1 実施の形態1
1.1 負荷推定装置
図1は、実施の形態1の負荷推定装置を図示するブロック図である。
図1に図示される実施の形態1の負荷推定装置1000は、負荷割合分類部1020、代表モデル準備部1021及び推定部1022を備える。負荷推定装置1000がこれらの構成物以外の構成物を備えてもよい。
負荷推定装置1000は、インストールされたプログラムを実行するコンピューターである。負荷割合分類部1020、代表モデル準備部1021及び推定部1022は、コンピューターがプログラムを実行することにより実現される機能を有する。機能の全部又は一部が、プログラムを実行しないハードウェアにより実現されてもよい。
負荷推定装置1000は、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をモニタリング住宅1060から取得し、総負荷情報1080及び特徴量1081を推定対象住宅1100から取得する。Nは、2以上の整数である。N個の負荷情報1040の各々は、1日分の負荷情報である。総負荷情報1080は、1日分の総負荷情報である。N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041が住宅以外の需要家から取得されてもよい。総負荷情報1080及び特徴量1081が住宅以外の需要家から取得されてもよい。N個の負荷情報1040は、それぞれ互いに異なるN個のモニタリング住宅1060から取得されてもよいし、そうでなくてもよい。N個の負荷情報1040がそれぞれ互いに異なるN個のモニタリング住宅1060から取得されない場合は、N個の負荷情報1040は、1個のモニタリング住宅から取得される複数日分の負荷情報を含む。例えば、N個の負荷情報1040は、A個のモニタリング住宅1060の各々からB日分の負荷情報を取得することにより取得されるN=A*B個の負荷情報であってもよい。この場合は、N個の特徴量1041は、A個のモニタリング住宅1060の各々からB個の特徴量を取得することにより取得されるN=A*B個の特徴量である。
また、負荷推定装置1000は、取得したモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041、並びに推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081から推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120を推定する。
さらに、負荷推定装置1000は、推定した推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120をサービス提供システム1140及び需要予測装置1141に出力する。機器別負荷情報1120がサービス提供システム1140及び需要予測装置1141以外の外部装置に出力されてもよい。機器別負荷情報1120が外部装置に出力されず負荷推定装置1000の内部において利用されてもよい。
サービス提供システム1140は、入力された推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120に基づいて推定対象住宅1100に種々のサービスを提供する。
需要予測装置1141は、入力された推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120に基づいて推定対象住宅1100の電気エネルギーの需要を予測する。
「負荷」は、消費された電気エネルギーの総称であり、典型的には消費電力である。
「需要家」は、電気エネルギーの消費を共有する一単位の共同体であり、典型的には住宅である。しかし、以下では、便宜上、「需要家」を、電気エネルギーの供給を必要とし、電気エネルギーの供給を受け、供給された電気エネルギーを消費する人として扱う場合がある。
1.2 負荷推定装置において扱われる情報
図2は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる負荷情報及び特徴量のデータ構造を示す図である。
モニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040の各々である各負荷情報1160は、図2に図示されるように、総負荷情報1180及び機器別負荷情報1181を含む。モニタリング住宅1060のN個の特徴量1041は、図2に図示される、各負荷情報1160に対応づけられる特徴量1200を含む。したがって、N個の特徴量1041は、それぞれN個の負荷情報1040に対応づけられる。
総負荷情報1180は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅が消費した電気エネルギーの全体の大きさを示す総負荷の1日における時間変化を示す。総負荷は、1時間ごとに示される。
1日が1日より短い又は長い期間に置き換えられてもよい。1時間が1時間より短い又は長い時間間隔に置き換えられてもよい。例えば、1時間が1分、30分等に置き換えられてもよい。
総負荷情報1180が、太陽光発電により発電された電気エネルギーの大きさを示す発電量の時間変化を示す情報を含んでもよい。
機器別負荷情報1181は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅の複数の機器が消費した電気エネルギーの大きさをそれぞれ示す複数の機器別負荷の1日における時間変化を示す。複数の機器別負荷は、1時間ごとに示される。
1日が1日より短い又は長い期間に置き換えられてもよい。1時間が1時間より短い又は長い時間間隔に置き換えられてもよい。例えば、1時間が1分、30分等に置き換えられてもよい。
機器別負荷情報1181が機器別負荷情報1181以外の部分負荷情報に置き換えられてもよい。例えば、機器別負荷情報1181が、用途別負荷情報に置き換えられてもよい。用途別負荷情報は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅の複数の用途が消費した電気エネルギーの大きさをそれぞれ示す複数の用途別負荷の時間変化を示す。機器には、キッチン、リビングコンセント、誘導加熱(IH)クッキングヒータ、洗濯機、食器洗い機等がある。用途には、給湯、キッチン、娯楽、空調等がある。
機器別負荷情報1181に含まれる機器別負荷は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅に設置された計測機器により計測される。計測機器は、分電盤の各分岐回路に挿入されてもよいし、コンセントタップに組み込まれてもよい。機器が有する負荷計測機能により機器別負荷が計測されてもよい。ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)により計測された機器別負荷が取得されてもよい。分電盤の主幹回路に計測機器が挿入され、挿入された計測機器の計測結果から推定された機器別負荷が取得されてもよい。ただし、推定された機器別負荷は、高い精度を有しなければならない。
機器別負荷情報1181が、太陽光発電により発電された電気エネルギーの大きさを示す発電量の時間変化を示す情報を含んでもよい。
特徴量1200は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅の特徴を示す。モニタリング住宅の特徴は、モニタリング住宅そのものの特徴、モニタリング住宅に居住する居住者の特徴等を含む。モニタリング住宅そのものの特徴は、住所、緯度及び経度、築年数、床面積等であるが、これらに制限されない。モニタリング住宅に居住する居住者の特徴は、居住人数、家族構成、年齢等であるが、これらに制限されない。
推定対象住宅1100の総負荷情報1080は、推定対象住宅1100が消費した電気エネルギーの全体の大きさを示す総負荷の1日における時間変化を示す。総負荷は、1時間ごとに示される。
1日が1日より短い又は長い期間に置き換えられてもよい。例えば、1日が1週間に置き換えられてもよい。1時間が1時間より短い又は長い時間間隔に置き換えられてもよい。例えば、1時間が1分、30分等に置き換えられてもよい。
推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷は、推定対象住宅1100に設置されたスマートメーターにより計測された計測量から得られる。ただし、スマートメーターにより計測された計測量には、太陽光発電により発電された電気エネルギーの大きさを示す発電量、蓄電池に対して入出力が行われた電気エネルギーの大きさを示す入出力量等が加えられている。このため、スマートメーターにより計測された計測量から総負荷が得られる場合は、スマートメーターにより計測された計測量から、スマートメーター以外により計測された発電量、入出力量等が引かれる。計測された発電量に代えて、発電量の推定量が引かれてもよい。推定対象の総負荷がスマートメーターにより計測された計測量以外から得られてもよい。
推定対象住宅1100の特徴量1081は、推定対象住宅1100の特徴を示す。推定対象住宅1100の特徴は、推定対象住宅1100そのものの特徴、推定対象住宅1100に居住する居住者の特徴等を含む。推定対象住宅1100そのものの特徴は、住所、緯度及び経度、築年数、床面積等であるが、これらに制限されない。推定対象住宅1100に居住する居住者の特徴は、居住人数、家族構成、年齢等であるが、これらに制限されない。
推定対象住宅1100の特徴量1081は、推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が推定される際に、特徴量1081が入力される機器から取得される。例えば、特徴量1081は、機器別負荷情報1120が推定される際に、推定対象住宅1100においてパーソナルコンピュータ等の機器に入力され、当該機器からインターネットを経由して取得される。特徴量1081が、予め、特徴量1081を保存する機器に保存され、機器別負荷情報1120が推定される際に、当該機器から取得されてもよい。例えば、特徴量1081は、予め、推定対象住宅1100においてパーソナルコンピュータ等の機器に入力され、当該機器からインターネットを経由して転送されサーバー等の機器に保存され、機器別負荷情報1120が推定される際に、当該機器から取得される。
推定対象住宅1100からは、機器別負荷情報が取得されない。このため、推定対象住宅1100に機器別負荷を計測するための計測機器を設置する必要はない。
推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120は、推定対象住宅1100の複数の機器が消費した電気エネルギーの大きさをそれぞれ示す複数の機器別負荷の時間変化を示す。機器別負荷情報1181が機器別負荷情報1181以外の部分負荷情報に置き換えられる場合は、機器別負荷情報1120も機器別負荷情報1120以外の部分負荷情報に置き換えられる。
電気エネルギーの大きさは、電力量により表現される。電気エネルギーの大きさが電力量以外により表現されてもよい。例えば、電気エネルギーの大きさが、電力、電流等により表現されてもよい。総負荷に占める割合により機器別負荷が表現されてもよい。
1.3 負荷推定装置において行われる処理
図3及び図4は、実施の形態1の負荷推定装置において行われる処理を説明する説明図である。
負荷割合分類部1020は、図3に図示されるN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をモニタリング住宅1060から取得する。
また、負荷割合分類部1020は、図3に図示されるように、取得したモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041に対して1次クラスタリングを行い、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をM_1個の1次クラスタ1220に分類し、M_1個の1次クラスタ1220の各々である各1次クラスタ1240に属する、N(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を特定する。特定されるN(m_1)個の特徴量1261は、それぞれ特定されるN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられている。M_1は、Nより小さく、例外的な場合を除いて2以上の整数である。1次クラスタリングは、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260についてそれぞれ計算されるN(m_1)個の機器別負荷割合が互いに類似するように行われる。したがって、各1次クラスタ1240は、類似する機器別負荷割合を有するN(m_1)個の負荷情報1260が属する機器別負荷割合クラスタである。各負荷情報1160について計算される機器別負荷割合は、各負荷情報1160に含まれる総負荷に対する、各負荷情報1160に含まれる複数の機器別負荷の割合を示す。
また、負荷割合分類部1020は、図3に図示されるように、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を学習し、与えられた総負荷情報及び与えられた特徴量から1次クラスタを導出する導出式1280を作成する。
代表モデル準備部1021は、図3及び図4に図示されるように、特定されたN(m_1)個の負荷情報1260に対して2次クラスタリングを行い、特定されたN(m_1)個の負荷情報1260をM_2個の2次クラスタ1300に分類し、M_2個の2次クラスタ1300の各々である各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340を特定する。これにより、モニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040がM_1×M_2個の2次クラスタに分類され、M_1×M_2個の2次クラスタの各々である各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340が特定される。M_2は、N(m_1)より小さく、例外的な場合を除いて2以上の整数である。2次クラスタリングは、各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340にそれぞれ含まれるN(m_2)個の総負荷情報が互いに類似するように行われる。
