以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る歩行訓練器について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向(図2の上下方向)とする。Y軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、前後方向(図2の左右方向)とする。X軸方向は、Z軸方向およびY軸方向と直交する方向であって、左右方向とする。
上下方向、前後方向および左右方向とは、図1に示す歩行訓練器10を使用する患者(使用者)Uから視て、上下、前後、左右となる方向である。すなわち、左右方向とは、前後方向に沿って視た場合に左右となる方向である。なお、上下方向、前後方向および左右方向とは、単に各部の位置関係を説明するために用いる名称であり、実際の配置関係および使用態様を限定するものではない。
以下の説明においては、Y軸方向における正の側(+Y側)を歩行訓練器10の使用時に患者Uの前方となる側とし、負の側(−Y側)を歩行訓練器10の使用時に患者Uの後方となる側とする。また、X軸方向における正の側(+X側)を歩行訓練器10の使用時に患者Uの右方となる側とし、負の側(−X側)を歩行訓練器10の使用時に患者Uの左方となる側とする。
また、Y軸方向を単に「前後方向」と呼ぶ場合があり、Y軸方向における正の側(+Y側)を単に「前方」あるいは「前側」と呼ぶ場合があり、負の側(−Y側)を単に「後方」あるいは「後側」と呼ぶ場合がある。また、X軸方向を単に「左右方向」と呼ぶ場合があり、X軸方向における正の側(+X側)を単に「右方」あるいは「右側」と呼ぶ場合があり、負の側(−X側)を単に「左方」あるいは「左側」と呼ぶ場合がある。
図1は、本実施形態の歩行訓練器10を示す斜視図である。図2は、歩行訓練器10を左右方向の右側(+X側)から視た側面図である。図3は、歩行訓練器10を上側(+Z側)から視た平面図である。図4は、歩行訓練器10の部分を示す分解斜視図である。図5は、歩行訓練器10の部分を示す斜視図である。
歩行訓練器10は、患者Uの歩行訓練に用いられる器具である。患者Uは、例えば、歩行訓練器10に前腕部Aを載せた状態で歩行訓練を行う。対象とする患者Uは、例えば、急性期領域内の患者である。図1から図3に示すように、歩行訓練器10は、訓練器本体20と、IVポール(ポール)60と、取付け部と、を備える。なお、急性期領域とは、ICU、HCU(High Care Unit)、CCU(Coronary Care Unit)等を含む。
訓練器本体20は、台車30と、支柱40と、アームレスト部50と、ブレーキレバー90と、を有する。台車30は、車輪35および車輪35が取り付けられたベースフレーム30aを有する。本実施形態において車輪35は、2つの前側車輪35aと、2つの後側車輪35bと、を含む。後側車輪35bには、ブレーキが設けられている。なお、車輪35の数は、特に限定されない。ベースフレーム30aは、支柱支持部34と、一対の第1フレーム部31,32と、第2フレーム部33と、を有する。
図1に示すように、支柱支持部34は、左右方向(X軸方向)に延びる板状である。支柱支持部34には、支柱40の下端が接続されている。一対の第1フレーム部31,32は、支柱支持部34の左右方向両端にそれぞれ接続されている。第1フレーム部31は、支柱支持部34の右端(+X端)に接続されている。第1フレーム部32は、支柱支持部34の左端(−X端)に接続されている。
第1フレーム部31,32は、全体として略前後方向に沿って延びる細長の円筒状である。第1フレーム部31は、前端から後端に向かって右側(+X側)に傾いて延びている。第1フレーム部32は、前端から後端に向かって左側(−X側)に傾いて延びている。すなわち、第1フレーム部31と第1フレーム部32とは、前端から後端に向かって、左右方向の互いに離れる向きに傾いて延びている。第1フレーム部31,32は、支柱支持部34よりも前方に延びており、かつ、支柱支持部34よりも後方に延びている。
第1フレーム部31は、前側湾曲部31aと、後側湾曲部31bと、を有する。前側湾曲部31aは、第1フレーム部31の前端に位置する。前側湾曲部31aは、後方から前方に向かって左側(−X側)に傾いて延びつつ、下方に向かって湾曲する部分である。前側湾曲部31aの下端は、上方から第2フレーム部33に接続されている。後側湾曲部31bは、第1フレーム部31の後端に位置する。後側湾曲部31bは、前方から後方に向かって右側(+X側)に傾いて延びつつ、下方に湾曲する部分である。後側湾曲部31bの下端には、後側車輪35bが取り付けられている。
第1フレーム部32は、前側湾曲部32aと、後側湾曲部32bと、を有する。前側湾曲部32aは、第1フレーム部32の前端に位置する。前側湾曲部32aは、後方から前方に向かって右側(+X側)に傾いて延びつつ、下方に向かって湾曲する部分である。前側湾曲部32aの下端は、上方から第2フレーム部33に接続されている。後側湾曲部32bは、第1フレーム部32の後端に位置する。後側湾曲部32bは、前方から後方に向かって左側(−X側)に傾いて延びつつ、下方に湾曲する部分である。後側湾曲部32bの下端には、後側車輪35bが取り付けられている。
第2フレーム部33は、左右方向に延びる細長の円筒状である。第2フレーム部33は、第1フレーム部31の前端(前側湾曲部31a)よりも右側(+X側)から第1フレーム部32の前端(前側湾曲部32a)よりも左側(−X側)まで延びている。第2フレーム部33は、支柱支持部34よりも前方において一対の第1フレーム部31,32を連結している。第2フレーム部33の左右方向両端には、それぞれ前側車輪35aが取り付けられている。
