以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1である撮像システム(以下、カメラシステムという)の構成を示している。このカメラシステムは、撮像装置であるカメラ本体20に、交換レンズ10および複数の中間アダプタ30,40を含む複数のアクセサリ装置(以下、まとめてアクセサリともいう)が着脱可能および通信可能に装着された状態で使用される。中間アダプタ30,40は、焦点距離を変更するためのテレコンバータまたはワイドコンバータ、フランジバック長を変化させるマウントコンバータおよび減光機能を有するNDフィルタ等である。なお、カメラ本体20に直接(中間アダプタ30,40を介さず)に交換レンズ10を装着してもよいし、カメラ本体20と交換レンズ10との間に設ける中間アダプタは1つであってもよい。
カメラ本体20のマウント202と中間アダプタ30のマウント302とが機械的および電気的に結合され、中間アダプタ30のマウント301と中間アダプタ40のマウント402とが機械的および電気的に結合されている。また、中間アダプタ40のマウント301と交換レンズ10のマウント101とが機械的および電気的に結合されている。カメラ本体20には、カメラ第1通信部207、カメラ第2通信部208およびコンピュータとしてのカメラ制御部205が設けられている。カメラ第1通信部207およびカメラ第2通信部208により、カメラ通信部が構成される。
交換レンズ10には、レンズ第1通信部114、レンズ第2通信部115およびコンピュータとしてのレンズ制御部(アクセサリ制御部)113が設けられている。レンズ第1通信部114およびレンズ第2通信部115により、アクセサリ通信部が構成される。中間アダプタ30,40にはそれぞれ、アクセサリ通信部としてのアダプタ第2通信部308,408と、コンピュータとしてのアダプタ制御部(アクセサリ制御部)309,409が設けられている。
カメラ第1通信部207とレンズ第1通信部114との間には、マウント201,302,301,402,401,101に設けられた第1通信接点部202,305,303,405,403,102を用いて第1通信経路が設けられている。カメラ制御部205とレンズ制御部113は、この第1通信経路を介して「一対一」通信(以下、第1の通信ともいう)を行う。また、カメラ第2通信部208、アダプタ第2通信部308,408およびレンズ第2通信部115の間には、マウント201,302,301,402,401,101に設けられた第2通信接点部203,306,304,406,404,103を用いて第2通信経路が設けられている。カメラ制御部205は、レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409との間でこの第2通信経路を介して「一対多」通信(以下、第2の通信ともいう)を行う。
第1の通信と第2の通信を別々の通信経路を介して行うことにより、第1の通信と第2の通信を同一の通信経路を介して行う場合に比べて、例えば第1の通信においてより適切なタイミングでカメラ本体20から交換レンズ10に命令や要求を送信することができる。これにより、カメラ本体20は交換レンズ10をより高速かつ高精度で制御することができる。
中間アダプタ30,40はそれぞれ、第2通信接続スイッチ311,411を有する。第2通信接続スイッチ311,411はそれぞれ、第2通信経路上であってアダプタ第2通信部308,408よりも交換レンズ側に設けられており、第2通信経路を接続および切断するよう切換え動作する。第2通信接続スイッチ311,411の切換え動作はそれぞれ、アダプタ制御部309,409により制御される。これら第2通信接続スイッチ311,411を中間アダプタ30,40に設けることにより、中間アダプタ30,40自身で第2の通信の状態(開通と遮断)を変更することが可能となる。
交換レンズ10は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、不図示の被写体側から順に、焦点調節を行うフォーカスレンズ104、変倍を行うズームレンズ(変倍レンズ)105、光量を調節する絞り(アイリス)ユニット106および像振れを低減する防振レンズ107を含む。フォーカスレンズ104とズームレンズ105はそれぞれ、フォーカス駆動部108およびズーム駆動部109によって撮像光学系の光軸が延びる方向である光軸方向に駆動される。フォーカス駆動部108およびズーム駆動部109は、ステッピングモータ等のアクチュエータとその駆動回路を含む。
絞りユニット106は、不図示の複数の絞り羽根を備え、これらをアイリス駆動部110によって開閉方向に駆動することで光量調節を行う。アイリス駆動部110は、ステッピングモータ等のアクチュエータとその駆動回路を含む。
防振レンズ107は、手振れ等のカメラ振れに応じて防振駆動部111により撮像光学系の光軸に直交する方向にシフト駆動される。防振駆動部111は、ボイスコイルモータ等のアクチュエータとその駆動回路を含む。交換レンズ10には、カメラ振れを検出するためのジャイロセンサ等の振れ検出部112が設けられている。
また、交換レンズ10は、レンズ操作部116を有する。レンズ操作部116は、ユーザによる光軸回りでの回転操作が可能なレンズ操作リングやスイッチ、ボタン、ダイヤルおよびタッチパネル等の複数の操作部材を含む。レンズ操作部116での操作はレンズ制御部113により検出される。
レンズ制御部113は、交換レンズ10内の各部の動作を制御する。具体的には、カメラ制御部205は、第1の通信によってカメラ本体20から送信された制御コマンドや送信要求コマンドを受信して制御コマンドに対応するレンズ制御を行う。また、レンズ制御部113は、第1または第2の通信によってカメラ本体20から送信された送信要求コマンドに対応する撮像光学系の光学情報やレンズ操作部116の操作情報をカメラ本体20に送信する。さらに、レンズ制御部113は、振れ検出部112からの振れ信号に基づいて、防振駆動部111を介して防振レンズ107のシフト駆動(すなわち防振動作)を制御する。
中間アダプタ30,40は、アダプタ操作部310,410を有する。アダプタ操作部310,410は、ユーザによる光軸回りでの回転操作が可能なアダプタ操作リングやスイッチ、ボタン、ダイヤルおよびタッチパネル等の複数の操作部材を含む。アダプタ操作部310,410での操作は、アダプタ制御部309,409により検出される。
アダプタ制御部309,409はそれぞれ、中間アダプタ30,40内の各部の動作を制御する。アダプタ制御部309,409はそれぞれ、第1の通信によってカメラ本体20から送信された制御コマンドや送信要求コマンドを受信する。また、アダプタ制御部309,409は、制御コマンドに対応するアダプタ制御を行う。さらに、アダプタ制御部309,409は、第1または第2の通信によりカメラ本体20から送信された送信要求コマンドに対応する中間アダプタ30,40の光学情報やアダプタ操作部310,410の操作情報をカメラ本体20に送信する。
カメラ本体20は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子204、カメラ制御部205および映像表示部206を有する。撮像素子204は、CMOSセンサ等の光電変換素子であり、撮像光学系により形成された被写体像を撮像(光電変換する)。映像表示部206は、撮像により生成された映像信号を構図やピント状態等の確認に用いられるライブビュー画像として表示したり、撮像により記録された画像を再生表示したりする。
カメラ制御部205は、不図示の撮像指示スイッチや各種設定スイッチ等を含むカメラ操作部209の操作に応じてカメラ本体20内の各部の動作を制御する。例えば露出制御のために撮像素子204の露光時間を制御する。また、カメラ制御部205は、第1の通信によって交換レンズ10および中間アダプタ30,40に制御コマンドを送信する。例えば、カメラ制御部205は、カメラ操作部209に含まれるズームスイッチの操作に応じて、ズーム制御に関する制御コマンドを交換レンズ10に送信する。また、カメラ制御部205は、交換レンズ10に対して、映像信号の輝度情報に応じた光量調節制御に関する制御コマンドや、撮像素子204から得られたフォーカス情報に応じたフォーカス制御に関する制御コマンドを送信する。
さらにカメラ制御部205は、交換レンズ10および中間アダプタ30,40に対して、光学情報や操作情報を取得するための送信要求コマンドを送信し、交換レンズ10からのレンズ光学情報および中間アダプタ30,40からのアダプタ光学情報を受信する。またカメラ制御部205は、交換レンズ10および中間アダプタ30,40からのレンズおよびアダプタ操作部116,310,410の操作情報を受信し、これに応じた制御コマンドを交換レンズ10および中間アダプタ30,40に送信する。
次に、第1の通信について、図2(a),(b)を用いて説明する。図2(a)は、3線クロック同期式通信により第1の通信を行うための第1の通信回路の構成を示している。第1通信接点部102,403,405,303,305,202は、カメラ第1通信部207からクロック同期通信を行うために出力されるクロック信号用の信号ラインであるクロックラインLCLKの端子として、第1LCLK端子102a,403a,405a,303a,305a,202aを含む。また、第1通信接点部102,403,405,303,305,202は、カメラ第1通信部207からクロック同期通信のデータ信号が出力されるデータラインDCLの端子として、第1DCL端子102b,403b,405b,303b,305b,202bを含む。さらに第1通信接点部102,403,405,303,305,202は、レンズ第1通信部114からクロック同期通信のデータ信号が出力されるデータラインDLCの端子として、第1DLC端子102c,403c,405c,303c,305c,202cを含む。
図2(a)に示すように、クロックラインLCLKとデータラインDCLは、交換レンズ10内でプルアップされている。また、クロックラインLCLKとデータラインDLCは、カメラ本体20内でプルアップされている。
中間アダプタ30,40内のクロックラインLCLK、データラインDCLおよびデータラインDLCはそれぞれ、第1通信接点部303,305間および第1通信接点部403,405間で短絡されている。
図2(b)は、第1の通信が行われているときのクロックラインLCLK、データラインDCLおよびデータラインDLCの信号波形を示している。カメラ第1通信部207は、クロックラインLCLKにクロック信号を出力し、クロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDCLにB7~B0の8ビットのデータを出力する。レンズ第1通信部114は、クロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDLCにB7~B0の8ビットのデータを出力する。カメラ第1通信部207は、クロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDLCからのB7~B0の8ビットのデータを受信する。レンズ第1通信部114は、クロック信号の立ち上がりに合わせてデータラインDCLからのB7~B0の8ビットのデータを受信する。このようにして、カメラ第1通信部207とレンズ第1通信部114がデータを互いに送受信することができる。
レンズ第1通信部114は、データラインDCLからの8ビットデータB7~B0を受信すると、クロックラインLCLKを時間Tbusyの間、クロック信号をLOWに維持し、時間Tbusyが経過するとクロック信号のLOW維持を解除する。時間Tbusyは、交換レンズ10が受信したデータを処理する時間であり、カメラ第1通信部207はデータ送信後にクロックラインLCLKがLOWからHIGHに変化するまで次のデータ送信を行わない。カメラ第1通信部207とレンズ第1通信部114は、以上の処理を繰り返すことで第1の通信によるデータ送受信を行う。
次に、第2の通信について、図3を用いて説明する。図3は、第2の通信を行うための第2の通信回路の構成を示している。カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408は、第2通信接点部203,306,304,406,404,103を介して通信可能に接続されている。第2通信接点部203,306,304,406,404,103のうちCS接点203a,306a,304a,406a,404a,103aを介してCS信号線(第1の信号線)が設けられている。また、第2通信接点部203,306,304,406,404,103のうちDATA接点203b,306b,304b,406b,404b,103bを介してDATA信号線(第2の信号線)が設けられている。CS信号線は通信の制御を行う信号(コマンド)を伝搬するための信号線であり、DATA信号線は送受信されるデータを伝搬するための信号線である。
カメラ本体20には、接地スイッチ221と入出力切換えスイッチ222とが設けられている。交換レンズ10には、接地スイッチ121と入出力切換えスイッチ122とが設けられている。中間アダプタ30,40には、接地スイッチ321と入出力切換えスイッチ322とが設けられている。
カメラ制御部205、レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409はそれぞれ、カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408を通じてCS信号線の状態(HiとLow)を検出することが可能である。CS信号線は、カメラ本体20内で不図示の電源にプルアップ接続されているとともに、接地スイッチ221,121,321,421を介してGNDと接続可能なオープンドレイン接続となっている。この構成により、カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408はそれぞれ、接地スイッチ221,121,321,421をオン(接続)することにより、CS信号線をLowにすることが可能である。また、接地スイッチ221,121,321,421のすべてをオフ(遮断)することにより、CS信号線をHiにすることができる。CS信号線は、ブロードキャスト通信とP2P通信とを区別するためや、P2P通信における通信方向を切り替えるため等に用いられる。
DATA信号線は、データの伝搬方向を切り替えながら使用可能な単線の双方向データ送信線である。DATA信号線は、交換レンズ10の入出力切換えスイッチ122を介してレンズ第2通信部115と接続され、カメラ本体20の入出力切換えスイッチ222を介してカメラ第2通信部208と接続される。また、中間アダプタ30,40の入出力切換えスイッチ322を介してアダプタ第2通信部308,408とそれぞれ接続される。
カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408はそれぞれ、データを送信するためのデータ出力部(CMOS方式)とデータを受信するためのデータ入力部(CMOS方式)とを有する。カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408はそれぞれ、入出力切換えスイッチ222,122,322,422を操作することで、DATA信号線をデータ出力部とデータ入力部のいずれに接続するかを選択することができる。
すなわち、カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408は、自身がデータを送信する場合には、カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408を通じてDATA信号線をデータ出力部と接続するように入出力切換えスイッチ222,122,322,422を操作する。一方、自身がデータを受信する場合には、カメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408を通じてDATA信号線をデータ入力部と接続するように入出力切換えスイッチ222,122,322,422を操作する。
ここで、CS信号線とDATA信号線により行われるブロードキャスト通信とP2P通信について説明する。CS信号線は、接地スイッチ221,121,321,421のいずれかがオンになるとLowになる。このCS信号線のLowは、ブロードキャスト通信のきっかけとして使用される。通信マスタであるカメラ制御部205がカメラ第2通信部208を通じてCS信号線をLowにすることでブロードキャスト通信が開始される。レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409は、CS信号線がLowのときにDATA線を介して受信したデータは、ブロードキャスト通信でのデータであると判断する。また、レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409は、CS信号線をLowにすることで、カメラ制御部205にブロードキャスト通信をリクエストすることができる。
CS信号線のLowを検出したカメラ制御部205、レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409は、ブロードキャスト通信の処理中は自身の接地スイッチをオンにしておく。これにより、ブロードキャスト通信に対する処理が継続していることを他の制御部に通知することができる。
第2の通信はブロードキャスト通信で始まり、ブロードキャスト通信で終わると規定することで、アクセサリのDATA信号線は基本的に受信状態を維持しておけばよい。カメラ制御部205が、アクセサリ(レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409)とP2P通信を行う場合には、まずブロードキャスト通信により通信対象のアクセサリを指定する。ブロードキャスト通信の送信を完了したカメラ制御部205は、指定したアクセサリとP2P通信を行う。
P2P通信では、まずカメラ制御部205がアクセサリに対してデータを送信し、それを受けたアクセサリがカメラ制御部205にデータを送信する。以後、これらが交互に行われる。P2P通信においては、通信中のCS信号線をHighに維持することでブロードキャスト通信と区別される。P2P通信におけるCS信号線はビジー信号として使用される。すなわち、カメラ制御部205およびアクセサリがそれぞれ、通信相手に自身からのデータ送信が終了したことを通知するためにCS信号線をLowとし、データ受信の準備が整ったことを通知するためにCS信号線をHighにする。
P2P通信が終了すると、カメラ制御部205はP2P通信の終了を各アクセサリにブロードキャスト通信により通知する。このようにして、カメラ制御部205は、複数のアクセサリと2本の通信ラインを介してデータ通信を行うことができる。
なお、図3に示した通信回路は例に過ぎず、他の通信回路を用いてもよい。例えば、CS信号線をカメラ本体20内でGNDにプルダウン接続し、交換レンズ10の接地スイッチ121、カメラ本体20の接地スイッチ221および中間アクセサリ30,40の接地スイッチ321,421を介して不図示の電源と接続可能な構成としてもよい。また、DATA信号線が常にカメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408のデータ入力部に接続される構成としてもよい。この場合、DATA信号線とカメラ第2通信部208、レンズ第2通信部115およびアダプタ第2通信部308,408のデータ出力部との接続と遮断をスイッチにより切り換えるようにすればよい。