また、代表モデル準備部1021は、図4に図示されるように、特定されたN(m_2)個の負荷情報1340に対して3次クラスタリングを行い、特定されたN(m_2)個の負荷情報1340をM_3個の3次クラスタ1360に分類し、M_3個の3次クラスタ1360の各々である各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400を特定する。これにより、モニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040がM_1×M_2×M_3個の3次クラスタに分類され、M_1×M_2×M_3個の3次クラスタの各々である各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400が特定される。M_3は、N(m_2)以下であり、例外的な場合を除いて2以上の整数である。3次クラスタリングは、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400にそれぞれ含まれるN(m_3)個の機器別負荷情報が互いに類似するように行われる。
加えて、代表モデル準備部1021は、図4に図示されるように、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400を代表する各代表モデル1420を作成することにより、M_1*M_2*M_3個の代表モデル1440を準備する。
推定部1022は、図3に図示される総負荷情報1080及び特徴量1081を推定対象住宅1100から取得する。
また、推定部1022は、図3に図示されるように、推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081から導出式1280により導出される選択1次クラスタ1460をM_1個の1次クラスタ1220から選択する。また、推定部1022は、図4に図示されるように、選択1次クラスタ1460に属する負荷情報1480を代表する2個以上の代表モデル1500から選択代表モデル1520を選択する。
さらに、推定部1022は、選択した選択代表モデル1520を利用して、推定対象住宅1100の総負荷情報1080から推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120を推定する。
1.4 負荷割合分類部
図5は、実施の形態1の負荷推定装置に備えられる負荷割合分類部を図示するブロック図である。
負荷割合分類部1020は、図5に図示されるように、負荷情報記憶部1540、機器別負荷割合計算部1541、1次クラスタ数決定部1542、学習データ分類部1543及び導出式作成部1544を備える。
1.5 負荷情報記憶部
負荷情報記憶部1540は、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をモニタリング住宅1060から取得し、取得したN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041を記憶する。
1.6 負荷情報の例
図6は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる負荷情報の例をグラフ及び表により示す図である。
図6(a)に図示される負荷情報は、「需要家1」から取得されており、積み上げ棒グラフにおける複数の成分の全体及び折れ線グラフにより示される総負荷情報、並びに積み上げ棒グラフにおける複数の成分により示される機器別負荷情報を含む。
図6(b)に図示される負荷情報は、「需要家1」から取得されており、表により示される総負荷情報及び機器別負荷情報を含む。
1.7 機器別負荷割合計算部
機器別負荷割合計算部1541は、各負荷情報1160について、総負荷情報1180に含まれる総負荷に対する、機器別負荷情報1181に含まれる複数の機器別負荷の割合を示す機器別負荷割合を計算する。これにより、N個の負荷情報1040についてそれぞれN個の機器別負荷割合1560が計算される。計算される機器別負荷割合は、各時刻における機器別負荷割合であってもよいし、1日における機器別負荷割合であってもよい。機器別負荷割合が計算される際の時間区分は、機器別負荷情報1181において機器別負荷が示される時間区分以上で任意に設定される。
1.8 1次クラスタ数決定部
1次クラスタ数決定部1542は、計算されたN個の機器別負荷割合1560を示す情報の大きさにしたがってモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041が分類される1次クラスタ1220の数である1次クラスタ数M_1を決定する。1次クラスタ数M_1が、負荷推定装置1000の利用者の入力操作にしたがって決定されてもよい。1次クラスタ数M_1が、N個の負荷情報1040を分析することにより決定されてもよい。
1.9 学習データ分類部
図7は、実施の形態1の負荷推定装置において行われる1次クラスタリングを説明する説明図である。図8は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる負荷情報、特徴量及び1次クラスタ番号のデータ構造を示す図である。
学習データ分類部1543は、図5に図示されるように、1次クラスタリング用の類似度計算部1580及び1次クラスタリング部1581を備える。
1次クラスタリング用の類似度計算部1580は、図7に図示されるように、計算されたN個の機器別負荷割合1560の間の1次クラスタリング用の類似度1600を計算する。
1次クラスタリング部1581は、図7に図示されるように、1次クラスタリング用の類似度計算部1580により計算された1次クラスタリング用の類似度1600にしたがって、負荷情報記憶部1540に記憶されたモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をM_1個の1次クラスタ1220に分類し、M_1個の1次クラスタ1220の各々である各1次クラスタ1240に属する、N(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を特定する。N(m_1)個の特徴量1261は、それぞれN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられている。N(m_1)個の負荷情報1260は、少なくともひとつの負荷情報である。N(m_1)個の特徴量1261は、少なくともひとつの特徴量である。1次クラスタリングは、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260についてそれぞれ計算されるN(m_1)個の機器別負荷割合が互いに類似するように行われる。N個の負荷情報1040がM_1個の1次クラスタ1220に分類される際の時間区分は、機器別負荷割合が計算される際の時間区分と同じである。
また、1次クラスタリング部1581は、図5に図示されるように、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260を負荷情報記憶部1720に記憶させる。
また、1次クラスタリング部1581は、図8に図示されるように、各負荷情報1160及び特徴量1200が属する1次クラスタを他の1次クラスタから識別する1次クラスタ番号1620を各負荷情報1160に対応づける。これにより、図5に図示されるように、N個の分類済負荷情報1640が得られる。
1.10 導出式作成部
導出式作成部1544は、図7に図示されるように、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を学習し、与えられた総負荷情報1660及び与えられた特徴量1661から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280を作成する。導出される1次クラスタ番号1662は、1次クラスタを識別する。したがって、作成される導出式1280は、与えられた総負荷情報1660及び与えられた特徴量1661から1次クラスタを導出する。
導出式1280は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を学習して作成される。このため、導出式1280により導出される1次クラスタ番号1662は、与えられた総負荷情報1660及び特徴量1661に最も類似する総負荷情報及び特徴量が属する1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。総負荷情報が属する1次クラスタは、当該総負荷情報を含む負荷情報が属する1次クラスタである。特定の1次クラスタに属する負荷情報に含まれる総負荷情報が与えられた総負荷情報1660であり、当該負荷情報に対応づけられた特徴量が与えられた特徴量1661である場合は、導出式1280により導出される1次クラスタ番号1662は、当該特定の1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。
導出式1280の作成は、N(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を多変量的に分析する手法を用いて行われてもよいし、負荷推定装置1000の利用者の入力操作にしたがって設定される総負荷情報1660及び特徴量1661の閾値に基づいて行われてもよい。N(m_1)個の負荷情報1260及びN(m_1)個の特徴量1261を多変量的に分析する手法には、決定木を利用する手法、サポートベクターマシーンを利用する手法等がある。
また、導出式作成部1544は、作成した導出式1280を導出式記憶部1680に記憶させる。
1.11 1次クラスタ番号の導出例
図9は、実施の形態1の負荷推定装置において行われる導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図である。
導出式1280による1次クラスタ番号の導出においては、与えられた総負荷情報1660及び与えられた特徴量1661が分析され、導出される1次クラスタ番号1662に影響を及ぼす情報が抽出され、図9に図示されるように、ノード1700,1701,1702及び1703において、抽出された情報と基準値との大小、抽出された情報の条件への該否等が判定される。そして、その結果に基づいて、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1662が選択される。抽出される情報は、総負荷情報1660及び特徴量1661から直接的に抽出される情報であってもよいし、総負荷情報1660及び特徴量1661を加工することにより抽出される情報であってもよい。総負荷情報1660を加工することにより抽出される情報は、総負荷情報1660に含まれる総負荷の1時間の最大値、最小値、平均値等の総負荷の統計値、総負荷情報1660に含まれる総負荷をフーリエ変換することにより得られる数値等である。
1.12 代表モデル準備部
図10は、実施の形態1の負荷推定装置に備えられる代表モデル準備部を図示するブロック図である。
代表モデル準備部1021は、図10に図示されるように、負荷情報記憶部1720、クラスタリング用の対応関係計算部1721、2次クラスタリング用の類似度計算部1722、2次クラスタリング部1723、3次クラスタリング用の類似度計算部1724、3次クラスタリング部1725、代表モデル取得部1726及び代表モデル記憶部1727を備える。
1.13 負荷情報記憶部
負荷情報記憶部1720は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260を記憶する。
1.14 クラスタリング用の対応関係計算部
クラスタリング用の対応関係計算部1721は、負荷情報記憶部1720に記憶された各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260における全部の負荷情報対の各々である各負荷情報対について、各負荷情報対を構成する第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と各負荷情報対を構成する第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す対応関係情報を計算する。これにより、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260にそれぞれ含まれるN(m_1)個の総負荷情報の間の時系列上の対応関係を示すクラスタリング用の対応関係情報1740が計算される。
対応関係計算部1721は、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す対応関係情報を計算する場合に、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点が、第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点に近似するように、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点を特定する。
1.15 対応関係の計算手法の例
第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算に用いられる、データXとデータYとの間の時系列上の対応関係の計算手法の例を以下で説明する。
データXとデータYとの間の時系列上の対応関係は、データXとデータYとを互いにマッチングさせる途上で得られる。データXとデータYとのマッチングは、例えば動的時間伸縮法(DTW)により行われる。
データX及びデータYの各々は、値の時間変化を示す。以下では、データXが時刻t(1),t(2),t(3),t(4),t(5)及びt(6)における値をそれぞれ示す時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)を有し、データYが時刻t(1),t(2),t(3),t(4),t(5)及びt(6)における値をそれぞれ示す時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)を有するとする。
