集電体に負荷される応力が、通常使用時の応力から、釘刺し試験時の応力に増加しても、表面被膜200によって生じる抵抗がほとんど変化しない。そして、その表面被膜200によって生じる抵抗は、二次電池の通常使用時には実用上問題なく、釘刺し試験時にはジュール熱の発生量を抑制できるものである。
これまで説明してきた知見等によって完成された、本開示の二次電池の構成要件を、次に説明する。
《二次電池》
本開示の二次電池は、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方が、アモルファス合金を含めば、二次電池の種類は特に限定されない。上述したように、本開示の二次電池の効果は、アモルファス合金の表面被膜が緻密であり、その厚さが比較的均一であることによって得られる。このことから、本開示の二次電池の効果は、二次電池の種類によらず、得ることができる。
二次電池の種類としては、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池、ニッケル・鉄二次電池、ニッケル・亜鉛二次電池、酸化銀・亜鉛二次電池等が挙げられる。この中で、リチウムイオン二次電池の場合には、電気エネルギーが大きく、釘刺し試験等の短絡時に流れる電流も大きいため、本開示の二次電池の効果が大きい。リチウムイオン二次電池は、全固体リチウムイオン二次電池、及び非水電解液リチウムイオン二次電池等、いずれでもよい。
〈正極集電体及び負極集電体〉
本開示の二次電池は、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方が、アモルファス合金を含む。正極集電体のすべてがアモルファス合金でなくてもよく、例えば、正極活物質層と接触する部分のみがアモルファス合金であってもよく、タブ部は金属又は合金(アモルファス合金を除く)であってよい。
アモルファス合金は、全部が非晶質であってもよいし、少なくとも一部が非晶質であってもよい。アモルファス合金中、非晶質の含有量は50体積%以上が好ましい。非晶質の含有量が50体積%以上であれば、結晶粒界によって、表面被膜が局部的に薄くなることが少ないためである。この観点からは、非晶質の含有量は、65体積%以上がより好ましく、80体積%以上がより一層好ましい。一方、アモルファス合金の全部が非晶質であることは、製造コストの著しい上昇等を招く。アモルファス合金中、非晶質の含有量は97体積%以下、95体積%以下、又は90体積%以下であっても、実用上、問題ない。
アモルファス合金の組成は、その合金の少なくとも一部が非晶質であり、かつ、そのアモルファス合金が二次電池の正極集電体及び負極集電体として機能すれば、特に制限はない。アモルファス合金としては、例えば、Fe基アモルファス合金、Ni基アモルファス合金、FeNi基アモルファス合金、及びCoCr基アモルファス合金等が挙げられる。
アモルファス合金としては、Fe基アモルファス合金、Ni基アモルファス合金、及びFeNi基アモルファス合金が好ましい。正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に、Fe基アモルファス合金、Ni基アモルファス合金、又はFeNi基アモルファス合金が用いられると、釘刺し試験等の短絡時に、二次電池の温度上昇量を抑制できるとともに、通常使用時の二次電池としての性能も比較的高い。特に、正極集電体にFe基アモルファス合金が用いられ、負極集電体に銅が用いられると、通常使用時の二次電池の出力も向上する。これは、正極集電体にFe基アモルファス合金を用い、負極集電体に銅を用いたとき、応力を0.1~40MPaにすると、接触抵抗をより低減することができるためである。
Fe基アモルファス合金とは、Feを主成分とするアモルファス合金を意味する。Ni基アモルファス合金とは、Niを主成分とするアモルファス合金を意味する。FeNiアモルファス合金とは、FeとNiを主成分とするアモルファス合金を意味する。CoCr基アモルファス合金とは、CoとCrを主成分とするアモルファス合金を意味する。なお、「主成分」とは、その合金中で、含有量(原子%)が最も多い成分(元素)を意味する。例えば、Feを主成分とするアモルファス合金では、その合金中で、Feの含有量が最も多い。Niを主成分とするアモルファス合金では、その合金中で、Niの含有量が最も多い。FeとNiを主成分とするアモルファス合金では、その合金中で、FeとNiの合計含有量が最も多い。CoとCrを主成分とするアモルファス合金では、その合金中で、CoとCrの合計含有量が最も多い。
Fe基アモルファス合金の組成については、Feの含有量は、50原子%以上が好ましく、60原子%以上がより好ましく、70原子%以上がより一層好ましい。
Fe基アモルファス合金としては、例えば、2~25原子%のSi、及び2~25原子%のBを含有し、残部がFe及び不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。Siの含有量の下限については、4原子%がより好ましく、8原子%がより一層好ましい。一方、Siの含有量の上限については、20原子%が好ましく、10原子%がより一層好ましい。また、Bの含有量の下限については、5原子%がより好ましく、10原子%がより一層好ましい。一方、Bの含有量の上限については、20原子%がより好ましく、15原子%以下がより一層好ましい。このFe基アモルファス合金は、Fe-Si-B系アモルファス合金と呼んでもよい。
