JP7069433B1 - 風速予測装置、風速予測方法及びレーダ装置 - Google Patents

風速予測装置、風速予測方法及びレーダ装置 Download PDF

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Abstract

視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれが空間に放射され、空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を取得する散乱信号取得部(11)と、空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、散乱信号取得部(11)により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を設定し、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出部(12)と、ドップラー周波数算出部(12)により算出された複数のドップラー周波数から、VVP法を用いて、2次元平面の風速分布を推定する第1の風速分布推定部(13)と、第1の風速分布推定部(13)により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、観測領域の風速を予測する風速予測部(15)とを備えるように、風速予測装置(3)を構成した。

Description

本開示は、風速予測装置、風速予測方法及びレーダ装置に関するものである。
観測領域の風速を予測する風速予測装置の中には、気象モデルを用いて風速のシミュレーションを実施することで、観測領域の風速を予測する風速予測装置(以下「従来の風速予測装置」という)がある(特許文献1を参照)。風速のシミュレーションは、3次元の演算処理である。
特開2014-202190号公報
特許文献1に開示されている従来の風速予測装置は、3次元の演算処理を行うため、演算負荷が高くなってしまうことがあるという課題があった。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、3次元の演算処理を実施することなく、風速を予測することができる風速予測装置及び風速予測方法を得ることを目的とする。
本開示に係る風速予測装置は、視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれが空間に放射され、空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を取得する散乱信号取得部と、空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、散乱信号取得部により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を可変に設定することで、仰角の異なるビームであっても同一高度の観測点を観測できるようにし、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出部と、ドップラー周波数算出部により算出された複数のドップラー周波数から、VVP(Volume Velocity Processing)法を用いて、2次元平面の風速分布を推定する第1の風速分布推定部と、第1の風速分布推定部により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、観測領域の風速を予測する風速予測部とを備えたものである。
本開示によれば、3次元の演算処理を実施することなく、風速を予測することができる。
実施の形態1に係る風速予測装置3を含むレーダ装置1を示す構成図である。 図2Aは、飛行領域の位置が、ビーム送受信部2の鉛直方向の真上である場合の複数のビームを示す説明図、図2Bは、飛行領域の位置が、ビーム送受信部2の鉛直方向の真上からずれている場合の複数のビームを示す説明図である。 実施の形態1に係る風速予測装置3を示す構成図である。 実施の形態1に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 風速予測装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 風速予測装置3の処理手順である風速予測方法を示すフローチャートである。 図7Aは、仰角θが異なれば、同一のレンジビンRbの複数の観測点の高度が互いに異なることを示す説明図、図7Bは、仰角θが変化しても、同一のレンジビンRbの複数の観測点が同じ高度であることを示す説明図である。 風速の観測点の位置(x,y,z)を示す説明図である。 実施の形態2に係る風速予測装置3を示す構成図である。 実施の形態2に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 実施の形態3に係る風速予測装置3を示す構成図である。 実施の形態3に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る風速予測装置3を含むレーダ装置1を示す構成図である。
図1に示すレーダ装置1は、ビーム送受信部2及び風速予測装置3を備えている。
図2は、ビーム送受信部2から空間に放射される複数のビームを示す説明図である。図2の例では、観測領域が空間に存在している。観測領域は、例えば、飛行体が飛行する予定の飛行領域である。飛行体は、例えば、ドローン、又は、ヘリコプターである。
図2Aは、飛行領域の位置が、ビーム送受信部2の鉛直方向の真上である場合の複数のビームを示す説明図である。
図2Bは、飛行領域の位置が、ビーム送受信部2の鉛直方向の真上からずれている場合の複数のビームを示す説明図である。
ビーム送受信部2は、例えば、ビーム生成部、ビーム送信器、放射方向切替部、アンテナ及びビーム受信器を備えている。図1では、ビーム生成部、ビーム送信器、放射方向切替部、アンテナ及びビーム受信器の表記が省略されている。
ビーム送受信部2は、図2に示すように、視線方向と水平方向とのなす角である仰角θ(n=1,・・・,N)が互いに異なる複数のビームのそれぞれを空間に放射する。Nは、2以上の整数である。
即ち、ビーム送受信部2は、図2Aに示すように、飛行領域が鉛直方向の真上に存在している場合、それぞれの仰角θでビームスキャンを実施することで、それぞれの仰角θにおいて、互いに異なる方向にビームを放射する。
図2Aでは、N=3であり、ビーム送受信部2から、仰角θのビーム、仰角θのビーム及び仰角θのビームのそれぞれが空間に放射されている。図2Aでは、それぞれの仰角θにおいて、4つの方向にビームが放射されている。図2Aにおいて、黒丸は、風速の観測点を示している。
また、ビーム送受信部2は、図2Bに示すように、飛行領域の位置が鉛直方向の真上からずれている場合、仰角θを切り替えながら、それぞれの仰角θでビームを放射する。
図2Bでは、N=12であり、ビーム送受信部2から、仰角θ~θ12のビームが空間に放射されている。図面の簡単化のため、図2Bには、仰角θ~θのみが表記されており、仰角θ~θ12の表記が省略されている。図2Bでは、それぞれの仰角θにおいて、1つの方向にビームが放射されている。図2Bにおいて、黒丸は、風速の観測点を示している。
図2A及び図2Bのそれぞれは、3つの2次元平面の風速分布を求める例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、1つ又は2つの2次元平面の風速分布を求めるものであってもよいし、4つ以上の2次元平面の風速分布を求めるものであってもよい。
ビーム送受信部2から放射されるビームとしては、例えば、CW(Continuous Wave)パルス光のほか、周波数変調されたパルス光を用いることができる。
ビーム送受信部2は、空間で散乱された後のそれぞれのビームを散乱信号として受信する。
ビーム送受信部2は、それぞれの散乱信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を風速予測装置3に出力する。
また、ビーム送受信部2は、空間に放射したそれぞれのビームの仰角θを示す角度情報を風速予測装置3に出力する。
図1に示すレーダ装置1では、ビーム送受信部2が、ビーム生成部、ビーム送信器、放射方向切替部、アンテナ及びビーム受信器を備えているものを想定している。しかし、ビーム送受信部2は、仰角θが互いに異なる複数のビームのそれぞれを空間に放射し、空間で散乱された後のそれぞれのビームを散乱信号として受信することができればよく、どのような構成であってもよい。
