JP7068648B2 - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
加熱手段で加熱されつつ回転する定着部材と、定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧部材と、定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段とを備え、定着部材及び加圧部材の、少なくともいずれかが弾性層を有したものである。
例えば、特許文献1には、次のような定着装置が記載されている。
そして、定着動作中に回転駆動する定着部材の弾性層の熱膨張による定着ニップの幅(ニップ圧)の変化を、加熱部材の回転速度(回転数)の変化として捉え、検知した加熱部材の回転数に応じて、位置変更手段で定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる。
このように、相対位置を変化させることで、封筒等の記録媒体を定着するときに、熱膨張により定着部材の弾性層の外径が変化しても、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持(制御)することができ、シワが生じることを抑制できるとされている。
図1は、本実施形態に係る、プリンタ200の概要構成図である。
画像形成部200Aには、装置本体の上下方向着中央に中間転写ベルト210が配置されており、中間転写ベルト210の上部には、色分解色と補色関係にある複数の色に対応したトナー像を形成するための構成が設けられている。具体的には、各補色関係にある色である、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を担持可能な像担持体(潜像担持体)としての感光体205Y,M,C,Kが中間転写ベルト210の上部転写面に沿って並べて配置されている。
現像装置203Y,M,C,Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。また、画像形成部200A内の最上部には、光書き込み装置201Y,Mと、光書き込み装置201C,Kが配置されている。
また、従動ローラの1つである二次転写対向ローラ211に対向する位置に、二次転写ローラ212が設けられている。
また、二次転写ローラ212から定着装置100までの、記録材(シート)としての用紙Pの搬送経路は、略水平方向の横パスとなっている。
給紙部200Bは、用紙Pを積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ内の用紙Pを最下のものから順に1枚ずつ分離して、二次転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
他の感光体205M,C,Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
そして、トナー像が転写された用紙Pは、さらに定着装置100まで搬送される。搬送されてきた用紙P上のトナー像は、図1に示す例では、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が加圧されることで形成される、定着ベルト51と加圧ローラ55との定着ニップにて定着が行なわれ、定着ニップの出口側に排出される。その後、定着ニップから排出された用紙Pは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
図2は、従来の定着装置100の一例の概要構成図、図3は、定着ニップでの定着ローラ52表面の伸びについての説明図、図4は、定着ニップのニップ幅と、定着ローラ52に向けた加圧ローラ55の加圧力の関係の説明図である。図5は、定着ニップのニップ幅と、定着ローラ52の回転速度の関係の説明図、図6は、定着動作の継続時間と、定着ニップのニップ幅、定着ローラ52の膨張量、定着ローラ52の回転速度、及び封筒シワが生じるニップ幅との関係の説明図である。
また、定着ローラ等の熱膨張により、ニップ幅が増加するので、この増加分をキャンセルするように定着ローラに対する加圧ローラの加圧力(ニップ力)を小さくする方法も既に知られている。
これは、定着ローラ等のローラの中心は、表面に対して冷たい場合と、そうでない場合があり、その両者の膨張量が異なるとともに、ゴム等の弾性層の厚みが大きいので、ローラ表面の温度のみから膨張量を読み取ることができなかったためである。
また、ローラ内部の温度を測定することが難しいので、芯金の温度で代用する手法もあるが、この場合、ローラの膨張量と芯金の温度の間にヒステリシス性があることがあり、制御性に問題があり、ローラの温度測定では、ニップ幅を一定にすることが難しいためである。
図2に示す定着装置100は、定着ローラ52、加熱ローラ54、定着ベルト51、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ベルト51は定着ローラ52と加熱ローラ54に架橋されており、定着ベルト51を挟んで定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ベルト51と加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
加熱ローラ54は、ステンレス又はニッケル合金の中空ローラでIHヒータ40等の加熱手段で加熱される(図8参照)。
定着ベルト51は、無端ベルトである。
そして、定着ベルト51は、一定のテンションで、定着ローラ52と加熱ローラ54に架け渡されている。
加圧ローラ55は、アルミ又は鉄等の中空ローラで、中空ローラの外周上にシリコンゴム等からなる薄い弾性層が設けられた円筒形状のローラである。
また、加熱ローラ54を回転駆動するとつれ回りする回転フィラー31(特許文献1の図1等ではスリットエンコーダー)が設けられており、回転フィラー31は加熱ローラ54と連動して回転するように構成されている。
この回転フィラー31の回転速度を回転速度センサ32(特許文献1図1等ではフォトセンサ)で検出して換算し、加熱ローラ54の回転速度として検知される。つまり、回転フィラー31及び回転速度センサ32等で、加熱ローラ54の回転速度を検出する回転速度検知手段30を構成している。
