JP7077155B2 - シャワーヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、シャワーヘッドに関する。
特許文献1には、浴室やシャワールームなどに設置されるシャワーヘッドについて記載されている。
図8に示すように、特許文献1のシャワーヘッド90は、散水孔91aを有する下側プレート91と、通水路形成部材92と、継手93と、給水口94aを有する上側プレート94とを備える。上側プレート94と下側プレート91の間に通水路形成部材92と継手93とが挟まれた状態で、複数の外周ネジ95によって上側プレート94と下側プレート91は締結される。継手93は、上側プレート94の給水口94aを下側から貫通した状態で複数の中央ネジ96によって上側プレート94に取付けられる。シャワーヘッド90は、継手93に接続されたパイプ(図示せず)から供給された湯水が、通水路形成部材92によって形成された通水路を通って下側プレート91の散水孔91aから散水されるように構成されている。
特許第3937444号公報
特許文献1のシャワーヘッドでは、上側プレート94と下側プレート91は、複数の外周ネジ95を直接締付けて接続されているため、個々の外周ネジ95の締付具合のばらつきによって、上側プレート94と下側プレート91の接続状態にばらつきが生じやすい。特に、浴室の天井や壁面の上方に設置されるような大型のシャワーヘッドにおいては、ネジの締付具合のばらつきは、シャワーヘッド内のパッキンやOリング等の水密性の低下につながりやすい。本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上側プレートと下側プレートの接続状態のばらつきが好適に抑制されたシャワーヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するためのシャワーヘッドは、散水孔を有する下側プレートと、前記下側プレートの上に配置され、給水口を有する上側プレートと、前記上側プレート及び前記下側プレートを締結する締結部材とを備えるシャワーヘッドにおいて、前記上側プレートの上に配置され、前記上側プレートに対して前記締結部材の押し付け力が作用する範囲を広げる押圧プレートを備え、前記上側プレートには、第1係合部が設けられ、前記押圧プレートには、前記第1係合部に係合して、前記上側プレートの上に前記押圧プレートを仮止めする第2係合部が設けられていることを要旨とする。
この構成によれば、上側プレートに対して締結部材の押し付け力が作用する範囲を広げる押圧プレートを備えることにより、上側プレートと下側プレートの接続状態のばらつきを抑制することができる。また、上側プレートには、第1係合部が設けられ、押圧プレートには、第1係合部に係合して、上側プレートの上に押圧プレートを仮止めする第2係合部が設けられていることにより、上側プレートの所定の位置に押圧プレートを効率良く配置することができる。
上記シャワーヘッドについて、前記第1係合部及び前記第2係合部の一方は突出部であり、前記第1係合部及び前記第2係合部の他方は前記突出部が挿入される凹部であることが好ましい。この構成によれば、突出部と凹部の係合という簡易な構成によって、押圧プレートを所定の位置に配置することができる。
上記シャワーヘッドについて、前記上側プレートには、複数の前記第1係合部が設けられるとともに、前記押圧プレートには、複数の前記第2係合部が設けられており、前記押圧プレートは、複数の前記第2係合部が、複数の前記第1係合部に係合することによって、前記上側プレートに仮止めされることが好ましい。この構成によれば、第1係合部及び第2係合部を複数の位置で係合させることができるため、押圧プレートを装着する際に押圧プレートの向きを規定することが容易になる。そのため、押圧プレートを効率良く配置することができる。
上記シャワーヘッドについて、前記押圧プレートには、複数の前記第2係合部が設けられ、前記押圧プレートは、外形が円形状であり、前記第2係合部の位置について回転対称性を有することが好ましい。この構成によれば、第2係合部の位置が回転対称性を有することにより、回転対称性を示す角度だけ押圧プレートを回転させた状態で上側プレートに装着させることが可能になる。押圧プレートを装着させることができる角度を増やすことができるため、押圧プレートを効率良く配置することができる。
