JP7075389B2 - 車両制御システム - Google Patents

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本発明は、車両の動作を制御する車両制御システムに関し、特に、ユーザからの音声指示に基づいて車両の制御対象を制御する車両制御システムに関する。
車両の外部にいるユーザが音声指示を行うことにより当該車両のドアロックの解錠等を行う、いわゆる音声エントリが検討されている。このような音声エントリとして、従来、車室内マイクにより乗員の音声指示を取得して認識する音声認識部(音声入力部)を備えた車両用音声制御システムにおいて、ユーザの接近を検知して車両窓を少し開けることにより車両外にいるユーザの指示音声を車室内マイクで取得することが知られている(特許文献1)。この音声制御システムでは、スマートキーとの通信を行うことでユーザの接近が検知され、車載の窓開閉装置により、車両外の音声を車室内へ導入するのに必要な量だけ車両窓が開けられる。
しかしながら、ユーザが乗車してから行う音声指示の種類や内容は多岐に上るため、上記のような車室内に設けられたマイクにより取得される乗員の音声指示を認識する音声認識部は、一般に、多くの種類の文言を認識できるように、数多くの文言をカバーし得る大きな認識辞書を備えることが多い。このような認識辞書は、一般に、音声認識部の起動の開始後に、少なくともその要部がハードディスク等の大規模記憶装置から読み出されて、RAM等で構成される一時記憶部にキャッシングされるため、音声認識部の起動時間は、当該音声認識部が備える認識辞書の大きさ(すなわち、認識可能な文言群を構成する文言の数)に依存して長くなり、例えば数秒の単位となり得る。
一方で、例えば、車両にエントリするべく当該車両に徒歩で接近するユーザを、車両から数mの位置で検知したとすると、当該検知からそのユーザが車両に到達するまでの時間は1秒前後となり得る。その結果、上記従来の音声制御システムのように、乗車後のユーザが行う音声指示のための音声認識部を、車外において接近するユーザの音声認識に流用する構成では、ユーザが車両に到達してから音声認識部が音声指示を受け入れ可能となるまで秒単位の待ち時間が生ずることとなる。この秒単位の待ち時間は、一般に、音声エントリにおける、車両の接近から音声指示に至るまでの一連の動作においてユーザに違和感を生じさせるものとなり得る。その結果、当該待ち時間の長さにより、音声エントリの利便性が損なわれることとなり得る。
特開2019-167007号公報
本発明の目的は、音声指示による車両エントリ(音声エントリ)の際のユーザの待ち時間を低減ないし除去して、音声エントリの利便性を向上することである。
本発明の一の態様は、車両から所定の探索距離範囲内にユーザが進入したことを検知する進入検知装置と、第1音声認識装置と、認識可能な文言の数が前記第1音声認識装置より少ない第2音声認識装置と、前記第1音声認識装置または前記第2音声認識装置の認識結果に基づいて、前記車両の機能を制御する車両機能制御装置と、を備え、前記第2音声認識装置は、前記進入検知装置が前記ユーザの進入を検知した後の、少なくとも前記第1音声認識装置の起動が完了するまでの期間において、前記車両の外部から取得される音声の認識結果を前記車両機能制御装置へ送信するよう構成されている。
本発明の他の態様によると、前記進入検知装置は、前記所定の探索距離範囲を通信可能範囲とする通信装置を備え、前記通信装置が所定の携帯機と通信できたときに、前記ユーザが前記所定の探索距離範囲内に進入したものと判断する。
本発明の他の態様によると、前記車両機能制御装置は、前記第1音声認識装置から送信される認識結果を、第2音声認識装置から送信される認識結果に優先して用いて、前記車両の機能を制御する。
本発明の他の態様によると、前記第1音声認識装置および第2音声認識装置の動作の開始および停止を制御する音声認識制御装置を備え、前記音声認識制御装置は、前記進入検知装置が前記ユーザの前記所定の距離範囲への進入を検知したときに、前記第1音声認識装置および前記第2音声認識装置の起動を開始し、第1音声認識装置の起動が完了した後は、所定の停止条件が成立したことを条件として、前記第2音声認識装置の動作を停止させる。
本発明の他の態様によると、前記第2音声認識装置が認識する第2文言群は、前記第1音声認識装置が認識する第1文言群のサブセットである。
本発明の他の態様によると、前記第2文言群は、前記車両の開閉体の開閉動作の指示に関する文言を含む。
本発明の他の態様によると、前記第1文言群は、前記車両の開閉体の開閉動作を含む車載電装品の動作指示に関する文言を含むものである。
本発明の他の態様によると、前記第1音声認識装置は、前記ユーザとの対話により認識結果の精度を向上するための音声対話機能を有する。
本発明によれば、車両への音声エントリの際のユーザの待ち時間を低減ないし除去して、音声エントリの利便性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御システムが搭載された車両を示す図である。 図1に示す車両制御システムの構成を示す図である。 図2に示す第1音声認識ECUおよび第2音声認識ECUの動作期間の一例を示す図である。 図2に示す車両制御システムの動作の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御システムが搭載された車両の構成を示す図である。本実施形態に係る車両制御システム100(図示点線の矩形)は、車両102に搭載されており、ユーザからの音声指示に基づいて、車両102の制御対象を制御する制御装置への動作指示を行う。
具体的には、車両制御システム100は、ユーザが所持する携帯機108と通信することによりユーザの接近を検知し、例えば車両102の運転席ドア110に設けられたマイクロホンである音入力器106から、ユーザが発話する指示音声を含む車両102の外部の音声(以下、外部音声)を取得する。そして、車両制御システム100は、当該外部音声を認識し、上記指示音声を抽出して、当該指示音声が示す動作を実行する。また、車両制御システム100は、指示音声の取得に際して必要があるときは、上記音入力器106に加えて、例えば運転席ドア110に設けられたスピーカである音出力器104も用いて、車両102の外部にいるユーザと対話を行うことができる。
図2は、図1に示す車両制御システム100の構成を示す図である。車両制御システム100は、ECU(電子制御装置、Electronic Cotrol Unit)である音取得ECU200と、音出力ECU202と、進入検知ECU204と、第1音声認識ECU206と、第2音声認識ECU208と、音声認識制御ECU210と、車両機能制御ECU212と、を備える。これらの音取得ECU200、音出力ECU202、進入検知ECU204、第1音声認識ECU206、第2音声認識ECU208、音声認識制御ECU210、及び車両機能制御ECU212は、車載ネットワークバス214により、互いに通信可能に接続されている。車載ネットワークバス214は、例えばCAN(Control Area Network)通信規格に準拠した通信を行うためのCANバスであるものとすることができる。
