以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
<実施の形態>
以下、本実施の形態に関する放送受信装置について説明する。
<放送受信装置の構成について>
図6は、本実施の形態に関する放送受信装置の構成の例を概念的に示す図である。
図6に例示されるように放送受信装置160は、制御部150を備える。そして、制御部150は、周波数設定部153と、識別子指定部154と、サービス情報取得部152と、判定部163と、生成部155とを備える。
周波数設定部153は、デジタル放送の放送ストリームを受信するための周波数を設定する。識別子指定部154は、放送ストリームを識別するための識別子を指定する。
サービス情報取得部152は、周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、放送ストリームに多重化され、かつ、サービス選局に必要な情報であるサービス情報を取得する。判定部163は、サービス情報取得部152において、サービス情報が取得されたか否かを判定する。
生成部155は、サービス情報に基づいてサービスリストを生成する。そして、判定部163においてサービス情報が取得されなかったと判定された場合、サービス情報取得部152は、いずれか一方が変更された周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得する。
図1は、本実施の形態に関する放送受信装置の概念的な構成の例をさらに具体的に示す図である。本実施の形態では、具体例として、高度広帯域衛星デジタル放送の放送受信装置について説明する。
図1に例が示されるように、放送受信装置60は、チューナー部10と、復調部20と、データ分離部30と、制御部50と、映像復号部70と、音声復号部71と、グラフィックス重畳部80と、映像出力部90と、音声出力部91とを備える。
また、制御部50は、制御プログラムおよび各種設定データを保存する不揮発性メモリと、データ処理を行うための一時記憶メモリと、制御プログラムに基づいて処理を行うCPUとを主に備える。制御機能の観点から見た場合には、制御部50は、選局部51と、周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームからサービス情報を取得するサービス情報取得部52と、デジタル放送の放送ストリームを受信するための周波数を設定する周波数情報設定部53と、サービスリスト生成部54と、ユーザーインターフェイス部55と、グラフィックス表示部56とを備える。
ここで、サービス情報取得部52は、サービス情報取得部152に対応する。また、周波数情報設定部53は、周波数設定部153に対応する。
また、サービスリスト生成部54は、サービス情報に基づいてサービスリストを生成する。サービスリスト生成部54は、放送ストリームを識別するための識別子を指定する選局要求部201と、放送ストリームを識別するための識別子を指定する選局要求部202と、サービス情報取得部52においてサービス情報が取得されたか否かを判定するチャンネル情報取得可否判定部203とを備える。また、選局部51は、TMCC情報取得部204を備える。
ここで、選局要求部201および選局要求部202は、識別子指定部154に対応する。また、チャンネル情報取得可否判定部203は、判定部163に対応する。また、サービスリスト生成部54におけるサービスリストを生成する機能は、生成部155に対応する。
以下においては、サービス選局に必要な情報が多重化されたあらかじめ定められた放送ストリームをデフォルトTLVと称し、放送ストリームを識別するための識別子をTLV_stream_idと称し、放送伝送装置を中継器と称して説明する場合がある。
本実施の形態に関する放送受信装置において、チューナー部10は、放送波(ここでは、図示しない)を受信する。チューナー部10は、選局部51に制御されることによって、選局対象の周波数を選択し、さらに、当該周波数で伝送されるデジタル放送信号を出力する。なお、出力されたデジタル放送信号は、復調部20に入力される。
復調部20は、選局部51に制御されることによって、伝送路符号化されたデジタル放送信号の誤り訂正処理および復調処理を行う。そして、復調部20は、選局部51によって設定された選局対象のTLV_stream_idに対応するTLVストリームを出力する。なお、出力された当該TLVストリームは、データ分離部30に入力される。
データ分離部30は、TLVストリームを映像データおよび音声データなどの各種データに分離する。分離された映像データは、映像復号部70に入力されて復号される。また、分離された音声データは、音声復号部71に入力されて復号される。
映像復号部70において復号された映像信号は、グラフィックス重畳部80へ入力される。そして、当該映像信号は、グラフィックス表示部56が生成するグラフィックスを重畳して、映像出力部90を介して、たとえば、映像表示装置(ここでは、図示しない)に出力される。
また、音声復号部71において復号された音声信号は、音声出力部91を介して、たとえば、音声出力装置(ここでは、図示しない)に出力される。
上記のデータ分離部30は、TLVストリームをパケット分離する。これによってTLVストリームは、TLVパケットの制御情報と、その他のデータとに分離される。なお、TLVパケットの制御情報には、TLV-SIが含まれる。