上記シャワーヘッドについて、前記第1係合部は突出部であり、前記第2係合部は前記突出部が挿入される貫通孔であり、前記押圧プレートには、前記第1係合部よりも多数の第2係合部が周方向に沿って等角度間隔で設けられ、前記締結部材は、前記第1係合部に係合していない前記第2係合部を介して前記上側プレート及び前記下側プレートを締結することが好ましい。この構成によれば、第2係合部としての貫通孔を、締結部材を挿通させる貫通孔として共用することができる。さらに、第1係合部よりも多数の第2係合部が周方向に沿って等角度間隔で設けられているため、押圧プレートを装着させることができる角度をより増やすことができる。そのため、押圧プレートをより効率良く配置することができる。
本発明によれば、上側プレートと下側プレートの接続状態のばらつきが好適に抑制されたシャワーヘッドを提供することができる。
パイプに取付けられたシャワーヘッドの斜視図。 パイプに取付けられたシャワーヘッドの分解斜視図。 シャワーヘッドの分解斜視図。 シャワーヘッドの他の分解斜視図。 (a)は押圧プレートの斜視図、(b)は上側プレートの斜視図、(c)は上側プレートに押圧プレートを配置した状態の斜視図、(d)は、(c)の押圧プレートを回転させて上側プレートに配置した状態の斜視図。 変更例の押圧プレート及び上側プレートの斜視図。 他の変更例の押圧プレートと上側プレートの斜視図。 従来技術のシャワーヘッドの斜視図。
シャワーヘッドの実施形態を説明する。
図1、2に示すように、シャワーヘッド10は、浴室やシャワールームなどの壁面11に設置されたパイプ12に取付けて用いられる。パイプ12の先端部には円筒状の取付部13が設けられており、この取付部13にシャワーヘッド10は取付けられる。シャワーヘッド10は、取付部13の下端部に配置されるカバー14と、このカバー14を取付部13との間で挟みこんだ状態で取付部13に接続されるジョイント20とを備える。シャワーヘッド10は、ジョイント20の下端部に接続され、給水口30aを有する上側プレート30と、上側プレート30の下側に接続され、散水孔40eを有する下側プレート40とを備える。上側プレート30は、外周側に複数の貫通孔である外周貫通孔30cを有する。締結部材としての複数の外周ネジ70は、上側プレート30の外周貫通孔30cを貫通した状態で下側プレート40に締結される。上側プレート30と下側プレート40は、互いに締結された状態で内部空間が形成される。シャワーヘッド10は、この内部空間に配置される流路形成部材50と、パッキン60とを備える。さらに、シャワーヘッド10は、上側プレート30における下側プレート40側とは反対側の表面である上面に配置された押圧プレート80を備える。押圧プレート80は、上側プレート30と下側プレート40とを締結する外周ネジ70の押し付け力によって、上側プレート30を押圧した状態で配置される。
シャワーヘッド10は、パイプ12内の湯水がジョイント20を経由して、上側プレート30の給水口30aからシャワーヘッド10の内部空間に供給されるように構成されている。内部空間に供給された湯水は、流路形成部材50によって形成された流路を通り、下側プレート40の散水孔40eから散水されるように構成されている。
シャワーヘッド10の各部材について説明する。
カバー14について説明する。
図3、4に示すように、カバー14は、円形の板材で構成されている。板材の中央部には、板材の上面側であって厚さ方向一方側に突出した凸部14aを備えるとともに、板材の外周部には、全周に亘って板材の下面側であって厚さ方向他方側に屈曲した屈曲部14bを備える。凸部14aの上端は、円形状の平面で構成されており、この平面の中央部に、円形の貫通孔14cが形成されている。この貫通孔14cの直径は、パイプ12に設けられた円筒状の取付部13の外径よりも小さく構成されており、取付部13の内径と略等しく構成されている。カバー14は、略一定の厚さで構成されているため、板材の下面側の中央部、すなわち、板材の上面側の凸部14aに対応する箇所には、上面側の凸部14aに沿う凹部14dが形成されている。カバー14は、凹部14dと屈曲部14bとを備えることによって全体として下面側が凹状となっており、ジョイント20等を覆うことができるように構成されている。カバー14を備えることによって、シャワーヘッド10の意匠性を向上させることができる。カバー14の材質は特に限定されるものではないが、樹脂製であると軽量で且つ耐久性に優れるため好ましい。
ジョイント20について説明する。