図11は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われるデータX及びYの例を示すグラフである。
図11(a)及び図11(b)には、データX及びYの例がそれぞれ示される。図11(a)及び図11(b)に示されるデータX及びYは、データX及びYの各時系列点により示される値が0又は1となるように簡略化されている。
データXとデータYとのマッチングが行われる場合は、データXの時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)の各々とデータYの時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)の各々との間の距離distが計算される。
データXの時系列点x_t(i)とデータYの時系列点y_t(j)との間の距離dist(x_t(i),y_t(j))は、式(1)により求められる。
図12は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる、データXの各時系列点とデータYの各時系列点との間の距離distの例を表により図示する図である。
続いて、計算された距離distを用いて、データXの時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)の各々とデータYの時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)の各々とを対応させるのに必要なコストcostが計算される。データXの時系列点x_t(i)とデータYの時系列点y_t(j)とを対応させるのに必要なコストcost(x_t(i),y_t(j))は、式(2),(3),(4)及び(5)により求められる。
式(2)は、データXの時刻t(1)における時系列点x_t(1)とデータYの時刻t(1)における時系列点y_t(1)とを対応させるのに必要なコストを求めるための演算式である。当該コストは、初期値となる。式(3)は、データXの時刻t(1)以外における時系列点x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)の各々とデータYの時刻t(1)における時系列点y_t(1)とを対応させるのに必要なコストを求めるための演算式である。式(4)は、データXの時刻t(1)における時系列点x_t(1)とデータYの時刻t(1)以外における時系列点y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)の各々とを対応させるのに必要なコストを求めるための演算式である。式(5)は、データXの時刻t(1)以外における時系列点x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)の各々とデータYの時刻t(1)以外における時系列点y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)の各々とを対応させるのに必要なコストを求めるための演算式である。式(5)に含まれる因子min(cost(x_t(i),y_t(j-1)),cost(x_t(i-1),y_t(j)),cost(x_t(i-1),y_t(j-1)))は、cost(x_t(i),y_t(j-1)),cost(x_t(i-1),y_t(j))及びcost(x_t(i-1),y_t(j-1))という3個の引数のうちの最小値となる引数を返す関数である。
図13は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる、データXの各時系列点とデータYの各時系列点とを対応させるのに必要なコストcostの例を表により図示する図である。
続いて、データYの時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)の各々である各時系列点に対応する時系列点が、データXの時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)から抽出される。抽出は、データXの時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(3),x_t(4),x_t(5)及びx_t(6)のそれぞれとデータYの終点となる時系列点y_t(6)と対応させるのに必要なコストcost(x_t(1),y_t(6)),cost(x_t(2),y_t(6)),cost(x_t(3),y_t(6)),cost(x_t(4),y_t(6)),cost(x_t(5),y_t(6))及びcost(x_t(6),y_t(6))のうちの最小のコストmin(cost(x_t(1),y_t(6)),cost(x_t(2),y_t(6)),cost(x_t(3),y_t(6)),cost(x_t(4),y_t(6)),cost(x_t(5),y_t(6)),cost(x_t(6),y_t(6)))を計算する途上で必要となる距離を用いて行われる。抽出は、抽出されたデータXの時系列点とデータYの各時系列点とを対応させるのに必要なコストが最小になるように行われる。
これにより、データYの6個の時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)にそれぞれ対応するデータXの6個の時系列点が特定され、データXとデータYとの間の時系列上の対応関係が特定される。データXとデータYとの間の時系列上の対応関係を示す対応関係情報は、データYの6個の時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)にそれぞれ対応するデータXの6個の時系列点を示す情報を含む。
データYの6個の時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)にそれぞれ対応するデータXの6個の時系列点における値の時間変化は、データYの6個の時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)における値の時間変化に近似する。
終点となる時系列点y_t(6)に代えて終点とならない時系列点y_t(2),y_t(3),y_t(4)又はy_t(5)が用いられてもよい。最小のコストを計算する途上で必要となる距離に距離dist(x_t(1),y_t(1))が含まれなくてもよい。最小のコストを計算する途上で用いることができる複数のコストが存在する場合は、当該複数のコストから任意に選択されたコストが用いられてもよい。例えば、図13に示されるコストcostの例においては、コストcost(x_t(5),y_t(5))及びcost(x_t(6),y_t(5))から任意に選択されるコストが用いられてもよい。
マッチングにおいては、データYの始点となる時系列点y_t(1)にデータXの始点となる時系列点x_t(1)が対応づけられなくてもよく、データYの終点となる時系列点y_t(6)にデータXの終点となる時系列点x_t(6)が対応づけられなくてもよい。
図14は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる、データYの時系列点にそれぞれ対応するデータXの時系列点、及びデータXの時系列点とデータYの時系列点とをそれぞれ対応させるのに必要なコストの例を表により図示する図である。
上記の計算手法が第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算に用いられる場合は、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報及び第2の負荷情報に含まれる総負荷情報がそれぞれデータY及びXにされ、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報(データY)と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報(データX)との間の時系列上の対応関係が計算される。
第1の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点(データYの時系列点)と第2の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点(データXの時系列点)とをそれぞれ対応させるのに必要なコストは、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度が高くなるほど小さくなる特性を有する。このため、当該コストは、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度として利用できる。
上記の計算手法が第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算に用いられる場合に、第1の負荷情報に含まれる総負荷の範囲及び第2の負荷情報に含まれる総負荷の範囲が共通の範囲、例えば0から1までの範囲となるような正規化が行われてもよい。データXが複数の時間帯にそれぞれ属する複数の時間帯別データに分割され、データYが複数の時間帯にそれぞれ属する複数の時間帯別データに分割され、各時間帯に属しデータX及びYをそれぞれ構成する2個の時間帯別データの間で対応関係の計算が行われてもよい。その際に、時間帯に応じた重みづけを用いた処理が行われた数値が対応関係の決定に利用されてもよい。当該処理を行うか否か及び当該処理を行う場合に必要となる重みは、利用者により負荷推定装置1000に手動入力されてもよいし、パーソナルコンピューター(PC)等の計算機により自動的に決定されてもよい。利用者は、負荷推定装置1000の利用目的に応じて当該処理を行うか否か及び当該処理を行う場合に必要となる重みを決定できる。PCは、利用者により選択された利用目的に基づいて当該処理を行うか否か及び当該処理を行う場合に必要となる重みを決定できる。
DTW手法以外の手法によりマッチングが行われてもよい。
1.16 2次クラスタリング用の類似度計算部
図15は、実施の形態1の負荷推定装置において行われる2次クラスタリングを説明する説明図である。
2次クラスタリング用の類似度計算部1722は、負荷情報記憶部1720に記憶された各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260における全部の負荷情報対の各々である各負荷情報対について、各負荷情報対を構成する第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と各負荷情報対を構成する第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度を計算する。これにより、図15に図示されるように、N(m_1)個の負荷情報1260にそれぞれ含まれるN(m_1)個の総負荷情報1760の間の2次クラスタリング用の類似度1780が計算される。
類似度計算部1722は、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度を計算する場合に、クラスタリング用の対応関係計算部1721により計算されたクラスタリング用の対応関係情報1740を参照する。
類似度計算部1722は、対応関係情報1740を参照することにより、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点を特定する。
また、類似度計算部1722は、当該第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点と当該第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列との間の類似度を、第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度とする。
「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法が用いられ、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点と第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列とをそれぞれ対応させるために必要なコストが第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度として利用される場合は、類似度計算部1722が省略され、対応関係計算部1721が1次クラスタリング用の類似度計算部を兼ねる。
1.17 2次クラスタリング部
2次クラスタリング部1723は、図15に図示されるように、2次クラスタリング用の類似度計算部1722により計算された2次クラスタリング用の類似度1780にしたがって、負荷情報記憶部1720に記憶された各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260をM_2個の2次クラスタ1300に分類し、M_2個の2次クラスタ1300の各々である各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340を特定する。N(m_2)個の負荷情報1340は、少なくともひとつの負荷情報である。2次クラスタリングは、各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340にそれぞれ含まれるN(m_2)個の総負荷情報1800が互いに類似するように行われる。
M_1個の1次クラスタ1220に含まれる第1の少なくともひとつの1次クラスタの各々に属するN(m-1)個の負荷情報1260がひとつの負荷情報であり、M_1個の1次クラスタ1220に含まれる第2の少なくともひとつの1次クラスタの各々に属するN(m_1)個の負荷情報1260が複数の負荷情報である場合は、類似度計算部1724は、第2の少なくともひとつの1次クラスタの各々に属するN(m_1)個の負荷情報1260にそれぞれ含まれるN(m_1)個の総負荷情報1760の間の類似度である2次クラスタリング用の類似度1780を計算する。
