JP7074010B2 - 電極の製造方法及び蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

電極の製造方法及び蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は電極の製造方法及び蓄電デバイスの製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化は目覚ましく、それに伴い、当該電子機器の駆動用電源として用いられる電池に対しても小型化・軽量化の要求が一層高まっている。
このような小型化・軽量化の要求を満足するために、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が開発されている。また、高エネルギー密度特性及び高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電デバイスとして、リチウムイオンキャパシタが知られている。更に、リチウムより低コストで資源的に豊富なナトリウムを用いたナトリウムイオン型の電池やキャパシタも知られている。
このような電池やキャパシタにおいては、様々な目的のために、予めアルカリ金属を電極活物質にドープするプロセス(一般にプレドープと呼ばれている)が採用されている。例えば、リチウムイオンキャパシタでは、負極電位を下げエネルギー密度を高めることを目的としてリチウムのプレドープが行われる。この場合は、貫通孔を有する集電体を利用してセル内で負極活物質にプレドープを行う方法が主流となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、リチウムイオン二次電池では、負極の不可逆容量を低減させることを目的としてプレドープが行われる。この場合は、前記方法の他、電池を組み立てる前に負極活物質にプレドープを行う方法が採用されている(例えば、特許文献2、3参照)。さらに、ナトリウムイオン型の蓄電デバイスを作製するにあたっても、蓄電デバイスを組み立てる前に負極にナトリウムをプレドープする方法が採用されている(特許文献4参照)。
特開2007-67105号公報 特開平7-235330号公報 特開平9-293499号公報 特開2012-69894号公報
電池やキャパシタ等の蓄電デバイスが備える電極からガスが発生することがある。また、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることが求められている。本開示の一局面は、電極からのガスの発生を抑制することができ、蓄電デバイスのサイクル特性を向上させることができる電極の製造方法及び蓄電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一局面は、(a)アルカリ金属がドープされた活物質、(b)溶媒、並びに(c)ポリアミド系繊維及びポリイミド系繊維から選ばれる少なくとも一種を含む電極材料を用いて前記(a)成分を含む電極を製造する電極の製造方法である。
本開示の一局面である電極の製造方法によれば、電極の抵抗を下げることができると同時に、電極からのガスの発生を抑制することができ、蓄電デバイスのサイクル特性を向上させることができる。
製造装置1の構成を表す説明図である。 連続固液分離装置101の構成を表す説明図である。
本開示の例示的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
1.電極の製造方法
(1-1)ドープ工程
本開示の電極の製造方法は、例えば、アルカリ金属を活物質にドープするドープ工程を備える。なお、本開示において、アルカリ金属のドープとは、アルカリ金属を、金属、イオン、化合物等の各種の状態で吸蔵、インターカレーション、挿入、担持、または合金化された状態とすることを総称するものである。ドープ工程により、(a)成分を製造することができる。
ドープ工程として、例えば、アルカリ金属供給源及び溶媒の存在下、少なくとも活物質を含む不定形の集合体を混練、攪拌、又は混合して、(a)成分を製造する方法がある。なお、以下では、ドープ工程で用いる溶媒をドープ工程溶媒とする。
アルカリ金属供給源及び溶媒の存在下とは、(1)アルカリ金属供給源に由来するアルカリ金属と、活物質とが電気的に接続している状態にあり、(2)ドープ工程溶媒と活物質とが接している状態にあり、(3)アルカリ金属供給源とドープ工程溶媒とが接している状態にあることを意味する。前記(1)の例として、アルカリ金属供給源と活物質とが直接的に接している場合、アルカリ金属供給源と活物質との間に、導電体が存在する場合等が挙げられる。
前記アルカリ金属供給源におけるアルカリ金属として、例えば、リチウム、ナトリウム等が挙げられる。アルカリ金属供給源の形態は特に限定されず、例えば、アルカリ金属板、アルカリ金属の合金板等をアルカリ金属供給源とすることができる。アルカリ金属供給源は、導電性基材上に配置されていてもよい。導電性基材は多孔質であってもよい。導電性基材の材質として、例えば、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。
また、アルカリ金属供給源の形態は、粒子状、箔状、ワイヤ状、アルカリ金属片、アルカリ金属の合金片等の形態(以下では、粒子等形態とする)であってもよい。粒子状の形態を有するアルカリ金属供給源として、例えば、アルカリ金属粒子、アルカリ金属の合金粒子等が挙げられる。
粒子等形態のアルカリ金属供給源は、例えば、活物質を含む集合体と混在することができる。この場合、ドープ速度を高めるには、粒子等形態を有するアルカリ金属供給源を小片化又は微粒化することが好ましい。箔状のアルカリ金属供給源を使用する場合、その厚みは、10~500μmの範囲内が好ましい。粒子状のアルカリ金属供給源を使用する場合、その平均粒子径は、10~500μmの範囲内が好ましい。
