JP7070022B2 - 血圧計 - Google Patents

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Description

この発明は血圧計に関し、より詳しくは、本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられた筒状のカフとを備えた血圧計に関する。
従来、この種の血圧計としては、例えば特許文献1(特開2010-136924号公報)に開示されているように、ポンプを収容した本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動自在に取り付けられた円筒状のカフ(上腕挿入部)とを備えたものが知られている。カフの内周面に沿って、空気袋が設けられている。血圧測定を行おうとする被測定者は、カフの傾角を調整しつつ、上腕をカフに挿入する。血圧測定時には、被測定者がカフに上腕を挿入して正しい測定姿勢(血圧測定に適した姿勢)をとった状態で、本体のポンプからカフの空気袋へエアが供給されて、上腕が圧迫される。これにより、血圧測定が行われる。
特開2010-136924号公報
しかしながら、上述の血圧計では、被測定者がカフの傾角を自ら調整しなければならない。つまり、被測定者は、上記カフに上腕を挿入し、上記カフを概ね適切と思われる傾角で一旦静止させ、楽な姿勢であるか確認し、楽な姿勢で無ければ、少し傾角を変えて再び楽な姿勢であるかを確認する、というように、適切な傾角を探す必要がある。この結果、被測定者が上記カフに上腕を挿入してから正しい測定姿勢をとるまでの時間が長くかかる。また、カフの傾角が不適切なまま、無理な姿勢で血圧測定を行ってしまう可能性もある。
そこで、この発明の課題は、本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられた筒状のカフとを備えた血圧計であって、様々な体型の被測定者が上記カフに上腕を容易に挿入でき、正しい測定姿勢を短時間でとれるものを提供することにある。
上記課題を解決するため、この開示の血圧計は、
本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられ、被測定者の上腕が挿入される筒状のカフとを備えた血圧計であって、
上記カフは、このカフの内周面に沿って、被測定者の上腕を圧迫するための流体袋を有するとともに、このカフの中心軸が延在する方向に関して、血圧測定時に被測定者に面して配される前面側とは反対の後面側が上記回転軸に取り付けられており、
上記カフに上腕が挿入されていない待機状態で、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角を上記前面側が上記後面側よりも高い或る待機角度に維持するとともに、上記カフに上腕が挿入されることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度から大または小のいずれに変わるのも許容する揺動機構を備え
上記揺動機構は、
上記本体のうち、上記カフの上記前面側の第1部分に対向する位置に立設された第1コイルばねと、
上記本体のうち、前後方向に関して上記第1部分と上記回転軸との間の第2部分に対向する位置に立設された第2コイルばねと
を有し、
上記第1コイルばねの自然状態での長さは上記第2コイルばねの自然状態での長さよりも長く、かつ、上記第1コイルばねのばね定数は上記第2コイルばねのばね定数よりも小さく設定され、
上記待機状態では、上記カフの重量によって上記カフの上記第1部分が上記第1コイルばねを自然状態での長さから圧縮し、かつ、上記カフの上記第2部分が上記第2コイルばねの上端に当接した状態になることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度に維持されることを特徴とする。
本明細書で、「本体」は、例えばポンプを収容した本体またはその一部(例えば、本体下部)であってもよい。
また、上記本体に対して上記カフが「取り付けられた」とは、着脱不可能に取り付けられている場合だけでなく、着脱可能に取り付けられている場合を含む。
また、「筒状のカフ」の「筒状」とは、典型的には円筒状であるが、例えばこのカフの外周面の断面は多角形状またはその他の形状であってもよい。
また、「待機角度」は、典型的には、標準的な体型の被測定者に合わせて設定される。一般に、大きい体型の被測定者の場合には、水平面(本体)に対するカフの適切な傾角は大きくなり、小さい体型の被測定者の場合には、水平面(本体)に対するカフの適切な傾角は小さくなる(例えば、特許第5287572号明細書参照)。
この開示の血圧計では、揺動機構は、上記カフに上腕が挿入されていない待機状態で、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角(適宜、単に「上記カフの傾角」という。)を上記前面側が上記後面側よりも高い或る待機角度に維持する。これとともに、上記揺動機構は、上記カフに上腕が挿入されることによって、上記カフの傾角が上記待機角度から大または小のいずれに変わるのも許容する。したがって、この開示の血圧計によれば、様々な体型の被測定者が上記カフに上腕を容易に挿入できる。
また、上記「待機角度」は、標準的な体型の被測定者に合わせて設定され得る。その場合、標準的な体型の被測定者であれば、上記カフの傾角を自らの体型に合った適切な角度まで回転させる角度差が略ゼロになる。したがって、その被測定者は、上記カフの傾角を探す必要がない。この結果、上記標準的な体型の被測定者は、上記カフに上腕を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
大きい体型の被測定者の場合には、一般に、水平面(本体)に対する上記カフの適切な傾角は大きくなる。そのような場合、上記カフに上腕が挿入されることによって上記カフの内周面を上腕が上向きに押すので、上記カフの傾角は上記待機角度から大きくなろうとする。ここで、上記揺動機構は、上記カフの傾角が上記待機角度から大に変わることを許容する。したがって、上記カフの傾角はその被測定者の体型に合わせて大きくなるように追随し、その被測定者は上記カフの傾角を探す必要がない。この結果、上記大きい体型の被測定者は、上記カフに上腕を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
一方、小さい体型の被測定者の場合には、一般に、水平面(本体)に対するカフの適切な傾角は小さくなる。そのような場合、上記カフに上腕が挿入されることによって上記カフの内周面を上腕が下向きに押すので、上記カフの傾角は上記待機角度から小さくなろうとする。ここで、上記揺動機構は、上記カフの傾角が上記待機角度から小に変わることを許容する。したがって、上記カフの傾角はその被測定者の体型に合わせて小さくなるように追随し、その被測定者は上記カフの傾角を探す必要がない。この結果、上記小さい体型の被測定者は、上記カフに上腕を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
このように、この開示の血圧計によれば、様々な体型の被測定者が正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
本明細書で、第1コイルばね、第2コイルばねが上記本体に「立設され」るとは、コイルばねの伸縮方向が概ね鉛直方向またはそれに近い状態で設けられていることを意味する。