図3、4に示すように、ジョイント20は、円筒状のジョイント本体20aと、ジョイント20a本体の他端側の端部から径方向外側に突出したフランジ部20bとを有する。ジョイント本体20aは、一端側の外周にネジ溝20cが形成されている。このネジ溝20cは、パイプ12に設けられた円筒状の取付部13の内周に形成されたネジ溝(図示せず)と螺合することができるように構成されている。ジョイント本体20aのネジ溝20cが取付部13のネジ溝と螺合した状態で、ジョイント20は取付部13に接続される。ジョイント本体20aの内部は、一端側から他端側に貫通した空洞になっており、この空洞は、パイプ12内の湯水をシャワーヘッド10内へ供給する供給路20dとして機能する。
フランジ部20bは、円形状の外形を有し、周方向に等角度間隔となるように貫通孔20eが6個形成されている。この貫通孔20eに挿通された中央ネジ71が、上側プレート30、流路形成部材50、及び、パッキン60を貫通した状態で下側プレート40に締結されることによって、ジョイント20、上側プレート30、流路形成部材50、パッキン60、及び、下側プレート40は接続される。ジョイント20の材質は特に限定されるものではないが、金属製であると強度が高いため好ましい。
上側プレート30について説明する。
図3、4に示すように、上側プレート30は、円形の板材で構成されている。上側プレート30の外径は、カバー14の外径と略等しく構成されている。上側プレート30の中央部には、上側プレート30を厚さ方向に貫通した円形の給水口30aが形成されている。給水口30aの内径は、ジョイント本体20aの供給路20dの内径と略等しく構成されている。上側プレート30の中央側における給水口30aの周囲には、上側プレート30の周方向に略等角度間隔となるように中央貫通孔30bが6個形成されている。中央貫通孔30bは、ジョイント20に形成された貫通孔20eと重なる位置に設けられ、中央ネジ71が挿通されるように構成されている。上側プレート30の外周側には、略等角度間隔で外周貫通孔30cが12個設けられている。外周貫通孔30cは、上側プレート30、パッキン60、及び、下側プレート40の外周側同士を締結するための外周ネジ70を挿通させる貫通孔として機能する。上側プレート30の外周側には、略等角度間隔で上側プレート30の厚さ方向一方側に突出する突出部としての係合凸部30dが4個設けられている。すなわち、係合凸部30dは、上側プレート30の中心を通って垂直に交わる2本の対角線上に設けられている。係合凸部30dは、後述する押圧プレート80の第2係合部である係合孔80aと係合する第1係合部として機能する。外周貫通孔30cと係合凸部30dとは、同一円周上に配置されている。係合凸部30dは、上側プレート30の周方向において両隣の外周貫通孔30cの略中間に位置するように配置されている。上側プレート30の材質は特に限定されるものではないが、樹脂製であると軽量で且つ耐久性に優れるため好ましい。
流路形成部材50について説明する。
図3、4に示すように、流路形成部材50は、円形の板材で構成されている。流路形成部材50の外径は、上側プレート30の外径よりも小さく構成されている。流路形成部材50の中央側には、流路形成部材50の周方向に略等間隔となるように貫通孔50aが6個形成されている。この貫通孔50aは、ジョイント20に形成された貫通孔20eと重なる位置に設けられ、中央ネジ71が挿通されるように構成されている。また、流路形成部材50の貫通孔50aは、後述するパッキン60の中央筒部60bが挿通されるように構成されている。流路形成部材50の外周側には、矩形状の開口部50bが12個形成されている。流路形成部材50の下面には、流路形成部材50の厚さ方向下方に突出した区画壁50cが6個設けられている。各区画壁50cは、流路形成部材50の外周側の縁部から中央側に向かって直線状に延びている。各区画壁50cは、流路形成部材50の周方向に略等角度間隔となるように設けられ、全体として放射線状に配置されている。流路形成部材50の材質は特に限定されるものではないが、樹脂製であると軽量で且つ耐久性に優れるため好ましい。
パッキン60について説明する。
図3、4に示すように、パッキン60は、円形の板材で構成されている。パッキン60の外径は、上側プレート30の外径よりも若干小さく構成され、流路形成部材50の外径よりも大きく構成されている。パッキン60の中央側には、パッキン60の周方向に略等角度間隔となるように第1貫通孔60aが6個形成されている。第1貫通孔60aは、ジョイント20に形成された貫通孔20eと重なる位置に設けられ、中央ネジ71が挿通されるように構成されている。パッキン60には、第1貫通孔60aの縁部からパッキン60の上面側である厚さ方向一方側に突出した中央筒部60bが形成されている。パッキン60の外周側には、同一円周上に略等角度間隔で第2貫通孔60cが12個設けられている。第2貫通孔60cは、外周ネジ70を挿通させるための貫通孔として機能する。パッキン60には、第2貫通孔60cの縁部からパッキン60の上面側である厚さ方向一方側に突出した外周筒部60dが形成されている。中央筒部60b及び外周筒部60dの高さは、流路形成部材50の厚さよりも大きく構成されている。
