JP7070460B2 - 水素ガスの製造方法および製造設備列 - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスの製造方法および製造設備列に関する。
近年、水素利用技術の1つとして、水素(以下、「H」とも言う。)ガスを利用して二酸化炭素(以下、「CO」とも言う。)ガスをメタノールなどの有用な化学物質に変換するCO有効利用プロセスが検討されている。
上記プロセスにおいて使用されるHガスは、例えば再生可能エネルギーを用いた水分解などにより製造することができる。再生可能エネルギーには、例えば太陽光、風力、水力など様々な種類のものがあるが、これらの再生エネルギーから製造されるHガスは、再生可能エネルギーが安価に入手可能でない場所では経済性を確保することが難しい。
一方、Hガスの製造方法としては、製鉄所において排出される副生ガス(以下、単に「副生ガス」とも言う。)などのHガスを含むガスからHガスを分離して精製することにより、Hガスを製造する方法などもある。例えば、コークス炉ガス(以下、「COG」とも言う。)は55%程度のHガスを含むため、このHガスを分離精製することによって、比較的安価にHガスを製造することができる。
また、副生ガスには、一酸化炭素(以下、「CO」とも言う。)ガスや炭化水素系(以下、「C」とも言う。)ガスが含まれる。そのため、例えば以下の反応式(1)に示す水性ガスシフト反応によって、COガスと水(以下、「HO」とも言う。)とを反応させるか、以下の反応式(2)の水蒸気改質反応によって、CガスとHOとを反応させることにより、Hガスを製造するような方法もある。
CO + HO → CO + H (1)
+ nHO → nCO + (n+m/2)H (2)
上記反応式(1)による水性ガスシフト反応によって副生ガスに含まれるCOガスからHガスを製造する技術は、例えば特許文献1に、水蒸気改質反応によってCガスからHガスを製造する技術は、例えば非特許文献1に、それぞれ開示されている。
特開2018-71894号公報
水素の製造と利用に関する最近の話題:水素エネルギーシステム Vol.25,No.2(2000)
ところで、上記反応式(1)による反応は、低温シフト触媒を用いる反応でも200℃以上の温度が必要となる。また、反応式(2)による反応は、触媒存在下で500℃以上の温度にて進行する。何れの反応においても、原料ガスである副生ガスを反応温度まで昇温するための熱源およびHOが必要となる。
一般に、副生ガスは、除塵処理や脱硫処理など清浄化処理を経た後に、常温のガスとして供給されているため、上記反応温度が高いほど、原料ガスである副生ガスの昇温に必要な熱も多くなる。また、HOについては、製鉄所の蒸気配管から供給することができるが、水蒸気の使用量が多くなると製鉄所の蒸気バランスが崩れるため、ボイラー設備の増強およびボイラー運転に要する追加のエネルギー源が必要となる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応によって水素ガスを製造するのに必要な熱源および水を、別プロセスで発生する熱および水を利用することによって補填して、水素ガスを製造する方法および製造設備列を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。上記反応式(1)および反応式(2)によって生成したHガスを利用する反応プロセスとして、例えばHガスおよびCOガスからメタノールを合成する方法がある。例えば、特開2018-8940号公報には、水透過膜を有する膜反応器を用いてHガスおよびCOガスからメタノールを合成する方法が開示されている。
上記方法においては、水透過膜を用いて反応生成物からHOを選択的に除去することによって、以下の反応式(3)の平衡反応をメタノール生成側へシフトさせて、メタノールを効率的に製造している。なお、「HO」には、水蒸気の状態のHOも含まれる。
CO + 3H → CHOH + HO (3)
上記反応式(3)の反応を促進させるためには、反応により生成するHOを水透過膜によって効率的に除去する必要がある。すなわち、水透過膜の透過側のHOを除去して、水透過膜の原料側と透過側との間のHOの分圧差を保つことにより、連続的なHOの透過が可能となる。また、反応式(3)は発熱反応であるため、発生する反応熱の除去も同時に必要である。
このようなHOおよび反応熱の除去のため、通常は、水透過膜の透過側に窒素などの掃引ガス(「スイープガス」とも言う。)を流通させてHOを除去するとともに、水透過膜から掃引ガスへの伝熱による反応熱の除去を行う。
しかし、上記方法によって反応系から除去されたHOは、凝縮器によって掃引ガスと分離されて除去されるため、HOが有する潜熱を効率的に利用することはできない。また、反応熱を除去した掃引ガスが有する熱を利用する際には、ガス熱交換器を用いることになるため、小型で高効率な熱交換器として設計することは難しい。
本発明者らは、上記反応式(3)によるメタノール生成のように、Hガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応でHO以外の反応生成物およびHOを合成する気相反応において生成されて有効利用されていない熱およびHOに着目し、上記気相反応によって生成された熱およびHOを、Hガスを製造する際の熱源およびHOとして有効利用すること想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応工程と、
