[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1~図9に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤11の前面にガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域R1を備えている。遊技盤11の前面は、パチンコ遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25S,25Sが備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が設けられている。そして、発射用ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
上皿26の上部には、遊技者が操作可能な操作ボタンユニット24が備えられている。図2に示されるように、操作ボタンユニット24は、プッシュボタン24Kと、十字キー24Lを備えている。
図1に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。即ち、遊技盤表示窓11Hを通して表示装置13が視認可能となっている。表示装置13は、液晶モジュール(例えば、TFT-LCDモジュール)で構成され、その表示画面13Gが、遊技盤11の奥側に配置されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14B及び大入賞口15が、上から順に間隔を空けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技盤11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、10個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、第2の始動入賞口14Bを開放するか否かの普図判定が行われる。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した普図判定が当りであった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞(入球)すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特図判定が行われる。即ち、本実施形態では、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞することで、特別図柄に関する当否判定権が発生する。特図判定の判定結果は、当否判定権の使用に伴って、表示装置13の表示画面13Gにて報知される。詳細には、当否判定権が使用されると、表示画面13Gには、判定結果の報知に先立って、判定結果に関連した報知演出が行われる。そして、判定結果が当りの場合には、判定結果の報知後、遊技が「大当り遊技状態」に移行し、「大当り遊技」が実行される。これに対し、判定結果が外れの場合には、判定結果の報知後、「大当り遊技状態」ではない通常遊技状態が続く。
図1に示されるように、大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。ここで、大入賞口15が開放されてから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数(例えば、15ラウンド)のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口15の開放時間が予め設定された上限時間に達するか、又は、規定上限数(例えば、10個)の遊技球が入賞すると終了する。
表示装置13の表示画面13Gには、上述したように、特図判定に関連した報知演出が表示される。具体的には、表示画面13Gには、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、数字や文字等を表記した複数種類のもので構成されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞して報知演出が行われると、3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示(変動表示)され、所定時間経過後に、例えば、左、右、中の順に停止表示される。そして、停止した特別図柄13A~13Cの組合せにより、特図判定の判定結果を報知するようになっていて、例えば、特別図柄13A~13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、外れであることを示すようになっている。
