JP7076352B2 - 下枠及び建具 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の開口部に配置される窓枠やドア枠などの矩形枠状の枠体の下辺を構成する下枠に関する。
従来から、窓枠を構成する下枠に水抜き孔を設けて、窓障子の屋内側側面に付着した結露水を外部に排出することが行われている。窓枠を構成する下枠は、屋内側の中空部の有無により、ホロータイプとソリッドタイプとに大別することができる。
図20の(A)に示すように、ホロータイプの下枠101は、窓障子102の下方に配置される下板部103と、該下板部103の屋内側の端部から上方に向けて伸長した屋内側板部104と、該屋内側板部104の上端部から屋外側に向けて伸長した上板部105と、該上板部105の屋外側部分から下方に向けて伸長し、その下端部が下板部103につながった中間側板部106とを備えている。そして、下板部103と屋内側板部104と上板部105と中間側板部106とにより四方が囲まれた断面略矩形状の空間を、中空部107としている。また、中空部107の内側を通じて結露水を排水するために、上板部105および中間側板部106にそれぞれ水抜き孔108a、108bを形成している。また、上板部105に形成された水抜き孔108aには、例えば特開平11-107648号公報に記載されるように、結露水の排出機能を確保するなどの目的で、排水装置109を取り付けている。
一方、図20の(B)に示すように、ソリッドタイプの下枠101aは、窓障子102の下方に配置される下板部103aと、該下板部103aの屋内側の端部から上方に向けて伸長した屋内側板部104aと、該屋内側板部104aの上端部から屋外側に向けて伸長した上板部105aとを備えているが、中間側板部は備えていない。このため、下枠101aは、屋内側に四方が囲まれた空間である中空部を有していない。また、上板部105aは、下板部103aに対し屋内側板部104aのみによって支持されている。このようなソリッドタイプの下枠101aは、上板部105aにのみ水抜き孔108cが形成されている。また、水抜き孔108cには、排水装置109を取り付けている。なお、図20の(B)に示したような下枠の屋内外方向中間部に、図20の(A)に示したような中空部を備えたものも知られているが、そのような構造の下枠は、本発明ではソリッドタイプの下枠であると大別する。
特開平11-107648号公報 特開2016-142107号公報
ところで、上述したように、下枠に排水のための水抜き孔を設けた場合には、火災発生時に、火炎や熱風などが、水抜き孔を通じて、建物の内側に入り込んだり、又は、建物の外側に出たりする可能性がある。また、窓障子に取り付けられた樹脂製部品などが溶解することで発生した可燃性ガスが、水抜き孔を通じて流入又は流出する可能性もある。可燃性ガスは、引火しやすい性質を有しているため、火災の類焼や延焼の原因になる。
そこで、加熱により発泡(膨張)する加熱発泡材を利用して、火災発生時に、下枠のうちで、火炎や熱風などの通路になる部分を塞ぐことが考えられる。水抜き孔は、火炎や熱風などの通路になる部分の中でも、その他の部分に比べて開口部(開口面積)が小さいため、加熱発泡材により水抜き孔を直接塞ぐことができれば、火炎や熱風などの通路になる部分を効率良く塞ぐことが可能である。したがって、前記図20の(A)に示したようなホロータイプの下枠101では、火災発生時に、中間側板部106に形成された水抜き孔108bを、加熱発泡材により直接塞ぐ構成を採用することが考えられる。ただし、前記図20の(B)に示したようなソリッドタイプの下枠101aは、水抜き孔108cを1つしか有しておらず、該水抜き孔108cには、排水装置109が取り付けられている。このため、加熱発泡材によって、水抜き孔108cを直接塞ぐことは困難である。
本発明は、上述のような事情に鑑みて、屋内側に中空部を備えないソリッドタイプの下枠に関して、十分な防火性能を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の下枠は、建物の開口部に配置される矩形枠状の枠体の下辺を構成するものであり、下板部と、屋内側板部と、上板部と、排水装置とを備える。
前記下板部は、前記枠体の内側に建て込まれる戸体の下方に配置される。
前記屋内側板部は、前記下板部の屋内側の端部から上方に向けて伸長する。
前記上板部は、前記屋内側板部の上端部から屋外側に向けて伸長し、前記戸体の下端部の屋内側に配置される。
また、前記上板部は、前記下板部に対し前記屋内側板部のみによって支持されており、面内方向の一部に上下方向に貫通した水抜き孔を有している。
前記水抜き孔には、前記排水装置が取り付けられている。
本発明の下枠は、前記屋内側板部の屋外側側面のうち、面内方向に関して少なくとも前記水抜き孔全体と整合する範囲に、加熱により少なくとも屋内外方向に発泡する加熱発泡材を取り付けている。
さらに、前記下板部と前記上板部との間部分のうち、前記水抜き孔よりも屋外側で、かつ、面内方向に関して少なくとも前記水抜き孔全体と整合する範囲に、防火壁を立設している。
本発明の下枠では、前記防火壁を、防火金具の一部とすることができる。この場合に、前記防火金具は、前記下板部の上面に固定された取付板部をさらに備えることができる。
また、前記防火金具は、屋内側に向けて伸長し、その屋内側端部が前記加熱発泡材を屋内側に向けて抑え付ける、抑え部をさらに備えることもできる。
この場合には、前記抑え部は、前記防火壁の上端部の一部から伸長したものとすることができる。
本発明の下枠では、前記防火壁を、前記戸体の下部に備えられた支承ローラと、屋内外方向に対向させることができる。
この場合には、前記下板部の上面に、前記戸体の開閉動作時に前記支承ローラが走行するローラ受具を固定することができる。さらに、前記ローラ受具を、前記取付板部に形成された切り欠きの内側に配置することができる。
本発明の下枠では、前記防火壁の屋外側側面に、前記屋内側板部に取り付けられた前記加熱発泡材とは別の加熱発泡材を取り付けることができる。
