JP2006198389A - ロボット、および、そのロボットとともに使用される携帯可能な記憶媒体 - Google Patents

ロボット、および、そのロボットとともに使用される携帯可能な記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】一台のロボットを種々の人間が容易に兼用できるようにするとともに、また、ロボット制御のための駆動情報を使用者の日頃の動作状態に応じて最適な値に設定できるようにする。
【解決手段】外部環境から加えられた外力や変位に基づいてロボット本体1を駆動制御する場合、まず、使用者の携帯可能な記憶媒体3に、インピーダンス制御用の慣性係数M、粘性係数D、剛性係数K、ロボット本体1の初期形状、ロボット本体1の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度に関する駆動情報を記憶しておく。そして、この記憶媒体3から駆動情報を無線で読み出し、これらの駆動情報を用いてロボット本体1を駆動する。また、このロボット本体1の動作結果に関する情報として、慣性係数、粘性係数、剛性係数、動作範囲、補助力、手先の動作位置、手先の動作速度など情報を記憶媒体3に記憶させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、人間の動きを補助するロボットに関するものであり、より詳しくは、補助される人間の動きに対応した制御を可能にしたロボットに関するものである。
近年、介護用ロボットなどのように、人間などの外部環境から加えられる外力や変位を検出してその人間の動きをアシストするいわゆるアシスト型のロボットが提案されている。このアシスト型のロボットに関しては、本発明者が提案するものとして下記の特許文献1に記載するようなものが存在している。
この特許文献1に開示されるロボットは、腕の不自由な被介護者の動きをアシストするもので、被介護者の小さな外力のみを検出するのではなく、被介護者の腕の動きの変位を検出し、その変位に基づいてアームを移動させるようにロボット本体をインピーダンス制御するものである。
特開2004−123456号公報
ところで、このようなインピーダンス制御は、人間の動きに対応した動作を行わせるもので、例えば、人間が軽い物を持った場合には軽くアームを動かし、また、人間が重い物を持った場合には硬くアームを動かすようにしたものである。具体的には、下記の式1によってロボット本体を制御されるものである。
Mp"+Dp'+Kp=F …(式1)
M :インピーダンス特性における慣性係数
D :インピーダンス特性における粘性係数
K :インピーダンス特性における剛性係数
F :ロボットアームの先端に作用する外力
p :算出すべきロボット本体のエンドエフェクタの位置
p’:算出すべきロボット本体のエンドエフェクタの速度
p":算出すべきロボット本体のエンドエフェクタの加速度
なお、これらのエンドエフェクタの位置p、速度p’、加速度p"は、それぞれ差分によって演算されるものである。そして、インピーダンス制御は、この式1を用いて、算出された位置pにエンドエフェクタを移動させるようにアクチュエータを駆動制御するようにしたものである。
ところで、このようなインピーダンス制御のパラメータM(慣性係数)、D(粘性係数)、K(剛性係数)などは、一般に、動作開始前にオペレータによって直接制御装置にキーボードを用いて入力される。
しかしながら、ロボットの汎用化が進み、一台のロボットを種々の人間が兼用するようになった場合、使用者が交代するたびに、オペレータがその使用者に応じてパラメータM(慣性係数)、D(粘性係数)、K(剛性係数)などを設定し直さなければならないといった問題が生ずる。
また、このようなパラメータM(慣性係数)、D(粘性係数)、K(剛性係数)は、使用者の運動能力に応じて設定されるものであるが、これらの値は、使用者の日頃の動作状態を正確に把握しておかなければ最適に設定することができない。
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、汎用性を持たせたロボットにおいて、使用者が交代する都度、キーボードを用いてパラメータを設定し直す必要がなく、人間に対応した制御を行えるようにしたロボットを提供することを目的とする。
また、第二の目的として、ロボット本体を駆動するための駆動情報を使用者の日頃の動作状態に応じて最適な値に設定できるようにしたロボットを提供することを第二の目的とする。
本発明のロボットは、上記課題を解決するために、ロボット本体と、当該ロボット本体を駆動制御する制御装置を備えてなるロボットにおいて、前記ロボット本体を駆動制御するための駆動情報を記憶した携帯可能な記憶媒体から当該駆動情報を読み取る読取手段とを備え、当該読み取られた駆動情報を用いてロボット本体を駆動制御するようにしたものである。
