JP2023552367A - 装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

静的ガス質量分析計のためのイオン源(30)が説明される。前記イオン源(30)は、試料ガスGを受け取るための空間Vを形成するソースブロック(310)と、前記ソースブロック(310)と流体連通状態にある電子源(320)であって、前記試料ガスGのイオン化のために前記ソースブロック(310)に電子のフラックスEを提供するように構成されている電子源(320)と、第1の電極(330A)を含む一組の電極(330)であって、前記電子源(320)と前記ソースブロック(310)との間に配置されている一組の電極(330)と、前記第1の電極(330A)に対し印加される電圧を制御して、前記ソースブロック(310)における前記試料ガスGの受取に続く第1の期間中に前記ソースブロック(310)の中へ向かう前記電子の前記フラックスEを減衰させるとともに、前記第1の期間に続く第2の期間中に前記ソースブロック(310)の中へ向かう前記電子の前記フラックスEを可能にするように構成されている制御器(図示せず)と、を備える。

Description

本発明は、静的ガス質量分析法のためのイオン源(イオンソース)に関する。
図1は、静的ガス質量分析のための従来のイオン源を概略的に描写する。静的ガス質量分析計は、典型的には、同位体比質量分析法のために使用される。
典型的には、静的ガス質量分析法(静的真空質量分析法としても知られている)において、入口弁の開放によって、離散的なガス試料が質量分析計の中に導入されて、ガス試料が質量分析のソースブロックの中へと膨張することを可能にして、続いて、入口弁が閉鎖される。ガス試料が導入される係る時点は、「時間ゼロ」又はtとして表される場合がある。その時点から、ガス試料の分圧は、質量分析計の真空外囲器内で圧力平衡に達するまで急速に変化する。係る平衡化プロセスは、質量依存であり、数分かかる場合がある。質量分析法による分析は、静的な(スタティック)ガス条件下で、好ましくは平衡化が完了した後に実施される。対照的に、ガスクロマトグラフィー(GC)質量分析法による分析は、連続的に導入されるガス試料を使用する、動的な(ダイナミック)ガス条件下で行われる。静的ガス質量分析法中、イオン源条件は、例えば同位体比の歪みを避けるために、好ましくは経時的に安定に維持される。例えば、試料測定中のフィラメント温度の変化は、制御されていない同位体分別をもたらして、測定の正確度及び精度に影響を及ぼし得る。測定中のフィラメント電流の変化は、イオン化空間内部の空間電荷条件に影響を及ぼして、ゆえに、イオン源の質量弁別に影響を及ぼす場合がある。さらにまた、時間ゼロから開始して、様々な同位体が質量分析計の空間全体にわたって空間的に均一に分散されるまで、初期の平衡化時間又は期間が存在する。増加した粘度のために、係る平衡化時間は、キセノン等のより重い希ガスについて最も長く継続し得、希ガス試料の全ての同位体種が、試料準備ラインから質量分析計の空間の中に完全に平衡化されるまでに、数分(例えば、10分まで)かかり得る。例えば、平衡化は、アルゴンについて約3分、キセノンについて6~7分かかり得る。平衡化時間は、特定の質量分析計及びガス試料の特性に依存し得る。
ガス源(ガスソース)質量分析計は、ソースブロック110を備えるイオン源10を備え、ソースブロック110の壁112より内側には、電子入力アパーチャ111が、加熱カソード120(ガス源ブロックの外部にある)に隣接して形成される。加熱カソード120によってAにおいて放出された電子は、熱電子を所望のエネルギーまで加速するために使用される電位差(ソースに対して負)によってソースブロック110の方へ引き付けられる。電子電圧電位は、カソード120とソースブロック110との間の電位差(ボルト)である。その役割は、2つある。つまり電位場の方向により、電子がソースブロック110に向かって加速すること、その一方で、電位の大きさによって、イオン化事象を引き起こすのに十分なエネルギーが提供されることである。
電子は、電子入力アパーチャ111を通過して、ソースブロック110のチャンバ、すなわち、空間Vの中に、その中に注入される試料ガスGのイオン化に使用するための電子ビームEとして入る(ガス注入手段は示されていない)。電子ビームEからの電子は、電子出力アパーチャ113(ソースブロック110の壁114において形成され、電子入力アパーチャ111に対向する)を通過した後に、反対側で捕集される。電子Eは、ソースブロック110に対して正電圧に保持されている電子トラップユニット140によってそのように収集される。電子ビームEは、イオン出口スリット115のすぐ後ろに位置するビーム軸に沿ってソースブロック110のチャンバを横断するので、領域Cにおいて電子Eと中性ソースガス分子Gとの衝突によって形成されるイオンIは、Y収束板(引出半板としても知られている)160によって生成された貫通する「引出(extraction)」電場によって、チャンバから効率的に引き出されることが可能である。引き出されたイオンビームIは、質量分析計内での以降の操作/使用のためにイオンビームIBをコリメートするべく板に形成されている、出力スリット170に向けられる。
イオン引出場は、ソースブロック110の内部のイオンリペラ板150の存在によって変更される。イオンリペラ板150は、通常、相対的に小さな電場勾配の領域Cにおいて電子ビームEの熱電子からの衝撃によってガスイオンIが形成されることを確実にするために、負電位において動作する。イオン化電子ビームEは、随意で、必要とされる電子ビーム軸に平行な200ガウス超の場を生成する2つのコリメーティング磁石(図示せず)の存在によって、フィラメントコイル120と電子トラップ140との間のその通過が束縛されてよい。係る磁場は、さらに、ガス原子/分子との衝突の確率及びそのイオン化を増加させる電子の経路長を増加させるのに役立つ。イオン化領域Bから引き出されるイオンは、Y-収束板160の間を通過して、形成スリット170(ソーススリットとしても知られる)の領域における収束点まで運ばれる。形成される像は、通常、スリット170の幅よりも小さい。これにより、ソース磁石からの磁場の存在に起因するソースにおける質量分別が減少する。
そうしたソースを採用する静的ガス質量分析計の詳細例は、特許文献1(エー・オー・シー ニーア(A.O.C Nier))と、さらに、非特許文献1において、その中の図2に関して説明される。
それゆえに、要するに、通常の動作条件において、そうしたニーア型ソースは、ソースブロックに対して負電圧(A)に保持された電子源(カソード)を採用する。係る電圧の大きさは、試料ガスの原子または分子のイオン化を引き起こすのに十分高い必要がある。すなわち、電子エネルギーは、電圧による電子の加速に起因して、試料ガスの原子または分子のイオン化を引き起こすのに十分高い必要がある。これにより、電子流(青色領域)がソースブロックを横断して、トラップ板上で測定される。イオン化は、電子ビームの青色領域に沿った任意の点において起こることが可能である。イオン化が引出領域Cにおいて起こる場合、次いでそれらのイオンは、ソースブロックの外に、例えば質量分離装置を介して検出器に向かって加速される。
分圧が平衡化すると、検出されたイオンビーム信号は、ガス試料のイオン化に起因して安定化し、この時にデータが収集され得る。ガス試料のイオン化、続くソースブロックからのイオンの引出、及び質量分析器(mass analyser)の中へ向かうイオンの加速のプロセスは、検出されたイオンビーム信号の強度が時間と共に減少するように、これらのイオンの一部が注入されるとともに「消費される」という望ましくない効果も有する。係るプロセスは、また、ガス試料の質量分別も行うので、典型的には、ガス試料がこれらの望ましくない質量分別効果に最初に暴露された「時間ゼロ」又はtにおける対象の同位体の分圧についての情報を提供するように、データを補正する必要がある。
図2Aは、「時間ゼロ」又はt(すなわち、係る例における時間=0秒)からの対象の同位体についての検出されたイオンビーム信号の強度を示す。強度は、最初に試料ガスがソースブロックに入る時にピークまで増加して、次いで平衡化中のソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間(約60秒)中に減少して、次いでソースブロックにおいて平衡に達しているガス試料に対応する安定に達するまで、よりゆっくりと減少する。試料ガスの分圧が均衡状態に達する時、すなわち対象種の全てが真空チャンバ全体にわたって一様に分配されて、特にソースブロックにおける濃度が一定に達する時に、平衡に達する。イオン源自体は、同位体の質量分別を引き起こして、それゆえに時間と共に同位体比の変化を引き起こす。空間電荷効果及びより重い同位体と比較してより軽い同位体のキネティクスが異なることにより、僅かに異なる通過確率及びイオン化確率が生じる。様々な同位体の優先的なイオン化によって、ガス試料の同位体組成が経時的に変化して、したがって、測定される同位体比が経時的に変化する。ガス試料の真の同位体組成を計算するためには、試料導入時における同位体比を計算することが重要である。
図2Bは、第1の期間からのデータを棄却した後の、対象の同位体についての検出されたイオンビーム信号の強度を示す。特に、データを利用するために、データの初期部分は棄却されて、残りのデータの回帰(平衡に達した時の点において開始する)が、未分別試料を定量化する「時間ゼロ」又はtに戻って外挿される。しかしながら、そうした外挿は、回帰における不確実性を増加させ、それによって対象の同位体を定量化する際の誤差に悪影響を及ぼし、例えば同位体比計算の精度を低下させる。係る例において、外挿された切片精度0.92%。
それゆえに、静的ガス質量分析を改善する必要がある。
