JP7068945B2 - 光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Description
孔開法では、まず、クラッドとなるガラスロッドに複数の貫通孔をドリル等を用いて形成する。そして、マルチコアファイバのコアとなるコアロッドをそれぞれの貫通孔内に挿入し、これらを加熱一体化してマルチコアファイバ母材とする。
スタックアンドドロー法では、クラッドの外周部分となるガラス管の貫通孔内に、マルチコアファイバのコアとなるコアロッドがクラッドの一部となるクラッドガラス層で被覆されたコア被覆ロッドを挿入し、ガラス管とコア被覆ロッドとの隙間に複数のガラスロッドを挿入し、これらを加熱一体化してマルチコアファイバ母材とする。
母材内の真空引きは、具体的には、母材後端に溶着して母材後端から母材と同軸に延出するように取り付けたガラス製のダミー管に配管接続用のコネクタを取り付け、コネクタに配管を介して真空ポンプを接続し、真空ポンプが発生した真空圧を配管、コネクタ、ダミー管を介して母材内に作用させる(例えば特許文献1)。
なお、孔開法(穿孔法)やスタックアンドドロー法による母材の製造、及び得られた母材の後端から真空引きしながら光ファイバを線引きすることは、マルチコアファイバ以外の光ファイバの製造に使用する母材の製造にも利用される(例えば、ガラス管の貫通孔にコアロッド以外のガラスロッドを挿入して母材を製造する)。
ダミー管が溶着された母材を加熱炉に送り込んでいくと、加熱炉のヒートゾーン(最加熱領域)に入るよりもかなり手前で熱によってダミー管が母材よりも先に潰れてしまう可能性がある。このため、ダミー管の潰れを避けるために、母材に、線引きせずに残す残母材長をかなり長くとる必要があった。残母材長を長く確保することは、母材における線引き有効領域の長尺化の障害になっていた。
第1の態様の光ファイバ母材の製造方法は、光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドを挿入するロッド挿入工程と、前記クラッドガラス体の一端部を加熱して前記クラッドガラス体一端部に前記貫通孔の開口部を塞ぐ中実のダミー石英棒を一体化するか、あるいは前記クラッドガラス体の一端部に前記貫通孔の開口部を塞ぐ基端側封止部を形成し前記基端側封止部に中実のダミー石英棒を一体化するダミー棒一体化工程と、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させることで前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐ先端側封止工程とを有し、前記ロッド挿入工程を前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程の一方または両方の完了前に行い、前記ロッド挿入工程と前記ダミー棒一体化工程と前記先端側封止工程とを完了させることで、前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成する。
前記クラッドガラス体は前記貫通孔に前記ガラスロッドを複数収容する筒状に形成され、前記ロッド挿入工程では、前記クラッドガラス体の前記貫通孔に前記ガラスロッドを複数挿入し、前記ダミー棒一体化工程では、前記クラッドガラス体の一端部に開口する前記貫通孔の開口部に前記ダミー石英棒を挿入し、前記クラッドガラス体の一端部を加熱して前記ダミー石英棒に一体化し前記貫通孔の開口部を塞いでも良い。
第2の態様の光ファイバ母材の製造方法は、光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドを挿入するロッド挿入工程と、前記クラッドガラス体の一端部に予め溶着しておいた接続用ガラス管に中実のダミー石英棒を挿入し、前記接続用ガラス管を加熱して前記ダミー石英棒に一体化し前記接続用ガラス管の開口部を塞ぐダミー棒一体化工程と、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させることで前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐ先端側封止工程とを有し、前記ロッド挿入工程を前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程の一方または両方の完了前に行い、前記ロッド挿入工程と前記ダミー棒一体化工程と前記先端側封止工程とを完了させることで、前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成する。
前記ロッド挿入工程及び前記ダミー棒一体化工程の完了後に前記先端側封止工程を行なうとき、前記先端側封止工程は、前記クラッドガラス体の前記貫通孔内を前記クラッドガラス体の他端側から真空引きしながら、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させることで前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞いでも良い。
前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程は、前記ガラスロッドを前記クラッドガラス体の前記貫通孔の軸線方向片端あるいは両端から離隔させて前記貫通孔に前記ガラスロッドが挿入されていない領域を確保した状態で行い、前記先端側封止工程の完了時点で前記一端側に前記ガラスロッドが挿入されていない空隙部を確保しても良い。
第3の態様の光ファイバ母材の製造方法は、光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドが挿入され、かつ前記クラッドガラス体の一端部に位置する前記貫通孔の一端部が封止された状態にて、前記クラッドガラス体の前記貫通孔にその他端から石英粉末を充填する石英粉末充填工程と、前記石英粉末充填工程の完了後に、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させ前記貫通孔の他端の開口部を封止して前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成する他端側封止工程とを有し、前記石英粉末充填工程では、前記クラッドガラス体にその一端部に中実のダミー石英棒が一体化されたものを用いる。
上述の光ファイバ母材の製造方法では、前記他端側封止工程にて前記貫通孔の他端の開口部を封止して形成された基端側封止部を加熱して前記基端側封止部に中実のダミー石英棒を一体化する基端側ダミー棒一体化工程をさらに有し、前記他端側封止工程では、前記クラッドガラス体の他端部における前記石英粉末が存在しない部分を加熱して変形させて前記基端側封止部を形成して、前記内孔における前記基端側封止部と前記貫通孔内に充填された前記石英粉末との間に空隙部を確保しても良い。
上述の光ファイバ母材の製造方法では、前記貫通孔の両端が封止された構成の前記内孔を20kPa以下の内圧を確保して形成しても良い。
上述の光ファイバ母材の製造方法では、前記内孔に確保する内圧が1kPa以下としても良い。
第4の態様の光ファイバ母材は、光ファイバのクラッドとなるロッド状のクラッドガラス体と、前記クラッドガラス体内に前記クラッドガラス体の軸線方向に沿って存在する内孔に収容されたガラスロッドと、前記クラッドガラス体の一端部に固定されて前記内孔の一端を塞ぐ中実のダミー石英棒、あるいは前記クラッドガラス体の前記内孔の一端を塞ぐ一端部に固定された中実のダミー石英棒、あるいは前記クラッドガラス体の一端部に固定された接続用ガラス管に収容、一体化されて前記接続用ガラス管の開口部を塞ぐ中実のダミー石英棒、とを有し、前記クラッドガラス体の他端部は前記内孔の他端を塞ぐ先端側封止部を備える。
上述の光ファイバ母材は、前記内孔の一端側の内部に前記ガラスロッドが挿入されていない空隙部が確保されていても良い。
上述の光ファイバ母材は、前記内孔にその全体を埋め込む量または前記内孔の一端部に空隙部を確保可能な量の石英粉末が収容されていても良い。
上述の光ファイバ母材は、前記内孔に20kPa以下の内圧が確保されていても良い。
上述の光ファイバ母材は、前記内孔の内圧が1kPa以下であっても良い。
第5の態様の光ファイバの製造方法は、第4の態様の光ファイバ母材を前記先端側封止部側から加熱炉に挿入して加熱し、前記光ファイバ母材の前記加熱炉への送り込みの継続により前記ガラスロッドを前記クラッドガラス体に一体化しながら、前記光ファイバ母材の前記加熱炉に挿入されている側の先端から光ファイバを線引きする。
まず、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第1実施形態について、図1~図6を参照して説明する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図6に示す光ファイバ母材1Aを製造するものである。
クラッドガラス体11はその全体が石英ガラス製の一体成形品である。
クラッドガラス体11の複数の貫通孔12はクラッドガラス体11にその中心軸線に平行に貫通形成されている。貫通孔12の軸線方向両端はそれぞれ、クラッドガラス体11の軸線方向の端面に開口されている。
図1~図6では、クラッドガラス体11の複数の貫通孔12の配置を模式的に示している。図1~図6に示すクラッドガラス体11の複数の貫通孔12は、必ずしもクラッドガラス体11のその径方向に垂直の特定断面(平面)に位置する貫通孔12を示すものではない。図1~図6に図示された貫通孔12は、クラッドガラス体11の複数の貫通孔12の一部または全部を示す。
図1に示すように、ダミー石英管13は、その軸線方向一端の端面をクラッドガラス体11の軸線方向片端の端面に突き合わせるようにしてクラッドガラス体11に溶着、一体化する。
ダミー石英管13は、クラッドガラス体11と同軸になるようにしてクラッドガラス体11に溶着する。