このように構成すれば、使用者ごとにパラメータなどを記憶媒体に記憶させておけば、そのパラメータをロボットに読み取らせるだけで、その使用者に対応した最適な制御を行わせることができ、使用者が交代する都度、オペレータがその使用者に対応してパラメータを設定し直さなければならないといった不具合を解消することができる。
また、好ましい態様として、記憶媒体に使用者の生体情報も記憶させておき、その生体情報とカメラなどによって使用者から直接得られた生体情報とが一致していることを条件に、前記記憶媒体に記憶された駆動情報に基づいた制御を行う。
このようにすれば、その通信エリア内に複数のロボットが存在したとしても、顔認識などを行うことによって実際のロボット使用者と記憶媒体に記憶された生体情報とを照合することができるため、ロボットと人間とが対応しなくなるという不具合を解消することができる。
また、このような駆動情報としては、ロボット本体をインピーダンス制御するための慣性係数、粘性係数、剛性係数、ロボット本体の初期形状、ロボット本体の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度のうち少なくとも一つを含むものを用いる。
このようにすれば、使用者の運動能力に合わせてロボット本体の動作に硬さや柔らかさを持たせることができるため、例えば、重たい物を持つような使用者に対しては硬い動きを行わせ、また、軽い物を持つ使用者に対しては柔らかい動きにして迅速な移動を可能にすることができる。また、使用者の体格や姿勢などに応じてロボット本体の初期形状を設定することができるため、ロボットを使用する際に、使用者の姿態に合わせて身体をロボット本体に装着させることができるようになる。
更に、このような駆動情報を記憶媒体からロボット側に無線で送信できるようにする。
このようにすれば、無線通信エリアにその記憶媒体が入ってきただけで、その使用者の駆動情報を読み取ることができるため、手の動きの不自由な被介護者であっても、容易にその使用者に適した駆動情報を読み取らせることができる。
加えて、このようにロボットを駆動制御した結果情報を記憶媒体に記憶させるようにする。
このようにすれば、駆動制御中にその使用者の動作状態を記憶媒体に記憶させておけば、その情報を後日チェックするだけで、その使用者が日常生活でどのような動きをしているのかを把握することができ、わざわざオペレータが現場の動作状態を観察してパラメータなどを設定し直すといった煩わしさを解消することができる。
そして、このように動作状態を記憶させる場合、インピーダンス制御を行うための慣性係数、粘性係数、剛性係数、ロボット本体の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度のうち少なくとも一つを含むようにする。
このようにすれば、記憶媒体にあらかじめ設定されている駆動情報が使用者の動作に適しているか否かを把握することができるようになる。
本発明では、ロボット本体と、当該ロボット本体を駆動制御する制御装置を備えてなるロボットにおいて、前記ロボット本体を駆動制御するための駆動情報を記憶した携帯可能な記憶媒体から当該駆動情報を読み取る読取手段とを備え、当該読み取られた駆動情報を用いてロボット本体を駆動制御するようにしたので、ロボットの使用者が交代しても、駆動情報をロボットに読み取らせるだけで、その使用者に対応した最適な制御を行わせることができるようになる。これにより、使用者が交代する都度、オペレータがキーボードなどを用いてパラメータなどを設定し直すといった不具合を解消することができるようになる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるロボット100の使用状態を示したものであって、記憶媒体3を保持した使用者がロボット100を使用する状態を示したものである。また、図2から図5は、そのロボット本体1の先端部近傍の機構図を示したものであり、また図6及び図7は、ロボット100のインピーダンス制御装置2のブロック図及び制御線図を示したものである。