米国特許第2490278号明細書
Alfred O. Nier、「A Mass Spectrometer for Isotope and Gas Analysis」、Review of Scientific Instruments、1947年6月、16巻、6号、p.398
本発明の1つの目的は、とりわけ、本明細書で特定されようと他の場所で特定されようと、従来技術の欠点のうちの少なくともいくつかを少なくとも部分的に除去または軽減する静的ガス質量分析計のためのイオン源を提供することである。例えば、本発明の実施形態の目的は、同位体測定の改善された正確度及び/又は精度を提供する静的ガス質量分析計のためのイオン源を提供することである。
第1の態様によって、静的ガス質量分析計のためのイオン源であって、
試料ガスを受け取るための空間を形成するソースブロックと、
前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源であって、前記試料ガスのイオン化のために前記ソースブロックに電子のフラックスを提供するように構成されている電子源と、
第1の電極を含む一組の電極であって、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極と、
前記第1の電極に対し印加される電圧を制御して、前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させるとともに、前記第1の期間に続く第2の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にするように構成されている制御器と、を備えるイオン源が提供される。
第2の態様によって、前記第1の態様に従ったイオン源を備える静的ガス質量分析計が提供される。
第3の態様によって、静的ガス質量分析計のイオン源を制御する方法であって、
ソースブロックによって形成されている空間によって、試料ガスを受け取る工程と、
前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源によって、前記ソースブロックに電子のフラックスを提供し、前記試料ガスをイオン化する工程と、
制御器によって、第1の電極を含み、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極に対し印加される電圧を制御する、制御工程と、を備え、前記制御工程は、
前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させる工程と、
前記第1の期間に続く第2の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にする工程と、を含む、方法が提供される。
第4の態様によって、静的ガス質量分析計の制御方法であって、
前記第3の態様に従った前記イオン源を制御する工程と、
前記第1の期間に続く前記第2の期間中に、前記試料ガスからの前記イオンを検出する工程と、を備える方法が提供される。
第5の態様によって、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行される時、前記コンピュータに前記第3の態様及び/又は前記第4の態様に従った方法を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
本発明に従って、添付の特許請求の範囲において明記されているように、静的ガス質量分析計のためのイオン源が提供される。さらに、静的ガス質量分析計と、静的ガス質量分析計のイオン源を制御する方法と、静的ガス質量分析計を制御する方法と、非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項と、続く説明から明白になり得る。
イオン源
第1の態様によって、静的ガス質量分析計のためのイオン源であって、
試料ガスを受け取るための空間を形成するソースブロックと、
前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源であって、前記試料ガスのイオン化のために前記ソースブロックに電子のフラックスを提供するように構成されている電子源と、
第1の電極を含む一組の電極であって、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極と、
前記第1の電極に対し印加される電圧を制御して、前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させるとともに、前記第1の期間に続く第2の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にするように構成されている制御器と、を備えるイオン源が提供される。
係るやり方において、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中に、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックス(すなわち、電子流)を減衰させることによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中の試料ガスのイオン化率が、減衰なしと比較して、対応して小さくなる。ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中の、試料ガスのイオン化率が小さくなることによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中の、試料ガスの消費率及び/又は質量分別率が、それに応じて小さくなる。係るやり方において、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中の、その平衡化中の試料ガスの消費及び/又は質量分別に起因する悪影響が減少して、それにより対象の同位体の定量化における誤差が低減して、例えば同位体比計算の精度が改善される。
換言すると、本発明は、ソースブロックの中へ向かう電子流を、例えばゼロまで、質量分析計における試料ガスの初期平衡化時間中に減少させることを含む。減少した電子流は、試料ガスが初期試料平衡化段階中にイオン化されないことを低減するか、又は確実にする。初期平衡化段階が完了すると、電子流が増加するので、試料ガスがイオン化される。すなわち、ソースブロックの中へ向かう電子フラックスは、試料ガスの平衡化中に妨げられて、続いて、ソースブロックの中へ向かう電子フラックスは、平衡化されたガスの分析のために戻される。
電子のエネルギーが減少するのではなく、電子のフラックスが減衰することが理解されるものである。すなわち、電子エネルギーは、試料ガスの原子または分子のイオン化を引き起こすために十分高く維持されるが、電子流は、試料ガスのイオン化率を小さくするために十分低い。試料ガスの原子または分子のイオン化を引き起こさないように、電子のエネルギーの変調は、電子の加速電圧を低下させる必要があり得、その電子の加速電圧の低下は、次いで、電子源のフィラメント温度の変化をもたらし得る。より詳細には、電子エネルギーの変化は、フィラメントに対する温度変化効果を有し得る。電子エネルギーが、例えば第1の期間中に減少する場合、フィラメントから離れる電子の加速度が減少して、フィラメント温度が上昇し得る。フィラメント温度の上昇によって、電子放出が増加し、それゆえに電子のフラックスが増加し得る。例えば第2の期間中に電子エネルギーが続いて増加する場合、第1の期間中の加熱から生じるフィラメント温度の上昇は、十分に高いエネルギーを有する電子の電子流の増加を生じ、したがって、試料ガスのイオン化率の増加を生じ得る。しかしながら、フィラメント温度が続いて下がる時、第2の期間中にフィラメントから離れる電子の増加した加速度に起因して、電子流が低下して、それゆえに、さらに、試料ガスのイオン化率も低下する。すなわち、試料ガスのイオン化率は、電子のエネルギーの変調から生じるフィラメント温度の変化に影響されやすい。フィラメント温度の係る変化を補うために、フィラメント加熱電流は、フィラメント温度、したがってイオン源温度をほぼ一定に維持するように調整されてよい。それゆえに、電子のエネルギーの変調は、第1の期間及び第2の期間中にフィラメント温度をほぼ同じに保つように、フィラメント加熱電流の調整を必要として、それによって複雑さが増すと同時に、フィラメントの加熱又は冷却が定量化の正確度及び/又は精度に悪影響を及ぼし得る。
イオン源
第1の態様によって、イオン源が提供される。一例では、イオン源は、ニーア(Nier)型、バーナス(Bernas)型、ニールセン(Nielsen)型、フリーマン(Freeman)型、又はカスプ(Cusp)型ソース、又はそれらのハイブリッド(例えば、ニーア-バーナス型ソース)を含む、及び/又はそれらである。1つの好ましい例では、イオン源は、ニーア型ソースを含む、及び/又はニーア型ソースである。一般的に、ニーア型ソースは、イオンビームの経路に垂直な電子のフラックスを生成することによって、試料ガスの原子または分子をイオン化する。ソースブロックは、高電圧(典型的には、3000-5000V)に保持されている。
静的ガス質量分析計
イオン源は、静的ガス質量分析計に適当であることを理解されるものである。より一般的に、イオン源は、質量分析計、発光分光分析装置、粒子加速器、イオン注入器、及び/又はイオンエンジンに適当であってよい。
ソースブロック
イオン源は、試料ガスを受け取るための空間を形成するソースブロック(ガス源チャンバ、イオン化チャンバ、又はイオンボックスとしても知られている)を備える。ソースブロックは、既知である。
一例では、ソースブロックは、電子フラックスのために、その壁に提供される電子入口アパーチャ又は通路と、随意で、その対向する壁に提供される電子出口アパーチャ又は通路とを備える。