図3は、実施の形態1に係る風速予測装置3を示す構成図である。
図4は、実施の形態1に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図3に示す風速予測装置3は、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部15を備えている。
散乱信号取得部11は、例えば、図4に示す散乱信号取得回路21によって実現される。
散乱信号取得部11は、空間で散乱された後のそれぞれの散乱信号として、ビーム送受信部2から、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)を取得する。j=1,・・・,Jである。jは、仰角θにおけるビームスキャンのスキャン番号である。図2Aの例では、それぞれの仰角θにおいて、4つの方向にビームが放射されているため、J=4である。図2Bの例では、それぞれの仰角θにおいて、1つの方向にビームが放射されているため、J=1である。tは、時刻を示す変数である。
また、散乱信号取得部11は、ビーム送受信部2により空間に放射されたそれぞれのビームの仰角θを示す角度情報を取得する。
散乱信号取得部11は、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)及び角度情報のそれぞれをドップラー周波数算出部12に出力する。
ドップラー周波数算出部12は、例えば、図4に示すドップラー周波数算出回路22によって実現される。
ドップラー周波数算出部12は、散乱信号取得部11から、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)及び角度情報のそれぞれを取得する。
ドップラー周波数算出部12は、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)をヒット方向にFFT(Fast Fourier Transformation)する前に、角度情報が示す仰角θに従って、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)の距離分解能としてレンジビン幅を設定する。即ち、ドップラー周波数算出部12は、レンジビン幅に相当するFFT長Lθnを設定する。
FFT長Lθnは、空間に放射されたビームの仰角θが広いほど、短く設定され、空間に放射されたビームの仰角θが狭いほど、長く設定される。
図2Aの例では、仰角θのビームに対応するデジタル信号sθ1,j(t)のFFT長Lθ1が、仰角θのビームに対応するデジタル信号sθ2,j(t)のFFT長Lθ2よりも長く、仰角θのビームに対応するデジタル信号sθ2,j(t)のFFT長Lθ2が、仰角θのビームに対応するデジタル信号sθ3,j(t)のFFT長Lθ3よりも長い。
ドップラー周波数算出部12は、散乱信号取得部11により取得されたそれぞれのデジタル信号sθn,j(t)をヒット方向にFFTすることで、デジタル信号sθn,j(t)を周波数領域の信号rθn,j(f)に変換する。fは、周波数を示す変数である。
ドップラー周波数算出部12は、周波数領域の信号rθn,j(f)から、複数のレンジビンRb~Rbにおけるそれぞれのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを算出する。m=1,・・・,Mであり、Mは、1以上の整数である。
図2では、3つの2次元平面の風速分布を求める例を示している。図2のように、3つの2次元平面の風速分布を求める場合、ドップラー周波数算出部12は、周波数領域の信号rθn,j(f)から、レンジビンRb,Rb,Rbにおけるそれぞれのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを算出する。
図3に示す風速予測装置3では、Mが2以上の整数であるものを想定している。ただし、Mが2以上の整数であるものに限るものではなく、M=1であってもよい。
M=1の場合、ドップラー周波数算出部12は、周波数領域の信号rθn,j(f)から、観測領域を含んでいる1つのレンジビンRbのドップラー周波数dpfθn,j,Rb1のみを算出する。
ドップラー周波数算出部12は、それぞれのレンジビンRbのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを第1の風速分布推定部13に出力する。
第1の風速分布推定部13は、例えば、図4に示す第1の風速分布推定回路23によって実現される。
第1の風速分布推定部13は、ドップラー周波数算出部12により算出されたそれぞれのレンジビンRbにおける複数のドップラー周波数dpfθ1,j,Rbm~dpfθN,j,Rbmから、VVP(Volume Velocity Processing)法を用いて、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を推定する。
第1の風速分布推定部13は、Mが1であれば、観測領域を含んでいる2次元平面として、レンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRb1(x,y)を推定し、2次元平面の風速分布uRb1(x,y)を風速予測部15に出力する。
第1の風速分布推定部13は、Mが2以上であれば、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を第2の風速分布推定部14に出力する。
第2の風速分布推定部14は、例えば、図4に示す第2の風速分布推定回路24によって実現される。
第2の風速分布推定部14は、第1の風速分布推定部13により推定された複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)から、複数の2次元平面の間の2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定する。例えば、2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)は、レンジビンRbに対応する2次元平面とレンジビンRbに対応する2次元平面との間の2次元平面の風速分布である。2次元平面の風速分布uRb2’(x,y)は、レンジビンRbに対応する2次元平面とレンジビンRbに対応する2次元平面との間の2次元平面の風速分布である。
第2の風速分布推定部14は、複数の2次元平面の間の2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)を風速予測部15に出力する。
風速予測部15は、例えば、図4に示す風速予測回路25によって実現される。
風速予測部15は、Mが1であれば、第1の風速分布推定部13により推定された2次元平面の風速分布uRb1(x,y)から、2次元ナビエストークス方程式(以下「2次元N-S方程式」という)を用いて、観測領域の風速u(t)を予測する。観測領域は、例えば、飛行体が飛行する予定の飛行領域を含んでいる領域である。
風速予測部15は、Mが2以上であれば、第1の風速分布推定部13により推定された複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)及び第2の風速分布推定部14により推定された2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)の中から、飛行領域を観測領域として含んでいる2次元平面の風速分布を選択する。
風速予測部15は、選択した2次元平面の風速分布から、2次元N-S方程式を用いて、飛行領域の風速u(t)を予測する。
図3では、風速予測装置3の構成要素である散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部15のそれぞれが、図4に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、風速予測装置3が、散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24及び風速予測回路25によって実現されるものを想定している。
