JP2018113817A - 情報処理システム、および情報処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力需要の予測精度の向上を図ることができる情報処理システム、および情報処理プログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の情報処理システムは、個別予測モデル導出部と、グループ生成部とを持つ。個別予測モデル導出部は、複数の需要家の過去の個別の電力需要を示す個別需要データと、気象データとに基づき、前記需要家ごとの電力需要の個別予測モデルを導出する。グループ生成部は、前記個別予測モデル導出部によって導出された前記複数の需要家の前記個別予測モデルの相互の類似度に基づき前記複数の需要家を複数のグループに分ける。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、情報処理システム、および情報処理プログラムに関する。
近年、電力小売が全面自由化され、多くの新電力会社(以後、単に新電力と記す)が事業に参入している。新電力は、電力を供給している需要家の総需要を予測し、広域機関に提出する必要がある。予測と実需要が乖離した場合、乖離度に応じたペナルティが発生し、新電力の収益を悪化させる。このため、需要予測の高精度化が要望されている。
スマートメーターなどの設置により、新電力顧客の需要カーブは個別に計測可能となった。これにより、総需要を予測する方法として、様々な戦略をとることが可能となった。第一の方法として、需要家の需要カーブを合計し、需要を予測するという方法がある。第二の方法として、需要家個別に需要を予測し、その合計の需要カーブを生成するという方法がある。第一の方法は、合計した需要カーブは個別の需要家のノイズが打ち消されて滑らかな形状になるという特徴がある。第二の方法は、需要家ごとの特性を個々の需要家の予測モデルに反映できるという特徴がある。両者の予測性能はケースバイケースである。ところで、電力需要の予測は、さらなる精度の向上が期待されている。
本発明が解決しようとする課題は、予測精度の向上を図ることができる情報処理システム、および情報処理プログラムを提供することである。
実施形態の情報処理システムは、個別予測モデル導出部と、グループ生成部とを持つ。個別予測モデル導出部は、複数の需要家の過去の個別の電力需要を示す個別需要データと、気象データとに基づき、前記需要家ごとの電力需要の個別予測モデルを導出する。グループ生成部は、前記個別予測モデル導出部によって導出された前記複数の需要家の前記個別予測モデルの相互の類似度に基づき前記複数の需要家を複数のグループに分ける。
以下、実施形態の情報処理システムおよび情報処理プログラムを、図面を参照して説明する。なお、本願でいう「XXに基づく」とは、少なくともXXに基づくことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の指標や物理量、その他の情報)である。
(第1実施形態)
図1は、実施形態の情報処理システム1の構成図である。情報処理システム1は、例えば、通信部2と、処理部3と、記憶部4とを備える。なお、情報処理システム1の各構成部は、1つの装置内に存在するものであってもよく、複数の装置に分かれて存在する構成であってもよい。
図1は、実施形態の情報処理システム1の構成図である。情報処理システム1は、例えば、通信部2と、処理部3と、記憶部4とを備える。なお、情報処理システム1の各構成部は、1つの装置内に存在するものであってもよく、複数の装置に分かれて存在する構成であってもよい。
通信部2は、ネットワークを介して、各需要家のスマートメーターや気象データ等を保持するサーバ、またはそれらから情報を取得したサーバ等と通信する。通信部2は、スマートメーターやサーバなどから送信された情報を受信し、受信した情報を処理部3に出力する。また、通信部2は、処理部3の指示に従って、スマートメーターなどに情報を送信してもよい。
処理部3は、例えば、データ管理部31と、グループ分類部32とを備える。処理部3の各機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、処理部3の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよい。
データ管理部31は、例えば、スマートメーターから受信した個別需要データ、及び、サーバから受信した気象データ等を、記憶部4に格納する。個別需要データとは、各需要家の過去の消費電力カーブの集合である。個別需要データは、例えば、スマートメーターにおいて計測された電力需要と、計測された日時を示す日時情報とを含む。気象データとは、過去の天候に関する情報であって、例えば、電力需要の計測日時における気温、湿度、降水量、風速等を含む。なお、気象データは、これに限られず、予測される将来の天候に関する情報であってもよい。
グループ分類部32は、需要家ごとの個別需要データと気象データとに基づいて個別予測モデルを導出し、導出した個別予測モデルの相互の類似度に基づき複数の需要家を複数のグループに分類する。次いで、グループ分類部32は、分類したグループごとに、各グループに分類された個別需要データを合成して、一つ以上のグループ需要データを生成する。ここで、グループ需要データとは、同一のグループに分類された複数の個別需要データを時間ごとに加算して生成された仮想的な消費電力カーブである。グループ分類部32は、これらの処理を実行するため、個別予測モデル導出部321と、グループ生成部322と、個別データ合成部323とを備える。
個別予測モデル導出部321は、個別需要データと、気象データとに基づいて、需要家ごとの電力需要を予測する個別予測モデルを導出し、グループ生成部322に出力する。個別予測モデル導出部321は、例えば、回帰モデルに基づき、被説明変数(目的変数)に電力需要、説明変数に過去の電力需要に関する変数および気象に関数する変数を用いて、個別予測モデルを導出する。なお、説明変数はこれらに限られず、他の変数を用いてもよい。
グループ生成部322は、個別予測モデル導出部321によって導出された複数の需要家の個別予測モデルの相互の類似度を導出し、導出した類似度に基づき、複数の需要家を複数のグループに分ける。類似度とは、個別予測モデル同士がどれだけ似ているかを示す数値であってもよく、どれだけ似ていないかを示す数値(つまり、距離)であってもよい。グループ生成部322は、導出した類似度を記憶部4内のテーブルに書き込む。
