JP2019158974A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持することができる定着装置を提供する。【解決手段】定着装置100は、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を変化させる加圧機構60を備えている。また、定着ローラ52及び加圧ローラ55の少なくともいずれかは弾性ゴム層52b等を有し、加圧ローラ55の加圧で形成される定着ニップを通過する用紙P上のトナー像を定着する。加えて、定着ローラ52よりも硬度が高い加圧ローラ55を定着動作中に回転駆動し、加圧ローラ55よりも硬度が低い定着ローラ52の回転速度を回転速度検知手段30で検知する。この検知結果に応じて、又は検知結果がターゲット回転速度となるように、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を加圧機構60で変化させる。【選択図】図7

Description

本発明は、定着装置、及びこれを備える画像形成装置に関するものである。
従来から、定着ローラ等の定着部材と加圧ローラ等の加圧部材の間に形成される定着ニップで用紙等の記録媒体上のトナー像等のトナー画像を定着する、次のような定着装置が知られている。
加熱手段で加熱されつつ回転する定着部材と、定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧部材と、定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段とを備え、定着部材及び加圧部材の、少なくともいずれかが弾性層を有したものである。
例えば、特許文献1には、次のような定着装置が記載されている。
加熱手段で加熱される定着ベルトを、従動回転する加熱部材とで張架して加熱されつつ回転駆動させる定着部材(定着ローラ)と、定着部材に向けて加圧されつつ従動回転する加圧部材(加圧ローラ)と、定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段を備えている。
そして、定着動作中に回転駆動する定着部材の弾性層の熱膨張による定着ニップの幅(ニップ圧)の変化を、加熱部材の回転速度(回転数)の変化として捉え、検知した加熱部材の回転数に応じて、位置変更手段で定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる。
このように、相対位置を変化させることで、封筒等の記録媒体を定着するときに、熱膨張により定着部材の弾性層の外径が変化しても、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持(制御)することができ、シワが生じることを抑制できるとされている。
しかしながら、従来の定着装置では、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持できない場合があった。特に、定着動作中に加圧部材を回転駆動する構成では、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持できない場合が多かった。
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、加熱手段で加熱されつつ回転する定着部材と、該定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧部材と、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段とを備え、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかは弾性層を有し、前記定着部材に向けた前記加圧部材の加圧で形成される定着ニップを通過する記録媒体上のトナー画像を定着する定着装置において、前記定着部材及び前記加圧部材の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段で検知し、前記回転速度検知手段の検知結果に応じて、又は前記回転速度検知手段の検知結果が所定の値となるように、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
本発明によれば、定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップの幅に維持することができる定着装置を提供できる。