パチンコ遊技機10は、図示しないROM、RAM、CPUを有し、ROMに記憶されている複数の制御プログラムをCPUがマルチタスク処理にて所定周期で実行することで、ROM、RAM、CPUが、図3のブロック図に一部抜粋して示した乱数生成部80、乱数取得部81、乱数データ格納部82、特図判定部83等の制御上の構成部として機能する。
乱数生成部80は、複数の乱数カウンタを備えていて、所定周期で1ずつ加算する処理を行っている。乱数カウンタの値の範囲は種類ごとに異なっていて、例えば普図判定用の乱数カウンタは0~9の範囲で繰返し加算されていて、9の次は0になるように設定されている。乱数取得部81は、始動ゲート18を遊技球が通過する度に普図判定用の乱数を取得して乱数データ格納部82に格納すると共に、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に乱数生成部80から特図判定用の乱数セットを取得して乱数データ格納部82に格納する。
乱数データ格納部に格納された普図判定用の乱数が、例えば奇数であったら当り、偶数であったら外れとなるように設定されていて、普図判定で当りであった場合には、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。つまり、第2の始動入賞口14Bが所定期間に亘って開放され、遊技球が入賞可能となる。
制御データ記憶部85には、種々のデータテーブルやコマンド等が記憶されている。例えば特図判定用のデータテーブルでは、大当りと外れのそれぞれに乱数が振分けられていて、0~255の範囲の内0~4なら大当り、5~255なら外れという設定がなされている。特図判定部83は、乱数データ格納部82から特図判定用の乱数を取得し、特図判定用のデータテーブルを参照し当否を判定する。特図判定で大当りになると、大入賞口15が所定時間に亘って開放するラウンド遊技が複数ラウンド繰り返される大当り遊技が実行される。
演出制御部84は、特図判定部83から判定結果を受け、表示画面13Gに、例えば、0~9の範囲でそれぞれが変化する3桁の数字である特別図柄13A,13B,13Cを、予め定められた変動期間に亘って変動表示した後、例えば、左の特別図柄13A、右の特別図柄13C、中央の特別図柄13Bの順番に仮停止(揺れた状態で停止)していく。そして、3つの全ての特別図柄13A,13B,13Cが仮停止してから、それら3つの全てを確定停止(静止)させ、その確定停止した特別図柄13A,13B,13Cの図柄組み合わせによって、特図判定の判定結果を報知する。具体的には、大当りの場合には、特別図柄13A,13B,13Cをぞろ目にして確定停止表示し、外れの場合には、特別図柄13A,13B,13Cをぞろ目以外にして確定停止表示する。
また、特別図柄13A,13B,13Cが変動開始から確定停止表示されるまでの間、つまり判定報知中と、前述の大当り遊技の実行中とに始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合は、最大4球分の特図判定用の乱数が乱数データ格納部82に格納されて特図判定が保留される。
特図判定用の乱数セットには、特別図柄13A,13B,13Cの判定報知の途中でリーチ状態にするか否かを決定するための乱数と、図4に示す演出フローの何れを実行するかを決定するための乱数も含まれている。例えば、特図判定が外れでリーチ有の場合には、4~6番の演出フローの中から乱数と一致するものが決定される。また、演出フローは、通常変動、Nリーチ(ノーマルリーチ)、Lリーチ(ロングリーチ)、SPリーチ(スーパーリーチ)の複数段階に分けられる。
通常変動では、基本的には、特別図柄13A,13B,13Cの1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示される。7番の演出フローの場合には、特別図柄13A,13B,13Cが全て異なる数字(外れの図柄組み合せ)で確定停止される。1~6番の演出フローの場合には、特別図柄13A,13B,13Cの内2つが同じ数字で仮停止され、リーチが成立し次のNリーチの段階へと切り替わる。
Nリーチでは、特別図柄13A,13B,13Cの内の残り1つが減速していき、通常変動より低速で変動する。Nリーチで演出フローが終了する場合(3番又は6番の演出フロー)、特別図柄13A,13B,13Cの全てが確定停止する。Nリーチで演出フローが終了しない場合、特別図柄13A,13B,13Cの内の残り1つが再び高速で変動し、リーチが維持されたまま次のLリーチの段階へと切り替わる。また、Nリーチでは、表示画面13GにNリーチ専用の報知演出が表示される。なお、この報知演出が本発明に係る「判定報知演出」に相当する。
Lリーチでは、成立したリーチが維持されるが、特別図柄13A,13B,13Cが縮小されると共に例えば表示画面13Gの左上に移動する。そして、Lリーチ専用の報知演出が表示され、Nリーチよりも長い時間継続される。Lリーチで演出フローが終了する場合(2番又は5番の演出フロー)、特別図柄13A,13B,13Cの内の残り1つが減速していき、特別図柄13A,13B,13Cの全てが確定停止する。Lリーチで演出フローが終了しない場合(1番又は4番の演出フロー)、確定停止せずにリーチが維持されたまま次のSPリーチの段階へと切り替わる。
