JP7075567B2 - 質量分析計における電子線源 - Google Patents

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本発明は、イオン化法ならびにイオン乖離法の質量分析計における電子線源に関するものである。
質量分析法は、有機、無機物質を高感度で分析することが可能であり、高真空中に配置された電場、磁場等により物質の質量差をその挙動の違いにより分析する。そのため分析対象物に電荷を与え、イオンの状態を保たなければならない。そのために様々なイオン化法が提案されている。2002年にノーベル賞を受賞した田中耕一氏の提案に係る「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」もその一つ、MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)法である。
本発明は、様々なイオン化法の中で最も古くから用いられている「電子イオン化法」に関し、図1に該電子イオン化法を実施する質量分析計の概略構成を示す。この装置は、ステンレス等の材料で構成された真空容器15、ターボ分子ポンプ21及び容積ポンプ22を備え、該ターボ分子ポンプ21及び容積ポンプ22により、真空容器15内を1×10-3Pa以上の高真空状態に保ち、大気圧下から毛細管、流量制御バルブ20等により高真空を維持したまま微量の試料17を真空容器15内の高真空中に導入する。
真空容器15内の高真空中に配置されたイオン化室14には上下2ヶ所に穴14a,14bが形成されており、真空容器15内とイオン化室14内は連通している。イオン化室14の上部の穴14aの近傍にはフィラメント12が、下部の穴14bの近傍にはトラップ18がそれぞれ配置されている。フィラメント12には大気中に配置されている電源(図示せず)から端子13a,13bを経由して電流(フィラメント電流)が供給される。フィラメント12には、フィラメント電流を流すための上記電源とイオン化室14との間に電位差を与えている。これをイオン化電圧といい、フィラメント12側に陰電圧(通常-10~-100V程度)を印加している。このイオン化電圧を印加することにより、熱せられたフィラメント12からイオン化室14に向けて熱電子が放出される。一般的には熱電子の進行する方向に永久磁石により磁束を与え、熱電子同士が反発して発散しないような構造を採用することが多い。
質量分析法は、イオン化室14内に導入される試料17の量に応じてイオン量が変化することで未知の物質の構造の同定に加え、物質の量も分析可能であるため、試料17の導入量とイオン量を比例させることが必要となる。この試料17の導入量とイオン量を比例させるためには、イオン化電流を一定に保つことが最良とされている。よってトラップ18に流れ込む電流(イオン化電流)を検出し、設定されたイオン化電流値が一定になるようにフィラメント電流をフィードバック制御することでイオン化電流値を一定にし、定量性を確保している。
電子イオン化法の利点は、高感度であり定量性に優れていることが挙げられるが、一方でイオン化室14内に導入される試料17によってフィラメント12が劣化し、短時間でフィラメント12が切れることもあり、貴重な試料17の分析時にフィラメント12が断線してデータが得られないという深刻な事態になることもある。特に半導体のプロセス分析では、腐食性ガスが多く使用されるため、一般的なフィラメント材料であるタングステンやレニウム等は用いず、イリジウムワイヤに酸化イットリウムをコーティングしたフィラメント12を用いている。このようにイリジウムワイヤに酸化イットリウムをコーティングしたフィラメント12を用いることにより、フィラメント12の表面の仕事関数を下げ、低い温度で熱電子を発生させて、フィラメント12の寿命を延ばしている。
一般的にフィラメント12には、図2(a)に示すようにストレートタイプフィラメント12-1、同図(b)に示すようにコイルタイプフィラメント12-2、同図(c)に示すようにリボンタイプフィラメント12-3がある。これらのフィラメント12はいずれもセラミックスやガラス等の絶縁材からなる絶縁体ブロック30に所定の間隔で平行に配置固定した一対の導電材料からなる電極31a,31bにその両端部をスポット溶接等で固着され、該電極31a,31bを介して通電されている。
特開2005-298603号公報