一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 従来の定着装置の一例の概要構成図。 定着ニップ部のニップ幅と、定着ローラに向けた加圧ローラの加圧力の関係の説明図。 定着ニップ部での定着ローラ表面の伸びについての説明図。 定着ニップ部のニップ幅と、定着ローラの回転速度の関係の説明図。 定着動作の継続時間と、定着ニップ部のニップ幅、定着ローラの膨張量、定着ローラの回転速度、及び封筒シワが生じるニップ幅との関係の説明図。 ベルト加熱方式の定着装置の例の概略構成図。 ローラ定着方式の定着装置の例の概略構成図。 定着ローラに向けて加圧ローラを加圧する加圧機構の概略構成図。 定着ニップ部の幅を適したニップ幅に制御するときのフロー図。 定着ニップ部の幅を適したニップ幅に制御するときの、回転速度の時間軸での変化の説明図。 ベルト加熱方式の定着装置において、定着ローラ芯金と加圧ローラ表面の温度を、それぞれ温度センサで計測して温度補正する構成の説明図。 ターゲット回転速度を温度補正した場合の、回転速度の時間軸での変化の説明図。
以下、本発明を適用した定着装置を備えた画像形成装置として、電子写真方式のタンデム型カラープリンタ(以下、プリンタ200という。)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る、プリンタ200の概要構成図である。
プリンタ200は、図1に示すように、装置本体上部に位置する画像形成部200Aと、この画像形成部200Aの下方に位置する給紙部200Bとを備える高速機であり、画像形成部200Aに定着装置100を組み込んでいる。
画像形成部200Aには、装置本体の上下方向着中央に中間転写ベルト210が配置されており、中間転写ベルト210の上部には、色分解色と補色関係にある複数の色に対応したトナー像を形成するための構成が設けられている。具体的には、各補色関係にある色である、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を担持可能な像担持体(潜像担持体)としての感光体205Y,M,C,Kが中間転写ベルト210の上部転写面に沿って並べて配置されている。
感光体205Y,M,C,Kは、それぞれ同じ方向(図中、反時計回り方向)に回転可能なドラム形状のものである。そして、各感光体205の周りにはそれぞれ、帯電装置202Y,M,C,K、現像装置203Y,M,C,K、一次転写装置204Y,M,C,K及び感光体クリーニング装置206Y,M,C,K等が配置されている。
現像装置203Y,M,C,Kには、それぞれのカラートナーが収容されている。また、画像形成部200A内の最上部には、光書き込み装置201Y,Mと、光書き込み装置201C,Kが配置されている。
中間転写ベルト210は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて感光体205Y,M,C,Kとの対向位置において、同じ方向に移動可能な構成を有している。
また、従動ローラの1つである二次転写対向ローラ211に対向する位置に、二次転写ローラ212が設けられている。
また、二次転写ローラ212から定着装置100までの、記録材(シート)としての用紙Pの搬送経路は、略水平方向の横パスとなっている。
給紙部200Bは、用紙Pを積載収容する給紙トレイ220と、該給紙トレイ内の用紙Pを最下のものから順に1枚ずつ分離して、二次転写ローラ212の位置まで搬送する搬送機構を有している。
このプリンタ200における画像形成に当たっては、感光体205Yの表面が帯電装置202Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体205Y上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像はイエロー(Y)のトナーを収容した現像装置203Yによりトナー像として可視像化され、このトナー像は所定のバイアスが印加される一次転写装置204Yにより中間転写ベルト210上に一次転写される。
他の感光体205M,C,Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト210上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられる。
感光体205Y,M,C,Kから中間転写ベルト210上に一次転写されたトナー像は、二次転写対向ローラ211、二次転写ローラ212により搬送されてきた記録媒体である用紙Pに転写される。
そして、トナー像が転写された用紙Pは、さらに定着装置100まで搬送される。搬送されてきた用紙P上のトナー像は、図1に示す例では、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が加圧されることで形成される、定着ベルト51と加圧ローラ55との定着ニップにて定着が行なわれ、定着ニップの出口側に排出される。その後、定着ニップから排出された用紙Pは排出経路に沿ってスタッカ215へ送り出される。