パッキン60には、上記第1貫通孔60a、及び、第2貫通孔60c以外に、複数の第3貫通孔60eが形成されている。第3貫通孔60eは、後述する下側プレート40の散水孔40eと重なる位置に設けられており、シャワーヘッド10内の湯水を散水孔40eへ流通させる散水口として機能する。パッキン60には、第3貫通孔60eの縁部からパッキン60の下面側である厚さ方向他方側に突出した散水筒部60fが形成されている。パッキン60の外周における縁部には、全周に亘ってパッキン60の上面側である厚さ方向一方側に突出した周壁60gが形成されている。周壁60gの上端部の高さは、中央筒部60b及び外周筒部60dの上端部の高さと略等しく構成されている。パッキン60の材質は特に限定されるものではないが、上側プレート30や流路形成部材50よりも高弾性の樹脂製であると止水性を向上させることができるため好ましい。
下側プレート40について説明する。
図3、4に示すように、下側プレート40は、円形の板材で構成されている。下側プレート40の外径は、上側プレート30の外径よりも大きく構成されている。下側プレート40の中央側には、下側プレート40の上面側である厚さ方向一方側に突出した有底の円筒部が6個形成されている。この円筒部は中央ネジ受部40aとして機能し、内部に形成されたネジ溝40bに中央ネジ71が螺合した状態で取付けられるように構成されている。中央ネジ受部40aの上端部の高さは、パッキン60の中央筒部60bの上端部の高さよりも若干低く構成されている。中央ネジ受部40aの外径は、パッキン60の中央筒部60b内に収容することができるように構成されている。下側プレート40の外周側には、下側プレート40の上面側である厚さ方向一方側に突出した有底の円筒部が12個形成されている。この円筒部は、外周ネジ受部40cとして機能し、内部に形成されたネジ溝40dに外周ネジ70が螺合した状態で取付けられるように構成されている。外周ネジ受部40cの上端部の高さは、中央ネジ受部40aの上端部の高さと略等しく構成され、パッキン60の外周筒部60dの上端部の高さよりも若干低く構成されている。外周ネジ受部40cの外径は、パッキン60の外周筒部60d内に収容することができるように構成されている。下側プレート40には、複数の散水孔40eが形成されている。散水孔40eは、パッキン60の散水筒部60fを挿通させることができるように構成されている。下側プレート40の外周における縁部には、全周に亘って下側プレート40の上面側である厚さ方向一方側に突出した側壁40fが形成されている。側壁40fの上端部の高さは、下側プレート40の中央ネジ受部40a及び外周ネジ受部40cの上端部の高さよりも高く構成されている。側壁40fは、シャワーヘッド10の各部材を組み付けた際に、カバー14、上側プレート30、流路形成部材50、及び、パッキン60が、側壁40fの内周側に配置されるように構成されている。下側プレート40の材質は特に限定されるものではないが、金属製であると強度が高いため好ましい。
押圧プレート80について説明する。
図3、4に示すように、押圧プレート80は、円環状の板材で構成されている。押圧プレート80には、板材の厚さ方向に板材を貫通する凹部としての係合孔80a(第2係合部)が24個形成されている。係合孔80aは、押圧プレート80の周方向に略等角度間隔となるように形成されている。係合孔80aは、押圧プレート80を上側プレート30の上に配置した状態において、上側プレート30の外周貫通孔30c及び第1係合部としての係合凸部30dに重なる位置に形成されている。押圧プレート80の材質は特に限定されるものではないが、金属製であると強度が高いため好ましい。
シャワーヘッド10を構成する各部材を組み付ける手順について説明する。
図2に示すように、下側プレート40の上にパッキン60を配置する。下側プレート40の中央ネジ受部40aをパッキン60の中央筒部60b内に収容するとともに、下側プレート40の外周ネジ受部40cをパッキン60の外周筒部60d内に収容する。さらに、下側プレート40の散水孔40eにパッキン60の散水筒部60fを挿通させて、散水孔40eから散水筒部60fの先端側が突出した状態とする。