個別データ合成部323は、グループ生成部322によって同一のグループに分けられた一つ以上の個別需要データを合成してグループ需要データを生成する。個別データ合成部323は、生成したグループ需要データを記憶部4に格納してもよく、通信部2を用いて外部装置に送信してもよい。
記憶部4は、気象データDB41と、個別需要データDB42と、類似度テーブル43と、グループ需要データDB44とが記憶されている。記憶部4は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。また、記憶部4には、上記の各種情報の他、アプリケーションプログラムなどの各種プログラム、処理部3による処理結果などが記憶される。
気象データDB41は、例えば、過去の天候に関する情報であって、気温、湿度、降水量、風速等と日時情報とが対応付けられた情報である。なお、気象データDB41は、これに限られず、予測される将来の天候に関する情報(予報値)を含んでもよい。
個別需要データDB42は、各需要家の個別需要データと、日時情報と、需要家を示す情報とが対応付けられた情報である。
類似度テーブル43は、一の需要家の個別予測モデルに対する他の需要家の個別予測モデルの類似度を対応付けた情報である。
グループ需要データDB44は、処理部3により導出されたグループ需要データと、日時情報と、需要家を示す情報とが対応付けられた情報である。
次に、図2を参照して、個別需要データの一例について説明する。図2は、個別需要データの一例を示す図である。図2に示すグラフで、横軸は時間、縦軸は電力需要である。個別需要データd1(A)〜d1(D)は、需要家A〜Dの過去の個別需要データである。個別需要データは、30分を1単位で電力需要を集計したデータであって、各時刻における電力需要を結んだ線で示される。図示の例では、需要家Aと需要家Cの電力波形において三日おきに同じ周期が現れ、需要家Bと需要家Dの電力波形において二日おきに同じ周期が現れている。なお、図示は省略するが、気象データも、個別需要データと同様に、30分を1単位で、気温や湿度、降水量や風力等の気象データが用意されている。
次に、図3を参照して、グループ分類部32による処理の一例について説明する。図3は、グループ分類部32の動作の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、個別需要データd1(A)〜d1(D)を用いた処理の具体例について説明する。
(第一のステップ)
まず、個別予測モデル導出部321は、記憶部4から個別需要データd1(A)〜d1(D)と、気象データとを読み出し、読み出した情報に基づいて、それぞれの個別需要に対応する個別予測モデルを導出する(ステップS1)。ここでは、以下の通りの個別需要予測モデルm1(A)〜m1(D)が導出されたものとする。ここで、個別予測モデル導出部321は、回帰モデルに基づき、被説明変数に電力需要、説明変数に過去の電力需要に関する変数および気象に関数する変数を用いて、個別予測モデルを導出する。
まず、個別予測モデル導出部321は、記憶部4から個別需要データd1(A)〜d1(D)と、気象データとを読み出し、読み出した情報に基づいて、それぞれの個別需要に対応する個別予測モデルを導出する(ステップS1)。ここでは、以下の通りの個別需要予測モデルm1(A)〜m1(D)が導出されたものとする。ここで、個別予測モデル導出部321は、回帰モデルに基づき、被説明変数に電力需要、説明変数に過去の電力需要に関する変数および気象に関数する変数を用いて、個別予測モデルを導出する。
m1(A):demandA(t)=α1 * demandA(t-48*3) +α2 * temp(t) +α3…式(1)
m1(B):demandB(t)=β1 * demandB(t-48*2) +β2 * temp(t) +β3…式(2)
m1(C):demandC(t)=γ1 * demandC(t-48*3) +γ2 * temp(t) +γ3…式(3)
m1(D):demandD(t)=δ1 * demandD(t-48*2) +δ2 * temp(t) +δ3…式(4)
m1(B):demandB(t)=β1 * demandB(t-48*2) +β2 * temp(t) +β3…式(2)
m1(C):demandC(t)=γ1 * demandC(t-48*3) +γ2 * temp(t) +γ3…式(3)
m1(D):demandD(t)=δ1 * demandD(t-48*2) +δ2 * temp(t) +δ3…式(4)
また、個別予測モデル導出部321は、以下の通り、各係数を計算したものとする。
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1
式(1)〜式(4)において、demand(t)は、将来のある日時tの電力需要である。temp(t)は、将来のある日時tの気温を表す。また、demand(t-48*3)は、時刻tより48*3*30分前の電力需要、すなわち、三日前の同時刻の電力需要を表すものとする。
(第二のステップ)
次に、グループ生成部322は、各需要家の類似度を導出する(ステップS2)。類似度は、さまざまなものが利用可能である。例えば、グループ生成部322は、個別予測モデルに含まれる変数の種類に基づき、類似度を導出する。ここでは、個別予測モデルに含まれる同一の変数の個数を類似度とする。式(1)〜(4)では、(t-48*3)とtemp(t)とが共通である需要家Aと需要家Cが類似度2であり、(t-48*2)とtemp(t)とが共通である需要家Bと需要家Dが類似度2であり、temp(t)だけが共通である需要家Aと需要家Bまたは需要家D、および需要家Cと需要家Bまたは需要家Dは、類似度1である。このように導出された類似度を図4に示す。図4は、類似度テーブルの一例を示す図である。