前記気相反応工程において合成された水を選択的に分離する水分離工程と、
前記水分離工程において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引工程と、
前記掃引工程後の掃引ガスを前記気相反応工程において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温工程と、
水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により前記加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造工程と、
を具えることを特徴とする水素ガスの製造方法。
[2]前記水素ガス製造工程において製造された水素ガスを分離する水素ガス分離工程をさらに具えることを特徴とする、前記[1]に記載の水素ガスの製造方法。
[3]前記水素ガス製造工程において製造された水素ガスを前記気相反応工程における原料ガスの一部としてリサイクルすることを特徴とする、前記[2]に記載の水素ガスの製造方法。
[4]前記水素ガス分離工程において分離された水素ガスを前記気相反応工程における原料ガスの一部としてリサイクルすることを特徴とする、前記[2]に記載の水素ガスの製造方法。
[5]前記反応生成物がメタノールであることを特徴とする、前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の水素ガスの製造方法。
[6]前記水素ガス分離工程は圧力スイング吸着法により行うことを特徴とする、前記[2]~[5]のいずれか一項に記載の水素ガスの製造方法。
[7]前記掃引ガスが製鉄所において排出される副生ガスであることを特徴とする、前記[1]~[6]のいずれか1項に記載の水素ガスの製造方法。
[8]水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応設備と、
前記気相反応設備において合成された水を選択的に分離する水分離設備と、
前記水分離設備において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引設備と、
前記掃引設備から排出された掃引ガスを前記気相反応設備において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温設備と、
水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により前記加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造設備と、
を具えることを特徴とする水素ガスの製造設備列。
[9]前記水素ガス製造設備において製造された水素ガスを分離する水素ガス分離設備をさらに具えることを特徴とする前記[8]に記載の水素ガスの製造設備列。
[10]前記水素ガス製造設備において製造された水素ガスを前記気相反応設備に戻す配管を有することを特徴とする、前記[9]に記載の水素ガスの製造設備列。
[11]前記水素ガス分離設備において分離された水素ガスを前記気相反応設備に戻す配管を有することを特徴とする、前記[9]に記載の水素ガスの製造設備列。
[12]前記気相反応設備が触媒反応器であることを特徴とする、前記[8]~[11]のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
[13]前記水分離設備が水透過膜であることを特徴とする、前記[8]~[12]のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
[14]前記水素ガス分離設備が圧力スイング吸着設備であることを特徴とする、前記[9]~[13]のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
本発明によれば、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応によって水素ガスを製造するのに必要な熱源および水を、別プロセスで発生する熱および水を利用することによって補填して、水素ガスを製造することができる。
また、本発明によれば、従来のプロセスにおいて反応器から捨てていた熱および水を利用するため、低コストで水素ガスを製造することができる。
本発明による水素ガスの製造設備列の好適な一例を示す図である。 反応器の詳細、および気相反応において生じた水および反応熱の除去を説明する図である。 本発明による水素ガスの製造設備列の好適な別の例を示す図である。
以下、図1~3を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明による水素ガスの製造方法は、水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応工程と、気相反応工程において合成された水を分離する水分離工程と、水分離工程において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引工程と、掃引工程後の掃引ガスを気相反応工程において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温工程と、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造工程と、水素ガス製造工程において製造された水素ガスを分離する水素ガス分離工程とを具えることを特徴とする。