本発明の建具は、建物の開口部に配置される矩形枠状の枠体と、該枠体の内側に建て込まれる戸体とを備えており、前記枠体の下辺を構成する下枠として、本発明の下枠を用いている。
本発明によれば、屋内側に中空部を備えないソリッドタイプの下枠に関して、十分な防火性能を確保することができる。
図1は、実施の形態の第1例に係る窓装置を屋内側から見た模式図である。 図2は、図1のA-A縦断面図である。 図3は、図1のB-B横断面図である。 図4は、図1のC-C横断面図である。 図5は、加熱発泡材取付具を取り出して示す図であり、(A)は正面図であり、(B)は右側面図であり、(C)は底面図である。 図6は、加熱発泡材取付具の取り付け状態を示す、図3のD矢視図に相当する図である。 図7は、加熱発泡材取付具の取り付け状態を示す、図3のE-E断面に相当する図である。 図8は、加熱発泡材取付具の取り付け状態を示す、図1のF部に相当する部分を屋外側から見た縦断面図である。 図9は、加熱発泡材取付具の取り付け状態を示す、図1のG部に相当する部分を、一部の部材を省略し、屋内側から見た縦断面図である。 図10は、加熱発泡材の取り付け状態を示す、図4のH矢視図に相当する図である。 図11は、加熱発泡材の取り付け状態を示す、図4のI-I断面に相当する図である。 図12は、図1のJ-J横断面図である。 図13は、図12のK矢視図に相当する図である。 図14は、別の加熱発泡材取付具を取り出して示す図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は左側面図である。 図15は、図1のL部に相当する部分の縦断面図である。 図16は、図15の上方から見た図である。 図17は、図15のM矢視図に相当する図である。 図18は、防火金具を取り出して示す図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は左側面図である。 図19は、加熱発泡材を取り付けた状態の防火金具を取り出して示す図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は左側面図である。 図20の(A)は、ホロータイプの下枠の1例を示す断面図であり、図20の(B)は、ソリッドタイプの下枠の1例を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図19を用いて説明する。
本例は、本発明をたてすべり出し窓に適用した場合を示している。本例の窓装置1は、図1に全体構成を示すように、建物の開口部に配置された矩形状の枠体である窓枠2と、該窓枠2の内側に開閉(たてすべり出し)可能に建て込まれた戸体であるガラス障子3とを備えている。
なお、本明細書中で、面内方向とは、水平方向の1つである、窓枠2の幅方向をいう。また、面内方向に関して内側とは、窓枠2の幅方向中央側をいい、面内方向に関して外側とは、窓枠2の幅方向外側をいう。
[窓枠2の構造]
窓枠2は、面内方向に配置されて上辺を構成する上枠4と、同じく面内方向に配置されて下辺を構成する下枠5と、鉛直方向に配置されて左右の縦辺を構成する1対の竪枠6とを備えている。そして、上枠4及び下枠5の面内方向両端部と1対の竪枠6の上下方向両端部とを、それぞれタッピングねじなどを用いて連結することで、窓枠2を矩形状に構成している。窓枠2を構成する各枠4~6はいずれも、アルミニウム合金の一体押し出し成型材である。本例では、火災発生時に、窓枠2とガラス障子3との間の隙間、及び、下枠5に設けた後述する水抜き孔20が、火炎や熱風などの通り道になることを防止するために、下枠5及び竪枠6に、加熱発泡材7a~7cを取り付けている。加熱発泡材7a~7cの取付態様については、後に詳しく説明する。
上枠4は、図2に示すように、ガラス障子3の上方に配置される上枠基板部8と、該上枠基板部8の屋内側端部から鉛直方向下方に向けて伸長した上枠屋内側板部9とを備えている。上枠屋内側板部9の下端部には、屋外側に開口した係止凹溝10aが設けられている。該係止凹溝10aには、弾性材製の気密片11aが係止されている。また、上枠基板部8の屋外側端部には、下方に開口したホルダ溝12が設けられている。該ホルダ溝12には、弾性材製の水切材13が係止されている。気密片11aは、ガラス障子3の閉鎖時に、ガラス障子3の上辺(後述する上框27)と上枠4との間の隙間を塞ぐ。
下枠5は、図2及び図15に示すように、ガラス障子3の下方に配置される下板部14と、該下板部14の屋内側端部から鉛直方向上方に向けて伸長した下枠屋内側板部15と、該下枠屋内側板部15の上端部から屋外側に向けて伸長した上板部16とを備えており、該上板部16は、下板部14に対し、下枠屋内側板部15のみによって支持されている。このため、本例の下枠5は、屋内側に四方が囲まれた空間である中空部(ホロー部)を有しない、ソリッドタイプである。
下板部14は、略水平に配置された上部下板部17と、該上部下板部17よりも下方に位置し、屋外側に向かうほど下方に向かう方向に傾斜した下部下板部18と、鉛直方向に伸長し、上部下板部17と下部下板部18とを連結した連結下板部19とを備えている。
上板部16は、ガラス障子3の下端部の屋内側に配置されており、その屋外側端部には、屋外側に開口した係止凹溝10bが設けられている。該係止凹溝10bには、弾性材製の気密片11bが係止されている。気密片11bは、ガラス障子3の閉鎖時に、ガラス障子3の下辺(後述する下框28)と下枠5との間の隙間を塞ぐ。
ガラス障子3の屋内側側面に付着した結露水を外部に排出するために、上板部16の面内方向片側部(図1の左側部)には、図15~図17に示したような、上下方向に貫通した水抜き孔20が設けられている。水抜き孔20は、長円形状であり、その長軸は、下枠5の長手方向である面内方向を向いている。水抜き孔20には、排水装置21が取り付けられている。排水装置21は、例えば、水抜き孔20の内側に固定されたガイド筒と、該ガイド筒の内側に上下動可能に配置された排水弁とを備えており、結露水の排出量を確保するとともに、排水路に異物が詰まることを防止する。このような排水装置21のより具体的な構造については、例えば特開2016-142107号公報や特開平11-107648号公報などに詳しく記載されており、本発明を実施する場合には、これらの公報に記載された構造を含む、各種の構造を採用することができる。排水装置21(水抜き孔20)を通じて下方へと移動した結露水は、上部下板部17の上面、下部下板部18の上面の順に移動し、外部(屋外側)に排出される。なお、水抜き孔の形状は、長円形状に限らず、円形や楕円形、又はその他の形状を採用しても良い。