半導体のプロセス分析等で使用される質量分析装置には、一般的に酸化イットリウムをコーティングしたフィラメントが多く使用されているものの、フィラメントに通電する電流のON/OFF等による熱衝撃や機械的衝撃等で酸化イットリウムのコーティングが剥離することがある。また使用中にコーティング膜が薄くなり熱電子の放出量が低減してしまうこともある。
また上記したように、フィラメントには図2(a)に示すような断面円形状のワイヤーの両端部を2本の電極31a,31bに固定したストレートタイプフィラメント12-1や、同図(b)に示すようなフィラメントの中央部分をコイル状に形成しその両端部を固定したコイルタイプフィラメント12-2や、同図(c)に示すような薄板を細くリボン状に切ったフィラメントの両端部を2本の電極31a,31bの間に固定したリボンタイプフィラメント12-3がある。これらのフィラメント12は、通電時には2本の電極31a,31bから最も遠い位置、即ちフィラメントの中央部が最も温度が高くなり、最も多くの熱電子が放出されると考えられる。しかしフィラメントワイヤやリボンの断面積の不均一等の要因により、必ずしもフィラメントの機械的中心位置から熱電子がより多く放出されるとは限らず、フィラメントの個体差による熱電子放出分布位置のバラツキにより、質量分析結果として、分解能、感度に悪影響を及ぼすことがある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、一般的に行われている低仕事関数材料のコーティングの効果と同じく、腐食性ガス等によるフィラメントの劣化を軽減させると共に、分析途中で発生するかもしれないフィラメントの断線等の不安要素を解消し、加えて熱電子の放出点を一定に保つことが可能な、質量分析の性能向上に寄与する質量分析計における電子線源を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明は、電子線放射材料と、絶縁体ブロックに所定の間隔を設けて配置された一対の電極とを備え、電子線放射材料を加熱して該電子線放射材料から電子線を放射させる質量分析計の電子線源において、電子線放射材料は焼結金属中に仕事関数の低い材料(以下場合によって「物質」と記す)を含浸させるか又は金属に仕事関数の低い物質を含有させて焼結したチップ状電子線放射材料であり、チップ状電子線放射材料の外表面の対向する部分に一対の支持兼導電部材のそれぞれ一端を固着すると共に、該一対の支持兼導電部材の他端を一対の電極に固着し、電極から支持兼導電部材を通ってチップ状電子線放射材料に通電する電流で直接前記電子線放射材料を加熱することを特徴とする。
また、本発明は上記質量分析計の電子線源において、支持兼導電部材のチップ状電子線放射材料に固着される一端部は支持兼導電部材の他端部が電極に固着された状態で該電極の長手方向で且つ互いに同一方向又は長手方向で且つ互いに反対方向に折り曲げられていることを特徴とする。
また、本発明は上記質量分析計の電子線源において、支持兼導電部材は板金材からなり、チップ状電子線放射材料に固着する部分の幅が狭く、電極に固着する部分の幅が広くなっていることを特徴とする。
また、本発明は上記質量分析計の電子線源において、板金材からなる一対の支持兼導電部材のチップ状電子線放射材料に固着する幅が狭い部分は一対の支持兼導電部材の幅が広い部分が電極に固着された状態で互いにその先端部が電極の長手方向に屈曲しており、該先端部と先端部の間にチップ状電子線放射材料が位置するようになっていることを特徴とする。
また、電子線放射材料と、絶縁体ブロックに所定の間隔を設けて配置された一対の電極とを備え、電子線放射材料を加熱して該電子線放射材料から電子線を放射させる質量分析計の電子線源において、電子線放射材料は焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させるか又は金属に仕事関数の低い物質を含有させて焼結したチップ状電子線放射材料であり、長尺の導電発熱体を具備し、チップ状電子線放射材料の外周面に導電発熱体を巻回するか又はチップ状電子線放射材料の少なくとも一部外周面に導電発熱体を固着し、該導電発熱体の両端部をそれぞれ一対の電極に固着し、電極から導電発熱体に通電する電流により該導電発熱体から発する熱で電子線放射材料を加熱することを特徴とする。