散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24及び風速予測回路25のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
風速予測装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、風速予測装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図5は、風速予測装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
風速予測装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部15におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
また、図4では、風速予測装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図5では、風速予測装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、風速予測装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
次に、図1に示すレーダ装置1の動作について説明する。
図6は、風速予測装置3の処理手順である風速予測方法を示すフローチャートである。
ビーム送受信部2は、図2に示すように、仰角θ(n=1,・・・,N)が互いに異なる複数のビームのそれぞれを空間に放射する。
即ち、ビーム送受信部2は、図2Aに示すように、飛行領域が鉛直方向の真上に存在している場合、それぞれの仰角θでビームスキャンを実施することで、それぞれの仰角θにおいて、互いに異なる方向にビームを放射する。
ビーム送受信部2は、図2Bに示すように、飛行領域の位置が鉛直方向の真上からずれている場合、仰角θを切り替えながら、それぞれの仰角θでビームを放射する。ビーム送受信部2から放射されるビームは、例えば、パルス光である。
ビーム送受信部2から放射されたそれぞれのビームは、空間内に浮遊しているエアロゾル等の微粒子によって後方散乱される。例えば、1つのビームの視線方向に、複数の微粒子が存在していれば、1つのビームは、それぞれの微粒子によって後方散乱される。後方散乱された後のビームは、散乱信号として、ビーム送受信部2に戻ってくる。ビーム送受信部2から複数の微粒子までの距離は互いに異なるため、それぞれの散乱信号が、ビーム送受信部2に戻ってくる時間は、互いに異なる。
ビーム送受信部2は、それぞれの散乱信号をアナログ信号からデジタル信号sθn,j(t)(n=1,・・・,N:j=1,・・・,J)に変換し、デジタル信号sθn,jを風速予測装置3に出力する。
また、ビーム送受信部2は、空間に放射したそれぞれのビームの仰角θを示す角度情報を風速予測装置3に出力する。
散乱信号取得部11は、ビーム送受信部2から、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)を取得する(図6のステップST1)。
また、散乱信号取得部11は、ビーム送受信部2から、それぞれのビームの仰角θを示す角度情報を取得する。
散乱信号取得部11は、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)及び角度情報のそれぞれをドップラー周波数算出部12に出力する。
ドップラー周波数算出部12は、散乱信号取得部11から、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)を取得し、散乱信号取得部11から、それぞれの角度情報を取得する。
ドップラー周波数算出部12は、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)をヒット方向にFFTする前に、角度情報が示す仰角θに従って、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)のFFT長Lθnを設定する(図6のステップST2)。FFT長Lθnは、散乱信号のレンジビン幅に相当する。
即ち、ドップラー周波数算出部12は、FFT長Lθnに相当するレンジビン幅が1/sin(θ)に比例するように、デジタル信号sθn,j(t)のFFT長Lθnを設定する。
それぞれのデジタル信号sθn,j(t)のFFT長Lθnが同じである場合、仰角θが異なれば、図7Aに示すように、同一のレンジビンRbの複数の観測点の高度が互いに異なる。
一方、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)のFFT長Lθnが仰角θに従って設定されている場合、仰角θが異なっていても、図7Bに示すように、同一のレンジビンRbの複数の観測点の高度が同じ高度になる。
図1に示すレーダ装置1では、同一のレンジビンRbの複数の観測点が同じ高度となるように、仰角θが広いほど、FFT長Lθnが短く設定され、散乱信号の仰角θが狭いほど、FFT長Lθnが長く設定されている。
図7は、ドップラー周波数の観測点を示す説明図である。
図7Aは、仰角θが異なれば、同一のレンジビンRbの複数の観測点の高度が互いに異なることを示す説明図である。
図7Bは、仰角θが変化しても、同一のレンジビンRbの複数の観測点が同じ高度であることを示す説明図である。
FFT長Lθnが短く設定されれば、レンジビンRbの幅が狭くなり、距離分解能が高くなる。一方、FFT長Lθnが長く設定されれば、レンジビンRbの幅が広くなり、距離分解能が低くなる。
ドップラー周波数算出部12は、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)を、FFT長がLθnのFFTをヒット方向に行うことで、それぞれのデジタル信号sθn,j(t)を周波数領域の信号rθn,j(f)に変換する(図6のステップST3)。
ドップラー周波数算出部12は、周波数領域の信号rθn,j(f)から、複数のレンジビンRb~Rbにおけるそれぞれのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを算出する(図6のステップST4)。
ドップラー周波数算出部12は、それぞれのレンジビンRbのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを第1の風速分布推定部13に出力する。
レンジビンRbのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
なお、デジタル信号sθn,j(t)のSNR(Signal to Noise Ratio)が低いために、ドップラー周波数dpfθn,j,Rbmの算出精度が低くなることがある。このような場合、ドップラー周波数算出部12が、例えば、以下に示す処理を実施することで、ドップラー周波数dpfθn,j,Rbmの算出精度を高めるようにしてもよい。
ドップラー周波数算出部12は、例えば、仰角θが同じで、ヒット番号が互いに異なる複数のパルス光に係るデジタル信号sθn,j(t)をそれぞれ取得して、複数のビームに係るデジタル信号sθn,j(t)を周波数領域の信号rθn,j(f)にそれぞれ変換する。そして、ドップラー周波数算出部12は、複数の周波数領域の信号rθn,j(f)をコヒーレント積分することで、ドップラー周波数dpfθn,j,Rbmの算出精度を高める。ドップラー周波数dpfθn,j,Rbmの算出精度を高める処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
第1の風速分布推定部13は、ドップラー周波数算出部12から、それぞれのレンジビンRbのドップラー周波数dpfθn,j,Rbmを取得する。
第1の風速分布推定部13は、それぞれのレンジビンRbにおける複数のドップラー周波数dpfθ1,j,Rbm~dpfθN,j,Rbmから、VVP法を用いて、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を推定する(図6のステップST5)。
以下、第1の風速分布推定部13による2次元平面の風速分布uRbm(x,y)の推定処理を具体的に説明する。
図8は、風速の観測点の位置(x,y,z)を示す説明図である。
風速の観測点の位置(x,y,z)は、以下の式(1)に示すように、レーダ装置1が備えるビーム送受信部2の位置Oを中心とする極座標で表されるものとする。

