JP7073748B2 - 流体分離用炭素膜の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の流体分離用炭素膜(以下、単に「炭素膜」ということがある)の製造方法においては、まず、後に選択的に消失させることが可能な消失樹脂Aから本質的になる芯部と、炭化処理により炭化する炭化可能樹脂と後に選択的に消失させることが可能な消失樹脂Bを含む鞘部とからなる芯鞘構造を有する前駆体繊維を紡糸する。なお、本明細書において繊維とは、繊維断面積を円に換算した際の平均直径に対して平均長さが100倍以上である構造体を指すものとする。
共連続相分離構造または連続多孔構造の構造周期が0.005μm以上であれば、炭化可能樹脂と消失樹脂Bの特性をそれぞれ十分に引き出すことが可能になり、炭化後に得られる構造として多孔質で流体の透過性に優れ、かつ耐圧性に優れた炭素膜が得られるため好ましい。また、相分離部分が20μm以下の構造周期であれば、構造体として欠陥が少なく、力学的に優れた材料とすることが可能になる。共連続相分離構造の構造周期の値は、上記範囲の中で用途に合わせて任意に調整することができる。
〔共連続構造〕
前駆体繊維を超薄切片法により電子顕微鏡観察が可能な状態とし、必要に応じて電子染色を施した。得られた観察用試料について、電子線トモグラフィー法により三次元構造を観察した。
前駆体繊維または炭素膜を試料プレートに挟み込み、CuKα線光源から得られたX線源から散乱角度10度未満の情報が得られるように、光源、試料及び二次元検出器の位置を調整した。二次元検出器から得られた画像データ(輝度情報)から、ビームストッパーの影響を受けている中心部分を除外して、ビーム中心から動径を設け、角度1°毎に360°の輝度値を合算して散乱強度分布曲線を得た。得られた曲線においてピークを持つ位置の散乱角度θより、共連続相分離構造または連続多孔構造の構造周期を下記の式によって得た。
〔相溶部分〕
前駆体繊維を超薄切片として、必要に応じて電子染色を施し、これを透過型電子顕微鏡で観察した。得られた画像から、1nmより大きい消失樹脂Bと炭化可能樹脂との相分離状態が観察されない部分が、一辺が相分離部分の構造周期Lの3倍となる領域以上にわたって観察される部分を、相溶部分と判断した。
得られた炭素膜を直径20mmの金属丸棒に1周回巻き付け、これを別のサンプルでn=10繰り返し測定して、全て破断しなかったものを◎、破断が20%以下であったものを○として評価し、○以上を合格とした。
10本の炭素膜を束ねてステンレス製のケーシング内に収容し、束ねた炭素膜の端をエポキシ樹脂系接着剤でケーシング内面に固定するとともにケーシングの両端を封止して、ガス分離用炭素膜モジュールを作製し、ガス透過速度を測定した。測定ガスは二酸化炭素を用い、ガス分離用炭素膜モジュールは外圧式モジュールとした。測定ガスを外圧式モジュール内に流し、二酸化炭素の単位時間当たりの流量を測定した。流量、膜面積、時間、圧力から計算される膜透過速度が、0.001(nmol・m2・s・Pa)以上であるものを○、0.01(nmol・m2・s・Pa)以上であるものを◎として、○以上を合格とした。
上記ガス分離用炭素膜モジュールに外圧式で0.3MPaまでの圧力をかけ、0.1MPaまでリークが発生しないものを○、0.3MPaまでリークが発生しないものを◎として、○以上を合格とした。
消失樹脂Aとして75gのポリビニルアルコール(PVA)(MW2.5万)と425gのジメチルスルホキシド(DMSO)を混合し、均一かつ透明な溶液Aを調製した。
消失樹脂Aをポリビニルピロリドン(PVP)(MW4万)へ変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
消失樹脂Aをポリエチレングリコール(PEG)(MW4万)へ変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
溶液Aを用いず、溶液Bのみを用いて紡糸を行った以外は、実施例1と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
消失樹脂Bを用いず、炭化可能樹脂として75gのポリアクリロニトリル(MW15万)を用いて溶液Bを作製した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
消失樹脂Aをポリビニルピロリドン(MW4万)へ変更した以外は、実施例4と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
消失樹脂Aをポリエチレングリコール(MW4万)へ変更した以外は、実施例4と同様の方法で前駆体繊維及び炭素膜を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[実施例7]
消失樹脂Aとして75gのポリビニルアルコール(PVA)(MW2.5万)と425gのジメチルスルホキシド(DMSO)を混合し、均一かつ透明な溶液Aを調製した。
Claims (10)
- 中空糸状の流体分離用炭素膜の製造方法であって、後に選択的に消失させることが可能な消失樹脂Aから本質的になる芯部と、炭化処理により炭化する炭化可能樹脂と後に選択的に消失させることが可能な消失樹脂Bを含む鞘部とからなる芯鞘構造を有する前駆体繊維を紡糸し、その後、炭化処理と同時かまたはその前後に前記消失樹脂Aおよび前記消失樹脂Bを消失させて中空糸状にすることを特徴とする流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記前駆体繊維として、鞘部に炭化可能樹脂と消失樹脂Bとの相分離構造を少なくとも一部に有する前駆体繊維を作製し、前記消失樹脂Bを消失させることで鞘部に多孔構造を形成する、請求項1に記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記相分離構造が共連続相分離構造であり、前記消失樹脂Bを消失させることで鞘部に共連続多孔構造を形成する、請求項2に記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- X線散乱法またはX線CT法により測定される前記前駆体繊維の前記共連続相分離構造の構造周期が0.005μm以上20μm以下である、請求項3に記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記炭化可能樹脂と前記消失樹脂Bとして、特定の条件において相溶状態となる組み合わせの樹脂を用いる、請求項3または4に記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記共連続多孔構造を、前記炭化可能樹脂と前記消失樹脂Bとのスピノーダル分解型相分離により形成する、請求項3~5のいずれかに記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記前駆体繊維の鞘部が前記消失樹脂Bと前記炭化可能樹脂との相溶部分を含む、請求項1~6のいずれかに記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記消失樹脂Aまたは前記消失樹脂Bとして熱分解によって除去できる樹脂を用い、前駆体繊維の炭化処理と同時に前記消失樹脂Aまたは前記消失樹脂Bを消失させる、請求項1~7のいずれかに記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記炭化可能樹脂が、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルおよび全芳香族ポリエステルからなる群より選択される樹脂である、請求項1~8のいずれかに記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
- 前記消失樹脂Aおよび前記消失樹脂Bが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール、ポリビニルピロリドン、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリアミドおよびポリカーボネートからなる群より選択される樹脂である、請求項1~9のいずれかに記載の流体分離用炭素膜の製造方法。
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