上述のFe基アモルファス合金において、0.1~8.0原子%のFeに代えて、C、Al、Cr、W、P、Mn、Zn、Ti、Nb、Ta、Mo、Cu、及び希土類元素から選ばれる1種以上を含有してもよい。Fe基アモルファス合金中に、これらの元素が0.1~8.0原子%含有しても、本開示の二次電池の効果を損なわず、特定の特性、例えば、耐熱性及び耐食性等が向上する。これらの元素の含有量の下限は、0.5原子%、1.0原子%、又は3.0原子%であってよい。一方、これらの元素の含有量の上限は、6.0原子%、5.0原子%、又は4.0原子であってよい。
不可避的不純物とは、原材料及び/又は製造工程中で不可避に含有する不純物のことをいう。不可避的不純物の含有量については、2原子%以下が好ましく、1原子%以下がより好ましい。
Ni基アモルファス合金の組成については、Niの含有量は40原子%以上が好ましく、50原子%以上がより好ましく、60原子%以上がより一層好ましい。
Ni基アモルファス合金としては、例えば、60~80原子%のNi、2~15原子%のSi、及び5~15原子%のBを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
Ni基アモルファス合金としては、例えば、60~80原子%のNi、2~15原子%のSi、及び5~15原子%のBを含有し、さらに、2~20原子%のCr、2~5原子%のFe、2~5原子%のW、及び15~20原子%のCoから選ばれる1種以上を含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
Ni基アモルファス合金としては、例えば、40~70原子%のNi、15~20原子%のB、及び10~15原子%のCrを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
Ni基アモルファス合金としては、例えば、40~70原子%のNi、15~20原子%のB、及び10~15原子%のCrを含有し、さらに、15~20原子%のCo、2~5原子%のFe、及び2~5原子%のMoから選ばれる1種以上を含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
Ni基アモルファス合金としては、60~85原子%のNi、及び15~20原子%のPを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
Ni基アモルファス合金としては、60~85原子%のNi、及び15~20原子%のPを含有し、さらに、15~20原子%のCrを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
これまでに説明したNi基アモルファス合金の不可避的不純物としては、例えば、C、Al、Mn、Zn、Ti、Cuが挙げられる。不可避的不純物とは、原材料及び/又は製造工程中で不可避に含有する不純物のことをいう。不可避的不純物の含有量については、2原子%以下が好ましく、1原子%以下がより好ましい。
FeNi基アモルファス合金の組成については、FeとNiの合計含有量は60原子%以上が好ましく、70原子%以上がより好ましい。
FeNi基アモルファス合金としては、例えば、25~45原子%のFe、30~50原子%のNi、10~20原子%のBを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
FeNi基アモルファス合金としては、例えば、25~45原子%のFe、30~50原子%のNi、10~20原子%のBを含有し、さらに、0~5原子%のMo、0~3原子%のCo、0~3原子%のCr、0~3原子%のMn、0~3原子%Nb、0~2原子%のSi、及び0~2原子%のCから選ばれる少なくとも1種以上を含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。このFeNi基アモルファス合金において、Moを選択した場合、この合金を、Fe-Ni-Mo-B系アモルファス合金と呼んでもよい。
これまでに説明したFeNi基アモルファス合金の不可避的不純物としては、例えば、Al、Mn、Zn、Ti、Cuが挙げられる。不可避的不純物とは、原材料及び/又は製造工程中で不可避に含有する不純物のことをいう。不可避的不純物の含有量については、2原子%以下が好ましく、1原子%以下がより好ましい。
CoCr基アモルファス合金の組成については、CoとCrの合計含有量は50原子%以上が好ましく、60原子%以上がより好ましい。
CoCr基アモルファス合金としては、例えば、60~80原子%のCo、15~25原子%のCr、及び5~15原子%のBを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