ドープ工程溶媒として、例えば、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶媒が挙げられる。ドープ工程溶媒として、有機溶媒が好ましく、特に、非プロトン性の有機溶媒が好ましい。非プロトン性の有機溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。前記有機溶媒は、単一の成分から成るものであってもよいし、2種以上の成分の混合溶媒であってもよい。
ドープ工程溶媒にアルカリ金属塩が溶解していることが好ましい。ドープ工程溶媒と、それに溶解したアルカリ金属塩とを含む液は、電解液である。アルカリ金属塩として、例えば、リチウム塩又はナトリウム塩等が挙げられる。
アルカリ金属塩を構成するアニオン部として、例えば、PF 、PF(C 、PF(CF 、等のフルオロ基を有するリンアニオン;BF 、BF(CF) 、BF(CF、B(CN) 等のフルオロ基又はシアノ基を有するホウ素アニオン;N(FSO 、N(CFSO 、N(CSO 等のフルオロ基を有するスルホニルイミドアニオン;CFSO 等のフルオロ基を有する有機スルホン酸アニオンが挙げられる。ドープ工程溶媒には、単一のアルカリ金属塩が溶解していてもよいし、2種以上のアルカリ金属塩が溶解していてもよい。
電解液におけるアルカリ金属イオンの濃度は、好ましくは0.1モル/L以上であり、より好ましくは0.5~1.5モル/Lの範囲内である。電解液におけるアルカリ金属イオンの濃度がこの範囲内である場合、活物質に対するアルカリ金属のドープが効率よく進行する。
ドープ工程溶媒には、さらに、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1-フルオロエチレンカーボネート、1-(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン、ジエチルスルホン等の添加剤が溶解していてもよい。
活物質は、アルカリ金属イオンの挿入/脱離を利用する蓄電デバイスに適用可能な電極活物質であれば特に限定されない。活物質は、負極活物質であってもよいし、正極活物質であってもよい。
負極活物質は特に限定されない。負極活物質として、例えば、複合炭素材料等の炭素材料が挙げられる。複合炭素材料として、例えば、黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、黒鉛粒子等をピッチや樹脂の炭化物で被覆した複合炭素材料が挙げられる。負極活物質として、例えば、リチウムと合金化が可能なSi、Sn等の金属若しくは半金属又はこれらの酸化物を含む材料等が挙げられる。
炭素材料の具体例として、特開2013-258392号公報に記載の炭素材料が挙げられる。リチウムと合金化が可能な金属若しくは半金属又はこれらの酸化物を含む材料の具体例として、特開2005-123175号公報、特開2006-107795号公報に記載の材料が挙げられる。
正極活物質として、例えば、マンガン酸化物、バナジウム酸化物等の遷移金属酸化物;硫黄単体、金属硫化物等の硫黄系活物質等が挙げられる。
正極活物質、及び負極活物質のいずれにおいても、単一の物質から成るものであってもよいし、2種以上の物質を混合して成るものであってもよい。
ドープ工程において、例えば、少なくとも活物質を含む不定形の集合体を混練、攪拌、又は混合することができる。この場合、ドープを一層均一に行うことができる。ドープ工程において、例えば、少なくとも活物質を含む混合液(以下ではドープ工程用混合液とする)を攪拌することができる。ドープ工程用混合液を攪拌する場合、ドープを一層均一に行うことができる。混練、攪拌、又は混合の方法として、公知の構成を適宜選択して用いることができる。例えば、混練混合機、攪拌羽根等を用いて攪拌を行うことができる。
(1-2)減圧工程
例えば、ドープ工程の前に、減圧工程を行ってもよい。また、ドープ工程と同時に減圧工程を行ってもよい。減圧工程とは、少なくとも活物質を含む混合液(以下では減圧工程用混合液とする)を、減圧された状態に置く工程である。
減圧工程は、例えば、減圧工程用混合液を収容した容器の内部を減圧することにより行うことができる。減圧工程用混合液を容器に収容してから容器内を減圧してもよいし、予め内部が減圧された容器に減圧工程用混合液を収容してもよい。なお、減圧工程においては、減圧工程用混合液を減圧された状態に置けば良く、必ずしも減圧操作を継続する必要はない。
減圧された状態における圧力は、例えば、0.01kPa~0.05MPaの範囲内である。減圧された状態における圧力がこの範囲内である場合、ドープされた活物質の抵抗を低減できる。ドープされた活物質の抵抗を低減できる理由は、SEI被膜の厚膜化を一層抑制することができるためであると推測される。
減圧工程において、好ましい圧力の範囲の下限は、0.02kPaであることがより好ましく、0.05kPaであることがさらに好ましく、0.1kPaであることが特に好ましい。好ましい圧力の範囲の上限は、0.02MPaであることが好ましく、0.01MPaであることがさらに好ましく、5kPaであることが特に好ましい。
例えば、減圧工程の前に、減圧工程用混合液を調製しておき、その後、減圧工程用混合液を減圧された状態に置くことができる。この場合、生産性の点で優れる。また、例えば、溶媒を減圧された状態に置いておき、その後、溶媒に活物質を加えて減圧工程用混合液を調製してもよい。また、例えば、活物質を減圧された状態に置いておき、その後、活物質に溶媒を加えて減圧工程用混合液を調製してもよい。