一例では、ソースブロックは、例えば電子入口アパーチャ及び/又は電子出口アパーチャに対して横方向の壁において提供される、イオン出口アパーチャ又はスリットを備える。
一例では、ソースブロックは、相対的に小さな電場勾配の領域において、電子フラックスの衝撃によってイオンが形成されることを確実にするために、典型的には、負電位において動作するイオンリペラ板を備える。
トラップ
一例では、イオン源は、例えばソースブロックの壁に提供される電子出口アパーチャ又は通路を介して、ソースブロックを出る電子フラックスの捕集のためのトラップ(電子トラップとしても知られている)を備える。
一例では、制御器は、トラップによって受け取られる電子フラックス又はトラップ電流に従って電子源を制御して、例えば電子源のフィードバックまたは閉ループ制御によって電子フラックスを安定化させるように構成されている。電子フラックスを安定化させることは、電子放出の安定領域において電子源を動作して、電子源の温度に応じて決まるような実質的な電子フラックスを提供することに関することが理解されるものである。
引出半板
一例では、イオン源は、例えばソースブロックのイオン出口アパーチャを介して、イオンをソースブロックの空間から引き出すためのY収束板(引出半板としても知られている)を備える。
コリメーティング磁石
一例では、イオン源は、電子フラックスの経路を束縛するためのコリメーティング磁石を備える。
ソーススリット
一例では、イオン源は、形成スリット(ソーススリットとしても知られている)を備える。
試料ガス
一例では、試料ガスは、有意な平衡化時間を有する希ガス(例えば、He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn、好ましくはAr,Kr,Xe)を含む、及び/又はその希ガスである。
電子源
イオン源は、ソースブロックと流体連通状態にあり、試料ガスのイオン化のために電子のフラックスをそこに(すなわち、ソースブロックに、特にその空間に)提供するように構成されている電子源を備える。
すなわち、試料ガスの原子または分子のイオン化は、電子ビームの衝撃による。電子のフラックスは、トラップ電流として知られていてよい。
一例では、電子源は、熱電子エミッタを備える、及び/又は熱電子エミッタである。典型的には、電子は、カソード(すなわち、熱電子エミッタ)からの熱電子放出によって生成されて、ガス分子を含む空間を通じて加速され、加速された電子と、試料ガスの原子または分子との間の衝突が、その一部をイオン化する。
一例では、熱電子エミッタは、カソードを提供するタングステンフィラメント(例えば、リボン又はコイル状ワイヤ)を備え、それを通じて電気加熱電流を流すことによって、電子がその電子エミッタ表面から放出される。
一例では、電子源は、熱電子エミッタ表面を与える電子エミッタカソードと、電子エミッタカソードから電気的に絶縁されており、その電流によって加熱されるように配置されるとともに、前記電子エミッタ表面から熱電子的に電子を解放するのに十分な熱を電子エミッタカソードに放射するように配置されるヒーター要素とを備える。係るやり方において、電子エミッタ表面に電気加熱電流を流す必要はない。代わりに、電気加熱電流は、放射された熱エネルギーを吸収して間接的に加熱されるべく加熱要素に隣接して配置されている電子エミッタカソードに対して、電磁的に熱を放射するのに十分な温度(例えば、白熱を発する高温)まで加熱される別々の加熱要素を通過する。直接電気的に加熱される電子エミッタコイルにわたって電圧を印加する必要性を除外することによって、それに対して印加される電位勾配と、放出される電子エネルギーの結果として生じる変動とに関連する問題が回避される。これにより、例えばタングステンフィラメントと比較して、イオン源内のイオン化確率に影響を及ぼす条件をより大きく制御し得るより均一な電子エネルギーが提供される。
電子源の電気加熱態様及び電子放出態様の分離によって、電気的な加熱に適し得ない熱電子放出のためのより最適な材料の使用が可能になる。実際は、電子放出は、同等の動作寿命にわたって動作する既存の電気的に加熱される電子源からの電子放出率と比較して、5~10倍まで増加することが見出されている。ゆえに、既存の電気的に加熱される電子源からの電子放出率を増加させることは可能であるが、多大なコストは、電気的に加熱される電子源が非常に急速に「燃え尽き(burn out)」得ることである。それは、次いで質量分析計内の取替を必要として、分析計が開けられる(真空が失われる)ことを要求し、数か月の休止時間を潜在的に引き起こし得る。本発明によれば、既存のシステムと比較して、相当に低い動作温度において高い電子放出率が達成可能であることが見出されている。低下した温度により、使用中の質量分析計の真空内の炭化水素揮発性物質の存在が減少するので、これは、重要な実際的な結果を有する。例えば、ガスチャンバの中へ向かう、又はそれを横断する電子の流量は、第2の期間中に、500pAを超えるか、好ましくは750pAを超えるか、さらに好ましくは1mAを超えるか、又はその上さらに好ましくは2mAを超えてよい。例えば、電子流量は、第2の期間中に、500pA~1mAの間であるか、又は1mA~20mAの間であるか、又は下記に説明されるようなものであってよい。これらの電子流量は、電子エミッタカソードの温度が、好ましくは2000℃未満であるか、さらに好ましくは1500℃未満であるか、その上さらに好ましくは1250℃未満であるか、又はさらに一層好ましくは750℃~1000℃の間等の1000℃未満であるときに、達成可能であってよい。例えば、ガス源質量分析計は、電子エミッタカソードがヒーター要素によって2000℃以下の温度まで加熱されることに応答して50pA以上の電流としてガス源チャンバを横切る電子を、電子エミッタカソードから受け取るように動作可能な電子トラップを備えてよい。
一例では、電子エミッタカソードは、酸化物カソード、Iカソード、又はBaディスペンサーカソードから選択される。一例では、電子エミッタカソードは、電子エミッタ表面を与える熱電子放出性の材料のコーティングを担持する基部を備える。電子エミッタカソードがコーティングを担持する基部を備えるとき、コーティングは、アルカリ土類酸化物、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)から選択された材料を含んでよい。所与の温度における、電子エミッタ表面の仕事関数は、コーティングの存在によって減少してよい。例えば、コーティング材料は、1000℃以下の温度において1.9eV未満の仕事関数を提供してよい。どんなコーティングも使用されない時、電子エミッタ表面の仕事関数は、1000℃以下の温度において、1.9eVより大きくてよい。多くの他のタイプの可能なエミッタ材料(例えば、タングステン(W)、酸化イットリウム(例えば、Y)、タンタル(Ta)、ランタン/ホウ素化合物(例えば、LaB))が利用可能である。
一例では、基部は、タングステンまたはニッケルを含む。一例では、基部は、コーティングをヒーター要素から分離する金属材料を含む。
酸化物電極は、一般に、生成するのがより安価である。それらは、例えば炭酸-(Ba,Sr,Ca)粒子又は炭酸-(Ba,Sr)粒子を含むスプレーコーティングをニッケルカソード基部上に含んでよい。これにより、約75%のポロシティを有する比較的多孔質の構造が生じる。スプレーコーティングは、希土類酸化物(例えば、ユーロピア又はイットリア)等のドーパントを含んでよい。これらの酸化物カソードは、優良な性能を提供する。しかしながら、大気にさらされること(例えば、質量分析計が開かれたとき)により堅牢な他のタイプのカソードが採用されてもよい。
いわゆる「Iカソード」又は「Baディスペンサー」は、例えば、約20%のポロシティを有し、バリウム化合物で含侵された多孔質タングステンから成るカソード基部を有してよい。基部は、酸化バリウム(BaO)を含む化合物で含侵されたタングステンを含んでよい。例えば、タングステンは、4BaO.CaO.Al又は他の適当な材料で含侵されてよい。
一例では、電子源は、ヒーター要素を取り囲むスリーブを備え、電子エミッタ表面が、スリーブの基部又は端部に存在する。
一例では、ヒーター要素は、金属酸化物材料を含むコーティングで覆われた金属フィラメントを備える。
ヒーター要素の所与の温度についての電子エミッタカソードからの電子の放出率の改善に起因して、電気的に加熱される電子エミッタサービス/材料を採用する既存の電子エミッタシステムと比較して、より低い入力電力レベルにおいて十二分な電子放出率が達成されることが可能であることが見出されている。例えば、電子エミッタカソードは、ヒーター要素への電力入力が5Wを超えない時、ヒーター要素によって2000℃以下の温度まで加熱されるように動作可能であってよい。入力電力が、好ましくは4Wを超えないか、さらに好ましくは3Wを超えないか、その上さらに好ましくは2Wを超えないか、又はさらに一層好ましくは1Wを超えない。ヒーター要素への電力入力は、約0.5W~約1Wの間であってよい。これらのより低い電力入力定格によって、電子源が、より低いカソード劣化率に起因して、より長持ちすることが可能になり、より低い温度における動作が可能になり、不随する利点の全てがそれから生まれる。より低いカソード劣化率によって、電子源のコンシステンシーを改善する、電子出力の改善した一様性が提供される。例えば、電気的に加熱される既存の電子エミッタカソードの相対的に高い劣化率によって、一貫しないカソード性能及び機械的不安定性が生じる。なぜなら、カソードが使用中に材料を物理的に失い(「燃え尽き(burns out)」)、それにより、特に加熱されることに応答して、しばしばその形状が次第に変化して、それは電子出力性能を変化させる効果を有するからである。これらの問題は、本発明によれば、著しく低減される。