また、データ分離部30は、TLV-SIをテーブルごとに分離するテーブルIDフィルターを備える。
そして、制御部50におけるサービス情報取得部52は、データ分離部30のテーブルIDフィルターにおいてテーブルごとに分離されたTLV-SIのうち、必要な情報を格納しているTLV-SIテーブルを取得する。
これによって、サービス情報取得部52は、サービス選局に必要な情報として、たとえば、TLV-NIT(network information table)をデータ分離部30から取得することができる。
なお、TLV-NITは、変調周波数その他伝送路の情報とサービスとを関連付ける情報を伝送する伝送制御信号である。
本実施の形態に関する放送受信装置は、サービス選局に必要な情報を取得するため、たとえば、リモートコントローラなどのユーザーインターフェイス機器(ここでは、図示しない)からの制御信号を、制御信号入力部(ここでは、図示しない)によって受信する。
制御信号入力部に入力された制御信号は、制御部50におけるユーザーインターフェイス部55に入力される。このようにして、ユーザーの操作に基づく制御を行うことができる。
購入設置時(すなわち、放送受診装置を最初に設置および設定する際)の処理は、工場出荷状態の放送受信装置が最初に起動されたときに自動的に開始してもよいし、ユーザーインターフェイス機器からの制御信号によって開始してもよい。
図3は、本実施の形態に関する、購入設置時の処理におけるサービスリスト生成処理の例を示すフローチャートである。
まず、選局要求部201は選局を要求する(ステップST1)。具体的には、サービスリスト生成部54の選局要求部201は、周波数情報設定部53に格納されている、デフォルトTLVを伝送する中継器に対応する周波数としてあらかじめ定められた周波数(すなわち、デフォルト周波数)と、デフォルトTLVに対応するTLV_stream_id(すなわち、デフォルトTLV_stream_id)とに基づく選局を、選局部51に要求する。
これによって、チューナー部10で周波数同期されたデジタル放送信号は、復調部20へ入力され、復調部20において当該デジタル放送信号に対して誤り訂正処理および復調処理が行われた後、TLVストリーム1000としてデータ分離部30に入力される。
次に、サービスリスト生成部54は、TLVストリーム1000からサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得する(ステップST2)。具体的には、サービスリスト生成部54は、サービス情報取得部52に対し、TLVストリーム1000からのサービス選局に必要な情報の取得を要求する。そして、サービス情報取得部52は、データ分離部30に入力されたTLVストリーム1000から、サービス選局に必要な情報を取得する。
ここで、サービス選局に必要な情報としてTLVストリーム1000からTLV-NITを取得する場合には、データ分離部30はテーブルIDフィルターの機能を有するため、サービス情報取得部52は、TLV-NITのテーブルIDを指定して、データ分離部30にフィルター要求を行う。そして、データ分離部30は、当該テーブルIDに対応するTLV-SIテーブルをTLV-NITとしてサービス情報取得部52に提供する。このようにして、サービス情報取得部52は、TLVストリーム1000から、サービス選局に必要な情報を取得することができる。
次に、サービスリスト生成部54は、TLVストリーム1000からサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができたか否かを判定する(ステップST3)。具体的には、チャンネル情報取得可否判定部203によって、サービス選局に必要な情報、たとえば、TLV-NITが取得することができたか否かを判定する。
これは、サービス情報取得部52が、データ分離部30におけるTLVストリーム1000から所望の情報を取得することができたか否かによって判定する。取得することができなかったとする判定は、サービス情報取得部52が、たとえば、TLV-NITの最大再送周期の2倍の時間を経過しても取得することができなかった場合に行うことができる。また、チューナー部10または復調部20が非同期状態であるときは、所望の情報を取得することができないと判定することができる。
サービス選局に必要な情報が取得することができた場合は、サービスリスト生成部54は、サービスリストを生成する(ステップST7)。一方で、サービス選局に必要な情報が取得することができなかった場合は、サービスリスト生成部54の選局要求部202が、再び選局を要求する(ステップST4)。
ここで、選局要求部201の要求によって、デフォルトTLVに対応するデフォルトTLV_stream_idが適切に選局された場合は、データ分離部30からサービス選局に必要な情報を取得することができる。そのため、高度広帯域衛星デジタル放送を選局するためのサービスリストを生成することができる。
一方で、非特許文献1などによると、デフォルトTLVを受信するための周波数を手動で変更することができるようにすることが求められている。これは、たとえば、周波数情報設定部53に格納された周波数を、Graphical User Interface(以下、GUIと称す)などによって変更することが想定される。