ここで、進入検知ECU204、第1音声認識ECU206、第2音声認識ECU208、音声認識制御ECU210、および車両機能制御ECU212は、それぞれ、進入検知装置、第1音声認識装置、第2音声認識装置、音声認識制御装置、および車両機能制御装置に対応する。
車載ネットワークバス214には、また、前部ドアロック機構216、後部ドアロック機構218、およびテールゲートロック機構220の動作を制御するドアロック制御ECU222が接続されている。前部ドアロック機構216は、車両102の運転席および助手席の左右側方にある2つの前部車両ドアのそれぞれのドアロックの施解錠を行うアクチュエータである。また、後部ドアロック機構218は、車両102の後部客席の左右側方にある2つの後部車両ドアのそれぞれのドアロックの施解錠を行うアクチュエータである。また、テールゲートロック機構220は、車両102の後部荷室の車両ドアのドアロックの施解錠を行うアクチュエータである。
車載ネットワークバス214には、さらに、車載の制御対象である空調機224および暖房装置226の動作を制御する空調制御ECU228も接続されている。
本実施形態では、車両制御システム100は、例えばユーザが車両102内に乗車した後に発話する音声指示を車内マイク(不図示)により取得し、ドアロック制御ECU222及び又は空調制御ECU228に動作指示を送信して前部ドアロック機構216等及び又は空調機224等の動作を制御する。また、車両制御システム100は、車両102の外にいるユーザが当該車両102へ乗車する際に行う音声エントリ(すなわち、当該乗車に際して必要となる車両102の動作についての音声指示)において、音入力器106により取得される当該ユーザの音声指示に基づき、ドアロック制御ECU222に指示して前部ドアロック機構216等の動作を制御する。
ただし、これは一例であって、車両制御システム100が動作指示を行う制御装置は、ドアロック制御ECU222および空調制御ECU228には限られない。車両制御システム100は、ユーザからの音声指示に基づいて、車両102の任意の制御対象を制御する任意の制御装置に動作指示を与えるものとすることができる。そのような制御装置には、車両102が備える各種の電装装置(例えば、車外ライト、車室内ライト、電動シート)を制御対象としてその動作をそれぞれ制御する様々な電装装置制御ECUや、車両102の駆動装置である例えば内燃機関を制御対象として、その起動やトルク発生等の動作を制御する駆動制御ECU等が含まれ得る。
ここで、第1音声認識ECU206は、車両102の操作に関して通常用いられるメインの音声認識装置であり、車両102の種々の電装装置の動作に関する広範な文言を認識するよう構成されている。そして、本実施形態に係る車両制御システム100では、特に、第1音声認識ECU206に追加して、第2音声認識ECUが設けられている。この第2音声認識ECU208は、認識可能な文言数が第1音声認識ECU206より少なく、従って第1音声認識ECU206よりも短い時間で起動し得るものとして構成されている。
以下、車両制御システム100を構成する各ECUについて説明する。
音取得ECU200は、車両102の運転席ドア110に設けられた音入力器106から、車両102の外部音を取得して、取得した外部音を第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208へ出力する。音出力ECU202は、第1音声認識ECU206からの指示により、例えばユーザとの対話に必要な音声を音出力器104から発生させる。
進入検知ECU204は、車両102から所定の探索距離範囲内にユーザが進入したことを検知する。具体的には、進入検知ECU204は、処理装置230と、近距離通信装置232と、ネットワーク通信装置(以下、NW通信装置)234と、を備える。近距離通信装置232は、車両102から所定の近距離範囲内(例えば、車両102から3mの範囲内)を通信可能範囲として、ユーザが所有する携帯機108との間で無線通信を行う無線通信装置である。NW通信装置234は、車載ネットワークバス214を介して第1音声認識ECU206等の他のECUと通信するための通信装置であり、例えばCAN通信規格に準拠した通信を行うCANトランシーバである。
処理装置230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置230は、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有する構成であってもよい。そして、処理装置230は、機能要素又は機能ユニットとして、進入検知部236を備える。
処理装置230が備える機能要素としての進入検知部236は、例えば、コンピュータである処理装置230がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、進入検知部236は、その全部又は一部が一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成されているものとすることもできる。
進入検知部236は、近距離通信装置232およびNW通信装置234の動作を制御する。具体的には、進入検知部236は、近距離通信装置232により所定の時間間隔Δtiで携帯機108との通信を試みる。そして、進入検知部236は、携帯機108が近距離通信装置232の通信可能な距離範囲(通信可能範囲)に入ることにより当該携帯機108との通信を確立できたときに、その携帯機108についての認証処理を実行する。この認証処理では、その携帯機108が、車両102についての使用権限又はアクセス権限を有するユーザの携帯機であるか否かについての認証を行う。すなわち、進入検知部236は、その携帯機108から当該携帯機108に固有の携帯機識別情報(ID)を取得し、取得した携帯機識別情報が予め登録されている所定の携帯機の携帯機識別情報と一致するときは、所定の携帯機である携帯機108を検知したものと判断する。以下、「携帯機108」とは、所定の携帯機、すなわち車両102の使用権限又はアクセス権限を有するユーザの携帯機を意味するものとする。
そして、進入検知部236は、携帯機108を検知したときは、ユーザが車両102から所定の探索距離範囲内に進入したものと判断する。すなわち、本実施形態では、ユーザの進入を判断する所定の探索距離範囲とは、近距離通信装置232の通信可能範囲である。言い換えれば、進入検知ECU204は、所定の探索距離範囲を通信可能範囲とする近距離通信装置232を備える。
進入検知部236は、携帯機108との通信を試行したことに応じて、当該試行の時間間隔Δtiと同じ時間間隔で、当該試行の結果(すなわち、探索距離範囲内にユーザが進入したことを検知したか否かの情報)を含む進入検知情報を、NW通信装置234を介して音声認識制御ECU210へ送信する。