本実施例では、上述した第1の通信回路によりカメラ本体20と交換レンズ10との間の即時性が求められる通信を行い、交換レンズ10および中間アダプタ30,40に設けられた操作部材の操作量の通信等、即時性が低い通信を第2の通信回路により行う。これにより、交換レンズ10の制御の即時性を確保することができる。第1の通信は、カメラ本体20と交換レンズ10の一対一通信であるため、一対多通信のようにデータ衝突のおそれが無く、それを避けるための通信を省略することができるため、即時性が高い通信が可能となる。
また、カメラ本体20とアクセサリ(交換レンズ10および中間アダプタ30,40)との通信に第2の通信回路のみを用いることで、アクセサリが第1の通信の高速かつ高度な通信プロトコルに対応する必要がなくなる。このため、アクセサリの低コスト化が可能となる。
一方、第2の通信には、これが一対多通信であるために、データ衝突のおそれがある。これを避けるために、上述したように通信を占有する手続きを行う。カメラ本体20がある通信対象アクセサリと通信を行う際に、該通信対象アクセサリを示す識別情報(ID)をブロードキャスト通信により通知する。そして、次にカメラ本体20が第2の通信回路の開放をブロードキャスト通信により通知するまで、通信対象アクセサリのみがカメラ本体20からの通信に応答する。
第2の通信でやり取りされる通信の内容として、前述したように、アクセサリに設けられた操作部材の操作量を伝達することが主である場合には、多くの通信はアクセサリからの通信リクエストにより開始される。通信リクエストが、本実施例のように全アクセサリ共通の信号線のレベルを変更するというように単純に行える場合には、通信リクエストを受けたカメラ本体20は各アクセサリにリクエストを行ったかを順次確認する必要がある。
このため、カメラ本体20が、装着されている複数のアクセサリのそれぞれが通信リクエストを行うアクセサリか否かを把握しておくことは、通信量の削減の観点から有意である。例えば、複数のアクセサリのうちいずれかから通信リクエストが発生した場合、その通信リクエストを行うアクセサリが1つであれば、そのアクセサリに対してのみ通信リクエストの発生要因を問い合わせればよい。
本実施例においては、交換レンズ10はカメラ本体20との通信に第1の通信および第2の通信のいずれをも使用する。このとき、交換レンズ10がその状態を示すステータス情報をカメラ本体20に送信するように即時性が求められる通信やカメラ本体20から交換レンズ10に制御パラメータを送信する通信には第1の通信を用いる。一方、交換レンズ10に設けられた操作部材の操作量をカメラ本体20に通信するような即時性の低い通信には第2の通信を用いる。
次に、カメラ本体20がアクセサリから第1の情報としての第2通信停止情報を受信してから、カメラシステムの通常動作状態において第2通信停止情報が利用されるまでの処理(通信制御方法)について図4のフローチャートを用いて説明する。通常動作状態とは、カメラシステム全体が後述する初期通信の終了後にカメラ本体20による各アクセサリの設定を終了した状態である。また、カメラ制御部205、アダプタ制御部309,409およびレンズ制御部113は、コンピュータプログラムに従って以下の処理を実行する。
S401において電源投入により起動したカメラ制御部205は、S402に進み、不図示の電源供給用マウント接点を介して、交換レンズ10および中間アクセサリ30,40に電源(以下,アクセサリ電源という)を供給する。
次にS403では、カメラ制御部205は、第1の通信によりレンズ制御部113と初期通信を行う。該初期通信では、交換レンズ10の識別情報(以下、レンズ識別情報という)を受信する。レンズ識別情報は、交換レンズ10の種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバーの情報であってもよいし、その交換レンズ10に固有の光学データを示す光学データ情報であってもよい。また、交換レンズ10が有する機能を示す情報や同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)であってもよい。
またS404では、カメラ制御部205は、第2の通信によりアクセサリ(レンズ制御部113およびアダプタ制御部309,409)と初期通信を行い、アクセサリ認証情報を受信する。S404での一連の通信を、以下の説明においてアクセサリ認証通信という。ここで、アクセサリ認証情報には、アクセサリ識別情報(レンズ識別情報およびアダプタ識別情報)と第2通信停止情報とが含まれる。すなわち、アクセサリ認証通信においてやり取りされる情報は、第2の通信により特定のアクセサリを通信対象として指定して通信を行うために必要な基本的な情報である。
第2の通信によりレンズ制御部113からカメラ制御部205に送信されるレンズ識別情報は、第1の通信により送信されるレンズ識別情報と同じ情報であってもよいし、交換レンズであることを示す特定の値であってもよい。一方、アダプタ識別情報は第2の通信によりP2P通信の通信対象の指定に用いられるため、中間アダプタ30,40間で重複しない情報とする必要がある。アダプタ識別情報は、中間アダプタ30,40の種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバーの情報であってもよいし、その中間アダプタ30,40に固有の光学データを示す光学データ情報であってもよい。また、中間アダプタ30,40が有する機能を示す情報や、同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)であってもよい。
第2通信停止情報は、アクセサリ認証通信後の第2の通信の稼働状況を示し、「真」もしくは「偽」の2値を取り得る論理型情報である。すなわち、第2通信停止情報は、第2の通信を停止するか否かに対応する情報である。第2通信停止情報が「真」であるアクセサリは、第2通信停止情報の送信後、第2通信部(115、308または408)の動作を停止する。第2通信部が停止した状態はアクセサリ電源が遮断するまで継続する。アクセサリ電源が遮断後、再供給(再投入)されると、アクセサリは第2通信が可能な状態(第2通信部が動作している状態)で起動する。
さらに、第2通信停止情報が「真」であるアクセサリが中間アダプタ(30または40)である場合には、第1通信制御部を持たないため、アダプタ第2通信部(308または408)だけではなくアダプタ制御部(309または409)およびアダプタ操作部(310および410)も停止してもよい。この場合、アクセサリはスリープ状態に移行し、アクセサリ電源が遮断された後、再供給されるまで再起動しない。
第2通信停止情報が「真」であるアクセサリに対しては、カメラ制御部205はアクセサリ認証通信後からアクセサリにアクセサリ電源が再供給されるまで、アクセサリと第2の通信による通信を行わない。このため、カメラ制御部205は、アクセサリへの電源供給が停止されるまでは第2通信停止情報を保持(記憶)しておく。そして、アクセサリへの電源供給が停止される際に、それまで保持した第2通信停止情報を初期化する。アクセサリ認証通信で取得したアクセサリ識別情報が不要であれば、カメラ制御部205はそれを破棄する。
アクセサリ認証通信後に第2の通信による通信を行わないアクセサリには、第1の通信でのみカメラ制御部205と通信を行う交換レンズや、操作部材を有さない中間アダプタ等がある。操作部材を有さない中間アダプタは、アクセサリ認証通信後の通常動作状態では通信を行う必要がないため、P2P通信による通信対象の指定のためのアダプタ識別情報を保持しておく必要はない。ただし、カメラ本体20に接続されているアクセサリの数をカメラ制御部205が把握するために、該中間アダプタがアクセサリ認証通信を行うことは必要である。
アクセサリが第2の通信を停止するタイミングは、全てのアクセサリとのアクセサリ認証通信が終了したタイミングでもよいし、各アクセサリが自身のアクセサリ認証通信が終了したタイミングであってもよい。
カメラ制御部205は、カメラ本体20に装着されている複数のアクセサリに対して第2の通信によるアクセサリ認証通信を順次行いながら装着されたアクセサリの数を把握する。消費電力や通信品質の観点から、所定数以上のアクセサリが装着されている場合は、ユーザへの警告動作を行ってもよいし、いずれかのアクセサリの機能を制限してもよい。
カメラ制御部205が第2の通信によりアクセサリから第2通信停止情報を取得する処理の詳細については後述する。S403とS404は、それぞれ別の通信経路を使用して行われるため、カメラ制御部205はこれらの処理を並行して行ってもよいし、順序を問わずに順次行ってもよい。S403とS404にてレンズ識別情報、アクセサリ認証情報および第2通信停止情報を取得したカメラ制御部205は、S405に進む。
これ以後、第1の通信はカメラ制御部205が交換レンズ10のステータス情報を取得する通信と交換レンズ10に制御パラメータを送信する通信に用いられ、それ以外の通信は第2の通信により行われる。
S405では、カメラ制御部205は、通信対象アクセサリのアクセサリ識別情報を交換レンズ10および中間アダプタ30,40に対してブロードキャスト通信により通知することで通信対象アクセサリを指定する。そして、第2通信停止情報が「偽」である通信対象アクセサリからP2P通信によりアクセサリ詳細情報を取得する。アクセサリ詳細情報には、各アクセサリが有する機能を示す情報、例えば、操作リングやスライドスイッチ等の操作部材を有することやその操作部材の操作により光学特性を変更することができる等の操作機能情報およびユーザインターフェースに関する情報である。また、アクセサリ詳細情報には、撮像画像ファイルに記録される際の該アクセサリの名称の情報が含まれる。さらに、アクセサリ詳細情報には、そのアクセサリで発生し得る通信リクエスト要因(これについては後述する)も含まれる。このように、アクセサリ詳細情報は、該当するアクセサリに関する種々の情報を含んでおり、アクセサリ認証情報よりもデータ量が大きい。
また、カメラ本体20の機種やファームバージョン等のカメラ情報に応じてアクセサリの設定や状態が変化する場合もあるため、本ステップでは、カメラ制御部205から通信対象アクセサリにカメラ情報を送信する。
アクセサリ詳細情報は、アクセサリ認証通信でやり取りされる情報と比べてデータサイズが大きい。しかし、第2通信停止情報が「真」であるアクセサリとはアクセサリ詳細情報をやり取りする必要がないため、第2通信停止情報を用いることで通信量を削減することができる。
S406では、カメラ制御部205は、通常動作状態に移行するために、第2通信停止情報が「偽」であるアクセサリの設定を行う。ここではアクセサリの操作部材の設定を第2の通信で行うが、その処理については後述する。また、ここでは、第2通信停止情報が「真」であるアクセサリに対する設定は行わない。
次のS407からS408に進み、再びS407に戻る処理は、カメラシステムの通常動作状態を示す。通常動作状態では、カメラ制御部205は、第2通信によりアクセサリに対する再設定を行うとともに、アクセサリからの変化情報を取得する。変化情報には、例えば、アクセサリの操作部材が操作されたときの操作量の情報、NDフィルタ等の光学部材が挿入されたときの光学情報の変化を示す情報およびアクセサリのリセット処理が実行された場合の該リセット処理が行われたことを示す情報が含まれる。アクセサリの再設定は、S406と同様に、カメラ制御部205から通信対象アクセサリのアクセサリ識別情報をブロードキャスト通信により通知することで通信対象アクセサリを指定し、その後、通信対象アクセサリとP2P通信を行うことで行われる。
カメラ制御部205は、周期的に対象となるアクセサリに変化情報を問い合わせてもよい。ただし、変化情報が操作部材の操作量の情報である場合は、操作部材が操作されている時間は限られているため、「操作量=0」の返信が戻ってくる場合がほとんどである。したがって、無駄な通信を行わないという点で、ポーリングではなく操作部材が操作されたときにアクセサリからカメラ制御部205に対して通信をリクエストし、カメラ制御部205は該通信リクエストを受けて変化情報を取得することが好ましい。
S407では、カメラ制御部205は、ユーザによるカメラ本体20における設定の変更等により、アクセサリの設定を変更する必要があるか否かを判断する。カメラ制御部205は、アクセサリの設定を変更する必要がある場合はS406に進んでアクセサリの設定を再度行い、S407に進んで再び通常動作状態に戻る。
一方、S407でアクセサリの設定を変更する必要が無い場合は、カメラ制御部205はS408に進む。S408では、カメラ制御部205は、アクセサリからの通信リクエストがあったか否かを判断する。アクセサリからの通信リクエストは、アクセサリがCS信号線をLowにすることで行う。カメラ制御部205は、CS信号線がLowとなったことを、Lowに下がるエッジを検出した際に割り込みを発生させて検出してもよいし、CS信号線のレベルをポーリングすることで検出してもよい。
カメラ制御部205は、アクセサリからの通信リクエストを検出した場合はS409に進み、第2通信停止情報が「偽」のアクセサリに対して通信リクエスト処理を行う。まず、カメラ制御部205は、アクセサリに対して通信リクエストを行った要因(以下、通信リクエスト要因という)を問い合わせる。第2通信停止情報が「真」のアクセサリは、第2の通信を停止しており、通信リクエストを行わないため、通信リクエスト要因を問い合わせる必要はない。そして、カメラ制御部205は、アクセサリから、通信リクエストの要因に対応する第2の情報としての通信リクエスト要因を受信すると、該通信リクエスト要因に応じた処理を行って、S406に戻る。
このように第2通信停止情報を用いることによって、通信が不要なアクセサリに対する設定や通信リクエストのための余計(不要)な通信を行わずに済む。これにより、カメラシステムの起動に要する時間やアクセサリからの変化情報の取得に要する時間を短縮することができる。また、第2の通信を使用しないアクセサリの消費電力を抑えることができる。
これを実現するためには、第2通信停止情報を送信したアクセサリが電源の再投入まで第2の通信を停止し続けることが重要である。これは、第2通信停止情報を送信したアクセサリが電源の再投入以外のきっかけで第2の通信を有効化した場合、カメラ制御部205はそれを検出することができない。このため、該アクセサリは、その設定や通信リクエスト要因を取得する通信の対象とはなり得ないからである。
次に、図4のS404においてカメラ本体20(カメラ制御部205)とアクセサリ(アダプタ制御部309,409およびレンズ制御部113)とにより行われる初期通信としての認証通信の処理について図5のフローチャートを用いて説明する。該認証通信では、カメラ制御部205がアクセサリからアクセサリ認証情報を取得する。前述したように、アクセサリ認証情報には、アクセサリ識別情報と第2通信停止情報が含まれる。
S501で本処理を開始したカメラ制御部205は、S502において、中間アダプタ30のアダプタ制御部309に対して、第2の通信により、第1の要求としての認証情報要求を送信する。
S503で認証情報要求を受信したアダプタ制御部309は、S506に進み、第2の通信により中間アダプタ30のアクセサリ認証情報をカメラ制御部205に送信する。該アクセサリ認証情報には、アクセサリ識別情報および第2通信停止情報が含まれる。
第2通信停止情報は、該中間アダプタ30が認証通信の終了後に第2の通信を停止するのであれば「真」を示し、第2の通信を停止しないのであれば「偽」を示す。終端情報は、カメラ本体20から見て第2の通信の終端であることを示す情報である。中間アダプタ30がカメラ本体20から見て第2の通信の終端であれば、終端情報は「終端である」ことを示すためにアクセサリ認証情報に加えて終端情報を送信する。
第2の通信のような一対多通信においては、アクセサリ識別情報を通信データの先頭に追加する等して送信先を指定することができる。しかし、S502の段階では、カメラ制御部205はアクセサリの情報を一切有していないため、通信データによる送信先の指定ができない。そこで、カメラ本体20が複数のアクセサリと順次通信する手段の例として、次のように中間アダプタ30,40に設けられた第2通信接続スイッチ311,411を利用する方法を用いることができる。通常動作状態において、第2通信接続スイッチ311,411は接続状態にあるものとする。
カメラ制御部205は、S501において第2の通信でのブロードキャスト通信により本処理の開始情報を各アクセサリに対して通知する。第2通信接続スイッチ311,411が接続状態にあるので、各アクセサリは本処理の開始情報を受信する。
本処理の開始情報を受信したアダプタ制御部309,409は、第2通信接続スイッチ311,411を切断状態に切り換える。これにより、アダプタ制御部309だけがカメラ制御部205と接続されている状態になり、カメラ制御部205が送信するデータを受信することができる。受信したデータに対する処理を終了したアダプタ制御部309が第2通信接続スイッチ311を接続状態に切り換えることで、中間アダプタ40のアダプタ制御部409がカメラ制御部205が送信するデータを受信することができるようになる。一方、第2通信接続スイッチ311を接続状態に切り換えたアダプタ制御部309は、本処理が終了するS522においてカメラ制御部205が送信する本処理の終了情報を受信するまで、カメラ制御部205から送信される通知に応答しない。
この後、受信したデータに対する処理を終了したアダプタ制御部409が後述するように第2通信接続スイッチ411を接続状態に切り換えることで、レンズ制御部113がカメラ制御部205が送信するデータを受信することができるようになる。このようにして、カメラ制御部205は、複数のアクセサリと順次通信していくことが可能となる。
S504およびS505において、第2通信接続スイッチ311が切断状態となっているため、アダプタ制御部409およびレンズ制御部113は、カメラ制御部205から送信された認証情報要求を受信しない。
S506おいて、アダプタ制御部309は、第2の通信により中間アダプタ30のアクセサリ認証情報をカメラ制御部205に送信する。そして、第2通信接続スイッチ311を接続状態に切り換える。これにより、前述したように、アダプタ制御部409はカメラ制御部205が送信するデータを受信することができるようになる。
S507において中間アダプタ30からのアクセサリ認証情報を受信したカメラ制御部205はS508に進み、受信したアクセサリ認証情報を記憶する。この後、カメラ制御部205はS509に進む。S509、S511およびS513~S515では、S502、S503およびS506~S508と同様に、カメラ制御部205は中間アダプタ40からアクセサリ認証情報を取得する。
S510では、アダプタ制御部309は、カメラ制御部205が送信した認証情報要求を受信するが、本処理の終了情報を受信していないため、応答しない。また、S512では、第2通信接続スイッチ411が切断状態にあるため、S511において、レンズ制御部113はカメラ制御部205から送信された認証情報要求を受信しない。
本実施例は1つの交換レンズ10と2つの中間アダプタ30,40の計3つのアクセサリをカメラ本体20に接続した例である。しかし、中間アダプタを1つのみ接続してもよいし、3つ以上接続してもよい。中間アダプタはいくつでも装着できるため、アクセサリ認証情報を取得する処理は最後のアクセサリ(交換レンズ)からの終端情報を取得することによって終了することが好ましい。
また、最後のアクセサリからの終端情報は、別の方法によって取得してもよい。例えば、S502およびS509と同様に、中間アダプタが装着されていることを想定してカメラ制御部205が認証情報要求をアクセサリに送信した際に、レンズ第2通信部115から返される終端情報により、応答しているアクセサリが交換レンズであることが通知されてもよい。また、中間アダプタ40が、不図示の端子の接続状態により自身が終端であることを検出してS513にてカメラ本体20に終端情報を通知してもよい。本実施例では、カメラ制御部205からの認証情報要求に対して、レンズ制御部113が終端情報を含むアクセサリ認証情報を返答することにより、終端情報が通知される場合について説明する。