次に、グループ生成部322は、各需要家の類似度を導出する(ステップS2)。類似度は、さまざまなものが利用可能である。例えば、グループ生成部322は、個別予測モデルに含まれる変数の種類に基づき、類似度を導出する。ここでは、個別予測モデルに含まれる同一の変数の個数を類似度とする。式(1)〜(4)では、(t-48*3)とtemp(t)とが共通である需要家Aと需要家Cが類似度2であり、(t-48*2)とtemp(t)とが共通である需要家Bと需要家Dが類似度2であり、temp(t)だけが共通である需要家Aと需要家Bまたは需要家D、および需要家Cと需要家Bまたは需要家Dは、類似度1である。このように導出された類似度を図4に示す。図4は、類似度テーブルの一例を示す図である。
グループ生成部322は、導出した類似度に基づいて、類似している需要家同士を同一のグループに分類し、分類結果を個別データ合成部323に出力する(ステップS3)。ここで、グループ生成部322は、各需要家について類似度が最も大きい需要家を同一グループに分類する。図4に示す例では、需要家Aについて類似度が最も大きい需要家はCであり、需要家Bについて類似度が最も大きい需要家はDである。よって、グループ生成部322は、需要家Aと需要家Cとが同一のグループであり、需要家Bと需要家Dとが同一のグループであると判定し、判定結果を個別データ合成部323に出力する。なお、グループ生成部322は、これに限られず、類似度が閾値以上となる需要家同士(または類似度がある閾値範囲に含まれる需要家同士)を同一のグループに分類してもよく、類似度が大きい方から所定数の需要家同士を同一のグループに分類してもよい。前者の場合、閾値は、需要家の総数や類似度の中の最大値等に基づいて決定されてもよく、分類するグループ数に応じて決定されてもよい。後者の場合、所定数は、類似度の分布に応じて決定されてもよく、需要家の総数や分類するグループ数に応じて決定されてもよい。
(第三のステップ)
次いで、個別データ合成部323は、グループ生成部322から入力された情報に基づいて、個別需要データd1(A)とd1(C)、個別需要データd1(B)とd1(D)とをそれぞれ加算し、グループ需要データd2(AC)とd2(BD)を生成する(ステップS4)。以下に、生成されたグループ需要データの数式を示す。
グループ需要データd2(AC)=d1(A)+d1(C)…式(5)
グループ需要データd2(BD)=d1(B)+d1(D)…式(6)
次いで、個別データ合成部323は、グループ生成部322から入力された情報に基づいて、個別需要データd1(A)とd1(C)、個別需要データd1(B)とd1(D)とをそれぞれ加算し、グループ需要データd2(AC)とd2(BD)を生成する(ステップS4)。以下に、生成されたグループ需要データの数式を示す。
グループ需要データd2(AC)=d1(A)+d1(C)…式(5)
グループ需要データd2(BD)=d1(B)+d1(D)…式(6)
上述の通り、各需要家に対応する個別予測モデルの類似度に基づいてグループ分けをすることにより、電力需要の傾向が類似する需要家同士をまとめることができる。このようにして分けられたグループごとに、電力需要を予測することで、予測精度を向上することができる。なお、この理由は、第2の実施形態のなかで詳しく述べる。
なお、グループ分類部32による処理は、上述の内容に限られない。上述の例では、個別予測モデルの説明変数を2つとしたが、これに限られず、2以上の多数であってもよい。この場合、グループ生成部322は、説明変数が多数のまま類似度を導出してもよく、あるいは、複数の需要家の個別予測モデルに対して変数選択を実施し、個別予測モデルに含まれる変数の数を減らした状態で類似度を導出してもよい。
また、グループ生成部322は、個別予測モデルに含まれる変数の重みに基づき、類似度を導出してもよい。すなわち、類似度の選定基準は、共通変数に限られず、共通変数に加えて係数(重み)まで含めて類似度を算出してもよい。例えば、グル―プ生成部322は、需要家をグループに分ける際、類似度が一定基準を満たさない場合は、同一のグループと判断しない方法を採用してもよい。これにより、共通変数の係数の類似性を考慮することができる。
例えば、共通変数の係数であるα1とγ1、β1とδ1において、α1とγ1の差は0.2であり、β1とδ1の差は0.6である。ここで、一定基準を、変数の差分が第1閾値(例えば、0.5)以下であるとする。この場合、グル―プ生成部322は、差分が第1閾値より大きい共通変数は共通とみなさいため、需要家Bと需要家Dの類似度を1と導出する。よって、グル―プ生成部322は、需要家Aと需要家Cとが一のグループであり、需要家Bが一のグループであり、需要家Dが一のグループであると判定する。
また、グル―プ生成部322は、類似度を算出する際、共通変数の差分に基づいて類似度を決定してもよい。例えば、グル―プ生成部322は、共通変数の差分がない場合に類似度=1とし、共通変数の差分が第2閾値(例えば、0,5)以下である場合に類似度=0.5とし、共通変数の差分が第2閾値より大きい場合に類似度=0としてもよい。
また、第一のステップにおいて、個別予測モデル導出部321は、線形回帰モデルを用いて予測モデルを導出したが、変数の数を絞り込むために、AICのようなモデル選定指標を使ってAIC最小のモデルを導出してもよい。あるいは、個別予測モデル導出部321は、LASSO回帰のように、変数選択と回帰モデル決定を同時に実行可能な予測モデルを導出してもよい。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の情報処理システム1Aの構成図である。情報処理システム1Aは、処理部3Aと記憶部4Aとを備える点で、情報処理システム1と異なる。処理部3Aは、主に、全体需要予測部33を備える点で処理部3と異なる。記憶部4Aは、主に、グループ需要データDB44がなく、全体需要予測結果DB45を備える点で記憶部4と異なる。
図5は、第2実施形態の情報処理システム1Aの構成図である。情報処理システム1Aは、処理部3Aと記憶部4Aとを備える点で、情報処理システム1と異なる。処理部3Aは、主に、全体需要予測部33を備える点で処理部3と異なる。記憶部4Aは、主に、グループ需要データDB44がなく、全体需要予測結果DB45を備える点で記憶部4と異なる。
全体需要予測部33は、複数のグループ需要データに基づいて、グループ分けした全ての需要家が存在する対象地域における電力需要の予測値である全体需要予測結果を生成する。全体需要予測部33は、これらの処理を実行するため、グループ予測モデル導出部331と、グループ需要予測部332と、グループデータ合成部333とを備える。