ベースフレーム30aには、前方に向けて窪んで後方に開口する第1凹部30bが形成されている。本実施形態において第1凹部30bは、一対の第1フレーム部31,32同士の左右方向の間に位置する。より詳細には、第1凹部30bは、一対の第1フレーム部31,32における支柱支持部34よりも後側の部分と、支柱支持部34と、によって形成されている。図2に示すように、第1凹部30bの内部には、後方から患者Uの脚部Lを挿入可能である。すなわち、第1凹部30bの内部は、患者Uの脚部Lに対する非干渉部である。
図1に示すように、支柱40は、ベースフレーム30aから上方に延びている。より詳細には、支柱40は、ベースフレーム30aの支柱支持部34の左右方向の中央から上方に延びている。図2に示すように、支柱40は、下方から上方に向かって、後方に傾いて延びている。支柱40が延びる方向を、延伸方向Dとする。支柱40は、固定支柱41と、可動支柱42と、を有する。また、図4に示すように、支柱40は、支持フレーム受け部44と、高さ調節部91と、を有する。
図1および図2に示すように、固定支柱41は、延伸方向Dに沿って延びる角筒状の部材である。固定支柱41の下端は、支柱支持部34に固定されている。可動支柱42は、下方に開口し、延伸方向Dに沿って延びる角筒状の部材である。可動支柱42の内部には、下方から固定支柱41の上部が挿入されている。可動支柱42は、固定支柱41に対して延伸方向Dに移動可能に連結されている。
図4に示すように、支持フレーム受け部44は、可動支柱42の上端に固定されている。支持フレーム受け部44は、上方および前方に開口する箱状である。高さ調節部91は、支持フレーム受け部44の前方に取り付けられている。高さ調節部91を操作することで、固定支柱41に対する可動支柱42の延伸方向Dの位置を調節可能である。なお、可動支柱42の移動と共に、支持フレーム受け部44および高さ調節部91も延伸方向Dに移動する。
アームレスト部50は、支柱40の上端に接続されている。アームレスト部50は、支持フレーム43と、アームレスト部本体50aと、を有する。支持フレーム43は、支柱40に固定されている。支持フレーム43は、アームレスト部本体50aを下方から支持している。支持フレーム43は、左右延伸部材43aと、前後延伸部材43b,43cと、を有する。なお、アームレスト部50は、支柱40の上端よりも下方において、支柱40と接続されていてもよい。
左右延伸部材43aは、左右方向に延びる細長の円筒状である。左右延伸部材43aは、前後方向に間隔を空けて、複数(図4では2つ)設けられている。左右延伸部材43aは、支持フレーム受け部44の上端に形成された窪みに上方から嵌められて、支持フレーム受け部44に固定されている。左右延伸部材43aは、支持フレーム受け部44よりも左右方向両側に突出して延びている。
前後延伸部材43b,43cは、略前後方向に延びる細長の円筒状である。前後延伸部材43bは、2つの左右延伸部材43aの右端(+X端)を連結し、左右延伸部材43aよりも前方から、左右延伸部材43aよりも後方まで延びている。前後延伸部材43bは、前方から後方に向かって、右側(+X側)に傾いて延びている。前後延伸部材43cは、2つの左右延伸部材43aの左端(−X端)を連結し、左右延伸部材43aよりも前方から、左右延伸部材43aよりも後方まで延びている。前後延伸部材43cは、前方から後方に向かって、左側(−X側)に傾いて延びている。
アームレスト部本体50aは、支持フレーム43の上方に位置し、支持フレーム43に固定されている。アームレスト部本体50aは、基部51と、一対の肘掛け部52,53と、グリップ部54と、を有する。
基部51は、左右方向(X軸方向)に延びている。基部51は、2つの左右延伸部材43aによって下側から支持されている。基部51は、左右延伸部材43aを介して、支柱40の上端に接続されている。基部51は、左右方向に延びる基部本体51aと、第1クッション55と、を有する。図3に示すように、基部本体51aは、左右方向の中央に、前方に向かって隆起する隆起部51bを有する。
第1クッション55は、基部本体51aに取り付けられている。第1クッション55は、基部本体51aの上面に設けられた下方に窪む窪みに嵌め込まれて固定されている。第1クッション55の形状は、平面視において、基部本体51aとほぼ同様の形状である。第1クッション55の大きさは、基部本体51aよりも一回り小さい。
一対の肘掛け部52,53は、歩行訓練器10の前後方向に沿って視た場合に、左右方向(X軸方向)に互いに間隔を空けて設けられている。一対の肘掛け部52,53は、基部51の左右方向両端のそれぞれから後方に延びている。肘掛け部52は、基部51の右端(+X端)から後方に延びている。肘掛け部52は、前方から後方に向かって、右側(+X側)に傾いて延びている。肘掛け部53は、基部51の左端(−X端)から後方に延びている。肘掛け部53は、前方から後方に向かって、左側(−X側)に傾いて延びている。
本実施形態において肘掛け部52の前後方向の位置と肘掛け部53の前後方向の位置とは、互いに同じである。肘掛け部52,53の少なくとも一部の前後方向の位置は、第1凹部30bの内部の前後方向の位置に含まれている。言い換えると、第1凹部30bの内部の少なくとも一部は、前後方向において、肘掛け部52,53と同じ位置にある。
肘掛け部52は、基部本体51aの右端(+X端)から後方に延びる肘掛け部本体52aと、第2クッション56と、を有する。肘掛け部53は、基部本体51aの左端(−X端)から後方に延びる肘掛け部本体53aと、第2クッション57と、を有する。