まず、気相反応工程において、Hガスおよび含酸素ガスを原料ガスとして、発熱を伴う気相反応によって、HO以外の反応生成物およびHOを合成する。本工程における気相反応により、後述する水素ガス製造工程に必要なHOおよび熱の少なくとも一部を得ることができる。合成される「HO以外の反応生成物」は、例えば上記反応式(3)によって合成されるメタノールや、下記反応式(4)によって合成されるメタンなどとすることができる。すなわち、上記気相反応は、メタノールの合成反応や、メタンの合成反応などとすることができる。
CO + 3H → CH + HO (4)
また、上記メタノールやメタンなどの反応生成物を合成するために、原料ガスに含まれる「含酸素ガス」としては、例えばCOガスやCOガスなどを含むガスを用いることができる。
次に、水分離工程において、気相反応工程で合成されたHOを選択的に分離する。気相反応工程では、反応生成物の生成とともにHOおよび反応熱が生じるが、反応生成物の生成反応を生成側へシフトさせて反応生成物を効率的に生成するためには、生成されるHOを除去する必要がある。そこで、本工程では、気相反応工程で合成されたHOを選択的に分離して除去する。
続いて、掃引工程において、水分離工程で分離されたHOをCOガスまたはCガスを含む掃引ガスで掃引する。後述する水素ガス製造工程において、上記反応式(1)による水性ガスシフト反応、または反応式(2)による水蒸気改質反応によってHガスを製造する。その際、水性ガスシフト反応においては、COガスおよびHOを原料とし、水蒸気改質反応においては、CガスおよびHOを原料とする。そこで、水分離工程において分離されたHOの掃引に使用する掃引ガスとして、COガスまたはCガスを用いる。
こうした掃引ガスとしては、製鉄所において排出される副生ガスを用いることができる。すなわち、製鉄所においては、高炉や転炉、コークス炉などから、COガスやCOガスなどを含む副生ガスが大量に排出されている。こうした製鉄所の設備において排出される副生ガスを好適に用いることができる。中でも、製鉄所における排出量が多く、COガスおよびCOガスを豊富に含んでいることから、高炉ガスを特に好適に用いることができる。
次に、加温工程において、掃引工程後の掃引ガスを気相反応工程において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする。後述する水素ガス製造工程において、上記反応式(2)による水性ガスシフト反応、または反応式(3)による水蒸気改質反応によってHガスを生成する際に熱を必要とするが、気相反応工程における気相反応は発熱を伴う反応である。そこで、本工程では、気相反応工程において生じた反応熱で掃引工程後の掃引ガスを加温する。これにより、後述する水素ガス製造工程において必要な熱の少なくとも一部を得て掃引ガスを予熱することができる。
本工程は、熱交換器などの加熱装置を用いて、気相反応工程で生成された反応生成物と、掃引工程後の掃引ガスとの間で熱交換することにより行うことができる。なお、後述するように、上記気相反応工程、水分離工程および加温工程は、特開2018-8940号公報に記載された方法を用いる場合には、水分離膜を有する反応器を用いてHO分離と同時に並行して行うことができる。この場合、気相反応工程において生じたHOが水分離膜によって気相反応系から分離され、分離されたHOが掃引ガスで掃引される。その際、気相反応工程において生じた反応熱が水分離膜を介して掃引ガスに伝熱されて掃引ガスが加温されるため、気相反応器の出側に熱交換器を設けることなく掃引ガスを加温することが可能である。
続いて、水素ガス製造工程において、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により加温掃引ガスからHガスを製造する。上述のように、掃引工程において使用される掃引ガスは、水素ガスシフト反応の原料ガスであるCOガス、または水蒸気改質反応による水素生成反応の原料ガスであるCガスを含む。また、掃引工程および加温工程によって、水素ガスシフト反応または水蒸気改質反応に必要なHOおよび熱の少なくとも一部も含む。従って、反応式(2)による水素ガスシフト反応、または反応式(3)による水蒸気改質反応によって、加温掃引ガスからHガスを生成することができる。
なお、加温掃引ガスの温度が反応温度よりも低い場合には、加温掃引ガスを必要に応じて加熱すればよい。また、加温掃引ガスに含まれるHOの量が反応式(1)または反応式(2)において必要とされる量よりも少ない場合には、外部からHOを付加的に供給して原料ガスのバランスを調整してもよい。
こうして、気相反応工程において生成された反応熱およびHOを、Hガスの製造に必要な熱源およびHOとして補填して、Hガスを製造することができる。
なお、水素ガス製造工程においては、水素ガス以外にCOガスまたはCOガスが生成されるが、得られたHガスを燃料や原料などとして有効利用するためには、Hガスの濃度が高いことが好ましい。そこで、水素ガス製造工程において製造されたHガスを反応後の加温掃引ガスから分離する水素ガス分離工程をさらに具えることが好ましい。