グループ予測モデル導出部331は、記憶部4から、グループ需要データと気象データとを読み出し、読み出した情報に基づいてグループ需要予測モデルを導出する。グループ需要予測モデルとは、グループごとの電力需要を予測するモデルであって、回帰モデルを利用した予測モデルである。グループ予測モデル導出部331は、被説明変数に電力需要、説明変数に過去の電力需要に関する変数および気象に関数する変数を用いて、グループ需要予測モデルを導出する。なお、説明変数はこれらに限られず、他の変数を用いてもよい。なお、グループ予測モデル導出部331は、グループ需要データのようにグループごとに個別需要データが合成されたデータに限られず、合成される前の個別需要データを取得し、取得した情報をグループごとに合成して用いてもよい。
グループ需要予測部332は、グループ予測モデル導出部331により導出されたグループ需要予測モデルを用いて、グループ需要データと気象データからグループごとの需要予測結果を計算する。ここで、気象データは、予測する将来の日時における予報の情報である。
グループデータ合成部333は、グループごとの需要予測結果を時間ごとに合計して、全体需要予測結果を計算する。
記憶部4Aは、気象データDB41と、個別需要データDB42と、類似度テーブル43と、全体需要予測結果45とを備える。全体需要予測結果45は、処理部3Aにより導出された全体需要予測結果に、日時情報と、対象地域を示す情報とを対応付けた情報である。
次に、図6を参照して、全体需要予測部33による処理の一例について説明する。全体需要予測部33の動作の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、グループ分類部の個別データ合成部323から、全体需要予測部33に、例えばグループ需要データd2(AC)とd2(BD)が入力されるものとする。
(第四のステップ)
まず、グループ予測モデル導出部331は、入力するグループ需要データd2(AC)とd2(BD)と、記憶部4から読み出した気象データとに基づいて、各グループに対応するグループ予測モデルを導出する(ステップS5)。ここでは、以下に示すグループ需要予測モデルm2(A)〜m2(D)が生成されたものとする。
まず、グループ予測モデル導出部331は、入力するグループ需要データd2(AC)とd2(BD)と、記憶部4から読み出した気象データとに基づいて、各グループに対応するグループ予測モデルを導出する(ステップS5)。ここでは、以下に示すグループ需要予測モデルm2(A)〜m2(D)が生成されたものとする。
m2(AC):demandAC(t)=ε1 * demandAC(t-48*3) +ε2 * temp(t) +ε3…式(7)
m2(BD):demandBD(t)=ζ1 * demandBD(t-48*2) +ζ2 * temp(t) +ζ3…式(8)
m2(BD):demandBD(t)=ζ1 * demandBD(t-48*2) +ζ2 * temp(t) +ζ3…式(8)
また、グループ予測モデル導出部331は、以下に示す通り、各係数を計算したものとする。
ε1=0.6, ε2=0.3, ε3=1.5
ζ1=0.5, ζ2=0.5, ζ3=4.1
ε1=0.6, ε2=0.3, ε3=1.5
ζ1=0.5, ζ2=0.5, ζ3=4.1
(第五のステップ)
次に、グループ需要予測部332は、グループ予測モデル導出部331により導出されたグループ需要予測モデルm2(AC)とm2(BD)とを利用して、設定された予測日の需要予測を行い、需要予測結果をグループデータ合成部333に出力する(ステップS6)。グループ需要予測部332は、例えば、翌日の24時間分の需要予測結果であるdemandACとdemandBDとを導出する。
次に、グループ需要予測部332は、グループ予測モデル導出部331により導出されたグループ需要予測モデルm2(AC)とm2(BD)とを利用して、設定された予測日の需要予測を行い、需要予測結果をグループデータ合成部333に出力する(ステップS6)。グループ需要予測部332は、例えば、翌日の24時間分の需要予測結果であるdemandACとdemandBDとを導出する。
(第六のステップ)
最後に、グループデータ合成部333は、グループごとに導出されたグループごとの需要予測結果demandACとdemandBDとを加算して、加算結果である全体需要予測結果を、記憶部4に保存する。
最後に、グループデータ合成部333は、グループごとに導出されたグループごとの需要予測結果demandACとdemandBDとを加算して、加算結果である全体需要予測結果を、記憶部4に保存する。
上述の通り、個別需要データを類似度に基づいてグループに分けた後、グループごとに電力需要を予測し、予測結果に基づいて全体需要予測結果を得ることにより、以下に説明する第1の方法および第2の方法に比べて、精度の高い総需要予測を実現可能なシステムを得ることができる。これは、以下に説明する問題を解消することができるからである。つまり、個別需要データごとに予測結果を生成し、これらを合計することで全体需要予測結果を生成する第1の方法では、特に個別需要データの数が少ない場合、個別需要データの偏りで、個別需要予測モデルが真のモデルから乖離する可能性があり、その合計値も真の総需要を予測するモデルから乖離する可能性がある。さらに、ノイズが大きくなる可能性もある。また、個別需要データを同一時刻で合計して、総需要データを生成し、このデータから予測結果を生成する第2の方法では、総需要データを生成した時点で、個別需要の特性が失われ、真の総需要を予測するモデルから乖離する可能性がある。一方で、第2実施形態に係る情報処理システム1Aによれば、第1の方法における個別需要データの偏りの問題と、第2の方法におけるモデルに個別需要の特性を持たせる問題とを解消することにより、精度の高い総需要予測を実現することができる。
なお、第四のステップでは、第一のステップと同様に、線形回帰モデルを用いて予測モデルを導出したが、モデルの予測精度向上のために、AICを使った変数選択や、LASSO回帰を使った変数選択と回帰モデルの同時決定を実施してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第2実施形態と同様の構成であるため、構成についての詳細な説明は省略するが、グループ分類部32と全体需要予測部33における処理の一部が以下の点で異なる。