第1音声認識ECU206は、第1音声認識装置である。第1音声認識ECU206は、車両102の操作において通常用いられる音声認識装置であり、運転席ドア110等の車両102のドアである開閉体の開閉動作を含む車載電装品の動作指示に関する広範な文言を認識する。この第1音声認識ECU206は、後述する音声認識制御ECU210の指示により、その起動が開始される。また、第1音声認識ECU206は、音声認識制御ECU210の指示により、音声認識動作を開始して、音入力器106および音取得ECU200を介して車両102の外部から取得される音声(以下、外部音声という)についての音声認識を行う。
第1音声認識ECU206は、処理装置240と、記憶装置242と、ネットワーク通信装置(以下、NW通信装置)244と、を備える。NW通信装置244は、車載ネットワークバス214を介して音声認識制御ECU210等の他のECUと通信するための通信装置であり、例えばCAN通信規格に準拠した通信を行うCANトランシーバである。
記憶装置242は、例えば不揮発性の半導体メモリやハードディスク装置等により構成される。記憶装置242は、処理装置240が音声認識処理を行う際に用いる認識辞書246を記憶する。認識辞書246には、処理装置240が認識する文言である第1文言群248が、当該文言の音声認識に必要な情報と共に保存されている。
第1文言群248は、上述した広範な文言をカバーするように構成されており、例えば、運転席ドア110等の車両ドアである開閉体の開閉動作を含む車載電装品の動作指示に関する文言を含んでいる。このような車載電装品の動作指示には、空調制御ECU228により制御される空調機224及び又は暖房装置226の動作開始指示、動作停止指示、風量設定指示、及び又は温度設定指示が含まれるが、これらには限られない。上記車載電装品の動作指示には、上記のほか、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ハザードランプ等の車両102の車体外部に設けられた各種ランプや車室内ランプの点灯指示及び又は消灯指示、車室内に設けられたAV(Audio Visual)機器の電源オン/オフ指示及び又は動作モード設定指示等々が含まれ得る。
処理装置240は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置240は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置240は、機能要素又は機能ユニットとして、音声認識部250と、対話制御部252と、を備える。
処理装置240が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置240がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、これらの機能要素の全部又は一部を、一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
音声認識部250は、音声認識制御ECU210の指示により処理装置240の起動が開始された後、音声認識処理の実行準備ができたときに、起動が完了したことを示す起動完了通知を、NW通信装置244を介して音声認識制御ECU210へ送信する。
また、音声認識部250は、音声認識制御ECU210からの指示により、音声認識処理を開始する。具体的には、音声認識部250は、記憶装置242が記憶する認識辞書246を用い、音取得ECU200から送信される外部音声に対し、当該認識辞書246に保存されている第1文言群248についての音声認識を行う。音声認識部250は、音声認識の結果を、NW通信装置244を介して車両機能制御ECU212へ送信する。
対話制御部252は、ユーザとの対話により認識結果の精度を向上するための音声対話機能を実現する。対話制御部252は、従来技術に従い、例えば外部音声の音量が小さいこと等により音声認識部250における音声認識結果の信頼度が所定の水準に達しない場合に、「***を実行しますか?」等の聞き返し対話、及び又は、「もう一度発話してください」等の発話要請の対話を実行する。ここで、上記「***」は、例えば、その直前の音声認識処理において所定の水準未満の信頼度で認識された音声指示の内容であるものとすることができる。対話制御部252は、上記のような対話を、音出力ECU202を介した音出力器104による音声出力と、音取得ECU200を介した音入力器106による外部音声の取得および音声認識部270による当該外部音声についての音声認識処理と、により実行する。
第2音声認識ECU208は、第2音声認識装置である。第2音声認識ECU208は、後述する音声認識制御ECU210の指示により、その起動が開始される。また、第2音声認識ECU208は、音声認識制御ECU210の指示により、音声認識動作を開始して、音入力器106および音取得ECU200を介して車両102の外部から取得される外部音声についての音声認識を行う。
第2音声認識ECU208は、処理装置260と、記憶装置262と、ネットワーク通信装置(以下、NW通信装置)264と、を備える。NW通信装置264は、車載ネットワークバス214を介して音声認識制御ECU210等の他のECUと通信するための通信装置であり、例えばCAN通信規格に準拠した通信を行うCANトランシーバである。
記憶装置262は、例えば不揮発性の半導体メモリやハードディスク装置等により構成される。記憶装置262は、処理装置260が音声認識処理を行う際に用いる認識辞書266を記憶する。認識辞書266には、処理装置260が認識する文言である第2文言群268が、当該文言の音声認識に必要な情報と共に保存されている。
特に、本実施形態では、第2文言群268は、第1音声認識ECU206が認識可能な第1文言群248よりも少ない数の文言で構成されている。すなわち、第2音声認識ECU208は、認識可能な文言の数が第1音声認識ECU206より少ない。具体的には、本実施形態では、第2文言群268は、第1音声認識ECU206が認識する第1文言群248のサブセット(部分集合)である。また、本実施形態では、第2文言群268には、音声エントリの際に外部音声として取得される可能性の高い、車両102の開閉体(例えば、運転席ドア110のほか、助手席ドア、及び又はテールゲートドア)の開閉動作の指示に関する文言が含まれ得る。
処理装置260は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置260は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置260は、機能要素又は機能ユニットとして、音声認識部270を備える。