ガスを分離する方法は特に限定されず、温度スイング吸着法や圧力スイング吸着法などにより行うことができる。中でも、分離に要するエネルギーが比較的小さく、常温で行うことができ、比較的大規模なガス処理も可能であることから、圧力スイング吸着法により行うことが好ましい。
また、水素ガス製造工程または水素ガス分離工程で分離されたHガスを、気相反応工程において使用される原料ガスの一部としてリサイクルすることが好ましい。これにより、気相反応工程とHガス製造工程との間において、気相反応工程を効率的に行うために除去されたHOおよび反応熱を水素ガス製造工程において利用するとともに、水素ガス製造工程において製造されたHガスを気相反応工程の原料ガスの一部として利用することができる。その結果、水素ガス製造およびメタノールなどの反応生成物の製造を含む、効率的な全体プロセスを構成することができる。
次に、本発明による水素ガスの製造設備列について説明する。本発明による水素ガスの製造設備列は、水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応設備と、気相反応設備において合成された水を選択的に分離する水分離設備と、水分離設備において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引設備と、掃引設備から排出された掃引ガスを気相反応設備において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温設備と、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造設備とを具えることを特徴とする。
図1は、本発明によるHガスの製造設備列の好適な一例を示している。図1に示した製造設備列1においては、気相反応設備、水分離設備および加温設備は、特開2018-8940号公報に記載された、水分離膜を有する反応器13として一体に構成されている。
すなわち、図2に示すように、反応器13は、外管13aと、多孔質アルミナなどのガス透過性を有する材料を含む内管13bとからなる二重管構造の反応管で構成されており、内管13bの外管13a側の表面には、ゼオライト膜などのHOを選択的に透過する水透過膜13cが成膜されている。外管13aと内管13bとの間には第1空間Sが区画され、気相反応用の触媒が充填されている。また、内管13bの内部には、掃引ガスが流通する第2空間Sが区画されている。このように、気相反応設備は、触媒反応器として構成されている。
このように構成された反応器13に、ブロワー11によってHガスおよび含酸素ガスを含む原料ガスを、熱交換器などの加熱装置12によって反応温度まで加温して反応器13の第1空間Sに導入し、Hガスと含酸素ガスとを気相反応させる。これと並行して、高炉ガスなどの副生ガスを、掃引ガスとして反応器13の第2空間Sを流通させる。
第1空間Sにおいては、HガスとCOガスなどの含酸素ガスとが反応して、メタノールなどのHO以外の反応生成物およびHOが生成される。図2に示すように、反応により生成したHOは、生成ガス中のHO分圧と第2空間SのHO分圧との差を駆動力として、水透過膜13cを透過して第2空間Sに移動し、第1空間S内のガスから選択的に分離される。
水透過膜13cを透過したHOは、第2空間Sを流通する掃引ガスによって掃引され、反応器13外に排出される。その際、図2に示すように、第1空間Sにおける反応で生じた反応熱が、水透過膜13cを介して第2空間Sを流通する掃引ガスに与えられ、第1空間S内の反応熱が除去されとともに、副生ガスで構成された掃引ガスは、HO濃度が高められて加温(予熱)される。
第1空間Sにおいて生成された反応生成物は、未反応ガスとともに反応器13から排出され、気液分離器15によって、未反応ガスとメタノールなどの反応生成物とに分離される。一方、第2空間Sから排出された加温掃引ガスは、必要に応じて、熱交換器などの加熱装置16によって水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応の反応温度まで加熱された後、水素ガス製造設備17に導入される。
水素ガス製造設備17においては、上記反応式(1)に示した水性ガスシフト反応、または反応式(2)に示した水蒸気改質反応により、加温掃引ガスからHガスが製造される。その際、加温掃引ガスに含まれるHOの量が反応式(1)または反応式(2)において必要とされる量よりも少ない場合には、外部からHOを付加的に供給して原料ガスのバランスを調整してもよい。
製造されたHガスは、例えば圧力スイング吸着方式の水素ガス分離装置18に導入され、精製されて高純度のHガスが分離される。分離された高純度のHガスは、配管19によって、気相反応に用いられる原料ガスの一部としてリサイクルされ、原料ガスと混合されて反応器13における反応に必要なガス組成になるよう調整された後、熱交換器などの加熱装置12により温度調節されて反応器13へ供給される。
なお、図1に示した設備列1においては、水素ガス分離装置18によりHガスを精製して高純度化しているが、反応器13における気相反応が窒素ガスなどの不活性ガスが混入しても影響がない場合には、水素ガス分離装置18による水素の精製を行わずに、水素ガス製造設備17において製造されたHガスを、反応器13における気相反応の原料ガスの一部としてリサイクルしてもよい。