S516では、S502およびS509と同様に、カメラ制御部205は第2の通信により認証情報要求をアクセサリに送信する。S517およびS518では、アダプタ制御部309,409は、S510と同様に、本処理の終了情報を受信していないため、応答しない。
S519において、認証情報要求を受信したレンズ制御部113は、S520に進み、第2の通信によりアクセサリ認証情報をカメラ制御部205に送信する。交換レンズ10はカメラ本体20から見て第2の通信の終端であるため、レンズ制御部113からのアクセサリ認証情報は終端情報を含む。
S521にてレンズ制御部113からのアクセサリ認証情報を受信したカメラ制御部205は、S522に進み、受信したアクセサリ認証情報を記憶する。そして、カメラ制御部205は、記憶したアクセサリ認証情報に含まれる終端情報に応じてS523に進み、本処理(認証通信)を終了するとともに、第2の通信でのブロードキャスト通信により本処理の終了情報を各アクセサリに通知する。
第2通信停止情報が「真」であるアクセサリは、上記終了情報に応じて第2の通信を停止し、電源が再投入されるまで第2の通信に応答しない。第2通信停止情報が「真」であるアクセサリが中間アダプタ(30または40)である場合は、消費電力を削減するために、アダプタ制御部(309または409)の動作も停止する方が好ましい。第2通信停止情報が「真」であるアクセサリが交換レンズ10である場合には、第2の通信は停止するが、第1の通信は使用可能であるため、レンズ制御部113はその動作を停止しない。
以上のように、第2通信接続スイッチ311,411を利用してカメラ本体20が複数のアクセサリ30,40,10と順次通信していく。ただし、複数のアクセサリと通信することができれば別の方法を用いてもよい。例えば、アクセサリが自身に接続されている不図示の端子の電圧レベルを検出することで、カメラ本体側から何番目に装着されているかを把握することもできる。この場合、カメラ本体から送信される認証情報要求の回数をカウントして、自身の装着順と一致したときだけアクセサリ認証情報をカメラ本体に送信すればよい。
次に、図4のS405において、認証通信の終了後に第2の通信によりカメラ制御部205が第2の通信を停止していないアクセサリからアクセサリ詳細情報を取得する処理について図6のフローチャートを用いて説明する。ここでは、中間アダプタ30と交換レンズ10の第2通信停止情報は「偽」であり、中間アダプタ40の第2通信停止情報は「真」であるとする。
S601にて本処理を開始したカメラ制御部205は、S602に進み、中間アダプタ30とP2P通信を行うために、認証通信で取得した中間アダプタ30のアクセサリ識別情報を第2の通信でのブロードキャスト通信により各アクセサリに送信する。中間アダプタ30のアクセサリ識別情報は、S603およびS605で中間アダプタ30と交換レンズ10により受信される。S604では、中間アダプタ40は第2の通信を停止しているため、ブロードキャスト通信により送信された情報を受信しない。
S603で自身のアクセサリ識別情報を受信した中間アダプタ30(アダプタ制御部309)は、S606に進み、P2P通信に移行する。S605において交換レンズ10(レンズ制御部113)も中間アクセサリ30のアクセサリ識別情報を取得するが、自身のアクセサリ識別情報とは異なるために受信後の処理を行わない。また、アダプタ制御部309は、S606でのP2P通信への移行処理を、CS信号線をHighに戻す前に行う。
こうしてアクセサリ識別情報のブロードキャスト通信が終わると、カメラ制御部205はS607に進み、P2P通信により前述したカメラ情報をアダプタ制御部309に送信する。S608においてアダプタ制御部309はカメラ情報を受信して、S611に進む。S609では、アダプタ制御部409は第2の通信を停止しているため、カメラ情報を受信しない。また、S610において、レンズ制御部113は、交換レンズ10のアクセサリ識別情報を受信していないため、カメラ情報を受信しない。
S611では、アダプタ制御部309は、受信したカメラ情報を記憶する。アダプタ制御部309は、カメラ情報に基づいて中間アダプタ30の設定を変更し、必要であればS615でカメラ制御部205に送信するアクセサリ詳細情報も変更する。カメラ情報を記憶したアダプタ制御部309は、S612に進み、カメラ情報受信完了通知をカメラ制御部205に送信する。
S613においてカメラ情報受信完了通知を受信したカメラ制御部205は、S614に進み、P2P通信によりアクセサリ詳細情報要求をアダプタ制御部309に送信する。アクセサリ詳細情報要求は、S615にてアダプタ制御部309に受信される。しかし、S616において、アダプタ制御部409はアクセサリ詳細情報要求を受信しない。また、S617において、レンズ制御部113は、S605で受信したアクセサリ識別情報が自身のものとは異なるためにアクセサリ詳細情報要求を受信しない。
アクセサリ詳細情報要求を受信したアダプタ制御部309は、S618に進み、アクセサリ詳細情報をP2P通信によりカメラ制御部205に送信する。S619にてアクセサリ詳細情報を受信したカメラ制御部205は、S620に進み、受信した中間アダプタ30のアクセサリ詳細情報を記憶する。カメラ制御部205は、このアクセサリ詳細情報に基づいて、中間アダプタ30に対する設定や通信リクエストに対する処理を行う。ここまでが中間アダプタ30に対するアクセサリ詳細情報に関する処理である。
S620でカメラ本体20から1番目のアクセサリである中間アダプタ30のアクセサリ詳細情報を取得したカメラ制御部205は、2番目のアクセサリである中間アダプタ40に対しても同様の処理を行うためにS621に進む。ただし、中間アダプタ40の第2通信停止情報が「真」であるので、カメラ制御部205は中間アダプタ40からアクセサリ詳細情報は取得せず、3番目のアクセサリである交換レンズ10からアクセサリ詳細情報を取得するためにS622に進む。
交換レンズ10の第2通信停止情報は「偽」であるので、カメラ制御部205は、S622にてS602~S620と同様にして、S624にて交換レンズ10から送信されるアクセサリ詳細情報を取得する。このアクセサリ詳細情報を取得が完了すると、認証通信において第2通信停止情報が「偽」であると認識した全てのアクセサリのアクセサリ詳細情報を取得したので、カメラ制御部205はS623に進み、本処理を終了する。
次に、図4のS406において、第2の通信によりカメラ制御部205が第2の通信を停止していないアクセサリの設定を行う処理について図7のフローチャートを用いて説明する。ここでも、中間アダプタ30と交換レンズ10の第2通信停止情報は「偽」であり、中間アダプタ40の第2通信停止情報は「真」であるとする。また、本処理は、図4のS405の後に行われるだけでなく、ユーザ操作等によりカメラ本体20の設定が変更されたことによりアクセサリの設定を変更する必要がある場合にも行われる。
本処理の基本的な流れはS405におけるアクセサリ詳細情報の取得処理と同様であり、まず、S701で本処理を開始したカメラ制御部205は、S702において中間アダプタ30のアクセサリ識別情報をブロードキャスト通信により各アクセサリに通知する。S703にて自身のアクセサリ識別情報を受信した中間アダプタ30(アダプタ制御部309)は、S706にてP2P通信に移行する。なお、S704において、第2通信停止情報が「真」である中間アダプタ40(アダプタ制御部409)はアクセサリ識別情報を受信しない。また、S705において、交換レンズ10(レンズ制御部113)も中間アクセサリ30のアクセサリ識別情報を受信する。
次にS707にて、カメラ制御部205は、アダプタ制御部309に対して中間アダプタ30の設定に関する情報(アクセサリ設定情報)を送信する。S708にてこのアクセサリ設定情報を受信したアダプタ制御部309は、S711にて該アクセサリ設定情報に応じて中間アダプタ30の動作等の設定を行い、S712で設定完了をカメラ制御部205に返信する。S713において、カメラ制御部205は中間アダプタ30の設定完了を受信する。なお、S709において、アダプタ制御部409はアクセサリ設定情報を受信しない。また、S710において、レンズ制御部113は、S705で受信したアクセサリ識別情報が自身のものとは異なるためにアクセサリ設定情報を受信しない。さらに、カメラ制御部205は、中間アダプタ40に対しては上記のような設定を行わない(S714)。次に、カメラ本体20は交換レンズ20にアクセサリ設定を送信する。次に、S715において、カメラ本体20は交換レンズ20にアクセサリ設定を送信する。
次にS716において、カメラ制御部205は、中間アダプタ30の設定と同様に、交換レンズ10の設定を行う(S705,S710,S716)。そして、S717において、第2通信停止情報が「偽」である全てのアクセサリの設定が終了したので、カメラ制御部205は通常動作状態に移行するために第2の通信の帯域(第2通信帯域)の開放をブロードキャスト通信により各アクセサリに通信する。S718およびS721においてこの通信を受けたアダプタ制御部309とレンズ制御部113は、通信リクエストが許可された状態であると判断する。この通信リクエスト許可状態は、カメラ制御部205から再度(正常な)ブロードキャスト通信が行われるまで継続する。S719において、アダプタ制御部409は、第2通信帯域の開放通知を受信しない。
次に、図4のS409において、第2の通信によりカメラ制御部205がアクセサリに対して通信リクエスト要因を確認し、該通信リクエスト要因に応じた処理を行う処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。ここでも、中間アダプタ30と交換レンズ10の第2通信停止情報は「偽」であり、中間アダプタ40の第2通信停止情報は「真」であるとする。また、通信リクエストが中間アダプタ30から行われ、通信リクエスト要因は、中間アダプタ30に設けられたアダプタ操作リングが操作されたこととする。
本処理の基本的な流れもS405におけるアクセサリ詳細情報の取得処理と同様であり、まず、S801で本処理を開始したカメラ制御部205は、S802において中間アダプタ30のアクセサリ識別情報をブロードキャスト通信により各アクセサリに通知する。S803にて自身のアクセサリ識別情報を受信した中間アダプタ30(アダプタ制御部309)は、S806にてP2P通信に移行する。なお、S804において、第2通信停止情報が「真」である中間アダプタ40(アダプタ制御部409)はアクセサリ識別情報を受信しない。また、S805において、交換レンズ10(レンズ制御部113)も中間アクセサリ30のアクセサリ識別情報を受信する。
次にS807において、カメラ制御部205は、アダプタ制御部309に対して通信リクエスト要因送信要求を送信する。S808において通信リクエスト要因送信要求を受信したアダプタ制御部309は、S811にて通信リクエスト要因をカメラ制御部205に送信する。なお、S809において、アダプタ制御部409は通信リクエスト要因送信要求を受信しない。また、S810において、レンズ制御部113は、S805で受信したアクセサリ識別情報が自身のものとは異なるために通信リクエスト要因送信要求を受信しない。
S812にて通信リクエスト要因を受信したカメラ制御部205は、S813にて該通信リクエスト要因がアダプタ操作リングの操作であると判定し、S814にてアダプタ制御部309にその操作量の送信要求を送信する。S815にて操作量送信要求を受信したアダプタ制御部309は、S818にてアダプタ装置リングの操作量をカメラ制御部205に送信する。なお、S816において、アダプタ制御部409は操作量送信要求を受信しない。また、S817において、レンズ制御部113は、S805で受信したアクセサリ識別情報が自身のものとは異なるために操作量送信要求を受信しない。
S819にて操作量を受信したカメラ制御部205は、S820にて該操作量をカメラ本体20の設定に反映する。具体的には、アダプタ操作リングが絞り値(Av)を変更できる機能を有する場合は、カメラ本体20において露出値(Ev)やシャッター速度(Tv)を計算するためのAv設定を変更する。また、必要であれば、第1の通信により交換レンズ10にAv制御量を送信して、交換レンズ10(レンズ制御部113)に絞り値を変更させてもよい。なお、カメラ制御部205は、第2通信停止情報が「真」である中間アダプタ40(アダプタ制御部409)に対しては通信リクエスト要因送信要求を送信しない(S821)。
次にS822では、カメラ制御部205は、レンズ制御部113に対して通信リクエスト要因送信要求を送信する。カメラ制御部205は、すでに中間アダプタ30から通信リクエスト要因を取得しているが、交換レンズ10にも同時に通信リクエスト要因が発生している可能性もあるため、レンズ制御部113にも通信リクエスト要因を問い合わせる。S823において通信リクエスト要因送信要求を受信したレンズ制御部113は、交換レンズ10において通信リクエスト要因が発生していれば、その通信リクエスト要因をカメラ制御部205に送信する。
こうして通信リクエスト要因が発生し得る全てのアクセサリからの通信リクエスト要因の取得が終了すると、カメラ制御部205は、S824に進み、通常動作状態に移行するために第2通信帯域の開放通知をブロードキャスト通信により各アクセサリに通信する。S825およびS828においてこの通信を受けたアダプタ制御部309およびレンズ制御部113は、通信リクエストが許可された状態であると判断する。この通信リクエスト許可状態は、カメラ制御部205から再度(正常な)ブロードキャスト通信が行われるまで継続する。S826において、アダプタ制御部409は第2通信帯域の開放通知を受信しない。
アダプタ制御部309およびレンズ制御部113は、通信リクエスト要因送信要求を受けた後に通信リクエスト要因が発生した場合は、第2通信帯域の開放通知を受信した後にカメラ制御部205に通信リクエストを行う。具体的には、S818~S825の間に中間アダプタ30の操作部材が操作された場合やS811~S825の間に中間アダプタ30に操作部材の操作以外の通信リクエスト要因が発生した場合である。これらの場合は、第2通信帯域の開放通知を受信した後にアダプタ制御部309がカメラ制御部205に通信リクエストを行う。
本実施例によれば、カメラ本体20と交換レンズ10との通信を可能とする第1の通信経路と、カメラ本体20と全アクセサリ(交換レンズ10および中間アダプタ30,40)との通信を可能とする第2の通信経路とをそれぞれ独立して有する。第2の通信経路を介して、全アクセサリの設定とこれらアクセサリからの通信リクエストに応答する第2の通信が行われる。アクセサリの設定および通信リクエストに対する応答において、認証通信で取得した第2通信停止情報に基づいて通信対象のアクセサリを特定することで、通信量を削減することができる。
一方、第2通信停止情報として「真」を送信したアクセサリによる第2の通信を停止させることができる。本実施例の中間アダプタ30,40のように第2の通信以外の通信手段を持たないアクセサリは、アダプタ制御部の動作を停止することができる。このように、第2通信停止情報を設けることで、アクセサリの消費電力を削減することができる。
さらに、認証通信で取得した第2通信停止情報が「真」であるアクセサリに対しては、カメラ本体20はアクセサリ詳細情報の送信を要求しない。このため、該アクセサリは、ブロードキャスト通信により送信されたアクセサリ識別情報によりP2P通信の対象を判断する処理やアクセサリ詳細情報の問い合わせに対する処理等を行う必要がなく、認証通信に対して応答すればよいため、アクセサリの低コスト化にも寄与する。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1では、各アクセサリをカメラ本体20装着した直後の認証通信おいて各アクセサリの第2通信停止情報を取得し、それに基づいて以降の第2の通信の対象となるアクセサリを判断する処理について説明した。これに対して、本実施例では、通常動作状態に移行した後に第2通信停止情報を「真」とする場合の処理について説明する。
このような処理が必要な場合としては、アクセサリの製品名称や光学情報等をカメラ本体にアクセサリ詳細情報により通知するが、アクセサリの再設定や通信リクエストが発生しないために通常動作状態への移行に際してアクセサリが第2の通信を停止する場合がある。また、アクセサリがその設定の変更によって第2の通信を行う必要がない状態に移行した場合等もある。
アクセサリが第2の通信を停止したことをカメラ本体に通知する方法には、アクセサリがカメラ本体に通信リクエストを行い、通信リクエスト要因として第2の通信の停止を通知する方法がある。また、アクセサリの状態遷移とアクセサリの第2の通信の停止とを予め関連付けておき、カメラ本体が第2の通信の停止を伴うアクセサリに対する設定を行った際に該アクセサリの第2の通信が停止していると判断する方法もある。さらに、通信エラーや通信リクエスト要因により、カメラ本体に認証通信からリスタートさせる方法等がある。
以下では、通信リクエスト要因として第2の通信の停止を通知する方法について説明する。実施例1で図4を用いて説明した処理において通信リクエストが可能になるのは、S406が終了して第2通信帯域の開放通知がブロードキャスト通信により各アクセサリに通知され、アクセサリがその通知を受信した(S717)後である。したがって、認証通信において第2通信停止情報が「偽」であるアクセサリは、アクセサリ詳細情報の取得処理(S405)における通信やアクセサリに対する設定(S406)のための通信に応答する必要がある。アクセサリ詳細情報をカメラ本体に送信した後にアクセサリが第2の通信を停止する場合は、S406の処理が終了した直後にアクセサリがカメラ本体に対して通信リクエストを行う。そして、通信リクエスト要因として、第2通信停止情報が「偽」から「真」へ変化したことを通知し、その後、第2の通信を停止する。通信リクエスト要因を受信したカメラ本体は、これ以後、該アクセサリに第2の通信を行わない。
また、アクセサリがその設定の変更によって第2の通信を行う必要がない状態に移行した場合も、同様の処理を行う。具体的には、カメラ本体の設定変更等を受けてS406においてアクセサリの設定変更を行う。S406が終了する際に第2通信帯域の開放がブロードキャスト通信により各アクセサリに通知されるので、その後の通信リクエストにより第2通信停止情報が「真」となったアクセサリはその旨をカメラ本体に通知する。
このように、認証通信時には第2通信停止情報が「偽」であったアクセサリが、第2通信停止情報が「真」となったタイミングでカメラ本体にそのことを伝えることが可能となる。
すなわち、アクセサリはその状態遷移に伴って第2の通信を停止し、さらに第2の通信を停止したことをカメラ本体に通知することが可能となる。これにより、アクセサリ詳細情報の通信やアクセサリの設定のための通信等の必要な通信を行った後に第2の通信を停止することができ、通信量および消費電力を削減することができるとともに、第2の通信によるアクセサリ詳細情報の通信を行うことができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例1では、認証通信時から第2通信停止情報が「真」である場合の処理について説明し、実施例2では通常動作状態に移行した後に第2通信停止情報が「真」となった場合の処理について説明した。本実施例では、第2の通信を停止しているアクセサリの第2通信停止情報が「真」から「偽」に変化した場合に、それをカメラ本体に通知する方法について説明する。