特に、この血圧計では、上記揺動機構は、次のように動作する。すなわち、上記待機状態では、上記カフの重量によって上記カフの上記第1部分が上記第1コイルばねを自然状態での長さから圧縮する。ここで、上記第1コイルばねのばね定数は、比較的(上記第2コイルばねのばね定数よりも)小さく設定されているので、上記第1コイルばねは、自然状態での長さから容易に圧縮されて、長さが短くなる。この結果、上記カフの上記第2部分が上記第2コイルばねの上端に当接する。ここで、上記第2コイルばねのばね定数は、比較的(上記第1コイルばねのばね定数よりも)大きく設定されているので、上記第2コイルばねは、自然状態での長さから少し短くなるだけで、上記第1コイルばねの弾性力と上記第2コイルばねとの弾性力とによって上記カフの重量を支える状態になる。これにより、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度に維持される。
大きい体型の被測定者の場合、上述のように、上記カフに上腕が挿入されることによって上記カフの内周面を上腕が上向きに押すので、上記カフの傾角は上記待機角度から大きくなろうとする。上記カフの傾角が上記待機角度から大きくなろうとすると、上記カフの上記第1部分の高さが高くなるのに伴って、上記第1コイルばねは伸張する。また、上記カフの上記第2部分の高さが高くなるのに伴って、上記第2コイルばねも少し伸張し、上記第2部分の高さが或る程度高くなると、上記第2部分から上記第2コイルばねの上端が離間する。このようにして、上記カフの傾角が上記待機角度から大に変わることが許容される。このとき、上記第1コイルばねは、伸張しながら、弾性力によって上記カフの上記第1部分を上向きに押す。したがって、その被測定者の上腕が上記カフの内周面を上向きに押す力は軽い力で済む。したがって、上記大きい体型の被測定者は、上記カフに上腕を挿入したとき、正しい測定姿勢を楽にとることができる。
一方、小さい体型の被測定者の場合、上述のように、上記カフに上腕が挿入されることによって上記カフの内周面を上腕が下向きに押すので、上記カフの傾角は上記待機角度から小さくなろうとする。上記カフに上腕が挿入されることによって上記カフの傾角が上記待機角度から小さくなろうとすると、上記カフの上記第1部分の高さが低くなるのに伴って、上記第1コイルばねは収縮する。また、上記カフの上記第2部分の高さが低くなるのに伴って、上記第2コイルばねも収縮する。このようにして、上記カフの傾角が上記待機角度から小に変わることが許容される。このとき、その被測定者の上腕が上記カフの内周面を下向きに押す力は、主に体重によるものであるから、その被測定者の上腕の負担は少ない。したがって、上記小さい体型の被測定者は、上記カフに上腕を挿入したとき、正しい測定姿勢を楽にとることができる。
上記揺動機構は、実質的に、上記第1コイルばねと上記第2コイルばねとの2つの部材の追加によって、簡素に構成され得る。
一実施形態の血圧計では、
上記第1コイルばね、上記第2コイルばねは、それぞれ、上記本体の上記第1コイルばね、上記第2コイルばねに対応する位置に立設された第1心棒、第2心棒の周りに嵌合しており、
上記カフの上記第1部分、上記第2部分には、それぞれ、上記カフが上記回転軸の周りに回転するのに伴って上記第1心棒、上記第2心棒が通るのを許容する第1逃げ部、第2逃げ部が設けられていることを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、上記第1コイルばね、上記第2コイルばねは、それぞれ、上記第1心棒、上記第2心棒の周りに嵌合した状態で、上記本体に立設されている。したがって、この血圧計が使用されるのに伴って上記第1コイルばね、上記第2コイルばねの圧縮、伸張が繰り返されたとしても、上記第1コイルばね、上記第2コイルばねは、上記本体のうちそれらが立設された位置に、しっかりと安定して保持される。また、上記カフの上記第1部分、上記第2部分には、それぞれ、上記カフが上記回転軸の周りに回転するのに伴って上記第1心棒、上記第2心棒が通るのを許容する第1逃げ部、第2逃げ部が設けられている。したがって、上記第1心棒、上記第2心棒は、上記カフの上記第1部分、上記第2部分と干渉することがない。なお、上記第1心棒、上記第2心棒は、例えば一体成形により、上記本体と一体に形成され得る。そのようにした場合、上記第1心棒、上記第2心棒が、上記揺動機構の部材数を増やすことはない。
一実施形態の血圧計では、
上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が、上記待機角度から大に変わるとき予め定められた上限傾角を上回るのを規制する上ストッパと、
上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が、上記待機角度から小に変わるとき予め定められた下限傾角を下回るのを規制する下ストッパと
を備えたことを特徴とする。
ここで、「上限傾角」は、典型的には、想定される最大体型の被測定者に合わせて設定される。「下限傾角」は、典型的には、想定される最小体型の被測定者に合わせて設定される。
この一実施形態の血圧計では、上ストッパは、上記カフの傾角が、上記待機角度から大に変わるとき予め定められた上限傾角を上回るのを規制する。また、下ストッパは、上記カフの傾角が、上記待機角度から小に変わるとき予め定められた下限傾角を下回るのを規制する。したがって、上記カフの傾角が無用な範囲に変わるのを防止できる。
別の局面では、この開示の血圧計
本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられ、被測定者の上腕が挿入される筒状のカフとを備えた血圧計であって、
上記カフは、このカフの内周面に沿って、被測定者の上腕を圧迫するための流体袋を有するとともに、このカフの中心軸が延在する方向に関して、血圧測定時に被測定者に面して配される前面側とは反対の後面側が上記回転軸に取り付けられており、
上記カフに上腕が挿入されていない待機状態で、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角を上記前面側が上記後面側よりも高い或る待機角度に維持するとともに、上記カフに上腕が挿入されることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度から大または小のいずれに変わるのも許容する揺動機構と、
上記カフに一体に取り付けられた加速度センサと、
上記加速度センサの出力の変化に基づいて、上記カフに腕が挿入されたか否かを判定する腕挿入判定部と
を備えたことを特徴とする。
この開示の血圧計によれば、既述のように、様々な体型の被測定者が正しい測定姿勢を短時間でとることができる。さらに、この血圧計では、腕挿入判定部は、上記カフに一体に取り付けられた加速度センサの出力の変化に基づいて、上記カフに腕が挿入されたか否かを判定する。したがって、この判定結果に基づいて、例えば適切なタイミングで、測定を開始するための操作方法や、とるべき測定姿勢などのガイダンス(案内)を、音声や表示で発することができる。この結果、被測定者が操作に不慣れであっても、円滑に正しい操作を行うことができ、正しい血圧測定結果を得ることができる。また、この血圧計では、上記カフに上腕が挿入されていない待機状態では、上記カフは上記揺動機構によって緩く支持されており、上記カフの傾角は上記待機角度から大または小のいずれに変わり得る。したがって、上記加速度センサによる腕挿入検知の精度を高めることができる。
一実施形態の血圧計では、
上記カフに一体に取り付けられた加速度センサと、
上記加速度センサが出力する重力加速度ベクトルの成分に基づいて、上記カフが下方へ押し付けられた状態にあるか否かを判定する下部圧迫判定部と
