JP7073889B2 - 放射線撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線撮影システムに関する。
撮影装置で撮影を行うには、制御装置による放射線照射のタイミングと撮影装置による電荷蓄積・読出しのタイミングとの整合をとる必要がある。特に、パルス状の放射線照射を繰り返して複数のフレーム画像を生成する動画撮影では、フレーム間の間隔が短くなるほど撮影装置の蓄積期間が短くなるため、放射線照射のタイミング及び電荷蓄積・読出しのタイミングの高精度(場合によっては数ms~数百μsオーダー)な制御が求められる。
タイミングの制御は、撮影装置と制御装置との間でタイミング情報をやりとりすることで行われるのが一般的である。制御装置と撮影装置間の通信が専用線による有線通信にすると、高精度なタイミング制御が可能であるという利点を有する反面、撮影装置を患者下に直接入れて撮影する際に、撮影装置の取回しが悪く撮影を行いにくいという欠点があった。
そこで、撮影装置を無線にすることが求められているのだが、制御装置と撮影装置との間の通信方式が、WLANのようなベストエフォート型のアクセス方式(CSMA/CA等)を用いるものである場合、パケット送信の調整時間が不定である為、通信遅延にバラツキが生じ、高精度なタイミング制御の実現に課題がある。
こうした課題に対応するために、例えば特許文献1,2に記載されたような技術が提案されている。
特許文献1(特に第5の実施形態)には、無線のビーコン信号に応じてリセットされ計数を再開する第一のカウンターの計数値が規定値になると読出しを開始するセンサユニットと、ビーコン信号に応じてリセットされ計数を再開する第二のカウンターの計数値が規定値になると曝射開始を指示するX線生成ユニットと、を備え、ビーコン受信タイミングにずれが発生し、所望のタイミングで曝射及び読出しができなくなった場合に、ビーコン信号発信時に自システムの無線通信を停止することにより、ジッターの発生を防ぐワイヤレスX線透視システムについて記載されている。
特許文献2には、放射線を発生させる制御を行う放射線源制御装置と、センサ部に発生した電荷を読み出して放射線画像を示す画像データを生成する放射線画像撮影装置と、を備え、放射線源制御装置による放射線を照射させる制御のタイミングと放射線画像撮影装置による読出しのタイミングの同期を、放射線源制御装置と放射線画像撮影装置にそれぞれ備えられたたタイマーを同期させることにより行う放射線画像撮影システムについて記載されている。
特開2009-186439号公報 特開2010-081960号公報
特許文献1に記載された技術は、ビーコン信号発信時に自システムの無線通信を停止することでビーコン信号の通信遅延のばらつきは防止できるとしている。しかし、特許文献1に記載の技術が採用しているIEEE802.11という通信規格は、非常に多くの機器に採用されている。また、テザリングの普及により無線親機として機能する機器が増えてきている。このため、特許文献1に記載された撮影システムの周囲には、当該システムが制御できない無線通信が様々なタイミングで発生することとなり、自システムの無線通信を停止するだけではビーコン信号の通信遅延のばらつきを防ぐことはできず、安定したタイミングで曝射制御を行うことは困難である。
つまり、特許文献1に記載された撮影システムによる同期制御は、一般的な無線通信環境に耐えることができないものであると言える。
また、特許文献2に記載された技術は、放射線画像撮影装置の第一計時手段と放射線源制御装置の第二計時手段との同期精度が十分高く維持されていれば、曝射のタイミングと読出しタイミングの整合をとることができる。
しかし、特許文献2に記載された技術は、特許文献1に記載された技術と同様に、無線通信環境を要因とする同期精度の劣化により、安定したタイミングで曝射制御を行うことは困難となる場合がある。
また、一言で同期をとると言っても、二つのタイマーを完全に一致させることは容易ではなく、その精度が問題となる。しかし、特許文献2には、同期の精度については何も記載されていない。つまり、特許文献2に記載の発明は、システムの機器構成によってはファームウェアによる処理を経る等の理由で一方の装置のタイマーが他方に比べて遅延し、必要な同期精度を得られない可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、放射線を発生させる放射線照射装置と、受けた放射線に基づく放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置の少なくとも一方の装置が、基準時間装置と無線で同期をとる放射線撮影システムにおいて、機器構成に起因する同期精度の劣化を防ぐことを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明は、
放射線を発生させる放射線照射装置と、
受けた放射線に基づく放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置と、
計時を行う第一計時手段から取得した計時値を計時情報としてビーコン信号に含めて送信する動作を定期的に繰り返す基準時間装置と、を備え、
前記放射線照射装置と前記放射線撮影装置のうちの少なくとも一方の装置は、
計時を行う第二計時手段と、
前記ビーコン信号を受信する通信手段と、
受信したビーコン信号に含まれる前記計時情報を取得する取得手段と、
前記計時情報の、取得時における前記第一計時手段の計時値からの遅延分を補償して補償後計時情報を生成する補償手段と、
前記補償後計時情報に基づいて前記第二計時手段の計時値を補正する補正手段と、を備える。