ダミー石英管13は、クラッドガラス体11に同軸に溶着したときに、クラッドガラス体11の軸線方向端面に開口する各貫通孔12の開口部を密封せず、各貫通孔12の開口部の少なくとも一部の開口状態を維持可能な内径を有するものを用いる。クラッドガラス体11に溶着されたダミー石英管13はクラッドガラス体11の各貫通孔12の開口部の一部に重なっていても良い。クラッドガラス体11に溶着されたダミー石英管13の内側空間は、クラッドガラス体11の全ての貫通孔12と連通する。
また、ダミー石英管溶着工程におけるクラッドガラス体11の各貫通孔12への乾燥空気の供給は、クラッドガラス体11の貫通孔12に大気中の不純物が入り込むことの防止にも有効に寄与する。
また、ダミー石英管溶着工程におけるクラッドガラス体11の各貫通孔12への乾燥空気の供給は、溶着作業時の加熱によってクラッドガラス体11の端面が溶融して貫通孔12が塞がれてしまうことを防ぐ。
クラッドガラス体11の各貫通孔12の一端側、及びダミー石英管13の先端開口部からの乾燥気体の供給は、クラッドガラス体11にダミー石英管13を当接させた後、クラッドガラス体11へのダミー石英管13の接続(溶着)が完了する前に停止する。クラッドガラス体11にダミー石英管13が接続(溶着)された後は、ダミー石英管13の先端開口部にリーク弁等の乾燥気体出口を確保し、クラッドガラス体11の各貫通孔12の一端側のみから乾燥気体を供給し、供給した乾燥気体をリーク弁等の乾燥気体出口から排出させる。
コア用ガラスロッド14は、例えば、クラッドガラス体11のダミー石英管13とは反対側(一端側)の端面に開口する貫通孔12の開口部から貫通孔12に挿入する。但し、クラッドガラス体11の貫通孔12へのコア用ガラスロッド14の挿入は、ダミー石英管13側からダミー石英管13の内側空間を介して行なっても良い。
なお、ガラス材ユニットU2について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
エッチング工程にて使用するエッチングガスは、例えば、SF6(六フッ化硫黄)ガス、C2F6(六フッ化エタン)ガス、等を採用できる。エッチング液には例えばフッ化水素酸(HF)などを採用できる。
洗浄工程では、例えばエタノール等のアルコールや純水などの洗浄液を貫通孔12に流して貫通孔12内を洗浄する。乾燥工程では、洗浄工程の後、貫通孔12に乾燥気体(空気または不活性ガス等)を流して貫通孔12を乾燥させる。
この実施形態において、ダミー石英棒15は、クラッドガラス体11の一端側端面に突き合わせるようにしてクラッドガラス体11に同軸に位置合わせして溶着し一体化する。
ダミー石英棒15は円柱状に形成されている。ダミー石英棒15は、クラッドガラス体11に溶着したときに、クラッドガラス体11の一端側端面に開口する全ての貫通孔12の開口部を塞ぐことが可能な外径を有するものを使用する。
ダミー石英管13の先端開口部からクラッドガラス体11の各貫通孔12へ供給された乾燥気体は、クラッドガラス体11の一端側端面に開口する貫通孔12開口部がダミー石英棒15の端面によって塞がれるまで、貫通孔12開口部から継続的に放出される。このため、クラッドガラス体11の各貫通孔12には、クラッドガラス体11の一端側端面に開口する貫通孔12開口部がダミー石英棒15の端面によって塞がれるまで、クラッドガラス体11他端側から一端側への乾燥気体の流れが維持される。その結果、クラッドガラス体11にダミー石英棒15を溶着する作業において、クラッドガラス体11の一端側から貫通孔12へ水分やその他の不純物等が入り込むことを防ぐことができる。
真空引き工程では、クラッドガラス体11の全ての貫通孔12内を、ダミー石英管13の内側空間を介してクラッドガラス体11の一端部とは反対の他端部側から真空引きする。
なお、クラッドガラス体11の貫通孔12の1つ以上にコア識別マーカ用ガラスロッドを挿入した場合は、クラッドガラス体11他端部をその内側のコア用ガラスロッド14先端部及びコア識別マーカ用ガラスロッド先端部とともに加熱縮径して中実化した構成の先端側封止部17を形成する。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU1他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11からダミー石英管13を除去する。
図6の光ファイバ母材1Aのクラッドガラス体11の内部には、貫通孔12の一端側がダミー石英棒13によって気密に封止され、他端側が先端側封止部17によって気密に封止された内孔18が確保される。
先端側封止工程において先端側封止部17の形成によって確保される内孔18の内圧は、真空ポンプが先端側封止部17を形成前のクラッドガラス体11の貫通孔12に作用させる真空圧と同等の圧力(内圧)となる。
図7に示すように、線引き装置50は、光ファイバ母材1Aを吊支する母材昇降装置51と、母材昇降装置51に吊支された光ファイバ母材1Aの下端部(先端部)を加熱するリング状の加熱炉52とを有する。母材昇降装置51は、昇降フレーム51aと、昇降フレーム51aを昇降させる昇降装置本体51bとを有する。昇降フレーム51aは、加熱炉52の上方に配置され、昇降装置本体51bによって昇降される。
また、線引き装置50を用いた光ファイバ母材1Aからの光ファイバ2の製造では、昇降フレーム51aの下降によって光ファイバ母材1Aを加熱炉52(具体的にはその内側貫通孔52a)へ送り込みながら、光ファイバ母材1A下端部からの光ファイバ2の線引きを継続する。
すなわち、ここで説明する光ファイバ母材1Aからの光ファイバ2の線引き(光ファイバ2の製造方法。線引き工程)は、光ファイバ母材1Aの加熱炉52への送り込み進行によって挿入ガラスロッドへのクラッドガラス体11の一体化を進行しながら行われる。
光ファイバ母材1A下端部が線引き時加熱温度に加熱されたとき、クラッドガラス体11はクラッドガラス体11を形成するガラスの収縮の他、負圧の内孔18の内圧の影響も受けて貫通孔12の縮径を伴う全体の縮径を生じ、挿入ガラスロッドに一体化される。したがい、この光ファイバ母材1Aによれば、その下端部(先端部)から光ファイバ2を線引きする工程(線引き工程)において、内圧が負圧の内孔18の存在により、クラッドガラス体11の挿入ガラスロッドへの一体化を効率良く行なえる。
上述の光ファイバ2の製造方法ではクラッドガラス体11の貫通孔12内面とコア用ガラスロッド14等の挿入ガラスロッドとの間の隙間が潰されて内孔18の容積が縮小する。
線引き開始前の光ファイバ母材1Aの内孔18の内圧は、光ファイバ2の線引き完了時点で負圧であるように確保する。これにより、光ファイバ2の線引き開始から完了まで光ファイバ母材1Aの内孔18の内圧を負圧に維持できる。光ファイバ母材1Aの製造における先端側封止工程では、光ファイバ2の線引き完了時点で内孔18に負圧が確保されるように真空ポンプによってクラッドガラス体11の貫通孔12を真空引きしながら内孔18を形成する。
内孔18の内圧は、線引き工程の開始から完了まで負圧を維持できるように設定すれば良く、例えば1kPa超~20kPa程度であっても良い。
但し、先端側封止工程にて形成した内孔18の真空度が低い(例えば内孔18の内圧が1kPa超~20kPa)場合は、内孔18の内圧は、1kPa以下の場合に比べてクラッドガラス体11の温度の影響を受けやすくなる。このため、先端側封止工程にて真空ポンプが貫通孔12に作用させる真空圧は、線引き工程の進行に伴う内孔18容積の縮小に加えて、クラッドガラス体11等の母材1A構成部材の温度変化に伴う内孔18の内圧の変動も考慮して、線引き工程において内孔18内が負圧の状態を安定維持できるように設定する。
先端側封止工程では、例えば内圧が20kPa以下の内孔18を形成して、線引き工程において負圧の内孔18の内圧を確保する。線引き開始前の光ファイバ母材1Aの内孔18の内圧が20kPa以下であれば、線引き工程において内孔18の内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
内孔18の内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
これに対して本発明の実施形態に係る光ファイバ母材1Aは、構造が単純でダミー管に比べて強度確保に有利な中実のダミー石英棒15を使用するので、線引き装置50の母材昇降装置51の昇降フレーム51aへの吊支に要するダミー石英棒15強度の確保が容易である。中実のダミー石英棒15は、線引き工程において加熱されてもダミー管に比べて強度確保の点で有利であり、線引き装置50の母材昇降装置51の昇降フレーム51aに対する光ファイバ母材1Aの吊支に要する強度確保を容易に実現できる。
線引き工程において、ダミー石英棒15は、その下方の加熱炉52からの放射熱や、クラッドガラス体11から伝達する伝達熱によって加熱される。中実のダミー石英棒15は、ダミー管に比べて加熱に対して格段に変形しにくい。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第2実施形態について、図8~図14を参照して説明する。
なお、図8~図14において、図1~図6と同様の構成部分には共通の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図14に示す光ファイバ母材1Bを製造するものである。
以下、クラッドガラス体11の軸線方向両端のうち、図8~図14における右側の端を一端、左側の端を他端とも言う。
また、以下、クラッドガラス体11の軸線方向両端に溶着されるダミー石英管131、132のうち、クラッドガラス体11の一端に溶着されるダミー石英管131を第1ダミー石英管、クラッドガラス体11の他端に溶着されるダミー石英管132を第2ダミー石英管、とも言う。
図8に示すように、ダミー石英管131、132は、その軸線方向一端の端面をクラッドガラス体11の軸線方向の端面に突き合わせるようにしてクラッドガラス体11に溶着、一体化する。