を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、下部圧迫判定部は、上記加速度センサが出力する重力加速度ベクトルの成分に基づいて、上記カフが下方へ押し付けられた状態(これを「下部圧迫状態」と呼ぶ。)にあるか否かを判定する。したがって、この判定結果に基づいて、例えば上記カフが下方へ押し付けられた下部圧迫状態にあることを報知することができる。被測定者は、その報知によって下部圧迫状態にあることを知り、例えば尻の下に座布団を敷いて自らの肩の高さを高くするなど、必要な対処をとることができる。
一実施形態の血圧計では、
上記本体は、
ポンプと、
上記ポンプから上記カフの上記流体袋に流体を供給して、上記カフに挿入された被測定部位を圧迫する制御を行う圧力制御部と、
上記流体の圧力に基づいて血圧を算出する血圧算出部と
を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、血圧測定時には、圧力制御部が、上記本体に搭載された上記ポンプから上記流体袋に流体を供給して上記カフに挿入された被測定部位を圧迫する制御を行う。上記カフ体(流体袋)の加圧過程または減圧過程で、血圧算出部が、上記流体の圧力に基づいて血圧を算出する(オシロメトリック法)。したがって、被測定者にとって簡単に血圧測定が行われる。
以上より明らかなように、この開示の血圧計によれば、様々な体型の被測定者が上記カフに上腕を容易に挿入でき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
この発明の一実施形態の、本体とカフを有する血圧計を前方斜め上方から見たところを示す図である。 上記血圧計を後方斜め上方から見たところを示す図である。 上記血圧計を右側方から見たところを示す図である。 上記血圧計を、本体の上部と下部とが分解された状態で、前方斜め下方から見たところを示す図である。 上記本体に設けられた第1コイルばね、第2コイルばねと、それらの第1コイルばね、第2コイルばねの上端にそれぞれ対向する上記カフの第1部分、第2部分の態様を、上記本体からカフユニットを取り外した状態で、前方上方から見たところ示す図である。 上記血圧計を右側方から見たときの断面を示す図である。 上記血圧計における、上記本体に対して上記カフの揺動を可能にする揺動機構の構成を模式的に示す図である。 自然状態にある上記第1コイルばね、上記第2コイルばねの態様を示す図である。 標準的な体型の被測定者が上記カフに上腕を挿入した状態を模式的に示す図である。 大きい体型の被測定者が上記カフに上腕を挿入した状態を模式的に示す図である。 小さい体型の被測定者が上記カフに上腕を挿入した状態を模式的に示す図である。 上記カフが上限位置にある状態を右側方から見たときの断面を模式的に示す図である。 上記カフが下限位置にある状態を右側方から見たときの断面を模式的に示す図である。 図14(A)~図14(C)は、上記カフに含まれたカフ構造体の血圧測定時における動作を示す図である。 上記血圧計の制御系のブロック構成を示す図である。 上記血圧計における血圧測定の動作フローを示す図である。 上記血圧計における、上記カフに腕が挿入されたことを検知するためのフローを示す図である。 図18(A),図18(B)は、上記カフに一体に取り付けられた加速度センサによって出力される加速度の変動量を経時的に示す図である。 上記カフが待機角度にある状態を、加速度センサに固定されたxyz直交座標系を含めて、右側方から見たときの断面を模式的に示す図である。 上記カフが上限位置にある状態を、加速度センサに固定されたxyz直交座標系を含めて、右側方から見たときの断面を模式的に示す図である。 上記カフが下限位置にある状態を、加速度センサに固定されたxyz直交座標系を含めて、右側方から見たときの断面を模式的に示す図である。 上記血圧計における、上記カフが下部圧迫状態にあることを検知するためのフローを示す図である。 上記加速度センサのz軸が出力する成分(重力加速度ベクトルの成分)を経時的に示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本体の概略構成)
図1は、この発明の一実施形態の血圧計(符号1で示す。)を前方斜め上方から見たところを示している。図2は、血圧計1を後方斜め上方から見たところを示している。また、図3は、血圧計1を右側方から見たところを示している。なお、これらの図1~3(および後述の図4,6,7,9~13,19A~19C)中には、理解の容易のために、XYZ直交座標系を併せて示している。X軸は前後方向、Y軸は左右方向、Z軸は上下方向に向けられている。図1~3に示すように、血圧計1は、大別して、本体2と、カフ3と、アームレスト9とを備えている。この血圧計1は、被測定者の被測定部位としての上腕の血圧を測定するように設計されている。
本体2は、コーナが丸くされた箱状の外形を有し、本体上部2Aと本体下部2Bとを含んでいる。本体下部2Bの底面2bは略平坦で、水平面(XY平面と平行)に沿った台99(図9~図11参照)上に置かれている。本体上部2Aの上面2aは、略平坦で、前方から後方へ(-X方向へ)向かって次第に高さが高く(Z座標が大きく)なる態様で傾斜している。
本体上部2Aの上面2aのうち、右側前部には、略円筒状のカフ3が配置されている。カフ3の中心軸(すなわち、後述のカフハウジング4の中心軸)Cは、この例では、前方から後方へ(-X方向へ)向かって次第に高さが低く(Z座標が小さく)なる態様で傾斜している。
本体上部2Aの上面2aのうち、右側後部には、アームレスト9が配置されている。アームレスト9は、上方へ開いた略円弧状の断面を有し、カフ3の後面側の開口から、本体上部2Aの上面2aの傾斜よりも急な傾斜で略ストレートに本体2の後方へ延在している。血圧測定時には、被測定者が本体2の前方に座り、カフ3の前面3e側(被測定者に面する側)から後面3f側へ腕を通すことによって、被測定者の上腕90(図9~図11参照)がカフ3内に位置し、前腕がアームレスト9上に置かれた状態になることが予定されている。
本体上部2Aの上面2aのうち、左側前部には、ユーザ(主に被測定者。以下同様。)が左手で測定開始または停止を指示するための測定開始/停止スイッチ13Aと、ユーザが血圧測定結果の印刷を指示するためのプリント指示スイッチ14とが配置されている。本体上部2Aの上面2aのうち、左側後部には、血圧測定結果を表示するための表示器(この例では、LCD(液晶ディスプレイ)からなる)11が配置されている。なお、表示器11は、表示画面が被測定者に正対するように、本体上部2Aの上面2aに立設されていてもよい。また、本体上部2Aの上面2aのうち、アームレスト9よりもさらに右側には、ユーザが右手で測定開始または停止を指示するための測定開始/停止スイッチ13Bが配置されている。2つの測定開始/停止スイッチ13A,13Bは、それぞれ、被測定者がカフ3に右上腕、左上腕を通して測定するときの便宜のために設けられている。
カフ3は、この例では、本体2に設けられたカフハウジング4と、このカフハウジング4に着脱可能に装着される円筒状のカフユニット5とによって構成されている。
カフハウジング4は、上方へ開いた円弧状(この例では、半円状)断面を有する前面側部分4aと、この前面側部分4aの後方に連なり、前面側部分4aの円弧状断面と同心(中心軸C)の円形断面を有する後面側部分4fと、本体2内に収容されたカフハウジング下部4b(図4中に示す)とを、一体に含んでいる。カフハウジング4は、この例では、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂からなっている。図4(本体上部2Aと本体下部2Bとが分解された状態を示す)中に示すように、カフハウジング下部4bは、後方へ向かって開いた略半円筒状の形状を有している。カフハウジング下部4bの後面3f側の左右には、一対のヒンジ3y(図4中には、右側のヒンジのみを示す。)が設けられている。この一対のヒンジ3yによって、図3に示すように、カフ3は、本体2に対して水平な回転軸Dの周りに矢印A1,A2で示すように回動可能に取り付けられている。