第2クッション56,57は、肘掛け部本体52a,53aに取り付けられている。第2クッション56,57は、肘掛け部本体52a,53aの上面に設けられた下方に窪む窪みに嵌め込まれて固定されている。第2クッション56,57の形状は、平面視において、肘掛け部本体52a,53aとほぼ同様の形状である。第2クッション56,57の大きさは、肘掛け部本体52a,53aよりも一回り小さい。
図2に示すように、一対の肘掛け部52,53は、患者Uの前腕部Aを受け入れる。肘掛け部52には、患者Uの右側の前腕部Aを上方から載置可能である。同様に、肘掛け部53には、患者Uの左側の前腕部Aを上方から載置可能である。より詳細には、患者Uは、図3に示す第2クッション56,57の上面56a,57aに対して、上方から前腕部Aを載置する。第2クッション56の上面56aは、肘掛け部52の上面の一部である。第2クッション57の上面57aは、肘掛け部53の上面の一部である。
図3に示すように、グリップ部54は、基部51の前側に接続されている。グリップ部54は、右グリップ54aと、左グリップ54bと、接続部54cと、を有する。図1および図2に示すように、右グリップ54aは、基部51の右方部分(+X側部分)から前方斜め上方に延びている。左グリップ部53bは、基部51の左方部分(−X側部分)から前方斜め上方に延びている。患者Uは、例えば、左右方向両側の前腕部Aを各肘掛け部52,53に載置した状態で、右グリップ54aを右手で把持し、左グリップ54bを左手で把持する。
図1および図3に示すように、接続部54cは、略左右方向に延びており、右グリップ54aの前端と左グリップ54bの前端とを接続している。接続部54cの左右方向の中央には、後方斜め下方に窪む窪み部54dが形成されている。図3に示すように、窪み部54dは、隆起部51bと隙間を介して対向している。
グリップ部54と基部51との間には、空間S1が形成されている。空間S1は、窪み部54dと隆起部51bとの間の中央空間S1aと、中央空間S1aの左右方向両側に設けられ、中央空間S1aよりも幅広の左右空間S1bと、を有する。
本実施形態において、基部本体51aと肘掛け部本体52a,53aとグリップ部54とは、例えば樹脂成型等により製造された単一の部材である。
アームレスト部50には、前方に向けて窪んで後方に開口する第2凹部50bが形成されている。本実施形態において第2凹部50bは、一対の肘掛け部52,53同士の左右方向の間に位置する。より詳細には、第2凹部50bは、一対の肘掛け部52,53と、基部51と、によって形成されている。図2に示すように、第2凹部50bの内部には、後方から患者Uの胴部BDを挿入可能である。すなわち、第2凹部50bの内部は、患者Uの胴部BDに対する非干渉部である。
図3に示すように、第1凹部30bの内部と第2凹部50bの内部とは、少なくとも一部において上下方向に重なっている。本実施形態においては、平面視において、一対の第1フレーム部31,32同士の左右方向の間に、肘掛け部52の左端、肘掛け部53の右端、および基部51の後端が配置されている。その結果、第1凹部30bの内部うち、平面視において一対の肘掛け部52,53同士の左右方向の間に位置する部分が、第2凹部50bの内部と上下方向に重なる。すなわち、第1凹部30bの内部の少なくとも一部は、平面視において、一対の肘掛け部52,53同士の左右方向の間に位置している。
本実施形態において第2凹部50bの内部の全体は、平面視において、第1凹部30bの内部と重なる。図1に示すように、訓練器本体20には、後方に開口し、歩行訓練器10の設置面Fから第1凹部30bの内部および第2凹部50bの内部を貫通して上方に延びる歩行空間S2が形成されている。
図4に示すように、ブレーキレバー90は、支持フレーム43における前後延伸部材43b,43cの前端にそれぞれ設けられている。ブレーキレバー90は、図示しないワイヤーによって、後側車輪35bとそれぞれ接続されている。ブレーキレバー90を操作することで、後側車輪35bのブレーキを操作できる。
図1に示すように、IVポール60は、後述するポール取付け部36を介して、訓練器本体20に取り付けられている。より詳細には、IVポール60は、ベースフレーム30aに取り付けられている。IVポール60は、上下方向に沿って配置されている。IVポール60は、上下方向に延びた細長の棒状である。IVポール60は、第1ポール部61と、第2ポール部62と、係合部63と、高さ固定部64と、を有する。
第1ポール部61は、上下方向に延びる細長の円筒状である。第1ポール部61は、上方に開口する。図2に示すように、第1ポール部61の上端61aは、肘掛け部52,53よりも上方に位置する。本実施形態において第1ポール部61の上端61aは、アームレスト部50よりも僅かに上方に位置する。
第2ポール部62は、上下方向に延びる細長の円筒状である。第2ポール部62の下方部分は、第1ポール部61の内部に上方から挿入されている。第2ポール部62は、第1ポール部61に対して、上下方向に移動可能である。
係合部63は、第2ポール部62の上端に取り付けられている。係合部63は、キャップ部63aと、複数のフック部63bと、を有する。キャップ部63aは、下方に開口する筒状であり、第2ポール部62の上端に外側から嵌合されている。複数のフック部63bは、キャップ部63aの外周面から、IVポール60の径方向に延びている。フック部63bの数は、特に限定されず、本実施形態においては2つである。フック部63bには、点滴DIが係合される。このようにして、IVポール60には、点滴DIが取り付けられる。点滴DIには、下方に延びる送液チューブDTが取り付けられている。送液チューブDTは、患者Uの前腕部Aに繋がれ、患者Uの体内に点滴DI内の薬品を送る。