ダミー石英管131、132は、クラッドガラス体11と同軸になるようにしてクラッドガラス体11に溶着する。ダミー石英管131、132は、クラッドガラス体11に同軸に溶着したときに、クラッドガラス体11の軸線方向端面に開口する各貫通孔12の開口部を密封せず、各貫通孔12の開口部の少なくとも一部の開口状態を維持可能な内径を有するものを用いる。クラッドガラス体11に溶着されたダミー石英管131、132はクラッドガラス体11の各貫通孔12の開口部の一部に重なっていても良い。クラッドガラス体11に溶着されたダミー石英管131、132の内側空間は、クラッドガラス体11の全ての貫通孔12と連通する。
なお、以下、石英管第1溶着作業にてクラッドガラス体11に溶着するダミー石英管を第1溶着ダミー石英管、石英管第2溶着作業にてクラッドガラス体11に溶着するダミー石英管を第2溶着ダミー石英管、とも言う。
この場合、第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11の一端に溶着する溶着作業(石英管第1溶着作業)は、クラッドガラス体11の貫通孔12にクラッドガラス体11他端側から一端側へ通過させるように乾燥気体を流しながら行なう。クラッドガラス体11の各貫通孔12に供給した乾燥空気は、クラッドガラス体11に第1ダミー石英管131が接続(溶着)されるまでは、貫通孔12を通過した後にクラッドガラス体11と第1ダミー石英管131との間から排出される。また、クラッドガラス体11に第1ダミー石英管131が接続(溶着)された後は、クラッドガラス体11の各貫通孔12に供給した乾燥空気は、貫通孔12及び第1ダミー石英管131の内側空間を通過して、第1ダミー石英管131のクラッドガラス体11とは反対側(図1においては右側)の端の開口部(先端開口部)から排出される。
また、ダミー石英管溶着工程におけるクラッドガラス体11の各貫通孔12への乾燥空気の供給は、溶着作業時の加熱によってクラッドガラス体11の端面が溶融して貫通孔12が塞がれてしまうことを防ぐ。
クラッドガラス体11の各貫通孔12の一方側開口部、及びダミー石英管の先端開口部からの乾燥気体の供給は、クラッドガラス体11にダミー石英管を当接させた後、クラッドガラス体11へのダミー石英管の接続(溶着)が完了する前に停止させる。クラッドガラス体11にダミー石英管が接続(溶着)された後は、ダミー石英管の先端開口部にリーク弁等の乾燥気体出口を確保し、クラッドガラス体11の各貫通孔12の一方側開口部のみから乾燥気体を供給し、供給した乾燥気体をリーク弁等の乾燥気体出口から排出させる。
第1溶着ダミー石英管の先端開口部、及び第2溶着ダミー石英管の先端開口部からの乾燥気体の供給は、クラッドガラス体11に第2溶着ダミー石英管を当接させた後、クラッドガラス体11への第2溶着ダミー石英管の接続(溶着)が完了する前に停止させる。クラッドガラス体11に第2溶着ダミー石英管が接続(溶着)された後は、第2溶着ダミー石英管の先端開口部にリーク弁等の乾燥気体出口を確保し、第1溶着ダミー石英管の先端開口部のみから乾燥気体を供給し、供給した乾燥気体をリーク弁等の乾燥気体出口から排出させる。
コア用ガラスロッド14は、クラッドガラス体11の貫通孔12の長さ(軸線方向寸法)と同等の長さを有するものを使用する。
なお、ガラス材ユニットU2について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
エッチング工程にて使用するエッチングガスは、例えば、SF6(六フッ化硫黄)ガス、C2F6(六フッ化エタン)ガス、等を採用できる。エッチング液には例えばフッ化水素酸(HF)などを採用できる。
洗浄工程では、例えばエタノール等のアルコールや純水などの洗浄液を貫通孔12に流して貫通孔12内を洗浄する。乾燥工程では、洗浄工程の後、貫通孔12に乾燥気体(空気または不活性ガス等)を流して貫通孔12を乾燥させる。
図11に示すように、ダミー棒一体化工程では、先細りのテーパ状に形成されたクラッドガラス体11一端部を加熱しながらダミー石英棒15を押し当て、ダミー石英棒15をクラッドガラス体11に同軸に位置合わせして溶着し一体化する。
真空引き工程では、クラッドガラス体11の全ての貫通孔12内を、第2ダミー石英管132の内側空間を介してクラッドガラス体11の他端側から真空引きする。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU2他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11から第2ダミー石英管132を除去する。
図14の光ファイバ母材1Bのクラッドガラス体11の内部には、貫通孔12の一端側がダミー石英棒13によって気密に封止され、他端側が先端側封止部17によって気密に封止された内孔18が確保される。
先端側封止工程において先端側封止部17の形成によって確保される内孔18の内圧は、真空ポンプが先端側封止部17を形成前のクラッドガラス体11の貫通孔12に作用させる真空圧と同等の圧力(内圧)となる。
線引き装置50を用いた光ファイバ母材1Bからの光ファイバ2の製造は、線引き装置50の昇降フレーム51aに吊り下げ状態に支持(吊支)させた光ファイバ母材1Bの下端部を加熱炉52(具体的にはその内側貫通孔52a)に挿入し、光ファイバ母材1B下端部を加熱炉52によって線引き時加熱温度に加熱してガラス粘度を低下(軟化)させた状態を保ったまま、光ファイバ母材1B下端部から下方へ光ファイバ2を線引きする。
内孔18の内圧は、線引き工程の開始から完了まで負圧を維持できるように設定すれば良く、例えば1kPa超~20kPa程度であっても良い。
先端側封止工程では、例えば内圧が20kPa以下の内孔18を形成して、線引き工程において負圧の内孔18の内圧を確保する。線引き開始前の光ファイバ母材1Bの内孔18の内圧が20kPa以下であれば、線引き工程において内孔18の内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
内孔18の内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第3実施形態について、図15~図20を参照して説明する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図20に示す光ファイバ母材1Cを製造するものである。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図15に示すように、まず、クラッドガラス体21を用意し、クラッドガラス体21内側の貫通孔22にガラスロッド23を複数挿入するロッド挿入工程を行なう。
この実施形態にて使用するコア用ガラスロッドは、線引きによって光ファイバのコアとなる部分の周囲が光ファイバのクラッドの一部となる部分によって覆われた構造のものである。但し、コア用ガラスロッドは、その全体が、光ファイバのコアとなる構成のものも採用可能である。
なお、ガラス材ユニットU3について、クラッドガラス体21の貫通孔22の軸線方向を軸線方向として扱う。また、クラッドガラス体21及びガラス材ユニットU3について、図15~図20の右側を一端、左側を他端として説明する。
図17に示すように、ダミー棒一体化工程では、先細りのテーパ状に形成されたクラッドガラス体21一端部を加熱しながら基端側封止部24に中実のダミー石英棒25を押し当て、ダミー石英棒25をクラッドガラス体21に同軸に位置合わせして基端側封止部24に溶着し一体化する。
真空引き工程では、例えば、クラッドガラス体21の他端に接続したガス送給装置からクラッドガラス体21の貫通孔22へのヘリウムガスの送給と、真空ポンプによる真空引きとを交互に行なうことも可能である。
また、この実施形態の先端側封止工程では、ガラス材ユニットU3他端部の先端を溶断して、先細りのテーパ状の先端側封止部27を形成する。
図20の光ファイバ母材1Cのクラッドガラス体21の内部には、貫通孔22の一端側が基端側封止部24によって気密に封止され、他端側が先端側封止部27によって気密に封止された内孔28が確保される。
先端側封止工程において先端側封止部27の形成によって確保される内孔28の内圧は、真空ポンプが先端側封止部27を形成前のクラッドガラス体21の貫通孔22に作用させる真空圧と同等の圧力(内圧)となる。
線引き装置50を用いた光ファイバ母材1Cからの光ファイバ2の線引きは、線引き装置50の昇降フレーム51aに吊り下げ状態に支持(吊支)させた光ファイバ母材1Cの下端部を加熱炉52(具体的にはその内側貫通孔52a)に挿入して線引き時加熱温度に加熱しガラス粘度を低下(軟化)させた状態を保ったまま、光ファイバ母材1C下端部から下方へ光ファイバ2を線引きする。また、昇降フレーム51aの下降による光ファイバ母材1Cの加熱炉52(具体的にはその内側貫通孔52a)への送り込みを進行させることでガラスロッド23に対するクラッドガラス体11の一体化を進行させながら、光ファイバ母材1C下端部からの光ファイバ2の線引きを継続する。
内孔28内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第4実施形態について、図21~図26を参照して説明する。
なお、図21~図26において、図15~図20と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図26に示す光ファイバ母材1Dを製造するものである。
このロッド挿入工程は、光ファイバ母材の製造方法の第3実施形態のロッド挿入工程と同様に行なうことができる。クラッドガラス体21内側の貫通孔22に挿入する複数のガラスロッド23も、光ファイバ母材の製造方法の第3実施形態のロッド挿入工程と同様の構成を採用できる。すなわち、クラッドガラス体21内側の貫通孔22に挿入する複数のガラスロッド23は、1つ以上のコア用ガラスロッドを含む。また、クラッドガラス体21内側の貫通孔22に挿入する複数のガラスロッド23は、クラッド用ガラスロッドを1つ以上含んでいても良い。コア用ガラスロッドは、光ファイバ母材の製造方法の第3実施形態にて採用可能な構成のものを用いることができる。