一例では、電子源は、通常、約100nmの先端半径まで鋭利化された単結晶タングステン製の冷カソード型等の電界放出銃(FEG)若しくはショットキー(Schottky)型を備える、及び/又はそれらである。FEGは、さらに冷電界電子エミッタとしても知られており、ヒーターなしで自由電子を生成するために大きな電界勾配を使用する。FEGは、熱電子エミッタの温度を安定化させる必要性を除去する。
ガス源チャンバは、コリメータ磁石を使用することなく電子トラップに向けられる電子ビームをガス源チャンバ内に形成するように形状が決定されている電子入力開口部において、電子エミッタカソードからの電子を受け取るように配置されていてよい。
これは、本発明に従って達成可能な著しくより高い電子流量によるものである。電子ビーム強度(すなわち、ビームに対して横方向の単位面積当たりの流量)を増加させるためにコリメータ磁石を使用するコリメーションは、もはや必要ないことが見出されているが、本発明の実施形態は、所望される場合、コリメータ磁石を備えてよい。十二分な電子ビーム強度は、本発明に従って、向上された電子流量により達成可能である。
一例では、電子源は、ソースブロックの壁に提供されているアパーチャ又は通路を介してソースブロックと流体連通状態にある。
電極
イオン源は、電子源とソースブロックとの間に配置されている第1の電極を備える。
一例では、第1の電極は、例えば第1の期間中に、ソースブロックに向かう電子を減速させること、及び/又はソースブロックから電子を斥けることを行うように構成されているカソードを備える、及び/又はそのカソードである。すなわち、第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させるために、カソードは電子のエネルギーを減少させる、及び/又は電子を斥ける。一例では、カソードは、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスに対して軸方向に配置されて、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを妨げるように配置されている(すなわち、電子のフラックスの経路において、ゆえに、第2の期間中にそこを通じて電子を通過させるように穿孔されている)。例えば、カソードは、下記に説明されるように、グリッドを備えてよい。一例では、カソードは、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスに関する軸から離れて配置されており、電子のフラックスをソースブロックから離れるように偏向させるように配置されている(すなわち、電子のフラックスの経路においてではなく、横方向のリペラとして機能する)。
一例では、第1の電極は、下記に説明されるように、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを妨げるように構成されているグリッドを備える、及び/又はそのグリッドである。特に、グリッドを使用することによって、電子のフラックスは、電子源の熱電子エミッタの温度に依存しない。ゆえに、その温度の変化は、例えば第1の期間又は第2の期間中、電子のフラックスに影響を及ぼさない。
一例では、第1の電極は、1つ以上の電子引出グリッドを備え、及び/又は1つ以上の電子引出グリッドであり、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の電極に負電圧を印加することによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させるとともに、第1の電極に正電圧を印加することによって、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている。すなわち、第1の期間中、第1の電極は、ソースブロックから電子を斥けるカソードとして機能する一方、第2の期間中、第1の電極は、ソースブロックに向かう及び/又はソースブロックを通る電子を加速するアノードとして機能する。1つ以上のグリッドは、電子源からの電子に対して透過性を有し、例えば、好ましくは網状にされている、又は多孔性である等、1つ以上のグリッドに引き付けられている電子によって、電子源に面するグリッドの側面からソースブロックに面するグリッドの側面に通過することが可能になるように、電子源と連通状態にあるように配置されている貫通穴が提供されていることが理解されるものである。
一例では、第1の電極は、例えば第1の期間中又は第2の期間中に、ソースブロックに向かう電子を加速させること、及び/又はソースブロックに向かう電子を引き付けることを行うように構成されているアノードを備える、及び/又はそのアノードである。すなわち、アノードは、ソースブロックから離れるように電子を引き付ける。一例では、アノードは、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスに関する軸から離れて配置されており、電子のフラックスをソースブロックから離れるように引き付けるように配置されている。
一例では、第1の電極は、電子のフラックスをソースブロックから離れるように偏向させるように構成されている偏向器を備える、及び/又はその偏向器である。係るやり方において、イオン源によって放出される電子のフラックスは、第1の期間及び第2の期間中一定であり得る一方で、前者の間、偏向されて、それによって、電子源の一定な(すなわち、安定した)状態が維持される。係るやり方において、フィラメント温度は一定に維持されるか、又は前述したように、例えば電子エネルギーを変化させることと比較して、相対的により一定に維持される。特に、イオン源条件は、例えば測定された同位体比の歪みを回避するために、好ましくは経時的に安定に維持される。例えば、試料測定中のフィラメント温度の変化は、制御されていない同位体分別をもたらして、測定の正確度及び精度に影響を及ぼし得る。測定中のフィラメント電流の変化は、イオン化空間内部の空間電荷条件に影響を及ぼして、ゆえにイオン源の質量弁別に影響を及ぼす場合がある。
制御器
イオン源は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させるとともに、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている制御器を備える。
一例では、第1の期間中のソースブロックにおける減衰した電子のフラックス(トラップ電流としても知られている)は、1nA~50pAの範囲であり、好ましくは10nA~10pAの範囲であり、さらに好ましくは50nA~5pAの範囲であり、最も好ましくは0.1pA~1pAの範囲である。
一例では、第2の期間中のソースブロックにおける電子のフラックス(トラップ電流としても知られている)は、50pA~20mAの範囲であり、好ましくは500pA~15mAの範囲であり、さらに好ましくは1mA~10mAの範囲であり、最も好ましくは2mA~7.5mAの範囲である。一例では、第2の期間中のソースブロックにおける電子のフラックスは、1mA~20mAの範囲であり、好ましくは2mA~17.5mAの範囲であり、さらに好ましくは2.5mA~15mAの範囲であり、最も好ましくは5mA~10mAの範囲である。
一例では、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを完全に減衰する(すなわち、妨げる)ように構成されている。
一例では、制御器は、電子源によって提供される電子のフラックスを制御するように構成されている。すなわち、制御器は、電子流を制御するように構成されていてよい。
一例では、制御器は、例えば下記に説明されるように、第1の期間を決定するように構成されている。
一例では、第1の期間はあらかじめ決定されている。例えば、テスト試料は、平衡化時間、及びそれゆえに「空白化期間(blanking period)」を確立するために使用されてよく、そしてそれは、続く試料のための第1の期間として制御器によって使用される。
一例では、第1の期間は、例えば制御器によって、計算される。静的ガス質量分析計の条件は既知であり、第1の期間は、試料ガス及び静的ガス質量分析計の真空外囲器の特性に基づいて、制御器によって計算されてよい。
一例では、第1の期間は、間欠的なサンプリングによって、例えば第1の期間中に間欠的に(例えば、定期的に)ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように、第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを選択的に減衰させることによって、測定される。例えば、第1の電極によって調整された電子ビームの高速動作は、10秒ごとに100msだけオンに切り替えられることが可能であり、従来の動作と比較して、試料ガスのうちの形式的には1%のみを消費する間に間欠的なサンプリングを提供する。係るやり方において、第1の期間は、計算された又はあらかじめ決定された第1の期間を使用することなく、特定のガス試料について、例えば動的に決定されてよい。
一例では、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを選択的に減衰させるように構成されている。係るやり方において、減衰の程度及び/又は減衰のデューティサイクルは、制御されてよい。
一例では、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の期間中に、例えば間欠的にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている。係るやり方において、イオンは、例えば第1の期間を測定するために、間欠的に検出されてよい。