第2通信停止情報が「真」から「偽」に変化する場合としては、稀ではあるが、例えばアクセサリが外乱の影響を受けて想定外のリセット処理が発生したときが挙げられる。想定外のリセット処理が発生すると、アクセサリは初期状態に戻る。初期状態のアクセサリは、第2通信停止情報をカメラ本体に通知していないため、第2の通信を停止していない。アクセサリが第2の通信を停止するためには、カメラ本体に第2通信停止情報を送信する必要がある。一方、アクセサリが第2通信停止情報を通知するために通信リクエストをカメラ本体に送信しようとしても、カメラ本体は該アクセサリの第2の通信が停止していると認識しているため、通信リクエスト要因を問い合わせない。したがって、正常な通信リクエストでは、第2通信停止情報が「真」のアクセサリから第2通信停止情報が「偽」に変化したことをカメラ本体に通知することができない。
そこで、本実施例では、ブロードキャスト通信において通信エラーが発生した場合に、カメラ本体が認証通信からリトライするという取り決めをしておく。これにより、リセット処理が発生したアクセサリが意図的に通信エラーを起こすことで、再度行われる認証通信において第2通信停止情報をカメラ本体20に伝え直すことが可能となる。
図9のフローチャートは、通常動作状態において第2の通信を停止していたアクセサリにおいて想定外のリセット処理が発生したときに、通信エラーを起こすことで第2通信停止情報をカメラ本体20に伝え直す処理について説明する。図9におけるS901からS908の処理は、図4のS401からS408の処理と同様である。
S907からS908に進んでS907に戻る通常動作状態において、第2の通信を停止している中間アダプタ40に想定外のリセット処理が発生したとする。リセット処理が発生した中間アダプタ40(アダプタ制御部409)は、その接地スイッチ421をオンにすることでCS信号線をLowにする。CS信号線のLowを検出したカメラ本体20(カメラ制御部205)は、S908からS909に移行する。
S909では、カメラ本体20は通信リクエスト要因を取得するために、第2通信停止情報が「偽」である中間アダプタ30のアクセサリ識別情報をブロードキャスト通信により各アクセサリに通知する(図8のS802)。このとき中間アダプタ40がCS信号線をLowにし続けると、CS信号線がHighになることで終了するブロードキャスト通信が終了しない。このため、CS信号線がLowの状態の許容時間を設け、Lowの状態がその許容時間を超えることで、カメラ本体20とアクセサリは通信エラーを判別することができる。通信リクエスト処理の最初の認証通信のブロードキャスト通信に通信エラーが生じた場合に、カメラ本体20はS910からS904に戻って認証通信を行う。これによりカメラ本体20は、想定外のリセット処理が発生した中間アダプタ40から第2通信停止情報を再取得(再受信)することができる。上述のように想定外のリセットにより中間アダプタ40が再起動してしまった場合には、第2通信停止情報として「真」を送ることで、再度スリープ状態へ移行できる。一方で、第2通信情報として「偽」を送信した場合は、カメラ本体20によるアクセサリ設定および通信リクエスト要因取得対象となる。
第2通信停止情報が「偽」のアクセサリが1つもない場合は、全アクセサリの第2通信部が停止しているため、通信リクエストが発生すること自体があり得ない。このため、カメラ本体20は、通信リクエストが発生した時点で通信エラーが発生したと判断してS904に戻って、認証通信を行ってもよい。
本実施例では、正常な通信プロトコルとは異なる信号制御が行われた場合(すなわち、ブロードキャスト通信において通信エラーが発生した場合に認証通信を再度行うという取り決めをしておく。これにより、第2の通信を停止していたアクセサリに想定外のリセット処理が発生して第2の通信が再開された場合であっても、アクセサリが第2通信停止情報をカメラ本体に再通知することが可能となるため、再度、第2の通信を停止することができる。
また、第2の通信が停止しているアクセサリが第2の通信を有効にしたい場合は、認証通信がやり直されたときに第2通信停止情報を「偽」として通知すればよい。この際、アクセサリはカメラ本体に第2通信停止情報を破棄する要求を送信し、カメラ本体はこの破棄要求を受信することに応じて受信済みの第2通信停止情報(「真」)を破棄して、アクセサリが再送信した新たな第2通信停止情報(「偽」)を再受信すればよい。
ただし、第2の通信を使用する可能性や頻度によっては、第2通信停止情報の「真」をカメラ本体20に送らずに第2の通信の通信対象アクセサリと認識されるようにしてもよい。
図2(a),(b)では第1の通信回路により3線クロック同期式通信を行う場合について説明したが、これに代えて、3線調歩同期式通信を行ってもよい。図10は3線調歩同期式通信における信号波形を示している。3線調歩同期式通信の場合は、図2(a),(b)に示したクロックライン(LCLK)に代えて、RTS通信線(RTS)を有する。RTS通信線は、カメラ-レンズ通信線(DCL)による通信とレンズ-カメラ通信線(DLC)による通信のタイミングを制御する信号をカメラ本体(カメラ制御部)から交換レンズ(レンズ制御部)に送信するための信号線である。例えば、RTS通信線は、カメラ本体から交換レンズへのレンズデータの送信要求(送信指示)や通信処理の切替え要求等の通知に用いられる。送信要求の通知はRTS通信線の信号レベルをHighとLowとの間で切り替えることで行う。以下の説明では、RTS通信線に供給される信号を送信要求信号RTSという。
送信要求信号RTSは、通信マスタとしてのカメラ本体から通信スレーブとしての交換レンズに送られる。交換レンズが送信要求信号RTSを受信すると、図10に示すようにレンズデータ信号DLCの1フレームの送信開始をカメラ本体に通知するために、レンズデータ信号DLCの信号レベルを1ビット期間の間Lowとする。この1ビット期間を1フレームの開始を示すスタートビットSTと呼ぶ。すなわち、このスタートビットSTからデータフレームが開始される。スタートビットSTは、レンズデータ信号DLCの1フレームごとにその先頭ビットに設けられている。
続いて、交換レンズは、次の2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのレンズデータを送信する。データのビット配列はMSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、順にデータD6、データD5と続き、最下位のデータD0で終わる。そして、交換レンズは、10ビット目に1ビットのパリティー情報PAを付加し、1フレームの最後を示すストップビットSPの期間のレンズデータ信号DLCの信号レベルをHighとする。これにより、スタートビットSTから開始されたデータフレーム期間が終了する。
上記各実施例によれば、撮像装置が通信不要なアクセサリ装置を識別することができるため、不要な通信を削減することができ、通信の即時性を向上させることができる。また、通信不要なアクセサリ装置を識別した後は該アクセサリ装置が省電力状態に移行するので、消費電力を削減することができる。
以下、実施例5について説明する。
上述の実施例のアクセサリ識別情報に着目して、より詳しく説明する。
以下、アクセサリとは、交換レンズもしくは中間アクセサリを示す。
なお、以下の実施例において、カメラ本体、交換レンズ及び中間アクセサリの各々を総称してユニットとも称する。また、交換レンズ及び中間アクセサリの各々を総称してアクセサリとも称する。
また、以下の実施例において、補正に関わるアクセサリとは、交換レンズ又は補正処理要否情報が「要」である中間アクセサリである。
また、以下の実施例において、補正に関わる中間アクセサリとは、交換レンズの光学情報の補正が必要な中間アクセサリである。
また、以下の実施例において、第1のアクセサリとは、他の全アクセサリの光学情報を保持するアクセサリである。
また、以下の実施例において、第1の中間アクセサリとは、他の中間アクセサリの光学情報を有している中間アクセサリである。
また、以下の実施例において、第1のユニットとは、全アクセサリの光学情報を保持しているユニットである。
なお。以下の実施例では各ユニットが他のユニットの光学情報を有しているか否かに着目するが、これは必ずしもユニットの発売日や製造日とは関係ない。例えば、ファームアップ等によって、ユニットの発売日や製造日によらず、各ユニットが記憶している光学情報は変わり得る。
<カメラシステムの構成(図11)>
図11を用いて、本実施例のカメラシステムの構成を説明する。
カメラシステムはカメラ本体2000から交換レンズ1000への制御命令伝達の為、および交換レンズ1000からカメラ本体2000への操作情報および光学情報伝達の為の通信経路である第1の通信経路を有する。また、カメラ本体2000と複数の中間アクセサリ3000、4000との操作情報および光学情報伝達の為の通信経路である第2の通信経路を有する。以後、第1の通信経路により行う通信を第1通信(第1の通信)、第2の通信経路により行う通信を第2通信(第2の通信)とも称する。
ここで、第1の通信経路はカメラ側の第1通信部20700とレンズ側の第1通信部11400との間で相互に行う通信を、後述のマウント20200及び30500、30300及び40500、40300及び10200を介して行う経路である。なお、カメラ側の第1通信部20700とレンズ側の第1通信部11400はそれぞれ通信制御手段の一例である。
このように、あるユニットが当該ユニットとは異なる1つのユニットとの間で行う通信を、本実施例では一対一の通信とも称する。
また、ここで、第2の通信経路は、カメラ側の第2通信部20800が各アクセサリの通信部と通信する経路である。その際、カメラ側の第2通信部20800からマウント20300及び30600を介して行われるとともに、マウント30400及び40600、40400及び10300の少なくとも一部を介して、通信が実施される。第2通信経路によってカメラ側の通信部208は例えば、レンズ側の第2通信部11500、中間アクセサリ側の第2通信部30800、40800との間で通信を行う。なお、カメラ側の通信部20800、レンズ側の第2通信部11500、中間アクセサリ側の第2通信部30800、及び中間アクセサリ側の40800は、それぞれ通信制御手段の一例である。
このように、あるユニットが当該ユニットとは異なる複数のユニットとの間で行う通信を、本実施例では一対多の通信とも称する。
図11において、交換レンズ1000は、撮影に関する可動光学部材を制御する交換レンズである。カメラ本体2000は、映像を撮影するカメラ本体である。中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000は、交換レンズ1000とカメラ本体2000との間に装着されたエクステンダー等の中間アクセサリである。
交換レンズ1000、中間アクセサリ4000、中間アクセサリ3000、カメラ本体2000は、マウント10100と40100、40200と30100、30200と20100がそれぞれ取り外し可能に取り付けられる。ここで、マウント10100は交換レンズ1000に設けられ、マウント40100、マウント40200は中間アクセサリ4000に設けられ、マウント30100、マウント30200は中間アクセサリ3000に設けられ、マウント20100はカメラ本体2000に設けられている。
マウント10100、40100、40200、30100、30200、20100にはそれぞれ、第1通信を行う為の1つ以上の接点を持つ接点端子群である第1通信接点群10200、40300、40500、30300、30500、20200が設けられている。ここで、第1通信接点群10200、40300、40500、30300、30500、20200は、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000、カメラ本体2000が接続された時に、導通する構成となっている。実施例5では、第1通信は、交換レンズ1000の光学部材をカメラ本体2000が制御する為にも用いられる。
更に、マウント10100、40100、40200、30100、30200、20100にはそれぞれ、第2通信を行う為の1つ以上の接点を持つ接点端子群である第2通信接点群10300、40400、40600、30400、30600、20300が設けられている。ここで、第2通信接点群10300、40400、40600、30400、30600、20300は、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000、カメラ本体2000が接続された時に、導通する構成となっている。実施例5では、第2通信は、カメラ本体2000が中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000と、交換レンズ1000とに対して一対多の通信を行うことが可能であるように構成されている。
このように、カメラ本体2000と交換レンズ1000の一対一の通信である第1通信と、カメラ本体と複数のアクセサリとの一体多の通信を行う第2通信とのそれぞれに対応して、異なる第1の通信経路と第2の通信経路が設けられている。これにより、同一の通信経路を用いて通信を行う場合と比較して、例えば第1通信ではより意図したタイミングで交換レンズに交換レンズ制御命令伝達をする事が出来る。交換レンズ制御命令伝達をカメラ本体が意図したタイミングで直ぐに交換レンズに伝達できるので、交換レンズに実装された複数の光学部材を高速、高精度で制御することが出来る。
交換レンズ1000は、光学系を構成するフォーカスレンズ10400、ズームレンズ10500、アイリス10600、ぶれ補正レンズ10700と、各光学部材を制御する制御部(10800,10900,11000、11100)及び、レンズ全体を制御するレンズ制御部11300を備える。さらに交換レンズ1000は、第1の通信を行うレンズ側の第1通信部11400、第2の通信を行うレンズ側の第2通信部11500、ぶれ量を検出するぶれ量検出部11200、交換レンズに設けられた操作部材であるレンズ操作部材11600を備える。各構成について説明をする。
フォーカスレンズ10400は、撮影映像のピント状態を変化させるためのものである。ズームレンズ10500は、撮影映像のズームを行う為のものである。アイリス10600は、撮影映像の光量調整を行う為のものである。ぶれ補正レンズ10700は、被写体像の像ぶれを補正する為のぶれ補正レンズである。
フォーカスレンズ制御部10800は、フォーカスレンズ10400の位置検出および駆動制御を行う。ズームレンズ制御部10900は、ズームレンズ10500の位置検出および駆動制御を行う。アイリス制御部11000は、アイリス10600の位置検出および駆動制御を行う。ぶれ補正制御部11100は、ぶれ補正レンズ10700の位置検出および駆動制御を行う為のぶれ補正制御部である。フォーカスレンズ制御部10800、ズームレンズ制御部10900、アイリス制御部11000、ぶれ補正制御部11100は、それぞれ例えば絶対値エンコーダ等の位置センサーと、超音波モータやステッピングモータ等の駆動モータにより構成される。ぶれ量検出部11200は、交換レンズ1000の振動量を検出するためのものであり、例えばジャイロセンサーで構成される。
レンズ制御部11300はレンズを制御する為のものであり、不図示のメモリを有している。レンズ制御部11300は、通信制御部の一例である。レンズ側第1通信部11400は、交換レンズ1000にて第1通信を行う為のものである。レンズ側第2通信部11500は、交換レンズ1000にて第2通信を行う為のものである。
レンズ制御部11300が備えるメモリは、書き換え可能な不揮発メモリで構成され、CPUが実行する制御ソフトウェア(ファームウェア)、交換レンズ1000に関する固有情報や状態情報を記憶する。固有情報は例えば機種名(識別情報)、光学特性、補正情報などである。また、状態情報は例えば動作状態(正常/セーフモード)、ズームレンズ10500の位置情報(または倍率)、フォーカスレンズ10400の位置情報、アイリス10600のF値、ぶれ補正レンズ10700の位置情報、ファームウェアのバージョンや更新状態などである。ただし、これらに限定されない。また、メモリには、後述するセーフモードで交換レンズ1000を動作させる際に実行するプログラムも記憶されている。
また、レンズ制御部11300はCPUなどのプログラマブルプロセッサを有し、メモリからプログラムを読みだして実行することにより、後述する交換レンズ1000の動作をはじめとした、各種の動作を実現する。例えばレンズ制御部11300は、後述する第1通信でカメラ制御部20500から受信した命令に応じた動作を実行する。命令に応じた動作とは、例えばフォーカスレンズ制御部10800、ズームレンズ制御部10900、アイリス制御部11000、ぶれ補正制御部11100の制御や、メモリに記憶されたファームウェアの更新を実行する。
レンズ制御部11300は、メモリに記憶されている古いファームウェアを、例えばカメラ本体2000から第1通信で受信した新しいファームウェアで上書きすることによってファームウェアを更新する。また、レンズ制御部11300は、ファームウェアの更新処理の状態を表すデータ(更新状態データ)をメモリに記録することで、更新処理を管理する。例えばレンズ制御部11300はファームウェアの上書きを行う前に、更新状態データを「未完了」を示す値にし、ファームウェアの上書きが完了すると更新状態データを「完了」を示す値にする。なお、「完了」を示す値は「正常完了」を示す値と「異常完了」を示す値とで異なっていてもよい。また「異常完了」を示す値は、異常の原因に応じて異なる値であってよい。
例えば、ファームウェアの更新中に交換レンズ1000が外された場合、交換レンズ1000への電源供給が絶たれるため、更新状態データが「未完了」を示す値のまま更新処理が中断される。例えばレンズ制御部11300は、電源が再び供給された際に更新状態データを確認し、未完了状態を示す値であった場合には、ファームウェアの更新が中断された状態であるため、動作が制限されたモード(セーフモード)に移行する。また、メモリが記憶している交換レンズ1000の動作状態を、セーフモードに書き換える。セーフモードでは、ファームウェアの更新を行うために必要な処理を含む、制限された機能だけが実行可能である。ファームウェアの更新を行うために必要な処理とは、具体的には、交換レンズ1000の識別情報と動作状態情報(あるいはファームウェア更新の要求)をカメラ本体2000に送信する処理である。また、カメラ本体2000から受信したファームウェアでメモリに記録しているファームウェアを更新する処理も、ファームウェアの更新を行うために必要な処理である。
それ以外の処理、例えばフォーカスレンズ制御部10800の制御などは行えない。
通常、メモリの容量はファームウェア全体を二重化して記憶できるほど大きくない。そのため、セーフモード用のプログラム記憶に利用できる容量は制限される。したがってセーフモードでは、交換レンズ1000の動作状態の送信やファームウェアの更新といった必要最低限の機能を含む、限られた機能だけが提供される。レンズ制御部11300はセーフモード中に第1通信で、セーフモードでは実行できない処理の要求、例えばフォーカスレンズ10400の駆動要求などを受信した場合、要求を無視する。レンズ操作部材11600は、交換レンズ1000に備え付けられた操作部材であり、例えばスイッチ又は電子リングである。レンズ操作部材11600が操作されると、操作信号がレンズ制御部11300へ出力される。
次に、カメラ本体2000の構成の説明をする。カメラ本体2000は、撮像素子20400、カメラ本体を制御するカメラ制御部20500、カメラ本体2000が撮影した映像などを表示する映像表示部20600、カメラ本体2000に設けられた操作部材であるカメラ操作部材20900を備える。さらに、カメラ本体2000は、第1の通信及び第2の通信を制御するカメラ側第1通信部20700、カメラ側第2通信部20800を備える。各構成について説明をする。