本発明に係る質量分析計における電子線源は、上記のように焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させたチップ状電子線放射材料を採用するので、図2に示すストレートタイプフィラメント12-1、コイルタイプフィラメント12-2、リボンタイプフィラメント12-3のように、フィラメントの断面積の不均一等の要因により必ずしも正確な機械的中心位置から熱電子がより多く放出されるとは限らず、フィラメントの個体差によって熱電子放出分布位置にバラツキがあるという問題が解決でき、小さいチップ状電子線放射材料から均等に熱電子が放出され、質量分析計の質量分析の分解能、感度に優れた結果が得られる。
本発明では、電子線放射材料に焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させたチップ状電子線放射材料を採用することにより、従来一般に行われている低仕事関数材料のコーティング効果と同じく、腐食性ガス等による電子線放射材料の劣化を軽減させると共に、分析途中で発生するかもしれないフィラメントの断線等の不安定要素も解消でき、且つ熱電子の放出部をチップ状電子線放射材料の外表面という一定面に保つことが可能となり、質量分析の性能が向上する。
従来の質量分析計における電子イオン化法においては、フィラメントの断線が予知できないため、重要な分析を行っている途中でフィラメントが断線すると測定結果が得られない場合も少なくない。またフィラメントの交換にはイオン化が行われる真空容器内を一度大気圧に開放しなければならず、真空容器内を元の高真空に戻すまでに長い時間を要してしまう問題があるが、本発明に係る電子線源では、フィラメントの断線と言う問題は考えられないから、このような問題は発生しない。
また、本発明に係る電子線源では、フィラメント材料の劣化等による断線ということが無いから、チップ状電子線放射材料内に含浸又は含有している仕事関数の低い材料が枯渇するまで安定的に熱電子の放出が得られ、その寿命は設定されたイオン化電流に対するチップ状電子線放射材料に供給される電流値を監視することで把握でき、信頼性の高い安定的な質量分析が可能となる。
電子イオン化法を実施する質量分析計の概略構成を示す図である。 従来の質量分析計の電子線源の概略構成を示す図である。 本発明に係る質量分析計の電子線源の概略構成を示す図である。 本発明に係る質量分析計の他の電子線源の概略構成を示す図である。 本発明に係る質量分析計の他の電子線源の概略構成を示す図である。 本発明に係る質量分析計の他の電子線源の概略構成を示す図である。 本発明に係る質量分析計の他の電子線源の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図3は本発明に係る質量分析計の電子線源の概略構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図〔(a)のA-A矢視図〕である。図示するように、本電子線源は電子線を放射する電子線放射材料40を具備する。該電子線放射材料40は、ここでは照明用フィラメントに使用するタングステンの焼結金属中に仕事関数の低い材料、例えば酸化バリウム等を含浸させたものである。このように仕事関数の低い材料を含浸させた丸棒状に形成した材料を所定の短い寸法に切断してチップ状(一例として径0.5mm~2mm、長さ0.5~3mm)の電子線放射材料40としている。
なお、焼結金属は、多孔質である必要があり、この多孔に仕事関数の低い物質を含浸させる。ここで、焼結金属材料はタングステンに限らず、モリブデン、タンタル、レニウム、イリジウム等でもよい。また、仕事関数の低い物質としては、酸化バリウムに限らず、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム単体あるいは混合物質でもよい。よって電子線放射材料としては、タングステン、モリブデン、タンタル、レニウム、イリジウム等の金属に、上記仕事関数の低い物質を含有させて焼結したものであってもよい。
上記のように、仕事関数の低い材料を含浸させた端面円形状の電子線放射材料40の直径方向に対向する表面位置に該電子線放射材料40を支持すると共に、該電子線放射材料40に電流を導くための支持と導電作用とを兼ね備えた支持兼導電部材41,42の端部をスポット溶接等で固着して電子線源組立体43を構成する。支持兼導電部材41,42はそれぞれ丸棒状で電子線放射材料40に固着する部分を略直角に屈曲させており、該屈曲部分を電子線放射材料40の直径方向に対向する位置の表面にスポット溶接等で固着している。