一例では、第1の期間中のソースブロックの中へ向かう電子のフラックスの、第2の期間中のソースブロックの中へ向かう電子のフラックスに対する比は、多くとも1:10、好ましくは多くとも1:25、より好ましくは多くとも1:50、さらに一層好ましくは多くとも1:100、最も好ましくは多くとも1:1,000である。例えば、電子のフラックスは、1秒当たり100ms(すなわち、1:10)、1分当たり15秒(すなわち、1:25)、100ms当たり2ms(すなわち、1:50)、10秒当たり100ms(すなわち、1:100)、又は10秒当たり10ms(すなわち、1:1,000)オンに切り替えられてよい。係るやり方において、イオンは、試料ガスの消費が減少する間に、間欠的に検出されてよい。
電子源温度
一例では、電子源は、熱電子エミッタを備え、及び/又は熱電子エミッタであり、制御器は、熱電子エミッタの温度を制御するように構成されている。
一例では、パイロメータ等の温度モニタは、熱電子エミッタ、例えばその熱電子放出源の温度を測定するとともに、終始(すなわち、第1の期間及び第2の期間中)ほぼ一定な温度を維持するために、フィードバック信号を制御器に提供して、加熱電流を制御する(例えば、制御器を介して)ように構成されている。
一例では、熱電子エミッタの温度変化、例えば熱電子エミッタの温度上昇は、あらかじめ決定されており、制御器は、第1の期間中に対応する(例えば、キャリブレーションされた)量だけ加熱電流を制御すること(例えば、低減すること)と、第2の期間中に加熱電流を戻すこととによって、温度変化を補うように構成されている。例えば、電子のフラックスの減衰が、熱電子エミッタの温度の相当な上昇を引き起こす場合、加熱電流は、平衡化中に少ない割合で低減してよく、電子が必要とされる数秒前に通常のレベルまで戻る。極端に言えば、これはフィラメントを完全にオフにすることを意味することが可能であり、カソードは比較的小さい質量を有するので、(例えば)時間ゼロの5秒前に再度オンにされることが可能であり、それが未だ安定化している場合であっても、グリッドは、電子流を急速に確立して安定化させ得る。
一例では、電子エミッタは、第1の期間中に少なくとも最初にオフにされる。一例では、電子エミッタは、第1の期間中に、第2の期間の開始の前のあらかじめ決定されている時間においてオンにされる。例えば、フィラメントが、例えば温まるのにどれだけかかるかが知られている場合、フィラメントは、分析が始まる前の所定の時間に再度オンにされてよい。
電子エネルギー
一例では、制御器は、電子源によって提供される電子のエネルギーを制御するように構成されている。係るやり方において、電子のエネルギーは、ガス試料の原子または分子のイオン化ポテンシャルに従って制御されてよい。例えば、電子のエネルギーは、ガス試料の原子または分子のイオン化ポテンシャル以上であるように制御されてよく、それによりそのイオン化を引き起こす。反対に、電子のエネルギーは、イオン化が起こらないように、ガス試料の原子または分子のイオン化ポテンシャルより下であるように制御されてよい。参考のために、希ガスのイオン化ポテンシャルは、He(24.6eV),Ne(21.6eV),Ar(15.8eV),Kr(14eV)、及びXe(12.1eV)である。一例では、電子のエネルギーは、10eV以上、好ましくは20eV以上、さらに好ましくは30eV以上、最も好ましくは40eV以上、試料ガスのイオン化ポテンシャルよりも大きい。
一例では、第1の電極は、1つ以上の電子引出グリッドを備え、及び/又は1つ以上の電子引出グリッドであり、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の電極に負電圧を印加することによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させるとともに、第1の電極に正電圧を印加することによって、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている。すなわち、第1の期間中、第1の電極は、ソースブロックから電子を斥けるカソードとして機能する一方、第2の期間中、第1の電極は、ソースブロックに向かう及び/又はソースブロックを通る電子を加速するアノードとして機能する。1つ以上のグリッドは、電子源からの電子に対して透過性を有し、例えば、好ましくは網状にされている、又は多孔性である等、1つ以上のグリッドに引き付けられている電子によって、電子源に面するグリッドの側面からソースブロックに面するグリッドの側面に通過することが可能になるように、電子源と連通状態にあるように配置されている貫通穴が提供されていることが理解されるものである。
一例では、一組の電極は、電子源とソースブロックとの間に配置されている、例えば第1の電極とソースブロックとの間に、第1の電極と連なって配置されている(すなわち、イオン光学的に整列されている)第2の電極、例えばアノードを含む。一例では、制御器は、電子源から放出される電子をソースブロックに向かう方向において加速するために、変動可能な電位を第2の電極に印加するように構成されている。係るやり方において、電子エネルギーは、制御されてよく、及び/又は第1の電極を通過する電子は、場合によってはソースブロックに向かって加速されてよく、第1の電極は、1つ以上の電子引出グリッドを備える、及び/又は1つ以上の電子引出グリッドである。
一例では、制御器は、一組の電極、例えば第1の電極及び/又は第2の電極に対し印加される(複数の)加速電圧を制御することによって、第2の期間中のソースブロックへの入力のために熱電子のエネルギーを制御するように構成されている。
電子収束
一例では、一組の電極は、電子源とソースブロックとの間に、第1の電極及び/又は第2の電極と連なって配置されている第3の電極、例えば1つ以上の電子収束電極を備える。一例では、第3の電極は、電子源からの電子をソースブロックの中にアパーチャを介して収束するように配置されている、例えばアインツェルレンズ(Einzel lens)、又は他のイオン光学レンズ配置を備える、及び/又はそれらである。
第1の期間
第1の期間は、前述されるように、平衡化時間に対応することが理解されるものである。第1の期間は、ソースブロックにおける試料ガスの受取と共に始まり、ソースブロックにおける試料ガスの平衡化と共に終わる。
第1の期間は、好ましくは質量分析計において試料ガスの同位体が平衡化する(すなわち、平衡に達する)ことを可能にする期間である。平衡化は、質量分析計の真空スペース内の試料ガス同位体の空間的な(幾何学的な)平衡化を表す。平衡化時間は、ガスのタイプに依存して、特にその粘度に起因して、より重いガスは、より軽いガスよりもより高い粘度を有し、その結果、より長い平衡化時間を有する傾向がある。
第2の期間
当業者によって理解されるように、第2の期間が分析時間に対応することは、理解されるものである。第2の期間は、第1の期間の終了と共に始まる。
静的ガス質量分析計
第2の態様によって、第1の態様に従ったイオン源を備える静的ガス質量分析計が提供される。
静的ガス質量分析計は、第1の態様に関して説明されるようなものであってよい。
イオン源の制御方法
第3の態様によって、第3の態様によって、静的ガス質量分析計のイオン源を制御する方法であって、
ソースブロックによって形成されている空間によって、試料ガスを受け取る、受取工程と、
前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源によって、前記ソースブロックに電子のフラックスを提供し、前記試料ガスをイオン化する工程と、
制御器によって、第1の電極を含み、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極に対し印加される電圧を制御する、制御工程と、を備え、前記制御工程は、
前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させる減衰工程と、
前記第1の期間に続く第2の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にする、許可工程と、を含む、方法が提供される。
イオン源、静的ガス質量分析計、該受取工程、空間、ソースブロック、試料ガス、電子源、電子のフラックス、該制御工程、制御器、電圧、一組の電極、第1の電極、該減衰工程、第1の期間、該許可工程、及び/又は第2の期間媒体は、第1の態様に関して説明された。
一例では、該方法は、
ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中に、ソースブロックにおいて試料ガスを平衡化する、平衡化工程を備える。
該平衡化工程は、第1の態様に関して説明されているものであってよい。
一例では、該方法は、
制御器によって第1の期間を決定する、決定工程を備える。
該決定工程は、第1の態様に関して説明されているものであってよい。
該方法は、必要な変更を加えて第1の態様に関して説明されるようなステップのいずれかを備えてよい。
静的ガス質量分析計の制御方法
第4の態様によって、静的ガス質量分析計の制御方法が提供される。該方法は、
第3の態様に従ったイオン源を制御する工程と、
第1の期間に続く第2の期間中に、試料ガスからイオンを検出する工程と、を備える。
一例では、該方法は、第2の期間中、例えば第2の期間中のみに、イオンを定量化する、例えば同位体比を計算する工程を備える。
該方法は、必要な変更を加えて第1の態様、第2の態様及び/又は第3の態様に関して説明されるようなステップのいずれかを備えてよい。
CRM