第3実施形態は、第2実施形態と同様の構成であるため、構成についての詳細な説明は省略するが、グループ分類部32と全体需要予測部33における処理の一部が以下の点で異なる。
第一のステップにおいて、個別予測モデル導出部321は、第2実施形態と同様に式(1)〜式(4)に示す個別需要予測モデルm1(A)〜m1(D)を導出する。なお、係数は以下の通りである。
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1,
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1,
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1,
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1,
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1,
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1,
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1,
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1,
第二のステップは、第2実施形態と同様であり、グループ生成部322は、例えば、需要家Aと需要家Cとが同一のグループであり、需要家Bと需要家Dとが同一のグループであると判定したとする。
第三のステップにおいて、個別データ合成部323は、上述の式(5),(6)に示した通り、同じグループに分類された個別需要データを単純に合計するグループ需要データd2(AC)とd2(BD)に加え、以下に式(9),(10)に示すグループ需要データd2´(AC)とd2´(BD)を導出する。つまり、個別データ合成部323は、個別予測モデル導出部321により導出された個別予測モデル内の係数を用いて個別需要データを重み付けした値を合成したグループ需要データd2´(AC)とd2´(BD)も導出する。
グループ需要データd2´(AC)=α1 *d1(A)+γ1 *d1(C)…式(9)
グループ需要データd2´(BD)=β1 *d1(B)+δ1 *d1(D)…式(10)
グループ需要データd2´(AC)=α1 *d1(A)+γ1 *d1(C)…式(9)
グループ需要データd2´(BD)=β1 *d1(B)+δ1 *d1(D)…式(10)
第四のステップにおいて、グループ予測モデル導出部331は、個別予測モデルに含まれる係数によって重み付けされた需要家ごとの個別需要データがグループごとに纏められたデータに基づき、グループごとの電力需要の予測モデルを導出する。つまり、グループ予測モデル導出部331は、入力するグループ需要データd2(AC),d2(BD),d2´(AC),d2´(BD)と、記憶部4から読み出した気象データとに基づいて、各グループに対応するグループ予測モデルを導出する。ここでは、以下の通りのグループ需要予測モデルm2(A)〜m2(D)が生成されたものとする。
m2(AC):demandAC(t)=ε1 * demandAC’(t-48*3) +ε2 * temp(t) +ε3…式(11)
m2(BD):demandBD(t)=ζ1 * demandBD’(t-48*2) +ζ2 * temp(t) +ζ3…式(12)
m2(BD):demandBD(t)=ζ1 * demandBD’(t-48*2) +ζ2 * temp(t) +ζ3…式(12)
また、グループ予測モデル導出部331は、以下の通り、各係数を計算したものとする。
ε1=1.1, ε2=0.3, ε3=1.5,
ζ1=0.9, ζ2=0.5, ζ3=4.1,
ε1=1.1, ε2=0.3, ε3=1.5,
ζ1=0.9, ζ2=0.5, ζ3=4.1,
なお、式(11),(12)の説明変数のうち、電力需要に関連するものは、重みを加えた個別需要データであるdemandAC’(t)およびdemandBD’(t)により定義されている。なお、demandAC’(t)は、式(9)に示すグループ需要データd2´(AC)であり、demandBD’(t)は、式(10)に示すグループ需要データd2´(BD)である。一方、式(7),(8)に示すグループ需要データd2(AC),d2(BD)は、グループ予測モデル導出部331において、係数を導出する際に利用される。
第五〜六のステップは、第2実施形態と同様である。つまり、グループ需要予測部332は、グループ予測モデル導出部331により導出されたグループ需要予測モデルm2(AC)とm2(BD)とを利用して、設定された予測日の需要予測を行い、需要予測結果をグループデータ合成部333に出力する。グループデータ合成部333は、グループごとに導出されたグループごとの需要予測結果demandACとdemandBDとを加算して、加算結果である全体需要予測結果を、記憶部4に保存する。
上述の通り、個別需要データに重み付けをして得られたグループ需要データを用いてグループ需要予測モデルを導出することにより、総需要の予測精度の向上が期待できる。すなわち、個別予測モデルを生成した際に、需要予測に過去の需要が影響を与える度合いが回帰モデルの係数(重み)として与えられている。ここで、合計需要を単純に合計してグループ需要予測モデルを生成した場合、個別の需要家の過去の需要の影響度が同程度に影響を与えることになる。一方で、本実施形態のように、個別需要データに重み付けをしてグループ需要予測モデルを生成することで、個別の需要家の過去の需要の影響度を、もともとの個別需要予測モデルの算出で計算された量と一致させることができるためである。これにより、個別の需要家の過去の需要の影響度をグループ需要予測モデルに反映させることができ、総需要の予測精度の向上を期待することができる。
(変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。ここで、グループ生成部322は、複数の需要家の個別予測モデルに含まれる変数の間に時間差成分がある場合、時間差成分にも基づき類似度を導出する。以下、具体的に説明する。
次に、第3実施形態の変形例について説明する。ここで、グループ生成部322は、複数の需要家の個別予測モデルに含まれる変数の間に時間差成分がある場合、時間差成分にも基づき類似度を導出する。以下、具体的に説明する。