高さ固定部64は、第1ポール部61の外周面の上端部に設けられている。高さ固定部64は、例えば、第1ポール部61の外周面に形成されたネジ孔に外側から螺合されるノブ付きネジである。高さ固定部64が締め込まれると、高さ固定部64の先端が第1ポール部61の内部において第2ポール部62の外周面を押圧する。これにより、第1ポール部61に対する第2ポール部62の上下方向の位置を固定できる。
高さ固定部64を緩めることで、第2ポール部62を上下方向に移動させることができる。そして、再び、高さ固定部64を締め込んで、第2ポール部62の上下方向の位置を固定することで、第1ポール部61に対する第2ポール部62の上下方向の位置を変えることができる。このようにして、IVポール60の上下方向の寸法を調節することができる。
取付け部は、訓練器本体20に設けられて、医療機器が取り付けられる部分である。医療機器は、患者Uの治療あるいは生命維持のために直接的あるいは補助的に用いられるもの全般を含む。医療機器は、例えば、IVポール60、点滴DI、シリンジポンプSD、廃液バッグHB、酸素吸入用のボンベB、パルスオキシメータ等を含む。
本実施形態において、取付け部は、ポンプ取付け部(第1取付け部)65と、ポール取付け部(第2取付け部)36と、廃液バッグ取付け部(第3取付け部)70と、を含む。本実施形態において各取付け部は、訓練器本体20に対して着脱自在である。
ポンプ取付け部65には、シリンジポンプSDを取り付け可能である。ポンプ取付け部65は、IVポール60に設けられている。より詳細には、ポンプ取付け部65は、第1ポール部61に設けられている。図示は省略するが、ポンプ取付け部65は、例えば、第1ポール部61を外側から挟み込むクランプ部を有しており、クランプ部を介して第1ポール部61に固定されている。ポンプ取付け部65は、肘掛け部52,53の上面(第2クッション56,57の上面56a,57a)よりも下方に位置する。
ポンプ取付け部65に取り付けられるシリンジポンプSDは、図示は省略するが、送液チューブを介して患者Uに繋がれている。シリンジポンプSDは、内部に注射器を有する機器であり、患者Uの体内に注射器内の薬品を送ることができる。シリンジポンプSDは、肘掛け部52,53の上面(第2クッション56,57の上面56a,57a)よりも下方に位置する。
図1に示すように、ポール取付け部36には、IVポール60を取り付け可能である。ポール取付け部36は、第2フレーム部33に設けられている。図5に示すように、ポール取付け部36は、ポール挿入筒36aと、フレーム係合部材36bと、挿入筒支持部材36cと、を有する。ポール挿入筒36aは、上下方向に延び、上方に開口する円筒状である。図1に示すように、ポール挿入筒36aの内部には、上方からIVポール60の下端が挿入されている。ポール挿入筒36a内に挿入されたIVポール60は、例えば、ネジによってポール挿入筒36aに固定されている。これにより、ポール取付け部36にIVポール60が固定されている。
図5に示すように、フレーム係合部材36bは、下方向きに開口する略U字状の金具であり、ポール挿入筒36aの下端に固定されている。フレーム係合部材36bは、第2フレーム部33に対して、上方から突き当てられて係合されている。フレーム係合部材36bが第2フレーム部33に対して上方から突き当てられていることで、ポール取付け部36は、上下方向に位置決めされている。
フレーム係合部材36bの下方向きの開口の内側には、第2フレーム部33が位置しており、第2フレーム部33は、フレーム係合部材36bによって前後方向に挟まれている。これにより、ポール取付け部36は、前後方向に位置決めされている。フレーム係合部材36bは、左方(−X側)から第1フレーム部31における前側湾曲部31aの下端に接触している。これにより、ポール挿入筒36aの右方(+X側)への移動が規制されている。
挿入筒支持部材36cは、ポール挿入筒36aに固定されている。挿入筒支持部材36cは、第1板部36dと、一対の第2板部36e,36fと、を有する。第1板部36dは、第1フレーム部31における前側湾曲部31aの下端の右方(+X側)に位置している。第1板部36dは、右方から前側湾曲部31aに接触している。
第2板部36eは、第1板部36dの前端から左方(−X側)に延びている。第2板部36fは、第1板部36dの後端から左方に延びている。一対の第2板部36e,36fは、ポール挿入筒36aを前後方向に挟み、ポール挿入筒36aにネジ等で固定されている。これにより、挿入筒支持部材36cは、第1板部36dと一対の第2板部36e,36fとによって前側湾曲部31aの下端を囲みつつ、ポール挿入筒36aに固定されている。
第1板部36dが前側湾曲部31aの下端に右方(+X側)から接触することで、ポール取付け部36の左方(−X側)への移動が規制されている。また、第2板部36e,36fが前側湾曲部31aの下端を前後方向に挟んでいるため、ポール取付け部36の前後方向の移動、および回転が規制されている。また、前側湾曲部31aは、下方から上方に向かって後方に湾曲している。そのため、第2板部36fの上端が前側湾曲部31aの下面に接触して、ポール取付け部36の上方への移動が規制されている。このように、ポール取付け部36は、ベースフレーム30aに対して加工を施すことなく、ベースフレーム30aに対して着脱可能に固定されている。