SPリーチでは、SPリーチ専用の報知演出が表示され、特別図柄13A,13B,13Cの内の残り1つが減速していき、特別図柄13A,13B,13Cの全てが確定停止する。
特図判定が大当りである時には、1番の演出フローが最も選ばれ易く、その次に2番の演出フローが選ばれ易く、3番の演出フローはほとんど選ばれないように乱数の判定値が設定されている。特図判定が外れでリーチ有の時には、6番の演出フローが最も選ばれやすく、その次に5番の演出フローが選ばれやすく、4番の演出フローは選ばれ難いように乱数の判定値が設定されている。よって、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチの順に段階が切り替わると共に信頼度が高くなっていく、つまり報知演出が切り替わる毎に信頼度がより高い報知演出が行われていく。
Nリーチ、Lリーチ、SPリーチのそれぞれの専用の報知演出は、図3に示す演出制御部84により制御されている。Nリーチ専用の報知演出としては、例えば、山、川、海の3種類の背景画像が用意されていて、乱数データ格納部82から取得した乱数と一致するものが選択される。Lリーチ専用の報知演出では、所定のストーリーで進行していく映像が例えば3種類用意されていて、これも同様に乱数と一致するものが選択される。SPリーチ専用の報知演出では、例えば主人公キャラクタと敵キャラクタが戦う「バトル演出」の映像が表示画面13Gに表示され、敵キャラクタとしてはA~Cのうち乱数と一致するものが登場する。この「バトル演出」において、特図判定が当りである時には、主人公キャラクタが勝利する映像が表示されると共に特別図柄13A,13B,13Cが当りの図柄組み合わせで確定停止し、特図判定が外れである時には、主人公キャラクタが敗北する映像が表示されると共に特別図柄13A,13B,13Cが外れの図柄組み合わせで確定停止する。
Nリーチ、Lリーチ、SPリーチのそれぞれにおいて、報知演出を選択するためのデータテーブルとして、特図判定が当りである場合のものと特図判定が外れである場合のものの2つが用意されている。これについて、SPリーチ専用の報知演出である「バトル演出」を具体例に挙げて説明する。
「バトル演出」の敵キャラクタとしては、敵キャラクタA~Cのうち何れかが登場し、図6には敵キャラクタを選択するためのデータテーブルが示されている。特図判定が当りである時には図6(A)のデータテーブルが使用され、特図判定が外れである時には図6(B)のデータテーブルが使用される。そして、演出制御部84は、乱数データ格納部82から敵キャラクタ選択用の乱数を取得し、その乱数と一致する敵キャラクタを選択する。なお、敵キャラクタ選択用の乱数は0~209の範囲で生成されていて、敵キャラクタA~Cのそれぞれに図6(A)、(B)に示すような判定値が設定されている。
図7(A)には、「バトル演出」が100回実行された時の理論的な大当りの回数、外れの回数、そしてそれぞれの敵キャラクタの理論的な登場回数が示されている。なお、これらの理論的な回数は、図6に示されているデータテーブルと、予め設定されている「バトル演出」が大当りになる確率から算出されている。具体的には、「バトル演出」が100回実行されたとして、理論的にその内70回が大当り、30回が外れとなるように予め設定されている。図6(A)に示すデータテーブルから、70回の大当りの内、敵キャラクタAが登場する理論的な回数は30回であることが分かり(210個の乱数の内90個が振分けられているので)、敵キャラクタB、敵キャラクタCが登場する理論的な回数はそれぞれ30回、10回であることが分かる。同様に、図6(B)に示すデータテーブルから、30回の外れの内、敵キャラクタA、敵キャラクタB、敵キャラクタCが登場する理論的な回数はそれぞれ20回、10回、0回であることが分かる。
つまり、敵キャラクタAは50回登場する内30回が大当りになるので、図7(B)に示すように敵キャラクタAの信頼度は60%となる。同様に、敵キャラクタB、敵キャラクタCの信頼度は75%、100%となる。そして、本実施形態では、このように当りになる信頼度が50%以上に設定されている高信頼度の判定報知演出に対して、後述する実績報知が行われる。