この実施の形態におけるロボット100は、図1に示すように、腕の不自由な人間の腕の動きをアシストするもので、ロボット本体1と、インピーダンス制御装置2とを備えて構成される。このロボット本体1は、人間の腕を載置した状態でその変位を許容する変位機構11(図2〜図5参照)と、複数の関節によって接続された複数のアーム10と、このアーム10を駆動させるための図示しないアクチュエータを具備してなり、また、インピーダンス制御装置2は、このロボット本体1をインピーダンス制御するコンピュータによって構成される。このインピーダンス制御装置2は、ロボット本体1内に組み込むようにしても良く、若しくは、ロボット本体1に隣接した位置に設けるようにしても良い。但し、余り離れた位置にこのインピーダンス制御装置2を設けると、他人の記憶媒体3の駆動情報を読み取ってしまう可能性があるため、ロボット本体1の動作範囲内に設けるのが好ましい。図1においては、このインピーダンス制御装置2をロボット本体1の近傍に設けた場合について例示している。そして、このロボット100は、利用者が保持している記憶媒体3からその内部に記憶されている駆動情報を無線で読み取り、その駆動情報を用いてロボット本体1をインピーダンス制御し、また、そのロボット本体1を駆動制御した結果情報を記憶媒体3に送信出力して記憶させるようにしている。
なお、この実施の形態においては、ロボット100として、人間の腕を保持するアーム形状のロボット100を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、人間の身体全体を包み込み、その人間の手足の動きを検知してロボットの脚部や腕部のアームを動かすようなロボットなどにも適用することができる。
まず、このロボット本体1の機構について説明する。ロボット本体1の先端部分に設けられる変位機構11は、図2などに示すように、人間の肘から手首までの上腕部分を載置する湾曲した載置部材11dを有する載置台11aと、アーム先端10a部分に取り付けられる平面状のベース部材11cと、これらの載置台11aとベース部材11cとを連結する連結部材11bとを具備してなる。この載置台11aとベース部材11cは、連結部材11bによって平行リンク機構を構成しており、載置部材11dを図3〜図5に示すような方向に移動させるようにしている。
載置台11aは、載置部材11dに溶着されてなるもので、載置部材11dと一体となって変位できるようになっている。この載置部材11dは、人間の上腕部分を包み込むようにな湾曲形状をなしており、ベルトなどによって人間の腕を拘束することなく、その上方部分を自由に開放できるようにしている。すなわち、ベルトなどによって腕を拘束すると、使用者に不安感を持たせることになるため、腕を載置するだけでその動きに追従できるようにしている。
アーム10の先端に取り付けられたベース部材11cは、この載置台11aの下方位置に上向き凹状に設けられるもので、その凹状に構成された両側面に、2本の線状の連結部材11bを回動可能に取り付けている。そして、この連結部材11bによって、図3の破線で示すように、腕を左右方向に平行移動させ、また、図4の破線で示すように、腕を傾動させられるようにし、更には、図5の破線で示すように、腕を左右にスウィングさせるようにしている。なお、図3は、変位機構11の正面図を示し、図4は、変位機構の側面図、図5は、変位機構の平面図を示している。
このように構成された変位機構11の内部には、変位検出センサ12が設けら、また、その変位機構11の下方には力覚センサ13が設けられている。
この変位検出センサ12は、図2などに示すように、ケーシング12cから突出するスティック12aと、スティック12aの傾動角度を検出する図示しないエンコーダを具備してなる。そして、載置台11aの変位に伴ってそのスティック12aを傾動させ、そのスティック12aの先端部分のx方向、y方向、z方向の変位を検出する。このスティック12aの傾動範囲は、ケーシング12cに設けられた窓部12dの範囲内に規制され、これによって載置台11a及び載置部材11dの変位量も規制される。
力覚センサ13は、アーム先端10aとベース部材11cとの間に挟み込まれるようにして取り付けられるもので、腕から作用するx方向、y方向、z方向の外力、及び、x軸回り、y軸回り、z軸回りの外力(トルク)を検出する。
一方、インピーダンス制御装置2は、パーソナルコンピュータやサーボドライバなどによって構成され、内蔵するCPUやメモリなどを用いて、図6に示す変位検出手段20、外力検出手段21、送受信手段22、演算手段23、制御手段24を機能させ、また、後述するカメラ4から送信されてくる画像情報に基づいて使用者の顔を認識する生体認証手段25を機能させる。
このうち変位検出手段20は、変位機構11の内部に設けられた変位検出センサ12からの信号に基づいてスティック12aの先端部の座標位置を検出する。この検出は、あらかじめサンプリング時間を設定し、このサンプリング時間毎に変位検出センサ12のエンコーダの変位角度θi(i=x、y、z)を読み出すことによって行う。そして、これによりスティック先端部12bの座標p0は、下式2〜式4によって算出される。
x軸方向;p0=Lsinθx+p (式2)