なお、ガラス材ユニットU4について、クラッドガラス体21の貫通孔22の軸線方向を軸線方向として扱う。また、クラッドガラス体21及びガラス材ユニットU4について、図21~図26の右側を一端、左側を他端として説明する。
クラッドガラス体21の貫通孔22に挿入する複数のガラスロッド23は、互いに概ね同じ長さのものを用いる。
このダミー棒一体化工程は、まず、図22に示すように、クラッドガラス体21の一端側の端部(一端部)にダミー石英棒25を挿入する。ここで、クラッドガラス体21の貫通孔22内の複数のガラスロッド23は、クラッドガラス体21の一端からクラッドガラス体21他端側へずれた位置に配置する。また、図22では、クラッドガラス体21の一端部に挿入したダミー石英棒25の先端を、クラッドガラス体21の貫通孔22内の複数のガラスロッド23のクラッドガラス体21一端側の先端に突き当てている。
ダミー石英棒25は、クラッドガラス体21一端部に挿入した部分の他に、クラッドガラス体21一端から突出する部分を確保できる長さを有するものを使用する。ダミー石英棒25は、ダミー棒一体化工程の完了後も、クラッドガラス体21一端から突出する部分を有する。
真空引き工程では、例えば、クラッドガラス体21の他端に接続したガス送給装置からクラッドガラス体21の貫通孔22へのヘリウムガスの送給と、真空ポンプによる真空引きとを交互に行なうことも可能である。
先端側封止工程では、ガラス材ユニットU4他端部に、クラッドガラス体21他端部をその内側のコア用ガラスロッド23先端部とともに加熱縮径して中実化した先端側封止部27を形成して、貫通孔22の開口部を気密に封止する。
また、この実施形態の先端側封止工程では、ガラス材ユニットU4他端部の先端を溶断して、先細りのテーパ状の先端側封止部27を形成する。
図26の光ファイバ母材1Dのクラッドガラス体21の内部には、貫通孔22の一端側が基端側封止部24によって気密に封止され、他端側が先端側封止部27によって気密に封止された内孔28が確保される。
先端側封止工程にて、真空ポンプを使用してクラッドガラス体21の貫通孔22内を大気圧から100kPa程度減圧した状態で先端側封止部27を形成すること、も光ファイバ母材の製造方法の第3実施形態と同様である。先端側封止工程において先端側封止部27の形成によって確保される内孔28の内圧は、真空ポンプが先端側封止部27を形成前のクラッドガラス体21の貫通孔22に作用させる真空圧と同等の圧力(内圧)となる。
真空ポンプがクラッドガラス体21の貫通孔22に作用させる真空圧は例えば1kPa以下であることが好適である。
線引き開始前の光ファイバ母材1Dの内孔28内圧は20kPa以下とする。線引き開始前の内孔28内圧が20kPa以下の光ファイバ母材1Dであれば、線引き工程において内孔28内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
内孔28内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第5実施形態について、図27~図32を参照して説明する。
なお、図27~図32において、図8~図14と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図32に示す光ファイバ母材1Eを製造するものである。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法においても、第1実施形態の光ファイバ母材の製造方法と同様に、ダミー石英管溶着工程とロッド挿入工程との間にて、クラッドガラス体11の各貫通孔12の内面をエッチングガスもしくはエッチング液によりエッチングするエッチング工程、貫通孔12内を洗浄する洗浄工程、乾燥工程を行なっても良い。
ダミー棒一体化工程では、酸水素炎等の火炎16を利用して第1ダミー石英管131を加熱縮径させてダミー石英棒15に一体化し、第1ダミー石英管131のクラッドガラス体11とは反対側に開口する開口部を塞ぐ(気密に封止する)。
図29に示すように、ダミー棒一体化工程では、ダミー石英棒15の先端をクラッドガラス体11の一端に突き当てた状態を維持したまま、第1ダミー石英管131を加熱縮径させてダミー石英棒15に一体化させる。その結果、ダミー石英棒15の第1ダミー石英管131内に挿入された部分の全体に第1ダミー石英管131が一体化される。
真空引き工程は、第2実施形態の光ファイバ母材の製造方法の真空引き工程と同様に行なうことができる。
先端側封止工程では、ガラス材ユニットU2他端部に先端側封止部17を形成する。
図32に示すように、ガラス材ユニットU2他端部を先細りのテーパ状に加工した先端側封止部17を形成すること、先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU2他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11から第2ダミー石英管132を除去することも、第2実施形態の光ファイバ母材の製造方法の先端側封止工程と同様である。
図32の光ファイバ母材1Eのクラッドガラス体11の内部には、貫通孔12の一端側がダミー石英棒13によって気密に封止され、他端側が先端側封止部17によって気密に封止された内孔18が確保される。
線引き開始前の光ファイバ母材1Eの内孔18の内圧は20kPa以下とする。線引き開始前の内孔18の内圧が20kPa以下の光ファイバ母材1Eであれば、線引き工程において内孔18の内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
内孔18の内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
第2~第5実施形態の光ファイバ母材は、それぞれ、クラッドガラス体あるいはクラッドガラス体の一端に溶着された第1ダミー石英管131(図29参照)から、クラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出する突出部が確保されたダミー石英棒を有する。
第2~第5実施形態の光ファイバ母材は、図7に例示した線引き装置50を光ファイバの線引きに利用する場合、クラッドガラス体あるいはクラッドガラス体の一端に溶着された第1ダミー石英管131(図29参照)からクラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出するダミー石英棒の突出部を昇降フレーム51aに取り付け、先端側封止部が下端となるように昇降フレーム51aに吊支させる。
第2~第5実施形態の光ファイバ母材は、それぞれ、クラッドガラス体あるいはクラッドガラス体の一端に溶着された第1ダミー石英管131(図29参照)から、クラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出する突出部が確保されたダミー石英棒を有する。
第2~第5実施形態の光ファイバ母材は、図7に例示した線引き装置50を光ファイバの線引きに利用する場合、クラッドガラス体あるいはクラッドガラス体の一端に溶着された第1ダミー石英管131(図29参照)からクラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出するダミー石英棒の突出部を昇降フレーム51aに取り付け、先端側封止部が下端となるように昇降フレーム51aに吊支させる。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第6実施形態について、図33A~図33Gを参照して説明する。
なお、図33A~図33Gにおいて、図8~図14(第2実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図33Gは、この実施形態の光ファイバ母材1Fを示す断面図である。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図33Gに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Fを製造するものである。
図33Gに示す光ファイバ母材1Fの空隙部19は、ロッド挿入工程の後のダミー棒一体化工程及び先端側封止工程によってクラッドガラス体11の貫通孔12の軸線方向両端を封止して確保される内孔18の一端(図33G右端)側に確保された、コア用ガラスロッド14が挿入されていない領域(空間)である。
ダミー石英管溶着工程では、第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11の一端に溶着する石英管第1溶着作業と、第2ダミー石英管132をクラッドガラス体11の他端に溶着石英管第2溶着作業とを、クラッドガラス体11の各貫通孔12に乾燥空気を流しながら行なうこと等、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程にて採り得る種々の手法を採用できる。ダミー石英管溶着工程にて採用可能な手法は、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程と同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。
ガラス材ユニットU6について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
但し、この実施形態のロッド挿入工程は、図33Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部をクラッドガラス体11の他端から突出させた状態とすることを含んでいても良い。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は、第2実施形態の光ファイバ母材の製造方法にて説明したものと同様に行なうことができ、ここではその詳細説明を省略する。