CoCr基アモルファス合金としては、例えば、60~80原子%のCo、15~25原子%のCr、及び5~15原子%のBを含有し、さらに、2~5原子%のSiを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
CoCr基アモルファス合金としては、例えば、30~60原子%のCo、20~40原子%のCr、5~15原子%のB、及び5~15原子%のWを含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
CoCr基アモルファス合金としては、例えば、30~60原子%のCo、20~40原子%のCr、5~15原子%のB、及び5~15原子%のWを含有し、さらに、2~5原子%のFe、2~5原子%のSi、2~5原子%のNi、及び2~8原子%のCから選ばれる1種以上を含有し、残部が不可避的不純物である組成を有する合金が挙げられる。
これまでに説明したCoCr基アモルファス合金における不可避的不純物としては、例えば、C、Al、P、Mn、Zn、Tiが挙げられる。不可避的不純物とは、原材料及び/又は製造工程中で不可避に含有する不純物のことをいう。不可避的不純物の含有量については、2原子%以下が好ましく、1原子%以下がより好ましい。
これまでに説明してきたFe基アモルファス合金、Ni基アモルファス合金、FeNi基アモルファス合金、及びCoCr基アモルファス合金には、軟磁性材料として用いられるアモルファス合金が含まれる。本開示の二次電池の正極集電体及び/又は負極集電体は、軟磁性材料である必要はない。しかし、軟磁性材料として用いられるアモルファス合金は、非晶質の含有率が50体積%以上であることが多く、そのため、その表面被膜は比較的均一かつ緻密である。このことから、軟磁性材料として用いられるアモルファス合金は、本開示の二次電池に用いて好適である。また、このような軟磁性材料として用いられるアモルファス合金に、その磁気特性を改善するための元素をさらに添加した合金を、本開示の二次電池の集電体として使用することができる。磁気特性を改善する元素としては、例えば、希土類元素等が挙げられる。
本開示の二次電池においては、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方がアモルファス合金を含むが、アモルファス合金を含まない集電体は、二次電池として周知に用いられる金属又は合金を適用することができる。
例えば、全固体リチウムイオン二次電池においては、正極集電体として、各種金属、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、若しくはチタン等、又はこれらの合金の集電体を適用することができる。化学的安定性の観点から、正極集電体としては、アルミニウムの集電体が好ましい。アモルファス合金を含まない正極集電体についての金属又は合金の適用については、非水電解液リチウムイオン二次電池においても、全固体リチウムイオン二次電池と同様である。
例えば、全固体リチウムイオン二次電池においては、負極集電体として、各種金属、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、若しくはチタン等、又はこれらの合金を用いることができる。化学的安定性の観点から、負極集電体としては、銅の集電体が好ましい。銅に、本開示の二次電池の電気的特性を損なわない範囲で合金元素を添加して、銅合金の集電体としてもよい。アモルファス合金を含まない負極集電体についての金属又は合金の適用については、非水電解液リチウムイオン二次電池においても、全固体リチウムイオン二次電池と同様である。
正極集電体及び負極集電体のいずれも、二次電池の集電体として機能すれば、その形態は特に制限されず、周知の形態であってよい。例えば、薄板、薄片(リボン)、及び箔等が挙げられる。正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に用いられるアモルファス合金は、典型的には、液体急冷法によって製造される。このことから、正極集電体及び/又は負極集電体の形態としては、薄片(リボン)及び箔等が好都合である。正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に用いられるアモルファス合金の製造方法については、後述する。
本開示の二次電池は、その種類によらず、電解質中に、正極集電体、正極活物質層、セパレート層、負極活物質層、及び負極集電体を、この順で具備している。正極集電体及び負極集電体については、上述したとおりであるが、正極活物質層、セパレート層、負極活物質層、及び電解質は、それぞれの種類の二次電池で周知のものを用いることができる。
ここでは、本開示の二次電池が、例えば、全固体リチウムイオン二次電池又は非水電解液リチウムイオン二次電池である場合について説明するが、これらに限られない。
先ず、本開示の二次電池が、全固体リチウムイオン二次電池である場合について説明する。全固体リチウムイオン二次電池は、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体を、この順で具備する。全固体リチウムイオン二次電池では、固体電解質層がセパレート層として機能する。以下、全固体リチウムイオン二次電池に関し、正極活物質層、固体電解質層、及び負極活物質層について説明する。