本発明によれば、機器構成に起因する同期精度の劣化を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る放射線撮影システムの構成を表すブロックである。 図1の放射線撮影システムが備える基準時間装置の具体的構成を表すブロック図である。 図1の放射線撮影システムが備える放射線制御装置の具体的構成を表すブロック図である。 図1の放射線撮影システムが備える放射線撮影装置の具体的構成を表すブロック図である。 図1の放射線撮影システムを用いた動画撮影の流れを表すラダーチャートである。 従来の無線通信を行う放射線撮影システムにおける問題点について説明する図である。 従来の放射線撮影システムにおける時刻同期の流れを表すラダーチャートである。 図1の放射線撮影システムにおける時刻同期の流れの一例を表すラダーチャートである。 図1の放射線撮影システムにおける時刻同期の流れの他の例を表すラダーチャートである。 本発明の第二実施形態に係る放射線撮影システムにおける遅延の補償について説明する図である。 図10の放射線撮影システムが遅延補償に用いる評価関数の演算方法の一例を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記実施形態や図面に例示したものに限定されない。
<第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態について、図1~9を参照しながら説明する。
〔放射線撮影システム〕
まず、本実施形態の放射線撮影システム(以下撮影システム100)の概略について説明する。図1は、撮影システム100の概略構成を表すブロック図である。
本実施形態の撮影システム100は、図1に示したように、基準時間装置1と、放射線照射装置(以下照射装置2)と、一又は複数の放射線撮影装置(以下撮影装置3)と、を備えて構成されている。
基準時間装置1は、無線通信におけるアクセスポイントとして機能するものとなっており、照射装置2及び撮影装置3とそれぞれ通信可能となっている。この基準時間装置1の具体的構成については後述する。
なお、図1には、基準時間装置1が照射装置2とも撮影装置3とも無線通信を行う場合を例示したが、本発明は、基準時間装置1と照射装置2との通信、基準時間装置1と撮影装置3との通信の少なくとも一方が無線で行われればよく、照射装置2と撮影装置3のうちの一方の装置と基準時間装置1とを無線通信とする場合には、他方の装置と基準時間装置1とは有線接続してもよいし、他方の装置に基準時間装置1を内蔵してもよい。
照射装置2は、放射線(X線等)を発生させ、その放射線を被検者及びその背後に配置される撮影装置3へ照射するものであり、放射線源制御装置(以下制御装置2a)と、放射線源(管球)2bと、を備えて構成されている。この制御装置2aの具体的構成については後述する。
撮影装置3は、照射装置2から受けた放射線に基づく放射線画像の画像データを生成するものであり、照射装置2と通信することが可能となっている。この撮影装置3の具体的構成についても後述する。
なお、本実施形態では、撮影システム100にコンソール4を備えることもできる。
ここで用いられるコンソール4は、PCや携帯端末、あるいは専用の装置によって構成され、照射装置2や撮影装置3等と通信(コマンドの送受信等)することが可能となっている。
また、コンソール4は、入力された撮影オーダーやユーザーによる操作に基づいて、各種撮影条件(撮影モード(静止画撮影、動画撮影等)や、放射線照射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)を設定することが可能となっている。
このように構成された本実施形態の撮影システム100は、照射装置2から、当該照射装置2と撮影装置3との間に配置された被検者へ放射線Xを照射することにより、被検者の放射線撮影を行うことが可能となっている。
また、本実施形態に係る撮影システム100は、動画撮影(シリアル撮影ともいう)を行うことが可能となっている。すなわち、一回の撮影操作(図示しない曝射スイッチの押下)に基づいて、予め設定された時間幅のパルス状の放射線を一定間隔で複数回繰り返し照射するとともに、画像データを同じ間隔で複数回繰り返し生成することにより、複数枚のフレーム画像で構成される動画の画像データを生成することが可能となっている。
また、このように構成された本実施形態の撮影システム100は、車輪を備える図示しない筐体に、基準時間装置1や照射装置2の他、コンソール4やバッテリー等を内蔵することで回診車本体とし、パネル状に構成した撮影装置3と合わせて回診車100として用いることも可能である。
そして、撮影装置3を例えばベッドと被検者との間に挿入するとともに、放射線源2bを被検者の上方から下方を向くように配置することで、ベッドに横たわった、移動が困難な被検者(被検者)の撮影を行うことが可能となる。
なお、この撮影システム100は、病院の撮影室等に据え付けて用いることも可能である。
また、この撮影システム100は、図示しない他のシステム(例えば、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等)と通信可能に構成することもできる。
〔基準時間装置〕
次に、上記撮影システム100が備える基準時間装置1の具体的構成について説明する。図2は、基準時間装置1の具体的構成を表すブロック図である。
本実施形態の基準時間装置1は、図2に示したように、計時部11と、通信部12と、を備えて構成されている。
計時部11は、タイマー11aを備えている。
タイマー11aは、例えば、基準時間装置1内の図示しない発振器が生成するクロックを所定数カウントする毎にタイマー値をインクリメントすることで計時を行う構成とすることができる。
すなわち、基準時間装置1の計時部11は、本発明における第一計時手段をなす。
なお、基準時間装置1が照射装置2と撮影装置3のうちの一方の装置と有線接続される場合には、計時部11と一方の装置に備えられる計時部との同期がとられる。