加圧脱圧手段160には、加圧レバー161、加圧スプリング168、加圧カム164、加圧カムシャフト165、及び脱圧加圧駆動モータやこれらを制御するコントローラを有する。そして、加圧ローラ55を定着ベルト51側へ移動させて加圧すること、及び定着ベルト51から引き離す方向に移動させて脱圧することが可能である。
例えば、封筒等に適したニップ幅(ニップ)の場合、図3に示すように、普段の用紙に適したニップ幅の1/5又は1/6ほどの狭さである。このように狭いため、普段の用紙に対応したニップ幅よりも定着ローラ52の熱膨張によるニップ幅の変化(変動)が大きくなる。このため、通紙開始直後は、シワの問題がなくとも、通紙が一定以上行われ、定着ローラ52が熱膨張するとニップ幅が増えてしまい、シワが発生してしまうという問題もあった。
次に、形成された定着ニップの有無による、定着ローラ52表面の伸び率の変化について、図4を用いて説明する。
図4は、定着ニップでの定着ローラ52表面の伸びについての説明図である。
弾性層である弾性ゴム層52bが厚い定着ローラ52を回転駆動する場合、図4(a)に示す、定着ニップが形成されていない状態から、図4(b)に示すように定着ニップが形成されることにともなって、定着ローラ52のゴムが伸びる。このように伸びることで、定着ニップ内の線速は定着ローラ52の外周の線速と異なることが知られている。
この構成で定着ニップを通紙するには、約3[mm]程のニップ幅にしなければならない。3[mm]のニップ幅(Rθ)を得るには、加圧は殆ど必要としない。しかし、この位置関係を維持した場合、定着ローラ52が蓄熱した場合、ニップ幅が2倍程度まで(Rθ(1+ε))、太くなってしまい、封筒シワが発生してしまう。
定着ローラ52の膨張に従い、定着ローラ52と加圧ローラ55の2つの相対位置関係を遠ざけたり、加圧力を小さくしたりして、ニップ幅を初期の約3[mm]に維持すれば良い。しかし、従来、何を契機に位置関係を変化させれば良いのか、実現可能な範囲で、その手段がなかった。
また、封筒を定着する定着動作の継続時間と、定着ニップのニップ幅、定着ローラ52の膨張量、定着ローラ52の回転速度、及び封筒シワが生じるニップ幅との関係は、図6に示すような関係になる。
すなわち、図6に示すように、封筒の場合、シワが発生するニップ幅が存在するので、シワ発生しないように、且つ、できる限りニップ幅が一定となるように、加圧力、つまり定着ローラ52と加圧ローラ55の位置関係を調整しなければならない。
ここで、図6に示すように、定着ローラ52の膨張量とニップ幅には「正の相関」があり、定着ローラ52の回転速度とニップ幅には「負の相関」がある。
図7は、ベルト加熱方式の定着装置100の例の概略構成図、図8は、ローラ定着方式の定着装置100の例の概略構成図、図9は、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55を加圧する加圧機構の概略構成図である。
図7に示す定着装置100は、定着カバー100aの内部に、定着ローラ52、加熱ローラ54、定着ベルト51、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ベルト51は定着ローラ52と加熱ローラ54に架橋されており、定着ベルト51を挟んで定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ベルト51と加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
加熱ローラ54は、ステンレス又はニッケル合金の中空ローラで、その内部にハロゲンヒータを用いた加熱手段である加熱ヒータが設けられており加熱される。但し、加熱手段としては、後述するローラ定着方式の例と同様に、加熱ローラ54に架け回す定着ベルト51の外周部に対向して、電磁誘導によるIHシステムの加熱手段であるIHヒータ40を設けても良い(図8参照)。
ここで、定着ローラ52は、上述した弾性ゴム層52bを有しているので、弾性を有した弾性部材と言え、加熱ローラ54は金属製であり、一般的に弾性部材(ゴム)よりも金属の方が、硬度が高く、熱膨張率が低い。また、定着ローラ52や加熱ローラ54の硬度については、「ビッカース硬度」等を計測することで分かる。
そして、定着ベルト51は、加熱ローラ54と定着フレームに固定された加熱ローラ引張りばねにより一定のテンションで、定着ローラ52と加熱ローラ54に架け渡されている。
加圧ローラ55は、アルミ又は鉄等の中空ローラで、中空ローラの外周上にシリコンゴム等からなる薄い弾性層が設けられた円筒形状のローラである。但し、その内部にハロゲンヒータを用いた加熱手段である加熱ヒータを設けても良い。
また、定着ローラ52を回転駆動するギヤとかみ合う回転フィラー31が設けられており、回転フィラー31は定着ローラ52と連動して回転するように構成されている。
回転速度センサ32はフォトインタラプタであり、円盤状の回転フィラー31に設けた突出部によって、センサ検知部が遮光又は通光され、それに応じてHigh-Lowの信号を出力する。この信号から回転フィラー31が1回転する時間を算出し、定着ローラ52の回転速度に換算する構成である。
ここで、定着ローラ52の回転速度を検出する回転速度検知手段30の方式としては、上述した例のような光学式でも、磁気式でも、メカ式でも良い。但し、定着装置100は高温となるので、上述した例に示したような光学式を用いるのが一般的である。
図8に示す定着装置100は、定着カバー100aの内部に、定着ローラ52、IHヒータ40、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ローラ52の表面に設けられた定着スリーブ52cと加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
IHヒータ40は、定着ローラ52の外周部に対向して設けられた、電磁誘導によるIHシステムの加熱手段であり、定着ローラ52の表面に設けられた定着スリーブ52cを誘導加熱する。ここで、ローラ定着方式の定着装置100では、図7を用いて説明したベルト加熱方式の定着装置とは異なり加熱ローラ54を有していない。そこで、ベルト加熱方式の定着装置に有した定着ベルト51の役割を果たす定着スリーブ52cを有しており、定着スリーブ52cをIHヒータ40で誘導加熱するように構成されている。