図16は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる、負荷情報に含まれる総負荷情報の間の類似度の例を図示する図である。
図16に示される例においては、データ番号1,2,3,4,5及び6がそれぞれ与えられた負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826において、負荷情報1821に含まれる総負荷情報と負荷情報1822に含まれる総負荷情報との間の類似度が高く、負荷情報1824に含まれる総負荷情報と負荷情報1825に含まれる総負荷情報との間の類似度が高い。また、負荷情報1821及び1822が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報に含まれる総負荷情報と負荷情報1823に含まれる総負荷情報との間の類似度が中程度であり、負荷情報1824及び1825が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報に含まれる総負荷情報と負荷情報1826に含まれる総負荷情報との間の類似度が中程度である。また、負荷情報1821,1822及び1823が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報に含まれる総負荷情報と負荷情報1824,1825及び1826が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度が低い。
2次クラスタリングにおいては、負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826における全部の負荷情報対の各々である各負荷情報対について、各負荷情報対を構成する第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と各負荷情報対を構成する第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度が計算され、最も高い類似度が計算された負荷情報対を構成する第1の負荷情報及び第2の負荷情報が同じ1次クラスタに属するようにされる。
「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法が第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算に用いられ、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点と第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列とをそれぞれ対応させるために必要なコストが第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度として利用される場合は、当該コストが小さい場合に第1の負荷情報に含まれる総負荷情報と第2の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度が高いと判定される。また、当該コストが小さい順に第1の負荷情報及び第2の負荷情報が統合される。
最も単純な例においては、負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826における全部の負荷情報対の各々である各負荷情報対について、各負荷情報対を構成する第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点と各負荷情報対を構成する第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点とを対応させるのに必要なコストが計算され、計算されたコストが最小である負荷情報対を構成する第1の負荷情報及び第2の負荷情報にそれぞれ含まれる2個の総負荷情報の間の類似度が最も高いと判定される。
複数の負荷情報が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報に含まれる総負荷情報と他の負荷情報に含まれる総負荷情報との間の類似度の計算は、最近隣法、最遠隣法、群平均法、メディアン法、重心法、ウォード法等により行われる。
複数の負荷情報が統合された場合に形成されるクラスタの負荷情報を決定する方法は任意である。例えば、形成されたクラスタに属する少なくともひとつの負荷情報を代表するひとつの負荷情報が形成されたクラスタの負荷情報とされる。
2次クラスタリングにおいては、負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826が分類される2次クラスタの数が指定されてもよいし、同じ2次クラスタに属する少なくともひとつの負荷情報にそれぞれ含まれる少なくともひとつの総負荷情報の間の類似度が指定されてもよい。
例えば、同じ1次クラスタに属する少なくともひとつの負荷情報にそれぞれ含まれる少なくともひとつの総負荷情報の間の類似度を高くする指定が行われた場合は、負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826が分類される1次クラスタの数が4個に設定され、1次クラスタリングが行われた後に、負荷情報1821及び1822が第1の1次クラスタに属し、負荷情報1823が第2の1次クラスタに属し、負荷情報1824及び1825が第3の1次クラスタに属し、負荷情報1826が第4の1次クラスタに属する。
また、負荷情報1821,1822,1823,1824,1825及び1826が分類される1次クラスタの数を2個にする指定が行われた場合は、同じ1次クラスタに属する少なくともひとつの負荷情報にそれぞれ含まれる少なくともひとつの総負荷情報の間の類似度が中程度に設定され、1次クラスタリングが行われた後に、負荷情報1821,1822及び1823が第1の1次クラスタに属し、負荷情報1824,1825及び1826が第2の1次クラスタに属する。
1.18 3次クラスタリング用の類似度計算部
図17は、実施の形態1の負荷推定装置において行われる3次クラスタリングを説明する説明図である。
3次クラスタリング用の類似度計算部1724は、M_2個の2次クラスタ1300の各々である各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340における全部の負荷情報対の各々である各負荷情報対について、各負荷情報対を構成する第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と各負荷情報対を構成する第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の類似度を計算する。これにより、各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340にそれぞれ含まれるN(m_2)個の機器別負荷情報1840の間の3次クラスタリング用の類似度1860が計算される。
M_2個の2次クラスタ1300に含まれる第1の少なくともひとつの2次クラスタの各々に属するN(m-2)個の負荷情報1340がひとつの負荷情報であり、M_2個の2次クラスタ1300に含まれる第2の少なくともひとつの2次クラスタの各々に属するN(m_2)個の負荷情報1340が複数の負荷情報である場合は、類似度計算部1724は、第2の少なくともひとつの1次クラスタの各々に属するN(m_2)個の負荷情報1340にそれぞれ含まれるN(m_2)個の機器別負荷情報1840の間の類似度である3次クラスタリング用の類似度1860を計算する。
類似度計算部1724は、第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の類似度を計算する場合に、クラスタリング用の対応関係計算部1721により計算されたクラスタリング用の対応関係情報1740を参照する。
類似度計算部1724は、対応関係情報1740を参照することにより、第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列を特定する。
また、類似度計算部1724は、当該第1の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列点と同時刻にそれぞれ取得された機器別負荷の複数の時系列点と当該第2の負荷情報に含まれる総負荷の複数の時系列と同時刻にそれぞれ取得された機器別負荷の複数の時系列点との類似度を、第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の類似度とする。
図18は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる、第1の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点が図14により示されるデータYの時系列点であり、第2の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点が図14により示されるデータXの時系列点である場合の、第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の時系列点及び第2の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の時系列点の例を表により図示する図である。
図18に示される例においては、第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の時系列点yA_t(1),yA_t(2),yA_t(3),yA_t(4),yA_t(5)及びyA_t(6)に、第2の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の時系列点xA_t(1),xA_t(2),xA_t(2),xA_t(2),xA_t(5)及びxA_t(6)がそれぞれ対応させられる。時系列点yA_t(1),yA_t(2),yA_t(3),yA_t(4),yA_t(5)及びyA_t(6)は、第1の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点y_t(1),y_t(2),y_t(3),y_t(4),y_t(5)及びy_t(6)と同時刻にそれぞれ取得されている。時系列点xA_t(1),xA_t(2),xA_t(2),xA_t(2),xA_t(5)及びxA_t(6)は、第2の負荷情報に含まれる総負荷の時系列点x_t(1),x_t(2),x_t(2),x_t(2),x_t(5)及びx_t(6)と同時刻にそれぞれ取得されている。
第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の時系列点yA_t(j)と第2の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷xA_t(i)との間の誤差ε_A(xA_t(i),yA_t(j))は、式(6)により計算される。
第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の複数の時系列点と第2の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の複数の時系列点との間の機器別負荷誤差ε_A(X,Y)は、第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の複数の時系列点の各々である各時系列点について、当該各時系列点をyA_t(j)とし第2の負荷情報に含まれる当該各時系列点に対応する機器Aの機器別負荷の時系列点をxA_t(i)として誤差ε_A(xA_t(i),yA_t(j))を計算し、第1の負荷情報に含まれる機器Aの機器別負荷の複数の時系列点についてそれぞれ計算した複数の誤差ε_A(xA_t(i),yA_t(j))を合計することにより計算される。
第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の機器別負荷誤差ε_(X,Y)は、複数の機器の各々を機器Aとして機器別負荷誤差ε_A(X,Y)を計算し、複数の機器についてそれぞれ計算した複数の機器別負荷誤差ε_A(X,Y)を合計することにより計算される。
計算された機器別負荷誤差ε_A(X,Y)は、第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の類似度が高くなるほど小さくなる特性を有する。このため、機器別負荷誤差ε_A(X,Y)は、第1の負荷情報に含まれる機器別負荷情報と第2の負荷情報に含まれる機器別負荷情報との間の類似度として利用できる。
1.19 3次クラスタリング部
3次クラスタリング部1725は、図17に図示されるように、3次クラスタリング用の類似度計算部1724により計算された3次クラスタリング用の類似度1860にしたがって、M_2個の2次クラスタ1300の各々である各2次クラスタ1320に属するN(m_2)個の負荷情報1340をM_3個の3次クラスタ1360に分類し、M_3個の3次クラスタ1360の各々である各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400を特定する。N(m_3)個の負荷情報1400は、少なくともひとつの負荷情報である。3次クラスタリングは、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400にそれぞれ含まれるN(m_3)個の機器別負荷情報1120が互いに類似するように行われる。
3次クラスタリングは、2次クラスタリング用の類似度1780に代えて3次クラスタリング用の類似度1860が用いられる点を除いて、2次クラスタリングと同様に行われる。
1.20 代表モデル取得部
代表モデル取得部1726は、図4に図示されるように、M_3個の3次クラスタ1360の各々である各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400を代表する各代表モデル1420を生成することにより、M_1*M_2*M_3個の代表モデル1440を取得する。