第5の態様によって、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行される時、コンピュータに第3の態様及び/又は第4の態様に従った方法を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
定義
本明細書全体を通して、用語「備えている(comprising)」又は「備える(comprises)」は、指定されている(複数の)構成要素を含むが、他の構成要素の存在を除外しないことを意味する。用語「~から実質的に成っている(consisting essentially of)」又は「~から実質的に成る(consists essentially of)」は、指定された構成要素を含むが、不純物として存在する材料と、プロセスの結果として存在する不可避の材料と、着色料等の本発明の技術的な効果を達成する以外の目的のために追加される構成要素と、等を除いた他の構成要素を除外することを意味する。
用語「~から成っている(consisting of)」又は「~から成る(consists of)」は、指定されている構成要素を含むが、他の構成要素を除外することを意味する。
適切な場合はいつでも、文脈に応じて、用語「備えている(comprising)」又は「備える(comprises)」は、さらに、「~から実質的に成っている(consisting essentially of)」又は「~から実質的に成る(consists essentially of)」の意味を含むように受け取られてよく、さらに、「~から成っている(consisting of)」又は「~から成る(consists of)」の意味を含むようにさらに受け取られてよい。
本明細書に説明される必須ではない特徴は、適切な場合に、個別に又は互いの組み合わせにおいて使用されてよく、特に添付の特許請求の範囲に説明されるような組み合わせにおいて使用されてもよい。本明細書に説明されているような、本発明の各態様又は実施形態例の必須ではない特徴は、適切な場合に、さらに、本発明の他の全ての態様又は実施形態例にも適用可能である。言い換えれば、本明細書を読んでいる当業者は、本発明の各態様又は実施形態例の必須でない特徴を様々な態様と実施形態例との間で交換可能で、結合可能であると考えるものである。
本発明のより良い理解のために、及びどのように本発明の実施例が実施されるかを示すために、単なる例として、添付の概略図が参照され得る。
使用中の、従来のイオン源を概略的に描写する図。 「時間ゼロ」又はtからの対象の同位体についての検出されたイオンビーム信号の強度を示す図。 第1の期間からのデータを棄却した後の、対象の同位体についての検出されたイオンビーム信号の強度を示す図。 使用中の、一実施形態例に従ったイオン源を概略的に描写する図。 使用中の、イオン源を概略的に描写する図。 「時間ゼロ」又はtからの対象の同位体についての検出されたイオンビーム信号の強度を示す図。 一実施形態例に従った、イオン源のための電子源を概略的に描写する図。 一実施形態例に従った、イオン源のための電子源を概略的に描写する図。 一実施形態例に従った、イオン源を概略的に描写する図。 一実施形態例に従った、方法を概略的に描写する図。 一実施形態例に従った、方法を概略的に描写する図。
図3Aは、一例の実施形態に従った、使用中、特に第1の期間中のイオン源30を概略的に描写する。図3Bは、使用中、特に第2の期間中のイオン源30を概略的に描写する。
イオン源30は、静的ガス質量分析計用である。イオン源30は、
試料ガスGを受け取るための空間Vを形成するソースブロック310と、
ソースブロック310と流体連通状態にある電子源320であって、試料ガスGのイオン化のためにソースブロック310に電子のフラックスEを提供するように構成されている電子源320と、
第1の電極330Aを含む一組の電極330であって、電子源320とソースブロック310との間に配置されている一組の電極330と、
第1の電極330Aに対し印加される電圧を制御して、ソースブロック310における試料ガスGの受取に続く第1の期間中にソースブロック310の中へ向かう電子のフラックスEを減衰させるとともに、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロック310の中へ向かう電子のフラックスEを可能にするように構成されている制御器(図示せず)と、を備える。
すなわち、図1に関して説明されるような従来のイオン源10と対照的に、一実施形態例に従ったイオン源は、第1の電極330Aを含む一組の電極330であって、電子源320とソースブロック310との間に配置されている一組の電極330と、第1の電極330Aに対し印加される電圧を制御して、ソースブロック310における試料ガスGの受取に続く第1の期間中にソースブロック310の中へ向かう電子のフラックスEを減衰させるとともに、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロック310の中へ向かう電子のフラックスEを可能にするように構成されている制御器と、をさらに備える。
典型的には、静的真空質量分析計は、一定なソース条件を有する。ゆえに、試料が質量分析計の中に入るとすぐに、次いでイオンの引出及びそれらの結果としての分別が生じる。
本発明は、平衡化期間中、一時的にイオン化を中止させて、次いで、イオン化(新しい「時間ゼロが定義される)及びデータ取得を同時に再開する。
ゆえに、入口平衡化期間中に試料の分別及び消費は生じない。さらに、データセットの回帰は、イオンの引出が再開された点(すなわち、平衡化の後)に戻って外挿されるだけでよい。
本発明は、グリッド電極(例えば、カソードとソースブロックとの間)の使用を組み入れ、その電圧は独立した供給によって制御される。通常動作では、係るグリッド電圧は、必要とされるトラップ電圧及びイオン化を提供するように調整されている。
しかしながら、引き出されたイオン及び平衡化期間中の試料分別を妨げるために、グリッドは、電子ビームを「オフにする(turn off)」ように使用されることが可能であり、ゆえに、引出領域C内でイオンが生成されない。
試料が平衡化されると、グリッド電圧は、通常動作状態(「時間ゼロ」)まで戻ることが可能であり、データ分析が直ちに始まることが可能である。
要するに、グリッド電極は、「タップ(tap)」として機能し、ソースの引出領域におけるイオンの形成を妨げることによって、平衡化プロセス中の試料の分別及び消費を中止させるように使用される。平衡化が生じると、次いで、グリッド電圧は、以前のようにイオン化を可能にするように戻され、同時に、データ取得が始まることが可能である。
係る例では、イオン源30は、ニーア型ソースである。
係る例では、ソースブロック310は、一般に、ソースブロック110に関して説明されるものである。同様の参照符号は、同様の特徴を示す。
係る例では、ソースブロック310は、電子フラックスのためにソースブロック310の壁312に提供されている電子入口アパーチャ311と、ソースブロック310の対向する壁314に提供されている電子出口アパーチャ313とを備える。係る例では、ソースブロック310は、電子入口アパーチャ311及び電子出口アパーチャ313に対して横方向の壁316に提供されているイオン出口アパーチャ315を備える。係る例では、ソースブロック310は、イオンリペラ板350を備える。係る例では、イオン源310は、ソースブロック310を出る電子フラックスを、ソースブロック310の壁314に提供されている電子出口アパーチャ313を介して収集するためのトラップ340を備える。係る例では、イオン源30は、例えばソースブロック310のイオン出口アパーチャ315を介して、ソースブロック310の空間Vからのイオンを引き出すためのY収束板360(引出半板としても知られている)を備える。係る例では、イオン源30は、形成スリット370(ソーススリットとしても知られている)を備える。
係る例では、電子源320は、熱電子エミッタを備える。係る例では、電子源320は、熱電子エミッタ表面を与える電子エミッタカソードと、電子エミッタカソードから電気的に絶縁されており、その電流によって加熱されるように配置されるとともに、前記電子エミッタ表面から熱電子的に電子を解放するのに十分な熱を電子エミッタカソードに放射するように配置されるヒーター要素とを備える。
係る例では、電子源320は、ソースブロック310の壁312に提供されているアパーチャ又は通路311を介してソースブロック310と流体連通状態にある。
係る例では、第1の電極330Aは、例えば第1の期間中に、ソースブロック310に向かう電子を減速させること、及び/又はソースブロック310から電子を斥けることを行うように構成されているカソードを備える、及び/又はそのカソードである。係る例では、カソード330Aは、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスに対して軸方向に配置されて、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを妨げるように配置されている。
係る例では、第1の電極330Aは、下記に説明されるように、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを妨げるように構成されているグリッドを備える、及び/又はそのグリッドである。
係る例では、第1の電極330Aは、1つ以上の電子引出グリッドを備える、及び/又は1つ以上の電子引出グリッドであり、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の電極に負電圧を印加することによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させるとともに、第1の電極に正電圧を印加することによって、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている。