Figure 0007069433000001
式(1)において、θは、ビームの仰角である。φは、観測点が存在しているx-y平面の中心点O’と観測点の位置(x,y,z)とを結ぶ線分と、y軸とのなす角である。rは、ビーム送受信部2の位置Oと観測点の位置(x,y,z)との間の距離である。
例えば、観測点の鉛直下方における地表面の地形が特殊な地形ではなく、一般的な地形であれば、風速予測装置3は、観測点が存在している2次元平面に対して、鉛直方向の風速を観測できなくても、2次元平面と平行な方向の風速を観測できれば、飛行体に影響する風を観測する上で、実用上問題がない。
一般的な地形とは、平坦な地形、傾斜している地形、又は、小さな凹凸がある地形等が該当する。特殊な地形とは、谷底がある地形、又は、標高差が大きな崖がある地形等が該当する。
このため、図3に示す風速予測装置3では、第1の風速分布推定部13が、鉛直方向の風速を無視し、観測点における真の風速ベクトルuが、以下の式(2)のように表されるものとする。

Figure 0007069433000002
式(2)において、uは、風速ベクトルuのx軸と平行な方向の成分を示し、uは、風速ベクトルuのy軸と平行な方向の成分を示している。
第1の風速分布推定部13は、x-y平面の中心点O’における風速uが、以下の式(3)のように表されるものとして、中心点O’を中心とする風速ベクトルuを、x,yに関してテーラー展開する。例えば、3次の項以降を無視すれば、以下の近似式(4)が成立する。

Figure 0007069433000003
レーダ装置1によって観測されるのは、観測点における風速の視線方向速度であるため、観測風速u(θ,φ)は、以下の式(5)のように表される。

Figure 0007069433000004
第1の風速分布推定部13は、K本のビームによる観測風速u(θ,φ)~u(θ,φ)を取得し、取得した観測風速u(θ,φ)~u(θ,φ)を以下の式(8)に代入することによって、式(7)に示すpを推定する。Kは、2以上の整数である。K本のビームは、仰角θ及びなす角φの組が互いに異なるK個のパルス光である。

Figure 0007069433000005
式(7)に示すpの要素のうち、上から4番目、7番目及び8番目の要素は、2つのパラメータの和として表現されているため、不確定要素である。
第1の風速分布推定部13は、式(8)によって推定したpの要素のパラメータを均等に割り振ることで、不確定要素を確定する。
pの要素のうち、上から4番目がpであるとすれば、第1の風速分布推定部13は、例えば、以下の式(9)のように、pを決定する。
pの要素のうち、上から7番目がpであるとすれば、第1の風速分布推定部13は、例えば、以下の式(10)のように、pを決定する。
pの要素のうち、上から8番目がpであるとすれば、第1の風速分布推定部13は、例えば、以下の式(11)のように、pを決定する。

Figure 0007069433000006
以上により、近似式(4)に示す全ての係数u、∂u/∂x、∂u/∂y、∂u/∂x、∂u/∂x∂y、∂u/∂yが決定されるため、第1の風速分布推定部13は、近似式(4)より、それぞれの観測点の風速ベクトルu(x,y)を得ることができる。
第1の風速分布推定部13は、それぞれの観測点の風速ベクトルu(x,y)を得ることができれば、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を得ることができる。
ここでは、第1の風速分布推定部13が、風速ベクトルu(x,y)のテーラー展開を0次~2次の項で近似している。しかし、これは一例に過ぎず、第1の風速分布推定部13が、風速ベクトルu(x,y)のテーラー展開を0次~3次以上の項で近似するようにしてもよい。
第1の風速分布推定部13は、Mが1であれば、レンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRb1(x,y)を風速予測部15に出力する。
第1の風速分布推定部13は、Mが2以上であれば、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を第2の風速分布推定部14に出力する。
第2の風速分布推定部14は、第1の風速分布推定部13から、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を取得する。
第2の風速分布推定部14は、複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)から、複数の2次元平面の間の2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定する(図6のステップST6)。
第2の風速分布推定部14は、2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)を風速予測部15に出力する。
以下、第2の風速分布推定部14による2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)の推定処理を具体的に説明する。
例えば、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面と、風速分布がuRbm+1(x,y)である2次元平面との間の2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定する場合、第2の風速分布推定部14は、風速分布uRbm’(x,y)を推定する2次元平面から、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面までの鉛直方向の距離Lm-m’を算出する。
また、第2の風速分布推定部14は、風速分布uRbm’(x,y)を推定する2次元平面から、風速分布がuRbm+1(x,y)である2次元平面までの鉛直方向の距離L(m+1)-m’を算出する。
第2の風速分布推定部14は、以下の式(12)から式(14)に示すように、距離Lm-m’及び距離L(m+1)-m’に基づいて、2次元平面の風速分布uRbm(x,y)に対する重み係数wと、2次元平面の風速分布uRbm+1(x,y)に対する重み係数wm+1とを算出する。