減圧工程は、アルカリ金属供給源が存在しない状態で行ってもよいし、アルカリ金属供給源の存在下で行ってもよい。アルカリ金属供給源の存在下とは、(1)アルカリ金属供給源に由来するアルカリ金属と、活物質とが電気的に接続している状態にあり、(2)アルカリ金属供給源と減圧工程用混合液とが接している状態にあることを意味する。
前記(1)の例としては、アルカリ金属供給源と活物質とが直接的に接している場合、アルカリ金属供給源と活物質との間に、導電体が存在する場合等が挙げられる。
減圧工程用混合液に含まれる溶媒(以下では減圧工程溶媒とする)として、例えば、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶媒が挙げられる。減圧工程溶媒は、ドープ工程溶媒と同じ溶媒であってもよいし、異なる溶媒であってもよい。
減圧工程溶媒にはアルカリ金属塩が溶解していることが好ましい。アルカリ金属塩として、ドープ工程溶媒に溶解させることができる上記のアルカリ金属塩が挙げられる。減圧工程溶媒には、さらに、添加剤が溶解していてもよい。添加剤として、ドープ工程溶媒に溶解させることができる上記の添加剤が挙げられる。
減圧工程用混合液における活物質の含有割合は、減圧工程用混合液の全量に対して好ましくは30質量%以上90質量%以下である。減圧工程用混合液における活物質の含有割合がこの範囲内である場合、アルカリ金属のドープ速度を一層向上させることができる。
減圧工程を行うことにより、活物質におけるSEI被膜が過度に厚くなってしまうことを抑制できる。その理由は、減圧工程を行うことにより、活物質に残留していたO、Nが除去されるためであると推測できる。また、減圧工程を行うことにより、活物質の細孔内への溶媒又は電解液の浸透が促進される。その結果、ドープ工程においてアルカリ金属のドープが一層進行する。
(1-3)電極材料の製造
電極材料は、(a)~(c)成分を含む。(a)成分は、例えば、ドープ工程により製造することができる。ドープ工程の前、またはドープ工程と同時に減圧工程を行ってもよい。(b)成分は、ドープ工程溶媒であってもよいし、他の溶媒であってもよい。
(c)成分は、ポリアミド系繊維及びポリイミド系繊維から選ばれる少なくとも一種である。(c)成分は、ポリアミド系繊維及びポリイミド系繊維の両方を含んでいてもよいし、どちらか一方のみを含んでいてもよい。
ポリアミド系繊維として、例えば、ナイロンー6.6(デュポン)、テクノーラ(帝人)等が挙げられる。ポリイミド系繊維として、例えば、東洋紡P84(東洋紡)、MIDETEX(I.S.T)等が挙げられる。
ポリアミド系繊維の平均繊維長は100μm以上5000μm以下の範囲が好ましい。ポリアミド系繊維の平均繊維長がこの範囲内である場合、特に膜厚の大きい電極の抵抗を下げることができると同時に、電極から発生するガスの量を一層抑制でき、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることができる。
ポリアミド系繊維の平均繊維径は0.1μm以上100μm以下の範囲が好ましい。ポリアミド系繊維の平均繊維径がこの範囲内である場合、特に膜厚の大きい電極の抵抗を下げることができると同時に、電極から発生するガスの量を一層抑制でき、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることができる。
ポリイミド系繊維の平均繊維長は100μm以上5000μm以下の範囲が好ましい。ポリイミド系繊維の平均繊維長がこの範囲内である場合、特に膜厚の大きい電極の抵抗を下げることができると同時に、電極から発生するガスの量を一層抑制でき、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることができる。
ポリイミド系繊維の平均繊維径は0.1μm以上100μm以下の範囲が好ましい。ポリイミド系繊維の平均繊維径がこの範囲内である場合、特に膜厚の大きい電極の抵抗を下げることができると同時に、電極から発生するガスの量を一層抑制でき、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることができる。
電極材料における(c)成分の含有量は、100質量部の(a)成分に対し、0.2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。(c)成分の含有量がこの範囲内である場合、特に膜厚の大きい電極の抵抗を下げることができると同時に、電極から発生するガスの量を一層抑制でき、蓄電デバイスのサイクル特性を一層向上させることができる。
(c)成分の含有量の好ましい範囲の下限は、100質量部の(a)成分に対し、0.5質量部であることが好ましく、2質量部であることが特に好ましい。(c)成分の含有量の好ましい範囲の上限は、100質量部の(a)成分に対し、15質量部であることが好ましく、10質量部であることが特に好ましい。
電極材料における(b)成分の含有量は、100質量部の(a)成分に対し、50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。(b)成分の含有量がこの範囲内である場合、(a)成分及び(c)成分を混合した後に、活物質へのアルカリ金属のドープをさらに促進することができる。
電極材料を製造する方法として、(a)成分及び(c)成分を混合する工程を含む方法が挙げられる。例えば、(a)成分及び(c)成分を混合する工程の後に、(b)成分を含む他の成分を混合することができる。電極材料を製造する方法は、他の方法であってもよい。