第1ダミー石英管131を除去後のクラッドガラス体11の一端部にダミー石英棒15を溶着、一体化する作業(基端側ダミー棒一体化工程)は、先細りのテーパ状に形成されたクラッドガラス体11一端部を加熱しながらダミー石英棒15を押し当て、ダミー石英棒15をクラッドガラス体11に同軸に位置合わせして溶着し一体化する。
基端側ダミー棒一体化工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を基端側封止部から貫通孔12の他端側へ離隔させた状態にて行うことで、コア用ガラスロッド14への基端側封止部の熱溶着等を回避できる。
先端側封止工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部をクラッドガラス体11の他端から突出させた状態とする以外は、第2実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なうことができる。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU6他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11から第2ダミー石英管132及びコア用ガラスロッド14のうちクラッドガラス体11の他端部から突出した部分を除去する。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体11の貫通孔12に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部17を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔18を有する光ファイバ母材1Fを得る。
このため、先端側封止工程が完了したとき、クラッドガラス体11内には、一端(図33G右端)側にコア用ガラスロッド14が挿入されていない空隙部19を有する構成の内孔18が確保される。内孔18の空隙部19以外の領域にはコア用ガラスロッド14が挿入されている。
線引き開始前の光ファイバ母材1Fの内孔18の内圧は20kPa以下とする。
光ファイバ母材1Fを用いた光ファイバの製造は、クラッドガラス体11内のコア用ガラスロッド14、コア識別マーカ用ガラスロッドといった挿入ガラスロッドに対するクラッドガラス体11の一体化を進行させながら先端側封止部17からの光ファイバ2の線引きを継続する。クラッドガラス体11の内孔18の容積は、挿入ガラスロッドに対するクラッドガラス体11の一体化進行に伴い縮小していく。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第7実施形態について、図34A~図34Gを参照して説明する。
なお、図34A~図34Gにおいて、図33A~図33G(第6実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図34Gに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Gを製造するものである。
なお、図34Gの光ファイバ母材1Gの構成は、第6実施形態にて説明した光ファイバ母材1F(図33G)の構成と同様である。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法では、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、かつコア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃えコア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態で、ダミー棒一体化工程(図34C及び図34D)及び先端側封止工程(図34F)を行なう。
図34Gに示す光ファイバ母材1Fの空隙部19は、ロッド挿入工程の後のダミー棒一体化工程及び先端側封止工程によってクラッドガラス体11の貫通孔12の軸線方向両端を封止して確保される内孔18の一端(図34G右端)側の、コア用ガラスロッド14が挿入されていない領域(空間)である。
ダミー石英管溶着工程にて採用可能な手法は、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程と同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。例えば、ダミー石英管溶着工程では、第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11の一端に溶着する石英管第1溶着作業と、第2ダミー石英管132をクラッドガラス体11の他端に溶着石英管第2溶着作業とを、クラッドガラス体11の各貫通孔12に乾燥空気を流しながら行なうこと等、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程にて採り得る種々の手法を採用できる。
ガラス材ユニットU7について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
但し、この実施形態のロッド挿入工程は、図34Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とすることを含んでいても良い。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は、第2実施形態の光ファイバ母材の製造方法にて説明したものと同様に行なうことができ、ここではその詳細説明を省略する。
ダミー棒一体化工程では、まず、図34Cに示すように、クラッドガラス体11の一端側の端部(一端部)の先端を溶断して第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11から除去(片端溶断工程)し、図34Dに示すように、第1ダミー石英管131を除去後のクラッドガラス体11の一端部にダミー石英棒15を溶着、一体化する。
すなわち、この実施形態のダミー棒一体化工程は、コア用ガラスロッド14の片端の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とする以外は、第6実施形態に係るダミー棒一体化工程と同様に行なう。
先端側封止工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とする以外は第7実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なう。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU7他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11から第2ダミー石英管132を除去する。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体11の貫通孔12に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部17を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔18を有する光ファイバ母材1Fを得る。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第8実施形態について、図35A~図35Gを参照して説明する。
なお、図35A~図35Gにおいて、図33A~図33G(第6実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図35Gに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Hを製造するものである。
なお、図35Gの光ファイバ母材1Hの構成は、第6実施形態にて説明した光ファイバ母材1F(図33G)の構成と同様である。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法では、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態で、ダミー棒一体化工程(図35C及び図35D)及び先端側封止工程(図35F)を行なう。
ダミー石英管溶着工程にて採用可能な手法は、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程と同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。例えば、ダミー石英管溶着工程では、第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11の一端に溶着する石英管第1溶着作業と、第2ダミー石英管132をクラッドガラス体11の他端に溶着石英管第2溶着作業とを、クラッドガラス体11の各貫通孔12に乾燥空気を流しながら行なうこと等、第2実施形態に係るダミー石英管溶着工程にて採り得る種々の手法を採用できる。
ガラス材ユニットU8について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
但し、この実施形態のロッド挿入工程は、図35Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態とすることを含んでいても良い。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は、第2実施形態の光ファイバ母材の製造方法にて説明したものと同様に行なうことができ、ここではその詳細説明を省略する。