Figure 0007069433000007
第2の風速分布推定部14は、以下の式(15)に示すように、重み係数w及び重み係数wm+1に基づいて、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面と、風速分布が風速分布uRbm+1(x,y)である2次元平面との間の2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定する。

Figure 0007069433000008
ここでは、第2の風速分布推定部14が、風速分布uRbm’(x,y)を推定する2次元平面からの距離に基づく重み付き平均として、2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、第2の風速分布推定部14が、距離Lm-m’と距離L(m+1)-m’とを比較する。そして、第2の風速分布推定部14は、距離Lm-m’が距離L(m+1)-m’よりも短ければ、2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)として、2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を用い、距離Lm-m’が距離L(m+1)-m’以上であれば、2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)として、2次元平面の風速分布uRbm+1(x,y)を用いるようにしてもよい。
また、ここでは、第2の風速分布推定部14が、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面と、風速分布がuRbm+1(x,y)である2次元平面との間の2次元平面の風速分布として、1つの2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定している。しかし、これは一例に過ぎず、第2の風速分布推定部14は、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面と、風速分布がuRbm+1(x,y)である2次元平面との間の2次元平面の風速分布として、鉛直方向の位置が互いに異なる、2つ以上の2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)を推定するようにしてもよい。
風速予測部15は、Mが1であれば、第1の風速分布推定部13から、2次元平面の風速分布uRb1(x,y)を取得する。
風速予測部15は、Mが2以上であれば、第1の風速分布推定部13から、複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)を取得し、第2の風速分布推定部14から、2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)を取得する。
風速予測部15は、Mが1であれば、2次元平面の風速分布uRb1(x,y)から、2次元N-S方程式を用いて、当該2次元平面内の観測領域の風速u(t)を予測する(図6のステップST7)。
風速予測部15は、Mが2以上であれば、複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)及び2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)の中から、いずれかの2次元平面の風速分布を選択する。
風速u(t)の予測対象の観測点が、レンジビンRbに対応する2次元平面内の観測領域に存在していれば、風速予測部15は、風速分布uRbm(x,y)を選択する。風速u(t)の予測対象の観測点が、レンジビンRbm’に対応する2次元平面内の観測領域に存在していれば、風速予測部15は、風速分布uRbm’(x,y)を選択する。
風速予測部15は、選択した2次元平面の風速分布から、2次元N-S方程式を用いて、選択した2次元平面内の観測領域の風速u(t)を予測する(図6のステップST7)。
以下、風速予測部15による風速u(t)の予測処理を具体的に説明する。
風は、一般的に、非圧縮流体とみなされる。非圧縮流体に関する2次元N-S方程式は、以下に示す式(16)及び式(17)によって表現される。

Figure 0007069433000009
式(16)において、uは風速ベクトル、νは粘性係数、ρは密度、pは圧力、fは外力ベクトル、tは時間変数である。
粘性係数νは、非常に小さいので、風の粘性を無視することができる。また、外力ベクトルFの項も無視することができる。よって、風の粘性及び外力のそれぞれが存在しないという条件の下では、式(16)は、以下の式(18)のように表され、式(17)は、以下の式(19)のように表される。

Figure 0007069433000010
式(18)の右辺第1項は、移流項と呼ばれ、右辺第2項は、圧力項と呼ばれる。
風速ベクトルuが2次元ベクトルu=[u,uであるとすれば、式(18)は、以下の式(20)及び式(21)のように表される。

Figure 0007069433000011
式(22)を用いると、式(20)は、以下の式(23)のように表され、式(21)は、以下の式(24)のように表される。

Figure 0007069433000012
差分法によって、風速ベクトルuを、時間に関して離散化すると、式(23)は、以下の式(25)のように表され、式(24)は、以下の式(26)のように表される。

Figure 0007069433000013
式(25)及び式(26)において、g,g+1のそれぞれは、時間ステップを示す記号である。
中間変数u を用いれば、式(25)は、以下の式(27)及び式(28)のように、2つの式に分けることができる。
また、中間変数u を用いれば、式(26)は、以下の式(29)及び式(30)のように、2つの式に分けることができる。

Figure 0007069433000014
式(27)は、式(31)のように変形され、式(29)は、式(32)のように変形される。

Figure 0007069433000015
式(28)は、x方向に微分すれば、以下の式(33)のように表され、式(30)は、y方向に微分すれば、以下の式(34)のように表される。

Figure 0007069433000016
式(33)及び式(34)の左辺同士が加算され、式(33)及び式(34)の右辺同士が加算されると、以下の式(35)のように表される。