通信部12は、無線通信インターフェースを備え、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行うことが可能となっている。
なお、照射装置2と撮影装置3のうちの少なくとも一方の装置と基準時間装置1とを有線通信とする場合、あるいは一方の装置に基準時間装置1を内蔵する場合には、通信部12に有線通信を行うためのインターフェースが更に備えられる。
このように構成された基準時間装置1は、通信部12を介して、所定期間毎に無線でビーコンを送信するようになっている。
〔放射線源制御装置〕
次に、照射装置2が備える制御装置2aの詳細について説明する。図3は、制御装置2aの具体的構成を表すブロック図である。
制御装置2aは、図3に示したように、制御部21と、高電圧発生部22と、記憶部23と、通信部24と、これらを接続するバスと、を備えて構成されている。
また、制御装置2aの各部は、図示しない電源ケーブル又は内蔵バッテリーによって電力の供給を受けることが可能となっている。
制御部21は、図示しないCPU、RAM等を備え、照射装置2の各部の動作を統括的に制御するように構成されている。
また、制御部21は、タイマー21a、制御側カウンター21bを備えている。
タイマー21aは、例えば、照射装置2内の図示しない発振器が生成するクロックを所定数カウントする毎に(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)タイマー値をインクリメントすることで計時を行う構成とすることができる。すなわち、制御装置2aを無線子機とする場合、制御部21は、本発明における第二計時手段をなす。
制御側カウンター21bは、所定のタイミングで、(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)カウント値のインクリメントを開始するよう構成されている。
なお、照射装置2を無線子機としない場合には、タイマー21aや制御側カウンター21bは不要である。
高電圧発生部22は、制御部21からタイミング信号を受信したことに基づいて、予め設定された撮影条件(例えば撮影対象部位、体格等の被検者に関する条件や、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積等の放射線の照射に関する条件)に応じた電圧を放射線源2bに印加するようになっている。
撮影条件に動画撮影が含まれている場合には、タイミング信号を受信する度にパルス状の電圧を所定間隔で繰り返し印可するようになっている。
放射線源2bは、この高電圧発生部22と専用線で接続されており、高電圧発生部22から電圧が印加されると、印加された電圧に応じた線量の放射線を発生させる。具体的には、高電圧発生部22からパルス状の電圧が印加されればパルス状の放射線を照射する。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、及び当該処理プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
通信部24は、無線モジュール等で構成され、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された他の装置(基準時間装置1等)からビーコン信号を含む各種信号を受信したり、他の装置との間で各種情報(信号やデータ)を送受信したりすることが可能となっている。すなわち、通信部24は、本発明における通信手段をなす。
また、通信部24は、通信側カウンター24aを備えている。通信側カウンター24aは、所定のタイミングで、(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)カウント値のインクリメントを開始するよう構成されている。
なお、制御装置2aが基準時間装置1と有線接続される場合には、無線モジュールの代わりに又は無線モジュールと共に有線通信のためのインターフェースが備えられ、通信側カウンター24aは不要となる。
このように構成された照射装置2の制御部21は、記憶部23に記憶されたプログラムに従って以下のような機能を有することとなる。
例えば、制御部21は、各種撮影条件(撮影対象部位、体格等の被検者に関する条件や、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積、フレームレート等の放射線の照射に関する条件)を設定する機能を有している。
また、制御部21は、図示しない曝射スイッチの押下を伝える信号を受信したことに基づいて、高電圧発生部22に対し電圧の印加(放射線の照射)の契機となるタイミング信号を生成するようになっている。
撮影条件に動画撮影が含まれている場合には、フレームレートに応じた周期でタイミング信号を繰り返し生成することとなる。
〔放射線撮影装置の構成〕
次に、上記撮影システム100が備える撮影装置3の具体的構成について説明する。図4は、撮影装置3の具体的構成を表すブロック図である。
本実施形態に係る撮影装置3は、図示しない筐体の他、図4に示したように、制御部31と、放射線検出部32と、読出し部33と、記憶部34と、通信部35と、これらを接続するバスと、を備えて構成されている。
また、撮影装置3の各部は、図示しない電源ケーブル又は内蔵バッテリーによって電力の供給を受けることが可能となっている。
制御部31は、CPU、RAM等で撮影装置3の各部の動作を統括的に制御するように構成されている。
また、制御部31は、タイマー31a、制御側カウンター31bを更に備えている。
タイマー31aは、例えば、撮影装置3内の図示しない発振器が生成するクロックを所定数カウントする毎に(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)タイマー値をインクリメントすることで計時を行う構成とすることができる。すなわち、撮影装置3を無線子機とする場合、制御部31は、制御装置2aの制御部21と同様、本発明における第二計時手段をなす。