撮像素子20400は映像を撮影する為の撮像素子であり、例えばCMOSイメージセンサーである。
カメラ制御部20500は、カメラ本体を制御する為のものであり、不図示のメモリを有している。カメラ制御部20500は通信制御部の一例である。カメラ側第1通信部20700は、カメラ本体2000にて第1通信を行う為のものである。カメラ側第2通信部20800は、カメラ本体2000にて第2通信を行う為のものである。カメラ制御部20500、カメラ側第1通信部20700、カメラ側第2通信部20800は例えばカメラ本体2000内のCPUを用いて構成されている。
映像表示部20600は例えば液晶モニタであり、カメラ本体2000が撮影した映像や、記録媒体21100に記録された画像データ、GUIなどの表示に用いられる。このとき、映像表示部20600は、交換レンズ1000もしくは中間アクセサリ3000、4000のファームウェア更新をユーザが指示するためのメニュー表示にも用いられる。また、カメラ制御部20500は、装着されている交換レンズ1000や中間アクセサリ3000、4000がセーフモードであることを検知すると、ファームウェアの更新が必要であることをメッセージ表示などによってユーザに報知することができる。
カメラ操作部材20900は撮影条件を設定する為のものであり、例えばダイアルリングやスイッチである。カメラ操作部材20900が操作されると、操作信号がカメラ制御部20500へ出力される。
メディアIF21000は、例えば着脱可能なメモリーカードである記録媒体21100に対してデータの記録や読み出しを行うためのインターフェースである。
記録媒体21100は、カメラ本体2000での撮影によって得られた画像データや音声データの記録先として用いられる。また、記録媒体21100は、カメラ本体2000、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、4000のファームウェア更新時には新しいファームウェアの供給元としても用いられる。
中間アクセサリ3000、4000のそれぞれは、中間アクセサリ光学部材30700、40700と、第2通信を行う中間アクセサリ側第2通信部30800、40800と、中間アクセサリの制御を行う30900、40900を備える。また、更に、中間アクセサリ3000、4000のそれぞれは、中間アクセサリに設けられた操作部材である中間アクセサリ操作部材31000、41000を備える。各構成について説明をする。
本実施例の中間アクセサリ光学部材30700及び40700は一例として、撮影映像に対して光学特性の変化をもたらす光学部材であり、例えば変倍レンズやNDフィルタである。
中間アクセサリ側第2通信部30800及び40800は、中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000にて第2通信を行う為の通信部である。
中間アクセサリ制御部30900、40900は、それぞれ中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000を制御する為の制御部であり、不図示のメモリを有している。中間アクセサリ制御部30900、40900は、各々が通信制御部の一例である。中間アクセサリ制御部30900、40900、中間アクセサリ側第2通信部30800及び40800は、中間アクセサリのCPUを用いて構成されている。
中間アクセサリ制御部30900、40900が有するメモリは、書き換え可能な不揮発メモリで構成され、CPUが実行する制御ソフトウェア(ファームウェア)、中間アクセサリ3000、4000に関する固有情報や状態情報を記憶する。固有情報は例えば機種名(識別情報)、光学特性、補正情報などである。また、状態情報は例えば動作状態(正常/セーフモード)、中間アクセサリ操作部材31000、41000の操作情報(位置や速度)、ファームウェアのバージョンや更新状態などである。ただし、これらに限定されない。また、メモリには、後述するセーフモードで中間アクセサリ3000、4000を動作させる際に実行するプログラムも記憶されている。
また、中間アクセサリ制御部30900、40900はCPUなどのプログラマブルプロセッサを有し、メモリからプログラムを読みだして実行することにより、後述する中間アクセサリ3000、4000の動作をはじめとした、各種の動作を実現する。例えば中間アクセサリ制御部30900、40900は、後述する第2通信でカメラ制御部20500から受信した命令に応じた動作、例えば中間アクセサリ操作部材31000、41000の操作情報の送信、メモリに記憶されたファームウェアの更新を実行する。
中間アクセサリ制御部30900、40900は、メモリに記憶されている古いファームウェアを、例えばカメラ本体2000から第1通信で受信した新しいファームウェアで上書きすることによってファームウェアを更新する。また、中間アクセサリ制御部30900、40900は、ファームウェアの更新処理の状態を表すデータ(更新状態データ)をメモリに記録することで、更新処理を管理する。例えば中間アクセサリ制御部30900、40900はファームウェアの上書きを行う前に、更新状態データを「未完了」を示す値にし、ファームウェアの上書きが完了すると更新状態データを「完了」を示す値にする。なお、「完了」を示す値は「正常完了」を示す値と「異常完了」を示す値とで異なっていてもよい。また「異常完了」を示す値は、異常の原因に応じて異なる値であってよい。
例えば、ファームウェアの更新中に中間アクセサリ3000、4000が外された場合、中間アクセサリ3000、4000への電源供給が絶たれるため、更新状態データが「未完了」を示す値のまま更新処理が中断される。例えば中間アクセサリ制御部30900、40900は、電源が再び供給された際に更新状態データを確認し、未完了状態を示す値であった場合には、動作が制限されたモード(セーフモード)に移行する。また、メモリが記憶している中間アクセサリ3000、40の00動作状態を、セーフモードに書き換える。
セーフモードでは、ファームウェアの更新を行うために必要な処理を含む、制限された機能だけが実行可能である。ファームウェアの更新を行うために必要な処理とは、具体的には、中間アクセサリ3000、4000の識別情報とセーフモードであることを示す情報(あるいはファームウェア更新の要求)などの認証情報をカメラ本体2000に送信する処理である。また、カメラ本体2000から受信したファームウェアでメモリに記録されているファームウェアを更新する処理もファームウェアの更新を行うために必要な処理である。それ以外の処理、例えば中間アクセサリ操作部材31000、41000の操作情報の送信などは行えない。
通常、メモリの容量はファームウェア全体を二重化して記憶できるほど大きくない。そのため、セーフモード用のプログラム記憶に利用できる容量は制限される。したがってセーフモードでは、中間アクセサリ3000、4000の動作状態の送信やファームウェアの更新といった必要最低限の機能を含む、限られた機能だけが提供される。中間アクセサリ制御部30900、40900はセーフモード中に第2通信で、セーフモードでは実行できない処理の要求、例えば中間アクセサリ操作部材31000、41000の操作情報の送信受信した場合、要求を無視する。
中間アクセサリ操作部材31000、41000は、それぞれ中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000に備え付けられた操作部材であり、例えばスイッチ又は電子リングである。中間アクセサリ操作部材31000、41000が操作されると、操作信号が中間アクセサリ制御部30900、40900へ出力される。
第2通信接続スイッチ31100、第2通信接続スイッチ41100は、それぞれ中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000の第2通信線上、かつ、中間アクセサリ側第2通信部よりレンズ側に備え付けられたスイッチである。第2通信接続スイッチ31100、第2通信接続スイッチ41100は、それぞれ中間アクセサリ制御部30900および中間アクセサリ制御部40900により短絡・開放を制御できる。これらを設けることにより、自身よりレンズ側の第2通信を遮断することが可能となる。つまり、これらのスイッチの短絡・解放を制御することで、第2通信の通信状態を変更することが可能である。
実施例5において、交換レンズ1000に入射した光が、映像として出力されるまでの流れは以下の通りである。
交換レンズ1000に入射した光は、フォーカスレンズ10400、ズームレンズ10500、アイリス10600、ぶれ補正レンズ10700、中間アクセサリ光学部材40700、30700を通り撮像素子20400で結像し、電気信号に変換される。撮像素子20400から出力された電気信号は、カメラ制御部20500にて映像信号に変化され、映像表示部20600に出力される。
<第1通信(図12)>
次に、第1通信について図12を用いて説明する。
図12(a)は、第1通信を行う構成を示している。本実施例の第1通信はクロック同期通信を行う場合を例示するが、調歩同期式通信を行っても良い。調歩同期式通信については変形例として後述する。第1通信接点群10200、40300、40500、30300、30500、20200にはそれぞれ、カメラ側第1通信部20700から出力されるクロックラインLCLKの端子である第1通信LCLK端子10200a、40300a、40500a、30300a、30500a、20200aが含まれている。本実施例ではまた、同様にクロック同期通信のカメラ側第1通信部20700から出力されるデータラインDCLの端子である第1通信DCL端子10200b、40300b、40500b、30300b、30500b、20200bが含まれている。なお、第1通信DCL端子10200b、40300b、40500b、30300b、30500b、20200bの各々が、第1の通信端子の一例である。また、同様にクロック同期通信のレンズ側第1通信部11400から出力されるデータラインDLCの端子である第1通信DLC端子10200c、40300c、40500c、30300c、30500c、20200cが含まれている。ばお、第1通信DLC端子10200c、40300c、40500c、30300c、30500c、20200cの各々が、第3の通信端子の一例である。
図12(a)が示す通り、クロックラインLCLK、データラインDCLは、交換レンズ1000内でプルアップされている。またクロックラインLCLK、データラインDLCは、カメラ本体2000内でプルアップされている。
中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000内のクロックラインLCLK、データラインDCL、データラインDLCはそれぞれ第1通信接点40300と40500および30300と30500の間で短絡されている。
図12(b)は、第1通信が行われている時のクロックラインLCLK、データラインDCL、データラインDLCの波形を示している。カメラ側第1通信部20700は、クロックラインLCLKにクロックを出力すると共に、クロックラインLCLKの立ち上がり信号に合わせてデータラインDCLにB7~B0の8ビットのデータを出力する。同様にレンズ側第1通信部114は、クロックラインLCLKの立ち上がり信号に合わせてデータラインDLCにB7~B0の8ビットのデータを出力する。更にカメラ側第1通信部20700はクロックラインLCLKの立ち上がり信号に合わせてデータラインDLCのB7~B0の8ビットのデータを受信する。同様にレンズ側第1通信部11400はクロックラインLCLKの立ち上がり信号に合わせてデータラインDCLのB7~B0の8ビットのデータを受信する。以上によりカメラ側第1通信部207およびレンズ側第1通信部114が通信データをお互いに交換する事が出来る。レンズ側第1通信部11400は、データラインDCLのB7~B0の8ビットのデータを受信すると、クロックラインLCLKをTbusyの時間LOW出力し、その後LOW出力を解除する。ここでTbusy時間は交換レンズ10が受信データを処理している時間であり、カメラ側第1通信部20700はデータ送信後にクロックラインLCLKがLOWからHIGHに変化するまでデータ送信を行わない構成となっている。この信号制御により、第1通信のフロー制御を行う事ができる。以上の処理を繰り返す事で、第1通信によりカメラ側第1通信部20700とレンズ側第1通信部114の間でデータの伝達を行う事が出来る。
<第2通信(図21)>
次に、図21の構成図を参照して、カメラ本体2000と交換レンズ1000と中間アクセサリ3000と中間アクセサリ4000との間に構成される「1対多」の通信が可能な通信回路の1つについて説明する。なお、通信回路は「1対多」の通信が可能であればこの限りではない。さらに、複数の通信回路を持つ場合は、他の通信回路についてはクロック同期式のシリアル通信やUART通信のような「1対1」の通信でも構わない。
カメラ側第2通信部20800、レンズ側第2通信部115、中間アクセサリ第2通信部30800、40800は、第1通信と同様に接点部を介して接続される。より具体的には、前述の第2通信接点群第2通信接点群10300、40400、40600、30400、30600、20300を介して接続される。本実施例において、第2通信接点群10300、40400、40600、30400、30600、20300は各々CS信号端子10300a、40400a、40600a、30400a、30600a、20300aとDATA信号端子10300b、40400b、40600b、30400b、30600b、20300bを有する。カメラ側第2通信部20800、レンズ側第2通信部11500、中間アクセサリ第2通信部30800は、CS信号端子を介して接続されたCS信号線、DATA信号端子を介して接続されたDATA信号線を用いて通信を行う。
なお、第2通信接点群10300、40400、40600、30400、30600、20300が各々有するDATA信号端子は、第2の通信端子の一例である。
カメラ通信回路は接地スイッチ22100と入出力切り換えスイッチ22200によって構成されている。レンズ通信回路は接地スイッチ12100と入出力切り換えスイッチ12200によって構成されている。中間アクセサリ通信回路は接地スイッチ32100、42100と入出力切り換えスイッチ32200、42200によって構成されている。
信号線は、通信のフロー制御を行うための信号を伝搬するためのCS信号線(第1の信号線)と、送受信するデータを伝搬するためのDATA信号線(第2の信号線)の2本で構成される。
CS信号線はカメラ側第2通信部20800と中間アクセサリ第2通信部30800、およびレンズ側第2通信部11500に接続されており、信号線の状態(Hi/Low)を検出可能な構成としている。またCS信号線はカメラ本体内で不図示の電源にプルアップ接続されている。CS信号線は交換レンズ1000の接地スイッチ12100、カメラ本体2000の接地スイッチ22100、中間アダプタの接地スイッチ32100、42100を介してGNDと接続可能な構成としている(オープンドレイン接続)。この構成により、交換レンズ1000、カメラ本体2000、中間アクセサリ3000、4000はそれぞれ接地スイッチをオン(接続)することによりCS信号線の状態をLowにすることが可能である。一方、交換レンズ1000、カメラ本体2000、中間アクセサリ3000、4000の全てが各々の接続スイッチをオフ(遮断)することで、CS信号線の状態をHiとすることができる。CS信号線は、ブロードキャスト通信とP2P通信を区別するため、もしくはP2P通信における通信方向の切り替えなどに用いられる。
DATA信号線は、データの伝搬方向を切り換えながら使用可能な単線の双方向データ送信線である。DATA信号線は、交換レンズ1000の入出力切り換えスイッチ12200を介してレンズ側第2通信部11500と接続可能である。また、DATA信号線は、カメラ本体2000の入出力切り換えスイッチ22200を介してカメラ側第2通信部20800と接続可能である。また、DATA信号線は、中間アクセサリ3000、4000の入出力切り換えスイッチ32200、42200を介して中間アクセサリ第2通信部30800、40800とそれぞれ接続可能である。それぞれのマイコンにはデータを送信するためのデータ出力部(CMOS方式)とデータを受信するためのデータ入力部(CMOS方式)が備えられている。入出力切り換えスイッチを操作することでDATA信号線をデータ出力部に接続するかデータ入力部に接続するかを選択することができる。この構成により、交換レンズ1000、カメラ本体2000、中間アクセサリ3000、4000は自分がデータを送信する場合にはDATA信号線をデータ出力部と接続するように各々入出力切り換えスイッチを操作することでデータ送信が可能となる。一方、交換レンズ1000、カメラ本体2000、中間アクセサリ3000、4000は自分がデータを受信する場合にはDATA信号線をデータ入力部と接続するように各々入出力切り換えスイッチを操作することでデータ受信が可能となる。
ここで、CS信号とデータ信号により行われるブロードキャスト通信とP2P通信について述べる。
CS信号線はいずれかのユニットがGNDに接続するとLOWに落ちるので、ブロードキャスト通信のきっかけとして使用される。
通信の主体であるカメラ本体がCS信号線をLOWに引くことでブロードキャスト通信が開始される。CS信号線がLOWの時にDATA線によりアクセサリが受信したデータは、ブロードキャストされたデータであると判断する。
また、各アクセサリがCS信号線をLOWに引くことでカメラ本体にブロードキャスト通信をリクエストすることができる。
CS信号線のLOWを検知したユニットは、ブロードキャストの処理中は自身の接地スイッチを入れておくことで、ブロードキャスト通信に対する処理が継続していることを他のユニットに周知することが可能である。第2通信はブロードキャスト通信で始まり、ブロードキャスト通信で終わると規定することで、アクセサリのDATA信号線は基本的に受信状態を維持しておけばよい。カメラがアクセサリとP2P通信を行う場合には、まずブロードキャスト通信により通信対象のアクセサリを指定する。ブロードキャスト通信の送信を完了したカメラと指定されたアクセサリはP2P通信を行う。
P2P通信では、まずカメラがデータを送信し、それを受けたアクセサリがカメラへデータを送信する。以後、これが交互に行われる。P2P通信においては、通信中のCS信号はHIGHを維持することでブロードキャスト通信と区別される。P2P通信におけるCS信号はビジー信号として使用される。すなわち、カメラ及びアクセサリが相手に自身からのデータ送信が終了した旨を通知するためにLOWにし、データ受信の準備が整ったことを通知するためにHIGHにする。
P2P通信が終了したら、カメラがP2P通信の終了をブロードキャスト通信する。
このようにして、カメラは複数のアクセサリと2本の通信ラインを介してデータ通信を行える。
なお、図21では本発明における通信回路の一例について示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、CS信号線をカメラ本体2000内でGNDにプルダウン接続し、交換レンズ1000の接地スイッチ12100、カメラ本体2000の接地スイッチ22100、中間アクセサリ3000、4000の接地スイッチ32100、42100を介して不図示の電源と接続可能な構成としても良い。またDATA信号線は常に各々のデータ入力部に接続される構成とし、DATA信号線と各々のデータ出力部との接続/遮断をスイッチにより操作可能な構成としても良い。