このように、デフォルトTLVを受信するための周波数を手動で変更する場合、デフォルトTLVを伝送している周波数とは異なる周波数が、デフォルトTLVを受信するための周波数として設定されることとなる。
そのため、上記の周波数変更がなされた状態で選局要求部201の要求によって選局する場合、そもそも当該周波数でデジタル放送信号が送出されていない、または、当該周波数で伝送されるデジタル放送信号にはデフォルトTLVおよび対応するデフォルトTLV_stream_idが含まれていない、といった事態が生じ得る。
そのような場合には、選局対象のTLVストリーム1000をデータ分離部30に入力することができないため、サービスリスト生成部54が、サービス情報取得部52を介してサービス選局に必要な情報を取得することができない。
そこで、本実施の形態に関する放送受信装置のサービスリスト生成処理においては、このようにTLVストリームからサービス選局に必要な情報を取得することができなかった場合に、さらに、選局要求部202の要求で選局する(ステップST4)。
具体的には、サービスリスト生成部54の選局要求部202は、選局要求部201の要求によって選局された周波数およびTLV_stream_idとは、いずれか一方が異なる組み合わせの周波数およびTLV_stream_idを用いる選局を、選局部51に要求する。
さらに、サービスリスト生成部54は、選局要求部202の要求によって選局した結果データ分離部30に入力されるTLVストリーム1001から、サービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得する(ステップST5)。
そして、サービスリスト生成部54は、TLVストリーム1001からサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができたか否かを判定する(ステップST6)。
なお、ステップST5およびステップST6は、ステップST2およびステップST3と処理対象となるTLVストリームが異なるだけでその他の動作は同様であるため、具体的な説明は割愛する。
上記の動作の例として、たとえば、周波数情報設定部53には、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数のほかに、デフォルトTLVを伝送する中継器に対応するあらかじめ定められたデフォルト周波数が格納されている。
そして、選局要求部202の要求によって、選局要求部201の要求で既に選択された、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数ではなく、デフォルト周波数を選択する。
このように選局要求部202が動作することによって、デフォルトTLVを伝送する中継器が変更されていない場合にユーザーが誤ってデフォルトTLVを受信するための周波数を変更してしまったとしても、サービスリスト生成部54は、選局要求部202の要求によってデフォルト周波数で受信されるTLVストリーム1001から、サービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができる。
そして、サービスリスト生成部54は、TLVストリーム1000またはTLVストリーム1001からサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができた場合、サービスリストを生成する(ステップST7)。なお、TLVストリーム1001からもサービス選局に必要な情報を取得することができなかった場合は、処理を終了する。
サービスリストの生成に関して、具体的には、たとえば、TLV-NITに含まれるサービスリスト記述子から当該ネットワークで伝送されるサービスリストを生成する。本実施の形態に関する放送受信装置は、このサービスリストに基づき、サービス選局を行うことができる。なお、サービス選局の詳細は割愛する。
このように構成されることによって、あらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームとしてのデフォルトTLVを伝送する周波数が変更されていない場合に、ユーザーが誤ってデフォルトTLVを受信するための周波数を変更してしまったとしても、選局要求部202の要求によって、選局要求部201の要求で既に選局された周波数および放送ストリームを識別するための識別子としてのTLV_stream_idとは、いずれか一方が異なる組み合わせの周波数およびTLV_stream_idを用いる選局を行うことができる。
そして、選局要求部202の要求によって受信された放送ストリームとしてのTLVストリーム1001から、サービス選局に必要な情報を取得することができる。よって、ユーザーの利便性が向上する。
また、たとえば、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数では、そもそもデジタル放送信号が送出されていない可能性もある。デジタル放送信号が送出されていない周波数を選局した場合、サービスリスト生成部54は、サービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができなくなってしまう。