〈全固体リチウムイオン二次電池の正極活物質層〉
正極活物質層の原材料は、正極活物質、並びに随意に導電助剤、バインダー、及び固体電解質を含有している。これらは、次の材料を選択することができる。なお、固体電解質については、固体電解質層で挙げる材料を用いることができる。
正極活物質としては、マンガン、コバルト、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属及びリチウムを含む金属酸化物、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、若しくはニッケルコバルトマンガン酸リチウム等、異種元素置換Li-Mnスピネル、チタン酸リチウム、リン酸金属リチウム、又はこれらの組合せから選択できる。
正極活物質は、リチウムイオン電導性能を有し、かつ活物質又はセパレート層と接触しても流動しない被覆層の形態を維持し得る物質で被覆されていてもよい。具体的には、正極活物質は、例えばLiNbO、LiTi12、LiPO等で被覆されていてもよい。
導電助剤としては、炭素材、例えば、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、若しくはカーボンナノチューブ等、又はこれらの組合せから選択することができる。
バインダーとしては、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ブタジエンゴム(BR)、若しくはスチレンブタジエンゴム(SBR)等、又はこれらの組合せから選択することができる。
〈全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質層〉
固体電解質層の原材料は、固体電解質を含有している。固体電解質層の原材料としては、次を選択することができる。
すなわち、固体電解質層の原材料としては、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として利用可能な材料から選択することができる。具体的には、硫化物系非晶質固体電解質、例えば、LiS-P、LiO・LiS・P、LiS、P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、若しくはLiS-P等;酸化物系非晶質固体電解質、例えば、LiO-B-P若しくはLiO-SiO等;結晶質酸化物、例えば、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLiZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4-3/2w)(w<1)等;若しくは、硫化物系結晶質固体電解質、例えば、Li11、Li3.250.75等のガラスセラミックス、若しくはLi3.240.24Ge0.76等のthio-LiSiO系の結晶等;又はこれらの組合せから選択することができる。
〈全固体リチウムイオン二次電池の負極活物質層〉
負極活物質層の原材料は、負極活物質、並びに随意に導電助剤、バインダー、及び固体電解質を含有している。これらは、次の材料を選択することができる。なお、固体電解質については、固体電解質層で挙げた材料を用いることができる。
負極活物質としては、金属イオン、例えば、リチウムイオン等を吸蔵・放出可能である物質から選択され、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、若しくはSi、Si合金等のケイ素材料、又はこれらの組合せから選択できる。また、金属材料、例えば、インジウム、アルミニウム、若しくはすず、又はこれらの組合せから選択できる。
負極活物質として結晶性炭素材料であるグラファイト材料を用いる場合、グラファイトの表面にアモルファス被覆をしてもよい。
負極活物質層の導電助剤及びバインダーとしては、正極活物質層に関して挙げた材料を用いることができる。
次に、本開示の二次電池が、非水電解液リチウムイオン二次電池である場合について説明する。非水電解液リチウムイオン二次電池は、正極集電体、正極活物質層、セパレータ層、負極活物質層、及び負極集電体を、この順で具備する。非水電解液リチウムイオン二次電池では、非水電解液が、正極活物質層、セパレータ層、及び負極活物質層に含浸している。
〈非水電解液リチウムイオン二次電池の正極活物質層〉
正極活物質層の原材料は、正極活物質及び溶媒、並びに随意に導電助剤及びバインダーを含有している。これらは、次の材料を選択することができる。
正極活物質としては、マンガン、コバルト、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属及びリチウムを含む金属酸化物、例えば例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、及びこれらの組合せ、例えばニッケルマンガン酸リチウム、及びニッケルコバルトマンガン酸リチウムを挙げることができる。ニッケルコバルトマンガン酸リチウムとしては、例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3を挙げることができる。