第2通信は、第1通信と同じ通信方式や、双方向の調歩同期通信、マスタ・スレーブ方式やトークンパッシング方式等で実現可能である。
<アクセサリとの初期通信及び補正された光学情報の取得処理(図13)>
次に、カメラ本体2000がアクセサリとの初期通信によりアクセサリの認証情報を取得し、さらに中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000の光学情報に基づいて補正された交換レンズ1000の光学情報を取得する流れについて図13を用いて説明する。なお、中間アクセサリの光学情報とは、例えば中間アクセサリが変倍レンズを有する場合には、当該中間アクセサリの挿入により変化する倍率である。また、交換レンズ1000の光学情報とは、例えば焦点距離、絞り、フォーカス敏感度、ピント補正量等の情報である。
図13は、中間アクセサリおよび交換レンズを装着して初めて電源を供給した後に、カメラ本体2000が中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000の光学情報に基づいて補正された交換レンズ1000の光学情報を取得する処理の流れを示している。
S30100にてカメラ本体2000が起動すると、S30200に遷移する。
S30200に遷移すると、カメラ本体2000は、不図示の電源供給用マウント接点を介して、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000に電源を供給し、S30300およびS30400に遷移する。
S30300に遷移すると、カメラ制御部20500は、第1通信にて交換レンズ1000と初期通信を行う。当該初期通信では、交換レンズ1000の認証情報を取得する。
ここで交換レンズ1000の認証情報には、交換レンズ1000の識別情報と動作状態情報が含まれている。交換レンズ識別情報は、交換レンズの種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバー(ID)等の情報であってもよいし、交換レンズ固有の光学データを示す光学データ識別情報であってもよい。また、交換レンズが有する機能を示す情報や同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)等の情報を含んでいてもよい。
動作状態情報は、交換レンズ1000が正常に動作しているかセーフモードで動作しているかが識別できる情報であり、言い換えると、ファームウェアの更新が中断された状態である(セーフモードで動作)か、否か(正常動作)が識別できる情報である。
第1通信にて交換レンズ1000の認証情報を取得するサブプロセスS30300の流れについては図14を用いて後述する。
S30400に遷移すると、カメラ制御部20500は、第2通信にてアクセサリと初期通信を行い、アクセサリの認証情報を取得する。
ここで、アクセサリの認証情報には、アクセサリの識別情報と補正処理要否情報と動作状態情報が含まれている。
中間アクセサリ識別情報は、中間アクセサリの種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバー(ID)等の情報であってもよいし、中間アクセサリ固有の光学データを示す光学データ識別情報であってもよい。また、中間アクセサリが有する機能を示す情報や同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)等の情報を含んでいてもよい。
また、補正処理要否情報とは、当該アクセサリの装着により、交換レンズ1000の光学情報の補正が必要となるか否かを示す情報である。アクセサリが中間アクセサリの場合であって、交換レンズ1000の光学系に影響を与えないものである場合は、補正処理は不要である。中間アクセサリ補正処理要否情報によりカメラ制御部20500が該中間アクセサリの装着による補正処理が不要であることを事前に知れば、交換レンズ1000の光学情報の取得処理において、カメラは該中間アクセサリを無視することができる。
補正処理が不要な中間アクセサリとしては、例えば、自身の幅による光学系への影響を打ち消すように光学設計された光学部材を備え、操作部材を増設する目的で装着される中間アクセサリがある。また、フランジバックの短いマウントの交換レンズとカメラ本体との間に装着することでカメラ本体に適したフランジバック長に変化させるマウントコンバータなども挙げられる。
動作状態情報は、中間アクセサリ3000、4000が正常に動作しているかセーフモードで動作しているかが識別できる情報であり、言い換えると、ファームウェアの更新が中断された状態である(セーフモードで動作)か、否か(正常動作)が識別できる情報である。
第2通信にて中間アクセサリの認証情報を取得するサブプロセスS30400の流れについては図15を用いて後述する。S30300およびS30400は、別の通信経路を使用するため、処理を並行して行ってもよいし、順次行ってもよい。
S30300およびS30400により交換レンズの認証情報、装着されているアクセサリの認証情報を取得すると、S305に遷移する。
S30500に遷移すると、カメラ制御部20500は、S30400にて取得した補正処理要否情報を元に、交換レンズの光学情報の補正が必要な中間アクセサリがあるかを判断する。補正処理要否情報が「要」の中間アクセサリ(補正に関わる中間アクセサリ、とも称する)が装着されていた場合には、S30600に遷移する。
S30600に遷移すると、カメラ制御部20500は、交換レンズおよびS30500で補正処理要否情報が「要」であった中間アクセサリのうち、カメラ制御部20500が光学情報を保有していないアクセサリがあるか否かを判断する。なお、交換レンズおよびS30500で補正処理要否情報が「要」であった中間アクセサリを、補正に関わるアクセサリ、とも称する。カメラ制御部20500は補正に関わるアクセサリのうち、カメラ制御部20500が光学情報を保有していないアクセサリがある場合は、カメラ制御部20500では交換レンズの光学情報の補正処理が行うことができない。この場合、補正処理の依頼先を探すため、S30700に遷移する。
S30700に遷移すると、カメラ制御部20500は、補正に関わるアクセサリのうち、他の全アクセサリの光学情報を保持するアクセサリ(第1のアクセサリとも称する)を決定する。第1のアクセサリの決定方法としては、例えば、アクセサリから取得した識別情報により判断してもよいし、通信によってアクセサリに問い合わせてもよい。詳しくは図16を用いて後述する。
S30700により第1のアクセサリが確定すると、S30800に遷移する。
S30800に遷移すると、カメラ制御部205はS307により確定した第1のアクセサリに、その他の補正に関わるアクセサリの識別情報を送信するとともに、交換レンズ1000の光学情報の補正処理を依頼する。本実施例では一例として、第1のアクセサリが交換レンズである場合には、第1通信にて通信を行う。第1のアクセサリが中間アクセサリである場合には、第2通信にて通信を行う。
S30800により補正依頼を受けた第1のアクセサリの制御部は、保持しているその他の補正に関わるアクセサリの光学情報を用いて、交換レンズ1000の光学情報の補正処理を行う。
S30900に遷移し、カメラ制御部20500は、第1のアクセサリにより補正された光学情報を取得する。
一方、S30600において、交換レンズおよびS30500で補正処理要否情報が「要」であった中間アクセサリのうち、カメラ制御部20500が光学情報を保有していないアクセサリがないとカメラ制御部20500が判断した場合は、S31000に遷移する。この場合、カメラ制御部20500は全アクセサリの光学情報を保持している。
S31000に遷移するとカメラ制御部20500は自身が保持している交換レンズの光学情報および中間アクセサリの光学情報を用いて、カメラ制御部20500が交換レンズの光学情報の補正を行う。
また、S30500において、交換レンズの光学情報の補正が必要な中間アクセサリがないとカメラ制御部20500が判断した場合には、中間アクセサリが装着されていない、または装着されている全中間アクセサリの補正処理要否情報が「否」である。したがって、交換レンズの光学情報を補正する必要はない場合の処理として、S31100に遷移する。
S31100に遷移すると、S30300で取得した交換レンズ認証情報に含まれる交換レンズ1000の識別情報により、カメラ本体2000が交換レンズ1000の光学情報を保持しているか否かを判断する。カメラ制御部20500が交換レンズの光学情報を保持していない場合、S31200に遷移する。
S31200に遷移すると、カメラ制御部20500は第1通信にて交換レンズ1000の光学情報をレンズ制御部11300より取得する。
一方で、S31100において交換レンズ1000の光学情報を保持していると判断された場合は、カメラ制御部20500はS31300にてカメラ内のデータテーブルより光学情報を取得する。
S30900、S31000、S31200、もしくはS31300により光学情報を取得したのちにS31400に遷移し、光学情報取得シーケンスは終了する。
光学情報取得後は、第1の通信経路はカメラ本体2000が交換レンズ1000を制御するための通信に使われ、第2の通信経路はカメラ本体2000が中間アクセサリ操作部材31000、中間アクセサリ操作部材41000の操作情報を定常的に取得するための通信に使われる。交換レンズの操作部材11600の操作情報を定常的に取得するための通信は、各通信経路の占有率や通信および制御に必要とされる即時性を考慮して、第1の通信経路、第2の通信経路のいずれを用いてもよい。
<カメラと交換レンズの第1通信による初期通信処理(図14)>
図14は、実施例5のカメラシステムにおいて、カメラ本体2000が交換レンズ1000と行う初期通信であるサブプロセスS30300の流れを示している。当該初期通信では、カメラ制御部20500がレンズ制御部11300から交換レンズ1000の認証情報を取得する。
S40100にてサブプロセスが開始されるとS40200に遷移する。
S40200に遷移すると、カメラ制御部20500はレンズ制御部11300に対して、第1通信にて交換レンズ認証情報送信要求(第1の送信要求に対応する)を送信する。
ここで、本実施例の交換レンズ認証情報要求について、図19(a)を用いて説明する。本実施例の交換レンズ認証情報要求は、交換レンズ1000がカメラ制御部20500に対して、認証情報である2つの情報を送信することを要求する情報である。認証情報要求には、交換レンズの識別情報要求と、動作状態情報要求とが含まれる。
S40300にて、レンズ制御部11300が交換レンズ認証情報送信要求を受信するとS40400に遷移する。そして、レンズ制御部11300は第1通信にて交換レンズ認証情報(第1の情報に対応する)をカメラ制御部20500に送信する。
ここで、交換レンズ1000がカメラ制御部20500に送信する認証情報について、図19(b)を用いて説明する。当該認証情報には、識別情報と、動作状態情報とが含まれる。
S40500にてカメラ制御部20500が交換レンズ認証情報を受信すると、S40600に遷移し、受信した交換レンズ認証情報を記憶する。
S40700を以て、サブプロセスS30300は終了する。
<カメラと中間アクセサリの第2通信による初期通信処理(図15)>
図15は、実施例5のカメラシステムにおいて、カメラ本体2000とアクセサリとが行う初期通信処理であるサブプロセスS30400の流れを説明する図である。当該初期通信では、カメラ制御部20500がアクセサリの認証情報を取得する。アクセサリの認証情報については後述する。
S50100にてサブプロセスが開始されるとS50200に遷移する。
S50200に遷移すると、カメラ制御部20500は中間アクセサリ制御部30900に対して、第2通信にてアクセサリの認証情報要求(第2の送信要求に対応する)を送信する。
ここで、本実施例のアクセサリの認証情報要求について、図19(c)を用いて説明する。アクセサリの認証情報要求は、アクセサリがカメラ制御部20500に対して、アクセサリ認証情報を送信することを要求する情報である。本実施例で、アクセサリ認証情報には、アクセサリの識別情報と、動作状態情報と、補正処理要否情報と、終端情報とが含まれる。
S50300にて中間アクセサリ制御部30900がアクセサリ認証情報要求を受信すると、S50600に遷移する。
S50600では、中間アクセサリ制御部30900は、第2通信にて中間アクセサリ3000の認証情報をカメラ制御部20500に送信する。
ここで、中間アクセサリがカメラ制御部20500に送信する認証情報について、図19(d)を用いて説明する。当該認証情報には、識別情報(第3の情報の一例である)と、動作状態情報と、補正処理要否情報と、終端情報とが含まれる。
補正処理要否情報は、当該中間アクセサリが光学特性を変化させるものであれば、「要」を示す情報である。光学特性を変化させるものでなければ、「否」を示す情報である。
本実施例で、終端情報とは、カメラ本体2000からみて第2通信の終端であるか否かを示す情報である。当該中間アダプタがカメラ本体2000からみて第2通信の終端であれば、終端情報は「終端である」ことを示す情報である。カメラ本体2000からみて第2通信の終端でなければ、終端情報は「終端ではない」ことを示す情報である。
第2通信のような一対多の通信においては、例えばアクセサリの識別情報を通信データの先頭に追加するなどして送信先を指定することができる。しかしながら、S50200の段階ではカメラ制御部20500はアクセサリの情報を一切有していないため、通信データによる送信先の指定ができない。
そこで、本サブプロセスにおいてカメラ本体2000が複数のアクセサリと順次通信していく手段の一例として、次のように第2通信接続スイッチ31100と第2通信接続スイッチ41100とを利用する方法が挙げられる。定常状態において第2通信接続スイッチ31100及び第2通信接続スイッチ41100は短絡しているとする。
S50100においてカメラ制御部20500が第2通信にて本サブプロセス開始情報を送信する。第2通信接続スイッチ31100及び第2通信接続スイッチ41100が短絡されているので、各アクセサリは本サブプロセス開始情報を受信する。本サブプロセス開始情報を受信した各中間アクセサリは、自身の第2通信接続スイッチを開放する。これにより、中間アクセサリ制御部30900だけがカメラ制御部20500と接続されている状態になり、カメラ制御部20500が送信するデータを受信することができる。受信したデータに対する処理が終了した中間アクセサリ制御部30900が第2通信接続スイッチ31100を短絡することで、中間アクセサリ制御部40900はカメラ制御部20500が送信するデータを受信することができる。第2通信接続スイッチを短絡した中間アクセサリ3000は、本サブプロセスが終了するS52200においてカメラ制御部20500が送信する本サブプロセス終了情報を受信するまで、カメラ制御部20500の送信情報に応答しない。
尚、本実施例では、中間アクセサリ3000がセーフモードで動作している場合であっても、カメラ本体2000及び中間アクセサリ3000は本サブプロセスを終了せず、中間アクセサリ3000を介して接続されているアクセサリとの初期通信を行う。しかしながら、セーフモードで動作しているアクセサリが装着されている場合は、そのアクセサリを介して装着されているアクセサリとの初期通信を行わなくてもよい。例えば、中間アクセサリ3000の動作状態がセーフモードであったとき、受信したデータに対する処理が終了しても中間アクセサリ制御部30900が第2通信接続スイッチ31100を短絡させない。そして、カメラ制御部20500に終端情報を「終端である」として認証情報を送信することで、直ちに本サブプロセスを終了させてもよい。
中間アクセサリ4000も同様の挙動を取ることで、カメラ制御部20500は複数のアクセサリと順次通信していくことが可能となる。
S50400およびS50500において、第2通信接続スイッチ31100が開放されているため、中間アクセサリ4000およびレンズ制御部11300はS50200においてカメラ制御部20500から送信された情報送信要求を受信しない。
S50600において、中間アクセサリ制御部30900は、第2通信にて中間アクセサリ3000の認証情報をカメラ制御部20500に送信する。そして、第2通信接続スイッチ31100を短絡させる。これにより、中間アクセサリ制御部40900は、カメラ制御部20500が送信するデータを受信することができる。
S50700にてカメラ制御部20500が中間アクセサリ3000の認証情報を受信すると、S50800に遷移する。そして、受信した認証情報を記憶する。
以上、S50200~S50800により中間アクセサリ3000の認証情報を取得すると、S50900に遷移する。S50900、S51100、S51300~S51500ではS50200、S50300、S50600~S50800と同様に、カメラ制御部20500は中間アクセサリ4000の認証情報を取得する。
S51000では、中間アクセサリ制御部30900は、カメラ制御部20500が送信した認証情報要求を受信するが、本サブプロセス終了情報を受信していないため、応答しない。
S51200では、S50400およびS50500と同様に、第2通信接続スイッチ41100が開放されているため、レンズ制御部11300は、S50900においてカメラ制御部20500から送信された情報送信要求を受信しない。
実施例5は交換レンズ1つと中間アクセサリ2つの計3つのアクセサリを接続した例であるが、中間アクセサリは1つだけしか接続しなくてもよいし、3つ以上接続してもよい。中間アクセサリをいくつ装着してもよいため、アクセサリの情報取得処理はアクセサリの終端情報を取得することにより終了することが好ましい。
アクセサリの終端情報は、別の方法によって取得しても良い。例えば、S50200およびS50900と同様に、中間アクセサリが装着されていることを想定してカメラ制御部20500が認証情報要求を送信した際に、レンズ第2通信部11500から返される終端情報により交換レンズであることを通知されてもよい。また、中間アクセサリ4000が、不図示の端子の接続状態などにより自身が終端であることを検知してS51300にてカメラ本体2000に通知してもよい。本実施例では、カメラ制御部20500からの認証情報要求へレンズ制御部11300が終端情報を含む認証情報を返答することにより、終端情報が通知される場合について記述する。
S51600においてS50200およびS50900と同様にカメラ本体20が第2通信にて認証情報要求(第2の送信要求に対応する)を送信する。S51700およびS51800では、中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000は、S51000と同様に、本サブプロセス終了情報を受信していないため、応答しない。
S51900においてレンズ制御部11300が認証情報要求を受信すると、S52000に遷移し、第2通信にて認証情報をカメラ制御部20500に送信する。
ここで、レンズ制御部113がカメラ制御部20500に送信する認証情報について、図19(e)を用いて説明する。当該認証情報には、識別情報(第2の情報の一例である)と、動作状態情報と、補正処理要否情報と、終端情報とが含まれる。
交換レンズ1000は中間アクセサリではないため、その装着によって交換レンズ1000の光学情報の補正は必要とならない。したがって、補正処理要否情報は、補正処理が不要であることを示す情報である。
また、本実施例の交換レンズ1000はカメラ本体2000からみて第2通信の終端であるため、終端情報は、交換レンズ1000が第2通信の終端であることを示す情報である。
S52100によりカメラ制御部20500が認証情報を取得すると、S52200に遷移し、一連の初期通信処理が終了する。