制御側カウンター31bは、所定のタイミングで、(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)カウント値のインクリメントを開始するよう構成されている。
なお、撮影装置3を無線子機としない場合には、タイマー31aや制御側カウンター31bは不要である。
放射線検出部32は、外部から放射線を受けることで放射線の線量に応じた量の電荷を直接的又は間接的に生成する放射線検出素子、及び各放射線検出素子と配線との間に設けられ放射線検出素子と配線との間の通電が可能なオン状態又は通電が不能なオフ状態に切り替え可能なスイッチ素子を有する画素が二次元状に複数配列された基板を有するものであればよく、従来公知のものを用いることができる。
すなわち、撮影装置3は、シンチレーターを備え、シンチレーターが放射線を受けることで発した光を検知するいわゆる間接型のものであってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線を直接検知するいわゆる直接型のものであってもよい。
読出し部33は、複数の放射線検知素子にそれぞれ蓄積された電荷の量を信号値として読み出し、各信号値を基に放射線画像の画像データを生成することが可能に構成されていればよく、従来公知のものを用いることができる。
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、各種画像処理プログラムを含む各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
通信部35は、無線モジュール等で構成され、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された他の装置(基準時間装置1等)からビーコン信号を含む各種信号を受信したり、他の装置との間で各種情報(信号やデータ)を送受信したりすることが可能となっている。すなわち、通信部35は、本発明における通信手段をなす。
また、通信部35は、通信側カウンター35aを備えている。通信側カウンター35aは、所定のタイミングで、(基準時間装置1のタイマー11aと同じ速さで)カウント値のインクリメントを開始するよう構成されている。
なお、撮影装置3が基準時間装置1と有線接続される場合には、無線モジュールの代わりに又は無線モジュールと共に有線通信のためのインターフェースが備えられ、通信側カウンター35aは不要となる。
このように構成された撮影装置3の制御部31は、記憶部34に記憶されたプログラムにより以下のような機能を有することとなる。
例えば、制御部31は、撮影装置3の状態を、「初期化状態」、「蓄積状態」、「読出し・転送状態」のうちのいずれかの状態に切り替える機能を有している。
「初期化状態」は、各スイッチ素子にオン電圧が印加され、放射線検出素子が発生させた電荷が各画素に蓄積されない(電荷が信号線に放出される)状態である。
「蓄積状態」は、各スイッチ素子にオフ電圧が印加され、放射線検出素子が発生させた電荷が画素内に蓄積可能となる(電荷が信号線に放出されない)状態である。
「読出し・転送状態」は、各スイッチ素子にオン電圧が印加されるとともに、読出し部33が駆動して、流れ込んできた電荷に基づく信号値を読出すことが可能な状態である。
なお、状態を切り替えるタイミングについては後述する。
〔動画撮影の流れ〕
次に、本実施形態の撮影システム100を用いた動画撮影の流れについて、コンソール4を組み合わせた場合を例にして説明する。図5は、本実施形態の撮影システム100の動作を表すラダーチャートである。
まず、撮影システム100の電源がオンにされると、基準時間装置1のタイマー11aがインクリメントを開始するとともに、制御装置2a、撮影装置3のタイマー21a,31aもそれぞれインクリメントを開始する。
また、基準時間装置1は、ビーコンを照射装置2(制御装置2a)及び撮影装置3へ定期的(例えば100ms毎)に送信する(ステップS1)。
照射装置2及び撮影装置3は、ビーコンを受信する度に、ビーコンに含まれる計時情報に基づいて時刻同期(タイマー21a,31aのタイマー値の修正)を行う(ステップS2,S3)。
ここで、動画撮影の開始トリガーが引かれる(例えば、曝射スイッチが押下される)と(ステップS4)、コンソール4は、撮影開始コマンドの他、予め設定されていたフレームレートや撮影継続時間を撮影装置3へ送信する(ステップS5)。
また、コンソール4は、撮影装置3への撮影開始コマンド等の送信と並行又は前後して、撮影開始コマンドの他、予め設定されていたフレームレートや撮影継続時間、放射線の照射条件を制御装置2aへ送信する(ステップS6)。
制御装置2aは、撮影開始コマンド等を受信すると、受信した照射条件を、放射線源2bに設定する(ステップS7)。
次に、図示しない曝射スイッチが押下されると(ステップS8)、制御装置2aは、基準時間装置1を介して、その旨を撮影装置3及びコンソール4へ通知する(ステップS9,S10)。すると、制御装置2a及び撮影装置3は、それぞれ自身の同期状態を判定し(ステップS11,S12)、基準時間装置1を介して、その判定結果をコンソール4へ通知する(ステップS13,14)。
コンソール4は、制御装置2a及び撮影装置3から判定結果をそれぞれ受信すると、制御装置2a及び撮影装置3の時刻同期が共にとれているか否かを判定する(ステップS15)。
同期精度が劣化している状態で撮影を開始してしまうと、曝射と読出しのタイミングの整合が取れなくなり、撮影が失敗してしまうことがあるため、本実施形態ではこのように同期がとれているか否かを曝射前に判定している。