また、図1に示した設備列1においては、反応器13から排出された高温の反応生成物は、未反応ガスとともに気液分離器15に導入されるが、図3に示す設備列2のように、加熱装置16に導入されて、反応器13にて得られた加温掃引ガスと熱交換を行った後に、気液分離機15に導入されてもよい。これにより、反応器13において生成された反応生成物の有する熱をHガスの製造により効率的に利用することができる。
水素ガス製造設備17における反応温度が高い場合には、加温掃引ガスの温度を反応温度まで昇温させるための熱交換器などの加熱装置16が必要となるが、予熱されている分だけ加熱装置16の消費エネルギーを削減することができるため経済的である。
こうして、気相反応設備において生成された反応熱およびHOを、Hガスの製造に必要な熱源およびHOとして補填して、Hガスを製造することができる。
本発明によれば、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応によって水素ガスを製造するのに必要な熱源および水を、別プロセスで発生する熱および水を利用することによって補填して、水素ガスを製造することができるため、製鉄業において有用である。
1,2 水素ガスの製造設備列
11,14 ブロワー
12,16 加熱装置
13 反応器
13a 外管
13b 内管
13c 水透過膜
15 気液分離器
17 水素ガス製造設備
18 水素ガス分離装置
19 配管
第1空間
第2空間

Claims (14)

  1. 水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応工程と、
    前記気相反応工程において合成された水を選択的に分離する水分離工程と、
    前記水分離工程において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引工程と、
    前記掃引工程後の掃引ガスを前記気相反応工程において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温工程と、
    水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により前記加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造工程と、
    を具えることを特徴とする水素ガスの製造方法。
  2. 前記水素ガス製造工程において製造された水素ガスを分離する水素ガス分離工程をさらに具えることを特徴とする、請求項1に記載の水素ガスの製造方法。
  3. 前記水素ガス製造工程において製造された水素ガスを前記気相反応工程における原料ガスの一部としてリサイクルすることを特徴とする、請求項2に記載の水素ガスの製造方法。
  4. 前記水素ガス分離工程において分離された水素ガスを前記気相反応工程における原料ガスの一部としてリサイクルすることを特徴とする、請求項2に記載の水素ガスの製造方法。
  5. 前記水素ガス分離工程は圧力スイング吸着法により行うことを特徴とする、請求項2~のいずれか一項に記載の水素ガスの製造方法。
  6. 前記反応生成物がメタノールであることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の水素ガスの製造方法。
  7. 前記掃引ガスが製鉄所において排出される副生ガスであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の水素ガスの製造方法。
  8. 水素ガスおよび含酸素ガスを原料ガスとし、発熱を伴う気相反応で水以外の反応生成物および水を合成する気相反応設備と、
    前記気相反応設備において合成された水を選択的に分離する水分離設備と、
    前記水分離設備において分離された水を一酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引する掃引設備と、
    前記掃引設備から排出された掃引ガスを前記気相反応設備において生じた反応熱で加温して加温掃引ガスとする加温設備と、
    水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により前記加温掃引ガスから水素ガスを製造する水素ガス製造設備と、
    を具えることを特徴とする水素ガスの製造設備列。
  9. 前記水素ガス製造設備において製造された水素ガスを分離する水素ガス分離設備をさらに具えることを特徴とする請求項8に記載の水素ガスの製造設備列。
  10. 前記水素ガス製造設備において製造された水素ガスを前記気相反応設備に戻す配管を有することを特徴とする、請求項9に記載の水素ガスの製造設備列。
  11. 前記水素ガス分離設備において分離された水素ガスを前記気相反応設備に戻す配管を有することを特徴とする、請求項9に記載の水素ガスの製造設備列。
  12. 前記水素ガス分離設備が圧力スイング吸着設備であることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
  13. 前記気相反応設備が触媒反応器であることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
  14. 前記水分離設備が水透過膜であることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の水素ガスの製造設備列。
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