結露水が滴下する上板部16の上面は、略水平に配置されている。また、下枠屋内側板部15の上端部で、上板部16よりも上方に突出した部分には、上板部16の上面に滴下した水分が室内に漏れることを防止するために、水返し片22が設けられている。
竪枠6は、図3及び図4に示すように、ガラス障子3の側方に配置された竪枠基板部23と、該竪枠基板部23の屋内側部分から面内方向に関して内側に向けて伸長した竪枠屋内側板部24とを備えている。竪枠屋内側板部24の先端部には、屋外側に開口した係止凹溝10cが設けられている。該係止凹溝10cには、弾性材製の気密片11cが係止されている。気密片11cは、ガラス障子3の閉鎖時に、ガラス障子3の左右の縦辺(後述する竪框29)と竪枠6との間の隙間を塞ぐ。
[ガラス障子3の構造]
窓枠2の内側に建て込まれるガラス障子3は、図1に示すように、矩形状の框枠体25の内側に、ガラスパネル26を嵌め込むことにより構成されている。框枠体25は、上辺を構成する上框27と、下辺を構成する下框28と、左右の縦辺を構成する1対の竪框29との、それぞれの端部を連結することにより、矩形状に構成されている。框枠体25を構成する各框27~29はいずれも、アルミニウム合金の一体押し出し成型材である。
ガラスパネル26は、図2~図4に示すような複層ガラスであり、スペーサ30を介して所定の間隔を隔てて互いに平行に配置された2枚のガラス板31a、31bと、ガラス板31a、31b同士の間の空間である中間層32と、該中間層32の周縁部(スペーサ30の周囲)を密封する封着材33とを備えている。なお、図示の例では、屋外側に配置されたガラス板31aを、防火性能に優れた網入りガラスとしている。また、中間層32には、断熱性能を考慮して、六フッ化硫黄ガス、アルゴンガス、又はクリプトンガスなどの不活性ガスを充填している。
ガラスパネル26の上辺(上縁部)、下辺(下縁部)、及び、側辺(側縁部)は、框枠体25を構成する上框27、下框28、及び、左右の竪框29にそれぞれ設けられたガラス溝34a~34cの内側にそれぞれ挿入されている。また、ガラスパネル26の下辺は、セッティングブロック35を介して、下框28に設けられたガラス溝34bの底部に突き当てられており、ガラスパネル26の両側辺と、竪框29に設けられたガラス溝34cの底部との間には、それぞれスペーサーブロック36が嵌装されている。また、ガラスパネル26の外周縁寄り部分の両側面と、ガラス溝34a~34cの開口部との間部分を、屋外側シール材37aと屋内側シール材37bとで、それぞれ全周にわたりシールしている。
[ガラス障子3の支持構造及び開閉構造]
ガラス障子3は、窓枠2に対して、上下1対のステー38(図2参照)により開閉可能に支持されている。ステー38は、複数枚の金属板同士をスライドや回動を可能に連結してなるリンク機構であり、上框27の上面と上枠4の下面との間部分、及び、下框28の下面と下枠5の上面との間部分に、それぞれ配置されている。なお、上框27と上枠4との間部分に配置されたステー38については、図示を省略している。
窓枠2の内側にステー38により支持されたガラス障子3は、自重により、戸先側(図1の左側)が下方に傾きやすい。このため、ガラス障子3の閉鎖時に、ガラス障子3に傾きが生じることを防止するために、図15に示すように、下框28の下面のうちの戸先側の端部に、合成樹脂製の支承ローラ39を回転自在に支持している。また、下枠5の上面のうち、ガラス障子3の閉鎖時に支承ローラ39の下方に位置する部分に、金属製のローラ受具40を固定している。支承ローラ39は、ガラス障子3の幅方向(ガラス障子3の閉鎖時の面内方向)に配置された回転軸41回りに回転可能であり、ガラス障子3の開閉動作時にはローラ受具40の上面を走行し、ガラス障子3の閉鎖時にはローラ受具40の上面に停止する。
ガラス障子3は、屋内側かつ戸先側に配置された操作ハンドル42の回動操作に基づき、開閉可能とされている。操作ハンドル42を回動操作すると、戸先側の竪框29の内部に配置したロック機構43a、43b(図1参照)のリンクが作動し、係合爪片44をそれぞれ回動させる。これにより、図8に示すように、係合爪片44を、竪框29から外部に突出させたり、竪框29の内部に収納したりする。ガラス障子3の閉鎖状態において、係合爪片44と竪枠6に固定された受具45とを係合すると、ガラス障子3は開放不能(ロック状態)になり、係合爪片44と受具45との係合を解除すると、ガラス障子3は開放可能(ロック解除状態)になる。
[窓装置1の防火構造]
本例の窓装置1は、火災発生時に、窓枠2とガラス障子3との間の隙間、及び、下枠5に設けた水抜き孔20が、それぞれ火炎や熱風などの通り道になることを防止する。
先ず、窓枠2とガラス障子3との間の隙間が、火炎や熱風などの通り道になることを防止するための構造について説明する。
本例では、火災発生時に、窓枠2とガラス障子3との間の隙間を塞ぐために、下枠5及び竪枠6に対して、加熱により少なくとも板厚方向に発泡する加熱発泡材7a~7cを、複数の加熱発泡材取付具46、46aを利用して取り付けている。具体的には、竪枠6に対しては、上下方向に長い2種類の加熱発泡材7a、7bを、複数の加熱発泡材取付具46及びねじ48a、57を利用して取り付けており、下枠5に対しては、面内方向に長い加熱発泡材7cを、複数の加熱発泡材取付具46aを利用して取り付けている。