次に、パッキン60の上に流路形成部材50を配置する。流路形成部材50の貫通孔50aにパッキン60の中央筒部60bを挿通させる。流路形成部材50の下面に区画壁50cが設けられていることにより、パッキン60の上面と、流路形成部材50の下面との間には、区画壁50cの高さ分だけ隙間が形成される。パッキン60の中央筒部60bの高さは、流路形成部材50の厚さよりも大きいため、パッキン60の中央筒部60bは、流路形成部材50の貫通孔50aを挿通して、貫通孔50aの上部に突出した状態となる。
次に、流路形成部材50の上に上側プレート30を配置して、上側プレート30の中央貫通孔30bがパッキン60の中央筒部60bの位置に重なった状態とする。この状態で、パッキン60の中央筒部60b、外周筒部60d、及び、周壁60gが、上側プレート30の下面に当接した状態となるため、上側プレート30と下側プレート40の間がパッキン60によって水密状態となる。また、流路形成部材50の上に上側プレート30を配置した状態で、上側プレート30の下面と流路形成部材50の上面との間に隙間が形成される。この隙間と、流路形成部材50の上面と上側プレート30の下面との間に形成される隙間とによって、上側プレート30の給水口30aから供給された湯水が、下側プレート40の散水孔40eへと流通する流路が形成される。
次に、上側プレート30の上にジョイント20を配置する。ジョイント20の貫通孔20eが、上側プレート30の中央貫通孔30bに重なる位置となるように配置する。この状態で、中央ネジ71を、フランジ部20bの貫通孔20e、上側プレート30の中央貫通孔30b、流路形成部材50の貫通孔50a、パッキンの第1貫通孔60aに挿通させて、下側プレート40の中央ネジ受部40aに螺合させる。これにより、ジョイント20、上側プレート30、流路形成部材50、パッキン60、及び、下側プレート40が締結される。
次に、上側プレート30の上に押圧プレート80を配置する。上側プレート30の係合凸部30dが、押圧プレート80の係合孔80aに挿入されることにより、押圧プレート80は仮止めされる。係合凸部30dに係合した係合孔80a以外の係合孔80aは、上側プレート30上の外周貫通孔30cに重なる位置となる。外周ネジ70を、押圧プレート80の係合孔80a、上側プレート30の外周貫通孔30c、及び、パッキン60の第2貫通孔60cに挿通させて、下側プレート40の外周ネジ受部40cに螺合させる。これにより、押圧プレート80、上側プレート30、パッキン60、及び、下側プレート40が締結される。以上の手順によって、シャワーヘッド10を構成する各部材は組み付けられる。各部材を組み付ける手順は上記手順に限定されず、適宜変更して組み付けることが可能である。
本実施形態の作用について説明する。
上側プレート30の上に押圧プレート80を介して外周ネジ70が締結されることによって、外周ネジ70の押し付け力は、押圧プレート80に伝わって上側プレート30に作用する。図2に示すように、押圧プレート80は、外周ネジ70よりも上側プレート30に対する接触面積が大きいため、上側プレート30に対して外周ネジ70の押し付け力が作用する範囲を広くすることができる。そのため、個々の外周ネジ70の締結具合のばらつきによる影響を小さくして、より均一な力で上側プレート30を押し付けることができるようになる。
図5(a)に示すように、押圧プレート80の係合孔80aは、押圧プレート80の周方向に略等角度間隔となるように24個形成されており、係合孔80aの位置は回転対称性を有している。すなわち、係合孔80aは、15度の等角度間隔で配置されているため、押圧プレート80を15度回転させる度に、回転後の係合孔80aの位置は、回転前の係合孔80aの位置に重なる。また、図5(b)に示すように、上側プレート30の外周貫通孔30cは、上側プレート30の周方向に略等角度間隔となるように12個形成されている。さらに、上側プレート30の係合凸部30dは、外周貫通孔30cと同一円周上に配置されるとともに、上側プレート30の周方向において両隣の外周貫通孔30cの略中間位置に配置されている。そして、外周貫通孔30c及び係合凸部30dの配列で構成される円周の半径は、係合孔80aの配列で構成される円周の半径と等しくなっている。そのため、上側プレート30の外周貫通孔30cと係合凸部30dとの間隔は、押圧プレート80の係合孔80a同士の間隔と等しくなっている。
図5(c)に示すように、上側プレート30の上に押圧プレート80を配置し、上側プレート30の係合凸部30dに押圧プレート80の係合孔80aを係合させると、係合孔80aのうち、係合凸部30dに係合していない係合孔80aは、上側プレート30の外周貫通孔30cの位置に重なる。すなわち、係合凸部30dに係合していない係合孔80aを、押圧プレート80に外周ネジ70を挿通させる貫通孔として共用することができる。