ダミー棒一体化工程では、まず、図35Cに示すように、クラッドガラス体11の一端側の端部(一端部)の先端を溶断して第1ダミー石英管131をクラッドガラス体11から除去(片端溶断工程)し、図35Dに示すように、第1ダミー石英管131を除去後のクラッドガラス体11の一端部にダミー石英棒15を溶着、一体化する。
すなわち、この実施形態のダミー棒一体化工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態とする以外は、第6実施形態に係るダミー棒一体化工程と同様に行なう。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU8他端部の先端側を溶断してクラッドガラス体11から第2ダミー石英管132を除去する。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体11の貫通孔12に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部17を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔18を有する光ファイバ母材1Hを得る。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第9実施形態について、図36A~図36Fを参照して説明する。
なお、図36A~図36Fにおいて、図1~図6(第1実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図36Fに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Iを製造するものである。
このダミー石英管溶着工程は、第1実施形態のダミー石英管溶着工程と同様に行うものであり、その詳細説明を省略する。
ロッド挿入工程は、第1実施形態のロッド挿入工程と同様に行うことができる。
但し、ロッド挿入工程は、図36Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部をクラッドガラス体11の他端から突出させた状態とすることを含んでいても良い。
ガラス材ユニットU9について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は第1実施形態と同様のため、その詳細説明を省略する。
ダミー棒一体化工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部をクラッドガラス体11の他端から突出させた状態とする以外は、第1実施形態のダミー棒一体化工程と同様に行う。このためダミー棒一体化工程の詳細説明を省略する。
真空引き工程は、第1実施形態の真空引き工程と同様であるので、詳細説明を省略する。
先端側封止工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、コア用ガラスロッド14の反対側の端部をクラッドガラス体11の他端から突出させた状態とする以外は、第1実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なうことができる。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU9他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11からダミー石英管13及びコア用ガラスロッド14のクラッドガラス体11他端部から突出した部分を除去する。
図36Fの光ファイバ母材1Iのクラッドガラス体11の内部には、貫通孔12の一端側がダミー石英棒13によって気密に封止され、他端側が先端側封止部17によって気密に封止された内孔18が確保される。
このため、先端側封止工程が完了したとき、クラッドガラス体11内には、一端(図36F右端)側にコア用ガラスロッド14が挿入されていない空隙部19を有する構成の内孔18が確保される。内孔18の空隙部19以外の領域にはコア用ガラスロッド14が挿入されている。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第10実施形態について、図37A~図37Fを参照して説明する。
なお、図37A~図37Fにおいて、図36A~図36F(第9実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図37Fに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Jを製造するものである。
なお、図37Fの光ファイバ母材1Jの構成は、第9実施形態にて説明した光ファイバ母材1I(図36G)の構成と同様である。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法では、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、かつコア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態で、ダミー棒一体化工程(図37C)及び先端側封止工程(図37E、図37F)を行なう。
図37Fに示す光ファイバ母材1Jの空隙部19は、ロッド挿入工程の後のダミー棒一体化工程及び先端側封止工程によってクラッドガラス体11の貫通孔12の軸線方向両端を封止して確保される内孔18の一端(図37F右端)側の、コア用ガラスロッド14が挿入されていない領域(空間)である。
このダミー石英管溶着工程は、第9実施形態のダミー石英管溶着工程と同様に行うものであり、その詳細説明を省略する。
ロッド挿入工程は、第9実施形態のロッド挿入工程と同様に行うことができる。
但し、ロッド挿入工程は、図37Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、かつコア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とすることを含んでいても良い。
ガラス材ユニットU10について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は第9実施形態と同様のため、その詳細説明を省略する。
ダミー棒一体化工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、かつコア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とする以外は、第9実施形態のダミー棒一体化工程と同様であり、その詳細説明を省略する。
真空引き工程は、第9実施形態の真空引き工程と同様であるので、詳細説明を省略する。
先端側封止工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の一端から他端側へ離隔させ、かつコア用ガラスロッド14の反対側の端部の位置をクラッドガラス体11の他端部に揃え、コア用ガラスロッド14をクラッドガラス体11の他端から突出させない状態とする以外は、第9実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なうことができる。
先端側封止部17は、クラッドガラス体11他端部をその内側のコア用ガラスロッド14先端部とともに加熱縮径して中実化したものである。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU10他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11からダミー石英管13を除去する。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体11の貫通孔12に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部17を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔18を有する光ファイバ母材1Jを得る。
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第11実施形態について、図38A~図38Fを参照して説明する。
なお、図38A~図38Fにおいて、図36A~図36F(第9実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図38Fに示すように内部に空隙部19が確保された光ファイバ母材1Kを製造するものである。
なお、図38Fの光ファイバ母材1Kの構成は、第9実施形態にて説明した光ファイバ母材1I(図36G)の構成と同様である。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法では、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態で、ダミー棒一体化工程(図38C)及び先端側封止工程(図38E、図38F)を行なう。
このダミー石英管溶着工程は、第9実施形態のダミー石英管溶着工程と同様に行うものであり、その詳細説明を省略する。
ロッド挿入工程は、第9実施形態のロッド挿入工程と同様に行うことができる。
但し、ロッド挿入工程は、図38Bに示すように、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入したコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態とすることを含んでいても良い。
ガラス材ユニットU11について、クラッドガラス体11軸線方向を軸線方向、クラッドガラス体11軸線方向一端を一端、クラッドガラス体11軸線方向他端を他端として説明する。
エッチング工程、洗浄工程、乾燥工程は第9実施形態と同様のため、その詳細説明を省略する。
ダミー棒一体化工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態とする以外は、第9実施形態のダミー棒一体化工程と同様であり、その詳細説明を省略する。