処理装置260が備える機能要素としての音声認識部270は、例えば、コンピュータである処理装置260がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、音声認識部270は、その全部又は一部が一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成されているものとすることもできる。
音声認識部270は、音声認識制御ECU210の指示により処理装置260の起動が開始された後、音声認識処理の実行準備ができたときに、起動が完了したことを示す起動完了通知を、NW通信装置264を介して音声認識制御ECU210へ送信する。
また、音声認識部270は、音声認識制御ECU210からの指示により、音声認識処理を開始する。具体的には、音声認識部270は、記憶装置262が記憶する認識辞書266を用い、音取得ECU200から送信される外部音声に対し、当該認識辞書266に保存されている第2文言群268についての音声認識を行う。音声認識部270は、音声認識の結果を、NW通信装置264を介して車両機能制御ECU212へ送信する。
上述したように、音声認識装置が起動に要する時間(起動時間)は、一般に、その音声認識装置が備える認識辞書の大きさ(すなわち、認識可能な文言群を構成する文言の数)に依存して長くなる。逆に、認識辞書の大きさ、すなわち認識可能な文言群の文言数を少なくとすることで、音声認識装置の起動時間を短くすることができる。
本実施形態の第2音声認識ECU208は、認識可能な第2文言群268が、第1音声認識ECU206において認識可能な第1文言群248よりも少ない文言で構成されている。このため、処理装置260の処理能力が第1音声認識ECU206の処理装置240と同程度である場合はもちろん、処理装置260の処理能力が第1音声認識ECU206の処理装置240より低い場合であっても第2文言群268の文言数によっては、第2音声認識ECU208の起動時間を第1音声認識ECU206の起動時間よりも短くすることができる。
音声認識制御ECU210は、音声認識制御装置である。音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の動作の開始および停止を制御する。
音声認識制御ECU210は、処理装置280と、ネットワーク通信装置(以下、NW通信装置)282と、を備える。NW通信装置282は、車載ネットワークバス214を介して第1音声認識ECU206等の他のECUと通信するための通信装置であり、例えばCAN通信規格に準拠した通信を行うCANトランシーバである。
処理装置280は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置280は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置280は、機能要素又は機能ユニットとして、起動制御部284を備える。
処理装置280が備える上記機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置280がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、上記機能要素の全部又は一部を、一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
起動制御部284は、進入検知ECU204が所定の探索距離範囲へのユーザの進入を検知したときに(すなわち、進入検知ECU204から探索距離範囲内へのユーザの進入を検知した旨の進入検知情報を受信したときに)、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208に指示して、それらの起動を開始する。
また、起動制御部284は、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208から起動完了通知を受信したときに、それぞれ、第1音声認識ECU206の起動完了および第2音声認識EUC208の起動完了を認識する。起動制御部284は、まず、第1音声認識ECU206よりも起動時間の短い第2音声認識ECU208の起動の完了時に(すなわち、第2音声認識ECU208から起動完了通知を受信したときに)、第2音声認識ECU208に音声認識動作の開始を指示する。
また、起動制御部284は、その後、第1音声認識ECU206の起動が完了したとき(すなわち、第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信したとき)は、第1音声認識ECU206に音声認識動作の開始を指示する。
さらに、起動制御部284は、第1音声認識ECU206の起動が完了した後は、所定の停止条件が成立したことを条件として、第2音声認識ECU208に指示してその動作を停止させる。本実施形態では、上記所定の条件は、第2音声認識ECU208が、何らかの外部音声についての音声認識処理を実行中でないこと、である。
起動制御部284の上記動作により、車両制御システム100においては、第2音声認識ECU208は、進入検知ECU204がユーザの進入を検知した後の、少なくとも第1音声認識ECU206の起動が完了するまでの期間(以下、初動期間ともいう)において、車両102の外部から取得される音声の認識結果を車両機能制御ECU212へ送信するものとして構成されることとなる。また、起動制御部284の上記動作により、第1音声認識ECU206は、自身の起動の完了後、すなわち初動期間の経過後に、車両102の外部から取得される外部音声についての音声認識を行い、当該音声認識における認識結果を車両機能制御ECU212へ送信するものとなる。
図3は、音声エントリの典型的なシーンとしてユーザが携帯機108を所持して車両102へ接近する際の、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の動作期間の一例を示す図である。図3において、横軸は、時間tを表している。また、縦軸は、車両102へ接近するユーザの(より詳細には、当該ユーザが所持する携帯機108の)、車両102からの距離Dを示している。ここで、距離Dは、例えば車両102のボディの外面からの距離として定義される。図3に示すライン300は、車両102からユーザまでの距離Dの、時間tと共に推移する変化を示している。
図3に示すグラフの、縦軸に記載のDmaxは、進入検知ECU204の近距離通信装置232が携帯機108を検知し得る最大通信距離であり、距離0からDmaxまでが、進入検知ECU204がユーザの進入を検知する探知距離範囲である。
また、図3に記載のΔtiは、進入検知ECU204が近距離通信装置232を用いて携帯機108との通信を試みる時間間隔、すなわち、進入検知ECU204が携帯機108を検知する検知間隔である。また、Δtcは、進入検知ECU204が携帯機108の通信を確立してから当該携帯機108が所定の携帯機であることの認証を完了するまでの認証処理時間である。さらに、Δts1およびΔts2は、それぞれ、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の起動開始から起動完了までの起動時間である。ここで、上述したように、第2音声認識ECU208が認識する第2文言群268の文言数は、第1音声認識ECU206は認識する第1文言群248の文言数より少ないことから、第1音声認識ECU206の起動時間Δts1に比べて、第2音声認識ECU208の起動時間Δts2は短いものとなり得る。