なお、通信処理の短縮のため、本実施例のように補正処理要否情報を取得するのが好ましいが、補正情報要否情報をやり取りしない場合には、全ての中間アクセサリにおいて補正処理が必要であると判断する。
S52200を以て、サブプロセスS30400は終了する。
本実施例では、本実施例では、第2通信接続スイッチを利用して、複数のアクセサリと順次通信していく手段を用いた処理について説明した。ただし、複数のアクセサリと通信することができれば別の手段であっても良い。例えば、アクセサリが自身に接続されている不図示の端子の電圧レベルを検知することで、カメラ本体側から何番目に装着されているかを把握することもできる。その場合、カメラから送信される情報送信要求の回数をカウントして自身の装着順と一致した時だけ情報をカメラ本体に送信する。
<第1のアクセサリを決定するサブプロセスS30700(図16)>
実施例5において、通信によりカメラ本体2000が補正に関わるアクセサリのうち第1のアクセサリを探索するサブプロセスS30700の流れについて図16を用いて説明する。
図16は、実施例5のカメラシステムにおいて、カメラ制御部20500が光学補正に関わるアクセサリのうち第1のアクセサリを決定するサブプロセスS30700の流れを示している。ここで、カメラ制御部20500は交換レンズ1000、中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000の光学情報を保持していないものとする。また、中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000の補正処理要否情報はどちらも「要」であるとする。
S60100にてサブプロセスが開始されるとS60200に遷移する。
S60200に遷移すると、カメラ制御部20500は中間アクセサリ制御部30900に対して、第2通信にて中間アクセサリ40の00識別情報および光学情報有無返答要求を送信し、中間アクセサリ4000の光学情報を保持しているか問い合わせる。送信先の指定方法は、例えば送信データに中間アクセサリの識別情報を通信データの先頭に追加し、アクセサリが通信データの先頭の値を参照することで、自身宛の通信か否かを判断すればよい。
S60300において中間アクセサリ制御部30900が中間アクセサリ4000の識別情報および光学情報有無返答要求を受信すると、S60400に遷移する。
S60400では、中間アクセサリ4000の光学情報を保持しているか否かを第2通信にて中間アクセサリ制御部30900がカメラ制御部20500に送信する。
S60500にてカメラ制御部20500が中間アクセサリ4000の光学情報の有無を中間アクセサリ3000から受信すると、S60600に遷移する。
S60600では、他の中間アクセサリの光学情報を有している中間アクセサリ(第1の中間アクセサリとも称する)をカメラ制御部20500が判断する。
中間アクセサリ制御部30900が中間アクセサリ4000の光学情報を保持している場合、S60700に遷移し、中間アクセサリ3000が第1の中間アクセサリであるとカメラ制御部20500が判断する。
中間アクセサリ制御部30900が中間アクセサリ4000の光学情報を保持していない場合、S60800に遷移し、中間アクセサリ4000が第1の中間アクセサリであり、中間アクセサリ3000の光学情報を保持しているとカメラ制御部20500が判断する。
中間アクセサリが3つ以上装着された場合であっても、同様に第1の中間アクセサリを決定することが可能である。例えば、アクセサリが3つ装着された場合は、そのうちの2つのアクセサリとの間で、S60200~S60500同様の処理を行う。第1の中間アクセサリが判明すると、S60900に遷移する。
S60900に遷移すると、カメラ制御部20500はレンズ制御部11300に対して、第1通信にてS60700またはS60800で決定した第1の中間アクセサリの識別情報および光学情報(第4の情報)の有無返答要求(第3の指示情報)を送信する。言い換えると、第1の中間アクセサリの光学情報を保持しているか問い合わせる。
S61000においてレンズ制御部11300が第1の中間アクセサリの識別情報および光学情報有無返答要求を受信すると、S61100に遷移し、第1の中間アクセサリの光学情報を保持しているか否かを第1通信にてカメラ制御部20500に送信する。
S61200にてカメラ制御部20500が第1の中間アクセサリの光学情報の有無を交換レンズ1000から受信すると、S61300に遷移し、レンズ制御部11300が第1の中間アクセサリの光学情報を保持しているか否かを判断する。これにより、第1のアクセサリを判断する。
レンズ制御部11300が第1の中間アクセサリの光学情報を保持しているとカメラ制御部20500が判断した場合、S61400に遷移する。S61400では、交換レンズ1000が第1のアクセサリであり、中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000の光学情報を保持していると判断される。レンズ制御部11300が第1の中間アクセサリの光学情報を保持していないとカメラ制御部20500が判断した場合、S61500に遷移する。
S61500では、カメラ制御部20500は、第1の中間アクセサリが第1のアクセサリであると判断する。
S61400またはS61500により第1のアクセサリが確定すると、S61600に遷移し、カメラ制御部20500は第1のアクセサリの識別情報及びアクセサリ種を記憶する。第1のアクセサリが記憶されると、S61700に遷移し、サブプロセスS30700は終了する。
<実施例5の効果>
以上説明したように、実施例5では、カメラと交換レンズが通信可能な第1の通信経路と、カメラとアクセサリが通信可能な第2の通信経路を独立して有する。そして、それぞれの通信経路を用いた通信により取得した各ユニットの識別情報及び中間アクセサリ補正処理要否情報に基づいて、交換レンズの光学情報を補正するユニットを決定する。これにより、交換レンズの光学情報を適切に補正しつつ、撮像装置、交換レンズ及び中間アクセサリの各ユニット間で、より意図したタイミングで通信を行うことができる。
実施例5では、交換レンズを装着した直後の起動シーケンスにおいて交換レンズの光学情報を中間アクセサリの光学情報に基づいて補正する方法について説明した。実施例6では、アクセサリに備え付けられた操作部材を操作することによりアクセサリの光学系が動的に変化する場合に、交換レンズの光学情報を補正する方法について説明する。
中間アクセサリに備え付けられた操作部材が操作されることによりアクセサリの光学系が動的に変化する例としては、倍率が可変である変倍レンズや、透過率が可変のNDフィルタなどが挙げられる。
実施例6では、交換レンズを装着して現在の光学系が確定した際に、実施例5で説明した処理が実行される。これにより、カメラ制御部20500は、交換レンズ1000、カメラ本体2000、中間アクセサリ3000および中間アクセサリ4000のうち、全アクセサリの光学情報を保持しているユニットを把握しているものとする。
また、実施例5のような操作により取得したアクセサリの識別情報により、カメラ制御部20500は動的に光学系が変化しうるアクセサリを認識しているものとする。
以下、光学情報が動的に変化する、補正処理要否情報が「要」のアクセサリを動的アクセサリと表現する。光学情報が動的に変化しない、補正処理要否情報が「否」の中間アクセサリを、静的中間アクセサリと称する。また、光学情報が動的に変化する交換レンズを動的レンズ、光学情報が動的に変化しない交換レンズを静的レンズと称する。
なお、本実施例では中間アクセサリ3000と中間アクセサリ4000とがカメラ本体2000と交換レンズ1000との間に装着されている例を説明するが、いずれか一方の中間アクセサリのみが装着されている場合であっても本実施例は適用可能である。
<動的アクセサリの探索処理(図17)>
図17に、実施例5と本実施例の関係を示す。S70100においてカメラシステムが起動すると、S70200に遷移する。
S70200では、カメラ制御部20500が、図13で説明した処理を実行する。すなわち、例えば初期通信、第1のユニットを決定、交換レンズの光学情報の補正を実行する。当該初期通信において、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、及び4000から、光学系が動的に変化するか否かに対応する情報(動的アクセサリ情報、とも称する)を取得しておく。例えば、光学系が動的に変化するか否かの情報を、図14のS40200や図15のS50200、S50900で識別情報を取得するタイミングでカメラ制御部20500がアクセサリに送信要求を送信し、当該送信要求に応じてアクセサリは動的アクセサリ情報を送信する。認証情報が動的アクセサリ情報に含まれるようにし、カメラ制御部20500がアクセサリに送信した認証情報の送信要求への応答として、動体アクセサリ情報を含む認証情報を取得するようにしても良い。なお、動的アクセサリ情報を別途取得せず、S70200で取得したアクセサリの識別情報から、動的アクセサリであるか否かをカメラ制御部20500が判断してもよい。この場合は、カメラ制御部20500のメモリ(不図示)がアクセサリの識別情報と光学系が動的に変化するか否かの対応関係を示す情報(テーブル等)を有するよう構成しても良い。これにより、アクセサリの識別情報に基づいて動的アクセサリであるか否かをカメラ制御部20500が判断することが可能である。
サブプロセスS70200が終了すると、S70300に遷移する。
S70300では、カメラ制御部20500は、前述の動的アクセサリ情報に基づいて、動的アクセサリが装着されているか否かを判定する。より具体的には、動的アクセサリ情報として光学系が動的に変化することを示す情報をいずれかのアクセサリから取得した場合には、動的アクセサリが装着されているとカメラ制御部20500は判断する。また、動的アクセサリ情報として光学系が動的に変化することを示す情報を取得しなかった場合には、動的アクセサリが装着されていないとカメラ制御部20500は判断する。動的アクセサリが装着されていればS70400に遷移する。
S704で00は、カメラ制御部20500は、動的アクセサリの光学情報の変化に基づいて交換レンズの光学情報を補正するサブプロセスを実行する。動的アクセサリが装着されていない場合や動的アクセサリが操作されない場合は、交換レンズの光学情報を補正する必要はないので、S70500に遷移し、交換レンズの光学補正処理は終了する。
<動的アクセサリの操作に応じた光学情報の補正処理(図18)>
以下、図18を用いて、本発明の実施例6である動的アクセサリの操作に応じた光学情報の変化に基づいて交換レンズの光学情報を補正するサブプロセスS70400を説明する。
図18に示すサブプロセスにおいては、中間アクセサリ3000が動的アクセサリ、交換レンズ1000が第1のユニットかつ静的レンズであり、中間アクセサリ4000は静的中間アクセサリであるものとする。すなわち、図17のS70200においてカメラ制御部20500およびレンズ制御部11300がそのように認識したものとする。
S80100にてシーケンスが開始すると、S80200に遷移する。
S80200において、カメラ制御部20500は光学データ識別情報送信要求を第2通信にて動的アクセサリである中間アクセサリ3000の中間アクセサリ制御部30900に送信する。
S80300にて中間アクセサリ制御部30900が光学データ識別情報送信要求を受信すると、S80400に遷移し、第2通信にてカメラ制御部20500に光学データ識別情報を送信する。
なお、動的アクセサリの光学データ識別情報は、交換レンズ1000の光学情報の補正のパラメータに関する情報であり、本実施例では例えば現在の光学情報であるとする。例えば、中間アクセサリが変倍レンズを有する場合は、現在の倍率の情報である。また、例えば、中間アクセサリがNDフィルタを有する場合は、現在の光路長を補正するための情報である。なお、光学データ識別情報は、第1のユニットが動的アクセサリの光学的な状態を認識できるものであれば、他の情報であってもよい。その他、種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバー(ID)等の情報に複数とりうる状態の情報を付与したものであってもよいし、動的に変化する光学データを示す光学データ識別情報であってもよい。また、アクセサリが有する機能を示す情報や同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)等の情報を含んでいてもよい。
S80500においてカメラ制御部20500が光学データ識別情報を受信すると、S80600に遷移する。
S80600では、カメラ制御部20500は、当該光学データ識別情報に基づいて中間アクセサリ3000の光学情報が変化したかを判断する。例えば、S70200の初期通信で受信した中間アクセサリ3000の光学情報と、S80500において受信した光学データ識別情報とを比較する。光学情報が変化していない場合は、S80200に戻り、カメラ制御部20500が所定時間経過後に光学データ識別情報送信要求を再送信する。
S80600において中間アクセサリ3000の光学情報が変化したとカメラ制御部20500が判断した場合は、S80700に遷移し、光学レンズの光学情報の補正を行うための処理に移行する。
なお、動的アクセサリの光学情報の変化をカメラ制御部20500が認識する手段としては、S80200、80300、80400、80500、S80600のように、ポーリングにより一定周期で動的アクセサリと通信を行うことで光学情報の変化の有無を受信してもよい。
また、動的アクセサリの光学情報が変化した際に動的アクセサリから割り込み信号を受信してもよい。例えば、動的アクセサリである中間アクセサリ3000が、当該中間アクセサリ3000の光学情報を変化させる操作部材を有するとする。この場合に、当該操作部材が操作されたことを検出して、後述の中間アクセサリ制御部30900からカメラ制御部20500に割り込み信号を送信するようにしても良い。また、カメラ制御部20500が中間アクセサリ制御部309から割り込み信号を受信し、S80600で光学データ識別情報が変化したと判断してから、前述のS80200、S80300、S80400、S80500を実行するようにしても良い。
また、S80200、S80300、S80400、S80500、のように変化が反映された光学データ識別情報をやり取りしてもよい。また、光学データ識別情報の変化のみをカメラ制御部20500に通知して、カメラ制御部20500が現在の光学データ識別情報を算出し、やり取りを開始してもよい。
S80700に遷移すると、カメラ制御部20500は、第1通信により中間アクセサリ3000の光学データ識別情報と交換レンズ1000の光学情報の補正依頼(光学補正依頼とも称する)とを第1のユニットである交換レンズの1000のレンズ制御部11300に送信する。
S80800において、レンズ制御部11300は、中間アクセサリ3000の光学データ識別情報と光学補正依頼を受信すると、S80900に遷移する。
S80900では、レンズ制御部11300は、中間アクセサリ3000の光学データ識別情報により現在の中間アクセサリ3000の光学情報をレンズ制御部11300内のテーブルより取得し、S80900に遷移する。
S81000では、サブプロセスS70200において取得していた静的中間アクセサリである中間アクセサリ4000の光学情報と中間アクセサリ3000の光学情報に基づき、交換レンズ1000の光学情報を補正する。
補正が完了すると、S81100において、レンズ制御部11300は補正した交換レンズ1000の光学情報をカメラ制御部20500に第1通信にて送信する。
S81200においてカメラ制御部20500が補正した交換レンズの光学情報を受信すると、S81300に遷移し、光学情報をカメラ制御部20500に記憶する。
S81300が終了すると、S80200に戻り、再び動的アクセサリの光学情報の変化を監視する。
本実施例では中間アクセサリのうち一つが動的アクセサリであり、光学レンズ1000が第1のユニットである場合について記述した。その他、動的アクセサリが複数あった場合や第1のユニットが交換レンズ以外のユニットであった場合であっても、同様に補正処理を行うことができる。
また、第1のユニットのみが動的アクセサリであった場合、第1のユニットがそのことを認識していれば、自身の光学情報が変化したことを認識した段階で光学補正を行い、光学補正後の交換レンズ1000の光学データをカメラ本体2000に送信してもよい。
交換レンズ1000の光学情報の補正処理は、S80500で取得した動的アクセサリの光学情報のみではなく、S81000の中間アクセサリ4000の光学情報のように、静的中間アクセサリの光学情報も考慮して行われる。静的中間アクセサリが装着されている場合、静的中間アクセサリの光学情報により予め補正しておいて、光学情報が動的に変化した場合に動的アクセサリの光学情報により最終的な補正処理を行ってもよい。
<実施例6の効果>
以上説明したように、実施例6では、中間アクセサリ3000の光学情報の変化をカメラ制御部20500が検出する。そしてカメラ本体2000が光学情報の変化に関する情報と交換レンズ1000の光学情報の補正依頼とをレンズ制御部11300に送信する。そして、レンズ制御部11300が交換レンズ1000の光学情報を補正し、カメラ制御部20500に送信する。
これにより、アクセサリの光学情報が動的に変化する場合であっても、交換レンズの光学情報を適切に補正することができる。
本実施例では、中間アクセサリ識別情報としてアクセサリ固有の光学データを示す光学データ識別情報を用いる場合に着目して説明する。
中間アクセサリ識別情報が機種ナンバー(ID)など製品固有の情報は、新製品のアクセサリが既知のアクセサリと同様の光学系を持つ場合、もしくは既知のアクセサリと同様の補正方法で補正可能なアクセサリであっても、新たな機種ナンバーが割り振られる。そのため、交換レンズの光学情報の補正の要否を機種ナンバー(ID)などで判断した場合には、その機種ナンバー(ID)が未知の場合は、そのアクセサリの光学特性を考慮してレンズの光学情報を補正することができなかった。
そこで、本実施例では、中間アクセサリ識別情報として光学データ識別情報を用いる。本実施例では、中間アクセサリ識別情報が補正方法に紐づけられている。より具体的には、補正の方法に関する情報と補正のパラメータに関する情報とを組み合わせたものを光学データ識別情報とする。このような光学データ識別情報を以下、補正識別情報と呼ぶ。本実施例の補正の方法に関する情報は、中間アクセサリの光学部材に対応する情報であり、補正のパラメータに関する情報は、当該光学部材の光学特性による中間アクセサリの光学情報に対応する情報である。中間アクセサリが変倍レンズを有する変倍アダプタである場合を例に挙げると、補正の方法に関する情報は変倍レンズを示す情報であり、補正のパラメータに関する情報は変倍レンズの倍率情報である。
レンズ制御部11300は、補正の方法に関する情報と補正パラメータに関する情報とを紐づけて記憶するように構成しても良い。光学情報の補正に他の情報が必要であれば、その情報も補正の方法に関する情報と補正パラメータに関する情報とに紐づけて記憶するようにしても良い。
このように、補正の方法に関する情報と補正のパラメータに関する情報とを、カメラ制御部20500を介してレンズ制御部11300に送信する。これにより、新たに補正のパラメータに関する情報が異なる中間アクセサリを考慮した補正が必要になっても、補正パラメータである倍率情報を設定しなおすことで、既存のユニット(本実施例では交換レンズ1000)による補正が可能となる。
