JP7073136B2 - 容器蓋 - Google Patents
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Description
この点、調味料など各種の容器に使用されている樹脂キャップは、容器口部に嵌合固定される蓋本体と、蓋本体に対してヒンジ連結或いはネジ締結された上蓋とから構成されている。
かような樹脂キャップを分別廃棄する場合、一般的には栓抜きのような工具が必要であり、分別廃棄の作業に時間がかかるだけでなく極めて面倒であるという問題があった。
例えば特許文献1においては、液体調味料のための容器の口頚部に適した合成樹脂製容器蓋として、容器の口頚部の頂面を覆う主部と、この主部から垂下する円筒形状の側壁と、この側壁を囲繞する円筒形状の囲繞壁とを含み、側壁の内周面には周方向に延在する係止手段が形成されており、容器の口頚部に被嵌して前記係止手段を容器の口頚部の外周面に形成されている係止あご部に係合させることによって容器の口頚部に装着される合成樹脂製容器蓋が開示されている。そしてこの容器蓋においては、上方から見て反時計方向に順次に囲繞壁分離領域、移行領域及び側壁分離領域が配置されている。
すなわち、上記した二重壁構造においては側壁と囲繞壁との間隙はわずかなものであり、射出成形を用いて製造する場合にその間隙内に配置される金型の先端は抜き勾配の影響もあって極薄/極細な形状となっている。そして囲繞壁に滑り止めリブが設けられる場合、この滑り止めリブが設けられる上端が一番細くなる為に、その上端に破断可能接続片を配置することで最薄箇所をなくすことも考えられる。
なお本実施形態においては、説明の便宜上、容器蓋2が嵌合される容器は口頸部106を中心にして図示しているが、この容器2のうち不図示の部分における構造は公知の容器における種々の構造を適用してもよい。また、図を用いた説明において、X、Y及びZ方向を適宜設定したが、説明の便宜上であって本発明を何ら過度に限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る容器蓋2を容器の口頚部106に装着した状態であって、その一部が断面となるように模式的に示した模式図である。
本実施形態における容器蓋2は、蓋本体4及び外蓋6から構成されており、容器の口頚部106に嵌合する分別廃棄が可能な二重壁構造(後述)を呈している。そして特に上述した課題を達成するため、この容器蓋2は、側壁10、囲繞壁12、複数の破断可能接続片58、複数の滑り止めリブ60を少なくとも含んで構成されている。
以下、図2~8を適宜参照しつつ本実施形態に係る容器蓋2の主要な構成についてさらに詳述する。
先ず、容器蓋2を構成する蓋本体4は、ポリエチレン(例えばローデンとも称される低密度ポリエチレン)の如き比較的軟質の合成樹脂から射出成型することができる。なお蓋本体4の材質はポリエチレンに限定されず、例えばポリプロピレンなど公知の他の樹脂材料を適用してもよい。
一方で、容器蓋2を構成する外蓋6は、例えば高密度ポリエチレン又はポリプロピレンの如き比較的硬質の合成樹脂から射出成形することができる。この容器蓋2についてもこれらの樹脂に限定されず、公知の他の樹脂材料を適宜適用してもよい。
なお、本実施形態で特に詳述する以外の容器2に関する構成については、例えば本出願人の先願である特願2017-046982号を適宜参照することができる。
閉塞壁14の中央領域14aには円環形状の破断可能ライン16によって規定された円形排出開口形成領域18が設けられている。そして閉塞壁14の上面には、外周領域14bの半径方向咯中間位置において上方に延出する円筒壁20と、外周領域14bの半径方向内側縁部において上方に延出する円筒形状注出壁22と、中央領域14a(更に詳しくは排出開口形成領域18)の中央部において上方に延出する円筒形被係止壁24とが形成されている。
また、被係止壁24の外周面における補助突条31の下方には、第一の周方向被係止手段32が配設されている。更に図3と共に図4を参照することによって理解されるとおり、図示の実施形態においては、第一の周方向被係止手段32は周方向に等角度間隔をおいて6個配設されている。
被係止壁24の内周面には、軸線方向に延びるリブ33が周方向に等角度間隔を置いて4個形成されている。リブ33は、蓋本体4に外蓋6を装着する際に所定の治具と協働して外蓋6に対する蓋本体4の回転を規制することを可能とする。なお、このリブ33の個数や間隔についても、上記の形態に限定されず、例えば4個以外の数を周方向に沿って配置してもよいし、必ずしも完全な等角度で間隔を置かなくともよい。
垂下壁34の外周面の上端部には、周方向に連続して延在し且つ半径方向外方に突出する第二の被係止突条40が配設されている。一方、垂下壁34の外周面の下端部には、第二の周方向被係止手段42が配設されている。