図4中に示すように、カフハウジング下部4bの下縁4bbには、左右方向(Y方向)に関して略中央に相当する部位に、前方へ突起した突起4bpが設けられている。また、カフハウジング下部4b内の前面側(+X側)寄りの部位には、図示しない回路基板に搭載された加速度センサ44が、カフハウジング下部4b(したがって、カフ3)と一体に設けられている。これらの要素の働きについては、後述する。
(カフユニット)
図6(血圧計1を右側方から見たときの断面を示す。)に示すように、カフユニット5は、上腕90が挿入されるように円筒状をなすカフ構造体7と、このカフ構造体7と一体になるように着脱可能に装着されるカバー6とによって構成されている。
カフ構造体7は、円筒状のプラスチック材(例えば、ポリ塩化ビニル)からなるベース部材70を備えている。このベース部材70の内周面に沿って、カーラ巻付用空気袋79、カーラ78、測定用空気袋77、内カバー76Bおよび外カバー76Aが順に設けられている。この例では、外カバー76Aがカフ3の内周面3iに相当し、カーラ巻付用空気袋79と測定用空気袋77とが流体袋に相当する。
外カバー76Aは、図示しない襞を有する円筒状の伸縮可能な布からなっている。内カバー76Bは、測定時に上腕90が痛くならないように外カバー76Aよりも厚い円筒状のクッション材(例えば、発砲スポンジ材)からなっている。外カバー76Aおよび内カバー76Bは、ベース部材70に対して着脱可能になっている。例えば、外カバー76Aは、汚れたら取り外されて洗濯され、それから再装着され得る。
カーラ巻付用空気袋79は、伸縮可能な樹脂(例えば、ポリウレタン)からなっている。図14(A)(カフ3の中心軸Cに対して垂直な断面を示す。)中に示すように、カーラ巻付用空気袋79は、この例では、ベース部材70の内周面に沿って、6つに区分して設けられている。
カーラ78は、適度の可撓性を有する樹脂(例えば、ポリプロピレン)からなり、展開状態では平板状であるが、図14(A)の状態(自然状態)では上腕90を取り巻く略環状の形状をもち、周方向の端部同士がオーバラップするように作製されている。
測定用空気袋77は、カーラ巻付用空気袋79と同様に、伸縮可能な樹脂(例えば、ポリウレタン)からなっている。この測定用空気袋77は、カーラ78の内周面に沿って、上腕90の略3分の2周以上を取り巻くことが可能な長さ(周方向寸法)に設定されている(ただし、図14(A)の状態では、測定用空気袋77の周方向の端部同士が比較的大きく離れている。)。
図1~図3によって分かるように、カバー6は、下方へ開いた円弧状(この例では、半円状)断面を有する後面側部分6aと、この後面側部分6aの前方に連なり、後面側部分6aの円弧状断面と同心(中心軸C)の円形断面を有する前面側部分(被測定者に面する側の部分)6eとを、一体に含んでいる。カバー6は、カフハウジング4と同様に、この例ではABS樹脂からなっている。血圧計1がセットアップされた状態では、カバー6とカフハウジング4との間に隙間が生じない。
(揺動機構)
図6に示すように、血圧計1は、本体2に対してカフ3が回転軸Dの周りに揺動するのを許容する揺動機構60を備えている。この揺動機構60は、第1コイルばね61と、第2コイルばね62とを含んでいる。この例では、揺動機構60は、実質的に、第1コイルばね61と第2コイルばね62との2つの部材の追加によって、簡素に構成されている。
図7に模式的に示すように、第1コイルばね61は、本体下部2Bのうち、カフ3の前面3e側の第1部分4b1に対向する位置に立設されている。第2コイルばね62は、本体下部2Bのうち、前後方向(X方向)に関して第1部分4b1と回転軸Dとの間の第2部分4b2に対向する位置に立設されている。図4中に示すように、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2は、いずれも、左右方向(Y方向)に関してカフハウジング下部4b内の略中央に位置している。したがって、第1コイルばね61、第2コイルばね62は、いずれも、カフ3の下方で、左右方向(Y方向)に関してカフ3の略中央に位置している。
図7によって分かるように、本体下部2Bには、水平な底面2bの直上に、前方から後方へ(-X方向へ)向かって次第に高さが高く(Z座標が大きく)なる態様で緩く(上面2aよりも緩く)傾斜した傾斜板部2B1が設けられている。この傾斜板部2B1に対して略垂直に、上方へ向かってストレートに延在する第1心棒63、第2心棒64が立設されている。この例では、第1心棒63、第2心棒64は、揺動機構60の部材数を増やさないように、いずれも一体成形により、傾斜板部2B1と一体に形成されている。第1コイルばね61、第2コイルばね62は、それぞれ、第1心棒63、第2心棒64の周りに嵌合した状態にある。この状態で、第1コイルばね61の下端61b、第2コイルばね62の下端62bが、それぞれ、傾斜板部2B1に取り付けられて固定されている。したがって、この血圧計1が使用されるのに伴って第1コイルばね61、第2コイルばね62の圧縮、伸張が繰り返されたとしても、第1コイルばね61、第2コイルばね62は、本体下部2Bのうちそれらが立設された位置に、しっかりと安定して保持される。一方、第1コイルばね61の上端61a、第2コイルばね62の上端62aは、いずれも、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2には取り付けられておらず、フリーになっている(ただし、図7では、第1コイルばね61の上端61a、第2コイルばね62の上端62aは、それぞれ、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2に当接している。)。
図8に示すように、第1コイルばね61の自然状態での長さL1は第2コイルばね62の自然状態での長さL2よりも長く、かつ、第1コイルばね61のばね定数k1は第2コイルばね62のばね定数k2よりも小さく設定されている。また、この例では、第1コイルばね61の直径φ1は第2コイルばね62の直径φ2よりも大きく設定されている。それに応じて、第1心棒63の直径d1は第2心棒64の直径d2よりも大きく設定されている。
具体的には、第1コイルばね61、第2コイルばね62の仕様は、次の表1の通りに設定されている。また、傾斜板部2B1に沿った第1コイルばね61と第2コイルばね62との間の距離X1はX1=42mm、第2コイルばね62と回転軸Dとの間の距離X2はX2=39mmに、それぞれ設定されている。
(表1)コイルばねの仕様
Figure 0007070022000001