加熱発泡材7a~7c(及び後述する加熱発泡材7dを含む)は、厚さが数ミリ程度の板状(帯状、シート状)で、加熱により少なくとも板厚方向に発泡(膨張)し、耐火性を有するものであり、例えば、積水化学工業株式会社製の商品名「フィブロック」を使用できる。なお、「フィブロック」は、発泡開始温度が200℃程度であり、板厚はその種類(ブチル系、エポキシ系など)に応じて5倍~40倍程度にまで厚くなる。なお、加熱発泡材として、板厚方向だけでなく、板厚方向に対して直交する方向(幅方向及び長さ方向)にも発泡するものを使用できる。
[竪枠6に対する加熱発泡材7a、7bの取付構造]
本例では、竪枠6を構成する竪枠屋内側板部24の屋外側側面に、上下方向の全長にわたり、加熱発泡材7a(図1、図3、図4参照)を取り付けている。また、ガラス障子3に取り付けられた樹脂製部品(例えばスペーサ30、封着材33、セッティングブロック35、スペーサーブロック36、シール材37a、37b、支承ローラ39)などが溶解することで発生する可燃性ガスは、自重により下方に移動する傾向がある。そこで、窓装置1の下側部分における防火性能を向上させるべく、竪枠6を構成する竪枠基板部23の内側面のうちの下側部に、加熱発泡材7b(図4参照)を取り付けている。
加熱発泡材7aは、板厚方向を屋内外方向に一致させた状態で、竪枠屋内側板部24の屋外側側面のうち、面内方向に関して係止凹溝10cよりも外側に位置する部分に取り付けられている。そして、加熱発泡材7aは、竪枠基板部23と竪框29との間に存在する隙間47aに対向している。これに対し、加熱発泡材7bは、板厚方向を面内方向に一致させた状態で、竪枠基板部23の内側面のうち、屋内外方向に関する中間部に取り付けられている。そして、加熱発泡材7bも、隙間47aに対向している。加熱発泡材7bの幅寸法(屋内外方向の寸法)は、加熱発泡材7aの幅寸法(面内方向の寸法)のおよそ2倍である。これに対し、加熱発泡材7bの全長は、加熱発泡材7aの全長のおよそ1/4~1/8程度である。
本例では、加熱発泡材7aを、竪枠屋内側板部24の屋外側側面に対し、粘着テープによる粘着剤(接着剤)により貼付するとともに、加熱発泡材取付具46を利用して抑え付けている。これに対し、加熱発泡材7bは、竪枠基板部23の内側面に対し、粘着テープによる粘着剤により貼付するとともに、ねじ止め固定している。このように、加熱発泡材7aと加熱発泡材7bとで取付構造を異ならせている理由は、加熱発泡材7aと加熱発泡材7bとの取付位置の相違に起因する。すなわち、加熱発泡材7aの取付位置である竪枠屋内側板部24(及び加熱発泡材7cの取付位置である下枠屋内側板部15)は、屋内側側面が室内空間に面しているため、ねじによる固定構造を採用し、ねじの先端部が室内側に突き出てしまうと、意匠的に問題になる可能性があるが、加熱発泡材7bの取付位置である竪枠基板部23は、外側面が躯体に面しているため、ねじの先端部が外側に突き出ても、意匠的に問題になることがないためである。換言すれば、竪枠屋内側板部24に対しては、ねじを固定する構造を採用することは難しいが、竪枠基板部23に対しては、ねじを固定する構造を採用しても問題ない。
[加熱発泡材取付具46の構造]
本例では、加熱発泡材7aを竪枠屋内側板部24に抑え付けるために、上下方向に所定間隔をあけて、複数の加熱発泡材取付具46を、竪枠基板部23にねじ止め固定している。複数の加熱発泡材取付具46のうち、竪枠6の上部から中間部にわたる範囲に配置される加熱発泡材取付具46は、ねじ48により、竪枠基板部23に直接ねじ止め固定している。これに対し、竪枠6の下部に配置された加熱発泡材取付具46は、竪枠基板部23と加熱発泡材取付具46との間に加熱発泡材7bを挟持した状態で、ねじ止め固定している。つまり、加熱発泡材取付具46を竪枠基板部23にねじ止め固定するためのねじ48aを用いて、加熱発泡材7bを竪枠基板部23にねじ止め固定している。このため、後述するように、竪枠6の下部に配置された加熱発泡材取付具46は、加熱発泡材7aを竪枠屋内側板部24に対して抑え付けるだけでなく、加熱発泡材7bを竪枠基板部23に対して抑え付ける。ただし、加熱発泡材取付具46は、加熱発泡材7aを竪枠屋内側板部24に対して抑え付けることを目的として設置しているものであるから、以下の説明は、竪枠6の上部から中間部にわたる範囲に配置された加熱発泡材取付具46を中心に行う。
加熱発泡材取付具46は、アルミニウム合金やステンレス鋼板などの耐食性及び耐熱性を有する金属板に、打ち抜き及び曲げなどのプレス加工を施してなる小型部品である。加熱発泡材取付具46は、図5に示すように、全体が略L字形状を有しており、固定板部49と、抑え板部50と、1対の張出腕部51とを備えている。
固定板部49は、加熱発泡材7aの板厚方向に一致する屋内外方向に伸長しており、竪枠基板部23と略平行に配置される。固定板部49は、伸長方向である長さ方向(屋内外方向)が、伸長方向に直交する方向である幅方向(上下方向寸法)よりも大きい。固定板部49は、長円形を長軸方向に関して半分にした如き形状を有しており、屋外側半部(先半部)が半円形状になっている。また、固定板部49は、その屋外側部分に、貫通孔であるねじ挿通孔52を有している。ねじ挿通孔52は、円形の開口形状を有する円孔である。図7に示すように、ねじ挿通孔52の中心軸Oは、抑え板部50に対し屋内外方向に重なるように配置されている。固定板部49は、ねじ挿通孔52を挿通したねじ48(48a)を用いて、竪枠基板部23の内側面にねじ止め固定される。なお、竪枠基板部23には、ねじ48(48a)を螺合するためのねじ孔53を、予め形成しておく。