また、図4などに示すとおり、側壁10の内周面には、周方向に延在する係止手段48が形成されている。図示の実施形態においては、この係止手段48は、周方向に間隔をおいて複数設けられた、周方向に延びる突条である。
主として図3を参照して説明すると、本実施形態の容器蓋2においては、Z方向上方から見て反時計方向(矢印θz1で示す方向)に順次に囲繞壁分離領域50、移行領域52及び側壁分離領域54が配置されている。換言すれば、本実施形態においては、囲繞壁分離領域50と、側壁10が囲繞壁12と一体となって口頚部106から離間する側壁分離領域54とが、周方向(Z軸周り、θz方向)に沿って配置されている。
このうち、同図に示すように側壁分離領域54と囲繞壁分離領域50との間には非分離領域56が存在しているのが好ましい。
なお、図示の実施形態においては、一例として、囲繞壁分離領域50は概ね90度で、移行領域52は概ね15度で、側壁分離領域54は概ね165度で、非分離領域56は概ね90度で設定した。
換言すれば、この複数の破断可能接続片58は、分別廃棄の際に囲繞壁10が径方向外側に向けて側壁10に対して離間する囲繞壁分離領域50において、周方向に間隔を隔てて配設されるとともに、軸方向の端部で側壁10と囲繞壁12とを接続する機能を備えている。このときブリッジである破断可能接続片58は、側壁10及び囲繞壁12の上端部で接続されることが望ましい。
なお本実施形態では側壁10と囲繞壁12の互いの上端部で破断可能接続片58によって接続されているが、上端部で接続される形態に限られず例えば上端以外の下端(Z方向の下側端)や上端と下端の間などで接続される形態であってもよい。
この滑り止めリブ60は、例えば分別廃棄時における滑り止めを目的として囲繞壁12の内面(側壁10と対向する側)に形成される。換言すれば、本実施形態の滑り止めリブ60は、囲繞壁分離領域50の囲繞壁12の内面において周方向に間隔を隔てて軸方向に沿って延び、破断可能接続片58に対して周方向における位置が一致しないように隣り合う破断可能接続片58の間に配設される。図示のとおり、本実施形態の滑り止めリブ60は、囲繞壁12の上端部から下端部まで垂直に延在することが望ましい。なお、この破断可能接続片58と滑り止めリブ60との位置関係については、後に図10を用いて更に詳述する。
この摘み部67は、分別廃棄の際に把持可能な分別用摘み部であって、そして図示からも明らかなとおり、この分別用摘み部には上記した破断可能接続片58及び滑り止めリブ60が形成されていない。
非分離領域56においては、側壁10と囲繞壁12とは堅固に接続されており、主部8と側壁10とを接続する接続部46に破断可能薄肉接続壁59は形成されていない(図6と図8とを比較参照)。
かような膜厚移動範囲の一例として、図5に示すとおり、互いに厚みが異なる第1破断可能薄肉接続壁59aと第2破断可能薄肉接続壁59bが周方向で並んで形成されている。
なお破断可能薄肉接続壁59に設定した膜厚移動範囲においては、上記のとおり領域毎に厚みを設定してもよいし、囲繞壁分離領域50から移行領域52に至るまでに反時計方向に向けてリニアに厚みが増加する形態であってもよい。
以上の破断可能薄肉接続壁59に設定された膜厚移動範囲によって、分別廃棄時に作業者が受ける引き裂き感(引き裂きに要する力)が部分的に強く変化してしまうことが抑制されている。
図1を参照して説明を続けると、外蓋6は、円形天面壁76と、この天面壁76の外周縁から下方に垂下する円筒形状スカート壁78とを備えている。天面壁76の内面には、その外周縁部において下方に垂下する円筒形状垂下壁80、及び中央領域において下方に垂下する円筒形状係止壁82が形成されている。
天面壁76の内面には、半径方向に見て円筒形状垂下壁80と円筒形状係止壁82との間において下方に垂下する筒状液留め片84、及び半径方向に見て液留め片84と円筒形状係止壁82との間において下方に垂下する筒状補助シール片86も形成されている。
円筒形状係止壁82の内周面の下端部には、周方向に連続して延在し且つ半径方向内方に突出する第一の係止突条94が配設されている。係止壁82の内周面における第一の係止突条94の下方には、第一の周方向被係止手段96が配設されている。
上記のとおりに組み合わされた容器蓋2は、図1において二点鎖線で示す容器の口頸部106に対して図1に示す状態まで強制的に下降せしめることによって容器の口頸部106に装着される。このとき、蓋本体4における側壁10の内周面に形成されている係止手段48が口頸部106の外周面に形成されている係止あご部108を弾性的に乗り越えて係止し、これによって蓋本体4が口頸部106に固定して装着される。また、これと同時に蓋本体4のシール壁36が口頸部106内に進入して密着することで容器の口頸部106が密封される。