図3において、ユーザは、車両102に向かって歩きながら接近し、時刻t1において探索距離範囲の外縁(Dmaxの位置)に到達する。その後、ユーザは、時刻t2において車両102から距離D1の位置(例えば車両102の手前1.5m)に到達して減速し、時刻t6において車両102からD2(例えば車両102の手前1m)で停止する。一般に、ユーザは、距離D2の位置に到達する時刻t6の前後で、車両102への音声エントリを行うべく、「運転席のドアを開けて」等の音声指示の発話を行うこととなる。ここでは、一例として、ユーザは、距離D2の位置に到達した時刻t6において音声エントリのための音声指示の発話を行うものとする。
上記のシーンにおいて、車両制御システム100は、まず、進入検知ECU204がユーザの接近を検知する。最悪ケースとして、ユーザが探索距離範囲の外縁であるDmaxの位置に到達する時刻t1の直前に、進入検知ECU204が行った携帯機108との通信試行が、携帯機108を検知することなく終了したとする。この場合、進入検知ECU204における次の通信試行は、時刻t1から検知間隔Δtiだけ後の時刻t3となる。進入検知ECU204は、時刻t3において通信試行により携帯機108と通信を確立した後、認証処理時間Δtcが経過した時刻t4に、携帯機108を所定の携帯機として認証し、探索距離範囲内へのユーザの進入を検知する。
上記検知の結果は、進入検知ECU204から音声認識制御ECU210へ送信され、音声認識制御ECU210は、時刻t4において、第1音声認識ECU206及び第2音声認識ECU208に起動を指示する。これにより、時刻t4の後、まず、第1音声認識ECU206の起動時間Δts1より短い起動時間Δts2を持つ第2音声認識ECU208が時刻t5に起動を完了し、音声認識制御ECU210からの指示により音声認識動作を開始する。次いで、時刻t4から起動時間Δts1が経過した時刻t8に、第1音声認識ECU206が音声認識動作を開始する。
これにより、ユーザは、時刻t6において車両102に到達した後、広範な文言を認識可能な第1音声認識ECU206の起動完了を時刻t8まで待つことなく、音声エントリに必要な、少なくともドア開閉についての音声指示を、車両102に与えることができる。その結果、車両102では、第2音声認識ECU208によりユーザのドア解錠の音声指示が認識され、第1音声認識ECU206の起動完了前の時刻t7に例えば運転席ドア110が解錠されることとなる。その後、ユーザは、速やかに運転席ドア110を開けて、時刻t9に車室内に乗り込むことができる。なお、図3において、時刻t5から時刻t8までの期間が初動期間に相当する。
ここで、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の音声認識動作は、上述したように、音声認識制御ECU210が、第1音声認識ECU206及び第2音声認識ECU208からそれぞれ起動完了通知を受信したことに応じて、第1音声認識ECU206及び第2音声認識ECU208にそれぞれ動作開始の指示を与えることにより開始される。
なお、図3において、ユーザが減速する時刻t2が時刻t1とt3との間にあるのは単なる一例であって、これには限られない。ユーザの減速時刻は当該ユーザが車両102から距離D2で立ち止まる時刻t6までの任意の時刻であってもよいし、あるいは、ユーザは、そのような減速を行うことなく距離D2の位置まで移動するものとしてもよい。
図2を参照し、車両機能制御ECU212は、車両機能制御装置である。車両機能制御ECU212は、第1音声認識ECU206または第2音声認識ECU208の認識結果に基づき、車載の制御装置に動作指示を送信して、車両102の機能を制御する。当該車載の制御装置には、例えば、ドアロック制御ECU222および空調制御ECU228が含まれ得るが、これらには限られない。車両機能制御ECU212が動作指示を送信する対象となる制御装置は、第2文言群268を含む第1文言群248の各文言により特定され得る種々の指示を実行するための種々の制御装置であり得る。
車両機能制御ECU212は、処理装置290と、ネットワーク通信装置(以下、NW通信装置)292と、を備える。NW通信装置292は、車載ネットワークバス214を介して第1音声認識ECU206等の他のECUと通信するための通信装置であり、例えばCAN通信規格に準拠した通信を行うCANトランシーバである。
処理装置290は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置290は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置290は、機能要素又は機能ユニットとして、動作指示生成部294と、動作指示配信部296と、を備える。
処理装置290が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置290がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、上記機能要素の全部又は一部を、一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
動作指示生成部294は、第1音声認識ECU206及び又は第2音声認識ECU208から音声認識の結果を受信し、当該音声認識結果から、ユーザの音声指示を実行するための動作指示を生成する。この動作指示は、例えば、当該音声指示を実行するのに用いる制御対象、当該制御対象に実行させる動作の内容、及び当該制御対象の動作を制御する制御装置の装置識別コード、で構成される。
ここで、動作指示生成部294は、第1音声認識ECU206の起動が完了するまでの初動期間が過ぎた後において、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208から同じ外部音声についての音声認識結果を受信したときは、第1音声認識ECU206から送信される認識結果を、第2音声認識ECU208から送信される認識結果に優先して用いて、動作指示を生成し、車両102の機能を制御する。
動作指示配信部296は、動作指示生成部294が生成した動作指示を、NW通信装置292を介して車載ネットワークバス214へ送出する。車載ネットワークバス214へ送出された動作指示は、当該車載ネットワークバス214に接続された制御装置であって当該動作指示に含まれる装置識別コードに対応する制御装置により受信され、当該動作指示が示す制御対象の動作が実行される。