真空引き工程は、第9実施形態の真空引き工程と同様であるので、詳細説明を省略する。
先端側封止工程は、クラッドガラス体11の貫通孔12に挿入されたコア用ガラスロッド14を貫通孔12の軸線方向両端から中央部側へ離隔させた状態とする以外は、第9実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なうことができる。
先端側封止部17は、クラッドガラス体11他端部をその内側のコア用ガラスロッド14先端部とともに加熱縮径して中実化したものである。
また、この実施形態の先端側封止工程では、先細りのテーパ状の先端側封止部17を形成する過程においてガラス材ユニットU11他端部の先端を溶断してクラッドガラス体11からダミー石英管13を除去する。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体11の貫通孔12に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部17を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔18を有する光ファイバ母材1Kを得る。
第7~第11実施形態の光ファイバ母材は、それぞれ、クラッドガラス体からクラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出する突出部が確保されたダミー石英棒を有する。
第7~第11実施形態の光ファイバ母材は、図7に例示した線引き装置50を光ファイバの線引きに利用する場合、クラッドガラス体からクラッドガラス体軸線方向他端とは反対の方向に突出するダミー石英棒の突出部を昇降フレーム51aに取り付け、先端側封止部が下端となるように昇降フレーム51aに吊支させる。
次に、光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第12実施形態について、図39A~図39Eを参照して説明する。
なお、図39A~図39Eにおいて、図15~図20(第3実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図39Eに示すように石英粉末41が充填された内孔28を内部に有する光ファイバ母材1Lを製造するものである。
ガラス材ユニットU12は、円筒状のクラッドガラス体21の一端部にクラッドガラス体21内側の貫通孔22の端部(一端部)を封止する中実のダミー石英棒25が溶着、一体化され、ダミー石英棒25に一端が溶着されたガラスロッド23がクラッドガラス体21の貫通孔22内に複数配置された構成である。
図39Bに示すガラス材ユニットU12の複数本のガラスロッド23は、ダミー石英棒25によって、互いに間隔を空けて支持されている。また、ガラスロッド23は、ダミー石英棒25によって、クラッドガラス体21の貫通孔22内面から離間した位置に支持されている。
但し、ガラス材ユニットU12の組み立て方法は図39Aに例示した方法に限定されず、適宜変更可能である。
図39Cでは、石英粉末充填工程にて、ガラスロッド23のダミー石英棒25側とは逆側の他端部を残して、クラッドガラス体21の貫通孔22内におけるガラスロッド23他端部よりも一端部側の領域全体を埋め込むように貫通孔22内に石英粉末41を充填する構成を例示した。図39Cに示す石英粉末充填工程では、クラッドガラス体21の貫通孔22軸線方向におけるガラスロッド23他端部が位置する領域及びこの領域から貫通孔22他端側の領域には石英粉末41を充填しない。
真空引き工程は、第1実施形態及び第3実施形態の真空引き工程と同様であるので詳細説明を省略する。
他端側封止工程は、第3実施形態に係る先端側封止工程と同様に行なうことができる。
先端側封止部27は、クラッドガラス体21他端部をその内側のガラスロッド23先端部(他端部)とともに加熱縮径して中実化したものである。
なお、本実施形態において、以下、他端側封止工程を先端側封止工程とも言う。
先端側封止工程が完了すれば、クラッドガラス体21の内部に、貫通孔22の一端側がダミー石英棒25によって気密に封止され、他端側が先端側封止部27によって気密に封止された内孔28が確保される。
先端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体21の貫通孔22に1kPa以下の真空圧を作用させながら先端側封止部27を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔28を有する光ファイバ母材1Lを得る。
図39Eに示す光ファイバ母材1Lは、内孔28にその全体を埋め込む量の石英粉末41が充填された構成となっている。
石英粉末41が充填された内孔28を有する光ファイバ母材を用いた光ファイバの製造では、ガラスロッド23に対するクラッドガラス体21の一体化進行に伴い内孔28容積が縮小しても、クラッドガラス体21内の石英粉末領域41A中の空隙によって内孔28内圧の上昇を抑えることができる。その結果、光ファイバ母材を用いた光ファイバの製造では、線引き工程において内孔28内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
次に、光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバの製造方法の第13実施形態について、図40A~図40Dを参照して説明する。
なお、図40A~図40Dにおいて、図39A~図39E(第12実施形態)と同様の構成部分については共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
この実施形態の光ファイバ母材の製造方法は、図40Dの光ファイバ母材1Mを製造するものである。
この実施形態の光ファイバ母材1Mの製造方法は、まず、第12実施形態と同様にガラス材ユニットU12に対して石英粉末充填工程及び真空引き工程を行う。次いで、図40A、図40Bに示すように、真空引き工程を継続しながら、クラッドガラス体21他端部を含むガラス材ユニットU12他端部を加熱縮径させてクラッドガラス体21他端部に開口する貫通孔22の開口部を塞ぐ(気密に封止する)他端側封止工程を行い、先端側封止部27と同様の構成の基端側封止部43を形成する。
なお、この実施形態における他端側封止工程を、以下、基端側封止工程、とも言う。
基端側封止工程では、真空ポンプによる真空引きによってクラッドガラス体21の貫通孔22に1kPa以下の真空圧を作用させながら基端側封止部43を形成することで、内圧が負圧(例えば1kPa以下)の内孔28を形成する。
第12実施形態の先端側封止工程(他端側封止工程)では、火炎26(例えば酸水素炎)等を利用してガラス材ユニットU12における石英粉末領域41Aのクラッドガラス体21軸線方向他端側の端部(図39Dにおける石英粉末領域41Aの左側端部)に対応する領域、及びこの領域からガラス材ユニットU12他端側の領域を加熱縮径して先端側封止部27を形成する。
これに対して、図40Aに示すように、第13実施形態の基端側封止工程(他端側封止工程)では、火炎26(例えば酸水素炎)等を利用して、クラッドガラス体21の他端部における石英粉末41が存在しない部分を加熱縮径させて基端側封止部43を形成し(図40B参照)、内孔28における基端側封止部43と石英粉末領域41Aとの間の空隙部44を確保する。
ダミー石英棒45は、ガラス材ユニットU12に対してクラッドガラス体21と同軸になるように位置合わせして、その片端を基端側封止部43に溶着する。
先端側封止部46は、内孔28の一端部を気密に封止する。
また、図40Dの光ファイバ母材1Mを製造する製造方法は、上述の製造方法について、一端側加工工程を、石英粉末充填工程の前、あるいは石英粉末充填工程の完了後かつ真空引き工程の前、に行うように変更した構成も採用可能である。
図40Dの光ファイバ母材1Mを用いた光ファイバの製造では、ガラスロッド23に対するクラッドガラス体21の一体化進行に伴い内孔28容積が縮小しても、クラッドガラス体21内の石英粉末領域41A)中の空隙及び内孔28内の空隙部44が内孔28内圧の上昇抑制に寄与する。その結果、光ファイバ母材1Mを用いた光ファイバの製造では、線引き工程において内孔28内圧の負圧を維持したまま充分な長さの光ファイバを線引きすることが可能である。
ガラス材ユニットは、例えば図41Cに示すように、クラッドガラス体21一端部に開口する貫通孔22の開口部を気密に封止して形成された一端側封止部47にダミー石英棒25が溶着、一体化された構成のもの(ガラス材ユニットU12A)も採用可能である。
図41Cのガラス材ユニットU12Aの組み立て方法は、まず、図41Aに示すように、クラッドガラス体21の貫通孔22にガラスロッド23を挿入する。次いで、図41A、図41Bに示すように、酸水素炎等の火炎26を用いてクラッドガラス体21一端部とその内側のガラスロッド23一端部とを加熱縮径して一端側封止部47を形成して、クラッドガラス体21一端部に開口する貫通孔22の開口部を気密に封止する。次いで、図41B、図41Cに示すように、一端側封止部47にダミー石英棒25を溶着、一体化する。
但し、ガラス材ユニットは、例えばガラスロッド23から取り外し可能なロッド支持具等を用いて互いに間隔を空けて支持した複数本のガラスロッド23のそれぞれの一端部をクラッドガラス体21一端部とともに加熱縮径した一端側封止部を有する構成も採用可能である。
図42のガラス材ユニットU12Bのガラスロッド23は、ロッド支持具48のロッド支持孔48aに挿入され、ロッド支持具48によってクラッドガラス体21の軸線に沿った向きに支持されている。
図42のロッド支持具48には、複数のロッド支持孔48aがクラッドガラス体21の軸線に沿った向きに貫通形成されている。図42のロッド支持具48は、複数本のガラスロッド23を互いに間隔を空けた状態に支持することができる。