そして破断可能ライン16が破断して蓋本体4の閉塞壁14に排出開口が形成された後、外蓋6を蓋本体4に対して上記方向に更に回転せしめると、排出開口形成領域18が閉塞壁14のその他の部分から分離されて外蓋6と共に排出開口形成領域18が蓋本体4に対して上昇する。排出開口形成領域18が閉塞壁14のその他の部分から除去される際には、シール片44は弾性的に撓んで上記その他の部分より上方に移動する。
すなわち、まず外蓋6を廃棄するとともに、蓋本体4を容器の口頸部106から離脱させる。この際には、図9に示すとおり、囲繞壁分離領域50の反時計方向上流端部に形成された摘み部67を把持してこれを上方又は半径方向外方に引張ることで、まず破断可能連接片64を破断する。
図10(a)に、本実施形態の破断可能接続片58と滑り止めリブ60との位置関係を模式的に示す。同図に示すとおり、本実施形態の滑り止めリブ60は、上記した周方向において互いの一部が重ならないように隣り合う2つの破断可能接続片58の間に位置付けられる。換言すれば、隣り合う2つの滑り止めリブ60の間に少なくとも1つの破断可能接続片58が位置付けられるとも言える。
なお、上述したとおり、図10(a)においても摘み部67には上記した破断可能接続片58や滑り止めリブ60は形成されていない。
また、本実施形態においては、破断可能接続片58の周方向における幅w1は、滑り止めリブ60の周方向における幅w2よりも大きく設定されている。しかしながら本発明はこれに限定されず、w1≦w2でもよい。
なお、図10においては破断可能接続片58の数と滑り止めリブ60の数は一致しているが、本発明はこの態様に限られず破断可能接続片58の数と滑り止めリブ60の数は必ずしも一致しておらず異なっていてもよい。
このとき、1つの破断可能接続片58を挟む両サイドの滑り止めリブ60からの夫々の中心間距離d3およびd4は、互いに異なった値となっている。
このように破断可能接続片58と滑り止めリブ60との配置が周方向で一致していないことから、分別廃棄時における囲繞壁12の過剰な変形に対する剛性を担保することもできる。
また、破断可能接続片58の上部に形成した破断可能薄肉接続壁59については、必ずしも必須ではなく、適宜省略してもよい。
また、上記した実施形態では、蓋本体4と外蓋6とはネジ構造で結合されるプルキャップタイプとして説明したが、これらがヒンジを介して接続されたヒンジキャップタイプであってもよい。
4:蓋本体
6:外蓋
8:主部
10:側壁
12:囲繞壁
50:囲繞壁分離領域
52:移行領域
54:側壁分離領域
56:非分離領域
58:破断可能接続片
58a:破断可能接続片の底面
60:滑り止めリブ
68:破断可能薄肉連接壁
70:破断可能ライン
70a:上端部
70b:傾斜主部
72:薄肉部
74:領域
106:容器の口頸部
108:係止あご部
Claims (7)
- 容器の口頚部に嵌合する分別廃棄が可能な二重壁構造の容器蓋であって、
前記口頚部と嵌合する円筒状の側壁と、
前記側壁に対して径方向外側に空隙を介して配置されて当該側壁の少なくとも一部を周方向に沿って囲繞する囲繞壁と、
前記分別廃棄の際に前記囲繞壁が前記径方向外側に向けて前記側壁に対して離間する囲繞壁分離領域において、前記周方向に間隔を隔てて配設されるとともに、軸方向の端部で前記側壁と前記囲繞壁とを接続する複数の破断可能接続片と、
前記囲繞壁分離領域の前記囲繞壁の内面において前記周方向に間隔を隔てて前記軸方向に沿って延び、前記破断可能接続片に対して前記周方向における位置が一致しないように隣り合う前記破断可能接続片の間に配設される複数の滑り止めリブと、を含み、
前記破断可能接続片のうち前記軸方向における前記空隙と対向する側の面は、その断面の形状が弧状となっていることを特徴とする容器蓋。 - 前記破断可能接続片は、前記側壁及び前記囲繞壁の上端部で接続され、
前記滑り止めリブは、前記囲繞壁の上端部から下端部まで延在する、請求項1に記載の容器蓋。 - 前記滑り止めリブは、前記周方向において互いの一部が重ならないように隣り合う2つの前記破断可能接続片の間に位置付けられる請求項1又は2に記載の容器蓋。
- 前記滑り止めリブは、前記周方向において隣り合う2つの前記破断可能接続片の中央に位置付けられる請求項3に記載の容器蓋。
- 前記囲繞壁分離領域と、前記側壁が前記囲繞壁と一体となって前記口頚部から離間する側壁分離領域とが、前記周方向に沿って配置されてなる請求項1~4のいずれか一項に記載の容器蓋。
- 前記周方向における前記囲繞壁分離領域と前記側壁分離領域との間には移行領域が配置され、
該移行領域においては、少なくとも一部は前記軸方向に沿って斜めに傾斜して延びる破断可能薄肉ラインが前記側壁に形成されている請求項5に記載の容器蓋。 - 前記囲繞壁は前記分別廃棄の際に把持可能な摘み部を備え、
前記摘み部には前記破断可能接続片及び前記滑り止めリブが形成されていない、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器蓋。
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