代表モデル取得部1726は、各3次クラスタ1380に1個の負荷情報のみが属する場合は、当該1個の負荷情報をそのまま各代表モデル1420にする。
一方、代表モデル取得部1726は、各3次クラスタ1380に複数の負荷情報が属する場合は、当該複数の負荷情報から各代表モデル1420を生成する。
各代表モデル1420は、総負荷情報及び機器別負荷情報を含む。各代表モデル1420が総負荷情報及び機器別負荷情報以外の情報を含んでもよい。例えば、各代表モデル1420が気温情報、曜日情報等を含んでもよい。総負荷に占める割合により機器別負荷が表現されてもよい。
各代表モデル1420に含まれる総負荷情報は、総負荷の1日における時間変化を示す。総負荷は、1時間ごとに示される。
各代表モデル1420に含まれる機器別負荷情報は、複数の機器別負荷の1日における時間変化を示す。複数の機器別負荷は、1時間ごとに示される。
1日が1日より短い又は長い期間に置き換えられてもよい。1時間が1時間より短い又は長い時間間隔に置き換えられてもよい。例えば、1時間が1分、30分等に置き換えられてもよい。
1.21 代表モデル記憶部
代表モデル記憶部1727は、代表モデル取得部1726により取得されたM_1*M_2*M_3個の代表モデル1440を記憶する。
1.22 代表モデルの例
図19は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる代表モデルの例を棒グラフ及び表により図示する図である。図20は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる代表モデルの例を棒グラフ及び表により図示する図である。
図19(a)に図示される「代表モデルDM-A」は、棒グラフにより示される総負荷情報を含む。図19(a)においては、「代表モデルDM-A」に含まれる機器別負荷情報を示すことが便宜上省略されている。
図19(b)に図示される「代表モデルDM-A」は、表により示される総負荷情報及び機器別情報を含む。
図20(a)に図示される「代表モデルDM-B」は、棒グラフにより示される総負荷情報を含む。図20(a)においては、「代表モデルDM-B」に含まれる機器別負荷情報を示すことが便宜上省略されている。
図20(b)に図示される「代表モデルDM-B」は、表により示される総負荷情報及び機器別情報を含む。
1.23 代表モデル取得部の詳細
図21は、実施の形態1の負荷推定装置に備えられる代表モデル取得部を図示するブロック図である。
代表モデル取得部1726は、図21に図示されるように、基準モデル抽出部1880、代表モデル作成用の対応関係計算部1881及び代表モデル作成部1882を備える。
1.24 基準モデル抽出部
基準モデル抽出部1880は、M_1*M_2*M_3個の3次クラスタの各々である各3次クラスタ1380について、基準モデル1900を抽出する。
基準モデル抽出部1880は、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400が複数の負荷情報である場合は、N(m_3)個の負荷情報1400から任意の1個の負荷情報を選択し、選択した1個の負荷情報を基準モデル1900として抽出する。1個の負荷情報が選択される場合に、N(m_3)個の負荷情報1400の間の類似度が計算され、計算された類似度が考慮されてもよい。
N(m_3)個の負荷情報1400が複数の負荷情報である場合の基準モデル1900の抽出方法が変更されてもよい。例えば、N(m_3)個の負荷情報1400の平均値が計算され、計算された平均値が基準モデル1900として抽出されてもよい。
1.25 代表モデル作成用の対応関係計算部
代表モデル作成用の対応関係計算部1881は、M_1*M_2*M_3個の3次クラスタの各々である各3次クラスタ1380について、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400が複数の負荷情報である場合に、抽出された基準モデル1900に含まれる総負荷情報と各3次クラスタ1380に属する基準モデル1900以外の少なくともひとつの負荷情報である少なくともひとつの非基準モデル1920の各々に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す代表モデル作成用の対応関係情報1940を計算する。
代表モデル作成用の対応関係計算部1881は、基準モデル1900に含まれる総負荷情報と少なくともひとつの非基準モデル1920の各々に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す対応関係情報を計算する場合に、基準モデル1900に含まれる総負荷の複数の時系列点が、少なくともひとつの非基準モデル1920の各々に含まれる総負荷の複数の時系列点に近似するように、基準モデル1900に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、少なくともひとつの非基準モデル1920の各々に含まれる総負荷の複数の時系列点を特定する。
基準モデル1900に含まれる総負荷情報と少なくともひとつの非基準モデル1920の各々に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算には、「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法が用いられる。「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法以外の計算手法が用いられてもよい。
1.26 代表モデル作成部
代表モデル作成部1882は、M_1*M_2*M_3個の3次クラスタの各々である各3次クラスタ1380について、各3次クラスタ1380に属するN(m_3)個の負荷情報1400が複数の負荷情報である場合は、代表モデル作成用の対応関係計算部1881により計算された代表モデル作成用の対応関係情報1940を参照し、代表モデル1300を作成する。これにより、代表モデル作成部1882は、M_1*M_2*M_3個の3次クラスタに属する少なくともひとつの負荷情報をそれぞれ代表するM_1*M_2*M_3個の代表モデル1440を作成する。
代表モデルに含まれる機器別負荷の時刻iにおける時系列点d(i)は、基準モデル1900に含まれる機器別負荷の時刻iにおける時系列点m(i)及び少なくともひとつの非基準モデル1920の時系列点m(i)に対応する時系列点a(j),b(k),...から式(7)により演算される。
式(7)に含まれる因子f(m(i),a(j),b(k),...)は、m(i),a(j),b(k),...という引数の代表値を返す関数である。代表値は、典型的には平均値である。代表値が、平均値以外の統計処理により得られる値であってもよい。
1.27 代表モデルの作成の例
少なくともひとつの非基準モデル1920の数が1個の基準モデルである場合に基準モデル1900及び非基準モデル1920から各代表モデル1420を作成する手順を説明する。
図22は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる基準モデル、非基準モデル及び対応関係情報の例を表により図示する図である。
図22(a)に図示される「基準モデルMS1」は、表により示される総負荷情報及び機器別負荷情報を含む。
図22(b)に図示される「非基準モデルMXA」は、表により示される総負荷情報及び機器別負荷情報を含む。
図22(c)に図示される対応関係情報は、「基準モデルMS1」に含まれる総負荷情報と「非基準モデルMXA」に含まれる総負荷情報との時系列上の対応関係を示す。
図22(c)に図示される対応関係情報は、「基準モデルMS1」に含まれる機器別負荷の時系列点m(0)及びm(1)に、「非基準モデルMXA」に含まれる機器別負荷の時系列点a(0)及びa(2)がそれぞれ対応することを示す。したがって、代表モデルに含まれる機器別負荷の時系列点d(0)及びd(1)は、式(8)及び式(9)によりそれぞれ求められる。
「非基準モデルMXA」が、「基準モデルMS1」に含まれる機器別負荷の時系列点m(i)に対応する機器別負荷の時系列点を含まない場合は、時系列点m(i)がそのまま代表モデルに含まれる機器別負荷の時系列点d(i)にされてもよいし、時系列点が必要な時刻の前後の時刻における時系列点から統計処理により時系列点が必要な時刻における時系列点が計算されてもよい。
このような各代表モデル1420の作成によれば、各3次クラスタ1380について偏りのない各代表モデル1420が得られる。
1.28 推定部
図23は、実施の形態1の負荷推定装置に備えられる推定部を図示するブロック図である。
推定部1022は、図23に図示されるように、受付部1960、1次クラスタ選択部1961、代表モデル選択用の対応関係計算部1962、代表モデル選択用の類似度計算部1963、代表モデル選択部1964及び内訳計算部1965を備える。
1.29 受付部
受付部1960は、総負荷情報1080を推定対象住宅1100から取得する。
受付部1960は、キーボード、マウス等の入力装置を用いて画面に対して行われる操作から推定対象住宅1100の総負荷情報1080を取得してもよいし、推定対象住宅1100の総負荷が記載されたファイルを負荷推定装置1000の外部から読み込むことにより総負荷情報1080を取得してもよいし、負荷推定装置1000の外部装置であり推定対象住宅1100の総負荷が記憶されたデータベースから総負荷を受信することにより総負荷情報1080を取得してもよい。
1.30 総負荷情報の例
図24は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる推定対象住宅の総負荷情報の例を表により図示する図である。
図24に図示される総負荷情報は、複数の時刻及び当該複数の時刻にそれぞれ対応する複数の総負荷からなる単純な時系列データである。
1.31 1次クラスタ選択部
1次クラスタ選択部1961は、推定対象住宅1100の総負荷情報1080が与えられた総負荷情報1660であり、推定対象住宅1100の特徴量1081が与えられた特徴量1661である場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460をM_1個の1次クラスタ1220から選択する。
図25は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる推定対象住宅の総負荷情報及び特徴量から抽出された情報の例を表により図示する図、及び実施の形態1の負荷推定装置における導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図を含む図である。
図25(a)に図示される例においては、推定対象住宅1100の総負荷情報1080から抽出された情報が、1時間の平均値及び最大値である。また、推定対象住宅1100の特徴量1081から抽出された情報が、床面積及び居住人数である。
図25(b)に図示される例においては、ノード1702及び1703において、それぞれ1時間の最大値及び平均値と基準値との大小が判定され、ノード1700及び1701において、それぞれ床面積及び居住人数と基準値との大小が判定されている。その結果として、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1711が選択されている。
1.32 代表モデル選択用の対応関係計算部
代表モデル選択用の対応関係計算部1962は、代表モデル記憶部1727に記憶されたM_1*M_2*M_3個の代表モデル1440から、選択1次クラスタ1460に属する負荷情報1480を代表する2個以上の代表モデル1500を選択する。また、代表モデル選択用の対応関係計算部1962は、受付部1960により取得された推定対象住宅1100の総負荷情報1080と選択した2個以上の代表モデル1500の各々である各代表モデルに含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す代表モデル選択用の対応関係情報1980を計算する。
代表モデル選択用の対応関係計算部1962は、代表モデル選択用の対応関係情報1980を計算する場合に、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の複数の時系列点が、各代表モデルに含まれる総負荷の複数の時系列点に近似するように、総負荷情報1080に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、各代表モデルに含まれる総負荷の複数の時系列点を特定する。
推定対象住宅1100の総負荷情報1080と各代表モデルに含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係の計算には、「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法が用いられる。「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法以外の計算手法が用いられてもよい。
1.33 代表モデル選択用の類似度計算部
代表モデル選択用の類似度計算部1963は、代表モデル記憶部1727に記憶されたM_1*M_2*M_3個の代表モデル1440から、選択1次クラスタ1460に属する負荷情報1480を代表する2個以上の代表モデル1500を選択する。また、代表モデル選択用の類似度計算部1963は、受付部1960により取得された推定対象住宅1100の総負荷情報1080と選択した2個以上の代表モデル1500の各々である各代表モデルに含まれる総負荷情報との間の代表モデル選択用の類似度1990を計算する。
代表モデル選択用の類似度計算部1963は、代表モデル選択用の類似度1990を計算する場合に、代表モデル選択用の対応関係計算部1962により計算された代表モデル選択用の対応関係情報1980を参照する。
代表モデル選択用の類似度計算部1963は、代表モデル選択用の対応関係情報1980を参照することにより、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の複数の時系列点にそれぞれ対応する、各代表モデルに含まれる総負荷の複数の時系列点を特定する。