さて、SPリーチに切り替わり例えば敵キャラクタBが登場してきたとすると、図8(A)に示すように、敵キャラクタBの登場シーンに合わせて「今日の戦績20戦12勝」という戦績X1が表示される。この戦績X1は、敵キャラクタBが20回登場して、その内主人公キャラクタが12回勝利し大当りになったということを意味している。今日の戦績X1と同時に、今週の戦績X1と今月の戦績X1も表示される。また、その戦績X1の横に「幕内」という称号X2が表示されていて、この称号X2は、図8(B)に示すように、その敵キャラクタが登場して大当りになった割合(勝率)の比率によって変化する。この時、敵キャラクタBが登場した時の勝率は60%で26~60%の基準比率域に属するので「幕内」という称号X2が付与されている。なお、この戦績X1が本発明に係る「実績の情報」に相当する。ちなみに、図8(A)に示すように、戦績X1と称号X2と共に、「鬼ヶ島の戦い」というタイトルX3が表示されているが、このタイトルX3は各敵キャラクタごとに予め設定されているもので、戦績X1によって変化はしない。そしてこのタイトルX3が本発明に係る「演出内容に基づいた名称」に相当する。
次に、この戦績X1と称号X2を表示するための構成について説明する。図3に示す実績データ記憶部91には、図5(A)に示すような記憶領域を有する実行カウンタ91Aと、当りカウンタ91Bが備えられていて、敵キャラクタごとに登場した回数と大当りになった回数が記憶されている(以下、適宜「カウンタ情報」と呼ぶ)。例えば、演出制御部84が図6(A)に示す当り用のデータテーブルから敵キャラクタAを選択した場合には、その情報を実績データ記憶部91に付与する。すると実行カウンタ91A、当りカウンタ91Bの内、敵キャラクタAに該当するカウンタがそれぞれ1加算される。演出制御部84が図6(B)に示す外れ用のデータテーブルから敵キャラクタAを選択した場合には、同様にその情報を実績データ記憶部91に付与するが、実行カウンタ91Aの内、敵キャラクタAに該当するカウンタのみが1加算される。このようにして、遊技が実行されていくに従って実績データ記憶部91のカウンタが加算されていく。
実績データ記憶部91に記憶されているカウンタ情報は、1日経過するごとにメモリ91Mに保存されリセットされる。そして、次の日には遊技が実行されていくに従って、それぞれのカウンタが0から加算されていく。メモリ91Mには、図5(B)に示すように、30個のブロック91Nが備えられていて、1個のブロック91Nには実績データ記憶部91から付与された1日分のカウンタ情報が保存されている。30個のブロック91Nが全て埋まると、一番古いカウンタ情報が保存されたブロック91Nに、実績データ記憶部91から新しく付与されたカウンタ情報が上書き保存される。つまり、メモリ91Mには、過去30日分のカウンタ情報が保存されていることになる。
実績データ集計部93は、実績データ記憶部91とメモリ91Mからカウンタ情報を取得する。第1集計部93Aには、実績データ記憶部91から取得したカウンタ情報がそのまま記憶されている、つまり、その日のカウンタ情報が記憶されている。第2集計部93Bには、実績データ記憶部91と、メモリ91Mの過去6日分のブロック91Nから取得したカウンタ情報が集計され記憶されている、つまり、過去1週間のカウンタ情報が集計され記憶されている。第3集計部93Cには、実績データ記憶部91と、メモリ91Mの全てのブロック91Nから取得したカウンタ情報が集計され記憶されている、つまり、過去1ヶ月のカウンタ情報が集計され記憶されている。
例えば敵キャラクタBが登場する「バトル演出」が実行される時に、実績報知手段90は、実績データ集計部93から敵キャラクタBに関係するカウンタ情報を取得する。そして、そのカウンタ情報に対応する戦績X1を表示させるためのコマンドを表示装置制御部13Xに付与して図8(A)に示すように、敵キャラクタBが登場するシーンに合わせて戦績X1が表示される。また、実績報知手段90は、敵キャラクタBの登場回数のカウンタ値と当り回数のカウンタ値とから勝率を算出して、図8(B)に示す称号X2のデータテーブルを参照し、その勝率に対応する称号X2を表示させるためのコマンドを表示装置制御部13Xに付与して、称号X2が表示される。なお、実績データ集計部93は、その新しく実行される「バトル演出」の分が更新される前のカウンタ情報を実績報知手段90に付与する。
実績報知手段90は、遊技者毎の戦績X1を表示することも可能である。具体的には、普図判定や特図判定が行われないで規定時間が経過すると、パチンコ遊技機10は待機モードとなり、図9(A)に示すようなメニュー画面が表示画面13Gに表示される。このメニュー画面では、例えば「実績データをロードする」、「実績データをセーブする」等のような項目が表示され、図2に示す操作ボタンユニット24の十字キー24Lでカーソルを合わせて、プッシュボタン24Kを押すことで選択することができる。
「実績データをロードする」を選択すると、図9(B)に示すようなパスワード入力画面が表示される。このパスワード111は、例えば遊技者が所有する携帯端末から図示しないインターネット上のサーバ装置にアクセスすることで取得可能で、遊技者毎に記憶されている。そして、パスワード111を入力する時には、文字パネル113に表示されている文字にカーソル114を合わせて選択をすることで入力をしていき、「決定」を選択することでパスワード111の入力が完了する。このパスワード111の入力を起因に、パチンコ遊技機10は個別遊技モードとなる。