抑え板部50は、加熱発泡材7aに近い側に位置する固定板部49の屋内側端部の幅方向中央部から、面内方向に関して内側に略直角に折れ曲がるように伸長しており、竪枠屋内側板部24と略平行に配置される。このため、抑え板部50は、固定板部49に対して略直角に配置されている。抑え板部50の基半部54は、略台形状を有しており、先端側に向かうほど幅寸法(上下方向寸法)が小さくなる。抑え板部50の先半部55は、略長方形状を有しており、幅寸法が全長にわたり一定である。先半部55の幅寸法は、基半部54の先端部における幅寸法と同じである。抑え板部50の全長L50は、固定板部49の全長L49よりも短く、かつ、加熱発泡材7aの幅寸法H7aよりも短い(L50<L49、L50<H7a)。また、抑え板部50の基端部における幅寸法H50は、固定板部49の幅寸法H49よりも小さい(H50<H49)。このような形状を有する抑え板部50は、加熱発泡材取付具46を竪枠6に固定した状態で、平坦面である屋内側側面により、加熱発泡材7aの屋外側側面を抑え付ける。すなわち、抑え板部50の屋内側側面を、加熱発泡材7aの屋外側側面に対して面接触させた状態で、加熱発泡材7aを屋内側(竪枠屋内側板部24)に向けて押圧する。本例では、抑え板部50を、固定板部49よりも小さくして、加熱発泡材7aに対する抑え板部50の接触面積を、竪枠基板部23に対する固定板部49の接触面積よりも小さくしている。また、加熱発泡材7aに対する抑え板部50の接触面積は、ねじ48(48a)により加熱発泡材7aを直接ねじ止め固定したと仮定した場合の、加熱発泡材7aに対するねじ48(48a)の頭部の接触面積よりも小さい。さらに、加熱発泡材7aに対する先半部55の接触面積を、加熱発泡材7aに対する基半部54の接触面積よりも小さくしている。
1対の張出腕部51は、固定板部49の屋内側端部の幅方向両外側に設けられている。1対の張出腕部51は、固定板部49から幅方向外側に向けて張り出すとともに、固定板部49よりも加熱発泡材7aに近づく方向である屋内側に突出している。張出腕部51のそれぞれの屋内側端面は、平坦面であり、抑え板部50の屋内側側面と同一平面上に位置している。このため、図6に示すように、1対の張出腕部51は、加熱発泡材取付具46を竪枠6に固定した状態で、それぞれの屋内側端面により、加熱発泡材7aの屋外側側面を抑え付ける。また、張出腕部51は、固定板部49よりも幅方向外側に張り出しているため、加熱発泡材取付具46をねじ止め固定する際に、作業者が手指により摘むための摘み部として機能する。さらに、加熱発泡材取付具46をねじ48(48a)により固定する際に、加熱発泡材取付具46が回転することを防止する機能も発揮する。
本例では、固定板部49のねじ挿通孔52を挿通したねじ48(48a)を、竪枠基板部23に形成されたねじ孔53に螺合することで、加熱発泡材取付具46を竪枠基板部23に対してねじ止め固定し、この状態で、抑え板部50の屋内側側面および1対の張出腕部51の屋内側端面により加熱発泡材7aを板厚方向に屋内側に向けて抑え付ける。このため、加熱発泡材7aが、発泡する前に竪枠屋内側板部24から剥がれ落ちることを有効に防止できる。そして、火災発生時には、加熱発泡材7aは、少なくとも板厚方向である屋内外方向に発泡し、竪枠基板部23と竪框29との間に存在する隙間47aを塞ぐ。
加熱発泡材取付具46は、略L字形状を有しているため、竪枠基板部23の内側面と竪枠屋内側板部24の屋外側側面との間の隅角部に配置することができる。このため、加熱発泡材取付具46は、その設置スペースが小さく済み、他の部材との干渉を有効に防止できる。したがって、図8及び図9に示すように、加熱発泡材取付具46を、戸先側の竪枠6に固定された受具45及び戸尻側の竪枠6に固定された負圧受金具(拘束金具)56などの隣接位置にも取り付けることが可能になる。この結果、加熱発泡材7aを、受具45や負圧受金具56及びその周囲に対して確実に発泡させることが可能になる。
本例では、抑え板部50により、加熱発泡材7aの長さ方向(上下方向)の複数個所を抑え付けている。このため、前記図20に示した従来構造のような、加熱発泡材100の全長にわたり存在する1対の板状片103に比べて、抑え板部50が、発泡の妨げになることを防止できる。また、加熱発泡材7aに対する抑え板部50の接触面積を小さく抑えているため、抑え板部50が、加熱発泡材7aの発泡の妨げになることを有効に防止できる。
加熱発泡材取付具46は、ねじ48(48a)による固定方向と、加熱発泡材7aの抑え付け方向とを、互いに一致させずに、直交させている。このため、固定板部49が、加熱発泡材7aの発泡の妨げになることを十分に抑制できる。さらに、ねじ挿通孔52の中心軸Oを、抑え板部50に対し屋内外方向に重なるように配置しているため、ねじ挿通孔52を挿通したねじ48(48a)の頭部を、加熱発泡材7aの発泡方向に関して抑え板部50の後方側に位置させる(隠す)ことができる。したがって、ねじ48(48a)の頭部が、加熱発泡材7aの発泡の妨げになることを有効に防止できる。この結果、本例では、加熱発泡材7aにより、隙間47aを効果的に塞ぐことができる。
加熱発泡材7bは、図10及び図11に示すように、竪枠基板部23の内側面のうちの下側部分に対し、上下1対のねじ48a、57を利用してねじ止め固定している。1対のねじ48a、57のうち、上方に位置するねじ48aについては、前述したように、加熱発泡材取付具46を竪枠基板部23にねじ止め固定するためのねじと兼用している。具体的には、加熱発泡材取付具46のねじ挿通孔52及び加熱発泡材7bの通孔58をそれぞれ挿通したねじ48aを、竪枠基板部23のねじ孔53に螺合することで、加熱発泡材取付具46及び加熱発泡材7bを、ねじ48aにより竪枠基板部23にねじ止め固定している。このため、加熱発泡材7bの上側部分は、加熱発泡材取付具46の固定板部49により板厚方向に抑え付けられた状態で、ねじ止め固定される。これに対し、加熱発泡材7bの下側部分は、加熱発泡材7bの通孔58を挿通したねじ57を、竪枠基板部23のねじ孔53に螺合することで、ねじ57の頭部以外の部材によって抑え付けられることなく、竪枠基板部23にねじ止め固定される。このような加熱発泡材7bは、火災発生時に、少なくとも板厚方向である面内方向に発泡し、竪枠基板部23と竪框29との間に存在する隙間47aの下方部分を塞ぐ。これにより、窓装置1の下側部分における防火性能を向上させることができる。
[下枠5に対する加熱発泡材7cの取付構造]
本例では、下枠5を構成する下枠屋内側板部15の屋外側側面に、面内方向の全長にわたり、加熱発泡材7cを取り付けている。このため、加熱発泡材7cは、面内方向に関して、水抜き孔20全体と整合する範囲にも配置されている。このような加熱発泡材7cは、火災発生時に、窓枠2とガラス障子3との間の隙間を塞ぐだけでなく、下枠5に設けた水抜き孔20が、火炎や熱風などの通り道になることを防止する機能も発揮する。