図5は、本体2に設けられた第1コイルばね61、第2コイルばね62と、それらの第1コイルばね61、第2コイルばね62の上端にそれぞれ対向(または当接)するカフ3の第1部分4b1、第2部分4b2の態様を、本体2からカフユニット5を取り外した状態で、前方上方から見たところを示している。この図5中に示すように、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2には、それぞれ、カフ3が回転軸Dの周りに回転するのに伴って第1心棒63、第2心棒64が通るのを許容する第1逃げ部としての第1スリット4b1s、第2逃げ部としての第2スリット4b2sが設けられている。この例では、第1スリット4b1sの幅(Y方向寸法)w1は、第1心棒63の直径d1と第1コイルばね61の直径φ1との間の値に設定されている。同様に、第2スリット4b2sの幅(Y方向寸法)w2は、第2心棒64の直径d2と第2コイルばね62の直径φ2との間の値に設定されている。この結果、カフ3が回転軸Dの周りに下方へ回転するのに伴って、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2は、第1心棒63、第2心棒64と干渉することなく、第1心棒63、第2心棒64が通るのを許容する。一方、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2は、第1コイルばね61の上端61a、第2コイルばね62の上端62aを通さない。したがって、カフ3が回転軸Dの周りに下方へ回転するのに伴って、カフ3の第1部分4b1、第2部分4b2によって、それぞれ第1コイルばね61、第2コイルばね62が圧縮される。逆に、カフ3が回転軸Dの周りに上方へ回転するのに伴って、それぞれ第1コイルばね61、第2コイルばね62が伸張する。
図7に示すように、カフ3に上腕90が挿入されていない待機状態では、カフ3の重量(この例では、約1kg)によって、カフ3の第1部分4b1が第1コイルばね61を自然状態での長さL1から圧縮し、かつ、カフ3の第2部分4b2が第2コイルばね62の上端62aに当接した状態になる。より詳しくは、待機状態では、カフ3の重量によってカフ3が回転軸Dの周りに回転して、カフ3の第1部分4b1が第1コイルばね61を自然状態での長さL1から圧縮する。ここで、第1コイルばね61のばね定数k1は、比較的(第2コイルばね62のばね定数k2よりも)小さく設定されているので、第1コイルばね61は、自然状態での長さL1から容易に圧縮されて、長さが短くなる。この結果、カフ3の第2部分4b2が第2コイルばね62の上端62aに当接する。ここで、第2コイルばね62のばね定数k2は、比較的(第1コイルばね61のばね定数k1よりも)大きく設定されているので、第2コイルばね62は、自然状態での長さL2から少し短くなるだけで、第1コイルばね61の弾性力f1と第2コイルばね62との弾性力f2とによってカフ3の重量を支える状態になる。これによって、カフ3の中心軸Cの水平面Hに対する傾角θが待機角度θsに維持される。この例では、図7に示す待機状態では、第1コイルばね61の弾性力f1=10.41N、第2コイルばね62との弾性力f2=0.95Nにそれぞれなっている。
待機角度θsは、典型的には、標準的な体型の被測定者に合わせて設定され得る。この例では、標準的な体型の被測定者81(図9参照)に合わせて、待機角度θs=18°に設定されている。一般に、大きい体型の被測定者82(図10参照)の場合には、水平面Hに対するカフ3の適切な傾角θは大きくなり、小さい体型の被測定者83(図11参照)の場合には、水平面Hに対するカフ3の適切な傾角θは小さくなる。
揺動機構60は、カフ3に上腕90が挿入されることによって、カフ3の傾角θが待機角度θsから大または小のいずれに変わるのも許容する。したがって、この血圧計1によれば、様々な体型の被測定者81~83がカフ3に上腕90を容易に挿入できる。
また、図9に示すように、標準的な体型の被測定者81であれば、カフ3に上腕90を挿入する際に、カフ3の傾角θを自らの体型に合った適切な角度まで回転させる角度差が略ゼロになる。したがって、その被測定者81は、カフ3の傾角θを探す必要がない。この結果、標準的な体型の被測定者81は、カフ3に上腕90を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
大きい体型の被測定者82の場合には、上述のように、水平面Hに対するカフ3の適切な傾角θは大きくなる。そのような場合、図10に示すように、カフ3に上腕90が挿入されることによってカフ3の内周面3iを上腕90が上向きに押すので(図10中に、この押す力を矢印f3で表している。)、カフ3の傾角θは待機角度θsから大きくなろうとする。ここで、揺動機構60は、図10中に1点鎖線C′で示すように、カフ3の傾角θが待機角度θsから大に変わることを許容する(破線3′は、傾角θの変化に応じたカフ3の位置を示している。)。したがって、カフ3の傾角θはその被測定者82の体型に合わせて大きくなるように追随し、その被測定者82はカフ3の傾角θを探す必要がない。この結果、大きい体型の被測定者82は、カフ3に上腕90を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
より詳しくは、大きい体型の被測定者82の場合には、カフ3に上腕90が挿入されることによってカフ3の傾角θが待機角度θsから大きくなろうとすると、カフ3の第1部分4b1の高さが高くなるのに伴って、第1コイルばね61は伸張する。また、カフ3の第2部分4b2の高さが高くなるのに伴って、第2コイルばね62も少し伸張し、第2部分4b2の高さが或る程度高くなると、第2部分4b2から第2コイルばね62の上端62aが離間する。このようにして、カフ3の傾角θが待機角度θsから大に変わることが許容される。このとき、第1コイルばね61は、伸張しながら、弾性力f1によってカフ3の第1部分4b1を上向きに押す(ただし、第1コイルばね61が伸張するにつれて、弾性力f1は小さくなる。)。したがって、その被測定者82の上腕90がカフ3の内周面3iを上向きに押す力f3は軽い力で済む。したがって、大きい体型の被測定者82は、カフ3に上腕90を挿入したとき、正しい測定姿勢を楽にとることができる。
一方、小さい体型の被測定者83の場合には、上述のように、水平面Hに対するカフ3の適切な傾角θは小さくなる。そのような場合、図11に示すように、カフ3に上腕90が挿入されることによってカフ3の内周面3iを上腕90が下向きに押すので(図11中に、この押す力を矢印f4で表している。)、カフ3の傾角θは待機角度θsから小さくなろうとする。ここで、揺動機構60は、図11中に1点鎖線C″で示すように、カフ3の傾角θが待機角度θsから小に変わることを許容する(破線3″は、傾角θの変化に応じたカフ3の位置を示している。)。したがって、カフ3の傾角θはその被測定者83の体型に合わせて小さくなるように追随し、その被測定者83はカフ3の傾角θを探す必要がない。この結果、小さい体型の被測定者83は、カフ3に上腕90を挿入したとき、正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
より詳しくは、小さい体型の被測定者83の場合には、カフ3に上腕90が挿入されることによってカフ3の傾角θが待機角度θsから小さくなろうとすると、カフ3の第1部分4b1の高さが低くなるのに伴って、第1コイルばね61は収縮する。また、カフ3の第2部分4b2の高さが低くなるのに伴って、第2コイルばね62も収縮する。このようにして、カフ3の傾角θが待機角度θsから小に変わることが許容される。このとき、その被測定者83の上腕90がカフ3の内周面3iを下向きに押す力f4は、主に体重によるものであるから、その被測定者83の上腕90の負担は少ない。したがって、小さい体型の被測定者83は、カフ3に上腕90を挿入したとき、正しい測定姿勢を楽にとることができる。
このように、この血圧計1によれば、様々な体型の被測定者81~83が正しい測定姿勢を短時間でとることができる。
(揺動範囲の規制)
この例では、カフ3の傾角θが変わり得る範囲は、図12中に示す上限傾角θmaxから図13中に示す下限傾角θminまでの範囲に規制されている。