図2に示すように、廃液バッグ取付け部70には、廃液を貯留する廃液バッグ(貯留部材)HBを取り付け可能である。廃液バッグ取付け部70は、アームレスト部50に設けられている。図4に示すように、廃液バッグ取付け部70は、アーム固定部73と、フレキシブルアーム71と、連結部72と、を有する。
アーム固定部73は、L字状の金具である。アーム固定部73は、支持フレーム43における前後延伸部材43bの後方部分に、ネジ74によって固定されている。これにより、廃液バッグ取付け部70がアームレスト部50に固定されている。アーム固定部73は、廃液バッグ取付け部70におけるアームレスト部50との接続部分であり、肘掛け部52の下方に位置する。
フレキシブルアーム71は、アーム固定部73を介して、前後延伸部材43bに固定されている。フレキシブルアーム71は、アームレスト部50から下方に向かって延びている。フレキシブルアーム71は、折り曲げることで任意に形状を変形させることができるアームである。
連結部72は、フレキシブルアーム71のアームレスト部50とは逆側(下側)の端部に接続されている。連結部72は、廃液バッグHBと連結可能である。本実施形態において連結部72は、フック部72aと、開閉バネ部72bと、を有する。図2に示すように、フック部72aには、廃液バッグHBが係合される。開閉バネ部72bは、フック部72aに対して回動自在に取り付けられている。開閉バネ部72bによって、廃液バッグHBがフック部72aから外れることが抑制される。
本実施形態によれば、歩行訓練器10は医療機器を取り付け可能な取付け部を備えている。そのため、急性期領域内に収容され、点滴DI等の医療機器を繋げる必要があるような症状が比較的重い患者であっても、医療機器を取付け部に取り付けることで、歩行訓練器10を用いて容易に歩行訓練を行うことができる。
また、肘掛け部52,53が設けられているため、患者Uは、前腕部Aを肘掛け部52,53に載せることで、歩行訓練器10に患者U自身の体を容易に支持させることができる。これにより、急性期領域内の患者であっても、歩行訓練器10を用いて歩行訓練を行いやすい。したがって、本実施形態によれば、症状が比較的重い患者が好適に使用できる歩行訓練器10が得られる。
また、例えば、単に歩行の補助として用いるだけであれば、患者Uは、肘掛け部に前腕部Aを載置して患者U自身の体を歩行訓練器に支持させられるだけでよい。しかし、歩行訓練を行う場合には、脚部Lを通常の歩行動作と同様に動かして、通常の歩行ができるように訓練する必要がある。そのため、例えば、歩行訓練器の構造上の制限によって、前腕部Aを載置する肘掛け部よりも後方の範囲でしか、患者Uが脚部Lを動かせないような場合、患者Uは不自然な姿勢での歩行しかできず、通常の歩行をするための訓練が適切に行えない場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、ベースフレーム30aには、内部に患者Uの脚部Lを後方から挿入可能な第1凹部30bが設けられており、第1凹部30bの内部の少なくとも一部は、前後方向において、肘掛け部52,53と同じ位置にある。そのため、患者Uは、肘掛け部52,53に左右の前腕部Aを載置させた状態で、脚部Lの前後方向の位置を、前腕部Aの前後方向の位置まで移動させることができる。これにより、歩行訓練器10を用いた歩行訓練において、患者Uの姿勢が不自然になることを抑制でき、通常の歩行をするための訓練を適切に行いやすい。
また、急性期領域内の患者Uの歩行訓練においては、リハビリテーションの専門知識を有するセラピストが患者Uに付き添い、患者Uに適切な歩行訓練の指導を行う場合がある。この際、セラピストが歩行訓練器を使用する患者Uの脚部Lを視認できないと、適切な歩行訓練の指導を行えない場合がある。
これに対して、本実施形態の歩行訓練器10は、支柱40によって台車30とアームレスト部50とが連結される構造である。そのため、歩行訓練器10の構造を、左右方向あるいは前後方向から患者Uの脚部Lを視認可能な構造としやすい。これにより、本実施形態によれば、セラピストが患者Uに対して適切な歩行訓練を行うことができる。また、セラピストが患者Uの体に触れることを容易にできるため、適宜、患者Uの体を補助的に支える等して、より適切な歩行訓練を行うことができる。
また、本実施形態によれば、内部に後方から胴部BDを挿入可能な第2凹部50bが一対の肘掛け部52,53同士の間に設けられ、第1凹部30bの内部と第2凹部50bの内部とが、少なくとも一部において上下方向に重なっている。そのため、患者Uは、肘掛け部52,53に載置した左右の前腕部A同士の間に、胴部BDを移動させることができる。これにより、歩行訓練をより適切に行うことが可能である。
特に、本実施形態では、設置面Fから第1凹部30bの内部および第2凹部50bの内部を貫通して上方に延びる歩行空間S2が形成されているため、患者Uは歩行空間S2内において自由に脚部Lおよび胴部BDを移動させて歩行訓練を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、患者Uは、より適切な姿勢で歩行訓練を行うことができる。
また、例えば、患者Uは症状が比較的重いため、歩行訓練器10の使用時において、アームレスト部50(特に、肘掛け部52,53)に体重の多くを預ける場合があり、歩行訓練器10の姿勢が不安定になりやすい場合がある。特に、患者Uは、歩行訓練器10に対して後方から体を預けるため、歩行訓練器10が後方に転倒しやすくなる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、支柱40に接続された支柱支持部34よりも後方に延びた一対の第1フレーム部31,32が設けられ、第1凹部30bが一対の第1フレーム部31,32同士の左右方向の間に位置する。これにより、第1凹部30bの内部および第2凹部50bの内部に、後方から脚部Lおよび胴部BDを挿入する患者Uの体重の多くが肘掛け部52,53に加えられた場合であっても、後方に延びた第1フレーム部31,32によって歩行訓練器10が後方に転倒することを抑制しやすい。したがって、歩行訓練時において、歩行訓練器10の姿勢を安定させることができ、歩行訓練をより行いやすくできる。