加熱発泡材7cは、板厚方向を屋内外方向に一致させた状態で、下枠屋内側板部15の屋外側側面のうち、係止凹溝10bよりも下側に位置する部分に取り付けられている。そして、加熱発泡材7cは、上部下板部17と下框28との間に存在する隙間47b(後述する空間60を含む)に対向している。加熱発泡材7cの幅寸法(上下方向の寸法)は、竪枠屋内側板部24の屋外側側面に取り付けられた加熱発泡材7aの幅寸法(面内方向の寸法)よりも大きい。
本例では、加熱発泡材7cを、下枠屋内側板部15の屋外側側面に対し、粘着テープによる粘着剤により貼付するとともに、加熱発泡材取付具46aを利用して抑え付けている。
[加熱発泡材取付具46aの構造]
本例では、加熱発泡材7cを下枠屋内側板部15に抑え付けるために、面内方向に所定間隔をあけて、複数(図示の例では2つ)の加熱発泡材取付具46aを、上部下板部17にねじ止め固定している。
加熱発泡材取付具46aは、加熱発泡材取付具46と同様に、アルミニウム合金やステンレス鋼板などの耐食性及び耐熱性を有する金属板に、打ち抜き及び曲げなどのプレス加工を施してなる小型部品である。加熱発泡材取付具46aは、図14に示すように、固定板部49aと、抑え板部50aとを備えている。
固定板部49aは、加熱発泡材7cの板厚方向に一致する屋内外方向に伸長しており、上部下板部17と略平行に配置される。固定板部49aは、略矩形状に構成されており、屋外側部分に、それぞれが貫通孔である1対のねじ挿通孔52aを有している。ねじ挿通孔52aは、円形の開口形状を有する円孔である。固定板部49aは、ねじ挿通孔52aを挿通したねじ48bを用いて、上部下板部17の上面にねじ止め固定される。本例では、固定板部49aは、ステー38の面内方向内側に設けられたあおり止め部材59を介して、上部下板部17に間接的にねじ止め固定されている。ただし、固定板部49aを、上部下板部17に対して直接ねじ止め固定しても良い。
抑え板部50aは、加熱発泡材7cに近い側に位置する固定板部49aの屋内側端部の幅方向(面内方向)中央部から、斜め上方に折れ曲がるように伸長している。抑え板部50aと固定板部49aとの間の挟角は、鈍角である。抑え板部50aは、全体が略長方形状を有しており、幅寸法(面内方向寸法)が全長にわたり一定である。抑え板部50aの幅寸法H50aは、固定板部49aの幅寸法H49aよりも十分に小さい。図示の例では、抑え板部50aの幅寸法H50aは、固定板部49aの幅寸法H49aのおよそ1/8である。このような抑え板部50aは、加熱発泡材取付具46aを下枠5に固定した状態で、先端部である屋内側端部により、加熱発泡材7cの屋外側側面の上下方向中間部を抑え付ける。すなわち、抑え板部50aは、その先端部のみが加熱発泡材7cに接触し、加熱発泡材7cを屋内側(下枠屋内側板部15)に向けて押圧する。本例では、加熱発泡材7cに対する抑え板部50aの接触面積を、あおり止め部材59に対する固定板部49aの接触面積よりも小さくしている。さらに、加熱発泡材7cに対する抑え板部50aの接触面積は、ねじ48bにより加熱発泡材7cを直接ねじ止め固定したと仮定した場合の、加熱発泡材7cに対するねじ48bの頭部の接触面積よりも十分に小さくなっている。
本例では、固定板部49aのねじ挿通孔52aを挿通したねじ48bを、上部下板部17に予め形成されたねじ孔53aに螺合することで、加熱発泡材取付具46aを上部下板部17に対してねじ止め固定し、この状態で、抑え板部50aの屋内側端部により加熱発泡材7cを板厚方向に屋内側に向けて抑え付ける。このため、加熱発泡材7cが、発泡する前に下枠屋内側板部15から剥がれ落ちることを有効に防止できる。そして、火災発生時には、加熱発泡材7cは、少なくとも板厚方向である屋内外方向に発泡し、上部下板部17と下框28との間に存在する隙間47bを塞ぐ。
さらに本例では、抑え板部50aにより、加熱発泡材7cの長さ方向(面内方向)の複数個所を抑え付けている。さらに、加熱発泡材7cに対する抑え板部50aの接触面積を小さく抑えている。このため、抑え板部50aが、加熱発泡材7cの発泡の妨げになることを有効に防止できる。
また、加熱発泡材取付具46aは、ねじ48bによる固定方向と、加熱発泡材7cの抑え付け方向とを、互いに一致させずに、直交させている。このため、固定板部49aが、加熱発泡材7cの発泡の妨げになることを有効に防止できる。この結果、本例では、加熱発泡材7cにより、隙間47bを効果的に塞ぐことができる。また、抑え板部50aと固定板部49aとの間の挟角を鈍角とし、抑え板部50aの先端部により、加熱発泡材7cを抑え付ける構成を採用しているため、固定板部49aを、抑え板部50aからある程度離れた位置に配置することができる。また、斜めに配置した抑え板部50aにより、他の部材との干渉を防止することもできる。
以上のように、本例の窓装置1では、加熱発泡材7a、7cを、下枠5及び竪枠6に対して、粘着剤により貼付するだけでなく、加熱発泡材取付具46、46aを利用して加熱発泡材7a、7cの板厚方向に抑え付けている。このため、加熱発泡材7a、7cが、発泡前に下枠5及び竪枠6から脱落することを防止できる。また、加熱発泡材7a、7cを、下枠5や竪枠6に形成した凹溝に係止するのではなく、下枠5や竪枠6とは別部品である加熱発泡材取付具46、46aを利用して抑え付けるため、加熱発泡材7a、7cを、新規の窓装置1だけでなく、既存の窓装置1にも取り付けることが可能である。
また、本例では、加熱発泡材取付具46、46aにより、加熱発泡材7a、7cの複数箇所を抑え付けているため、凹溝に係止する場合の板状片のように、抑え板部50、50aを、加熱発泡材7a、7cの全長にわたり存在させずに済む。また、加熱発泡材7a、7cに対する抑え板部50、50aの接触面積を小さく抑えているため、抑え板部50、50aが、加熱発泡材7a、7cの発泡の妨げになることを有効に防止できる。この結果、火災発生時に、隙間47a、47bを、加熱発泡材7a、7cにより全長にわたり隙間なく塞ぐことができる。これにより、窓枠2とガラス障子3との間の隙間が、火炎や熱風などの通り道になることを防止できる。さらに、加熱発泡材取付具46、46aは、ねじ48、48a、48bによる固定方向と、加熱発泡材7a、7cの抑え付け方向とを、互いに一致させずに異ならせているため、竪枠屋内側板部24や下枠屋内側板部15のように、ねじの先端部が突き出るといった事情から取り付けが困難であった部分にも、加熱発泡材7a、7cを取り付けることが可能になり、加熱発泡材の取付位置に関する制約を受けにくくすることができる。