また、高電圧で作動する非水電解液リチウムイオン二次電池の場合には、正極活物質としては、ニッケル-マンガンスピネル系正極活物質、例えばLiNi0.5Mn1.54-w(0<x<2、0≦w<2)、特にLiNi0.5Mn1.5を用いることができる。なお、ニッケル-マンガンスピネル系正極活物質の遷移金属サイトには、チタン(Ti)、鉄(Fe)等の置換元素が含まれていてもよい。
溶媒としては、正極合材スラリーに含有される正極活物質に悪影響を与えない非プロトン性極性溶媒、特に非プロトン性極性の有機溶媒、例えばNMP(N-メチル-2-ピロリドン)を用いることができる。
随意の導電助材としては、例えば、炭素系導電材、特にアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)を用いることができる。
随意のバインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のポリマー系バインダーを用いることができる。非水電解液リチウムイオン二次電池の耐久性を向上させる観点から、バインダーは非電解質であることが好ましく、PVDFが特に好ましい。
〈非水電解液リチウムイオン二次電池のセパレート層〉
セパレート層として、周知の材料(セパレータ)を用いることができる。セパレータとしては、多孔性ポリエチレン膜(PE)、多孔性ポリプロピレン膜(PP)、多孔性ポリオレフィン膜、多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜を用いることができる。また、セパレータとしては、リチウムイオン又はイオン導電性ポリマー電解質膜を用いることもできる。これらのセパレータは、単独で又は組み合わせて使用することができる。電池出力を高める観点からは、多孔性ポリエチレン膜(PE)を上下二層の多孔性ポリプロピレン膜(PP)で挟んだ三層コートセパレータを用いることが好ましい。
〈非水電解液リチウムイオン二次電池の負極活物質層〉
負極活物質層の原材料は、負極活物質、並びに随意に導電助剤及びバインダー等を含有している。
負極活物質層の原材料は、負極活物質及び溶媒、並びに随意に導電助剤及びバインダーを含有している。これらは、次の材料を選択することができる。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料や、天然黒鉛を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆天然黒鉛等を用いることができる。
溶媒、導電助剤、及びバインダーとしては、正極活物質層に関して挙げた材料を用いることができる。バインダーにスチレンブタジエンラバー(SBR)を用いた場合は、溶媒として水を用いることが好ましい。
〈非水電解液リチウムイオン二次電池の電解液〉
電解液として、非水電解液を用いる。非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物であってよい。非水溶媒としては、有機電解質、フッ素系溶媒、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、及びそれらの二種以上の組合せからなる群より選択される材料を挙げることができる。
非水溶媒としては、フッ素系溶媒、例えばフッ素化炭酸エステルが好ましい。具体的なフッ素化炭酸エステルとしては、炭酸メチル-2,2,2-トリフルオロエチル(MFEC;Carbonic acid, methyl 2,2,2-trifluoroethyl ester;CAS 156783-95-8)、及び/又はジフルオロジメチルカーボネート(DFDMC)が好ましく、これらを体積比50対50で混合したものが特に好ましい。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiIのリチウム化合物(リチウム塩)、及びそれらの二種以上の組合せからなる群より選択される材料を挙げることができる。電池電圧の向上及び耐久性の観点からは、LiPFが支持塩として好ましい。
《二次電池の製造方法》
正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に、アモルファス合金を用いれば、本開示の二次電池の製造方法は、周知の方法を適用できる。上述したように、本開示の二次電池は、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方に、アモルファス合金を用いれば、二次電池の種類を問わない。そのため、本開示の二次電池は、それぞれの種類の二次電池の周知の製造方法を適用できる。
例えば、本開示の二次電池が、全固体リチウムイオン二次電池の場合には、次のような製造方法が挙げられる。例えば、正極集電体、正極活物質層の原材料、固体電解質層の原材料、負極活物質層の原材料、及び負極集電体を、この順で金型に装入し、これを圧縮する。