また、本実施形態によれば、上下方向に沿って配置されたIVポール60にポンプ取付け部65が設けられている。そのため、IVポール60を利用して、シリンジポンプSDを適切な高さにおいて、歩行訓練器10に取り付けやすい。これにより、セラピスト、医師、あるいは看護師等(以下、セラピスト等と呼ぶ)によるシリンジポンプSDの取付け・操作等の作業を容易にすることができる。これは、例えば、シリンジポンプSD以外の医療機器がIVポール60に取り付けられる場合においても同様である。例えば、パルスオキシメータを適切な高さに配置できることで、セラピスト等がパルスオキシメータの数値を視認しやすく、歩行訓練中の患者Uの容態を把握しやすくできる。
また、例えば、IVポール60に複数の取付け部を設けることで、複数の医療機器をIVポール60周りにまとめて配置できる。そのため、患者Uが必要とする医療機器の数が多い場合であっても、医療機器の配置が煩雑になりにくい。これにより、患者Uの前方の視界を確保しやすく、患者Uが歩行訓練を行いやすい。また、医療機器によって患者Uの体が隠れることを抑制しやすく、歩行訓練を指導するセラピストが患者Uの体を視認しやすい。したがって、セラピストが患者Uに対して歩行訓練の指導を適切に行いやすい。
また、例えば、ポンプ取付け部65が第2ポール部62に設けられる場合には、ポンプ取付け部65またはポンプ取付け部65に取り付けられるシリンジポンプSDが第1ポール部61と干渉しやすい。そのため、第2ポール部62を上下方向に移動させてIVポール60の高さを調節しにくい。したがって、ポンプ取付け部65は、第1ポール部61に設けることが好ましい。一方で、シリンジポンプSDは、セラピスト等による取付け・操作のしやすさから、ある程度高い位置に配置されることが好ましい。
これに対して、本実施形態によれば、ポンプ取付け部65が第1ポール部61に設けられており、第1ポール部61の上端61aは、肘掛け部52,53よりも上方に位置する。そのため、ポンプ取付け部65をIVポール60に設けても、IVポール60の高さ調節が阻害されることがなく、かつ、ポンプ取付け部65をある程度高い位置に設けて、シリンジポンプSDを適切な高さに配置することができる。
また、シリンジポンプSDは、注射器のピストンを自動で押し、少量の薬品を低速で患者Uの体内に注入する。ここで、シリンジポンプSDの注射器が、シリンジポンプSDが繋がれる患者Uの部位(例えば、前腕部A)よりも上方に位置する場合、注射器内の薬品が重力によって下方に流れ、患者Uに対して注入される薬品の注入速度が変化する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、シリンジポンプSDを取り付け可能なポンプ取付け部65が肘掛け部52,53の上面よりも下方に位置する。そのため、ポンプ取付け部65にシリンジポンプSDを取り付けた際に、シリンジポンプSDの上下方向の位置が、肘掛け部52,53に載置される患者Uの前腕部Aよりも下方に位置しやすい。したがって、シリンジポンプSDの注射器内の薬品が重力によって患者Uに流れることを抑制でき、患者Uに対して注入される薬品の注入速度が変化することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1ポール部61の上端61aはアームレスト部50よりも僅かに上方に位置している。そのため、第1ポール部61にポンプ取付け部65を設けて、ポンプ取付け部65にシリンジポンプSDを取り付けた場合、シリンジポンプSDの上下方向の位置が、患者Uの前腕部Aと同じか、前腕部Aよりも下方に位置する。このように、第1ポール部61の上端61aの位置を調整して、ポンプ取付け部65を設けることができる上下方向の位置をある程度規制することで、シリンジポンプSDが患者Uの前腕部Aよりも上方に配置されることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、歩行訓練器10が備えるポールが、医療機器であるIVポール60である。そのため、IVポール60を取り付けるポール取付け部36を訓練器本体20に設けることによって、複数の医療機器(すなわち、IVポール60およびシリンジポンプSD)を歩行訓練器10に取り付けることができる。したがって、歩行訓練器10に取り付けられる医療機器の数に対して、訓練器本体20に設ける取付け部の数を少なくできる。これにより、訓練器本体20の構成を変えずに、取り付けられる医療機器の変更に応じて、歩行訓練器10の構成を変更しやすく、簡便である。
また、本実施形態によれば、ポール取付け部36は、第1フレーム部31,32を連結する第2フレーム部33に設けられている。そのため、第1フレーム部31,32に設けられる場合に比べて、ポール取付け部36の位置を、訓練器本体20の左右方向の中央に近づけることができる。これにより、ポール取付け部36に取り付けられたIVポール60の重量によって、歩行訓練器10が左右方向に傾くことを抑制できる。したがって、歩行訓練時に、歩行訓練器10の姿勢をより安定させることができる。本実施形態のように、IVポール60に他の医療機器が取り付けられる場合には、IVポール60と医療機器とによってポール取付け部36に加えられる重量が大きくなるため、この効果は特に有用である。