第一のステップにおいて、個別予測モデル導出部321は、式(1)〜(4)に替えて、下の式(13)〜(16)に示す個別予測モデルm2(A)〜m2(D)を導出したものとする。
m2(A):demandA(t)=α1 * demandA(t-48*3) +α2 * temp(t) +α3…式(13)
m2(B):demandB(t)=β1 * demandB(t-48*2) +β2 * temp(t) +β3…式(14)
m2(C):demandC(t)=γ1 * demandC(t-48*3+1) +γ2 * temp(t) +γ3…式(15)
m2(D):demandD(t)=δ1 * demandD(t-48*2+1) +δ2 * temp(t) +δ3…式(16)
m2(B):demandB(t)=β1 * demandB(t-48*2) +β2 * temp(t) +β3…式(14)
m2(C):demandC(t)=γ1 * demandC(t-48*3+1) +γ2 * temp(t) +γ3…式(15)
m2(D):demandD(t)=δ1 * demandD(t-48*2+1) +δ2 * temp(t) +δ3…式(16)
また、個別予測モデル導出部321は、以下の通り、各係数を計算したものとする。
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1
α1=0.9, α2=0.2, α3=0.1
β1=0.8, β2=0.2, β3=2.1
γ1=0.7, γ2=0.4, γ3=3.1
δ1=0.2, δ2=0.7, δ3=5.1
式(15),(16)に示す通り、需要家Cと需要家Dの個別予測モデルにおいて電力需要の変数の時間が1単位(つまり30分)加算されている点で、上述の個別予測モデルと異なる。しかし、グループ生成部322は、時間が1単位ずれた電力需要の変数と時間の加算のない同じ種類の電力需要の変数との相互相関が高ければ、これらの変数を同一とみなす。つまり、グループ生成部322は、変数における時間周期にずれがあるが、そのずれ幅が閾値以下である場合、これらの変数を同一とみなすことができる。変数における時間周期にずれがある場合とは、例えば、t−(48×2−1)に対して、t−48×2は、1単位ずれていることを表している。
ここでは、個別予測モデルに含まれる同一の変数の個数を類似度とする。ただし、変数が完全に同一でない場合であっても、相関係数が類似度に加算される。例えば、需要家Aと需要家Cとの類似度について説明する。グループ生成部322は、需要家Aの過去の電力需要に関する変数[t−48×3]と需要家Cの過去の電力需要に関する変数[t−(48×3−1)]の相関係数を、0.9と算出する。また、需要家Aと需要家Cとは、気象に関する変数[temp(t)]が一致している。よって、グループ生成部322は、需要家Aと需要家Cとの類似度を、0.9+1=1.9と算出する。このように導出された類似度を図4に示す。図4は、類似度テーブルの一例を示す図である。このように導出された類似度を図7に示す。図7は、類似度テーブルの他の例を示す図である。
これに限られず、グループ生成部322は、系列の差を時刻差で重み付けしてもよい。例えば、グループ生成部322は、類似度を重みwとして計算し、同じ時刻の系列の重みwを1、時間が1単位(30分)ずれるごとに1から0.1減算した値を重みwと計算してもよい。
また、第三のステップにおいてグループ需要データを算出する際、個別データ合成部323は、同時刻の個別需要データを合成するのではなく、時刻のずれ、および回帰モデルの係数に基づいて、類似度の高い時間の個別需要データ同士を合成して、グループ需要データを導出してもよい。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態の情報処理システム1Bの構成図である。情報処理システム1Bは、処理部3Bと記憶部4Bとを備える点で、情報処理システム1Aと異なる。処理部3Bは、予測結果比較部34を備える点で処理部3Aと異なる。記憶部4Bは、予測誤差DB46と、グループ設定値47とを備える点で記憶部4Aと異なる。
図8は、第4実施形態の情報処理システム1Bの構成図である。情報処理システム1Bは、処理部3Bと記憶部4Bとを備える点で、情報処理システム1Aと異なる。処理部3Bは、予測結果比較部34を備える点で処理部3Aと異なる。記憶部4Bは、予測誤差DB46と、グループ設定値47とを備える点で記憶部4Aと異なる。
予測結果比較部34は、異なるグループ数でそれぞれ全体需要予測結果を算出し、それら全体需要予測結果と電力需要の実測値との予測誤差を算出し、算出された予測誤差に基づいて、グループ生成部322において設定されるグループ数(以下、グループ設定値と記す)を決定する。グループ設定値とは、上述した通りグループ需要データや全体需要予測結果を導出する際に、グループ生成部322による処理において、需要家を分類するグループ数として予め設定される値のことである。予測結果比較部34は、これらの処理を実行するため、予測誤差導出部341と、グループ設定値決定部342とを備える。
予測誤差導出部341は、グループ分類部32に対して、異なるグループ数でそれぞれグループ需要データを導出するよう指示するとともに、全体需要予測部33に対して、グループ分類部32において導出されたグループ需要データに基づいて、異なるグループ数のそれぞれに対応する全体需要予測結果を導出するよう指示する。ここで、予測誤差導出部341は、予測日時を過去の日時(例えば、昨日の24時間)であることも合わせて指示する。これらの指示を、以下、グループ設定指示と記す。「異なるグループ数」において、最も大きいグループ数は需要家の数と同数であり、最も小さいグループ数は1である。グループ数が最も大きい数の場合、全ての需要家が個別に需要予測され、グループ数が最も小さい数の場合、すべての需要家が一つのグループにまとめられる。