電極材料は、(a)~(c)成分に加えて、バインダー、導電剤、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。バインダーとして、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、NBR等のゴム系バインダー;ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、特開2009-246137号公報に開示されているようなフッ素変性(メタ)アクリル系バインダー等が挙げられる。
導電剤として、例えば、カーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維、金属粉末等が挙げられる。増粘剤として、例えば、カルボキシルメチルセルロース、そのNa塩又はアンモニウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
電極材料は、特開2004-281162号公報等に開示されているように、バインダーとしてゲル化剤を含むとともに、電解質を含むことにより、ゲル電解質を含有していてもよい。
(1-4)電極材料を用いた電極の製造
本開示の電極の製造方法では、「電極材料の製造」の項に記載した方法により電極材料を製造し、その電極材料を用いて電極を製造することができる。
製造する電極は、正極であっても負極であってもよい。電極として、例えば、集電体と、その表面に設けられた電極材料層とを備えるものがある。電極材料層は、電極材料を用いて製造することができる。
負極を製造する場合、集電体として、例えば、銅、ニッケル、ステンレス等の金属箔が好ましい。また、集電体は、金属箔上に炭素材料を主成分とする導電層が形成されたものであってもよい。集電体の厚みは、例えば、5~50μmとすることができる。集電体として、例えば、多孔質集電体が挙げられる。多孔質集電体は、多孔質集電体を厚み方向に貫通する孔を複数備える。
電極材料を用いて電極を製造する方法として、例えば、電極材料を集電体に塗布する方法が挙げられる。電極材料の塗布後、(b)成分を除くことにより、電極材料層を形成することができる。電極材料層は(a)成分及び(c)成分を含む。
電極材料を用いて電極を製造する方法として、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、多孔質集電体の一方の面に電極材料を塗布する。次に、多孔質集電体から見て、前記一方とは反対の側を、前記一方の側に比べて負圧にする。このとき、塗布された電極材料に含まれる(b)成分は、多孔質集電体を透過し、前記一方とは反対側に移動する。塗布された電極材料に含まれる少なくとも(a)成分及び(c)成分は、多孔質集電体における前記一方の側にとどまる。よって、(b)成分は、(a)成分及び(c)成分から分離される。(b)成分が分離された結果、多孔質集電体の前記一方の面に電極材料層が形成される。電極材料層は(a)成分及び(c)成分を含む。この電極の製造方法を以下では溶媒分離方法とする。
2.蓄電デバイスの製造方法
本開示の蓄電デバイス製造方法は、正極、負極、及び電解質を備える蓄電デバイスの製造方法であって、前記「電極の製造方法」の項において説明した電極の製造方法により前記負極を製造する。
蓄電デバイスとして、例えば、キャパシタ、電池等が挙げられる。キャパシタは、アルカリ金属イオンの挿入/脱離を利用するキャパシタであれば特に限定されない。キャパシタとして、例えば、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオンキャパシタ等が挙げられる。その中でもリチウムイオンキャパシタが好ましい。
キャパシタを構成する正極の基本的な構成は、前記「電極の製造方法」の項において説明した電極の構成と同様である。キャパシタが備える正極の正極活物質として、活性炭を使用することが好ましい。
電解質の形態は、通常、液状である。電解質として、前記「電極の製造方法」の項において挙げた電解液と同様のものを用いることができる。電解質は、漏液を防止する目的で、ゲル状又は固体状の形態を有していてもよい。
キャパシタは、正極と負極との間に、それらの物理的な接触を抑制するためのセパレータを備えることができる。セパレータとして、例えば、セルロースレーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド等を原料とする不織布又は多孔質フィルムを挙げることができる。
キャパシタの構造として、例えば、正極及び負極と、それらを介するセパレータとから成る板状の構成単位が、3単位以上積層されて積層体を形成し、その積層体が外装フィルム内に封入された積層型セル等が挙げられる。
また、キャパシタの構造として、例えば、正極及び負極と、それらを介するセパレータとから成る帯状の構成単位が捲回されて積層体を形成し、その積層体が角型又は円筒型の容器に収納された捲回型セル等が挙げられる。
電池として、アルカリ金属イオンの挿入/脱離を利用する電池であれば特に限定されない。電池は、一次電池であっても二次電池であってもよい。電池として、例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、空気電池等が挙げられる。その中でもリチウムイオン二次電池が好ましい。
電池を構成する正極の基本的な構成は、前記「電極の製造方法」の項において説明した電極の構成と同様である。電池が備える正極活物質として、既に例示したものの他、ニトロキシラジカル化合物等の有機活物質や酸素を使用することもできる。電池を構成する電解質の構成、電池自体の構成は、キャパシタの場合と同様である。
3.実施例
(3-1)製造装置1の構成
図1に基づき、製造装置1の構成を説明する。製造装置1は、アルカリ金属がドープされた活物質の製造に使用することができる。製造装置1は混練混合機である。製造装置1は、本体部3と、フード5と、減圧ユニット7と、容器9と、支持台11と、ブレード13と、を備える。