また、歩行訓練器10に後方から体を預ける患者Uの体重は、歩行訓練器10に対して、下方向きよりも前方にやや傾いた下方斜め前方に向けて加えられやすい。これに対して、本実施形態によれば、支柱40は下方から上方に向かって後方に傾いて延びており、肘掛け部52,53は、支柱40の上端に接続された基部51から後方に延びている。そのため、肘掛け部52,53に対して患者Uが体重を加えた場合に、肘掛け部52,53に加えられた力が、支柱40の延びる延伸方向Dに沿って、支柱40に加えられやすい。これにより、支柱40によって安定して患者Uの体重を受けやすく、歩行訓練時において、歩行訓練器10の姿勢をより安定させやすい。
また、本実施形態によれば、廃液バッグ取付け部70におけるアームレスト部50との接続部分は、肘掛け部52の下方に位置する。そのため、廃液バッグHBに接続される図示しない送液チューブを患者Uの側方(右方)において取り回すことができる。これにより、送液チューブが患者Uの歩行訓練を阻害することを抑制できる。
また、本実施形態のように、ポール取付け部36が第2フレーム部33の右方寄りに設けられている場合、点滴DIおよびシリンジポンプSDによる患者Uへの薬品の供給ライン、および廃液の排出ラインを、共に左右方向の同じ側(右側)に集めることができる。そのため、各送液チューブの取り回しが煩雑になることを抑制でき、各送液チューブが訓練器本体20等に絡まることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、廃液バッグ取付け部70は、フレキシブルアーム71を有しているため、フレキシブルアーム71を変形させることで、フレキシブルアーム71の先端に設けられた連結部72に連結される廃液バッグHBの位置を任意に変えることができる。これにより、廃液バッグHBに接続される送液チューブの取り回しの自由度を向上でき、送液チューブの取り回しが複雑になることをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、各取付け部は、訓練器本体20に対して着脱自在である。そのため、各取付け部の位置および種類を変更しやすい。そのため、歩行訓練器10に取り付けられる医療機器の変更に合わせて取付け部を付け替える等して、歩行訓練器10の構成を容易に変更できる。なお、歩行訓練器10に取り付けられる医療機器の変更する場合とは、例えば、歩行訓練器10を使用する患者Uが変わる場合が挙げられる。
また、本実施形態によれば、各取付け部は、訓練器本体20に取付け部を取り付けるための孔を空ける等の加工を施すことなく、訓練器本体20に取り付け可能な構成である。そのため、取付け部の位置を変更する場合、および取付け部の種類を変更する場合等であっても、訓練器本体20に新たに加工を施す必要がない。したがって、歩行訓練器10に取り付けられる医療機器の変更に合わせて、歩行訓練器10の構成をより容易に変更できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。以下の説明において上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
歩行訓練器10は、少なくとも1つの取付け部を備えていればよい。取付け部の構成は、訓練器本体20に医療機器を取り付けられるならば、特に限定されない。取付け部は、訓練器本体20に対して着脱自在でなくてもよい。取付け部は、例えば、訓練器本体20に形成された医療機器を取り付けるための孔等であってもよい。
また、上記説明においては、肘掛け部52,53は、患者Uの前腕部Aが上方から載置される構成としたが、これに限られない。肘掛け部52,53の構成は、患者Uの前腕部Aを受け入れ、支持できるならば、特に限定されない。肘掛け部52,53は、例えば、後方に開口し前後方向に延びる筒状であってもよい。この場合、患者Uは、前腕部Aを後方の開口から筒状の肘掛け部内に挿入し、前腕部Aを肘掛け部に支持させる。
また、上記説明では、肘掛け部は、肘掛け部52と肘掛け部53との一対設けられる構成としたが、これに限られない。肘掛け部は、少なくとも1つ設けられていればよい。また、肘掛け部は、少なくとも一部が前後方向において第1凹部30bと同じ位置にあるならば、特に限定されない。
また、上記説明においては、上下方向に沿って配置されたポールが、IVポール60である場合について説明したが、これに限られない。歩行訓練器10は、ポールとして、IVポール60以外のポールを備えてもよい。この場合、ポールは、例えば、医療機器ではなく、単なる細長の棒状部材であってもよい。この構成において、ポールに医療機器が取り付けられるならば、ポール自体が取付け部に相当する。また、ポールに別の取付け部が設けられてもよい。また、ポールは、上下方向の寸法を調節できないものであってもよい。また、歩行訓練器10は、ポールを備えなくてもよい。
また、IVポール60には、2つ以上の取付け部が設けられてもよいし、1つも設けられなくてもよい。また、ポンプ取付け部65は、シリンジポンプSDと一体的に設けられてもよい。この場合、IVポール60におけるポンプ取付け部65が装着される部分が、取付け部に相当する。
また、IVポール60が取り付けられる位置は、以下の変形例1および変形例2に示す位置であってもよい。
(変形例1)
図6は、本変形例の歩行訓練器110を示す斜視図である。図6に示すように、歩行訓練器110において、ポール取付け部136は、第1フレーム部31に設けられている。ポール取付け部136は、支柱支持部34よりも後方に位置する。本変形例においてポール取付け部136は、アームレスト部50よりも後方に位置する。