なお、制御装置2aと撮影装置3の時刻同期が所定時間内に完了しない場合には、コンソール4に同期が失敗した旨を通知し、コンソール4の表示部に、同期が失敗したことや、基準時間装置1の再起動やネットワーク設定の確認などのトラブルシューティングを促す表示を行うようにしてもよい。このようにすれば、異常から早期に復帰することができ、ユーザビリティーを向上させることが可能となる。
ステップS15において、同期がとれているとコンソール4が判定した場合には(ステップS15;Yes)、コンソール4は、基準時間装置1を介して、撮影シーケンス開始時刻及び撮影継続時間を制御装置2a及び撮影装置3へそれぞれ通知する(ステップS16,S17)。
撮影シーケンス開始時刻は、想定される無線通信遅延とコンソールの処理遅延を加えた値よりも大きい値にすることが好ましい。これにより、撮影シーケンス開始時刻の送信が遅延しても、撮影シーケンス開始時刻を受信した時点で撮影シーケンス開始時刻を既に過ぎてしまっていることが無くなり、撮影が失敗してしまうことを回避することができる。
制御装置2aは、撮影シーケンス開始時刻等を受信すると、撮影シーケンス開始時刻と、予め記憶部に記憶しておいたフレームレートと、に基づいて各フレームの曝射開始時刻を生成する(ステップS18)。
一方、撮影装置3は、撮影シーケンス開始時刻等を受信すると、撮影シーケンス開始時刻と、予め記憶部に記憶しておいたフレームレートと、1フレームあたりの蓄積時間と、に基づいて各フレームの蓄積開始時刻を生成する(ステップS19)。
蓄積時間は、読出し中に曝射されることを避けるために、1フレームあたりの放射線の照射時間よりも長くなるようにする。
曝射(読出し)開始時刻の生成方法としては、例えば、撮影シーケンス開始時刻を1フレーム目の曝射(読出し)開始時刻とし、2フレーム目以降の曝射(読出し)開始時刻は、1フレーム目の曝射(読出し)開始時刻にフレーム周期(=1/フレームレート)を累積加算していくことで生成する方法が挙げられる。この場合、Nフレーム目の曝射(読出し)開始時刻は、撮影シーケンス開始時刻+(フレーム番号N-1)×フレーム周期となる。
また、各フレームの曝射(読出し)開始時刻を一度に生成して記憶部に記憶しておき、各フレームの曝射開始を指示する(読出しを開始する)度に参照するようにしてもよいし、各フレームの曝射開始を指示する(読出しを開始する)度に前のフレームの曝射開始時刻にフレーム周期を加算して生成するようにしてもよい。後者のようにした場合は、記憶部の容量を削減することができる、1撮影あたりのフレーム数が変動するシステムへの対応が容易になるといった利点がある。
制御装置2aは、タイマー21aが各フレームの曝射開始時刻と合致する度に、放射線源2bに各フレームの曝射開始を指示する。放射線源2bは、曝射開始の指示を受ける度に、放射線を予め設定された照射時間照射する(ステップS20)。
一方、撮影装置3は、タイマー31aが各フレームの蓄積開始時刻と合致する度に、自身の状態を「初期化状態」から「蓄積状態」へ遷移させ、照射装置2から照射された放射線によって発生した電荷を各画素へ蓄積する(ステップS21)。そして、自身の状態を「蓄積状態」から「読出し・転送状態」へ遷移させ、読み出し部33が各画素の電荷量を信号値に変換し、各信号値を一の画像データとして読み出して、それを転送する(ステップS22)。
制御装置2aは、曝射を行ってから次の曝射を行うまでの間に、撮影終了イベント(曝射スイッチの2段目が解放されたこと又はフレームの撮影枚数が所定の最大フレーム数に達したこと)が起きたか否かを判定する(ステップS23)。最大フレーム数は、記憶部に予め記憶された値を用いてもよいし、コンソール4で入力され送信されてきた値を用いてもよい。
ステップS23において、撮影終了イベント起きていないと判定した場合は(ステップS23;No)、次の曝射開始時刻となるのを待って再びステップS20以降の動作を繰り返す。
一方、撮影装置3は、画像データの読出しを行ってから次の蓄積を行うまでの間に、撮影終了イベント(撮影終了が通知されたこと、且つ曝射スイッチの2段目が解放されたこと又はフレームの撮影枚数が所定の最大フレーム数に達したこと)が起きたか否かを判定する(ステップS24)。ここで、撮影終了イベントが起きていないと判定した場合は(ステップS24;No)、次の読出し開始となるのを待って再び自身の状態を「初期化状態」から「蓄積状態」へ遷移させる。このように、読出し終了後に撮影終了イベントの有無を判断することにより、読出しの途中で撮影終了イベントを検出して処理を終了し、最終のフレーム画像が一部分しか生成されないといった異常を回避することができる。
制御装置2aは、撮影終了イベントが起きたと判定した場合には(ステップS23;Yes)、基準時間装置1を介して、撮影終了を撮影装置3へ通知して(ステップS25,S26)、動作を終了する。そして、次の撮影が開始されるまでの間は、放射線源2bに曝射開始の指示を行わない。
一方、撮影装置3も、撮影終了イベントが起きたと判定した場合には(ステップS24;Yes)動作を終了する。
こうして本実施形態に係る撮影システム100を用いた動画撮影が完了する。
〔同期制御〕
次に、本実施形態に係る撮影システム100が備える時刻同期機能について説明する。図6は、撮影システム100の動作を表すタイミングチャートである。
撮影システム100を構成する各装置の同期がとれている状態で動画撮影が行われると、図6(a)に示したように、撮影装置3は、所定のフレームレートに応じた周期で電荷の蓄積、画像データの読出し・転送を繰り返し、照射装置2はフレームレートに応じた周期で、かつ撮影装置3が蓄積状態となっているときに放射線の発生を繰り返す。
しかし、各装置が備える発振器の周波数の誤差等の影響により、各装置1~3のタイマー11a,21a,31aの計時速度に若干の差がある場合がある。このような場合、動画撮影のような比較的長時間の撮影を行うと、基準時間装置1のタイマー値と無線子機2a,3のタイマー値とのずれ、あるいは制御装置2aのタイマー値と撮影装置3のタイマー値とのずれが次第に大きくなってくるため、照射装置2の曝射開始時刻と撮影装置3の蓄積タイミングとがずれてきてしまうことがある。