また、パスワード111の一部には、前述したカウンタ情報が文字列に変換された状態で含まれている。パスワード111が入力されると、図3に示す個別データ取得手段94は、パスワード111をカウンタ情報に変換して個別データ記憶部92に格納する。個別データ記憶部92に備えられた実行カウンタ92Aと、当りカウンタ92Bの機能は、図5(A)に示した実行カウンタ91Aと、当りカウンタ92Bの機能と同一で、敵キャラクタごとに登場した回数と大当りになった回数を記憶するための記憶領域が備えられている。
個別遊技モード中は、実績データ記憶部91の場合と同様に、遊技が実行されていくに従って個別データ記憶部92のカウンタが加算されていく。実績報知手段90は、個別データ記憶部92からカウンタ情報を取得し、そのカウンタ情報に対応するコマンドを表示装置制御部13Xに付与し、表示画面13Gに戦績X1と称号X2を表示する。この戦績X1は、例えば「あなたの戦績10戦9勝」というように表示され、その横に「幕下」という称号X2が表示される。
そして、個別遊技モードを終了する際に、図9(A)に示すメニュー画面で「実績データをセーブする」を選択すると、実績報知手段90は個別データ記憶部92からカウンタ情報を取得し、対応する二次元コード121を表示させるためのコマンドを表示装置制御部13Xに付与する。すると、図10(A)に示すように表示画面13Gに二次元コード121が表示され、携帯端末で読取り可能となり図示しないサーバ装置にその情報が記憶される。遊技者が再びサーバ装置にアクセスした時には、その情報がパスワード111に変換された状態で付与される。このようにして、遊技者毎にカウンタ情報を更新していき、その戦績X1を表示画面13Gに表示することができる。
なお、メニュー画面において「ロードせずに遊技を開始する」を選択した場合には、そのまま遊技が開始され、実績データ記憶部91のカウンタ情報が使用される。また、個別遊技モード中において、個別データ記憶部92のカウンタだけではなく、実績データ記憶部91のカウンタも加算されていく。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は、以上である。次に本実施形態の作用効果について説明する。遊技者が、予めインターネットや雑誌から、それぞれの敵キャラクタが登場した時の当りの信頼度の情報を入手してから遊技を開始する場合が考えられる。そして、実際に遊技をやってみて前述した「バトル演出」が実行され、図8(A)に示すように、例えば敵キャラクタBが登場してきて「今日の戦績20戦12勝」という戦績X1が表示画面13Gに表示されたとすると、事前に入手した信頼度の情報(75%)より実際の勝率(60%)が低いことが分かる。この場合に外れの結果が報知されたとしても、「実際の遊技では当りが少なくなっているので仕方がない」と外れの結果に対して納得し易くなる。ここで、もし戦績X1が表示されていなかった場合には、「信頼度が高いはずなのになぜ外れなのか」というように外れの結果に対して納得できないことが考えられる。
また、図8(A)に示すように、今日、今週、今月と戦績X1が複数の集計期間に分けて表示されるので、戦績X1の推移を把握することができる。例えば、今月、今週、今日の順に戦績X1が下がっていた場合に、最近の傾向として外れが多いことが分かるので、外れの結果が報知されたとしても納得し易くなる。逆に、今月、今週、今日の順に戦績X1が上がっていて、外れの結果が報知されたとしても、最近はたまたま当りが多いけど長い期間で見ると勝率が低いことが読み取れるので、納得し易くなる。
そして、例えば戦績X1が「今日の戦績20戦2勝」である時に、「横綱」という強いことを示す称号X2が表示されるので、外れの結果が報知されたとしても納得し易くなる。また、個別遊技モードを実行することでその遊技者単体の戦績X1を表示されるが、その戦績X1は自分自身が積み重ねてきた結果なので、より信用することができ、納得することができる。また、本実施形態では、当りになる信頼度が何れも50%以上に設定されている、所謂、高信頼度の判定報知演出に対する実績報知を行うので、実績報知に対する遊技者の興味も高くなる。
[第2実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態のパチンコ遊技機10の変形例であって、図10(B)に示すように、複数のパチンコ遊技機10A~10Zで前述したカウンタ情報を共有する点以外は、第1実施形態のパチンコ遊技機10と構成が同じである。具体的には、パチンコホールに設置されたサーバ装置100に複数のパチンコ遊技機10A~10Zが接続されている。サーバ装置100には前述した実績データ記憶部91、メモリ91M、実績データ集計部93、実績報知手段90が備えられている。つまり複数のパチンコ遊技機10A~10Zでの、それぞれの敵キャラクタの実行回数と当り回数が、まとめてカウントされていく。そして、各パチンコ遊技機10A~10Zで総合の戦績X1が表示される。これにより、より多くの実行回数と当り回数を戦績X1に反映することができるので、その戦績X1のデータは安定したものとなる。