また、中間転写ベルト210上に一次転写されずに感光体205Y,M,C,K上に残った転写残トナー等は、それぞれ感光体クリーニング装置206Y,M,C,Kで除去される。また、用紙P上に二次転写されずに中間転写ベルト210上に残った転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置213で除去されて、次の画像形成に備える。
次に、本実施形態の定着装置100について説明する前に、従来の定着装置の問題点に関して、図を用いて説明する。ここで、以下の従来の定着装置の説明と、後述する本実施形態の定着装置の説明に用いる符号に関して、特に区別する必要が無い限り、同様な部材については同一の符号を付して説明する。但し、従来の定着装置の図においては、簡略化した概略構成図とし、一部の部材名称を変更するとともに、符号を新たに振り直した部材もある。
図2は、従来の定着装置100の一例の概要構成図、図3は、定着ニップでの定着ローラ52表面の伸びについての説明図、図4は、定着ニップのニップ幅と、定着ローラ52に向けた加圧ローラ55の加圧力の関係の説明図である。図5は、定着ニップのニップ幅と、定着ローラ52の回転速度の関係の説明図、図6は、定着動作の継続時間と、定着ニップのニップ幅、定着ローラ52の膨張量、定着ローラ52の回転速度、及び封筒シワが生じるニップ幅との関係の説明図である。
ローラ定着方式では、定着ニップ部において曲率が存在するため、封筒を通紙すると、定着ニップ部を通過することによって、シワが発生するという問題があった。これを回避するために、通常使用するニップ幅よりも狭いニップ幅(通称:狭ニップ=封筒ニップ)にして、封筒を通紙する方法が、従来から知られている。
また、定着ローラ等の熱膨張により、ニップ幅が増加するので、この増加分をキャンセルするように定着ローラに対する加圧ローラの加圧力(ニップ力)を小さくする方法も既に知られている。
しかし、従来から定着ローラに対する加圧ローラの加圧力を低下させる量と、そのタイミングの設定が難しいという問題があった。
これは、定着ローラ等のローラの中心は、表面に対して冷たい場合と、そうでない場合があり、その両者の膨張量が異なるとともに、ゴム等の弾性層の厚みが大きいので、ローラ表面の温度のみから膨張量を読み取ることができなかったためである。
また、ローラ内部の温度を測定することが難しいので、芯金の温度で代用する手法もあるが、この場合、ローラの膨張量と芯金の温度の間にヒステリシス性があることがあり、制御性に問題があり、ローラの温度測定では、ニップ幅を一定にすることが難しいためである。
ここで、特許文献1に記載された、従来の定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持する定着装置の概略構成について、図2を用いて説明する。
図2に示す定着装置100は、定着ローラ52、加熱ローラ54、定着ベルト51、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ベルト51は定着ローラ52と加熱ローラ54に架橋されており、定着ベルト51を挟んで定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ベルト51と加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
定着ローラ52は、金属の芯金52aにシリコンゴム等からなる厚い弾性ゴム層52bを有したものである。
加熱ローラ54は、ステンレス又はニッケル合金の中空ローラでIHヒータ40等の加熱手段で加熱される(図8参照)。
定着ベルト51は、無端ベルトである。
そして、定着ベルト51は、一定のテンションで、定着ローラ52と加熱ローラ54に架け渡されている。
加圧ローラ55は、アルミ又は鉄等の中空ローラで、中空ローラの外周上にシリコンゴム等からなる薄い弾性層が設けられた円筒形状のローラである。
また、この定着装置100には、駆動モータを具備しており、定着ローラ52を回転させる。加圧ローラ55は、定着ニップが形成されると定着ローラ52につれ回るように構成されている。
また、加熱ローラ54を回転駆動するとつれ回りする回転フィラー31(特許文献1の図1等ではスリットエンコーダー)が設けられており、回転フィラー31は加熱ローラ54と連動して回転するように構成されている。
この回転フィラー31の回転速度を回転速度センサ32(特許文献1図1等ではフォトセンサ)で検出して換算し、加熱ローラ54の回転速度として検知される。つまり、回転フィラー31及び回転速度センサ32等で、加熱ローラ54の回転速度を検出する回転速度検知手段30を構成している。