図5(d)に示すように、図5(c)の状態から、さらに押圧プレート80を矢印の方向に15度回転させても、回転後の係合孔80aは、上側プレート30の外周貫通孔30c又は係合凸部30dに重なる位置となる。そのため、押圧プレート80を上側プレート30の上に装着させて仮止めする際、回転対称性を示す角度だけ押圧プレート80が回転した状態であっても装着させることが可能になる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)上側プレート30に対して外周ネジ70の押し付け力が作用する範囲を広げる押圧プレート80を備える。したがって、上側プレート30と下側プレート40の接続状態のばらつきを抑制することができる。
(2)上側プレート30には、係合凸部30dが設けられ、押圧プレート80には、係合凸部30dに係合して、上側プレート30の上に押圧プレート80を仮止めする係合孔80aが設けられている。係合凸部30dと係合孔80aを係合させることによって、押圧プレート80は、上側プレート30の上に位置決めされた状態で仮止めされる。したがって、上側プレート30の所定の位置に押圧プレート80を効率良く配置することができる。
(3)上側プレート30には、12個の係合凸部30dが設けられるとともに、押圧プレート80には、24個の係合孔80aが設けられており、押圧プレート80は、24個の係合孔80aのいずれかが、12個の係合凸部30dに係合することによって、上側プレート30に仮止めされる。係合凸部30d及び係合孔80aを複数の位置で係合させることができるため、押圧プレート80を配置する際に押圧プレート80の向きを規定することが容易になる。したがって、押圧プレート80を効率良く配置することができる。
(4)押圧プレート80には、24個の係合孔80aが設けられ、押圧プレート80は、外形が円形状であり、係合孔80aの位置について回転対称性を有する。係合孔80aの位置が回転対称性を有することにより、押圧プレート80が15度回転する度に、押圧プレート80の係合孔80aを係合凸部30dに係合させることが可能になる。したがって、押圧プレート80を装着させることができる角度を増やすことができるため、押圧プレート80を効率良く配置することができる。
(5)押圧プレート80には、係合凸部30dよりも多数の係合孔80aが周方向に沿って等角度間隔で設けられ、外周ネジ70は、係合凸部30dに係合していない係合孔80aを介して上側プレート30及び下側プレート40を締結する。係合孔80aを、外周ネジ70を挿通させる貫通孔として共用することができる。さらに、係合凸部30dよりも多数の係合孔80aが周方向に沿って等角度間隔で設けられているため、押圧プレート80を装着させることができる角度をより増やすことができる。したがって、押圧プレート80をより効率良く配置することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態では、係合凸部30dが4個、係合孔80aが24個、外周貫通孔30cが12個設けられていたが、係合凸部30d、係合孔80a、及び、外周貫通孔30cの数は上記態様に限定されない。係合孔80aが回転対称性を有するように設けられ、回転対称性を示す角度だけ押圧プレート80を回転させた際に、係合孔80aに重なる位置に上側プレート30の係合凸部30d及び外周貫通孔30cが設けられていれば、係合凸部30d、係合孔80a、及び、外周貫通孔30cの数は任意に選択することができる。
・押圧プレート80に設けられた係合孔80aは、回転対称性を有していなくてもよい。係合孔80aが回転対称性を有していなくても、所定の位置で係合凸部30dと係合孔80aとを係合させることができれば、上側プレート30の上に押圧プレート80を仮止めすることができる。
・上側プレート30に係合凸部30dは1個のみ設けられていてもよい。係合凸部30dが1個のみ設けられた態様であっても、係合孔80aを係合させることによって上側プレート30の上に押圧プレート80を仮止めすることができる。さらに、係合凸部30d及び係合孔80aが、断面が円形以外の形状、例えば矩形状等で構成されていれば、係合凸部30dが1個のみ設けられた態様であっても、押圧プレート80の向きを規定して仮止めすることができる。
・本実施形態では、第1係合部として係合凸部30dが設けられ、第2係合部として係合孔80aが設けられていたが、この態様に限定されない。第1係合部として係合孔が設けられ、第2係合部として係合凸部が設けられていてもよい。