本体部3は、その上端付近から横方向に張り出した上側張出部3Aを備える。また、本体部3は、その下端付近から、上側張出部3Aと同方向に張り出した下側張出部3Bを備える。
フード5は、上側張出部3Aの下面に取り付けられている。フード5は、下方が開口した中空円筒形状の部材である。フード5の側面に、減圧ユニット7が取り付けられている。減圧ユニット7は、ダイヤフラムポンプ15と、真空配管17と、真空ゲージ19と、を備える。真空配管17の一方の端はフード5に接続しており、反対側の端はダイヤフラムポンプ15に接続している。減圧ユニット7は、ダイヤフラムポンプ15を用いて、フード5及び容器9の内部を減圧することができる。真空ゲージ19は真空配管17のうち、フード5側の部分に取り付けられている。真空ゲージ19は、フード5及び容器9の内部の圧力を表示する。
容器9は、上方が開口した中空円筒形状の部材である。容器9の直径とフード5の直径とは同じである。容器9の上端9Aと、フード5の下端5Aとを密着させ、それらの間を気密構造とすることができる。
支持台11は、本体部3から、上側張出部3A及び下側張出部3Bと同方向に張り出す板状部材である。支持台11の上下方向における位置は、上側張出部3Aと下側張出部3Bとの間である。支持台11は、本体部3に設けられたハンドル21をユーザが回すことで、上昇又は下降する。
支持台11は、容器9を下方から支持する。支持台11に容器9を載せ、支持台11を上昇させることにより、上端9Aと下端5Aとを密着させることができる。以下では、上端9Aと下端5Aとが密着する容器9の位置を、使用時位置とする。容器9は、使用時位置にあるとき、図示しないクランプにより固定される。また、支持台11を下降させることにより、容器9を下げ、フード5から分離することができる。
ブレード13は、上側張出部3Aの下面から下方に延びている。ブレード13は、フード5内を通り、フード5よりも下方に突出している。容器9が使用時位置にあるとき、ブレード13は、容器9の内部に上方から差し込まれている。ブレード13は、図示しない駆動ユニットが供給する駆動力により回転する。その回転の軸方向は鉛直方向である。
製造装置1は、ダイヤフラムポンプ15に代えて、ロータリーポンプ等を備えていてもよい。製造装置1は、容器9及びフード5内の温度を制御する温度制御ユニット等をさらに備えていてもよい。
製造装置1と同様の混練混合機として、例えば、プライミックス社製のハイビスミックス、井上製作所社製のプラネタリーミキサー、トリミックスが挙げられる。他にも、ボールミル、ビーズミル、旋回型高速ミキサー、ホモジナイザー、ディスパーサー等を用いることができる。旋回型高速ミキサーとして、例えば、プライミクス社製フィルミックス等が挙げられる。
(3-2)アルカリ金属がドープされた活物質の製造
(i)ドープ活物質Aの製造
6時間真空乾燥させたハードカーボン粉150gと、電解液64gと、リチウム金属片3.89gとを混合して混合液を調製した。ハードカーボン粉は負極活物質に対応する。ハードカーボン粉の50%体積累積径D50は20μmであった。
電解液は、濃度1MのLiPFを含んでいた。電解液の溶媒は、EC(エチレンカーボネート)と、PC(プロピレンカーボネート)とを、体積比で5:5となるように含んでいた。リチウム金属片は、厚さ100μm、質量3.89gのリチウム金属板を1cm角に切り分けたものであった。リチウム金属片は、混合液中でできるだけ均等に分散するように配置した。リチウム金属片はアルカリ金属供給源に対応する。調製した混合液は、減圧工程用混合液及びドープ工程用混合液に対応する。
次に、上述した製造装置1の容器9に混合液を収容し、容器9の位置を使用時位置とした。このとき、ブレード13は混合液に浸漬された。次に、減圧ユニット7を用いて、容器9内を10分間減圧した。このとき、容器9内の圧力は15torrとなった。次に、ブレード13を、回転速度30rpmの条件で20時間回転させ、混合液を攪拌した。攪拌のとき、容器9内の圧力は15torrに維持された。攪拌が終了したとき、リチウム片は消失していた。次に、ダイヤフラムポンプ15を停止し、容器9を下降させ、混合液を容器9から取り出した。さらに、混合液から、リチウムがドープされたドープ活物質(以下ではドープ活物質Aとする)を分離した。
なお、減圧の開始時点から、ダイヤフラムポンプ15を停止した時点までが、減圧工程に対応する。混合液を調製した時点から、リチウム金属片が消失する時点までがドープ工程に対応する。ドープ工程のうち、減圧の開始時点から、リチウム金属片が消失する時点までの期間は、減圧工程とともに行われた。
(ii)ドープ活物質Bの製造
基本的にはドープ活物質Aの製造方法と同様にして、ドープ活物質Bを製造した。ただし、リチウム金属片の量を1.95gとした。
(iii)ドープ活物質Cの製造
基本的にはドープ活物質Aの製造方法と同様にして、ドープ活物質Cを製造した。ただし、ハードカーボン粉の代わりに、シリコン系活物質を同量用いた。また、リチウム金属片の量を18.64gとした。シリコン系活物質は負極活物質に対応する。シリコン系活物質の組成は、SiO(0<x≦2)であった。シリコン系活物質の50%体積累積径D50は5μmであった。
(iv)ドープ活物質Dの製造
基本的にはドープ活物質Cの製造方法と同様にして、ドープ活物質Dを製造した。ただし、リチウム金属片の量を9.32gとした。
(3-3)電極の製造
(実施例1)
100質量部のドープ活物質Aに、5質量部のアセチレンブラックを加えた。次に、0.2質量部のアラミド繊維をさらに加えた。アラミド繊維はアミド系繊維に対応する。アラミド繊維は、加える前に予め6時間真空乾燥させておいた。アラミド繊維の平均繊維長は13μmであった。アラミド繊維の平均繊維径は2μmであった。