グループ設定指示には、異なるグループ数の数だけ全体需要予測結果を導出する処理(以下、予測処理と記す)を繰り返すよう制御する指示も含まれる。また、グループ設定指示には、グループ数を大きい方から小さい方に変化させながら予測処理を繰りかえすよう制御する指示が含まれていてもよい。ただし、以下の説明では、予測誤差導出部341が異なるグループ数を決定し、グループ生成部322に指示する例について説明する。予測誤差導出部341は、例えば、1回目の予測処理において需要家の数をグループ数とし、2回目以降の予測処理において前回の予測処理で用いたグループ数を2で割った数をグループ数とする。
また、予測誤差導出部341は、全体需要予測部33により導出された全体需要予測結果と、過去の個別需要データとの比較結果である予測誤差を、異なるグループ数のそれぞれについて導出し、導出した予測誤差をグループ設定値決定部342に出力する。予測誤差は、例えば、複数の需要家の過去の個別需要データの合計値と全体需要予測結果との差分である。
グループ設定値決定部342は、複数の予測誤差に基づいて、予め決められた評価基準に従って予測誤差を評価し、評価結果に基づいてグループ設定値(グループ数)を決定する。グループ設定値決定部342は、決定したグループ設定値を記憶部4に格納する。評価基準は、例えば、予測誤差が最小となる全体需要予測結果が最適であることが決められている。これに限られず、評価基準は、予測誤差が閾値以下となる全体需要予測結果が所定の条件を満たすと決められていてもよい。また、グループ設定値決定部342は、最適または所定の条件を満たすと判定された全体需要予測結果を導出した際に用いたグループ数をグループ設定値に決定してもよい。グループ設定値決定部342は、最適または所定の条件を満たすと判定した全体需要予測結果を記憶部4に格納してもよく、通信部2を介して送信してもよい。
グループ生成部322は、記憶部4を参照し、グループ設定値決定部342により決定されたグループ設定値が示す数のグループに複数の需要家を分類する。
予測誤差DB46は、予測誤差導出部341により導出された予測誤差に、予測誤差が導出された際に用いられたグループ数が対応付けられた情報である。
グループ設定値47は、グループ設定値決定部342により決定されたグループ設定値に、対象とした複数の需要家を含む対象地域を示す情報が対応付けられた情報である。
次に、図9を参照して、第4実施形態に係る処理の一例について説明する。図9は、第4実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、予測誤差導出部341が、グループ分類部32と全体需要予測部33とに対して、グループ設定指示を出力する(ステップS11)。これにより、個別予測モデル導出部321は、記憶部4から複数の需要家の過去の個別需要データと、グループ設定指示により指定された過去の気象データとを読み出し、読み出した情報に基づいて、それぞれの個別需要に対応する個別予測モデルを導出する(ステップS12)。
次いで、グループ生成部322は、各需要家の類似度を導出し、導出した類似度を類似度テーブル43に書き込む(ステップS13)。そして、グループ生成部322は、グループ設定指令に基づくグループ数で、各需要家を分類する(ステップS14)。1回目の予測処理では、グループ数=最大値であるため、各需要家は需要家の数に分類される。つまり、一つのグループに属する需要家の数は一つである。このように、グループ数=最大値である場合、グループ生成部322は、分類という処理をしないものであってもよい。個別データ合成部323は、グループ生成部322による処理結果に基づいて、グループ需要データを生成し、グループ予測モデル導出部331に出力する(ステップS15)。1回目の予測処理では、各需要家の個別需要データがグループ需要データとなる。
グループ予測モデル導出部331は、入力するグループ需要データと、記憶部4から読み出したグループ設定指示により指定された過去の気象データとに基づいて、各グループに対応するグループ予測モデルを導出し、グループ需要予測部332に出力する(ステップS16)。グループ需要予測部332は、グループ予測モデル導出部331により導出されたグループ需要予測モデルを利用して、グループ設定指示により指定された複数の日時の需要予測を行い、需要予測結果をグループデータ合成部333に出力する(ステップS17)。グループデータ合成部333は、グループごとに導出された各グループの需要予測結果を加算して、加算結果である全体需要予測結果を、予測誤差導出部341に出力する(ステップS18)。そして、予測誤差導出部341は、全体需要予測部33により導出された全体需要予測結果と、グループ設定指示により指定された日時の複数の需要家の個別需要データの合計値との比較結果である予測誤差を導出し、導出した予測誤差にグループ数を対応付けて、予測誤差DB46に書き込む(ステップS19)。
次いで、予測誤差導出部341は、グループ数=1であるか否かを判定する(ステップS20)。グループ数=1でない場合、予測誤差導出部341は、前回のグループ数に基づいてグループ数を変更し、変更後のグループ数をグループ生成部322に出力する(ステップS20)。ここで、予測誤差導出部341は、グループ数を前回のグループ数よりも少ないグループ数に変更する。例えば、予測誤差導出部341は、前回のグループ数の半分の数にグループ数を変更してもよい。そして、ステップS14に戻って、グループ生成部322は、予測誤差導出部341により変更されたグループ数で、各需要家を分類する。
一方、ステップS20において、グループ数=1である場合、予測誤差導出部341は、その旨をグループ設定値決定部342に出力する。グループ設定値決定部342は、予測誤差DB46から、複数の予測誤差を読み出し、予め決められた評価基準に従って予測誤差を評価し、評価結果に基づいてグループ設定値を決定する(ステップS22)。
需要家A〜Dを例に説明すると、1回目の予測処理において、需要家A,B,C,Dの個別需要データに基づく全体需要予測とその予測誤差E1とが導出される。2回目の予測処理において、需要家Aと需要家C、需要家Bと需要家Dとがグループに分けられたとする。そして、各グループのグループ需要データに基づく全体需要予測とその予測誤差E2とが導出される。次いで、3回目の予測処理では、需要家A〜Dが同じグループに分けられる。そして、全てが一つのグループとするグループ需要データに基づく全体需要予測とその予測誤差E3とが導出される。このようにして導出された予測誤差E1〜E3の関係を図10に示す。図10は、グループ数と予測誤差との関係を示すグラフである。そして、グループ設定値決定部342は、図10に示す予測誤差E1〜E3を比較して、予測誤差が最小となるグループ数「2」をグループ設定値に決定する。