例えば、「運転席のドアを開けて」というユーザの発話が外部音声として取得される場合には、制御対象として前部ドアロック機構216、動作内容として運転席ドア110のロック解除、及び対応する制御装置としてのドアロック制御ECU222の装置識別コードを含む動作指示が、動作指示生成部294において生成される。また、この動作指示は、動作指示配信部296により車載ネットワークバス214へ送出され、ドアロック制御ECU222により受信されて、前部ドアロック機構により運転席ドア110のロックが解除される。
上記の構成を有する車両制御システム100は、通常用いられるメインの音声認識装置としての第1音声認識ECU206に加えて、第2音声認識ECU208を備える。第2音声認識ECU208は、認識可能な第2文言群268の文言数が第1音声認識ECU206において認識可能な第1文言群248の文言数よりも少なく構成されている。このため、第2音声認識ECU208は、例えば第1音声認識ECU206の処理装置240よりも処理能力の低い処理装置260を用いた場合でも、第1音声認識ECU206よりも短い時間で起動可能に構成され得る。そして、車両制御システム100では、第1音声認識ECU206よりも先に起動を完了し得る第2音声認識ECU208により、音声エントリの初動期間における音声認識を行う。
このため、車両制御システム100では、音声エントリにおいて、車両の接近から音声指示に至るまでのユーザの一連の動作に際し、音声認識動作の開始遅延によりユーザに違和感を生じさせることが回避される。その結果、上記音声認識動作の開始遅延に起因するユーザの待ち時間を低減ないし除去して、音声エントリの利便性を向上することができる。
次に、車両制御システム100の動作について説明する。図4は、車両制御システム100の動作の手順を示すフロー図である。図4に示す処理は、車両制御システム100を構成する音取得ECU200、音出力ECU202、進入検知ECU204、第1音声認識ECU206、第2音声認識ECU208、音声認識制御ECU210、及び車両機能制御ECU212の電源がオンされたときに開始し、これらECUのいずれかの電源がオフされたときに終了する。また、図4に示す処理と並行して、進入検知ECU204は、所定の時間間隔(図3に示す検知間隔Δti)で、携帯機108との通信を試みることにより探知距離範囲内へのユーザの進入有無を繰り返し検知しているものとする。
処理を開始すると、まず、音声認識制御ECU210は、進入検知ECU204から所定の時間間隔で受信される進入検知情報に基づいて、車両102から探索距離範囲内にユーザが進入したか否かを判断する(S100)。そして、探索距離範囲内にユーザが進入していないときは(S100、NO)、音声認識制御ECU210は、ステップS100に戻って探索距離範囲内にユーザが進入するのを待機する。
一方、探索距離範囲内にユーザが進入したときは(S100、YES)、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208に指示して、それらの起動を開始する(S102)。
続いて、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206よりも起動時間が短いものであり得る第2音声認識ECU208から起動完了通知を受信したか否かを判断する(S104)。そして、第2音声認識ECU208から起動完了通知を受信していないときは(S104、NO)、音声認識制御ECU210は、ステップS104に戻って当該起動完了通知が受信されるのを待機する。一方、ステップS104において第2音声認識ECU208から起動完了通知を受信したときは(S104、YES)、音声認識制御ECU210は、第2音声認識ECU208に音声認識動作の開始を指示する(S106)。
次に、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信したか否かを判断する(S108)。そして、第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信していないときは(S108、NO)、音声認識制御ECU210は、ステップS108に戻って当該起動完了通知が受信されるのを待機する。一方、ステップS108において第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信したときは(S108、YES)、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206に音声認識動作の開始を指示する(S110)。
ここで、第2音声認識ECU208および第1音声認識ECU206は、ステップS106およびS110において音声認識制御ECU210から音声認識動作の開始を指示された後は、それぞれ、音取得ECU200を介して音入力器106から取得される外部音声についての音声認識を行い、当該音声認識の結果を車両機能制御ECU212へ送信する。車両機能制御ECU212は、上述において説明したとおり、第1音声認識ECU206または第2音声認識ECU208から受信した音声認識結果に基づいて動作指示を生成して、当該動作指示を対応する制御装置へ送信する。これにより、ユーザが発話した音声指示が車両102において実行される。
ステップS110において第1音声認識ECU206に音声認識動作の開始を指示した後、音声認識制御ECU210は、進入検知ECU204から所定の時間間隔で受信される進入検知情報に基づいて、ユーザが探索距離範囲外へ出たか否かを判断する(S112)。そして、ユーザが探索距離範囲外へ出ていないときは(S112、NO)、音声認識制御ECU210は、ステップS112に戻ってユーザが探索距離範囲外へ出るのを待機する。
一方、ユーザが探索距離範囲外へ出たときは(S112、YES)、音声認識制御ECU210は、ステップS100に戻ってユーザが再び探索距離範囲内に進入するのを待機する。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、音声認識制御ECU210は、ユーザが探索距離範囲内に進入した後に起動される第2音声認識ECU208の音声認識動作を、第1音声認識ECU206の起動完了後、第2音声認識ECU208が何らかの外部音声についての音声認識処理を行っていないときに停止させるものとしたが、これには限られない。音声認識制御ECU210は、例えば、第2音声認識ECU208の音声認識動作を、第1音声認識ECU206の起動完了後、所定の時間の経過後に停止するものとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、第1音声認識ECU206の起動完了後は、第2音声認識ECU208と第1音声認識ECU206とが重複して同一の外部音声についての音声認識処理を行う期間があり得るものとしたが、これには限られない。例えば、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信したことに応じて、第1音声認識ECU206に音声認識動作の開始を指示すると共に、第2音声認識ECU208に動作の停止を指示するものとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、音声認識制御ECU210が、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208に対し起動の開始及び音声認識動作の開始を指示し、並びに第2音声認識ECU208に対し動作の停止を指示するものとしたが、これには限られない。例えば、車両制御システム100は、音声認識制御ECU210を含まず、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208が、それぞれ、進入検知ECU204により探索距離範囲内へのユーザの進入が検知されたときに、自身で処理装置240及び260を起動するものとしてもよい。