例えば、照射装置2の曝射開始時刻が遅れると、図6(b)に示したように、撮影装置3が蓄積状態から読出し・転送状態に遷移してしまった後に放射線が照射され、照射装置2からの放射線に基づく電荷が各画素に全く蓄積されなくなってしまったり、放射線が照射されている途中で、撮影装置3が蓄積状態から読出し・転送状態に遷移してしまい、蓄積される電荷量が少なくなってしまったりする。
一方、撮影装置3の蓄積タイミングが遅れると、図6(c)に示したように、撮影装置3が蓄積状態に遷移する前に放射線が照射され、照射装置2からの放射線に基づく電荷が各画素に全く蓄積されなくなってしまったり、撮影装置3が初期化状態のときと蓄積状態のときに跨って放射線が照射され、蓄積される電荷量が少なくなってしまったりする。
そこで、本実施形態の撮影システム100は、図6(a)に示した動作、すなわち、撮影装置3が「蓄積状態」でいる間に、照射装置2による放射線の照射開始から照射終了までの動作を行えるようにするため、照射装置2の曝射開始時刻と撮影装置3の蓄積タイミングのずれを修正するようになっている。
具体的には、基準時間装置1は、ビーコンに、少なくとも当該ビーコン送信時における計時部11のタイマー11aのタイマー値(パルス信号の数や時刻情報等の数値:計時値)を計時情報として含めるようになっている。
すなわち、基準時間装置1は、計時部11から取得した計時値を計時情報としてビーコン信号に含めて送信する動作を定期的に繰り返すようになっている。
また、制御装置2aと撮影装置3のうち無線子機となる装置の通信部24,35は、受信した信号を解析する機能を有している。すなわち、通信部24,35は、本発明における解析手段をなす。
また、無線子機となる装置の通信部24,35は、解析した信号がビーコン信号であった場合に、ビーコン信号に含まれる計時情報を取得する機能を有している。すなわち、通信部24,35は、本発明における取得手段をなす。
そして、制御部21,31は、通信部24,35から取得した計時情報に基づいてタイマー21a,31aのタイマー値を補正する機能を有している。
なお、IEEE802.11の規格に基づく無線通信を行う場合には、この規格に備えられている時刻同期機能(Timing Synchronization Function:TSF)を利用すればよい。
〔遅延の補償〕
次に、本発明の要部である、時刻同期の際の処理遅延の補償について説明する。図7は従来の放射線撮影システムにおける時刻同期の流れを表すラダーチャート、図8は本実施形態の撮影システム100における時刻同期の流れの一例を表すラダーチャート、図9は本実施形態の撮影システム100における時刻同期の流れの他の例を表すラダーチャートである。
上述したような、基準時間装置1から送信されるビーコンに含まれる計時情報に基づく同期機能を備えた放射線撮影システムにおいては、例えば図7に示したように、無線子機(放射線制御装置(以下制御装置2A)や放射線撮影装置(以下撮影装置3A))の通信部24A,35Aが基準時間装置1からビーコンを受信すると、通信部24A,35Aにおいて、ビーコンから計時情報を取得するための各種処理(例えば、無線信号のアナログ信号をデジタル信号に変換する復調処理や、パケットの各フィールドを読み取りビーコン信号であることの認識及びビーコンに含まれていた計時情報を取得するパケット解析処理等)を行う。そして、取得した計時情報を制御部21,31(アプリケーションプロセッサー)に通知することで、無線子機は無線親機から送信されてきた計時情報をはじめて認識し、タイマー21a,31aのタイマー値を補正することができるようになる。
しかし、こうした計時情報を取得するための各種処理を、通信部24,35内のファームウェア(FW)を用いて行うためにはある程度の時間を要するため、通信部24A,35Aがビーコンを受信してから、制御部21,31がタイマー21a,31aのタイマー値を補正するまでの間にタイムラグが生じてしまう。つまり、無線子機2A,3Aが修正した直後のタイマー値は、基準時間装置1が送信するビーコンに含まれていた計時情報の値に比べ、タイムラグの分だけ小さくなってしまう。このことは、同期精度を劣化させる原因になる。
具体的には、例えば図7に示したように、計時部11のタイマー11aのタイマー値が「100000」のときに基準時間装置1がビーコン(計時情報「100000」)を送信し(ステップS31)、無線子機2A,3Aがそれを受信して(ステップS32)、各種処理を行い(ステップS33,S34)、これから計時情報を通知することを予告する割り込み信号を制御部21,31へ送信する(ステップS35)までに、基準時間装置1の計時部11の計時が進行する(ここでは、1000増える)。制御部21,31は、この割り込み信号を受信すると、制御側カウンター21b、31bのインクリメントを開始させる(ステップS36)。
通信部24は、計時情報を通知する(ステップS37)。すると、制御部21,31は、タイマー21a,31aのタイマー値を補正する(ステップS38)。このとき、その後、制御側カウンター21b、31bのカウント値が「10000」であったとすると、制御部21,31は、タイマー21a,31aタイマー値を、ビーコンに含まれていた計時情報「100000」に制御側カウンター21b,31bのカウント値「10000」を足した「110000」に補正する。しかし、このとき、基準時間装置1の計時部11のタイマー11aのタイマー値は「111000」となっており、無線子機2A,3Aのタイマー21a,31aのタイマー値は、補正直後であっても「1000」だけ基準時間装置1のタイマー11aのタイマー値とずれてしまう(タイマー21a,31aの計時に遅延が生じてしまう)。