このように、光学データ識別情報を用いることで、そのアクセサリの光学特性を考慮して交換レンズの光学情報を補正することができる。例えば、既存の製品と同様の光学系を持つ場合、もしくは既存の製品と同様の方法で補正可能なアクセサリであった場合に、その機種ナンバー(ID)が未知であっても、交換レンズの光学情報を補正することができる。
なお、補正識別情報を用いる場合、補正アルゴリズムを各ユニットで記憶することは効率的ではないので、補正を実施するユニットを予め決定する方が好ましい。本実施例では、補正を実施するユニットが交換レンズと予め決定されている場合を説明する。また、補正識別情報を用いた場合の交換レンズの補正方法について説明する。実施例5および6のように第1のユニットで補正を行う場合においても同様に補正識別情報を用いることができる。
<実施例7における、補正された光学情報の取得処理(図20)>
図20は、各アクセサリを装着して初めて電源を供給した際に、カメラ本体2000が各アクセサリから補正情報を取得し、それを交換レンズ1000に送信して補正を依頼し、補正された交換レンズ1000の光学情報を取得する処理の流れを示している。
S100100にてカメラ本体2000が起動すると、S100200に遷移する。
S100200に遷移すると、カメラ本体2000は、不図示の電源供給用マウント接点を介して、交換レンズ1000、中間アクセサリ3000、中間アクセサリ4000に電源が供給し、S100300へ遷移する。
第2通信によるアクセサリとの初期通信処理であるサブプロセスS100300は、実施例5中のサブプロセスS30400とほぼ同様である。S100300では中間アクセサリの識別情報として前述の補正識別情報を取得する。
S100300によりアクセサリの補正認証情報を取得すると、S100400に遷移する。
S100400に遷移すると、カメラ制御部20500は、S100300にて取得した中間アクセサリ補正識別情報を交換レンズ1000へ送信し、光学情報の補正を依頼する。交換レンズが中間アクセサリの補正識別情報を取得するとS100500へ遷移する。
S100500に遷移すると、交換レンズ制御部11300は中間アクセサリ補正識別情報による自身の光学情報の補正が必要かを判断する。光学情報の補正が必要な中間アクセサリが装着されていた場合には、S100600に遷移する。
S100600に遷移すると、交換レンズ制御部11300は中間アクセサリ補正識別情報による自身の光学情報を補正し、補正された光学情報をカメラへ送信する。
また、S100500において、中間アクセサリが装着されていない、または装着されている全中間アクセサリが交換レンズの光学情報の補正が不要な中間アクセサリであった場合には、補正処理の必要がないため、S100700に遷移する。
S100700では、交換レンズ制御部11300は、自身の光学情報をカメラへ送信する。
S100600およびS100700における光学情報の送信タイミングは補正完了直後でもよいし、カメラから依頼されたタイミングでもよい。
S100600、もしくはS100700により光学情報を取得したのちにS100800に遷移し、光学情報取得シーケンスは終了する。
このようにして、カメラと交換レンズが通信可能な第1の通信経路とカメラと中間アクセサリが通信可能な第2の通信経路を独立して持つカメラシステムにおいて、中間アクセサリの光学情報に基づいて交換レンズの光学情報を適切に補正できる。
また、実施例5で、アクセサリの認証情報にアクセサリの識別情報と補正処理要否情報とが含まれている例を示した。これに対して、アクセサリの認証情報に補正処理要否情報のみを持たせ、補正処理要否情報が補正「要」を示している場合に、補正処理要否情報を別途取得するようにしても良い。これにより、補正処理要否情報の要否によらず補正識別情報を取得した場合と比較して、補正処理要否情報が補正「否」を示している場合の通信量を減らすことが可能である。この場合、前述の実施例同様、中間アクセサリ識別情報と補正処理要否情報とをともに取得する。すなわち、補正処理要否情報が補正「要」であり補正識別情報を別途取得した場合には、アクセサリを識別する情報として中間アクセサリ識別情報と補正識別情報の両方を取得する。これにより、補正処理要否情報が補正「否」を示している場合の通信量を減らすとともに、補正処理要否情報が補正「要」であるか「否」であるかによらず、中間アクセサリ識別情報は別の用途に用いることが可能である。
また、補正識別情報の含まれる補正の方法に関する情報に基づいて、当該補正の方法に関する情報に対応する情報をレンズ制御部11300が記憶していないと判断した場合には、交換レンズ1000の光学情報補正を行わないように制御しても良い。
<実施例7の効果>
以上で述べたように、補正の方法に関する情報と補正のパラメータに関する情報とをカメラ制御部20500が中間アクセサリ制御部30900から取得し、これらの情報をレンズ制御部11300に送信する。これにより、レンズ制御部11300は、新たなアクセサリであっても補正の方法が既知であれば、当該アクセサリを考慮した光学情報の補正が可能である。
上述の実施例では、カメラ本体2000が、交換レンズ1000と第1通信で行う初期通信において、交換レンズ1000の認証情報として交換レンズ1000の識別情報(第1のレンズ識別情報とも称する)を取得することを説明した。また、カメラ本体2000が、アクセサリと第2通信で行う初期通信において、交換レンズ1000の認証情報として交換レンズ1000の識別情報(第2のレンズ識別情報とも称する)を取得することを説明した。本実施例では、第1のレンズ識別情報と第2のレンズ識別情報との関係に着目した実施例を説明する。
前述のとおり、交換レンズ1000及びアクセサリの識別情報は、該当するユニットの種類(機種)の識別に用いられる機種ナンバー(ID)等の情報であっても良い。また、交換レンズが有する機能を示す情報や同一機種の中での個体を識別可能な製造ナンバー(シリアルナンバー)等の情報を含んでいてもよい。
ここで、本実施例のカメラシステムにおいて、交換レンズ1000はカメラ本体2000と、第1通信と第2通信との両方によって通信可能であり、実施例5で説明したように、第1通信と第2通信の両方によってカメラ本体2000と初期通信を行う。交換レンズ1000は、第1通信と第2通信のいずれの初期通信においても、カメラ本体2000に交換レンズ1000の識別情報(前述の第1のレンズ識別情報と第2のレンズ識別情報)を送信する。
このときレンズ制御部11300は、第1のレンズ識別情報と第2のレンズ識別情報として同一の情報を送っても構わないが、本実施例ではあえて第2のレンズ識別情報として第1のレンズ識別情報とは異なる情報をカメラ制御部20500へ送信する。これにより、レンズ制御部11300が第2通信によりカメラ制御部20500へ送信する第2のレンズ識別情報の有効活用を図るものである。
本実施例の第1のレンズ識別情報と第2のレンズ識別情報についてより具体的に説明する。第1のレンズ識別情報は、交換レンズ1000の種類(機種)を識別することを可能にする情報であって、一例として機種ナンバー(ID)であるものとする。
これに対し第2のレンズ識別情報は、第1のレンズ識別情報とは異なる情報であり、一例として、交換レンズ1000がレンズであることを示す情報であるものとする。この場合、第2のレンズ識別情報は、あくまで交換レンズ1000がレンズであることを示す情報であって、交換レンズ10の種類(機種)には対応していない情報である。このことから、例えば、第2のレンズ識別情報を交換レンズ1000の種類(機種)によらない一意の情報とすることができる。
このように、本実施例では、レンズ制御部11300が、カメラ本体2000と交換レンズ1000との一対一の通信である第1通信の初期通信で送信する第1の識別情報を、カメラ本体2000と各アクセサリとの一対多の通信を想定した第2通信では送信しない。第2通信では第2の識別情報として、レンズであることを示す情報、言い換えると中間アクセサリではないことを示す情報をカメラ制御部10500に送信する。
本実施例において第1のレンズ識別情報と第2のレンズ識別情報とを上述のように使い分けることによって、例えば以下に説明する効果を実現することが可能である。
例えば、第1通信でカメラ制御部20500がレンズ制御部11300から取得する識別情報を交換レンズのための体系とし、第2通信でカメラ制御部20500が各アクセサリの制御部から取得する識別情報を中間アクセサリのための体系として扱うことが可能である。これにより、将来登場し得る中間アクセサリに対して拡張性を持たせたカメラシステムとすることが可能である。
また、例えば、中間アクセサリ接続数を把握するために用いることもできる。カメラ制御部10500に対して第2の識別情報以外の識別情報を送信するアクセサリは交換レンズ1000ではないことから、中間アクセサリであると判断することが可能であるためである。
中間アクセサリの接続数を把握した場合には、例えば所定数以上の中間アクセサリが装着されている場合は、ユーザへの警告動作を行ってもよいし、いずれかの中間アクセサリの機能を制限してもよい。これにより、消費電力を削減したり、通信品質を保つことが可能ある。ファームアップなど大量のデータを中間アクセサリに送信する場合は、中間アクセサリが1つだけ接続されていると判別した場合に限って中間アクセサリのファームアップモードへ遷移することを許可するなどしてもよい。
また、交換レンズ1000が中間アクセサリではなくレンズであると判別されることで、第2通信の初期通信においてレンズ制御部11300からカメラ制御部10500へと送信すべき情報を削減することも可能である。例えば補正処理要否情報をレンズ制御部11300からカメラ制御部10500へ応答しないようにしても良い。中間アクセサリではない交換レンズ1000の装着によって、交換レンズ1000の光学情報の補正は必要とならないためである。
また、例えば、以下に末端のアクセサリが交換レンズであるか中間アクセサリであるかを電気的に判別し、その判別結果を第2の識別情報と照らし合わせるために用いても良い。以下に、より詳しく説明する。述べるようにハード処理との整合性を確認することによって通信エラーを判定することもできる。
本実施例では、実施例5から実施例7での交換レンズもしくは中間アクセサリとの初期通信において、末端のアクセサリが交換レンズであるか中間アクセサリであるかを電気的に判別する方法について一例を説明する。さらに、その判別結果が第2通信により取得した識別情報により判断される第2通信の末端にあたるアクセサリとの不整合があった場合のエラー処理について説明する。
<実施例8におけるカメラシステムの構成(図23、図24)>
以下に、末端のアクセサリが交換レンズであるか中間アクセサリであるかを電気的に判別する方法について一例を説明する。なお、当該判別は、第2通信の初期通信においてなされるものとする。
まずは、第2通信の末端に交換レンズ1000が装着されている場合の構成について説明する。図23に示すようにカメラ本体2000のマウント20100は識別端子21200を含む。また、中間アクセサリ3000のマウント30200は識別端子31300を、マウント30200は識別田因子31300を含む。また、中間アクセサリ4000のマウント40200は識別端子41300を、マウント40100は識別端子41200を含む。また、交換レンズ1000のマウント10100は識別端子を含む。これらの識別端子を介して接続されるライン(識別ラインとも称する)は、交換レンズ1000に設けた抵抗器11800に接続されている。また、このラインはカメラ本体2000内に設けられた抵抗器21300を通してプルアップ接続されている。プルアップ電源の電圧レベルを抵抗器11800と抵抗器21300の各抵抗値で分圧した値がカメラ制御部20500に入力される。
次に、第2通信の末端が中間アクセサリ4000である場合の構成について説明する。図24に示すように、第2通信の末端が交換レンズである場合と同様に、識別端子21200,31300,31200,41300を介した識別ラインが、中間アクセサリ4000に設けた抵抗器41400に接続されている。カメラ制御部20500への入力は、カメラ本体2000のプルアップ電源の電圧レベルを抵抗器41400と抵抗器21300の各抵抗値で分圧した値となる。
<実施例8における、第2通信エラー判別方法(図25)>
ここで、交換レンズ1000に用いる抵抗器の抵抗値と末端となる中間アクセサリに用いる抵抗器の抵抗値をあらかじめ異なる値となるように規定しておく。これにより、識別端子を介した入力信号のレベルから、末端のアクセサリが交換レンズか否かを電気的に判別することが可能となる。
電気的に判別した末端のアクセサリが交換レンズ1000であった場合、第2通信による初期通信で取得した末端のアクセサリの識別情報として第2の識別情報が得られるはずである。一方で、電気的に判別した末端のアクセサリが中間アクセサリであった場合、第2通信による初期通信で取得した末端のアクセサリの識別情報は第2の識別情報とは異なる情報であるはずであり、具体的には中間アクセサリ識別情報のはずである。
しかしながら、第2通信に何らかの問題が生じている場合には、上述の対応関係に齟齬が生じてしまう場合がある。そこで、電気的に判別した末端アクセサリと第2通信により取得した識別情報に不整合がある場合は、通信エラーが発生したと判断し、初期通信からリトライを行うことで、より正確に通信を行うことができる。
このように、電気的な識別情報と第2通信により取得した識別情報を照合することによって第2通信で正しく通信できているかを確認することができる。取得した識別情報が正しいかを判別できる。これにより、第2通信の通信エラーを検出することが可能となる。
<実施例8の効果>
以上説明したように、本実施例では、第2のレンズ識別情報を、交換レンズ1000の種類(機種)に対応する第1のレンズ識別情報とは異なる情報であってレンズであることを示す情報とする。これにより、例えば、第2通信によって通信を行うアクセサリの識別性能をより向上させることが可能である。
<その他の実施例>
なお、上述の実施例では、第1のアクセサリは補正に関わるアクセサリのうち、他の全アクセサリの光学情報を保持するアクセサリであるとして説明した。しかし、補正に関わるアクセサリのうち互いの光学情報を最も多く有しているアクセサリであっても良い。つまり、光学情報を有していないアクセサリがあっても良い。その場合、この場合、不足している光学情報を他のユニットから取得するようにしても良い。
また、上述の実施例の初期通信において、レンズ制御部11300は、S40400とS52000において交換レンズ1000の識別情報を送信している。ここで、例えば、S52000にて送信する識別情報は、中間アクセサリではないことを示す識別情報としても良い。
また、上述の実施例の図15の初期通信において、各アクセサリはカメラ制御部20500に認証情報として複数の情報を送信しているが、必要な情報のみを送信するようにしても良い。この場合、カメラは当該必要な情報を特定して、各アクセサリに情報要求を送信する。
また、上述の実施例においては中間アクセサリが2つの場合について説明したが、3つ以上の場合には、複数の中間アクセサリの中で他の中間アクセサリの光学情報をすべて有しているものか、より多く有しているものが、第1の中間アクセサリであるとする。
実施例6で、動的アクセサリが交換レンズ1000の光学情報の補正を行うようにしても良い。この場合、動的アクセサリが他のアクセサリの光学情報をあらかじめ取得するようにしても良い。動的アクセサリが交換レンズ1000の光学情報を補正した場合には、補正した光学情報をカメラ本体2000へと送信する。
実施例6で、第1のアクセサリが複数ある場合には、動的アクセサリが交換レンズ1000の光学情報の補正を行うようにしても良い。
実施例7は、カメラ本体2000において光学レンズ1000の光学情報の補正を行う場合について説明した。これに対し、交換レンズ1000において光学情報の補正をするようにしても良い。この場合、カメラ制御部20500はレンズ制御部11300に、交換レンズ1000の光学情報の補正を行う要求を送信する。その際、交換レンズ1000は、補正が必要な中間アクセサリの光学情報が不足している場合には、中間アクセサリの光学情報を必要に応じてカメラ本体2000又は中間アクセサリから取得するようにしても良い。
実施例8では、補正の方法に関する情報と補正のパラメータに関する情報とをカメラ制御部20500が中間アクセサリ制御部30900から取得し、これらの情報をレンズ制御部11300に送信する例を説明した。ここで、中間アクセサリ3000が実施例6で説明したような動的中間アクセサリであり、補正のパラメータに関する情報が変化し得る場合には、当該変化の検出に応じて補正のパラメータに関する情報を再取得しても良い。すなわち、中間アクセサリ3000の操作部材が操作されたことが検出された場合に、補正のパラメータに関する情報をカメラ制御部20500が中間アクセサリ制御部30900から取得し、これらの情報をレンズ制御部11300に送信するようにしても良い。
また、実施例5では、第1通信方式として、クロック同期通信を行う場合を説明したが、調歩同期式通信を行っても良い。調歩同期式通信を図22を用いて説明をする。
なお、図12では3線クロック同期式通信を行う場合を例示した。これに代えて、同じく通信チャネル1の3線を用いることで実現される3線調歩同期式通信を採用した場合であっても同様の効果を実現することができる。図22は3線調歩同期式通信の通信における信号波形を示している。3線調歩同期式通信の場合は、前述のクロック通信線(LCLK)に代えて、RTS通信線(RTS)を有する。RTS通信線は、カメラ-レンズ通信線(DCL)による通信と第1のレンズ-カメラ通信線(DLC)による通信のタイミングを制御する信号をカメラマイコン20500からレンズマイコン11100へ送信するための信号線である。例えば、カメラマイコン20500からレンズマイコン11100へのレンズデータの送信要求(送信指示)や後述する通信処理の切替え要求(切替え指示)等の通知に用いられる。送信要求チャネルでの通知は該送信要求チャネルでの信号レベル(電圧レベル)をHigh(第1のレベル)とLow(第2のレベル)との間で切り替えることで行う。以下の説明では、RTS通信線に供給される信号を送信要求信号RTSという。送信要求信号RTSは、通信マスタとしてのカメラマイコン20500から通信スレーブとしてのレンズマイコン11100に送られる。レンズマイコン11100が送信要求RTSを受信すると、図22に示すようにレンズデータ信号DLCの1フレームの送信開始をカメラマイコン20500に通知するため、レンズデータ信号DLCの信号レベルを1ビット期間の間Lowとする。この1ビット期間を1フレームの開始を示すスタートビットSTと呼ぶ。すなわち、このスタートビットSTからデータフレームが開始される。スタートビットSTは、レンズデータ信号DLCの1フレームごとにその先頭ビットに設けられている。続いて、レンズマイコン111は、次の2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのレンズデータを送信する。データのビット配列はMSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、順にデータD6、データD5と続き、最下位のデータD0で終わる。そして、レンズマイコン11100は、10ビット目に1ビットのパリティー情報PAを付加し、1フレームの最後を示すストップビットSPの期間のレンズデータ信号DLCの信号レベルをHighとする。これにより、スタートビットSTから開始されたデータフレーム期間が終了する。
なお、上述した各実施例は、適宜組み合わせても良い。
本発明は上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み取り実行する処理でも実現できる。更に、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。