しかしながら、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数で何らかのTLVストリーム(すなわち、デフォルトTLVとは異なるTLV_stream_idで識別されるTLVストリーム)が伝送されていれば、サービスリスト生成部54は、当該TLVストリームに含まれるデフォルトTLV_stream_idとは異なるTLV_stream_idを選択することによって、サービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができる。
言い換えれば、サービスリスト生成部54が、より確実にサービス選局に必要な情報を取得することができるようにするためには、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数においてデフォルトTLVとは異なるTLVストリームが伝送されており、かつ、選局要求部202の要求が、ユーザーによって設定された周波数と当該周波数で伝送されるTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idのうち、選局要求部201の要求で既に選択されたデフォルトTLV_stream_idとは異なるTLV_stream_idを選択するものであればよい。
図2は、ユーザーによって設定されたデフォルトTLVを受信するための周波数において、何らかのTLVストリームが伝送されていることを確認することができる、周波数情報設定画面の構成の例を示す図である。
図2に例が示されるように、周波数情報設定画面100には、デフォルトTLVを受信するための周波数情報を表示する周波数情報表示領域101と、周波数情報表示領域101に表示されている周波数情報の受信状態を表示する受信状態表示領域102とが表示されている。
このように構成された周波数情報設定画面100は、グラフィックス表示部56で生成される。そして、生成された周波数情報設定画面100は、グラフィックス重畳部80で映像データに重畳されて、映像出力部90から出力される。そして、当該映像は、映像表示装置(ここでは、図示しない)にGUIとして表示される。
図2に例が示される周波数情報表示領域101は、周波数の選択を兼ねており、周波数情報表示領域101において選択された周波数でのアンテナ受信レベルが、受信状態表示領域102に表示される。
このように構成されることによって、ユーザーは、デフォルトTLVを受信するための周波数を変更する際に、変更後の周波数においてデジタル放送信号が送出され、かつ、何らかのTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idが伝送されていることを確認した上で、周波数を変更することができる。
このように構成することによって、選局要求部201の要求で選択された周波数とTLV_stream_idとの組み合わせで、サービス選局に必要な情報を取得することができなかった場合でも、選局要求部201の要求で選択された周波数には、何らかのTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idが伝送されていることを周波数情報設定画面100を用いて確認することができる。
そして、選局要求部202の要求では、選局要求部201の要求で選択された周波数に含まれるTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idのうち、選局要求部201の要求で選択されたTLV_stream_idとは異なるTLV_stream_idを選択することによって、サービスリスト生成部54が、当該TLV_stream_idに対応するTLVストリームに含まれるサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができる。
選局要求部202の要求によって選択するTLV_stream_idをこのように定めることによって、ユーザーが誤って設定した周波数において伝送されているTLVストリームのうち、デフォルトTLVとは異なるTLV_stream_idに対応するTLVストリームを受信することが可能となる。これによって、サービスリスト生成部54が、当該TLVストリームからサービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができる。
このように構成することによって、あらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームを伝送する周波数が変更されていない場合に、ユーザーがあらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームを受信するための周波数を変更する場合であっても、何らかの放送ストリームを受信することが可能な周波数を確認して、周波数を変更することができる。
さらに、選局要求部202の要求で、当該周波数で伝送されているあらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームの識別子とは別の識別子で伝送されている放送ストリームを選局することによって、当該放送ストリームからサービス選局に必要な情報を取得することができる。そのため、ユーザーの利便性が向上するという効果がある。