次に、下枠5に設けた水抜き孔20が、火炎や熱風などの通り道になることを防止するための構造について説明する。
前述した通り、本例の窓装置1を構成する下枠5は、屋内側に四方が囲まれた空間である中空部(ホロー部)を有しないソリッドタイプであるため、排水装置が装着されない単なる通孔である水抜き孔は存在しない。また、上部下板部17に形成された水抜き孔20は、排水装置21が取り付けられており、加熱発泡材により直接塞ぐことは困難である。そこで、本例では、図15に示すように、水抜き孔20の下方に存在する空間60を四方が囲まれるように仕切るとともに、火災発生時に、仕切られた空間60を加熱発泡材7cにより塞ぐことで、水抜き孔20が火炎や熱風などの通り道になることを防止する。以下、本例の構造を具体的に説明する。
例えば図15に示すように、水抜き孔20の下方に存在する空間60は、そのままでは、上板部16と下枠屋内側板部15と上部下板部17とにより三方は囲まれているが、屋外側が開口している。このため、空間60の屋外側を塞ぐ(仕切る)ために、下枠5に対して防火金具61を取り付け、上板部16と上部下板部17との間に、防火壁62を鉛直方向に立設している。本例では、このような防火壁62を設けることで、水抜き孔20の下方に存在する空間60を、四方(上側、下側、屋内側及び屋外側)が囲まれるように仕切っている。防火壁62の屋内側側面には、面内方向に関して水抜き孔20全体と整合する部分を含む下枠5の全長にわたり配置された加熱発泡材7cが対向している。
防火金具61は、アルミニウム合金やステンレス鋼板などの耐食性及び耐熱性を有する金属板材に、打ち抜き及び曲げなどのプレス加工を施してなるもので、防火壁62と、取付板部63と、抑え部64とを有している。このような防火金具61は、下枠5のうち、面内方向に関して水抜き孔20と整合する部分に配置されている。
取付板部63は、平面視において略コ字形状を有しており、上部下板部17に対しねじ止め固定されている。取付板部63は、屋外側が開口した矩形状の切り欠き65を有しており、該切り欠き65の内側には、ガラス障子3の戸先側が傾くことを防止するためのローラ受具40が配置されている。取付板部63の屋内側端部で、切り欠き65を挟んで面内方向両側に位置する部分には、1対のねじ挿通孔66が形成されている。取付板部63は、ねじ挿通孔66を挿通したねじ67により、上部下板部17の上面にねじ止め固定されている。なお、取付板部63の幅方向中央部と水抜き孔20の長さ方向中央部とは、面内方向に関して互いに同じ位置に存在している。
防火壁62は、長方形状を有しており、取付板部63の屋内側端部から鉛直方向上方に略直角に折れ曲がるように伸長している。防火壁62は、水抜き孔20よりも屋外側に位置しており、面内方向に関して水抜き孔20全体と整合する範囲に設けられている。防火壁62の長さ寸法(面内方向寸法)L62は、取付板部63の幅寸法(面内方向寸法)H63、及び、水抜き孔20の長さ寸法L20よりもそれぞれ大きい(L62>H63、L62>L20)。図示の例では、防火壁62の長さ寸法L62は、取付板部63の幅寸法H63の2倍であり(L62=2H63)、水抜き孔20の長さ寸法L20のおよそ2.7倍である(L62≒2.7L20)。このため、防火壁62の幅方向両側部は、水抜き孔20から面内方向に外れた位置に存在している。防火壁62の幅寸法(上下方向寸法)H62は、後述する加熱発泡材7dの幅寸法(上下寸法)H7dよりも少しだけ小さい。また、防火壁62は、下枠屋内側板部15と略平行に配置されている。防火壁62の屋内側側面は、加熱発泡材7cに対向しており、防火壁62の屋外側側面は、後述する加熱発泡材7dを挟んで、支承ローラ39に対向している。
抑え部64は、略L字形状を有しており、防火壁62の上端部の長さ方向中央部から、上方に向けて突出するとともに、屋内側に向けて略直角に折れ曲がるように伸長している。抑え部64は、幅寸法(面内方向寸法)が全長にわたり一定である。抑え部64の幅寸法H64は、防火壁62の長さ寸法L62よりも十分に小さい。図示の例では、抑え部64の幅寸法H64は、防火壁62の長さ寸法L62のおよそ1/27である。抑え部64は、防火金具61を下枠5に固定した状態で、先端部である屋内側端部により、加熱発泡材7cの屋外側側面の上寄り部分を抑え付ける。すなわち、加熱発泡材7cを屋内側(下枠屋内側板部15)に向けて押圧する。このように、本例の防火金具61は、水抜き孔20の下方の空間60を仕切るための防火壁62を備えるだけでなく、加熱発泡材7cを下枠屋内側板部15に対して抑え付ける抑え部64を備えており、面内方向に離隔して配置された加熱発泡材取付具46aと同様の機能を発揮する。
さらに本例では、防火壁62の屋外側側面に、全長にわたり、加熱発泡材7dを取り付けている。加熱発泡材7dは、板厚方向を屋内外方向に一致させた状態で、防火壁62の屋外側側面に対し、粘着テープによる粘着剤により貼付するとともに、1対のねじ68によりねじ止め固定している。具体的には、加熱発泡材7dの長さ方向両側部に形成された通孔69を挿通したねじ68を、防火壁62の長さ方向両側部に形成されたねじ孔70に螺合することで、加熱発泡材7dを防火壁62に対してねじ止め固定している。防火壁62に取り付けられた加熱発泡材7dと、下枠屋内側板部15に取り付けられた加熱発泡材7cとは、互いに平行にかつ屋内外方向に重なるように配置されている。加熱発泡材7dの幅寸法H7dは、防火壁62の幅寸法H62よりも少しだけ大きくなっているため、加熱発泡材7dの上下両側部は、防火壁62から上下両側にはみ出している。