[他の実施形態]
(1)前記第1実施形態では、戦績X1を「今日の戦績20戦12勝」というように表示する構成であったが、「今日の勝率60%」というように表示する構成であってもよい。
(2)前記第1実施形態では、SPリーチ時に「バトル演出」行われる構成であったが、それ以外にも例えばミッション系の報知演出が行われる構成であってもよい。そして、信頼度の異なるミッションの内容ごとに実行された回数と大当りになった回数をカウントして戦績X1を表示する構成であってもよい。
(3)前記第1実施形態では、「バトル演出」がSPリーチ時に行われる構成であったが、Nリーチ時やLリーチ時に行われる構成であってもよい。この場合、SPリーチ時には「バトル演出」以外の報知演出が行われる構成であってもよい。
(4)前記第1実施形態では、演出フローとしてNリーチ、Lリーチ、SPリーチの順に切り替わっていく構成であったが、Lリーチを挟まずにNリーチからSPリーチに直接切り替わる構成であってもよい。
(5)前記第1実施形態では、SPリーチ専用の報知演出(「バトル演出」)に対して戦績X1を表示する構成であったが、Nリーチ専用の報知演出とLリーチ専用の報知演出に対しても戦績X1を表示する構成であってもよい。なお、NリーチとLリーチの時には、次の段階に切り替わる場合と、切り替わらずに終了する場合があるので、戦績X1としては実行回数と外れ回数を表示する構成であってもよいし、実行回数と当り回数と次の段階に切り替わった回数を表示する構成であってもよい。
(6)前記第1実施形態では、複数の判定報知に跨って行われる連続報知演出に対して戦績X1を表示する構成であってもよい。
(7)前記第1実施形態では、報知演出に設定されたタイトルX3(例えば「鬼ヶ島の戦い」)毎に戦績X1が表示される構成であったが、1つのタイトルX3の報知演出が複数の異なる信頼度の内容に分かれている構成であってもよいし、複数のタイトルX3をまとめて例えばバトル演出全体の戦績X1を表示する構成であってもよい。
(8)前記第1実施形態では、登場するキャラクタ(例えば敵キャラクタA)毎に戦績X1が表示される構成であったが、信頼度の異なる複数の報知演出で同じキャラクタが登場しその全体の戦績X1を表示する構成であってもよいし、複数のキャラクタをまとめて例えばバトル演出全体の戦績X1を表示する構成であってもよい。
(9)前記第1実施形態では、戦績X1と共に称号X2が表示される構成であったが、戦績X1のみを表示する構成であってもよいし、称号X2のみを表示する構成であってもよい。
(10)前記第1実施形態では、複数の集計期間の戦績X1が表示される構成であったが、1つの集計期間の戦績X1を表示する構成であってもよい。また、パチンコ遊技機10が導入されてから今までを集計期間として戦績X1を表示する構成であってもよいし、パチンコ遊技機10の電源がONにされてから今までを集計期間として戦績X1を表示する構成であってもよい。
(11)前記第1実施形態では、パスワード111と二次元コード121によりカウンタ情報の入出力を行う構成であったが、携帯端末とパチンコ遊技機10を接続させてカウンタ情報の入出力を行う構成であってもよい。
(12)前記第1実施形態では、遊技者毎に付与されているID及びパスワードの入力を起因にパチンコ遊技機10がインターネット上のサーバ装置からそのIDに対応するカウンタ情報を取得する構成であってもよい。
(13)前記第1実施形態では、戦績X1が敵キャラクタの登場シーンに合わせて表示される構成であったが、特図判定の判定結果が報知される際に表示される構成であってもよいし、待機モード中に表示される構成であってもよい。
(14)前記第1実施形態では、敵キャラクタごとの実行回数と当り回数をカウントしていく構成であったが、敵キャラクタごとの実行回数と外れ回数をカウントしていく構成であってもよいし、戦績X1を「今日の戦績20戦8敗」というように表示する構成であってもよい。
(15)前記第1実施形態では、個別遊技モード中において遊技者毎の戦績X1と共に、実績データ記憶部91のカウンタ情報に基づく戦績X1も表示する構成であってもよいし、遊技者毎の戦績X1のみを表示する構成であってもよい。
(16)前記第2実施形態では、パチンコホール全体でカウンタ情報を共有する構成であったが、例えば全国のパチンコ遊技機10をインターネット上のサーバ装置に接続して全体の戦績X1を表示する構成であってもよい。
<付記1>