そして、定着動作中に回転駆動する定着ローラ52の弾性層の熱膨張による定着ニップの幅の変化を、加熱ローラ54の回転速度の変化として捉え、検知した加熱ローラ54の回転数に応じて、加圧脱圧手段160で定着部材と加圧部材の相対位置を変化させる。
加圧脱圧手段160には、加圧レバー161、加圧スプリング168、加圧カム164、加圧カムシャフト165、及び脱圧加圧駆動モータやこれらを制御するコントローラを有する。そして、加圧ローラ55を定着ベルト51側へ移動させて加圧すること、及び定着ベルト51から引き離す方向に移動させて脱圧することが可能である。
このような構成の定着装置100では、定着ローラ52に設けた弾性ゴム層52bを構成するシリコンゴム等のゴムは熱膨張係数が大きいので定着ローラ52の温度によって、その外径が変化する。
例えば、封筒等に適したニップ幅(ニップ)の場合、図3に示すように、普段の用紙に適したニップ幅の1/5又は1/6ほどの狭さである。このように狭いため、普段の用紙に対応したニップ幅よりも定着ローラ52の熱膨張によるニップ幅の変化(変動)が大きくなる。このため、通紙開始直後は、シワの問題がなくとも、通紙が一定以上行われ、定着ローラ52が熱膨張するとニップ幅が増えてしまい、シワが発生してしまうという問題もあった。
また、定着ローラ52の熱膨張を測定するために、近遠センサを定着ローラ52表面に設置したいが、定着ローラ52表面は200℃近い温度であり、この温度の耐熱性を持つセンサは、コストが上昇してしまうという問題があった。
次に、形成された定着ニップの有無による、定着ローラ52表面の伸び率の変化について、図4を用いて説明する。
図4は、定着ニップでの定着ローラ52表面の伸びについての説明図である。
弾性層である弾性ゴム層52bが厚い定着ローラ52を回転駆動する場合、図4(a)に示す、定着ニップが形成されていない状態から、図4(b)に示すように定着ニップが形成されることにともなって、定着ローラ52のゴムが伸びる。このように伸びることで、定着ニップ内の線速は定着ローラ52の外周の線速と異なることが知られている。
図2、図4に記載された定着ローラ52は、弾性層である弾性ゴム層52bが厚く、例えば、20[mm]程の厚みを持っている。一方、加圧ローラ55のゴム厚は3[mm]以下である。また、定着ローラ52の外径はおよそφ50〜70[mm]である。
この構成で定着ニップを通紙するには、約3[mm]程のニップ幅にしなければならない。3[mm]のニップ幅(Rθ)を得るには、加圧は殆ど必要としない。しかし、この位置関係を維持した場合、定着ローラ52が蓄熱した場合、ニップ幅が2倍程度まで(Rθ(1+ε))、太くなってしまい、封筒シワが発生してしまう。
定着ローラ52の膨張に従い、定着ローラ52と加圧ローラ55の2つの相対位置関係を遠ざけたり、加圧力を小さくしたりして、ニップ幅を初期の約3[mm]に維持すれば良い。しかし、従来、何を契機に位置関係を変化させれば良いのか、実現可能な範囲で、その手段がなかった。
また、定着ニップのニップ幅と、定着ローラ52の回転速度の関係は、図5に示すような関係を持つ。つまり、図5に示すように、定着ニップのニップ幅が増す程、定着ローラ52の回転速度は低下する。
また、封筒を定着する定着動作の継続時間と、定着ニップのニップ幅、定着ローラ52の膨張量、定着ローラ52の回転速度、及び封筒シワが生じるニップ幅との関係は、図6に示すような関係になる。
すなわち、図6に示すように、封筒の場合、シワが発生するニップ幅が存在するので、シワ発生しないように、且つ、できる限りニップ幅が一定となるように、加圧力、つまり定着ローラ52と加圧ローラ55の位置関係を調整しなければならない。
ここで、図6に示すように、定着ローラ52の膨張量とニップ幅には「正の相関」があり、定着ローラ52の回転速度とニップ幅には「負の相関」がある。
次に、本実施形態のプリンタ200に好適に備えることができる、2つの加熱方式の定着装置100の例、及び定着ローラ52に向けて加圧ローラ55を加圧する加圧機構について、図を用いて説明する。
図7は、ベルト加熱方式の定着装置100の例の概略構成図、図8は、ローラ定着方式の定着装置100の例の概略構成図、図9は、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55を加圧する加圧機構の概略構成図である。
まず、ベルト加熱方式の定着装置100の例について、図7を用いて説明する。