y軸方向;p0=Lsinθy+p (式3)
z軸方向;p0=Lcosθz+p (式4)
なお、ここでLはスティック12aの長さであり、pはアーム先端10aの座標であって記憶媒体3に記憶された初期形状に関する情報から逐次演算されるものである。
外力検出手段21は、アーム先端10aに設けられた力覚センサ13からの入力信号に基づいて外部環境の外力を検出する。この外力の検出についても同様に、あらかじめサンプリング時間を設定し、このサンプリング時間毎に力覚センサ13の信号を読み出して、x軸方向、y軸方向、z軸方向の外力Fi(i=x、y、z)を検出する。この力覚センサ13で検出できる外力の閾値は、ノイズの影響によるロボット本体1の誤動作を防止できる程度の大きさに設定される。
送受信手段22は、本発明における読出手段を構成するもので、インピーダンス制御のために用いられるパラメータである慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kなどの駆動情報を記憶媒体3から読み取る。この読み取りは、無線によって行われる。また、この送受信手段22は、ロボット本体1を駆動制御した際に得られた結果情報を記憶媒体3に送信してメモリ30に記憶させる。
この記憶媒体3は、利用者が携帯しうる大きさを有するもので、内部にメモリ30やICチップ31などを有し、また、無線によってインピーダンス制御装置2と通信を行うための送受信手段32を設けている。この記憶媒体3には、ロボット100を駆動制御させるための駆動情報として次のような情報が記憶されている。
(1)慣性係数Mの初期値、下限値、上限値
(2)粘性係数Dの初期値、下限値、上限値
(3)剛性係数Kの初期値、下限値、上限値
(4)慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kの関係情報
(5)ロボット本体を利用者が使用する際のアームの初期位置
(6)使用者の氏名、年齢、性別、身長、体重、各種運動能力、生体情報
(7)ロボット本体の動作範囲
(8)補助力の下限値、上限値
(9)手先の位置、動作速度の下限値、上限値
なお、ここで(6)における生体情報とは、その使用者の顔や体型などのような人間固有の情報であり、画像処理技術を用いて人間を特定できるようにした情報である。
更に、このメモリ30には、ロボット100の駆動制御に対する結果情報を格納するための結果情報エリアが設けられており、このエリアに格納された情報を後日読み出して、医者やオペレータなどに表示できるようにしている。この結果情報を見た医者やオペレータは、その使用者の日常生活における運動適正などを把握し、その適正に応じたパラメータなどを設定して記憶媒体3に記憶させる。この結果情報エリアには、次のような結果情報が記憶される。
(1)慣性係数Mの値
(2)粘性係数Dの値
(3)剛性係数Kの値
(4)補助力
(5)手先の位置、動作速度
また、このロボット100には、使用者の顔を撮像できるようにしたカメラ4が接続可能に設けられている。このカメラ4は、使用者の顔を撮像できるような比較的離れた位置に設けられる。このようなカメラ4は、一台であってもよく、また、複数台であってもよい。一台のカメラであれば、その使用者の顔の向きが変わった場合には、その顔の画像を取得することができないため、視野角を広くするか、もしくは、設置位置を変更できるようにするのが好ましい。一方、複数台のカメラを設けた場合は、生体情報を取得するために最適な画像を撮像するカメラを選択するのが好ましい。このように複数台のカメラを用いる場合は、カメラとロボット本体1との間に障害物が存在するような場合に有効であり、また、逆光などによって画像をうまく取得できないような場合にも、他のカメラを用いて顔の画像を取得することができるので有効である。
このカメラ4によって取得された顔の画像は、有線もしくは無線によってインピーダンス制御装置2まで送信され、生体認証手段25によって顔の画像の特徴点などの生体情報が抽出される。一般的に生体認証を行う場合、撮影した顔の画像から、傾きや位置を検出して補正し、特徴点(眼の中心、唇の端など)の位置や点同士の距離などを計測する。このように計測された生体情報は、あらかじめ記憶媒体3に記憶されていた生体情報と一致するか否か判断され、これらの生体情報が一致している場合には、記憶媒体3に記憶されていた駆動情報を用いてロボット本体1を駆動制御する。一方、これらの生体情報が一致しない場合は、「一致しない」旨のエラー出力を行って再度照合を促すか、もしくは、一般的な駆動情報としてあらかじめ記憶されていたパラメータなどを用いてロボット本体1を駆動制御できるようにする。