このような構成は、例えば、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208のNW通信装置244及び264を、いわゆるパーシャルネットワーク対応のCANトランシーバを用いて構成することで実現することができる。具体的には、進入検知ECU204は、探索距離範囲内にユーザが進入した旨の進入検知情報に代えて、NW通信装置244及び264へウェークアップ信号を送信するものとし、当該ウェークアップ信号を受信したNW通信装置244及び264が、それぞれ、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の処理装置240および260を起動するものとすることができる。
また、上記のように音声認識制御ECU210を用いない場合には、先に起動が完了して音声認識動作を開始する第2音声認識ECU208は、第1音声認識ECU206から起動完了通知を受信するものとし、当該起動完了通知を受信したことに応じて、自身の動作を終了するものとすることができる。これにより、第2音声認識ECU208は、進入検知ECU204が探索距離範囲内へのユーザの進入を検知した後の、少なくとも第1音声認識ECU206の起動が完了するまでの初動期間において、車両102の外部から取得される外部音声の認識結果を車両機能制御ECU212へ送信するよう構成されることとなる。また、これにより、第1音声認識ECU206は、自身の起動が完了したとき、すなわち上記初動期間の経過後に、車両102の外部から取得される外部音声の認識結果を車両機能制御ECU212へ送信するよう構成される。
また、上述した実施形態では、進入検知装置である進入検知ECU204の進入検知部236は、近距離通信装置232によりユーザが所有する携帯機108と通信できたときに、ユーザが車両102から所定の探索距離範囲内に進入したものと判断するものとしたが、これには限られない。例えば、進入検知ECU204は、近距離通信装置232による携帯機108との通信に代えて、車載カメラを用いて接近するユーザを認識することにより、ユーザが車両102から予め定められた所定の探索距離範囲内に進入したものと判断してもよい。進入検知ECU204は、例えば、従来技術に従い、車載カメラの撮影画像から接近する人物の顔画像を抽出し、当該抽出した顔画像と、予め処理装置230等に記憶されているユーザの顔画像と、の比較を行うことにより、当該接近した人物が所定のユーザであるか否かの判断(すなわち、顔認証)を行って、ユーザの接近を検知することができる。
この場合、進入検知ECU204は、従来技術に従い、人間の頭部の標準的な大きさと、上記抽出された顔画像の画角及び車載カメラの光学特性等と、に基づいて、撮影されたユーザから車両102までの距離を算出するものとすることができる。また、そのような車載カメラは、例えば、運転席ドア110の外側や、助手席、後部座席、及び又はテールゲートのドアの外側、及び又はフロントガラスの車室内側に設けられるものとすることができる。例えば、進入検知ECU204は、これらの位置に設けられて運転者に外部環境映像を提供する安全向上のためのカメラからの画像を用いて、ユーザの接近を検知するものとすることができる。
上記の場合、探索距離範囲は、車載カメラからの撮影画像に基づいて十分な信頼度をもってユーザの顔認証を行うことができる、顔認証可能な最大距離範囲であり得る。上記のように車載カメラからの撮影画像に基づいて探索距離範囲内へのユーザの進入を検知する場合においては、例えば、車載カメラの解像度に依存して上記顔認証可能な最大距離が上述した近距離通信装置232の通信可能範囲と同程度となる場合等に、上述した車両制御システム100の効果と同様の効果が発揮され得る。
以上説明したように、上述した実施形態に係る車両制御システム100は、車両102から所定の探索距離範囲内にユーザが進入したことを検知する進入検知装置である進入検知ECU204と、第1音声認識装置である第1音声認識ECU206と、を備える。また、車両制御システム100は、認識可能な文言の数が第1音声認識ECU206より少ない第2音声認識装置である第2音声認識ECU208と、第1音声認識ECU206または第2音声認識ECU208の認識結果に基づいて、車両102の機能を制御する車両機能制御装置である車両機能制御ECU212と、を備える。そして、第2音声認識ECU208は、進入検知ECU204が探索距離範囲内へのユーザの進入を検知した後の、少なくとも第1音声認識ECU206の起動が完了するまでの初動期間において、車両102の外部から取得される外部音声の認識結果を車両機能制御ECU212へ送信する。
この構成によれば、車両102の操作に通常用いられる広範な文言を認識可能な第1音声認識ECU206が起動を完了する前に、例えば少なくとも音声エントリに必要な文言のみを含むより少ない文言を認識可能な第2音声認識ECU208が起動を完了して音声認識動作を開始し得る。このため、車両制御システム100では、車両102への音声エントリの際のユーザの待ち時間を低減ないし除去して、音声エントリの利便性を向上することができる。
また、車両制御システム100では、進入検知ECU204は、探索距離範囲を通信可能範囲とする通信装置である近距離通信装置232を備える。そして、進入検知ECU204は、近距離通信装置232が所定の携帯機108と通信できたときに、ユーザが探索距離範囲内に進入したものと判断する。この構成によれば、車両制御システム100では、車両102へのユーザの接近を容易に検出して、第1音声認識ECU206及び第2音声認識ECU208の起動を速やかに開始することができる。
また、車両制御システム100は、車両機能制御ECU212は、第1音声認識ECU206から送信される認識結果を、第2音声認識ECU208から送信される認識結果に優先して用いて、車両102の機能を制御する。