・係合孔80aは、貫通孔に限定されない。係合凸部30dと係合することができれば、係合孔80aは貫通孔を有さない凹部で構成されていてもよい。
・係合孔80aは、押圧プレート80の径方向に設けられた窪みで形成されていてもよい。例えば、図6に示すように、押圧プレート80の外周側に、径方向内側に向かって窪み80bを形成し、この窪み80bと係合凸部30dとを係合させてもよい。
・本実施形態では、上側プレート30に外周貫通孔30cと係合凸部30dとが別々に設けられていたが、外周貫通孔30cと係合凸部30dは一体に設けられていてもよい。例えば、図7に示すように、上側プレート30における外周ネジ70を挿通させる外周貫通孔30cに、外周貫通孔30cの周囲を囲むように突出した突出壁30eを設け、この突出壁30eが、押圧プレート80の係合孔80aに係合するように構成してもよい。この態様では、外周貫通孔30cの周囲を囲むように突出した突出壁30eが、係合凸部として機能する。
・本実施形態では、シャワーヘッド10を構成する押圧プレート80、上側プレート30、流路形成部材50、パッキン60及び下側プレート40は、円形に構成されていたが、この態様に限定されない。シャワーヘッド10を構成する各部材は、円形以外の形状で構成されていてもよい。円形以外の形状としては、例えば、矩形状、楕円形状、オーバル形状などが挙げられる。矩形状は、四隅が面取りされていてもよい。
・本実施形態では、押圧プレート80の係合孔80aにおいて、上側プレート30の係合凸部30dに係合していない係合孔80aに外周ネジ70が挿通されるように構成されていたが、この態様に限定されない。押圧プレート80の係合孔80aに外周ネジ70が挿通されないように構成されていてもよい。すなわち、押圧プレート80には、係合孔80a以外に、外周ネジ70が挿通される挿通孔が別途設けられていてもよい。
・シャワーヘッド10は、パッキン60を備えていなくてもよい。上側プレート30と下側プレート40とが、水密性を確保した状態で接続されていれば、パッキン60は省略されていてもよい。パッキン60に代えて、Oリングが配置されていてもよい。
・シャワーヘッド10は、流路形成部材50を備えていなくてもよい。
10…シャワーヘッド、30…上側プレート、30d…第1係合部(係合凸部)、40…下側プレート、40e…散水孔、70…締結部材(外周ネジ)、80…押圧プレート、80a…第2係合部(係合孔)。

Claims (5)

  1. 散水孔を有する下側プレートと、
    前記下側プレートの上に配置され、給水口を有する上側プレートと、
    前記上側プレート及び前記下側プレートを締結する締結部材とを備えるシャワーヘッドにおいて、
    前記上側プレートの上に配置され、前記上側プレートに対して前記締結部材の押し付け力が作用する範囲を広げる押圧プレートを備え、
    前記上側プレートには、第1係合部が設けられ、
    前記押圧プレートには、前記第1係合部に係合して、前記上側プレートの上に前記押圧プレートを仮止めする第2係合部が設けられていることを特徴とするシャワーヘッド。
  2. 前記第1係合部及び前記第2係合部の一方は突出部であり、前記第1係合部及び前記第2係合部の他方は前記突出部が挿入される凹部である請求項1に記載のシャワーヘッド。
  3. 前記上側プレートには、複数の前記第1係合部が設けられるとともに、前記押圧プレートには、複数の前記第2係合部が設けられており、
    前記押圧プレートは、複数の前記第2係合部が、複数の前記第1係合部に係合することによって、前記上側プレートに仮止めされる請求項1又は2に記載のシャワーヘッド。
  4. 前記押圧プレートには、複数の前記第2係合部が設けられ、
    前記押圧プレートは、外形が円形状であり、前記第2係合部の位置について回転対称性を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のシャワーヘッド。
  5. 前記第1係合部は突出部であり、
    前記第2係合部は前記突出部が挿入される貫通孔であり、
    前記押圧プレートには、前記第1係合部よりも多数の第2係合部が周方向に沿って等角度間隔で設けられ、
    前記締結部材は、前記第1係合部に係合していない前記第2係合部を介して前記上側プレート及び前記下側プレートを締結する請求項4に記載のシャワーヘッド。
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