次に、電解液をさらに加えて電極材料を製造した。電解液は、EC(エチレンカーボネート)と、PC(プロピレンカーボネート)とを体積比で5:5となるように含んでいた。電極材料の固形分は10質量%であった。
内径40mmのブフナー漏斗上に、直径37mmの円形の銅箔を設置した。銅箔は、直径10μmの穴を多数備えていた。銅箔の開口率は40%であった。銅箔は多孔質集電体に対応する。銅箔の設置方法は、ブフナー漏斗上に濾紙を設置する場合の公知の方法と同じとした。
電極材料を十分に攪拌してから、銅箔上に電極材料を均一に供給した。次に、真空濾過を行った。電極材料に含まれる溶媒は銅箔を透過し、電極材料における他の成分から分離した。銅箔上には、ドープ活物質A及びアラミド繊維を含む電極材料層が形成された。また、銅箔と、電極材料層とを備える実施例1の電極が製造された。実施例1、並びに後述する各実施例及び各比較例における電極材料の内容を表1に示す。
Figure 0007074010000001
(実施例2)
基本的には実施例1と同様にして実施例2の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Aに対し、2質量部とした。
(実施例3)
基本的には実施例1と同様にして実施例3の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Aに対し、20質量部とした。
(実施例4)
基本的には実施例1と同様にして実施例4の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりに、ドープ活物質Bを同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Bに対し、2質量部とした。
(実施例5)
100質量部のドープ活物質Bに、5質量部のアセチレンブラックを加えた。次に、2質量部のアラミド繊維をさらに加えた。アラミド繊維は、加える前に予め6時間真空乾燥させておいた。アラミド繊維の平均繊維長は13μmであった。アラミド繊維の平均繊維径は2μmであった。
次に、電解液をさらに加えて電極材料を製造した。電解液は、EC(エチレンカーボネート)と、PC(プロピレンカーボネート)とを体積比で5:5となるように含んでいた。電極材料における固形分の比率は10質量%であった。
図2に示す連続固液分離装置101を用意した。連続固液分離装置101は、第1ロール103と、回転濾過体105と、第2ロール107と、貯留槽109と、ガイド111とを備える。
第1ロール103には帯状の集電体113が巻き回されている。集電体113は、複数の孔が形成された銅箔から成る。集電体113は多孔質集電体に対応する。集電体113は、第1ロール103から引き出され、ガイド111によって進行方向を変えられ、回転濾過体105に架け渡され、第2ロール107に巻き取られている。
回転濾過体105は、中空の円筒状の形態を有する。回転濾過体105の側面は、液体及び気体を透過可能な濾材から成る。回転濾過体105の軸方向の両端は、シール材で覆われている。回転濾過体105は、その中心軸を中心として回転可能である。
貯留槽109には、上記のように製造した電極材料115が貯留される。回転濾過体105の一部、及び回転濾過体105に架け渡されている集電体113の一部は、電極材料115に浸漬される。
図示しない減圧ユニットにより、回転濾過体105の内部を負圧にした。回転濾過体105の内部の圧力は600mmHg~640mmHgであった。また、回転濾過体105を一定の速度で回転させた。集電体113は、第1ロール103から引き出され、ガイド111及び回転濾過体105に沿って搬送され、第2ロール107に巻き取られた。
集電体113は搬送の途中で電極材料115の中を通過した。このとき、集電体113の外周面に電極材料115が塗布された。回転濾過体105の内部は負圧であるので、集電体113の外周面に塗布された電極材料のうち、(b)成分は、回転濾過体105の側面を構成する濾材及び集電体113を透過し、回転濾過体105の内部に移動した。集電体113の外周面に塗布された電極材料のうち、(a)成分及び(c)成分は、集電体113の外周面に留まった。よって、集電体113の外周面に塗布された電極材料115のうち、(b)成分は、(a)成分及び(c)成分から分離された。集電体113の外周面に電極材料層117が形成された。電極材料層117は(a)成分及び(c)成分を含んでいた。その結果、集電体113と電極材料層117とを備える実施例5の電極119が製造された。この電極の製造方法は溶媒分離方法に対応する。
(比較例1)
基本的には実施例1と同様にして比較例1の電極を製造した。ただし、アラミド繊維を添加しなかった。
(比較例2)
基本的には実施例1と同様にして比較例2の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりに、アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質を同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部の活物質に対し、2質量部とした。アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質の組成は、SiO(0<x≦2)であった。アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質の50%体積累積径D50は5μmであった。
(比較例3)