また、たとえば、選局要求部201の要求によって選択された周波数で、何らかのTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idが伝送されているものの、デフォルトTLVおよび対応するTLV_stream_idが伝送されていないため、サービスリスト生成部54が、サービス選局に必要な情報を取得することができないことも考えられる。
そこで、選局要求部202は、周波数情報設定部53によって設定された周波数情報から特定される中継器における、相対ストリーム番号が最も小さいものを選択することが考えられる。
たとえば、TLV_stream_idは16ビットの値である。そのうち、ビット15、ビット14、ビット13およびビット12は、network_idの下位4ビットが割り付けられる。また、ビット8、ビット7、ビット6、ビット5およびビット4は、当該TLVストリームが伝送される中継器の番号が割り付けられる。また、ビット3は、ゼロが割り付けられる。また、ビット2、ビット1およびビット0は、同一中継器で伝送されるTLVストリームに対し、そのTLVストリーム内に含まれる放送事業者に与えられたスロット番号(原則として、相対ストリーム番号と同じ値)の最も小さいものから値が割り付けられる。
たとえば、TLV_stream_idのビット2、ビット1およびビット0をゼロとすることで、当該中継器から伝送されるTLVストリームのうちの相対ストリーム番号が最も小さいものをTLV_stream_idを特定することができる。
選局要求部202の要求によって選択するTLV_stream_idをこのように定めることによって、ユーザーが誤って設定した周波数で伝送されているTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idのうち、デフォルトTLVとは異なるTLV_stream_idに対応するTLVストリームを受信することが可能となる。これによって、サービスリスト生成部54が、サービス選局に必要な情報をサービス情報取得部52を介して取得することができる。
このように構成されることによって、あらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームとしてのデフォルトTLVを伝送する中継器としての放送伝送装置が変更されていない場合に、ユーザーが誤って周波数を変更してしまったとしても、選局要求部202の要求によって、選局要求部201の要求で既に選局された周波数において伝送されている、デフォルトTLVとは異なる放送ストリームとしてのTLVストリームを受信することができる。よって、サービスリスト生成部54は、当該TLVストリームからサービス選局に必要な情報を取得することができる。そのため、ユーザーの利便性が向上する。
また、上記の、選局中の周波数で伝送されるTLVストリームに対応するTLV_stream_idは、周波数ごとの放送ストリームに関する情報であるTMCC情報から取得することもできる。たとえば、選局部51にTMCC情報取得部204を備えることによって、選局要求部202は、選局部51に備えるTMCC情報取得部204が取得した、変調波の伝送制御に関する信号の情報であるtransmission & multiplexing configuration control(すなわち、TMCC)情報に基づき、選局中の周波数で伝送される全てのTLVストリームに含まれるTLV_stream_idを特定することができる。
なお、TMCC情報は、チューナー部10で周波数同期されたデジタル放送信号が、復調部20において復調処理されて取得される。
選局要求部202の要求によって選択するTLV_stream_idをこのように定めることによって、ユーザーが誤って設定した周波数において伝送されているTLVストリームのうち、デフォルトTLVとは異なるTLV_stream_idに対応するTLVストリームを受信することが可能となる。これによって、サービスリスト生成部54は、サービス選局に必要な情報を取得することができる。
このように構成されることによって、あらかじめ定められたサービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームとしてのデフォルトTLVを伝送する周波数が変更されていない場合に、ユーザーが誤って周波数を変更してしまったとしても、選局要求部202の要求によって、選局要求部201の要求で既に選択された周波数において伝送されている、デフォルトTLVとは異なるTLVストリームに対応するTLV_stream_idをTMCC情報から取得することができる。そして、選局要求部202の要求によって、より確実に対応するTLVストリームを受信することができる。そのため、サービスリスト生成部54は、より確実にサービス選局に必要な情報を取得することができるようになり、ユーザーの利便性が向上する。
以上では、放送受信装置の具体例として、高度広帯域衛星デジタル放送を受信する装置が説明されたが、高度広帯域衛星デジタル放送の場合に限られず、サービス選局に必要な情報が多重化された放送ストリームを伝送する周波数および当該放送ストリームを識別するための情報があらかじめ定められており、購入設置時に、サービス選局に必要な情報を当該放送ストリームから取得してサービスリストを生成することによってサービス選局が可能となる放送であれば、他の放送受信装置にも適用可能である。