Figure 0007069433000017
式(22)より、推定される次時刻ステップg+1の風速ベクトルuに関しては、∇・ug+1=0である必要がある。このため、式(35)より、圧力に関するポアソン方程式として、以下の式(36)が得られる。

Figure 0007069433000018
風速予測部15は、現在の時刻ステップgの風速ベクトルu=[u ,u を空間方向に離散化する。
風速予測部15は、離散化したu を式(31)に代入することで、中間変数u を算出し、離散化したu を式(32)に代入することで、中間変数u を算出する。
風速予測部15は、中間変数u 及び中間変数u を用いて、式(36)から圧力pを算出する。
風速予測部15は、中間変数u 及び圧力pを用いて、式(28)から次時刻ステップg+1の風速ベクトルu g+1を算出する。
風速予測部15は、中間変数u 及び圧力pを用いて、式(30)から次時刻ステップg+1の風速ベクトルu g+1を算出する。
風速予測部15により予測される風速u(t)は、[u g+1,u g+1であり、風速u(t)は、例えば、図示せぬ表示器に表示される。
従来の風速予測装置は、観測領域の風速を予測するために、気象モデルを用いるシミュレーションを実施しており、気象モデルを用いるシミュレーションは、3次元の演算処理である。例えば、3次元の観測領域内の観測点の数が、Cx×Cy×Czであり、C=Cx=Cy=Czであるとすれば、演算量オーダは、概ねCに比例するオーダとなる。
これに対して、図3に示す風速予測装置3の演算処理は、2次元の演算処理である。例えば、2次元平面の数がMであり、2次元平面に存在している観測領域内の観測点の数が、Cx×Cyであり、C=Cx=Cyであるとすれば、演算量オーダは、概ねC×Mに比例するオーダとなる。M=Cであれば、図3に示す風速予測装置3の演算量オーダは、従来の風速予測装置の演算量オーダと、概ね同じになる。
しかしながら、3次元の演算処理は、鉛直風を無視しない3次元N-S方程式を用いることが想定される。当該3次元N-S方程式では、鉛直方向の観測点の間隔を大幅に広げることが困難であり、3次元N-S方程式を解くことが可能な、観測点の間隔の最大値は、鉛直方向のクーラン条件として決まっている。
一方、2次元の演算処理である、鉛直風を無視する2次元N-S方程式では、鉛直方向のクーラン条件が存在していないので、Cz≫Mとすることが可能である。例えば、(M/Cz)=1/Qであるとすれば、図3に示す風速予測装置3の演算量オーダは、従来の風速予測装置の演算量オーダの概ね1/Qとなる。Qは、10~1000程度の値である。
上述したように、例えば、観測点の鉛直下方における地表面の地形が特殊な地形ではなく、一般的な地形であれば、風速予測装置3は、観測点が存在している2次元平面に対して、鉛直方向の風速を観測できなくても、2次元平面と平行な方向の風速を観測できれば、飛行体に影響する風を観測する上で、実用上問題がない。
仮に、観測点の鉛直下方における地表面の地形が特殊な地形であっても、2次元平面と平行な方向の風速は、飛行体に影響する風を観測する上で、有用な情報として利用可能である。
以上の実施の形態1では、視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれが空間に放射され、空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を取得する散乱信号取得部11と、空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、散乱信号取得部11により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を設定し、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出部12と、ドップラー周波数算出部12により算出された複数のドップラー周波数から、VVP法を用いて、2次元平面の風速分布を推定する第1の風速分布推定部13と、第1の風速分布推定部13により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、観測領域の風速を予測する風速予測部15とを備えるように、風速予測装置3を構成した。したがって、風速予測装置3は、3次元の演算処理を実施することなく、風速を予測することができる。
図3に示す風速予測装置3では、第1の風速分布推定部13が、それぞれのレンジビンRbに対応する2次元平面の風速分布uRbm(x,y)を推定している。しかしながら、第1の風速分布推定部13により推定された風速分布uRbm(x,y)は、観測ノイズの影響によって、実際の風速分布から多少のずれを生じることがある。第1の風速分布推定部13は、観測ノイズの影響によるずれを抑えるため、風速分布uRbm(x,y)を時間方向に平滑化するようにしてもよい。
風速分布uRbm(x,y)の時間方向の平滑化は、2次元N-S方程式のような流体移動モデルと、推定した風速分布uRbm(x,y)とを融合することで、実現することが可能である。流体移動モデルと風速分布uRbm(x,y)との融合は、データ同化と呼ばれる。
例えば、前時間ステップg-1の真の風速分布uRbm(x,y)がut=tg-1で表され、現在の時間ステップgの真の風速分布uRbm(x,y)がut=tgで表されるものとする。2次元N-S方程式は、ut=tg-1とut=tgとの関係を非線形に記述することが可能な流体モデルであり、非線形関数がf(・)で表されるとすれば、以下の式(37)が成立する。

Figure 0007069433000019
データ同化処理は、以下の式(38)に示すように、データ同化関数As(・)を用いて実施する処理である。即ち、データ同化処理は、現在の時間ステップgの風速分布uRbm(x,y)であるu(x,y;t=tg)と、前時間ステップg-1の風速分布uRbm(x,y)が現在の時間ステップgまで時間発展されたf(u(x,y;t=tg-1)バー)とを足し合わせることで、現在の時間ステップgの平滑化されたu(x,y;t=tg)バーを算出するものである。明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“-”の記号を付することができないので、例えば、u(x,y;t=tg)バーのように表記している。