前記実施形態で例示したパチンコ遊技機(遊技機)には、以下の発明群が含まれていると考えることができる。なお、本付記の末尾には、以下の発明群の構成要素に対応する実施形態上の各部位が示されている。
(第1の発明群)
[発明1]
当否判定を行い、前記当否判定の結果に起因して複数種類の中から選ばれる判定報知演出を行ってから前記当否判定の当りであるか外れであるかの判定結果報知を行う遊技機において、
前記判定報知演出の種類毎の実行回数中の当り回数に起因して、前記判定報知演出の種類毎の当りの実績の情報を含む実績報知を行う実績報知手段を備える遊技機。
本発明の遊技機によれば、各判定報知演出ごとの実行回数中の当り回数に基づく実績が遊技者に報知されるので、その実績とその遊技者自身が実際に遊技を行った時の当否判定の結果を比較することができる。これにより遊技者が当否判定の結果に納得しやすくなる。
[発明2]
前記判定報知演出の種類毎に演出内容に基づいた名称が予め設定され、
前記実績報知手段は、前記名称毎の前記実績報知を行う発明1に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、例えば所謂バトル系の演出の中でもステージや勝負内容等の違いによってそれぞれ異なる名称が予め設定されていることがあり、その名称毎の判定報知演出の実績を報知することができる。これにより、その名称の判定報知演出が実行された時の判定結果に対して遊技者が納得し易くなる。
[発明3]
前記判定報知演出の種類毎に別個のキャラクタが登場するように設定され、
前記実績報知手段は、前記キャラクタ毎の前記実績報知を行う発明1又は2に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、例えば所謂バトル系の演出の中でも戦うキャラクタが異なることがあり、その登場するキャラクタ毎の判定報知演出の実績を報知することができる。これにより、そのキャラクタが登場する判定報知演出が実行された時の判定結果に対して遊技者が納得し易くなる。
[発明4]
前記実績報知には、各前記判定報知演出に付与されている称号の情報が含まれていて、
前記称号は、各前記判定報知演出の前記実行回数中の前記当り回数の比率が、予め定められた複数の基準比率域の何れに属するかに応じて決定される発明1乃至3の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、実行回数中の当り回数の比率に応じて、各判定報知演出の称号が変化し報知される。インターネットや雑誌などに公開されている各判定報知演出の当りに対する信頼度と実績がかけ離れたとしても、称号が報知されるので判定結果に対して遊技者が納得し易くなる。
[発明5]
前記実績の情報の集計期間が複数設定され、
前記実績報知手段は、前記集計期間毎に前記実績報知を行う発明1乃至4の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、例えばここ一週間の実績、ここ一か月間の実績、遊技機が導入されてから今までの実績を併せて報知することができる。これにより、最近の実績の推移を知ることができるので、判定結果に対して遊技者が納得しやすくなる。
[発明6]
遊技者毎の前記実績の情報を取得可能な個別データ取得手段を備え、
前記実績報知手段は、遊技者毎の前記実績報知を行う発明1乃至5に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、遊技者毎に実績に関するデータを集計することができる。これにより、その遊技者自身の判定報知演出毎の実績を知ることができるので、判定結果に対して遊技者が納得しやすくなる。
[発明7]
複数の遊技機が無線接続又は有線接続され、
前記実績報知手段は、前記複数の遊技機の全体の前記実績報知を行う発明1乃至6の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、例えばパチンコホール全体で実績に関するデータを集計して、その実績を報知することができる。これにより、ある台で、ある判定報知演出の実行回数が少ない場合であっても、他の台のデータを利用して実績を報知することができるので、判定結果に対して遊技者が納得しやすくなる。
[発明8]
前記実績報知手段は、当りになる信頼度が50%以上に設定されている前記判定報知演出に対する前記実績報知を行う請求項1に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、当りになる信頼度が50%以上に設定されている、所謂、高信頼度の判定報知演出に対する実績報知を行うので、実績報知に対する遊技者の興味も高くなる。
[第1の発明群の発明の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:パチンコ遊技機10 実績報知手段:実績報知手段90
実績の情報:戦績X1 称号:称号X2 名称:タイトルX3
個別データ取得手段:個別データ取得手段94