係る例では、制御器は、第1の電極330Aに対し印加される電圧を制御して、第1の期間中のソースブロック310の中へ向かう電子のフラックスEを完全に減衰させる(すなわち、妨げる)ように構成されている。
係る例では、制御器は、例えば下記に説明されているように、第1の期間を決定するように構成されている。
係る例では、第1の期間は、間欠的なサンプリングによって、例えば第1の期間中に間欠的に(例えば、定期的に)ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように、第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを選択的に減衰させることによって、測定される。
図4は、対象の同位体についての、「時間ゼロ」又はt(すなわち、係る例において時間=0秒、第2の期間の開始に対応する)検出されたイオンビーム信号の強度を示す。係る例、外挿された切片精度は、図2Bの従来のイオン源についての0.92%に対して、0.65%である。
図5Aは、一実施形態例に従ったイオン源のための電子源520Aを概略的に描写する。電子源は、第1の電位を有する電流入力端子12と、第1の電位と異なる第2の電位を有する電流出力端子13とに電気的に接続された対向するそれぞれのワイヤ端を有するタングステン線フィラメントコイル11を備え、それにより、フィラメントコイル11を通して電流が流れる。フィラメントコイルの表面にその表面から電子を熱電子的に放出させるのに十分な温度までタングステンフィラメントコイルを加熱させる(例えば、白熱を発するまで)のに十分な電流が流れる。つまり、フィラメントコイルを通過する電流の電気加熱効果によって取得される熱エネルギーは、フィラメントコイルの表面仕事関数を超えるエネルギーを取得するためにフィラメントコイルに電子を与えるのに十分である。電子は、一般にフィラメントコイル11から全方向に放出されるが、好ましい方向(D)に放出されるこれらの電子は、ガス源質量分析計のガス源チャンバの中への入力のために選択されて、フィラメントコイル11は、フィラメントコイル11が隣接して位置づけられているソースブロック510Aの側壁に形成されている電子入力スリット511Aを介して連通状態にある。第1の電極(図示せず)を含む一組の電極(図示せず)は、電子源520Aとソースブロック510Aとの間に配置されている。
図5Bは、実施例に従ったイオン源のための電子源を概略的に描写する。
カソードフィラメント電子源520Bは、別々のヒーター要素24と、カソード表面26とを備える。電子源は、電子をソースブロックに提供するためにガス源質量分析計のソースブロックと連通状態にある熱電子エミッタ表面25を与える電子エミッタカソード(25,26)を備える。ヒーター要素24は、電子エミッタカソード(25,26)から電気的に絶縁されており、その電流によって加熱されるように配置されるとともに、電子エミッタ表面から熱電子的に電子を解放するのに十分な熱を電子エミッタカソードに放射するように配置される。これにより、ガス源チャンバガスのイオン化に使用するための電子のソースが提供される。係る配置の利益は、放出面がより一様な加速電位にさらされており、より狭い電子のエネルギー幅をもたらすことである。その結果、たいていの又は全ての熱電子が、加速電位内の同じ場所又は領域に存在して、それによりターゲットガスのイオン化に使用するために生成される熱電子の一様性が改善される。電気加熱電流は、電子エミッタ表面26を通過しない。代わりに、電気加熱電流は、電子エミッタカソード(25,26)に熱を電磁的に放射する(例えば、IR放射)のに十分な温度まで加熱される別々の加熱要素24を通過する。カソードは、放射された熱エネルギーを吸収して、それに応答して電子を熱電子的に放出する。電子ビームにおける、ガスチャンバにわたる電子の流量は、500pA以上を超えてよい。電子ビームにおける、ガスチャンバにわたる電子の流量は、0.5mA~10mAの間(例えば、1mA又は数mA)であってよい。これらの電子流量は、電子エミッタカソードの温度が2000℃未満(例えば、約1000℃)の時に、達成可能であってよい。電子エミッタカソード(26,25)は、ヒーター要素への電力入力が5W未満の時、ヒーター要素24によって2000℃までの温度まで加熱されることが可能である。ゆえに、典型的には、ヒーター要素24への電力入力は、約0.5W~約1Wの間であってよい。電子エミッタカソード(26,25)は、酸化物カソードである。他の実施形態では、Iカソード(Baディスペンサーカソードとしても知られている)が使用されてよい。それは、電子エミッタ表面を与える熱電子放出性の材料のコーティング26を担持するNi基部25を備える。コーティングは、炭酸-(Ba,Sr,Ca)粒子又は炭酸-(Ba,Sr)粒子をニッケルカソード基部上に含む。電子源20は、ヒーター要素24を囲むニクロムスリーブ23を備える。電子エミッタ表面26及び基部25は、スリーブの端に集合的に存在する。基部25は、スリーブのタット(tat)端を封入するキャップを形成する。スリーブは、ヒーター要素からの熱を基部25に向かって集中するのに役立ち、エミッタコーティング26に熱を伝導する。ヒーター要素は、アルミナコーティングで覆われたタングステンフィラメント21を備える。これにより、ヒーター要素内の加熱電流と、電子エミッタカソード((25,26)との間の電気的絶縁が提供される。係る電子源は、タングステンフィラメントと比較して、より低い温度においてより大きな電子放出を提供する。典型的な動作は、105mAにおいて6.3Vを必要とし、約0.6Wの電力である。カソード上の局所温度は、次いで、約1000℃である。これにより、約1mAの電子トラップ電流と、電子ビーム6を介したソースガスの電子衝撃イオン化によって生成される、結果として生じるイオンビームの対応する5倍の感度の増加とが生成される。カソードフィラメント20の寿命は、10年超であると推定されて、それは、同等の放出電流を生成するつもりの場合、タングステンコイルフィラメント1の通常の動作寿命をはるかに超える。タングステンフィラメント1の代わりとしてカソードを使用する利益は、以下を含む。すなわち、
より高い電子放出:5-10倍であり、既存のタングステンフィラメント1と同等の寿命を有する。タングステンフィラメントコイル1は、同様の放出を生成してよいが、取替が必要になるまでの寿命は相当に減少する。フィラメントの取替は、潜在的に数か月の休止時間を引き起こす。
より低い動作温度:これにより、イオン化されて、対象の同位体種を妨害する、真空中の炭化水素揮発性物質の存在が減少する。
より高いレベルの放出:これは、外部磁場(磁石14)が除去されることが可能であることを意味する。これにより、質量分析器上の係る場の不必要な影響が回避される。これは、試料/ターゲット材料の所与の範囲の分圧にわたって非線形である傾向があるので、同位体間のイオン質量分別が可能である。
カソードにおける電圧降下なし:これは、フィラメントコイル1を使用するとき、回避することができない。これにより、感度に関してより大きな制御を提供し得る、より均一な電子エネルギーが提供される。
機械的安定性:これにより、電子源及びそれを使用するイオン源のコンシステンシーが改善して、カソードの寿命の間の動作の段階変化が回避される。
寿命の延長:カソード20のより低い動作温度及び保守的な設計は、低いフィラメント劣化率と結びつけられた、カソードの実用寿命の延長をもたらす。
図6は、一実施形態例に従ったイオン源60を概略的に描写する。イオン源60は、一般に、イオン源30に関して説明されるようなものであり、その説明は簡潔さのために繰り返されず、同様の参照符号は同様の全ての整数を示す。
係る例では、第1の電極630Aは、1つ以上の電子引出グリッドを備え、及び/又は1つ以上の電子引出グリッドであり、制御器は、第1の電極に対し印加される電圧を制御して、第1の電極に負電圧を印加することによって、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させて、第1の電極に正電圧を印加することによって、第1の期間に続く第2の期間中にソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にするように構成されている。
係る例では、一組の電極630は、第1の電極630Aとソースブロック610との間に、第1の電極630Aと連なって配置されている第2の電極630B(アノード)を含む。係る例では、制御器は、電子源620から放出された電子をソースブロック610に向かう方向において加速するために、変動可能な電位を第2の電極630Bに印加するように構成されている。
係る例では、一組の電極630は、電子源620とソースブロック610との間に、第1の電極630Aと第2の電極630Bと連なって配置されている第3の電極630Cを含む。係る例では、第3の電極630Cは、電子源620からの電子をソースブロック610の中にアパーチャ611を介して収束するように配置されているアインツェルレンズを備える。
係る例では、制御器は、アノード630B、引出グリッド630A、又は両方に対し印加される(複数の)加速電圧を制御することによって、ソースブロック610への入力のために熱電子のエネルギーを制御するように構成されている。係る可制御性は、従来の加熱されるタングステンフィラメントから放出された熱電子間の運動エネルギーの非常に広い対応する分布と比較して、電子源610から放出される熱電子間の運動エネルギーの分布における相対的に狭い幅に起因して、特に有効で有益である。
図7は、一実施形態例に従った方法を概略的に描写する。
該方法は、静的ガス質量分析計のイオン源の制御方法である。