次に、このように構成されたロボット100などを用いて人間の動作を補助する場合の作用について説明する。まず、人間がロボット100を使用する場合、あらかじめ駆動情報を格納した記憶媒体3を保持しておき、その状態で腕をロボット本体の載置部材11dに載置する。すると、記憶媒体3に記憶された駆動情報が無線によって読み取られるとともに、カメラ4によって撮像されたその人間の顔情報を取得し、顔の特徴点などの抽出が行われる。そこで、この抽出された顔の特徴点などの生体情報と記憶媒体3に記憶されていた生体情報が一致している場合には、その記憶媒体3に記憶されている駆動情報を用いてロボット本体1を駆動制御する。具体的には、まず、インピーダンス制御を行うために、初期の慣性係数M、剛性係数K、粘性係数Dなどをセットするとともに、アーム10の初期位置などをセットし、ロボット本体1を制御していく。この制御方法について具体的に説明する。
まず、外部環境がロボット本体1に外力を加えた場合、その外部環境の力の平衡点(外力がゼロとなる座標)は常に移動するため、外部環境を、平衡点の移動するバネとみなして、
F(t)=Kh(p(t)―p1(t)) (式5)
と仮定する。なお、ここでFは外部環境の外力、p1は外部環境の平衡点、pは外部環境とロボット100の接触位置における座標である。剛性係数Khやロボット100の接触位置pは、最初は記憶媒体3から読み取った初期値が設定される。
ところで、外部環境が低速で変位する場合、サンプリング時間内においては、平衡点の移動は微少範囲にとどまると仮定することができるため(p1(t)≒p1(t−ts))、隣接サンプリング時間における平衡点の移動を無視することができる。よって、時刻tにおける式5から時刻(t−ts)における式5を引くことにより、
ΔF(t)=KhΔp(t) (式6)
なる関係式が得られる。これにより、外部環境の平衡点の項p1(t)を消去し、外部環境の剛性係数Khを推定していく。
一方、外部環境が高速に変位する場合、サンプリング時間における平衡点の移動を無視することができないため、アーム先端10aの速度vを考慮した式
Δp(t)=p(t)―p(t−ts)―tsv(t−ts) (式7)
を用いる。なお、このpについては、ロボット本体1のコンプライアンスを考慮するようにしても良く、この場合、式7のpは下式のp*に置換される。
p*(t)=p(t)+Cend(t)F(t) (式8)
(Cend(t);ロボット本体1のコンプライアンス行列)
そして、式6を用いて逐次最小二乗法などで外部環境の剛性係数Khを推定していく。
このようにして得られた外部環境の剛性係数Khに対応して粘性係数Dを変化させる場合、図8に示すような剛性係数Khと粘性係数Dの比例関係を示す情報や、あるいは、あらかじめ人間の動きに対応して設定された最適な関数などを記憶媒体3に記憶しておき、これに従って剛性係数Khに対応した粘性係数Dを算出していく。
このようにすれば、例えば、人間がロボット本体1に支持されながら比較的重い物を保持するような場合、人間がしっかりとその運搬物を持つ(Khが増大した状態)ことでロボット100側にもその動きに対応した硬さ(粘性係数Dが増大した状態)を持たせることができ、また、逆に、軽量物を軽く保持する(Khが減少した状態)場合、人間側のしなやかな動きに対応してロボット100側にもしなやかさ(粘性係数Dが減少した状態)を持たせることができるようになる。
演算手段23は、このように変位検出手段20によって検出されたスティック先端部12bの座標及び外力検出手段21によって検出された外力を入力値として、また、駆動情報設定手段によって設定された慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kを用いてアーム先端10aの位置p、速度p’、加速度p"を演算する。この演算は、インピーダンス特性の微分方程式である下記の式9を用いて行われる。
Mp"+Dp'+K(p−p0)=F (式9)
制御手段24は、このように算出された速度p’に関する信号をサーボドライバを介してアクチュエータに出力し、フェードバック制御によってこの算出された位置pにアーム先端10aを移動させるように制御する。そして、この制御手段24によって制御された結果情報は一旦メモリに蓄積された後、記憶媒体3に送信出力される。
次に、ロボット100の制御方法について図7の制御線図を用いて説明する。