上述の通り、異なるグループ数の複数の予測処理を行い、各予測処理における予測誤差同士を比較することにより、予測精度の高いグループ数を求めることができる。よって、以降の予測処理において、予測精度の高いグループ数で電力需要を予測することにより、予測誤差を削減し、予測精度を高めることができる。
なお、上述の実施形態における処理部3,3A,3Bは、図11を参照して説明するコンピュータ5上のソフトウェアとして構成されてもよい。図11は、PCの構成図の一例である。コンピュータ5は、CPU51、メモリ52、ハードディスク53、インタフェース(IF)54、および、グラフィックインタフェース(GUI)55を備え、それぞれがバス56を介して接続されている。処理部3,3A,3Bの機能を実現するプログラムは、ハードディスク53上に格納され、実行時にメモリ52上へと展開された後、手順に従って実行される。中間データであるグループ需要データは、メモリ52上で管理されてもよく、ハードディスク53上に格納されてもよい。また、処理部3,3A,3Bは、これらのデータをGUI55を通じで運用者に可視的に出力してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、個別予測モデル導出部によって導出された複数の需要家の個別予測モデルの相互の類似度に基づき複数の需要家を複数のグループに分けるグループ生成部を持つことにより、電力需要の予測精度の向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…情報処理システム、2…通信部、3…処理部、4…記憶部、5…PC、31…データ管理部、32…グループ分類部、33…全体需要予測部、34…予測結果比較部、41…気象データDB、42…個別需要データDB、43…類似度テーブル、44…グループ需要データDB、45…全体需要予測結果DB、46…予測誤差DB、47…グループ設定値、51…CPU、52…メモリ、53…ハードディスク、54…インタフェース、55…GUI、56…バス、321…個別予測モデル導出部、322…グループ生成部、323…個別データ合成部、331…グループ予測モデル導出部、332…グループ需要予測部、333…グループデータ合成部、341…予測誤差導出部、342…グループ設定値決定部
Claims (10)
- 複数の需要家の過去の個別の電力需要を示す個別需要データと、気象データとに基づき、前記需要家ごとの電力需要の個別予測モデルを導出する個別予測モデル導出部と、
前記個別予測モデル導出部によって導出された前記複数の需要家の前記個別予測モデルの相互の類似度に基づき前記複数の需要家を複数のグループに分けるグループ生成部と、
を備える情報処理システム。 - 前記個別予測モデル導出部は、回帰モデルに基づき前記個別予測モデルを導出し、
前記グループ生成部は、前記複数の需要家の前記個別予測モデルに対して変数選択を実施し、前記個別予測モデルに含まれる変数の数を減らした状態で前記類似度を導出する
請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記個別予測モデル導出部は、回帰モデルに基づき前記個別予測モデルを導出し、
前記グループ生成部は、少なくとも前記個別予測モデルに含まれる変数の種類に基づき、前記類似度を導出する
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。 - 前記グループ生成部は、前記変数の種類に加えて前記変数の重みに基づき、前記類似度を導出する
請求項3に記載の情報処理システム。 - 前記個別予測モデル導出部は、回帰モデルに基づき前記個別予測モデルを導出し、
前記グループ生成部は、前記複数の需要家の前記個別予測モデルに含まれる変数の相互相関に基づき、前記類似度を導出する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記グループ生成部は、前記複数の需要家の前記個別予測モデルに含まれる変数の間に時間差成分がある場合、前記時間差成分にも基づき前記類似度を導出する
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記グループ生成部により分けられたグループごとの前記個別需要データに関するデータと、気象データとに基づき、前記グループごとの電力需要の予測モデルを導出するグループ予測モデル導出部と、
前記グループ予測モデル導出部により導出された予測モデルに基づき、前記グループごとの電力需要を予測するグループ需要予測部と、
前記グループ需要予測部により予測された前記グループごとの電力需要に基づき、前記複数の需要家の全体需要を導出するグループデータ合成部と、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記個別予測モデル導出部は、回帰モデルに基づき前記個別予測モデルを導出し、
前記グループ予測モデル導出部は、前記個別予測モデルに含まれる係数によって重み付けされた前記需要家ごとの前記個別需要データが前記グループごとに纏められたデータに基づき、前記グループごとの電力需要の予測モデルを導出する
請求項7に記載の情報処理システム。 - 異なるグループ数でグループ分けされた結果に基づいて予測された全体需要予測と電力需要の実測値との予測誤差を、分けられたグループの数ごとに導出する予測誤差導出部と、
前記予測誤差導出部により導出された複数の予測誤差に基づいて、予め決められた評価基準に従って予測誤差を評価し、評価結果に基づいてグループ設定値を決定するグループ設定値決定部と、
をさらに備える請求項7または請求項8に記載の情報処理システム。 - コンピュータに、
複数の需要家の過去の個別の電力需要を示す個別需要データと、気象データとに基づき、前記需要家ごとの電力需要の個別予測モデルを導出させ、
導出された前記複数の需要家の前記個別予測モデルの相互の類似度に基づき前記複数の需要家を複数のグループに分けさせる、
情報処理プログラム。
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2017
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