S701において、該方法は、ソースブロックによって形成されている空間によって、試料ガスを受け取る工程を備える。
S702において、該方法は、ソースブロックと流体連通状態にある電子源によって、ソースブロックに電子のフラックスを提供し、試料ガスをイオン化する工程を備える。
S703において、該方法は、制御器によって、第1の電極を含み、電子源とソースブロックとの間に配置されている一組の電極に対し印加される電圧を制御する工程を備え、該工程は、
S704において、ソースブロックにおける試料ガスの受取に続く第1の期間中に、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを減衰させる工程と、
S705において、第1の期間に続く第2の期間中に、ソースブロックの中へ向かう電子のフラックスを可能にする工程と、を備える。
該方法は、第3の態様に関して説明されるようなステップのいずれかを備えてよい。
図8は、実施形態例に従った方法を概略的に描写する。
該方法は、静的ガス質量分析計の制御方法である。
S801において、該方法は、図7に関して説明されるようなイオン源を備える。
S802において、該方法は、第1の期間に続く第2の期間中に、試料ガスからイオンを検出する工程を備える。
該方法は、第4の態様に関して説明されるようなステップのいずれかを備えてよい。
好ましい実施形態が示されるとともに説明されているが、添付の特許請求の範囲において定義されているように及び上記に説明されているように、様々な変化及び改変形態が本発明の範囲から逸脱することなく作られてよいことは、当業者によって理解され得る。
本出願に関連して本明細書と同時に又は本明細書より前に出願され、本明細書と共に公衆の閲覧に付される全ての論文及び文書に注意が向けられ、全てのそのような論文及び文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲及び図面を含む)に開示されている特徴の全て、及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの多くともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで結合されてよい。
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲及び図面を含む)に開示されている各特徴は、他に明確に記載がない限り、同一、同等、又は類似の目的にかなう代替的な特徴によって置換されてよい。ゆえに、他に明確に記載がない限り、開示されている各特徴は、同等又は類似の特徴の包括的な体系のほんの一例である。
本発明は、前述の(複数の)実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示されている特徴のうちの任意の新規な1つ若しくは任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示されている任意の方法若しくはプロセスのうちの任意の新規な1つ若しくは任意の新規な組み合わせにまで及ぶ。

Claims (17)

  1. イオン源を備える静的ガス質量分析計であって、前記イオン源は、
    試料ガスを受け取るための空間を形成するソースブロックと、
    前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源であって、前記試料ガスのイオン化のために前記ソースブロックに電子のフラックスを提供するように構成されている電子源と、
    第1の電極を含む一組の電極であって、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極と、
    前記第1の電極に対し印加される電圧を制御して、前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させるとともに、前記第1の期間に続く第2の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にするように構成されている制御器と、を備え、
    前記第1の電極は、前記第1の期間中に電子の前記フラックスを前記ソースブロックから離れるように偏向させるように構成されている偏向器を備えるか、該偏向器であるか、又はその両方である、静的ガス質量分析計。
  2. 前記第1の電極は、前記ソースブロックに向かう前記電子を減速させること、前記ソースブロックから前記電子を斥けること、又はその両方を行うように構成されているカソードを備えるか、該カソードであるか、又はその両方である、請求項1に記載の静的ガス質量分析計。
  3. 前記第1の電極は、前記ソースブロックに向かう前記電子を加速させること、前記ソースブロックに向かう前記電子を引き付けること、又はその両方を行うように構成されているアノードを備えるか、該アノードであるか、又はその両方である、請求項1に記載の静的ガス質量分析計。
  4. 前記第1の電極は、前記ソースブロックの中へ向かう電子の前記フラックスを妨げるように構成されているグリッドを備えるか、該グリッドであるか、又はその両方である、請求項1~3のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  5. 前記第1の電極は、前記ソースブロックの中へ向かう電子の前記フラックスに関する軸から離れて配置されており、電子の前記フラックスを前記ソースブロックから離れるように偏向させるように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  6. 前記制御器は、前記電子源によって提供される前記電子の前記フラックスを制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  7. 前記電子源が、電界放出銃を備えるか、電界放出銃であるか、又はその両方であるか、前記電子源が、熱電子エミッタを備えるか、熱電子エミッタであるか、又はその両方であるかであり、前記制御器は、前記熱電子エミッタの温度を制御するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  8. 前記制御器は、前記電子源によって提供される前記電子のエネルギーを制御するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  9. 前記制御器は、前記第1の電極に対し印加される前記電圧を制御して、前記第1の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを選択的に減衰させるように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  10. 前記制御器は、前記第1の電極に対し印加される前記電圧を制御して、前記第1の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にするように構成されている、請求項9に記載の静的ガス質量分析計。
  11. 前記第1の期間中の前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスの、前記第2の期間中の前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスに対する比は、多くとも1:100である、請求項1~10のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  12. 前記制御器は、前記第1の期間を決定するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の静的ガス質量分析計。
  13. 静的ガス質量分析計であって、前記イオン源によって放出される電子の前記フラックスは、前記第1の期間及び前記第2の期間中、一定である、静的ガス質量分析計。
  14. 静的ガス質量分析計のイオン源を制御する方法であって、
    ソースブロックによって形成されている空間によって、試料ガスを受け取る工程と、
    前記ソースブロックと流体連通状態にある電子源によって、前記ソースブロックに電子のフラックスを提供し、前記試料ガスをイオン化する工程と、
    制御器によって、第1の電極を含み、前記電子源と前記ソースブロックとの間に配置されている一組の電極に対し印加される電圧を制御する、制御工程と、を備え、前記制御工程は、
    前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く第1の期間中に電子の前記フラックスを前記ソースブロックから離れるように偏向させることによって、前記第1の期間中に前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを減衰させる工程と、
    前記第1の期間に続く第2の期間中に、前記ソースブロックの中へ向かう前記電子の前記フラックスを可能にする工程と、を含む、方法。
  15. 前記ソースブロックにおける前記試料ガスの受取に続く前記第1の期間中に、前記ソースブロックにおいて前記試料ガスを平衡化する工程を備える、請求項14に記載の方法。
  16. 前記制御器によって前記第1の期間を決定する工程を備える、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 静的ガス質量分析計の制御方法であって、
    請求項14~16のいずれか一項に記載の前記イオン源を制御する工程と、
    前記第1の期間に続く前記第2の期間中に、前記試料ガスから前記イオンを検出する工程と、を備える方法。
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