上記のように、構成した電子線源組立体43を、絶縁体ブロック30に所定の間隔で平行に配置固定した丸棒状の電極31a,31bにそれぞれの支持兼導電部材41,42の端部をスポット溶接等で固着することにより、電子線源組立体43の電子線放射材料40を電極31aと電極31bの中間位置で且つ長さ方向の所定位置に位置するように配置することにより、本発明に係る電子線源となる。ここで、電子線源組立体43の支持兼導電部材41と支持兼導電部材42をその反電子線放射材料40側の端部をスポット溶接等で電極31a,31bに固着する際、支持兼導電部材41はその屈曲部分の先端部を絶縁体ブロック30の反対側に向けると共に、支持兼導電部材42はその屈曲部分の先端部を絶縁体ブロック30の側に向ける。
図3に示す実施例では、支持兼導電部材41の屈曲部分の先端部を絶縁体ブロック30の反対側に向け、支持兼導電部材42の屈曲部分の先端部を絶縁体ブロック30の側に向けているが、これに限定されるものではなく、図4に示すように、支持兼導電部材41と支持兼導電部材42はその屈曲部分の先端部を同一方向、即ち絶縁体ブロック30の反対側に向くようにしてもよい。図示は省略するが、当然、支持兼導電部材41と支持兼導電部材42はその屈曲部分の両先端部を絶縁体ブロック30側に向くようにしてもよい。なお、図4(a)は本電子線源の平面図、同図(b)は正面図〔(a)のB-B矢視図〕である。
支持兼導電部材41,42は電子線放射材料40に電流を導くための作用と、電子線放射材料40を電極31aと電極31bの間の所定位置に配置支持する作用を奏するから、フィラメント材料で構成してもよいが、熱電子を放射させる必要がないため、高温にならないよう電気抵抗を小さくするため太目の外径でもよく、これにより高温にならないことから、腐食性ガス中であっても劣化を抑えることができる。また、電子線放射材料40は熱を発する抵抗体となるが、仕事関数の低い酸化バリウム等を含浸させているため、高温にするために充分に通電しなくとも質量分析に必要な熱電子を充分に放射できる。
また、電子線放射材料40は熱を発して高温となり熱膨張するが、上記のように支持兼導電部材41と支持兼導電部材42の電子線放射材料40に固着する端部に屈曲部を設けているから、この屈曲部が電子線放射材料40の熱膨張による変位を吸収し、電子線放射材料40の電極31aと電極31bとの間の変位は極めて小さくなる。特に図4に示すように支持兼導電部材41と支持兼導電部材42の屈曲部を大きくすることにより、電子線放射材料40の熱膨張による変位をよりスムーズに吸収でき、電子線放射材料40の位置の変位が更に小さくなる。
電子線放射材料40は上記例では、ワイヤー等の円柱材材料を輪切りにした形状としているが、これに限定されるものではなく、例えば断面矩形状又は多角形状等の棒材を所定長さで切断したものでも良い。また仕事関数の低い酸化バリウム等が含浸させたタングステンの焼結金属材を切削加工により所定形状に形成したものでもよい。また、支持兼導電部材41,42はワイヤー等の円柱材材料以外に、図5に示すように板金材で電子線放射材料40に固着する部分の幅が狭く、電極31a,31bに固着する部分の幅を広く、電子線放射材料40及び電極31a,31bに固着する部分を除いた平面形状を三角形状とした支持兼導電部材45、46でも良い。また、ここでは支持兼導電部材45、46の幅が狭い電子線放射材料40に固着する部分は、電子線源組立体43を電極31aと電極31bに固着した状態で略直角に下方伸びるように折り曲げている。なお、図5(a)は本電子線源の平面図、同図(b)は正面図〔(a)のC-C矢視図〕である。
また、図6に示すように支持兼導電部材を板金材で電子線放射材料40に固着する部分の幅が狭く、電極31a,31bに固着する部分の幅を広く、電子線放射材料40及び電極31a,31bに固着する部分を除いた平面形状を直角三角形状とした支持兼導電部材47、48でも良い。ここで支持兼導電部材47、48は電子線源組立体43に組み立てる前に幅が狭い部分を互いに対向する方向に延長し、この延長部分の電子線放射材料40に固着する部分を互いに下方に折り曲げる。そしてこの折り曲げた部分を電子線放射材料40にスポット溶接等で固着し、電子線源組立体43を電極31a,31bに塔載固着した際、電子線放射材料40が電極31a,31bの間の中央で且つ電極31a,31bの長さ方向の所定の位置に配置されるようにする。なお、図6(a)は本電子線源の平面図、同図(b)は正面図〔(a)のD-D矢視図〕である。