<放送受信装置のハードウェア構成について>
図4および図5は、図1に例示される放送受信装置の制御部を実際に運用する場合のハードウェア構成を概略的に例示する図である。
なお、図4および図5に例示されるハードウェア構成は、図1に例示される構成とは数などが整合しない場合があるが、これは図1に例示される構成が概念的な単位を示すものであることに起因する。
よって、少なくとも、図1に例示される1つの構成が、図4および図5に例示される複数のハードウェア構成から成る場合と、図1に例示される1つの構成が、図4および図5に例示されるハードウェア構成の一部に対応する場合と、さらには、図1に例示される複数の構成が、図4および図5に例示される1つのハードウェア構成に備えられる場合とが想定され得る。
また、図4および図5に例示されるハードウェア構成は、図1に例示される放送受信装置の概念的な構成を具体化して例示するものである。したがって、図4および図5には、図1に例示される放送受信装置の概念的な構成に対応するハードウェア構成に加えて、新たなハードウェア構成が追加される場合があるが、新たに追加されるそれらのハードウェア構成が備えられない場合であっても、本実施の形態に関する放送受信装置は成立し得る。
図4では、図1中の制御部50を実現するためのハードウェア構成として、演算を行う処理回路102Aと、情報を記憶することができる記憶装置103とが示される。
図5では、図1中の制御部50を実現するためのハードウェア構成として、演算を行う処理回路102Bが示される。
記憶装置103は、たとえば、ハードディスクドライブ(Hard disk drive、すなわちHDD)、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわちRAM)、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわちROM)、フラッシュメモリー、erasable programmable read only memory(EPROM)およびelectrically erasable programmable read-only memory(EEPROM)などの、揮発性または不揮発性の半導体メモリー、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVDなどを含むメモリー(記憶媒体)、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
処理回路102Aは、記憶装置103、外部のCD-ROM、外部のDVD-ROM、または、外部のフラッシュメモリーなどに格納されたプログラムを実行するものであってもよい。すなわち、たとえば、中央演算処理装置(central processing unit、すなわちCPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュ―タ、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、すなわちDSP)であってもよい。
処理回路102Aが記憶装置103、外部のCD-ROM、外部のDVD-ROM、または、外部のフラッシュメモリーなどに格納されたプログラムを実行するものである場合、制御部50は、記憶装置103に格納されたプログラムが処理回路102Aによって実行されるソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。なお、制御部50の機能は、たとえば、複数の処理回路が連携することによって実現されてもよい。
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、記憶装置103に記憶されるものであってもよい。その場合、処理回路102Aは、記憶装置103に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、上記の機能を実現する。すなわち、記憶装置103は、処理回路102Aに実行されることによって、上記の機能が結果的に実現されるプログラムを記憶するものであってもよい。
また、処理回路102Bは、専用のハードウェアであってもよい。すなわち、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、集積回路(application specific integrated circuit、すなわちASIC)、field-programmable gate array(FPGA)またはこれらを組み合わせた回路であってもよい。
処理回路102Bが専用のハードウェアである場合、制御部50は、処理回路102Bが動作することにより実現される。なお、制御部50の機能は、別々の回路で実現されてもよいし、単一の回路で実現されてもよい。