まず、使用者がロボット100の通信エリアに入ってきた場合、送受信手段22を介してその使用者の保持する記憶媒体3から生体情報を取得するとともに、カメラ4を用いてその使用者の顔情報を取得する。そして、生体認証手段25を用いて、その使用者の顔の特徴点などを抽出し、あらかじめ記憶媒体3に記憶されていた顔の特徴点などに関する生体情報と比較する。そして、これらの情報が一致している場合、次に、その記憶媒体3からパラメータ慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kを読み取って演算手段23に入力し、また、その記憶媒体3に記憶されていた初期形状に対応して載置部材11dの位置をその使用者に適した位置に移動させる。この状態で、載置部材11dに使用者の腕が載置され、外力及び変位が加えられると、サンプリング時間毎にその外力や変位を力覚センサ13及び変位検出センサ12によって検出し、これらの変位値及び外力を入力値として、式9を用いて、アーム先端10aの位置p、速度p’、加速度p"を算出する。この算出された速度p'をサーボドライバを介してアクチュエータに出力し、アーム先端10aの位置をその算出された位置pに移動させるようフィードバック制御する。この制御においては、インピーダンス特性の微分方程式を用いているため、(p−p0)の項がゼロに近づくようにアーム先端10aが移動する。すなわち、スティック12aの角度θi(i=x、y、z)がゼロとなるようにアーム先端10aを移動させ、これによって、常に人間の腕の動きに追従させる。そして、このインピーダンス制御された結果情報を一旦メモリに蓄積し、定期的にまとめて記憶媒体3に送信して結果情報記憶エリアに(1)慣性係数Mの値、(2)粘性係数Dの値、(3)剛性係数Kの値、(4)補助力、(5)手先動作の位置、速度などの情報を記憶させる。
このように上記実施の形態によれば、ロボット本体1と、このロボット本体1を駆動制御するためのインピーダンス制御装置2を備えてなるロボット100において、前記ロボット本体1をインピーダンス制御するための駆動情報を記憶した携帯可能な記憶媒体3から駆動情報を読み取る送受信手段22を備え、この読み取られた駆動情報を用いてロボット本体1を駆動制御するようにしたので、介護される人間毎に駆動情報を個別に設定して記憶媒体3に記憶させておけば、これを読み取るだけで、その人間の最適なインピーダンス制御を行うことができる。これにより、使用者が交代する都度、オペレータがその使用者に対応したパラメータを設定し直さなければならないといった不具合を解消することができる。
また、ロボット本体1をインピーダンス制御するためのパラメータである慣性係数M、粘性係数D、剛性係数K、ロボット本体1のアーム10の初期形状、ロボット本体の動作範囲、補助力、動作速度を記憶媒体3に記憶させておき、これらの情報に従ってロボット100をインピーダンス制御するようにしたので、使用者の運動能力に合わせてロボット本体1の動作に硬さや柔らかさを持たせることができる。また、使用者の体格や姿勢などに応じた位置に載置部材11dを移動させることができるので、背の低い使用者に対しては腕の載置位置を低くするなどして、腕を簡単に載せられるようにすることができる。
更に、駆動情報を無線で読み取らせるようにしたので、無線の通信エリアにその記憶媒体3が入っただけで、その使用者の駆動情報などを読み取ることができ、被介護者の手が不自由であっても、容易にその使用者に適した駆動情報を読み取らせることができる。
加えて、このようにロボット本体1を駆動制御した結果状態を記憶媒体3に記憶させるようにしたので、その記憶媒体3に記憶された結果情報を見るだけで、その使用者に対してどのようなパラメータである慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kなどを設定すれば良いのかを把握することができ、わざわざオペレータがそのロボット100の設置場所に出向いて動作状態を把握し、そこでパラメータなどの駆動情報を設定しなければならないといった煩わしさを解消することができる。
また、このような結果情報として、インピーダンス制御の慣性係数、粘性係数、剛性係数や、ロボット本体の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度を記憶媒体3に記憶させるようにしたので、記憶媒体3にあらかじめ設定されている駆動情報が使用者の動作に適しているか否かを把握することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、インピーダンス制御によってロボット100を駆動制御させる場合について説明したが、他の制御方法によってロボットを制御させる場合についても適用することができる。また、上記実施の形態では、腕の動きを補助するロボット100について説明したが、これに限らず、人間の手足の動きを補助できるようにしたロボットにも適用することができる。また、インピーダンス制御の際の変位検出センサなどの機構については、上述のような機構以外にも他の機構を用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、記憶媒体3に記憶された駆動情報を無線で読み取るようにしているが、これに限らず、ロボット本体1、若しくは、インピーダンス制御装置2側にカードリーダを設けておき、これに記憶媒体3を挿入させることによって駆動情報を読み取らせるようにしても良い。