具体的には、図12中に示すように、カフハウジング下部4bの下縁4bbには、前方へ突起した突起4bpが設けられている(この突起4bpは、図4中に示したように、左右方向(Y方向)に関してカフハウジング下部4bの略中央に相当する部位に設けられている。)。この突起4bpは、カフ3の傾角θが待機角度θsから大きくなって予め定められた上限傾角θmaxに達したとき、本体上部2Aの前部内縁2aeに当接する。本体上部2Aの前部内縁2aeは、上ストッパとして働いて、カフ3の傾角θが上限傾角θmaxを上回るのを規制する。したがって、図12では、カフ3は上限位置にある。なお、この例では、この上限位置でも、第1コイルばね61の上端61aは、カフ3の第1部分4b1に当接している。
一方、図13中に示すように、カフ3の傾角θが待機角度θsから小さくなって予め定められた下限傾角θminに達したとき、カフハウジング下部4bの下縁4bbは、傾斜板部2B1に当接する。傾斜板部2B1は、下ストッパとして働いて、カフ3の傾角θが下限傾角θminを下回るのを規制する。したがって、図13では、カフ3は下限位置にある。
この例では、上限傾角θmaxは、想定される最大体型の被測定者に合わせて設定されている。下限傾角θminは、想定される最小体型の被測定者に合わせて設定されている。具体的には、上限傾角θmax=32°、下限傾角θmin=15°にそれぞれ設定されている。なお、既述の傾斜板部2B1の水平面Hに対する緩い傾斜は、下限傾角θmin=15°を実現するために設定されている。
このように、この例では、カフ3の傾角θが変わり得る範囲は、図12中に示す上限傾角θmaxから図13中に示す下限傾角θminまでの範囲に規制されている。したがって、カフ3の傾角θが無用な範囲に変わるのを防止できる。
(制御系のブロック構成)
図15は、本体2にカフユニット5が装着された状態の血圧計1の制御系のブロック構成を示している。図15中に示すように、カフユニット5が本体2に装着された状態では、カフユニット5内の測定用空気袋77は、流体コネクタ51(図5参照)を介して、本体2内の測定用エア系20に接続されている。カフユニット5内のカーラ巻付用空気袋79は、流体コネクタ52,53(図5参照)を介して、本体2内のカーラ巻付用エア系30に接続されている。また、測定用エア系20およびカーラ巻付用エア系30の動作は、それぞれCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)40によって制御される。
測定用エア系20は、エアポンプ21と、エアバルブ22と、圧力センサ23とを含んでいる。エアポンプ21は、測定用空気袋77内を加圧するための手段であり、CPU40からの指令を受けたエアポンプ駆動回路26によって駆動され、測定時において測定用空気袋77内の圧力が所定の圧力となるように、流体としての空気を送り込む。
エアバルブ22は、測定用空気袋77内の圧力を維持したり、あるいは減圧したりするための手段であり、CPU40からの指令を受けたエアバルブ駆動回路27によってその開閉状態が制御され、測定時においてエアポンプ21によって高圧状態となった測定用空気袋77内の圧力の維持および減圧を行うとともに、測定終了後において測定用空気袋77内を大気圧に復帰させる。
圧力センサ23は、測定用空気袋77内の圧力を検出するための手段であり、測定時において時々刻々と変化する測定用空気袋77内の圧力を検出し、その検出値に応じた信号を増幅器28に対して出力する。増幅器28は、圧力センサ23から出力される信号を増幅し、A/Dコンバータ29に出力する。A/Dコンバータ29は、増幅器28から出力されたアナログ信号をデジタル化し、CPU40に出力する。
カーラ巻付用エア系30は、エアポンプ31と、エアバルブ32と、圧力センサ33とを含んでいる。エアポンプ31は、カーラ巻付用空気袋79内を加圧するための手段であり、CPU40からの指令を受けたエアポンプ駆動回路36によって駆動され、測定開始時においてカーラ巻付用空気袋79内の圧力が所定の圧力となるように、流体としての空気を送り込む。
エアバルブ32は、カーラ巻付用空気袋79内の圧力の維持および減圧を行うための手段であり、CPU40からの指令を受けたエアバルブ駆動回路37によってその開閉状態が制御され、測定時においてエアポンプ31によって高圧状態となったカーラ巻付用空気袋79内の圧力の維持を行うとともに、測定終了後においてカーラ巻付用空気袋79内を大気圧に復帰させる。
圧力センサ33は、カーラ巻付用空気袋79内の圧力を検出するための手段であり、測定開始時においてカーラ巻付用空気袋79内の圧力を検出し、その検出値に応じた信号を増幅器38に対して出力する。
増幅器38は、圧力センサ33から出力される信号を増幅し、A/Dコンバータ39に出力する。A/Dコンバータ39は、増幅器38から出力されたアナログ信号をデジタル化し、CPU40に出力する。
出力部42は、この例では、既述の表示器11と、プリンタ12と、さらに図示しないスピーカを含んでいる。
操作部43は、この例では、既述の測定開始/停止スイッチ13A,13Bと、プリント指示スイッチ14とを含んでいる。
CPU40は、操作部43に入力された指令に基づいて測定用エア系20およびカーラ巻付用エア系30の制御を行うとともに、測定結果を出力部42およびメモリ部41に出力する。なお、メモリ部41は、測定結果を記憶するための手段である。また、CPU40は、プリント指示スイッチ14が押されたとき、測定結果をプリンタ12によって紙(この例では、ロール紙)にプリントアウトさせる。
(血圧測定動作)
図16は、上述の構成の血圧計1におけるCPU40による血圧測定の動作フローを示している。この例では、被測定者がカフユニット5に上腕90を通した状態で、本体2の操作部43に設けられた測定開始/停止スイッチ13Aまたは13Bを押下することにより、測定動作に移行する。
まず、ステップS1において、血圧計1の初期化が行われる。このとき、カフユニット5(カフ構造体7)では、図14(A)中に示したように、測定用空気袋77とカーラ巻付用空気袋79内の圧力はいずれもゼロ(大気圧)になっている。この状態(自然状態)では、カーラ78の周方向の端部同士がオーバラップし、測定用空気袋77の周方向の端部同士が比較的大きく離れている。
次に、図16のステップS2において、CPU40が圧力制御部として働いて、エアポンプ31から流体コネクタ52,53を介して、カーラ巻付用空気袋79に空気を供給する。これにより、カーラ巻付用空気袋79の加圧が行われる。このとき、カフユニット5(カフ構造体7)では、図14(B)中に矢印A11で示すように、カーラ巻付用空気袋79が径方向内向きに膨張してカーラ78を径方向内向きに圧迫する。これにより、矢印A12で示すようにカーラ78の周方向の端部同士のオーバラップ寸法が増えて、測定用空気袋77の周方向の端部同士が接近する。そして、カーラ巻付用空気袋79内の圧力が所定の圧力に達した時点で、カーラ巻付用空気袋79の加圧が終了する(ステップS3)。この結果、図14(C)中に示すように、上腕90が測定用空気袋77によって取り巻かれた状態になる。
次に、図16のステップS4において、CPU40が圧力制御部として働いて、エアポンプ21から流体コネクタ51を介して、測定用空気袋77に空気を供給する。これにより、測定用空気袋77の加圧が行われる。そして、測定用空気袋77内の圧力が所定の圧力に達した時点で測定用空気袋77の加圧を終了し、ステップS5において、測定用空気袋77の減圧を開始する。
その後、ステップS6において、CPU40は血圧算出部として働いて、圧力センサ23の出力に基づいて動脈圧脈波(圧力の変動成分)の検出を行い、上記動脈圧脈波の検出データに基づいて血圧値の算出を行う(オシロメトリック法)。血圧値の算出が完了したら、ステップS7において、本体2の出力部42に設けられた表示器11において血圧値の表示が行われるとともに、ステップS8において、カーラ巻付用空気袋79内および測定用空気袋77内の大気への開放が行われる。