例えば、本開示の二次電池が、非水電解液リチウムイオン二次電池の場合には、次のような製造方法が挙げられる。例えば、正極活物質等の原材料を混錬等して、スラリー状の正極合剤を準備する。同様に、負極活物質等の原材料を混錬等して、スラリー状の負極合材を準備する。正極集電体の両面に正極合剤を塗布し、正極合剤中の溶媒を乾燥除去して、正極集電体の両面に正極活物質層を形成して、正極とする。同様に、負極集電体の両面に負極合剤を塗布し、負極合剤中の溶媒を乾燥除去して、負極集電体の両面に負極活物質層を形成して、負極とする。正極と負極をセパレータで挟んで積層又は巻回し、これを、非水電解液の入った容器に装入する。
正極集電体及び/又は負極集電体に用いるアモルファス合金は、周知の方法で製造することができる。アモルファス合金の製造方法としては、例えば、単ロール法及び双ロール法等が挙げられる。単ロール法又は双ロール法で薄片(リボン)を鋳造する際には、その鋳造制御のために、単ロール又は双ロールから排出された薄片を、連続的に圧延してもよい。
以下、本開示の二次電池を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の二次電池は、これらに限定されるものではない。
(試料の作製)
試料として、中型(0.24Ah)の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。図2は、全固体リチウムイオン二次電池の試料の縦断面を示す模式図である。全固体リチウムイオン二次電池100の試料は、正極集電体10、正極活物質層20、固体電解質層30、負極活物質層40、及び負極集電体50を、この順で備える。正極集電体10、正極活物質層20の原材料、固体電解質層30の原材料、負極活物質層40の原材料、及び負極集電体50を、この順で金型に装入し、これを圧縮して、全固体リチウムイオン二次電池100の試料を作製した。正極活物質層20の原材料、固体電解質層30の原材料、負極活物質層40の原材料については、正極活物質層20、固体電解質層30、及び負極活物質層40それぞれが、50.3μm、39.8μm、及び30.0μmの厚さを有するように、それぞれの原材料の必要量を金型に装入した。
図3は、図2に示した全固体リチウムイオン二次電池100の試料の構造を立体的に説明する模式図である。図3では、全固体リチウムイオン二次電池100の構造が分かり易いように、正極集電体10、正極活物質層20、固体電解質層30、負極活物質層40、及び負極集電体50それぞれを、便宜的に分離して示している。また、正極集電体10、正極活物質層20、固体電解質層30、負極活物質層40、及び負極集電体50それぞれを、便宜的に左右方向に移動して示している。図3に示したように、正極集電体10及び負極集電体50は、それぞれ、タブ部12、52を有する。
正極集電体10と負極集電体50を構成する材料の組み合わせを、表1に示す。表1には、それぞれの集電体の厚さを併記した。表1のFe基アモルファス合金箔として、日立金属株式会社製Metglas(登録商標)2605S3Aを用いた。この合金は、単ロール法で製造されたFe-Si-B系アモルファス合金である。また、表1のFeNi基アモルファス合金箔として、日立金属株式会社製Metglas(登録商標)2826MBを用いた。この合金は、単ロール法で製造されたNi-Fe-Mo-B系アモルファス合金である。
Figure 0007077736000001
正極活物質層は、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムを84.7質量%、硫化物系非晶質固体電解質を13.4質量%、バインダーを0.6質量%、VGCFを1.3質量%配合して作製した。正極活物質層において、活物質は75体積%、固体電解質は25体積%であった。
固体電解質層は、硫化物系非晶質固体電解質を99.6質量%、バインダーを0.4質量%配合して作製した。
負極活物質層は、Siを54.5質量%、硫化物系非晶質固体電解質を42.3質量%、バインダーを1.1質量%、VGCFを2.1質量%配合して作製した。負極活物質層において、活物質は55体積%、固体電解質は45体積%であった。
〈評価〉
実施例1及び比較例1~2の試料について、釘刺し試験を行った。また、実施例1~4及び比較例1~2の試料について、出力(mW/cm2)を測定した。さらに、表1に示した正極集電体及び負極集電体の組合せについて、表面抵抗を測定した。
釘刺し試験は、短絡箇所に供試体二次電池以外の二次電池から流入する電流を加味して行った。図4は、釘刺し試験装置の概要を示す説明図である。供試体二次電池60を第一容器70に格納し、電子供給用二次電池85を第二容器80に格納する。供試体二次電池60は、2個の単電池を積層した。電子供給用二次電池85は、36個の単電池を積層した。供試体二次電池60と電子供給用二次電池85は並列接続され、これらの間には、電流計90が接続されている。試験は、第一容器70及び第二容器80の内部の温度が25℃、供試体二次電池60のSOC(State of Charge)が100%の状態で行った。供試体二次電池60の中央付近の釘刺し位置72に、0.5mm/秒の速度で、直径8mm及び先端角60度の釘95を挿入して試験した。