図9に示すように、本実施形態の加圧機構60は、加圧ローラ55の軸受け62、ベアリングからなる軸受け62を保持する軸受けホルダ61、及び軸受けホルダ61を用紙搬送方向下流側上方で回動可能に保持するホルダ回動軸63を有している。また、軸受けホルダ61の用紙搬送方向上流側下方に配置され、カム軸65を中心に回転することで、軸受けホルダ61を加圧ローラ55が定着ローラ52に向けて加圧/脱圧される方向に回動させる加圧カム64も有している。
そして、定着ローラ52の位置は固定されており、加圧カム64がカム軸65を中心に回転することで、加圧ローラ55の位置を定着ローラ52に向けて、図9図中上下に移動させる構成である。
このように構成することで、位置変更手段である加圧機構60に係る構成を、定着ローラ52と加圧ローラ55の両方の位置を変化させる場合や定着ローラ52の位置を変化させる場合に比べて簡易な構成にし易い。
図10は、定着ニップの幅を適したニップ幅に制御するときのフロー図である。
図10のフロー図に示すように、定着ニップの幅を封筒等に適したニップ幅に変更する制御を開始(スタート)すると(S101)、まず、印刷ジョブ開始の情報が、画像形成部200Aの制御部に有した作像エンジンソフト(用紙Pにトナー像を載せるためのソフト)に送られる(S102)。この場合、封筒の印刷ジョブが行われる。
このように構成することで、用紙Pを定着装置100に通紙する前の通紙許可が出るまでの時間を短くすることができる。
以降の(S104)~(S106)の処理は、予め定めた制御周期毎に行われる。
ここで、基本的な加圧カム64の角度を変化させる処理は次の通りである。回転速度検知手段30で検知した回転速度がターゲット回転速度より速い場合にはニップ幅を減らし、遅い場合には逆にニップ幅を増やすように加圧カム64の角度を変化させる。
その後、一定間隔で定着ローラ52の回転速度を検知して、ターゲット回転速度との誤差を修正するように加圧カム64の角度を変更する(S108)。ここで、加圧カム64の角度を変更するときの変更量については、上述した増分又は減分の角度を与えて加圧カム64の角度を変更する(S106)と同様である。つまり、加圧カム64のカム角度の変化量は、予め定めた一定の値でも良いし、ターゲット回転速度との差に応じて、回転角度を決めて良いし、PID計算などを行って決めて良い。
その後、印刷ジョブが終了し、通紙が終了したら(S109)、定着ニップの幅を封筒等に適したニップ幅に変更する制御を終了(エンド)する(S110)。
このように構成することで、あらゆる定着ニップのニップ幅に対応できる定着装置100を提供ようになる。
図11は、定着ニップの幅を適したニップ幅に制御するときの、回転速度の時間軸での変化の説明図である。
上述した制御を行うときには、加圧カム64のカム角度を動かし、図11に示すように、回転速度検知手段30で検知した定着ローラ52の回転速度がターゲット回転速度となるように、所定の制御周期毎に制御する。
また、初期ニップの位置を用紙毎に設定すれば、通紙前の調整時間を減らすことが可能となる。
このように構成することで、定着画像が乱れる画像障害の発生を抑えることができる。
一方、定着ニップに用紙Pがある状態で、つまり定着ニップを用紙Pが通過中に加圧カム64のカム角度(カム位置)を変化させることで、いち早くターゲット回転速度にすることができる。したがって、いち早く用紙P(封筒)の種類に応じた適切な定着ニップのニップ幅にすることができる。
しかし、定着ニップ内に用紙Pがあるときにニップを変更することで、上述したように、定着画像が乱れる画像障害が発生する場合がある。
図12は、ベルト加熱方式の定着装置100において、定着ローラ52の芯金52aと加圧ローラ55の表面の温度を、それぞれ温度センサで計測して温度補正する構成の説明図である。図13は、ターゲット回転速度を温度補正した場合の、回転速度の時間軸での変化の説明図である。
ここで、各センサの種類は、熱伝対やサーミスタのような接触式でも良いし、サーモパイルのように非接触式でも良い。
つまり、定着ローラ52の温度を検知する定着ローラ芯金温度センサ71と加圧ローラ55の温度を検知する加圧ローラ温度センサ75を備え、これらの検知結果に応じて、回転速度検知手段30で検知する回転速度の目標値であるターゲット回転速度を変化させる。
このように構成することで、回転速度検知手段30で検知する定着ローラ52の回転速度の目標値であるターゲット回転速度の温度依存性をキャンセルすることができる。
加えて、定着ローラ52及び加圧ローラ55の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段30で検知する。そして、回転速度検知手段30の検知結果に応じて、又は回転速度検知手段30の検知結果がターゲット回転速度となるように、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を加圧機構60で変化させる。
一般的な定着装置では、用紙Pの種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着ローラ52及び加圧ローラ55の少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、硬度が高い方が変形し難く、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。一方、硬度が低い方は変形し易いため、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
他の回転体を含めて説明すると、定着ニップのニップ幅の変化に応じて回転速度が変動し難い(変動しない)ものとしては、一般に熱膨張し難く、定着ニップが形成されても変形し難い加圧ローラ55、定着ベルト51、及び加熱ローラ54が挙げられる。一方、回転速度が変動し易い(変動する)ものとしては、一般に熱膨張し易く定着ニップが形成されたときに変形し易い定着ローラ52が挙げられる。