また、ロッド支持具48に光ファイバのクラッドの一部となるガラス製のものを採用した場合は、基端側封止工程の完了後に行う一端側加工工程にて、ロッド支持具48の一部を含む先端側封止部46を形成しても良い。
第12、第13実施形態の光ファイバ母材は、図7に例示した線引き装置50を光ファイバの線引きに利用する場合、ダミー石英棒45を昇降フレーム51aに取り付け、先端側封止部46が下端となるように昇降フレーム51aに吊支させる。
内孔内圧は、例えば20kPa以下であるが、10kPa以下、あるいは1kPa以下であっても良い。
例えば、内圧が10kPa以下の内孔を有する光ファイバ母材を製造する方法(光ファイバ母材の製造方法)は、真空引き工程を省略し、先端側封止工程にて加熱した光ファイバ母材の先端側封止工程完了後の冷却に伴う内孔内圧の低下によって10kPa以下の内孔内圧を確保しても良い。
また、光ファイバ母材の製造方法のロッド挿入工程は、ダミー棒一体化工程及び先端側封止工程の一方または両方の完了前に行えば良く、上述した実施形態の工程順に限定されない。
光ファイバ母材の製造方法は、例えば、第6~11実施形態の光ファイバ母材の製造方法について、ダミー棒一体化工程及び先端側封止工程を上述のダミー棒一体化工程及び先端側封止工程に変更した構成も採用可能である。
Claims (17)
- 光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドを挿入するロッド挿入工程と、
前記クラッドガラス体の一端部を加熱して前記クラッドガラス体一端部に前記貫通孔の開口部を塞ぐ中実のダミー石英棒を一体化するか、あるいは前記クラッドガラス体の一端部に前記貫通孔の開口部を塞ぐ基端側封止部を形成し前記基端側封止部に中実のダミー石英棒を一体化するダミー棒一体化工程と、
前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させることで前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐ先端側封止工程とを有し、
前記ロッド挿入工程を前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程の一方または両方の完了前に行い、前記ロッド挿入工程と前記ダミー棒一体化工程と前記先端側封止工程とを完了させることで、前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成し、
前記ロッド挿入工程及び前記ダミー棒一体化工程の完了後に前記先端側封止工程を行なうとき、前記先端側封止工程は、前記クラッドガラス体の前記貫通孔内を前記クラッドガラス体の他端側から真空引きしながら、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させて前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐことで、前記内孔の内圧を負圧とする光ファイバ母材の製造方法。 - 前記クラッドガラス体は前記貫通孔に前記ガラスロッドを複数収容する筒状に形成され、
前記ロッド挿入工程では、前記クラッドガラス体の前記貫通孔に前記ガラスロッドを複数挿入し、
前記ダミー棒一体化工程では、前記クラッドガラス体の一端部に開口する前記貫通孔の開口部に前記ダミー石英棒を挿入し、前記クラッドガラス体の一端部を加熱して前記ダミー石英棒に一体化し前記貫通孔の開口部を塞ぐ請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。 - 光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドを挿入するロッド挿入工程と、
前記クラッドガラス体の一端部に予め溶着しておいた接続用ガラス管に中実のダミー石英棒を挿入し、前記接続用ガラス管を加熱して前記ダミー石英棒に一体化し前記接続用ガラス管の開口部を塞ぐダミー棒一体化工程と、
前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させることで前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐ先端側封止工程とを有し、
前記ロッド挿入工程を前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程の一方または両方の完了前に行い、前記ロッド挿入工程と前記ダミー棒一体化工程と前記先端側封止工程とを完了させることで、前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成し、
前記ロッド挿入工程及び前記ダミー棒一体化工程の完了後に前記先端側封止工程を行なうとき、前記先端側封止工程は、前記クラッドガラス体の前記貫通孔内を前記クラッドガラス体の他端側から真空引きしながら、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させて前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐことで、前記内孔の内圧を負圧とする光ファイバ母材の製造方法。 - 前記ダミー棒一体化工程及び前記先端側封止工程を、前記ガラスロッドを前記クラッドガラス体の少なくとも前記一端部から離隔させて前記貫通孔に前記ガラスロッドが挿入されていない領域を確保した状態で行い、前記領域を含む空隙部を確保する請求項1~3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
- 光ファイバのクラッドとなるクラッドガラス体を貫通する貫通孔にガラスロッドが挿入され、かつ前記クラッドガラス体の一端部に位置する前記貫通孔の一端部が封止された状態にて、前記クラッドガラス体の前記貫通孔にその他端から石英粉末を充填する石英粉末充填工程と、
前記石英粉末充填工程の完了後に、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させ前記貫通孔の他端の開口部を封止して前記貫通孔の両端が封止された構成の内孔を形成する他端側封止工程とを有し、
前記石英粉末充填工程では、前記クラッドガラス体にその一端部に中実のダミー石英棒が一体化されたものを用い、
前記他端側封止工程では、前記クラッドガラス体の前記貫通孔内を前記クラッドガラス体の他端側から真空引きしながら、前記クラッドガラス体の他端部を加熱して変形させて前記クラッドガラス体の他端部に開口する前記貫通孔の開口部を塞ぐことで、前記内孔の内圧を負圧とする光ファイバ母材の製造方法。 - 前記他端側封止工程にて前記貫通孔の他端の開口部を封止して形成された基端側封止部を加熱して前記基端側封止部に中実のダミー石英棒を一体化する基端側ダミー棒一体化工程をさらに有し、
前記他端側封止工程では、前記クラッドガラス体の他端部における前記石英粉末が存在しない部分を加熱して変形させて前記基端側封止部を形成して、前記内孔における前記基端側封止部と前記貫通孔内に充填された前記石英粉末との間に空隙部を確保する請求項5に記載の光ファイバ母材の製造方法。 - 前記貫通孔の両端が封止された構成の前記内孔を20kPa以下の内圧を確保して形成する請求項1~6のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
- 前記内孔に確保する内圧が1kPa以下である請求項7に記載の光ファイバ母材の製造方法。
- 光ファイバのクラッドとなるロッド状のクラッドガラス体と、
前記クラッドガラス体内に前記クラッドガラス体の軸線方向に沿って存在する、気密に封止された内孔に収容されたガラスロッドと、
前記クラッドガラス体の一端部に固定されて前記内孔の一端を塞ぐ中実のダミー石英棒、あるいは前記クラッドガラス体の前記内孔の一端を塞ぐ一端部に固定された中実のダミー石英棒、あるいは前記クラッドガラス体の一端部に固定された接続用ガラス管に収容、一体化されて前記接続用ガラス管の開口部を塞ぐ中実のダミー石英棒、とを有し、
前記クラッドガラス体の他端部は前記内孔の他端を塞ぐ先端側封止部を備え、
前記内孔の内圧が負圧である光ファイバ母材。 - 前記ガラスロッドのうち、前記軸線方向において前記ダミー石英棒に近い側の端部は、前記クラッドガラス体の一端部から離隔して配置され、
前記内孔の一端側の内部に前記ガラスロッドが挿入されていない空隙部が確保され、
前記空隙部は、少なくとも、前記ガラスロッドの前記端部と前記クラッドガラス体の前記一端部との間に存在している請求項9に記載の光ファイバ母材。 - 前記内孔にその全体を埋め込む量または前記内孔の一端部に空隙部を確保可能な量の石英粉末が収容されている請求項9または10に記載の光ファイバ母材。
- 前記内孔に20kPa以下の内圧が確保されている請求項9~11のいずれか1項に記載の光ファイバ母材。
- 前記内孔の内圧が1kPa以下である請求項12に記載の光ファイバ母材。
- 前記ダミー石英棒の端面が、前記クラッドガラス体の端面と面接触している請求項9~13のいずれか1項に記載の光ファイバ母材。
- 前記クラッドガラス体の一端部に固定された接続用ガラス管に収容、一体化されて前記接続用ガラス管の開口部を塞ぐ中実のダミー石英棒を有し、
前記接続用ガラス管の先端は、前記ダミー石英棒と一体化されている請求項9~14のいずれか1項に記載の光ファイバ母材。 - 前記クラッドガラス体内には、コアとなる複数の前記ガラスロッドがそれぞれ収容された複数の前記内孔が存在している請求項9~15のいずれか1項に記載の光ファイバ母材。
- 請求項9~16のいずれか1項に記載の光ファイバ母材を前記先端側封止部側から加熱炉に挿入して加熱し、前記光ファイバ母材の前記加熱炉への送り込みの継続により前記ガラスロッドを前記クラッドガラス体に一体化しながら、前記光ファイバ母材の前記加熱炉に挿入されている側の先端から光ファイバを線引きする光ファイバの製造方法。
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