〈評価結果〉
釘刺し試験に関しては、比較例1~2の電池については、釘刺し後に、二次電池の温度が急激に上昇したのに対して、実施例1の電池については、温度の上昇が充分に抑制されていた。実施例1の電池の温度上昇量は、比較例1の電池の温度上昇量の約17%であった。
図5は、実施例1~2及び比較例1~2の正極集電体と負極集電体の組合せについて、応力と接触抵抗の関係を示すグラフである。図6は、実施例1及び実施例3~4並びに比較例1~2の正極集電体と負極集電体の組合せについて、応力と接触抵抗の関係を示すグラフである。
二次電池において、通常使用時の性能と釘刺し試験時の温度上昇抑制の両方を満足する正極集電体と負極集電体の組合せは、集電体に負荷される応力と、正極集電体と負極集電体の接触抵抗との関係で評価できる。
二次電池の通常使用時においては、正極集電体は正極活物質に接触しており、負極集電体は負極活物質に接触しているため、正極集電体と負極集電体とが接触していない。それにもかかわらず、通常使用時の性能を満足する正極集電体と負極集電体の組合せを、集電体に負荷される応力と、正極集電体と負極集電体の表面抵抗との関係で評価できる理由は、次のとおりであると考えられる。
図1の表面被膜200によって生じる抵抗は、通常使用時の性能にも大きな影響を与え、表面被膜200によって生じる抵抗は、表面被膜200に負荷される応力によって変化する。そして、表面被膜200に負荷される応力は、正極活物質及び負極圧物質の有無にかかわらず、同じように変化するためである。
図5及び図6において、破線は、二次電池の通常使用時の応力範囲と、その際の接触抵抗の許容範囲を示し、一点鎖線は、釘刺し試験等の短絡モードでの応力範囲と、その際の接触抵抗の許容範囲を示す。「接触抵抗の許容範囲」とは、通常使用時においては、二次電池としての性能を維持できる範囲を意味し、釘刺し試験等の短絡モードにおいては、二次電池の温度上昇量を抑制することができる範囲を意味する。図7は、実施例1、実施例3~4、及び比較例1~2の二次電池の出力を示すグラフである。なお、図7においては、比較例1の二次電池の出力を100として規格化してある。
釘刺し試験の結果及び図5~6から、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方にアモルファス合金が用いられると、二次電池の通常使用時の性能を維持しつつ、釘刺し試験等の短絡時に二次電池の温度上昇量を抑制可能なことを理解できる。
また、図6から分かるように、正極集電体にFe基アモルファス合金、負極集電体に銅用いると、応力が0.1~40MPaのときに、さらに接触抵抗を低減できる。そして、図7から分かるように、正極集電体にFe基アモルファス合金、負極集電体に銅を用いると、二次電池の出力も向上する。
二次電池の通常使用時の性能を維持しつつ、釘刺し試験等の短絡時に二次電池の温度上昇量を抑制するには、応力と表面抵抗の関係が、図5及び図6の破線及び一点鎖線で囲まれた範囲にあればよい。そして、図5及び図6の結果が得られるのは、上述したように、アモルファス合金の表面被膜が比較的均一かつ緻密であるためと考えられる。したがって、正極集電体及び負極集電体の少なくとも一方が、アモルファス合金を含むことによって得られる本開示の二次電池の効果は、二次電池の種類によらないと考えることができる。
以上の結果から、本開示の二次電池の効果を確認できた。
10 正極集電体
12 タブ部
20 正極活物質層
30 固体電解質層
40 負極活物質層
50 負極集電体
52 タブ部
60 供試体二次電池
70 第一容器
72 釘刺し位置
80 第二容器
85 電子供給用二次電池
90 電流計
95 釘
100 全固体リチウムイオン二次電池
200 表面被膜
210 結晶粒
220 結晶粒界
225 交差部
230 非晶質体

Claims (1)

  1. 正極集電体がFe基アモルファス合金及びFeNi基アモルファス合金の少なくともいずれかを含み、負極集電体が銅又は銅合金を含
    前記Fe基アモルファス合金は、Siを2~25原子%、Bを2~25原子%、C、Al、Cr、W、P、Mn、Zn、Ti、Nb、Ta、Mo、Cu、及び希土類元素から選ばれる1種以上を0.1~8.0原子%含有し、残部がFe及び不可避的不純物である組成を有し、かつ50体積%以上の非晶質を含有し、かつ、
    前記FeNi基アモルファス合金は、Feを25~45原子%、Niを30~50原子%、Bを10~20原子%含有し、さらに、0~5原子%のMo、0~3原子%のCo、0~3原子%のCr、0~3原子%のMn、0~3原子%のNb、0~2原子%のSi、及び0~2原子%のCから選ばれる少なくとも1種以上を含有し、残部が不可避的不純物である組成を有し、かつ50体積%以上の非晶質を含有する、
    二次電池。
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