基本的には実施例1と同様にして比較例3の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の代わりに、ポリフッ化ビニリデンを添加した。また、ポリフッ化ビニリデンの添加量は、100質量部のドープ活物質Aに対し、5質量部とした。ポリフッ化ビニリデンの50%体積累積径D50は150μmであった。
(比較例4)
基本的には実施例1と同様にして比較例4の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の代わりに、カーボンファイバーを添加した。また、カーボンファイバーの添加量は、100質量部のドープ活物質Aに対し、2質量部とした。カーボンファイバーの平均繊維長は7umであった。カーボンファイバーの平均繊維径は1.5μmであった。
(実施例6)
基本的には実施例1と同様にして実施例6の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりにドープ活物質Cを同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Cに対し、0.5質量部とした。
(実施例7)
基本的には実施例2と同様にして実施例7の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりにドープ活物質Cを同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Cに対し、5質量部とした。
(実施例8)
基本的には実施例3と同様にして実施例8の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりにドープ活物質Cを同量使用した。
(実施例9)
基本的には実施例4と同様にして実施例9の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Aの代わりにドープ活物質Dを同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Dに対し、5質量部とした。
(実施例10)
基本的には実施例5と同様にして実施例10の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Bの代わりにドープ活物質Cを同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部のドープ活物質Cに対し、5質量部とした。
(比較例5)
基本的には実施例6と同様にして比較例5の電極を製造した。ただし、アラミド繊維を添加しなかった。
(比較例6)
基本的には実施例6と同様にして比較例6の電極を製造した。ただし、ドープ活物質Cの代わりに、アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質を同量使用した。また、アラミド繊維の添加量は、100質量部の活物質に対し、2質量部とした。アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質の組成は、SiO(0<x≦2)であった。アルカリ金属がドープされていないシリコン系活物質の50%体積累積径D50は5μmであった。
(比較例7)
基本的には実施例6と同様にして比較例7の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の代わりにポリフッ化ビニリデンを添加した。また、ポリフッ化ビニリデンの添加量は、100質量部のドープ活物質Cに対し、5質量部とした。
(比較例8)
基本的には実施例6と同様にして比較例8の電極を製造した。ただし、アラミド繊維の代わりにカーボンファイバーを添加した。また、カーボンファイバーの添加量は、100質量部のドープ活物質Cに対し、2質量部とした。カーボンファイバーの平均繊維長は1.5mmであった。カーボンファイバーの平均繊維径は7μmであった。
(3-4)電極の評価
(i)正極電極の作製
アルミニウム箔から成る正極集電体を用意した。正極集電体の厚みは12μmであった。正極集電体の開口率は0%であった。正極集電体の両面に、それぞれ正極下塗り層を形成した。正極下塗り層の上に、さらに正極活物質層を形成した。ロールプレスした正極活物質層の厚みは67μmであった。正極活物質層は、コバルト酸リチウム、アセチレンブラック、及びポリフッ化ビニリデンを、質量比で100:3:3の比率で含んでいた。以上の工程により、正極電極が完成した。
(ii)発電要素の作製
実施例1~10及び比較例1~8の電極のそれぞれについて、以下のようにして発電要素を作製した。まず、実施例1~10及び比較例1~8の電極から、それぞれ、直径15mmの円形の負極サンプルを切り出した。また、前記(i)で作成した正極電極から直径15mmの円形の正極サンプルを切り出した。負極サンプルと、セパレータと、正極サンプルとをこの順に積層して発電要素を作製した。セパレータはポリプロピレン(PP)製微多孔膜であった。セパレータの厚さは25μmであった。
(iii)初回充放電後の充放電効率の測定
両端に電極を備えた放出ガス圧力測定セル(EL-CELL社製、ECC-Press-DL)内に発電要素を配置した。なお、セル内に発電要素を配置する際に、セル内に電解液を100μL注液した。電解液は、濃度1MのLiPFを含む。LiPFはアルカリ金属塩に対応する。電解液の溶媒は、EC(エチレンカーボネート)と、PC(プロピレンカーボネート)とを、体積比で5:5となるように含む。
放出ガス圧力測定セルを恒温槽の内部に載置した。恒温槽の内部の温度を25℃に調温した。その状態で充放電装置(北斗電工社製)を用いて発電要素に対して1回の充放電(以下では初回充放電とする)を施した。この初回充放電は、0.05Cの充電電流でCCCV充電にて終止電圧4.2Vまで充電を行った後、0.05Cの放電電流で終止電圧2.5Vまで放電を行う処理であった。