また、図7は本発明に係る質量分析計の電子線源の概略構成を示す図である。本電子線源は、タングステンの焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させた電子線放射材料40の外周面に導電発熱線49を巻き付けるか又は図示するように導電発熱線49の一部を電子線放射材料40に密接する形状に形成し、この部分をスポット溶接等により固着し、該電子線源組立体43を構成する。そしてこの電子線源組立体43の導電発熱線49の両端部を電極31a,31bに、電子線放射材料40が電極31aと電極31bの中間位置で且つ電極31a,31bの長さ方向の所定位置に位置するように配置し固着することにより、本発明に係る電子線源とする。そして導電発熱線49に電流を通電させることにより、導電発熱線49から発する熱で、電子線放射材料40を加熱する。これにより電子線放射材料40から電子を放射させる。なお、図7(a)は本電子線源の平面図、同図(b)は正面図〔(a)のE-E矢視図〕である。
以上、本願発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
12 フィラメント
12-1 ストレートタイプフィラメント
12-2 コイルタイプフィラメント
12-3 リボンタイプフィラメント
13a,13b 端子
14 イオン化室
14a,14b 穴
15 真空容器
17 試料
18 トラップ
21 ターボ分子ポンプ
20 流量制御バルブ
22 容積ポンプ
30 絶縁体ブロック
31a,31b 電極
40 電子線放射材料
41 支持兼導電部材
42 支持兼導電部材
43 電子線源組立体
45 支持兼導電部材
46 支持兼導電部材
47 支持兼導電部材
48 支持兼導電部材
49 導電発熱線

Claims (5)

  1. 電子線放射材料と、絶縁体ブロックに所定の間隔を設けて配置された一対の電極とを備え、前記電子線放射材料を加熱して該電子線放射材料から電子線を放射させる質量分析計の電子線源において、
    前記電子線放射材料は焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させるか又は金属に仕事関数の低い物質を含有させて焼結したチップ状電子線放射材料であり、
    前記チップ状電子線放射材料の外表面の対向する部分に一対の支持兼導電部材のそれぞれ一端を固着すると共に、該一対の支持兼導電部材の他端を前記一対の電極に固着し、前記電極から前記支持兼導電部材を通って前記チップ状電子線放射材料に通電する電流で直接前記電子線放射材料を加熱することを特徴とする質量分析計の電子線源。
  2. 請求項1に記載の質量分析計の電子線源において、
    前記支持兼導電部材の前記チップ状電子線放射材料に固着される一端部は前記支持兼導電部材の他端部が前記電極に固着された状態で該電極の長手方向で且つ互いに同一方向又は長手方向で且つ互いに反対方向に折り曲げられていることを特徴とする質量分析計の電子線源。
  3. 請求項1に記載の質量分析計の電子線源において、
    前記支持兼導電部材は板金材からなり、前記チップ状電子線放射材料に固着する部分の幅が狭く、前記電極に固着する部分の幅が広くなっていることを特徴とする質量分析計の電子線源。
  4. 請求項3に記載の質量分析計の電子線源において、
    前記板金材からなる一対の支持兼導電部材の前記チップ状電子線放射材料に固着する幅が狭い部分は前記一対の支持兼導電部材の幅が広い部分が前記電極に固着された状態で互いにその先端部が前記電極の長手方向に屈曲しており、該先端部と先端部の間に前記チップ状電子線放射材料が位置するようになっていることを特徴とする質量分析計の電子線源。
  5. 電子線放射材料と、絶縁体ブロックに所定の間隔を設けて配置された一対の電極とを備え、前記電子線放射材料を加熱して該電子線放射材料から電子線を放射させる質量分析計の電子線源において、
    前記電子線放射材料は焼結金属中に仕事関数の低い材料を含浸させるか又は金属に仕事関数の低い物質を含有させて焼結したチップ状電子線放射材料であり、
    長尺の導電発熱体を具備し、
    前記チップ状電子線放射材料の外周面に前記導電発熱体を巻回するか又は前記チップ状電子線放射材料の少なくとも一部外周面に前記導電発熱体を固着し、該導電発熱体の両端部をそれぞれ前記一対の電極に固着し、前記電極から前記導電発熱体に通電する電流により該導電発熱体から発する熱で前記電子線放射材料を加熱することを特徴とする質量分析計の電子線源。
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