各種処理に要する時間が短ければ、こうした差はあまり問題にならないが、このタイムラグが大きくなると、制御装置2Aの曝射タイミングと撮影装置3Aの蓄積タイミングとが大きくずれることになってしまう。
また、こうした各種処理に要する時間は装置毎に異なる。このため、制御装置2Aと撮影装置3Aを両方とも無線子機とする場合、どちらも基準時間装置1からの同一の計時情報に基づいてタイマー21a,31aのタイマー値の補正を行うにもかかわらず、両者の補正直後のタイマー値には差が出てしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る撮影システム100は、制御装置2aと撮影装置3のうち無線子機となる装置が、こうした計時の遅延を補償する機能を備えている。
具体的には、例えば図8に示したように、無線子機2a,3の通信部24,35に、ビーコンを受信したことを契機として基準時間装置1のタイマー11aと同じ速度でインクリメントする通信側カウンター24a,35aを備えるとともに、下記(1)又は(2)に示したような、計時情報の、通知時における基準時間装置1の計時部11のタイマー11aのタイマー値からの遅延分を補償して補償後計時情報を生成する処理を行うようになっている。
(処理(1))
図8に示したように、まず、通信部24,35は、通信側カウンター24a,35aを用いて、ビーコン信号を受信してから少なくとも前記信号を解析し終えるまでの処理時間を計時する(ステップS32A)。この処理(1)では、パケット解析処理(ステップS34)を行い、割込み信号を発行するまでの時間を計時する。
なお、通信部24,35は、パケット解析処理が終了するまで当該パケットをビーコンと認識することができないが、全てのパケットの受信時に通信側カウンター24a,35aのインクリメントを開始しておき、パケット解析処理の実行後、ビーコンと判別した際に初めて当該通信側カウンター24a,35aのカウント値を「ビーコン信号を受信してから解析し終えるまでの処理時間」として扱うことによりこうした計時が実現可能となる。
このような機能を有する通信部24,35は、本発明における第三計時手段をなす。 制御部21,31は、この割込み信号が発行されると、制御側カウンター21b、31bのインクリメントを開始する(ステップS36)。
次に、通信部24,35は、計時情報及び処理時間に基づいて補償後計時情報を生成して通知する(ステップS37A)。この処理(1)では、計時情報(100000)に処理時間(1000)を足し合わせることにより補償後計時情報(101000)を生成する。すなわち、この処理(1)を行う通信部24,35や制御部21,31は、本発明における補償手段をなす。
次に、制御部21,31は、補償後計時情報に基づいてタイマー21a,31aのタイマー値を補正して設定する(ステップS38A)。こちらの処理では、タイマー21a,31aのタイマー値を、補償後計時情報(101000)に、制御側カウンター21b,31bのカウント値(10000)を足し合わせた値(111000)に補正する。すなわち、制御部21,31は、本発明における補正手段をなす。
(処理(2))
図9に示したように、まず、制御部21,31は、定期的に割込み信号を発行して(ステップS41)、そのときの制御側カウンター21b,31bのカウント値を通信部24,35に通知する(ステップS42)。
次に、通信部24,35は、制御部21,31から制御側カウンター21b,31bのカウント値を通知されると、制御部21,31のカウンターを再生する(ステップS43)。
次に、通信部24,35は、通信側カウンター24a,35aを用いて、ビーコン信号を受信してから少なくとも信号を解析し終えるまでの処理時間を計時する(ステップS32A)。この処理(2)では、パケット解析処理を終え、計時情報等を制御部へ通知するまでの時間を計時する。すなわち、通信部は、本発明における第三計時手段をなす。
また、通信部24,35は、再生したカウンターのカウント値(2000)から処理時間(通信側カウンター24a,35aのカウント値、1000)を差し引いた差分値(1000)を、計時情報(100000)とともに制御部へ通知する(ステップS44)。
次に、制御部21,31は、計時情報及び処理時間に基づいて補償後計時情報を生成して設定する(ステップS45)。この処理(2)では、制御側カウンター21b、31bのカウント値(3000)に計時情報(100000)を足し、そこから差分値(1000)を差し引くことにより補償後計時情報(102000)を生成する。すなわち、この処理(2)を行う通信部24,35や制御部21,31も、本発明における補償手段及び補正手段をなす。
本実施形態のようにすれば、通信部24,35内のファームウェアを用いた処理行うことによる計時の遅延を打ち消すことができるため、機器構成に起因する同期精度の劣化を防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、カウンター24a,35aを使用した方法を用いているが、ビーコン信号を受信したときに通信部24,35から制御部21,31へ割り込み信号を送信し、パケット解析処理において、受信した信号がビーコン信号であると解析された場合に、補償後計時情報を生成するための情報を通信部24,35から制御部21,31へ通知するようにしてもよい。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図10,11を参照しながら説明する。
なお、ここでは、第一実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第一実施形態に係る放射線撮影システム100は、無線子機の通信部24,35におけるファームウェアの処理による計時の遅延を補償するものであった。しかし、同期精度の劣化は、基準時間装置1におけるビーコン送信処理の遅延によりビーコンに含められる計時情報がばらつくことによって生じることもある。そこで、本実施形態に係る放射線撮影システム(以下撮影システム100A)は、基準時間装置1でのビーコン送信処理の遅延による計時の遅延を補償するようになっている。