この構成によれば、第1音声認識ECU206が起動を完了して音声認識動作を開始した後は、第2音声認識ECU208より豊富な認識可能文言を有して高い音声認識精度を有し得る第1音声認識ECU206の音声認識結果が用いられるので、ユーザからの指示音声をより正確に認識して車両102の動作を制御することができる。
また、車両制御システム100では、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の動作の開始および停止を制御する音声認識制御装置である音声認識制御ECU210を備える。音声認識制御ECU210は、進入検知ECU204が探索距離範囲内へのユーザの進入を検知したときに、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の起動を開始する。また、音声認識制御ECU210は、第1音声認識ECU206の起動が完了した後は、所定の停止条件が成立したことを条件として、第2音声認識ECUの動作を停止させる。
この構成によれば、第1音声認識ECU206および第2音声認識ECU208の起動並びに動作の開始および停止が音声認識制御ECU210により行われるので、第1音声認識ECU206は、第2音声認識ECU208との連携動作のための特別の機能を備える必要がない。このため、この構成によれば、第1音声認識ECU206として、従来用いられている音声認識装置をそのまま用いて、車両制御システム100を容易に構成することができる。また、上記の構成では、第1音声認識ECU206の起動が完了したことによって不要となった第2音声認識ECU208の動作を適切なタイミングで停止し得るので、車両制御システム100の電力消費を低減することができる。
また、車両制御システム100では、第2音声認識ECU208が認識する第2文言群268は、第1音声認識ECU206が認識する第1文言群248のサブセットである。この構成によれば、第2音声認識ECU208の起動時の処理負荷を第1音声認識ECU206に比べて軽減して、第2音声認識ECU208を第1音声認識ECU206より高速に起動することが可能となる。
また、車両制御システム100では、第2文言群268は、車両102の開閉体である例えば運転席ドア110の開閉動作の指示に関する文言を含む。この構成によれば、第2音声認識ECU208において、音声エントリに必要な開閉体の開閉動作についての音声指示の認識を可能として、速やかな音声エントリを実現することができる。
また、車両制御システム100では、第1文言群248は、運転席ドア110等の開閉体の開閉動作を含む車載電装品の動作指示に関する文言を含むものである。この構成によれば、第1音声認識ECU206は、広範な文言を認識可能であって、且つ、第2音声認識ECU208が故障した場合には第2音声認識ECU208に代えて音声エントリに必要な音声認識動作を行うものとして構成され得る。
また、車両制御システム100では、第1音声認識ECU206は、ユーザとの対話により認識結果の精度を向上するための音声対話機能を有する。この構成によれば、音声エントリの初動期間に動作する第2音声認識ECU208から音声認識機能を引き継ぐ第1音声認識ECU206を、より高い音声認識精度を有するものとして構成することができる。
100…車両制御システム、102…車両、104…音出力器、106…音入力器、108…携帯機、110…運転席ドア、200…音取得ECU、202…音出力ECU、204…進入検知ECU、206…第1音声認識ECU、208…第2音声認識ECU、210…音声認識制御ECU、212…車両機能制御ECU、214…車載ネットワークバス、216…前部ドアロック機構、218…後部ドアロック機構、220…テールゲートロック機構、222…ドアロック制御ECU、224…空調機、226…暖房装置、228…空調制御ECU、230、240、260、280、290…処理装置、232…近距離通信装置、234、244、264、282、292…NW通信装置、242、262…記憶装置、246、266…認識辞書、248…第1文言群、250、270…音声認識部、268…第2文言群、284…起動制御部、294…動作指示生成部、296…動作指示配信部。

Claims (8)

  1. 車両から所定の探索距離範囲内にユーザが進入したことを検知する進入検知装置と、
    第1音声認識装置と、
    認識可能な文言の数が前記第1音声認識装置より少ない第2音声認識装置と、
    前記第1音声認識装置または前記第2音声認識装置の認識結果に基づいて、前記車両の機能を制御する車両機能制御装置と、
    を備え、
    前記第2音声認識装置は、前記進入検知装置が前記ユーザの進入を検知した後の、少なくとも前記第1音声認識装置の起動が完了するまでの期間において、前記車両の外部から取得される音声の認識結果を前記車両機能制御装置へ送信するよう構成されている、
    車両制御システム。
  2. 前記進入検知装置は、前記所定の探索距離範囲を通信可能範囲とする通信装置を備え、前記通信装置が所定の携帯機と通信できたときに、前記ユーザが前記所定の探索距離範囲内に進入したものと判断する、
    請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記車両機能制御装置は、前記第1音声認識装置から送信される認識結果を、第2音声認識装置から送信される認識結果に優先して用いて、前記車両の機能を制御する
    請求項1または2に記載の車両制御システム。
  4. 前記第1音声認識装置および第2音声認識装置の動作の開始および停止を制御する音声認識制御装置を備え、
    前記音声認識制御装置は、
    前記進入検知装置が前記ユーザの前記所定の距離範囲への進入を検知したときに、前記第1音声認識装置および前記第2音声認識装置の起動を開始し、
    第1音声認識装置の起動が完了した後は、所定の停止条件が成立したことを条件として、前記第2音声認識装置の動作を停止させる、
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  5. 前記第2音声認識装置が認識する第2文言群は、前記第1音声認識装置が認識する第1文言群のサブセットである、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  6. 前記第2文言群は、前記車両の開閉体の開閉動作の指示に関する文言を含む、
    請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記第1文言群は、前記車両の開閉体の開閉動作を含む車載電装品の動作指示に関する文言を含むものである、
    請求項5または6に記載の車両制御システム。
  8. 前記第1音声認識装置は、前記ユーザとの対話により認識結果の精度を向上するための音声対話機能を有する、
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の車両制御システム。
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