なお、制御部50の機能は、一部が記憶装置103に格納されたプログラムを実行するものである処理回路102Aにおいて実現され、一部が専用のハードウェアである処理回路102Bにおいて実現されてもよい。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、デジタル放送を受信する放送受信装置は、周波数設定部153と、識別子指定部154と、サービス情報取得部152と、判定部163と、生成部155とを備える。ここで、周波数設定部153は、たとえば、周波数情報設定部53に対応するものである。また、識別子指定部154は、たとえば、選局要求部201および選局要求部202のうちの少なくとも一方に対応するものである。また、判定部163は、たとえば、チャンネル情報取得可否判定部203に対応するものである。また、生成部155は、たとえば、サービスリスト生成部54におけるサービスリストを生成する機能に対応するものである。周波数情報設定部53は、デジタル放送の放送ストリームを受信するための周波数を設定する。選局要求部201および選局要求部202は、放送ストリームを識別するための識別子を指定する。サービス情報取得部52は、周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、サービス情報を取得する。ここで、サービス情報とは、放送ストリームに多重化される情報であり、かつ、サービス選局に必要な情報である。チャンネル情報取得可否判定部203は、サービス情報取得部52において、サービス情報が取得されたか否かを判定する。サービスリスト生成部54は、サービス情報に基づいてサービスリストを生成する。そして、チャンネル情報取得可否判定部203においてサービス情報が取得されなかったと判定された場合、サービス情報取得部52は、いずれか一方が変更された周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得する。
また、以上に記載された実施の形態によれば、放送受信装置は、プログラムを実行する処理回路102Aと、実行されるプログラムを記憶する記憶装置103とを備える。そして、処理回路102Aがプログラムを実行することによって、以下の動作が実現される。
すなわち、デジタル放送の放送ストリームを受信するための周波数が設定される。また、放送ストリームを識別するための識別子が指定される。そして、周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、サービス情報が取得される。そして、サービス情報が取得されたか否かが判定される。そして、サービス情報に基づいてサービスリストが生成される。ここで、サービス情報が取得されなかったと判定された場合、いずれか一方が変更された周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報が取得される。
また、以上に記載された実施の形態によれば、放送受信装置は、専用のハードウェアである処理回路102Bを備える。そして、専用のハードウェアである処理回路102Bは、以下の動作を行う。
すなわち、専用のハードウェアである処理回路102Bは、デジタル放送の放送ストリームを受信するための周波数を設定する。また、放送ストリームを識別するための識別子を指定する。そして、周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、サービス情報を取得する。そして、サービス情報が取得されたか否かを判定する。そして、サービス情報に基づいてサービスリストを生成する。ここで、サービス情報が取得されなかったと判定された場合、いずれか一方が変更された周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得する。
このような構成によれば、デフォルトTLVおよび対応するTLV_stream_idを伝送する周波数が変更されていない場合に、ユーザーが誤って周波数を変更してしまったとしても、いずれか一方が変更された周波数および識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得することができる。そのため、ユーザーの利便性が向上する。
なお、これらの構成以外の本願明細書に例が示される他の構成については適宜省略することができる。すなわち、少なくともこれらの構成を備えていれば、以上に記載された効果を生じさせることができる。
しかしながら、本願明細書に例が示される他の構成のうちの少なくとも1つを、以上に記載された構成に適宜追加した場合、すなわち、以上に記載された構成としては言及されなかった本願明細書に例が示される他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、周波数情報設定部53は、デフォルト放送ストリームが伝送される周波数であるデフォルト周波数と、ユーザーによって設定された周波数とを設定可能である。このような構成によれば、ユーザーが誤って周波数を変更した場合であっても、デフォルト周波数に設定周波数を戻すことができるため、デフォルト周波数において伝送されるデフォルトTLVを受信することができる。そして、当該デフォルトTLVから、再度サービス情報を取得することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、チャンネル情報取得可否判定部203においてサービス情報が取得されなかったと判定された場合、サービス情報取得部52は、デフォルト周波数に変更された周波数に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得する。このような構成によれば、ユーザーが誤って周波数を変更した場合であっても、デフォルト周波数に設定周波数を戻した上で対応するTLV_stream_idで識別されるTLVストリームを受信することができる。