しかし、従来の定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持する定着装置の構成は、加熱ローラの回転速度を検知するものであるため、定着ローラを回転駆動する構成にしか適用できない。
このため、従来の定着装置とは異なり、加圧ローラ55を回転駆動する場合であっても、定着ニップのニップ幅を封筒等に適した狭いニップ幅に確実に、且つ精度よく維持することができる。
よって、定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持することができる定着装置を提供できる。
このように構成することで、上述したいずれかの定着装置100と同様な効果を奏することができるプリンタ200を提供できる。
具体的な例としては、本実施形態の定着装置では、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が、定着ローラ52が大きく、加圧ローラ55が小さい構成例について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が、加圧ローラ55が大きく、定着ローラ52が小さい構成にも適用可能である。
また、本実施形態の画像形成装置として、カラー対応の電子写真方式のプリンタ200について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、複写機や複合機、又は単色のみに対応した画像形成装置にも適用可能である。
(態様A)
加熱ローラ54の内部に設けたハロゲンヒータやIHヒータ40などの加熱手段で加熱されつつ回転する定着ローラ52などの定着部材と、該定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧ローラ55などの加圧部材と、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を変化させる加圧機構60などの位置変更手段とを備え、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかはシリコンゴム等からなる弾性ゴム層52bなどの弾性層を有し、前記定着部材に向けた前記加圧部材の加圧で形成される定着ニップを通過する用紙Pなどの記録媒体上のトナー像などのトナー画像を定着する定着装置100などの定着装置において、前記定着部材及び前記加圧部材の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段30などの回転速度検知手段で検知し、前記回転速度検知手段の検知結果に応じて、又は前記回転速度検知手段の検知結果がターゲット回転速度などの所定の値となるように、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
一般的な定着装置では、記録媒体の種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着部材及び加圧部材の少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、硬度が高い方が変形し難く、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。これは、一般的に硬度が高い方が、温度上昇等による膨張量が小さく変形し難いためである。
一方、硬度が低い方は変形し易いため、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
ここで、回転速度が変動し難いものとしては、一般に熱膨張し難く、定着ニップが形成されても変形し難い加圧部材、及び加熱部材が挙げられる。一方、回転速度が変動し易いものとしては、一般に熱膨張し易く定着ニップが形成されたときに変形し易い定着部材が挙げられる。
しかし、従来の定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持する定着装置の構成は、加熱部材の回転速度を検知するものであるため、定着部材を回転駆動する構成でしか、その効果を確実には発揮することができない。仮に、加熱部材の回転速度を検知した検知結果に応じて、又は検知結果が所定の値となるように、定着部材と加圧部材の相対位置を位置変更手段で変化させても定着ニップの幅を維持することができないおそれが高い。
よって、定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持することができる定着装置を提供できる。
(態様A)において、前記定着部材及び前記加圧部材の内、定着動作中に回転駆動する方は、前記回転速度検知手段で回転速度を検知する方よりも前記定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さいことを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
一般的に定着装置では、記録媒体の種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着部材及び加圧部材の、少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さい方が、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。一方、定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が大きい方が、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
このため、定着動作中に定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が、小さい方を定着動作中に回転駆動し、大きい方の回転速度を検知する構成により、このように構成しない場合に比べて、確実に定着ニップの幅が変化したことを検知できる。
(態様A)又は(態様B)において、形成される前記定着ニップの幅に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値が設定されていることを特徴とする。
これによれば、あらゆる定着ニップの幅に対応できる定着装置を提供ようになる。