Figure 0007069433000020
ここでは、第1の風速分布推定部13が、データ同化関数As(・)を用いて、データ同化処理を実施している。しかし、これは一例に過ぎず、第1の風速分布推定部13が、例えば、2次元N-S方程式を用いたパーティクルフィルタ、又は、2次元N-S方程式を用いたアンサンブルカルマンフィルタによって、データ同化処理を実施するようにしてもよい。また、第1の風速分布推定部13が、2次元N-S方程式を線形関数に近似した拡張カルマンフィルタ、又は、2次元N-S方程式を用いた変分法によって、データ同化処理を実施するようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1に係る風速予測装置3では、風速予測部15が、複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)及び2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)の中から、いずれかの2次元平面の風速分布を選択している。
実施の形態2では、複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)と2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)とから、飛行体が飛行する予定の飛行領域を観測領域として含んでいる2次元平面の風速分布を推定する風速予測部16を備える風速予測装置3について説明する。
図9は、実施の形態2に係る風速予測装置3を示す構成図である。図9において、図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図10において、図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図9に示す風速予測装置3は、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部16を備えている。
風速予測部16は、例えば、図10に示す風速予測回路26によって実現される。
風速予測部16は、第1の風速分布推定部13により推定された複数の2次元平面の風速分布uRb1(x,y)~uRbM(x,y)と、第2の風速分布推定部14により推定された2次元平面の風速分布uRb1’(x,y)~uRbM-1’(x,y)とから、飛行領域を観測領域として含んでいる2次元平面の風速分布を推定する。
風速予測部16は、推定した2次元平面の風速分布から、2次元N-S方程式を用いて、飛行領域の風速u(t)を予測する。
図9では、風速予測装置3の構成要素である散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部16のそれぞれが、図10に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、風速予測装置3が、散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24及び風速予測回路26によって実現されるものを想定している。
散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24及び風速予測回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
風速予測装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、風速予測装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
風速予測装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14及び風速予測部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図5に示すメモリ31に格納される。そして、図5に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
また、図10では、風速予測装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図5では、風速予測装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、風速予測装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
次に、図9に示す風速予測装置3の動作について説明する。風速予測部16以外は、図3に示す風速予測装置3と同様であるため、ここでは、風速予測部16の動作のみを説明する。
ここでは、説明の便宜上、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面と、風速分布がuRbm’(x,y)である2次元平面との間の2次元平面に、飛行領域が存在しているものとする。
風速予測部16は、飛行領域が存在している2次元平面から、風速分布がuRbm(x,y)である2次元平面までの鉛直方向の距離Lp-mを算出する。
また、風速予測部16は、飛行領域が存在している2次元平面から、風速分布がuRbm’(x,y)である2次元平面までの鉛直方向の距離Lp-m’を算出する。
風速予測部16は、以下の式(39)から式(41)に示すように、距離Lp-m及び距離Lp-m’に基づいて、2次元平面の風速分布uRbm(x,y)に対する重み係数wp-mと、2次元平面の風速分布uRbm’(x,y)に対する重み係数wp-m’とを算出する。

Figure 0007069433000021
風速予測部16は、以下の式(42)に示すように、重み係数wp-m及び重み係数wp-m’に基づいて、飛行領域が存在している2次元平面の風速分布uRbp(x,y)を推定する。

Figure 0007069433000022
風速予測部16は、推定した2次元平面の風速分布uRbp(x,y)から、2次元N-S方程式を用いて、飛行領域の風速u(t)を予測する。風速予測部16による風速u(t)の予測処理自体は、図3に示す風速予測部15による風速u(t)の予測処理と同様である。
実施の形態3.
実施の形態3では、風速予測部15により予測された風速u(t)が閾値Th以上となる時刻tを算出し、時刻tを通知する時刻通知部17を備える風速予測装置3について説明する。
図11は、実施の形態3に係る風速予測装置3を示す構成図である。図11において、図3及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図12は、実施の形態3に係る風速予測装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図12において、図4及び図10と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図11に示す風速予測装置3は、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14、風速予測部15及び時刻通知部17を備えている。
時刻通知部17は、例えば、図12に示す時刻通知回路27によって実現される。
時刻通知部17は、風速予測部15により予測された風速u(t)が閾値Th以上となる時刻tを特定する。
時刻通知部17は、特定した時刻tを、例えば、飛行体、又は、飛行体の飛行状態を監視している管制塔に通知する。
図11は、時刻通知部17が図3に示す風速予測装置3に適用されている例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、時刻通知部17が図9に示す風速予測装置3に適用されているものであってもよい。
図11では、風速予測装置3の構成要素である散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14、風速予測部15及び時刻通知部17のそれぞれが、図12に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、風速予測装置3が、散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24、風速予測回路25及び時刻通知回路27によって実現されるものを想定している。
散乱信号取得回路21、ドップラー周波数算出回路22、第1の風速分布推定回路23、第2の風速分布推定回路24、風速予測回路25及び時刻通知回路27のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
風速予測装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、風速予測装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
風速予測装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、散乱信号取得部11、ドップラー周波数算出部12、第1の風速分布推定部13、第2の風速分布推定部14、風速予測部15及び時刻通知部17におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図5に示すメモリ31に格納される。そして、図5に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
また、図12では、風速予測装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図5では、風速予測装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、風速予測装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
次に、図11に示す風速予測装置3の動作について説明する。時刻通知部17以外は、図3に示す風速予測装置3と同様であるため、ここでは、時刻通知部17の動作のみを説明する。
時刻通知部17は、風速予測部15が風速u(t)を予測する毎に、風速予測部15から、予測された風速u(t)を取得する。
時刻通知部17は、予測された風速u(t)を取得する毎に、風速u(t)と閾値Thとを比較する。閾値Thは、例えば、飛行体の飛行に影響を及ぼす可能性がある風速の下限値である。閾値Thは、時刻通知部17の内部メモリに格納されていてもよいし、外部から与えられるものであってもよい。
時刻通知部17は、風速u(t)と閾値Thとの比較結果に基づいて、風速u(t)が閾値Th以上となる時刻tを特定する。
時刻通知部17は、特定した時刻tを、例えば、飛行体、又は、飛行体の飛行状態を監視している管制塔に通知する。
以上の実施の形態3では、風速予測部15により予測された風速が閾値以上となる時刻を特定し、特定した時刻tを通知する時刻通知部17を備えるように、図11に示す風速予測装置3を構成した。したがって、図11に示す風速予測装置3は、図3に示す風速予測装置3と同様に、3次元の演算処理を実施することなく、風速を予測することができる。また、飛行体の飛行に影響を及ぼす可能性がある風が吹く時刻を知らせることができる。
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示は、風速予測装置、風速予測方法及びレーダ装置に適している。
1 レーダ装置、2 ビーム送受信部、3 風速予測装置、11 散乱信号取得部、12 ドップラー周波数算出部、13 第1の風速分布推定部、14 第2の風速分布推定部、15,16 風速予測部、17 時刻通知部、21 散乱信号取得回路、22 ドップラー周波数算出回路、23 第1の風速分布推定回路、24 第2の風速分布推定回路、25,26 風速予測回路、27 時刻通知回路、31 メモリ、32 プロセッサ。