また、代表モデル選択用の類似度計算部1963は、当該推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の複数の時系列点と当該各代表モデルに含まれる総負荷の複数の時系列との間の類似度を、代表モデル選択用の類似度1990とする。
「1.15 対応関係の計算手法の例」において説明した計算手法が用いられ、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の複数の時系列点と各代表モデルに含まれる総負荷の複数の時系列とをそれぞれ対応させるために必要なコストが代表モデル選択用の類似度1990として利用される場合は、代表モデル選択用の類似度計算部1963が省略され、代表モデル選択用の対応関係計算部1962が代表モデル選択用の類似度計算部を兼ねる。
1.34 代表モデル選択部
代表モデル選択部1964は、代表モデル選択用の類似度計算部1963により計算された代表モデル選択用の類似度1990に基づいて、M_1*M_2*M_3個の代表モデル1440から1個の選択代表モデル1520を選択する。
代表モデル選択部1964は、選択代表モデル1520を選択する場合に、受付部1960により取得された推定対象住宅1100の総負荷情報1080と候補となる代表モデルに含まれる総負荷情報との類似度が高くなるほど候補となる代表モデルが選択されやすくなる選択基準を用いる。
選択基準は、典型的には推定対象住宅1100の総負荷情報1080と選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報との間の類似度が最高の類似度となるように選択代表モデル1520が選択されるようにするという基準である。しかし、選択基準が代表モデル選択用の類似度1990以外の考慮要素を含み、選択代表モデル1520が選択される場合に代表モデル選択用の類似度1990に加えて代表モデル選択用の類似度1990以外の考慮要素が考慮されてもよい。例えば、選択基準がM_1*M_2*M_3個の代表モデル1440にそれぞれ付随するM_1*M_2*M_3個の気温情報、M_1*M_2*M_3個の曜日情報等の考慮要素を含み、選択代表モデル1520を選択する場合に代表モデル選択用の類似度1990に加えてM_1*M_2*M_3個の気温情報、M_1*M_2*M_3個の曜日情報等が考慮されてもよい。
1.35 内訳計算部
内訳計算部1965は、受付部1960により取得された推定対象住宅1100の総負荷情報1080並びに選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報及び機器別負荷情報から推定対象住宅1100の総負荷情報1080の内訳を計算する。これにより、総負荷情報1080の内訳を示す推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が計算される。内訳の計算は、選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報の内訳を示す、選択代表モデル1520に含まれる機器別負荷情報が、総負荷情報1080の内訳を示す機器別負荷情報1120に反映されるように行われる。
内訳計算部1965は、代表モデル選択用の対応関係計算部1962により計算された代表モデル選択用の対応関係情報1980に含まれる、推定対象住宅1100の総負荷情報1080と選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報との間の時系列上の対応関係を示す内訳計算用の対応関係情報に基づいて、総負荷情報1080と選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報とを時系列上で対応づけ、総負荷情報1080並びに選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報及び機器別負荷情報から総負荷情報1080の内訳を計算する。
推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の時系列点X=x_t(1),x_t(2),...,x_t(m)及び選択代表モデル1520に含まれる総負荷の時系列点Y=y_t(1),y_t(2),...,y_t(n)において時系列点x_t(i)に時系列点y_t(j)が対応することが内訳計算用の対応関係情報により示される場合は、推定対象住宅1100の機器EPの時刻iにおける機器別負荷の時系列点E(X,t(i))は、推定対象住宅1100の総負荷の時系列点A(X,t(i))、選択代表モデル1520に含まれる総負荷の時系列点A(Y,t(i))、及び選択代表モデル1520に含まれる機器EPの機器別負荷の時系列点E(Y,t(j))を用いて、式(10)により求められる。
式(10)以外の式により時系列点E(X,t(i))が求められてもよい。
推定対象住宅1100の総負荷情報1080において総負荷を示す時間間隔が、選択代表モデル1520に含まれる総負荷情報において総負荷を示す時間間隔と異なる場合は、短い時間間隔で総負荷を示す総負荷情報を、長い時間間隔で総負荷を示す総負荷情報に揃える処理が行われた後に、上記のように時系列点E(X,t(i))が求められる。
内訳計算用の対応関係情報に基づく内訳の計算によれば、選択代表モデル1520に含まれる総負荷の時間変化が推定対象住宅1100の総負荷情報1080に含まれる総負荷の時間変化と類似するが、選択代表モデル1520における総負荷の発生時刻が総負荷情報1080における総負荷の発生時刻と相違する場合、選択代表モデル1520における総負荷が高くなる時刻が総負荷情報1080における総負荷が高くなる時刻と相違する場合等においても、相違を解消するマッチングが行われ、推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が精度よく推定される。
1.36 内訳計算用の対応関係情報を利用することの利点
図26は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる推定対象の総負荷情報の例を折れ線グラフにより図示する図である。
図26には、「総負荷情報TL」が図示される。
図27は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる選択代表モデルの例を積み上げ棒グラフにより図示する図である。
図27に図示される「選択代表モデルSM1」は、積み上げ棒グラフにおける複数の成分の全体により示される総負荷情報及び積み上げ棒グラフにおける複数の成分により示される機器別負荷情報を含む。
図28は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる推定対象の総負荷情報及び選択代表モデルの例を比較可能となるように重ねて図示する図である。
図28には、「総負荷情報TL」が図示される。また、図28に図示される「選択代表モデルSM1」は、積み上げ棒グラフにおける複数の成分の全体により示される総負荷情報及び積み上げ棒グラフにおける複数の成分により示される機器別負荷情報を含む。
「総負荷情報TL」及び「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷情報は、朝、昼及び晩において消費される電力量が大きくなるという共通の特徴を有する。このため、「選択代表モデルSM1」が、「総負荷情報TL」に類似する総負荷情報を含む代表モデルとして選択されている。ただし、「総負荷情報TL」において消費される電力量が大きくなる晩の時刻は、「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷情報において消費される電力量が大きくなる晩の時刻からずれている。
以下では、内訳計算用の対応関係情報を利用しない場合及び内訳計算用の対応関係情報を利用する場合の各々について、「総負荷情報TL」及び「選択代表モデルSM1」からの推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120の推定の結果を説明する。
(a)内訳計算用の対応関係情報を利用しない場合
図29は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる内訳計算用の対応関係情報を利用しない場合に利用される対応関係情報の例を表により図示する図である。
図30は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる代表モデル選択用の対応関係情報を利用しない場合に推定される機器別負荷情報を積み上げ棒グラフにより図示する図である。
図30に図示される「機器別負荷情報SL0」においては、積み上げ棒グラフにおける複数の成分により機器別負荷情報が示される。
図29に図示される対応関係情報によれば、「総負荷情報TL」に含まれる複数の時系列点に、「選択代表モデルSM1」に含まれる同時刻に取得された複数の時系列点がそれぞれ対応させられる。このため、「総負荷情報TL」並びに「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷情報及び機器別負荷情報の特徴は考慮されない。
図29に図示される対応関係情報が利用された場合は、「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷が低い21時における「選択代表モデルSM1」により示される内訳が、「総負荷情報TL」が高い21時における「総負荷情報TL」の内訳の計算に用いられる。このため、図30に図示される「機器別負荷情報SL0」においては、21時における総負荷に対するリビングの負荷の割合は、21時における「選択代表モデルSM1」より示される内訳を反映して高くなっている。
しかし、21時における総負荷に対するリビングの負荷の割合は、「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷が高くなる18時における「選択代表モデルSM1」により示される内訳を反映させて求めるのが適切であると考えられ、「機器別負荷情報SL0」は大きな誤差を含む可能性が高い。
(b)内訳計算用の対応関係情報を利用する場合
図31は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる内訳計算用の対応関係情報の例を表により図示する図である。
図32は、実施の形態1の負荷推定装置において扱われる内訳計算用の対応関係情報を利用する場合に推定される機器別負荷情報を積み上げ棒グラフにより図示する図である。
図32に図示される「機器別負荷情報SL1」においては、積み上げ棒グラフにおける複数の成分により機器別負荷情報が示される。
図31に図示される対応関係情報が利用された場合は、「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷が低い15時における「選択代表モデルSM1」により示される内訳が、「総負荷情報TL」が低い15時-18時における「総負荷情報TL」の内訳の計算に用いられる。また、「選択代表モデルSM1」に含まれる総負荷が高い18時における「選択代表モデルSM1」により示される内訳が、「総負荷情報TL」が高い21時における「総負荷情報TL」の内訳の計算に用いられる。このため、図32に図示される「機器別負荷情報SL1」においては、21時における総負荷に対するリビングの負荷の割合は、18時における「選択代表モデルSM1」より示される内訳を反映して適切なものとなっている。したがって、「機器別負荷情報SL1」は大きな誤差を含む可能性が低い。
1.37 特徴量を利用して負荷情報を分類することの利点
一般的に言って、第1の住宅の総負荷情報が第2の住宅の総負荷情報と類似する場合でも、第1の住宅の機器別負荷情報が第2の住宅の機器別負荷情報と類似するとは限らない。例えば、第1の住宅の居住者が1人の居住者であり、第2の住宅の居住者が2人以上の居住者である場合は、第1の住宅の機器別負荷情報が第2の住宅の機器別負荷情報と類似しない場合が多い。このことは、1人の居住者が保有するエアコンの台数は1台であることが多いが、2人以上の居住者が保有するエアコンの台数は2台以上であることが多いこと等を考慮すれば理解できる。
このため、モニタリング住宅1060のN個の特徴量1041及び推定対象住宅1100の特徴量1081を利用せずに選択代表モデル1520が選択された場合は、推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120に類似しない機器別負荷情報を含む選択代表モデル1520が選択される場合がある。このため、機器別負荷情報1120が精度よく推定されない場合がある。
これに対して、モニタリング住宅1060のN個の特徴量1041及び推定対象住宅1100の特徴量1081を利用して、推定対象住宅1100の特徴量1081に類似する特徴量を有するモニタリング住宅の負荷情報が属する選択1次クラスタ1460が選択され、選択された選択1次クラスタ1460に属する負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から選択代表モデル1520が選択された場合は、推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120に類似する機器別負荷情報を含む選択代表モデル1520が選択される。このため、機器別負荷情報1120が精度よく推定される。
1.38 実施の形態1の負荷推定装置の利点
実施の形態1の負荷推定装置1000によれば、推定対象住宅1100から機器別負荷を取得する必要がないので、機器別負荷を計測する計測機器を推定対象住宅1100に設置する必要がなく、推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が容易に得られる。