(態様C)において、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかの温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段の検知結果に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の前記目標値を変化させることを特徴とする。
これによれば、回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値の温度依存性をキャンセルすることができる。
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記定着ニップを記録媒体が通過中に、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
これによれば、回転速度検知手段で検知する回転速度を、いち早く記録媒体の種類に応じた目標の回転速度あわせることができる。
したがって、いち早く記録媒体の種類に応じた適切な定着ニップの幅にすることができる。
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記定着ニップを記録媒体が通過していないときに、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
これによれば、定着画像が乱れる画像障害の発生を抑えることができる。
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記定着ニップを通過する記録媒体の種類に応じて、前記定着部材と前記加圧部材の初期の相対位置が設定されていることを特徴とする。
これによれば、記録媒体を定着装置に通紙する前の通紙許可が出るまでの時間を短くすることができる。
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記位置変更手段は、前記加圧部材の位置を変化させることを特徴とする。
これによれば、位置変更手段に係る構成を、定着部材と加圧部材の両方の位置を変化させる場合や定着部材の位置を変化させる場合に比べて簡易な構成にし易い。
記録媒体上のトナー画像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの定着装置を備えていることを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの定着装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
31 回転フィラー
32 回転速度センサ
40 IHヒータ
51 定着ベルト
52 定着ローラ
52a 芯金
52b 弾性ゴム層
52c 定着スリーブ
54 加熱ローラ
55 加圧ローラ
60 加圧機構
71 定着ローラ芯金温度センサ
75 加圧ローラ温度センサ
100 定着装置
200 プリンタ
N 定着ニップ部
P 用紙
Claims (7)
- 加熱手段で加熱されつつ回転する定着部材と、該定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧部材と、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段とを備え、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかは弾性層を有し、前記定着部材に向けた前記加圧部材の加圧で形成される定着ニップを通過する記録媒体上のトナー画像を定着する定着装置において、
前記定着部材及び前記加圧部材の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段で検知し、
前記回転速度検知手段の検知結果に応じて、又は前記回転速度検知手段の検知結果が所定の値となるように、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させ、
形成される前記定着ニップの幅に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値が設定され、
前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかの温度を検知する温度検知手段を備え、
前記温度検知手段の検知結果に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の前記目標値を変化させることを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記定着部材及び前記加圧部材の内、定着動作中に回転駆動する方は、前記回転速度検知手段で回転速度を検知する方よりも前記定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さいことを特徴とする定着装置。 - 請求項1又は2に記載の定着装置において、
前記定着ニップを記録媒体が通過中に、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一に記載の定着装置において、
前記定着ニップを記録媒体が通過していないときに、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一に記載の定着装置において、
前記定着ニップを通過する記録媒体の種類に応じて、前記定着部材と前記加圧部材の初期の相対位置が設定されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一に記載の定着装置において、
前記位置変更手段は、前記加圧部材の位置を変化させることを特徴とする定着装置。 - 記録媒体上のトナー画像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、
前記定着手段として、請求項1乃至6のいずれか一に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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