本変形例においてポール取付け部136は、上方に開口する円筒状である。ポール取付け部136の下端は、第1フレーム部31に形成された上方に開口する取付け穴136aに、上方から挿入されて固定されている。
本変形例によれば、ポール取付け部136が比較的後方に設けられるため、ポール取付け部136に取り付けられたIVポール60の位置を、比較的後方にできる。患者Uが歩行訓練を行う際、セラピスト等は患者Uの後方から指導を行う場合が多い。そのため、本変形例では、IVポール60に取り付けられる点滴DIをセラピスト等の近くに配置できる。これにより、セラピスト等が点滴DIの取り付け、取り外し等を行いやすい。特に、IVポール60に他の医療機器が取り付けられる場合には、他の医療機器もセラピスト等の近くに配置することができ、セラピスト等が他の医療機器を操作しやすくできる。
また、IVポール60を患者Uの側方に配置できるため、前方を向く患者Uの視界にIVポール60が入りにくい。これにより、歩行訓練を行う患者Uの視界を広く確保しやすく、歩行訓練をより行いやすくできる。また、点滴DIを患者Uに近づけやすく、送液チューブDTの取り回しを容易にできる。そのため、送液チューブDTが患者Uの前腕部Aから外れることを抑制できる。
なお、本変形例においては、取付け穴136aに、直接、IVポール60が挿入されて固定されてもよい。この場合、取付け穴136aが、IVポール60を取り付けるポール取付け部に相当する。
(変形例2)
図7は、本変形例の歩行訓練器210を示す斜視図である。図7に示すように、歩行訓練器210の訓練器本体220において、台車230は、ベースフレーム230aを有する。ベースフレーム230aは、支柱支持部234を有する。支柱支持部234は、支持部本体234aと、突出支持部234bと、を有する。支持部本体234aは、図1等に示す支柱支持部34と同様である。
突出支持部234bは、支持部本体234aの下端から右方(+X側)に突出している。突出支持部234bは、第1フレーム部31における支柱支持部234と連結される箇所よりも、右方に突出している。
歩行訓練器210の取付け部は、ポール取付け部(第2取付け部)236と、ボンベ取付け部(第4取付け部)280と、を含む。ポール取付け部236は、上方に開口する円筒状である。ポール取付け部236の下端は、突出支持部234bの上面に固定されている。ポール取付け部236には、上方からIVポール60の下端が挿入されている。ポール取付け部236は、支柱40の右方(+X側)に位置する。前後方向において、ポール取付け部236の位置は、支柱40の位置と略同じである。ポール取付け部236に取り付けられたIVポール60は、左右方向に沿って視て、支柱40と重なっている。
なお、本明細書において、「前後方向において、ポール取付け部(第2取付け部)の位置が、支柱の位置と略同じである」とは、ポール取付け部の少なくとも一部の前後方向の位置が、支柱の少なくとも一部の前後方向の位置と同じ場合を含む。言い換えると、本明細書において、「前後方向において、ポール取付け部(第2取付け部)の位置が、支柱の位置と略同じである」とは、平面視において、ポール取付け部と支柱とが、少なくとも一部で左右方向に重なることを含む。
ボンベ取付け部280には、ボンベBを取り付け可能である。ボンベ取付け部280は、ポール取付け部236に設けられている。ボンベ取付け部280は、固定部281と、延伸部282と、複数のリング部283と、底部支持板284と、を有する。固定部281は、ポール取付け部236に外側から嵌められている環状である。固定部281は、例えば、ネジによってポール取付け部236に固定されている。
延伸部282は、固定部281の後方側に固定されている。延伸部282は、上下方向に延びる棒状である。リング部283は、図7では、例えば、3つ設けられている。リング部283は、外周面の前方側が延伸部282に固定された環状の部材である。3つのリング部283は、上下方向に沿って等間隔に配置されている。
底部支持板284は、最も下方に位置するリング部283の下端に固定されている。底部支持板284は、略前後方向に延びる細長の板である。底部支持板284は、リング部283の前方の部分とリング部283の後方の部分とを接続している。底部支持板284は、平面視において、リング部283の中心を通る。
ボンベBは、最も上方に位置するリング部283の上方から、リング部283の内側に挿入されている。ボンベBは、3つのリング部283によって外周面を支持されている。ボンベBの下端は、底部支持板284に上方から接触している。これにより、ボンベBは、上下方向に位置決めされている。
本変形例によれば、ポール取付け部236の前後方向の位置が、支柱40の前後方向の位置と略同じであるため、IVポール60が支柱40の側方(右方)に配置される。これにより、点滴DIを患者Uの前腕部Aに、より近づけやすい。したがって、点滴DIの送液チューブDTが患者Uの前腕部Aから外れることをより抑制できる。
なお、患者Uが上述した各形態の歩行訓練器を使用する姿勢は、図2に示す患者Uの姿勢に限られない。患者Uは、例えば、前腕部Aを基部51に載置するようにしてもよいし、前腕部Aを肘掛け部52,53に載置させずに、グリップ部54を掴んでもよいし、肘掛け部52,53の側方を掴んでもよい。
また、本発明に係る歩行訓練器の使用者は、特に限定されず、症状が比較的軽い患者であってもよい。
また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。