そして、当該TLVストリームから、再度サービス情報を取得することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、選局要求部201および選局要求部202は、デフォルト放送ストリームを識別するためのデフォルト識別子を指定可能である。そして、チャンネル情報取得可否判定部203においてサービス情報が取得されなかったと判定された場合、サービス情報取得部52は、デフォルト識別子とは異なる識別子に変更された識別子に基づいて選局された放送ストリームから、再度サービス情報を取得する。このような構成によれば、ユーザーが誤って周波数を変更した場合であっても、変更された周波数において、デフォルトTLVに対応するTLV_stream_idとは異なるTLV_stream_idで識別されるTLVストリームを受信することができる。そして、当該TLVストリームから、再度サービス情報を取得することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、デフォルト識別子とは異なる識別子に変更された識別子は、周波数から特定される放送受信装置60における相対ストリーム番号のうち、最も小さい番号に対応する放送ストリームの識別子である。このような構成によれば、ユーザーが誤って周波数を変更した場合であっても、変更された周波数において、デフォルトTLVに対応するTLV_stream_idとは異なる、相対ストリーム番号の最も小さい番号に対応するTLVストリームを受信することができる。そして、当該TLVストリームから、再度サービス情報を取得することができる。なお、相対ストリーム番号は、その周波数帯において小さい順に割り当てられる番号であるため、相対ストリーム番号の最も小さい番号に対応するTLVストリームを選択することによって、TLVストリームを受信する確度が高まる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、放送受信装置は、周波数における放送ストリームに関するTMCC情報を取得するTMCC情報取得部204を備える。そして、デフォルト識別子とは異なる識別子に変更された識別子は、TMCC情報に基づいて特定される放送ストリームの識別子である。このような構成によれば、ユーザーが誤って周波数を変更した場合であっても、変更された周波数において、デフォルトTLVに対応するTLV_stream_idとは異なるTLV_stream_idで識別されるTLVストリームをTMCC情報に基づいて特定することができる。そして、当該TLVストリームから、再度サービス情報を取得することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、周波数情報設定部53は、周波数表示部と、受信状態表示部とを備える。ここで、周波数表示部は、たとえば、周波数情報表示領域101に対応するものである。また、受信状態表示部は、たとえば、受信状態表示領域102に対応するものである。周波数情報表示領域101は、放送ストリームを受信するための周波数を表示する。受信状態表示領域102は、周波数情報表示領域101に表示された周波数の受信状態を表示する。このような構成によれば、ユーザーは、デフォルトTLVを受信するための周波数を変更する際に、変更後の周波数においてデジタル放送信号が送出され、かつ、何らかのTLVストリームおよび対応するTLV_stream_idが伝送されていることを確認した上で、周波数を変更することができる。
<以上に記載された実施の形態における変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、本願明細書に記載されたものに限られることはないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
また、矛盾が生じない限り、以上に記載された実施の形態において「1つ」備えられるものとして記載された構成要素は、「1つ以上」備えられていてもよいものとする。
さらに、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素は概念的な単位であって、本願明細書に開示される技術の範囲内には、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合と、1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合と、さらには、複数の構成要素が1つの構造物に備えられる場合とを含むものとする。
また、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素には、同一の機能を発揮する限り、他の構造または形状を有する構造物が含まれるものとする。
また、本願明細書における説明は、本技術に関するすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。
また、以上に記載された実施の形態で記載されたそれぞれの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、それぞれの構成要素は「部」または「処理回路」などと称される。