一般的に行って、住宅の特徴は、当該住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に影響する。このため、推定対象住宅1100の総負荷の時間変化がモニタリング住宅の総負荷の時間変化に類似し、推定対象住宅1100の特徴が当該モニタリング住宅の特徴に類似する場合は、推定対象住宅1100の総負荷の内訳である機器別負荷が当該モニタリング住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に類似する可能性が高い。そして、実施の形態1の負荷推定装置1000によれば、推定対象住宅1100の特徴量1081に類似する特徴量を有するモニタリング住宅の負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に類似する総負荷情報を有する選択代表モデル1520が選択される。また、選択代表モデル1520を利用して推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が推定される。これにより、機器別負荷情報1120が精度よく推定される。
さらに、実施の形態1の負荷推定装置1000によれば、選択代表モデル1520を選択する場合に、推定対象住宅1100の総負荷情報1080と候補となる代表モデルに含まれる総負荷情報とを時系列上に対応づけてから総負荷情報1080と候補となる代表モデルに含まれる総負荷情報との間の類似度を計算しているので、適切な選択代表モデル1520が選択される。これにより、機器別負荷情報1120がさらに精度よく推定される。
2 実施の形態2
2.1 実施の形態1と実施の形態2との相違
図33は、実施の形態2の負荷推定装置を図示するブロック図である。
実施の形態1の負荷推定装置1000においては、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041がM_1個の1次クラスタ1220に分類される。また、与えられた総負荷情報1660及び特徴量1661から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280が作成される。また、推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081が与えられた場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460がM_1個の1次クラスタ1220から選択される。また、選択1次クラスタ1460に属する負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から選択代表モデル1520が選択される。
これに対して、実施の形態2の負荷推定装置2000においては、N個の負荷情報1040、N個の特徴量1041及びN個の気温情報1042がM_1個の1次クラスタ1220に分類される。また、与えられた総負荷情報1660、特徴量1661及び気温情報から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280が作成される。また、推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081並びに気温情報1082が与えられた場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460がM_1個の1次クラスタ1220から選択される。
以下では、上記の相違をもたらす実施の形態2の負荷推定装置2000の構成を説明する。上記の相違をもたらす構成の採用を阻害しない範囲内において、他の実施の形態の負荷推定装置の構成がそのまま又は変形されてから実施の形態2の負荷推定装置2000において採用されてもよい。
2.2 負荷推定装置
図33に図示される負荷推定装置2000は、負荷割合分類部1020、代表モデル準備部1021及び推定部1022を備える。
負荷推定装置2000は、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をモニタリング住宅1060から取得し、総負荷情報1080及び特徴量1081を推定対象住宅1100から取得する。加えて、負荷推定装置2000は、N個の気温情報1042を気温情報源1061から取得し、気温情報1082を気温情報源1101から取得する。
2.3 負荷推定装置において扱われる気温情報
N個の気温情報1042は、各負荷情報1160に対応づけられる気温情報を含む。したがって、N個の気温情報1042は、それぞれN個の負荷情報1040に対応づけられる。
各負荷情報1160に対応づけられる気温情報は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅が電気エネルギーを消費した際の各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅が設置された地域の気温を示す。各負荷情報1160は1日分の負荷情報であるので、各負荷情報1160に対応づけられ各負荷情報1160に含まれる総負荷及び機器別負荷が計測された際の気温を示す気温情報も1日分の気温情報である。
気温情報1082は、推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の推定対象住宅1100が設置される地域の気温を示す。総負荷情報1080は1日分の総負荷情報であるので、総負荷情報1080に含まれる総負荷が計測された際の気温を示す気温情報1082も1日分の気温情報である。
気温情報源1061は、インターネット上で気温情報を公開しているサイトであってもよいし、モニタリング住宅1060に設置された気温情報が手入力される装置であってもよいし、モニタリング住宅1060に設置された気温計であってもよい。
気温情報源1101も、インターネット上で気温情報を公開しているサイトであってもよいし、推定対象住宅1100に設置された気温情報が手入力される装置であってもよいし、推定対象住宅1100に設置された気温計であってもよい。気温情報源1101が気温情報源1061と同じ気温情報源であってもよい。
N個の気温情報1042の各々は、各時刻における気温を含む時系列データであってもよいし、最高気温、最低気温等の当該時系列データから抽出されるデータであってもよいし、平均気温等の当該時系列データを加工することにより得られるデータであってもよい。
気温情報1082は、各時刻における気温を含む時系列データであってもよいし、最高気温、最低気温等の当該時系列データから抽出されるデータであってもよいし、平均気温等の当該時系列データを加工することにより得られるデータであってもよい。
2.4 負荷割合分類部
図34は、実施の形態2の負荷推定装置に備えられる負荷割合分類部を図示するブロック図である。
負荷割合分類部1020は、負荷情報記憶部1540、機器別負荷割合計算部1541、1次クラスタ数決定部1542、学習データ分類部1543及び導出式作成部1544を備え、気温情報取得部1545をさらに備える。
2.5 気温情報取得部
気温情報取得部1545は、N個の気温情報1042を気温情報源1061から取得する。
2.6 1次クラスタリング部
1次クラスタリング部1581は、1次クラスタリング用の類似度計算部1580により計算された1次クラスタリング用の類似度1600にしたがって、負荷情報記憶部1540に記憶されたモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041、並びに気温情報取得部1545により取得されたN個の気温情報1042をM_1個の1次クラスタ1220に分類し、M_1個の1次クラスタ1220の各々である各1次クラスタ1240に属する、N(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の気温情報を特定する。N(m_1)個の特徴量1261は、それぞれN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられる。N(m_1)個の気温情報は、それぞれN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられる。N(m_1)個の負荷情報1260は、少なくともひとつの負荷情報である。N(m_1)個の特徴量1261は、少なくともひとつの特徴量である。N(m_1)個の気温情報は、少なくともひとつの気温情報である。
2.7 導出式作成部
導出式作成部1544は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の気温情報を学習し、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた気温情報から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280を作成する。導出される1次クラスタ番号1662は、1次クラスタを識別する。したがって、作成される導出式1280は、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた気温情報から1次クラスタを導出する。
導出式1280は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の気温情報を学習して作成される。このため、導出式1280により導出される1次クラスタ番号1662は、与えられた総負荷情報1660、特徴量1661及び気温情報に最も類似する総負荷情報、特徴量及び気温情報が属する1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。特定の1次クラスタに属する負荷情報に含まれる総負荷情報が与えられた総負荷情報1660であり、当該負荷情報に対応づけられた特徴量が与えられた特徴量1661であり、特定の1次クラスタに属する気温情報が与えられた気温情報である場合は、導出式1280により導出される1次クラスタ番号は、当該特定の1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。
2.8 1次クラスタ番号の導出例
図35は、実施の形態2の負荷推定装置において行われる導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図である。
導出式1280による1次クラスタ番号の導出においては、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた気温情報が分析され、導出される1次クラスタ番号1662に影響を及ぼす情報が抽出され、図35に図示されるように、ノード1700,1701,1703及び1705において、抽出された情報と基準値との大小、抽出された情報の条件への該否等が判定される。そして、その結果に基づいて、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1662が選択される。抽出される情報は、総負荷情報1660、特徴量1661及び気温情報から直接的に抽出される情報であってもよいし、総負荷情報1660、特徴量1661及び気温情報を加工することにより抽出される情報であってもよい。総負荷情報1660を加工することにより抽出される情報は、総負荷情報1660に含まれる総負荷の1時間の最大値、最小値、平均値等の総負荷の統計値、総負荷情報1660に含まれる総負荷をフーリエ変換することにより得られる数値等である。気温情報を加工することにより抽出される情報は、ノード1705において判定の対象となる最高気温等の気温の代表値であってもよいし、平均気温等の気温の統計値であってもよい。これらの情報の一部のみが用いられてもよい。
2.9 推定部
図36は、実施の形態2の負荷推定装置に備えられる推定部を図示するブロック図である。
推定部1022は、図36に図示されるように、受付部1960、1次クラスタ選択部1961、代表モデル選択用の対応関係計算部1962、代表モデル選択用の類似度計算部1963、代表モデル選択部1964及び内訳計算部1965を備え、気温情報取得部1966をさらに備える。
2.10 気温情報取得部
気温情報取得部1966は、気温情報1082を気温情報源1101から取得する。
2.11 1次クラスタ選択部
1次クラスタ選択部1961は、推定対象住宅1100の総負荷情報1080が与えられた総負荷情報1660であり、推定対象住宅1100の特徴量1081が与えられた特徴量1661であり、気温情報1082が与えられた気温情報である場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460をM_1個の1次クラスタ1220から選択する。
図37は、実施の形態2の負荷推定装置において扱われる推定対象住宅の総負荷情報及び特徴量、並びに気温情報から抽出された情報の例を表により図示する図、並びに実施の形態2の負荷推定装置における導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図を含む図である。
図37(a)に図示される例においては、推定対象住宅1100の総負荷情報1080から抽出された情報が、1時間の平均値及び最大値である。また、推定対象住宅1100の特徴量1081から抽出された情報が、床面積及び居住人数である。また、気温情報1082から抽出された情報が、最高気温である。
図37(b)に図示される例においては、ノード1703において、1時間の平均値と基準値との大小が判定され、ノード1700及び1701において、それぞれ床面積及び居住人数と基準値との大小が判定され、ノード1705において、最高気温と基準値との大小が判定されている。その結果として、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1714が選択されている。
2.12 実施の形態2の負荷推定装置の利点
実施の形態2の負荷推定装置2000は、実施の形態1の負荷推定装置1000の利点と同様の利点を有する。