このように、この血圧計1によれば、被測定者にとって簡単に血圧測定が行われる。なお、血圧の算出は、減圧過程ではなく、加圧過程で行われてもよい。
(腕挿入検知)
図15中に示すように、カフ3には、加速度センサ44が設けられている。この加速度センサ44は、図4中に示したように、カフハウジング下部4b内の前面側(+X側)寄りの部位に、カフハウジング下部4b(したがって、カフ3)と一体に設けられている。この加速度センサ44は、この加速度センサ44に固定された3軸(この例では、図19A中に示すx軸、y軸、z軸)の加速度成分を出力するようになっている。この加速度センサ44の3軸の出力は、図15中に示すA/Dコンバータ45を介してデジタル化されて、CPU40に入力される。この例では、CPU40は腕挿入判定部として働いて、加速度センサ44の出力の変化に基づいて、カフ3に腕が挿入されたか否かを判定する。
具体的には、図17のフローに示すように、まず、CPU40は加速度センサ44の3軸の出力を検出する(ステップS11)。この加速度センサ44の3軸の出力をαx,αy,αzとする。
次に、ステップS12で、CPU40は、3軸の出力αx,αy,αzから、図示しないローパスフィルタを介して環境ノイズや操作時の振動を除去する。この例では、ローパスフィルタの遮断周波数は5Hzに設定されているものとする。
次に、ステップS13で、CPU40は、そのローパスフィルタを介して濾波された信号について、公知の移動平均処理を行う。この移動平均処理によって得られた平均値を<αx>,<αy>,<αz>とする。
次に、ステップS14で、CPU40は、微分処理することで変化点を抽出する。詳しくは、CPU40は、単位期間中の各時刻の加速度出力αx,αy,αzがそれぞれ平均値<αx>,<αy>,<αz>に対して変動した変動量(αx-<αx>)、(αy-<αy>)、(αz-<αz>)を求める。
ここで、図18(A),図18(B)は、加速度センサ44によって出力される加速度の変動量(1成分、この例では(αx-<αx>)を表す。)を経時的に示している(縦軸の単位は、CPU40による演算処理上の任意単位になっている。)。図18(A)は、カフ3に腕がゆっくり挿入されたときの加速度の変動量に相当する。図18(B)は、カフ3に腕が普通に挿入されたときの加速度の変動量に相当する。図18(A),図18(B)中のマイナス側へのピークP1,P2は、腕がカフ3の内周面3iに当接したことによるピークを表している。この例では、これらの図18(A),図18(B)に基づいて、加速度の変動量の各成分について、第1の閾値として±0.005(すなわち、プラス側閾値UL=+0.005、マイナス側閾値LL=-0.005)が定められている。
次に、図17のステップS15で、加速度の変動量(αx-<αx>)、(αy-<αy>)、(αz-<αz>)が第1の閾値UL,LLを超えたか(より正確な表現では、プラス側閾値ULを上回ったか、または、マイナス側閾値LLを下回ったか)否かを判定する。ここで、加速度の変動量(αx-<αx>)、(αy-<αy>)、(αz-<αz>)のいずれも第1の閾値UL,LLを超えていなければ(ステップS15でNO)、CPU40は、カフ3に腕が挿入されていないと判断して、ステップS11に戻って処理を継続する。一方、加速度の変動量(αx-<αx>)、(αy-<αy>)、(αz-<αz>)のいずれかが第1の閾値UL,LLを超えていれば(ステップS15でYES)、CPU40は、カフ3に腕が挿入されたと判断する(ステップS16)。
したがって、この判定結果に基づいて、CPU40は、例えば適切なタイミングで、出力部42を通して、測定を開始するための操作方法、とるべき測定姿勢などのガイダンス(案内)を、音声や表示で発することができる。この結果、被測定者が操作に不慣れであっても、円滑に正しい操作を行うことができ、正しい血圧測定結果を得ることができる。
この血圧計1では、カフ3に上腕90が挿入されていない待機状態では、カフ3は揺動機構60によって緩く支持されており、カフ3の傾角θは待機角度θsから大または小のいずれにも容易に変わり得る。したがって、加速度センサ44による腕挿入検知の精度を高めることができる。また、加速度センサ44は、カフハウジング下部4b内の前面側(+X側)寄りの部位に設けられているので、カフ3に腕が挿入される際に、回転軸D近傍の部位に比して大きく移動する。したがって、加速度センサ44による腕挿入検知の精度をさらに高めることができる。
なお、上の例では、加速度の変動量(αx-<αx>)、(αy-<αy>)、(αz-<αz>)の成分毎に第1の閾値UL,LLを定めたが、これに限られるものではない。例えば、加速度の変動量の2乗和平方根{(αx-<αx>)+(αy-<αy>)+(αz-<αz>)1/2を求め、この2乗和平方根に対して第1の閾値を定めてもよい。そして、この2乗和平方根が第1の閾値を超えたか否かに応じて、カフ3に腕が挿入されたか否かを判定してもよい。
(下部圧迫判定)
上述のように、加速度センサ44は、この加速度センサ44に固定された3軸(この例では、図19A中に示すx軸、y軸、z軸)の加速度成分を出力するようになっている。x軸は概ね前後方向、y軸は左右方向、z軸は概ね上下方向(鉛直方向)に向けられている。カフ3の揺動に伴って、XYZ直交座標系に対する3軸(xyz直交座標系)の向き、特にZ軸(すなわち、重力加速度ベクトルGの向き)に対するz軸の向きは変動する。例えば、図19A中に示すように、カフ3が待機状態にあるとき、重力加速度ベクトルGに対する加速度センサ44のz軸の角度がφであるものとする。このとき、加速度センサ44のz軸が出力する重力加速度の成分は、概ねGcosφになる。図19B中に示すように、カフ3が上限位置にあるとき、重力加速度ベクトルGに対する加速度センサ44のz軸の角度はφ′(>φ)になる。このとき、加速度センサ44のz軸が出力する重力加速度の成分は、概ねGcosφ′(<Gcosφ)になる。逆に、図19C中に示すように、カフ3が下限位置にあるとき、重力加速度ベクトルGに対する加速度センサ44のz軸の角度はφ″(<φ)になる。このとき、加速度センサ44のz軸が出力する重力加速度の成分は、概ねGcosφ″(>Gcosφ)になる。そこで、この例では、CPU40は下部圧迫判定部として働いて、加速度センサ44のz軸が出力する重力加速度ベクトルGの成分に基づいて、カフ3が下方へ押し付けられた状態(下部圧迫状態)にあるか否かを判定する。
具体的には、図20のフローに示すように、まず、CPU40は加速度センサ44のz軸の出力を検出する(ステップS21)。この加速度センサ44のz軸の出力をαzとする。
次に、ステップS22で、CPU40は、z軸の出力αzから、図示しないローパスフィルタを介して環境ノイズや操作時の振動を除去する。この例では、ローパスフィルタの遮断周波数は5Hzに設定されているものとする。
ここで、図21中の破線J1は、図19C中に示すようにカフ3が下限位置にあるときに、そのローパスフィルタを介して濾波された信号(簡単のため、絶対値で、|αz|で表す。)を経時的に示している。この例では、この図21に基づいて、その濾波された信号|αz|について、第2の閾値ULzとして0.206が定められている。