更に、上記実施の形態では、慣性係数M、粘性係数D、剛性係数Kの初期値などを記憶させているが、年齢や性別、各種運動能力などに応じてインピーダンス制御装置2側でこれらのパラメータの値を自動的に設定し、これによってロボット本体1を駆動制御するようにしても良い。
加えて、上記実施の形態では、携帯可能な記憶媒体3としてメモリ30やICチップ31、送受信手段32を有するようなものを例に挙げているが、このような記憶媒体3としては、カード形状を有するものや、コイン形状を有するものなどの他、携帯電話などのようなものであっても良い。
また、上記実施の形態では、生体情報の認証として顔の認証を具体例に挙げて説明したが、顔の認証だけに限らず、虹彩、指紋など他の生体情報を認証して本人を確認できるようにしてもよい。
本発明の一実施の形態を示すロボットと記憶媒体との通信状態を示す図 同形態におけるロボット本体の先端部近傍を示す図 同形態における変位機構の左右方向の動作状態を示す正面図 同形態における変位機構の傾動状態を示す側面図 同形態における変位機構のスウィング状態を示す平面図 同形態におけるインピーダンス制御装置と記憶媒体の機能ブロック図 同形態におけるインピーダンス制御装置の制御線図 同形態における記憶媒体に記憶される慣性係数と粘性係数との関係を示す図
符号の説明
1・・・ロボット本体
2・・・インピーダンス制御装置
3・・・記憶媒体
4・・・カメラ
10・・・アーム
10a・・・アーム先端
11・・・変位機構
11a・・・載置台
11b・・・連結部材
11c・・・ベース部材
11d・・・載置部材
12・・・変位検出センサ
12a・・・スティック
12b・・・スティック先端部
12c・・・ケーシング
12d・・・窓部
13・・・力覚センサ
20・・・変位検出手段
21・・・外力検出手段
22・・・読取手段
23・・・演算手段
24・・・制御手段
25・・・生体認証手段
30・・・記憶媒体のメモリ
31・・・記憶媒体のICチップ
32・・・記憶媒体の送受信手段

Claims (7)

  1. ロボット本体と、当該ロボット本体を駆動制御する制御装置を備えてなるロボットにおいて、前記ロボット本体を駆動制御するための駆動情報を記憶した携帯可能な記憶媒体から当該駆動情報を読み取る読取手段を備え、当該読み取られた駆動情報を用いてロボット本体を駆動制御するようにしたことを特徴とするロボット。
  2. ロボット本体と、当該ロボット本体を駆動制御する制御装置を備えてなり、前記ロボット本体を用いて人間の動きを補助するロボットにおいて、前記ロボット本体を駆動制御する駆動情報および人間の生体情報を記憶した携帯可能な記憶媒体から前記駆動情報および生体情報を読み取る読取手段と、前記補助される人間から生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって取得された生体情報と前記読取手段によって読み取られた生体情報とが一致することを条件に、前記記憶媒体に記憶された駆動情報を用いてロボット本体を駆動制御するようにしたことを特徴とするロボット。
  3. 前記駆動情報が、インピーダンス制御を行うための慣性係数、粘性係数、剛性係数、ロボット本体の初期形状、ロボット本体の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度のうち少なくとも一つを含むものである請求項1又は2に記載のロボット。
  4. 前記読取手段が、無線によって記憶媒体からの駆動情報を読み取るものである請求項1又は2に記載のロボット。
  5. 更に、前記制御手段によって駆動制御された結果情報を前記記憶媒体に記憶可能に出力する出力手段を備えてなる請求項1又は2に記載のロボット。
  6. 前記結果情報が、インピーダンス制御を行うための慣性係数、粘性係数、剛性係数、ロボット本体の動作範囲、補助力、手先の位置、手先の動作速度のうち少なくとも一つを含むものである請求項3に記載のロボット。
  7. ロボット本体と当該ロボット本体を駆動制御する制御装置を備えてなるロボットとともに使用される携帯可能な記憶媒体であって、前記ロボット本体を駆動制御するための駆動情報を記憶するメモリと、当該メモリに記憶された駆動情報をロボット側に送信出力する送信手段とを備えた携帯可能な記憶媒体。
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