このため、本実施形態に係る撮影システム100Aは、無線子機となる装置が実行する補償後計時情報を生成する処理の内容が第一実施形態と異なる。
〔遅延の補償〕
具体的には、本実施形態の無線子機の制御部は、基準時間装置1からビーコンを受信すると、受信したビーコン信号に含まれる計時情報を、補正係数を用いて補正することにより補償後計時情報を生成する機能を有している。
補正係数は、ビーコンに含まれる計時情報のばらつきを小さくできるようなものであれば特に限定されるものでは無いが、過去に取得した計時情報を用いたフィードバック制御を行うことにより補正係数を更新するようにするのが好ましい。
具体的には、例えば図10に示したように、受信したビーコンに含まれる計時情報と記憶部に記憶されている評価関数とに基づいて補正係数w(n)を生成し、その補正係数w(n)を次回以降に受信したビーコンに含まれる計時情報に乗じることにより補正する。
補正係数w(n)を更新するための具体的な計算式としては、例えば下記式(1)のようなものが挙げられる。
w(n)=w(n―1)+αe(n-1)・・(1)
すなわち、補正係数w(n)は、評価関数e(n-1)にステップサイズαを乗じたものに、前回の補正係数w(n―1)を足し合したものとする。
ここで、w(n)のnは、ビーコンの受信回数を示した値であり、ビーコン受信する度に補正係数が更新されることを表している。
本実施形態における評価関数e(n)は、例えば図11に示したように、現時点までに受信したビーコンに含まれる計時情報と無線子機のタイマーのタイマー値との差分(=tsf_diff(n))から、今回受信したビーコンに含まれる計時情報と無線子機のタイマーのタイマー値との差分の平均(=E[tsf_diff(n-1)])を差し引いたものに、ステップサイズとして-2を乗じることにより算出している。
なお、ここで例示した評価関数e(n)以外の評価関数を用いてもよい。
本実施形態のようにすれば、ビーコンに含まれる計時情報に突発的に大きな誤差が生じてもその影響を抑えることができるため、機器構成に起因する同期精度の劣化を防ぐことができる。
ところで、上述した第一,第二実施形態では、撮影の際、制御装置2aとコンソール4とが無線にてコマンド(撮影開始コマンド等)の送受信を行う場合を例示したが、制御装置2aとコンソール4とを有線で接続するとともに、制御装置2aの無線通信機能を受信専用としてもよい。このようにすれば、制御装置2aの通信部24に送信に関わる機能や無線認証に関わる機能が不要となるため、通信部24の構成を簡素にすることができる。
なお、このような技術は、上記実施形態に係る撮影システム100,100Aに限らず、放射線制御装置及びコンソールを備える放射線撮影システム全般に適用することが可能である。
また、上述した第一,第二実施形態の遅延補償機能は、放射線撮影システムにおける曝射・蓄積制御だけにとどまらず、機器間で高精度の同期を取ることが求められるシステムの制御(例えば、長時間の単独運用のために消費電力を抑制することが求められるセンサネットワークにおけるスリープ制御等)に適用することが可能である。
100,100A 放射線撮影システム(回診車)
1 基準時間装置
11 計時部
11a タイマー
12 通信部
2 放射線照射装置
2a 放射線源制御装置
21 制御部
21a タイマー
21b 制御側カウンター
22 高電圧発生部
23 記憶部
24 通信部
24a 通信側カウンター
25 バス
2b 放射線源
3 放射線撮影装置
31 制御部
31a タイマー
31b 制御側カウンター
32 放射線検出部
33 読出し部
34 記憶部
35 通信部
35a 通信側カウンター
36 バス
4 コンソール

Claims (4)

  1. 放射線を発生させる放射線照射装置と、
    受けた放射線に基づく放射線画像の画像データを生成する放射線撮影装置と、
    計時を行う第一計時手段から取得した計時値を計時情報としてビーコン信号に含めて送信する動作を定期的に繰り返す基準時間装置と、を備え、
    前記放射線照射装置と前記放射線撮影装置のうちの少なくとも一方の装置は、
    計時を行う第二計時手段と、
    前記ビーコン信号を受信する通信手段と、
    受信したビーコン信号に含まれる前記計時情報を取得する取得手段と、
    前記計時情報の、取得時における前記第一計時手段の計時値からの遅延分を補償して補償後計時情報を生成する補償手段と、
    前記補償後計時情報に基づいて前記第二計時手段の計時値を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記取得手段は、受信した信号を解析する解析手段を備え、
    前記補償手段は、
    前記ビーコン信号を受信してから少なくとも前記信号を解析し終えるまでの処理時間を計時する第三計時手段を備え、
    前記計時情報及び前記処理時間に基づいて前記補償後計時情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記補償手段は、受信した信号がビーコン信号であると解析された場合に、前記補償後計時情報を生成するための情報を通知することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記放射線照射装置へコマンドを送信可能なコンソールを備え、
    前記放射線照射装置とコンソールとは有線で接続され、
    前記放射線照射装置の無線通信機能を受信専用としたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
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