また、一般的に行って、住宅の特徴及び当該住宅が電気エネルギーを消費した際の気温は、当該住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に影響する。このため、推定対象住宅1100の総負荷の時間変化がモニタリング住宅の総負荷の時間変化に類似し、推定対象住宅1100の特徴が当該モニタリング住宅の特徴に類似し、推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の気温が当該モニタリング住宅が電気エネルギーを消費した際の気温に類似する場合は、推定対象住宅1100の総負荷の内訳である機器別負荷が当該モニタリング住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に類似する可能性が高い。そして、実施の形態2の負荷推定装置2000によれば、推定対象住宅1100の特徴量1081に類似する特徴量を有し、電気エネルギーを消費した際の気温情報が推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の気温情報1082に類似するモニタリング住宅の負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に類似する総負荷情報を有する選択代表モデル1520が選択される。また、選択代表モデル1520を利用して推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が推定される。これにより、機器別負荷情報1120が精度よく推定される。
3 実施の形態3
3.1 実施の形態1と実施の形態3との相違
図38は、実施の形態3の負荷推定装置を図示するブロック図である。
実施の形態1の負荷推定装置1000においては、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041がM_1個の1次クラスタ1220に分類される。また、与えられた総負荷情報1660及び特徴量1661から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280が作成される。また、推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081が与えられた場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460がM_1個の1次クラスタ1220から選択される。また、選択1次クラスタ1460に属する負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から選択代表モデル1520が選択される。
これに対して、実施の形態3の負荷推定装置3000においては、N個の負荷情報1040、N個の特徴量1041及びN個の天候情報1043がM_1個の1次クラスタ1220に分類される。また、与えられた総負荷情報1660、特徴量1661及び天候情報から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280が作成される。また、推定対象住宅1100の総負荷情報1080及び特徴量1081並びに天候情報1083が与えられた場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号により識別される選択1次クラスタ1460がM_1個の1次クラスタ1220から選択される。
以下では、上記の相違をもたらす実施の形態3の負荷推定装置3000の構成を説明する。上記の相違をもたらす構成の採用を阻害しない範囲内において、他の実施の形態の負荷推定装置の構成がそのまま又は変形されてから実施の形態3の負荷推定装置3000において採用されてもよい。
3.2 負荷推定装置
図38に図示される負荷推定装置3000は、負荷割合分類部1020、代表モデル準備部1021及び推定部1022を備える。
負荷推定装置3000は、N個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041をモニタリング住宅1060から取得し、総負荷情報1080及び特徴量1081を推定対象住宅1100から取得する。加えて、負荷推定装置3000は、N個の天候情報1043を天候情報源1062から取得し、天候情報1083を天候情報源1102から取得する。
3.3 負荷推定装置において扱われる天候情報
N個の天候情報1043は、各負荷情報1160に対応づけられる天候情報を含む。したがって、N個の天候情報1043は、それぞれN個の負荷情報1040に対応づけられる。
各負荷情報1160に対応づけられる天候情報は、各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅が電気エネルギーを消費した際の各負荷情報1160の取得先のモニタリング住宅が設置された地域の天候を示す。天候は、「晴れ」「曇り」、「晴れ時々曇り」等により表現される。各負荷情報1160は1日分の負荷情報であるので、各負荷情報1160に対応づけられ各負荷情報1160に含まれる総負荷及び機器別負荷が計測された際の天候を示す天候情報も1日分の天候情報である。
天候情報1083は、推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の推定対象住宅1100が設置される地域の天候を示す。総負荷情報1080は1日分の総負荷情報であるので、総負荷情報1080に含まれる総負荷が計測された際の天候を示す天候情報1083も1日分の天候情報である。
天候情報源1062は、インターネット上で天候情報を公開しているサイトであってもよいし、モニタリング住宅1060に設置された天候情報が手入力される装置であってもよいし、モニタリング住宅1060に設置されたカメラであってもよい。
天候情報源1102も、インターネット上で天候情報を公開しているサイトであってもよいし、推定対象住宅1100に設置された天候情報が手入力される装置であってもよいし、推定対象住宅1100に設置されたカメラであってもよい。天候情報源1102が天候情報源1062と同じ天候情報源であってもよい。
N個の天候情報1043の各々は、各時刻における天候を含む時系列データであってもよいし、当該時系列データから抽出されるデータであってもよいし、当該時系列データを加工することにより得られるデータであってもよい。
天候情報1083は、各時刻における天候を含む時系列データであってもよいし、当該時系列データから抽出されるデータであってもよいし、当該時系列データを加工することにより得られるデータであってもよい。
3.4 負荷割合分類部
図39は、実施の形態3の負荷推定装置に備えられる負荷割合分類部を図示するブロック図である。
負荷割合分類部1020は、負荷情報記憶部1540、機器別負荷割合計算部1541、1次クラスタ数決定部1542、学習データ分類部1543及び導出式作成部1544を備え、天候情報取得部1546をさらに備える。
3.5 天候情報取得部
天候情報取得部1546は、N個の天候情報1043を天候情報源1062から取得する。
3.6 1次クラスタリング部
1次クラスタリング部1581は、1次クラスタリング用の類似度計算部1580により計算された1次クラスタリング用の類似度1600にしたがって、負荷情報記憶部1540に記憶されたモニタリング住宅1060のN個の負荷情報1040及びN個の特徴量1041、並びに天候情報取得部1546により取得されたN個の天候情報1043をM_1個の1次クラスタ1220に分類し、M_1個の1次クラスタ1220の各々である各1次クラスタ1240に属する、N(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の天候情報を特定する。N(m_1)個の特徴量1261は、それぞれN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられる。N(m_1)個の天候情報は、それぞれN(m_1)個の負荷情報1260に対応づけられる。N(m_1)個の負荷情報1260は、少なくともひとつの負荷情報である。N(m_1)個の特徴量1261は、少なくともひとつの特徴量である。N(m_1)個の天候情報は、少なくともひとつの天候情報である。
3.7 導出式作成部
導出式作成部1544は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の天候情報を学習し、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた天候情報から1次クラスタ番号1662を導出する導出式1280を作成する。導出される1次クラスタ番号1662は、1次クラスタを識別する。したがって、作成される導出式1280は、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた天候情報から1次クラスタを導出する。
導出式1280は、各1次クラスタ1240に属するN(m_1)個の負荷情報1260、N(m_1)個の特徴量1261及びN(m_1)個の天候情報を学習して作成される。このため、導出式1280により導出される1次クラスタ番号1662は、与えられた総負荷情報1660、特徴量1661及び天候情報に最も類似する総負荷情報、特徴量及び天候情報が属する1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。特定の1次クラスタに属する負荷情報に含まれる総負荷情報が与えられた総負荷情報1660であり、当該負荷情報に対応づけられた特徴量が与えられた特徴量1661であり、特定の1次クラスタに属する天候情報が与えられた天候情報である場合は、導出式1280により導出される1次クラスタ番号は、当該特定の1次クラスタを識別する1次クラスタ番号である。
3.8 1次クラスタ番号の導出例
図40は、実施の形態3の負荷推定装置において行われる導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図である。
導出式1280による1次クラスタ番号の導出においては、与えられた総負荷情報1660、与えられた特徴量1661及び与えられた天候情報が分析され、導出される1次クラスタ番号1662に影響を及ぼす情報が抽出され、図40に図示されるように、ノード1700,1701,1703及び1706において、抽出された情報と基準値との大小、抽出された情報の条件への該否等が判定される。そして、その結果に基づいて、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1662が選択される。抽出される情報は、総負荷情報1660、特徴量1661及び天候情報から直接的に抽出される情報であってもよいし、総負荷情報1660、特徴量1661及び天候情報を加工することにより抽出される情報であってもよい。総負荷情報1660を加工することにより抽出される情報は、総負荷情報1660に含まれる総負荷の1時間の最大値、最小値、平均値等の総負荷の統計値、総負荷情報1660に含まれる総負荷をフーリエ変換することにより得られる数値等である。これらの情報の一部のみが用いられてもよい。
3.9 推定部
図41は、実施の形態3の負荷推定装置に備えられる推定部を図示するブロック図である。
推定部1022は、図41に図示されるように、受付部1960、1次クラスタ選択部1961、代表モデル選択用の対応関係計算部1962、代表モデル選択用の類似度計算部1963、代表モデル選択部1964及び内訳計算部1965を備え、天候情報取得部1967をさらに備える。
3.10 天候情報取得部
天候情報取得部1967は、天候情報1083を天候情報源1102から取得する。
3.11 1次クラスタ選択部
1次クラスタ選択部1961は、推定対象住宅1100の総負荷情報1080が与えられた総負荷情報1660であり、推定対象住宅1100の特徴量1081が与えられた特徴量1661であり、天候情報1083が与えられた天候情報である場合に導出式1280により導出される1次クラスタ番号1662により識別される選択1次クラスタ1460をM_1個の1次クラスタ1220から選択する。
図42は、実施の形態3の負荷推定装置において扱われる推定対象住宅の総負荷情報及び特徴量、並びに天候情報から抽出された情報の例を表により図示する図、並びに実施の形態3の負荷推定装置における導出式による1次クラスタ番号の導出の例を説明する説明図を含む図である。
図42(a)に図示される例においては、推定対象住宅1100の総負荷情報1080から抽出された情報が、1時間の平均値及び最大値である。また、推定対象住宅1100の特徴量1081から抽出された情報が、床面積及び居住人数である。また、天候情報1083から抽出された情報が、天候である。
図42(b)に図示される例においては、ノード1703において、1時間の平均値と基準値との大小が判定され、ノード1700及び1701において、それぞれ床面積及び居住人数と基準値との大小が判定され、ノード1706において、天候の条件への該非が判定されている。その結果として、1次クラスタ番号の候補1710,1711,1712,1713及び1714から、導出される1次クラスタ番号1713が選択されている。
3.12 実施の形態2の負荷推定装置の利点
実施の形態3の負荷推定装置3000は、実施の形態1の負荷推定装置1000の利点と同様の利点を有する。
また、一般的に行って、住宅の特徴及び当該住宅が電気エネルギーを消費した際の天候は、当該住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に影響する。このため、推定対象住宅1100の総負荷の時間変化がモニタリング住宅の総負荷の時間変化に類似し、推定対象住宅1100の特徴が当該モニタリング住宅の特徴に類似し、推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の天候が当該モニタリング住宅が電気エネルギーを消費した際の天候に類似する場合は、推定対象住宅1100の総負荷の内訳である機器別負荷が当該モニタリング住宅の総負荷の内訳である機器別負荷に類似する可能性が高い。そして、実施の形態3の負荷推定装置3000によれば、推定対象住宅1100の特徴量1081に類似する特徴量を有し、電気エネルギーを消費した際の天候情報が推定対象住宅1100が電気エネルギーを消費した際の天候情報1083に類似するモニタリング住宅の負荷情報を代表する2個以上の代表モデル1500から、推定対象住宅1100の総負荷情報1080に類似する総負荷情報を有する選択代表モデル1520が選択される。また、選択代表モデル1520を利用して推定対象住宅1100の機器別負荷情報1120が推定される。これにより、機器別負荷情報1120が精度よく推定される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。