次に、図20のステップS23で、CPU40は、その濾波された信号|αz|が第2の閾値ULzを超えたか否かを判定する。ここで、濾波された信号|αz|が第2の閾値ULzを超えていなければ(ステップS23でNO)、CPU40は、カフ3が下方へ押し付けられていないと判断して、ステップS21に戻って処理を継続する。一方、濾波された信号|αz|が第2の閾値ULzを超えていれば(ステップS23でYES)、CPU40は、カフ3が下方へ押し付けられた下部圧迫状態にあると判断して、その旨を報知する(ステップS24)。この例では、CPU40は、出力部42を通して、下部圧迫状態にある旨を、音声や表示で発する。
被測定者は、その報知によって下部圧迫状態にあることを知り、例えば尻の下に座布団を敷いて自らの肩の高さを高くするなど、必要な対処をとることができる。
なお、上の例では、ローパスフィルタを介して濾波された信号|αz|についてそのまま第2の閾値ULzを定めたが、これに限られるものではない。例えば、濾波された信号|αz|について公知の移動平均処理を行い、この移動平均処理によって得られた平均値<|αz|>について第2の閾値を定めてもよい。例えば、図21中の破線J2は、この移動平均処理によって得られた平均値<|αz|>を示している。この移動平均処理によって得られた平均値<|αz|>が第2の閾値を超えたか否かに応じて、下部圧迫状態にあるか否かを判定してもよい。
なお、上記ローパスフィルタの遮断周波数、第1の閾値UL,LL、および、第2の閾値ULzは、血圧計1が設置された環境に応じて定めるのが望ましい。
この実施形態では、カフ3は、カフハウジング4と、このカフハウジング4に着脱可能に装着されるカフユニット5とによって構成されているものとした。しかしながら、これに限られるものではない。カフ3のカフハウジング4とカフユニット5とは着脱不能に一体に構成されていてもよい。
また、この実施形態では、カフユニット5は、ベース部材70内に、カーラ巻付用空気袋79、カーラ78、測定用空気袋77を備えたが、これに限られるものではない。カーラ巻付用空気袋79とカーラ78を省略して、測定用空気袋77のみによって被測定部位を圧迫するようになっていてもよい。
この実施形態では、カフユニット5に挿入される被測定部位は、上腕90であるものとしたが、これに限られるものではない。被測定部位は、手首、指、下肢などであってもよい。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
1 血圧計
2 本体
3 カフ
4 カフハウジング
4b カフハウジング下部
4b1 第1部分
4b2 第2部分
5 カフユニット
6 カバー
7 カフ構造体
44 加速度センサ
60 揺動機構
61 第1コイルばね
62 第2コイルばね
70 ベース部材
77 測定用空気袋
78 カーラ
79 カーラ巻付用空気袋

Claims (6)

  1. 本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられ、被測定者の上腕が挿入される筒状のカフとを備えた血圧計であって、
    上記カフは、このカフの内周面に沿って、被測定者の上腕を圧迫するための流体袋を有するとともに、このカフの中心軸が延在する方向に関して、血圧測定時に被測定者に面して配される前面側とは反対の後面側が上記回転軸に取り付けられており、
    上記カフに上腕が挿入されていない待機状態で、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角を上記前面側が上記後面側よりも高い或る待機角度に維持するとともに、上記カフに上腕が挿入されることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度から大または小のいずれに変わるのも許容する揺動機構を備え
    上記揺動機構は、
    上記本体のうち、上記カフの上記前面側の第1部分に対向する位置に立設された第1コイルばねと、
    上記本体のうち、前後方向に関して上記第1部分と上記回転軸との間の第2部分に対向する位置に立設された第2コイルばねと
    を有し、
    上記第1コイルばねの自然状態での長さは上記第2コイルばねの自然状態での長さよりも長く、かつ、上記第1コイルばねのばね定数は上記第2コイルばねのばね定数よりも小さく設定され、
    上記待機状態では、上記カフの重量によって上記カフの上記第1部分が上記第1コイルばねを自然状態での長さから圧縮し、かつ、上記カフの上記第2部分が上記第2コイルばねの上端に当接した状態になることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度に維持されることを特徴とする血圧計。
  2. 請求項に記載の血圧計において、
    上記第1コイルばね、上記第2コイルばねは、それぞれ、上記本体の上記第1コイルばね、上記第2コイルばねに対応する位置に立設された第1心棒、第2心棒の周りに嵌合しており、
    上記カフの上記第1部分、上記第2部分には、それぞれ、上記カフが上記回転軸の周りに回転するのに伴って上記第1心棒、上記第2心棒が通るのを許容する第1逃げ部、第2逃げ部が設けられていることを特徴とする血圧計。
  3. 請求項1または2に記載の血圧計において、
    上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が、上記待機角度から大に変わるとき予め定められた上限傾角を超えるのを規制する上ストッパと、
    上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が、上記待機角度から小に変わるとき予め定められた下限傾角を下回るのを規制する下ストッパと
    を備えたことを特徴とする血圧計。
  4. 本体と、この本体に対して水平な回転軸の周りに回動可能に取り付けられ、被測定者の上腕が挿入される筒状のカフとを備えた血圧計であって、
    上記カフは、このカフの内周面に沿って、被測定者の上腕を圧迫するための流体袋を有するとともに、このカフの中心軸が延在する方向に関して、血圧測定時に被測定者に面して配される前面側とは反対の後面側が上記回転軸に取り付けられており、
    上記カフに上腕が挿入されていない待機状態で、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角を上記前面側が上記後面側よりも高い或る待機角度に維持するとともに、上記カフに上腕が挿入されることによって、上記カフの中心軸の水平面に対する傾角が上記待機角度から大または小のいずれに変わるのも許容する揺動機構と、
    上記カフに一体に取り付けられた加速度センサと、
    上記加速度センサの出力の変化に基づいて、上記カフに腕が挿入されたか否かを判定する腕挿入判定部と
    を備えたことを特徴とする血圧計。
  5. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の血圧計において、
    上記カフに一体に取り付けられた加速度センサと、
    上記加速度センサが出力する重力加速度ベクトルの成分に基づいて、上記カフが下方へ押し付けられた状態にあるか否かを判定する下部圧迫判定部と
    を備えたことを特徴とする血圧計。
  6. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の血圧計において、
    上記本体は、
    ポンプと、
    上記ポンプから上記カフの上記流体袋に流体を供給して、上記カフに挿入された被測定部位を圧迫する制御を行う圧力制御部と、
    上記流体の圧力に基づいて血圧を算出する血圧算出部と
    を備えたことを特徴とする血圧計。
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