初回充放電の際に、充電時のセル容量、及び放電時のセル容量をそれぞれ測定した。初回充放電の際における充電時のセル容量を初期充電容量C1とした。初回充放電の際における放電時のセル容量を初期放電容量C2とした。そして、充放電効率E(%)を、以下の式(1)により算出した。
式(1) E=(C2/C1)×100
充放電効率Eは、クーロン効率とも呼ばれる。充放電効率Eが大きいほど、充電エネルギーを効率的に放電に利用することができる。充放電効率Eの測定結果を表1における「初期性能」のうち「クーロン効率」の列に示す。
(iv)初回充放電後のガス発生量
製造直後における発電要素の体積Vを測定した。次に、初回充放電を行ってから、発電要素の体積Vを測定した。以下の基準により、初回充放電後のガス発生量を評価した。
A:(V-V)/Vの値が0.05%未満である。
B:(V-V)/Vの値が0.05%以上、0.1%未満である。
C:(V-V)/Vの値が0.1%以上、0.3%未満である。
D:(V-V)/Vの値が0.3%以上である。
初回充放電後のガス発生量の評価結果を表1における「初期性能」のうち「ガス発生量」の列に示す。
(v)耐久性試験後ガス発生量
次に、発電要素を、5Aの定電流で4.3Vになるまで充電した。その後、4.3Vの定電圧を印可する定電流―定電圧充電を30分間行った。次に、10Aの定電流でセル電圧が3.0Vになるまで放電した。以上のサイクルを200サイクル繰り返した。
200サイクルを繰り返した後における発電要素の体積V200を測定した。以下の基準により、耐久性試験後のガス発生量を評価した。
A:(V200-V)/Vの値が0.05%未満である。
B:(V200-V)/Vの値が0.05%以上、0.1%未満である。
C:(V200-V)/Vの値が0.1%以上、0.3%未満である。
D:(V200-V)/Vの値が0.3%以上である。
耐久性試験後のガス発生量の評価結果を表1における「耐久性」のうち「ガス発生量」の列に示す。
(vi)耐久性試験後容量維持率
200サイクルの後、発電要素を、1Aの定電流でセル電圧が4.3Vになるまで充電した。その後、4.3Vの定電圧を印可する定電流―定電圧充電を30分間行った。その後、1Aの定電流でセル電圧が2.0Vになるまで放電した。以上のサイクルを繰り返すサイクル試験を行った。200サイクル後にセル容量を測定し、2回目の放電におけるセル容量を200サイクル後の放電容量C3とした。200サイクル後容量維持率K(%)を、下記式(2)に基づき算出した。
式(2) K=(C3/C2)×100
式(2)におけるC2は初期放電容量である。200サイクル後容量維持率Kの測定結果を表1における「耐久性」のうち「容量維持率」の列に示す。
4.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(2)上述した電極の製造方法、蓄電デバイスの製造方法の他、電極、負極、蓄電デバイス等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…製造装置、3…本体部、3A…上側張出部、3B…下側張出部、5…フード、5A…下端、7…減圧ユニット、9…容器、9A…上端、11…支持台、13…ブレード、15…ダイヤフラムポンプ、17…真空配管、19…真空ゲージ、21…ハンドル、101…連続固液分離装置、103…第1ロール、105…回転濾過体、107…第2ロール、109…貯留槽、111…ガイド、113…集電体、115…電極材料、117…電極材料層、119…電極

Claims (8)

  1. (a)アルカリ金属がドープされた活物質、(b)溶媒、並びに(c)ポリアミド系繊維及びポリイミド系繊維から選ばれる少なくとも一種を含む電極材料を用いて前記(a)成分を含む電極を製造する電極の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電極の製造方法であって、
    前記電極材料を集電体に塗布する電極の製造方法。
  3. 請求項2に記載の電極の製造方法であって、
    前記集電体が多孔質集電体である電極の製造方法。
  4. 請求項3に記載の電極の製造方法であって、
    前記多孔質集電体に塗布された前記電極材料に含まれる前記(b)成分を、前記多孔質集電体を透過させることによって分離する電極の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電極の製造方法であって、
    アルカリ金属供給源及び溶媒の存在下、少なくとも活物質を含む不定形の集合体を混練、攪拌、又は混合して、前記(a)成分を製造する電極の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電極の製造方法であって、
    前記(a)成分及び前記(c)成分を混合する工程を含む方法で前記電極材料を製造する電極の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の電極の製造方法であって、
    前記電極材料は、100質量部の前記(a)成分に対し、0.2質量部以上20質量部以下の前記(c)成分を含む電極の製造方法。
  8. 正極、負極、及び電解質を備える蓄電デバイスの製造方法であって、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電極の製造方法により前記負極を製造する蓄電デバイスの製造方法。
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