Claims (7)

  1. 視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれが空間に放射され、前記空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を取得する散乱信号取得部と、
    前記空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、前記散乱信号取得部により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を可変に設定することで、仰角の異なるビームであっても同一高度の観測点を観測できるようにし、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出部と、
    前記ドップラー周波数算出部により算出された複数のドップラー周波数から、VVP(Volume Velocity Processing)法を用いて、前記2次元平面の風速分布を推定する第1の風速分布推定部と、
    前記第1の風速分布推定部により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、前記観測領域の風速を予測する風速予測部と
    を備えた風速予測装置。
  2. 前記ドップラー周波数算出部は、それぞれの散乱信号から、複数のレンジビンにおけるそれぞれのドップラー周波数を算出することで、観測する3次元領域を複数の2次元平面の積み上げとして表現し、
    前記第1の風速分布推定部は、前記ドップラー周波数算出部により算出された高度の異なる各2次元平面に対応するレンジビンにおける複数のドップラー周波数から、VVP法を用いて、それぞれのレンジビンに対応する高度の異なる2次元平面の風速分布を推定することを特徴とする請求項1記載の風速予測装置。
  3. 前記風速予測部は、前記第1の風速分布推定部により推定された複数の高度の異なる2次元平面の風速分布の中から、飛行体が飛行する予定の飛行高度に最も近い高度の2次元平面の風速分布を選択し、選択した風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、前記飛行体が飛行する予定の飛行領域の風速を予測することを特徴とする請求項2記載の風速予測装置。
  4. 前記第1の風速分布推定部により推定された高度の異なる複数の2次元平面の風速分布から、前記複数の2次元平面の間の2次元平面の風速分布を推定して、2次元平面の風速分布を高度方向に内挿補間することにより、指定された高度の2次元風速分布を推定する第2の風速分布推定部を備え、
    前記風速予測部は、飛行体が飛行する予定の飛行高度における2次元平面の風速分布を前記第2の風速分布推定部を用いて推定し、推定した風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、前記飛行体が飛行する予定の飛行領域の風速を予測することを特徴とする請求項2記載の風速予測装置。
  5. 前記風速予測部により予測された風の速度が閾値以上となる時刻を特定し、前記時刻を通知する時刻通知部を備えたことを特徴とする請求項1記載の風速予測装置。
  6. 視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれが空間に放射されたとき、
    散乱信号取得部が、前記空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を取得し、
    ドップラー周波数算出部が、前記空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、前記散乱信号取得部により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を可変に設定することで、仰角の異なるビームであっても同一高度の観測点を観測できるようにし、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出し、
    第1の風速分布推定部が、前記ドップラー周波数算出部により算出された複数のドップラー周波数から、VVP(Volume Velocity Processing)法を用いて、前記2次元平面の風速分布を推定し、
    風速予測部が、前記第1の風速分布推定部により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、前記観測領域の風速を予測する
    風速予測方法。
  7. 視線方向と水平方向とのなす角である仰角が互いに異なる複数のビームのそれぞれを空間に放射し、前記空間で散乱された後のそれぞれのビームである散乱信号を受信するビーム送受信部と、
    前記ビーム送受信部により受信されたそれぞれの散乱信号を取得する散乱信号取得部と、
    前記ビーム送受信部から空間に放射されたそれぞれのビームの仰角に従って、前記散乱信号取得部により取得されたそれぞれの散乱信号の距離分解能としてレンジビン幅を可変に設定することで、仰角の異なるビームであっても同一高度の観測点を観測できるようにし、それぞれの散乱信号から、観測領域を含んでいる2次元平面に対応するレンジビンのドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出部と、
    前記ドップラー周波数算出部により算出された複数のドップラー周波数から、VVP(Volume Velocity Processing)法を用いて、前記2次元平面の風速分布を推定する第1の風速分布推定部と、
    前記第1の風速分布推定部により推定された2次元平面の風速分布から、2次元ナビエストークス方程式を用いて、前記観測領域の風速を予測する風速予測部と
    を備えたレーダ装置。
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