以上のような本例の窓装置1では、水抜き孔20の下方に存在する空間60を、防火壁62を立設することで四方が囲まれるように仕切るとともに、該仕切られた空間60を、火災発生時に、下枠屋内側板部15の屋外側側面に取り付けた加熱発泡材7cにより塞ぐ(充満させる)ことができる。したがって、水抜き孔20が、火炎や熱風などの通り道になることを防止できる。また、本例では、ガラス障子3の戸先側が下方に傾くことを防止するために、下框28の下面のうちの戸先側の端部に、合成樹脂製の支承ローラ39を支持しており、火災の発生時に、支承ローラ39が溶解し、可燃性ガスを発生させる可能性がある。ただし、支承ローラ39の屋内側に、防火壁62を立設しているため、可燃性ガスが空間60及び水抜き孔20側に移動することを有効に防止できる。しかも、防火壁62の屋外側側面に加熱発泡材7dを取り付けているため、加熱発泡材7dが屋外側に向けて発泡することで、支承ローラ39が溶解することで発生した可燃性ガスを屋外側に押し戻すこともできる。したがって、本例によれば、下枠5に設けた水抜き孔20が、火炎や熱風などの通り道になることを有効に防止できる。このため、屋内側に中空部を備えないソリッドタイプの下枠5に関して、十分な防火性能を確保することができる。
本発明は、建具として、たてすべり出し窓に限らず、横すべり出し窓、外開き窓、内開き窓、FIX窓などのプロジェクト窓は勿論、引き戸式の窓装置やドア装置に適用することもできる。また、本発明を実施する場合に、下枠に複数の水抜き孔が備えられている場合には、それぞれの水抜き孔の下方に存在する空間に防火壁を立設することが好ましい。また、水抜き孔に取り付ける排水装置は、図面に示した構造に限定されず、従来から知られた各種構造の排水装置を採用することができる。
1 窓装置
2 窓枠
3 ガラス障子
4 上枠
5 下枠
6 竪枠
7a~7d 加熱発泡材
8 上枠基板部
9 上枠屋内側板部
10a~10c 係止凹溝
11a~11c 気密片
12 ホルダ溝
13 水切材
14 下板部
15 下枠屋内側板部
16 上板部
17 上部下板部
18 下部下板部
19 連結下板部
20 水抜き孔
21 排水装置
22 水返し片
23 竪枠基板部
24 竪枠屋内側板部
25 框枠体
26 ガラスパネル
27 上框
28 下框
29 竪框
30 スペーサ
31a、31b ガラス板
32 中間層
33 封着材
34a~34c ガラス溝
35 セッティングブロック
36 スペーサーブロック
37a 屋外側シール材
37b 屋内側シール材
38 ステー
39 支承ローラ
40 ローラ受具
41 回転軸
42 操作ハンドル
43a、43b ロック機構
44 係合爪片
45 受具
46、46a 加熱発泡材取付具
47a、47b 隙間
48、48a ねじ
49、49a 固定板部
50、50a 抑え板部
51 張出腕部
52、52a ねじ挿通孔
53、53a ねじ孔
54 基半部
55 先半部
56 負圧受金具
57 ねじ
58 通孔
59 あおり止め部材
60 空間
61 防火金具
62 防火壁
63 取付板部
64 抑え部
65 切り欠き
66 ねじ挿通孔
67 ねじ
68 ねじ
69 通孔
70 ねじ孔
101、101a 下枠
102 窓枠
103、103a 下板部
104、104a 屋内側板部
105、105a 上板部
106 中間板部
107 中空部
108a、108b、108c 水抜き孔
109 排水装置

Claims (8)

  1. 建物の開口部に配置される矩形枠状の枠体の下辺を構成するものであり、
    前記枠体の内側に建て込まれる戸体の下方に配置される下板部と、該下板部の屋内側の端部から上方に向けて伸長した屋内側板部と、該屋内側板部の上端部から屋外側に向けて伸長し、前記戸体の下端部の屋内側に配置される上板部と、を備え、
    前記上板部は、前記下板部に対し前記屋内側板部のみによって支持されており、面内方向の一部に上下方向に貫通した水抜き孔を有しており、
    前記水抜き孔には、排水装置が取り付けられている、下枠であって、
    前記屋内側板部の屋外側側面のうち、面内方向に関して少なくとも前記水抜き孔全体と整合する範囲に、加熱により少なくとも屋内外方向に発泡する加熱発泡材が取り付けられており、
    前記下板部と前記上板部との間部分のうち、前記水抜き孔よりも屋外側で、かつ、面内方向に関して少なくとも前記水抜き孔全体と整合する範囲に、防火壁が立設されている、
    下枠。
  2. 前記防火壁は、防火金具の一部であり、該防火金具は、前記下板部の上面に固定された取付板部をさらに備える、請求項1に記載の下枠。
  3. 前記防火金具は、屋内側に向けて伸長し、その屋内側端部が前記加熱発泡材を屋内側に向けて抑え付ける、抑え部をさらに備える、請求項2に記載の下枠。
  4. 前記抑え部は、前記防火壁の上端部の一部から伸長している、請求項3に記載の下枠。
  5. 前記防火壁は、前記戸体の下部に備えられた支承ローラと、屋内外方向に対向している、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の下枠。
  6. 前記下板部の上面には、前記戸体の開閉動作時に、前記支承ローラが走行するローラ受具が固定されており、前記ローラ受具は、前記取付板部に形成された切り欠きの内側に配置されている、請求項2に従属する請求項5に記載の下枠。
  7. 前記防火壁の屋外側側面には、前記屋内側板部に取り付けられた前記加熱発泡材とは別の加熱発泡材が取り付けられている、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の下枠。
  8. 建物の開口部に配置される矩形枠状の枠体と、該枠体の内側に建て込まれる戸体と、を備え、
    前記枠体の下辺を構成する下枠が、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の下枠である、建具。
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