図7に示す定着装置100は、定着カバー100aの内部に、定着ローラ52、加熱ローラ54、定着ベルト51、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ベルト51は定着ローラ52と加熱ローラ54に架橋されており、定着ベルト51を挟んで定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ベルト51と加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
定着ローラ52は、金属の芯金52aにシリコンゴム等からなる弾性ゴム層52bを有したものである。ここで、弾性ゴム層52bの材料としては、ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト51の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコンゴムを用いることもできる。
加熱ローラ54は、ステンレス又はニッケル合金の中空ローラで、その内部にハロゲンヒータを用いた加熱手段である加熱ヒータが設けられており加熱される。但し、加熱手段としては、後述するローラ定着方式の例と同様に、加熱ローラ54に架け回す定着ベルト51の外周部に対向して、電磁誘導によるIHシステムの加熱手段であるIHヒータ40を設けても良い(図8参照)。
ここで、定着ローラ52は、上述した弾性ゴム層52bを有しているので、弾性を有した弾性部材と言え、加熱ローラ54は金属製であり、一般的に弾性部材(ゴム)よりも金属の方が、硬度が高く、熱膨張率が低い。また、定着ローラ52や加熱ローラ54の硬度については、「ビッカース硬度」等を計測することで分かる。
定着ベルト51は、無端ベルトであり、断面構造としては、例えばポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性層を形成した2層構造となっている。
そして、定着ベルト51は、加熱ローラ54と定着フレームに固定された加熱ローラ引張りばねにより一定のテンションで、定着ローラ52と加熱ローラ54に架け渡されている。
加圧ローラ55は、アルミ又は鉄等の中空ローラで、中空ローラの外周上にシリコンゴム等からなる薄い弾性層が設けられた円筒形状のローラである。但し、その内部にハロゲンヒータを用いた加熱手段である加熱ヒータを設けても良い。
また、この定着装置100には、駆動モータを具備しており、加圧ローラ55を回転させる。定着ローラ52も駆動モータで回転されるが、ワンウェイクラッチを内蔵しているギヤで駆動されており、定着ニップが形成されると加圧ローラ55につれ回るように構成されている。
また、定着ローラ52を回転駆動するギヤとかみ合う回転フィラー31が設けられており、回転フィラー31は定着ローラ52と連動して回転するように構成されている。
この回転フィラー31の回転速度を回転速度センサ32で検出して換算し、定着ローラ52の回転速度として検知される。つまり、回転フィラー31及び回転速度センサ32等で、定着ローラ52の回転速度を検出する回転速度検知手段30を構成している。
回転速度センサ32はフォトインタラプタであり、円盤状の回転フィラー31に設けた突出部によって、センサ検知部が遮光又は通光され、それに応じてHigh−Lowの信号を出力する。この信号から回転フィラー31が1回転する時間を算出し、定着ローラ52の回転速度に換算する構成である。
ここで、定着ローラ52の回転速度を検出する回転速度検知手段30の方式としては、上述した例のような光学式でも、磁気式でも、メカ式でも良い。但し、定着装置100は高温となるので、上述した例に示したような光学式を用いるのが一般的である。
次に、ローラ定着方式の定着装置100の例について、図8を用いて説明する。
図8に示す定着装置100は、定着カバー100aの内部に、定着ローラ52、IHヒータ40、及び加圧ローラ55を備えている。そして、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55が圧接(加圧)されて、定着ローラ52の表面に設けられた定着スリーブ52cと加圧ローラ55との間に定着ニップが形成される。
定着ローラ52は、金属の芯金52aにシリコンゴム等からなる弾性ゴム層52bを有し、その表面に定着スリーブ52cが設けられたものである。ここで、弾性ゴム層52bの材料としては、ウォームアップ時間短縮のため、定着ベルト51の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコンゴムを用いることもできる。
IHヒータ40は、定着ローラ52の外周部に対向して設けられた、電磁誘導によるIHシステムの加熱手段であり、定着ローラ52の表面に設けられた定着スリーブ52cを誘導加熱する。ここで、ローラ定着方式の定着装置100では、図7を用いて説明したベルト加熱方式の定着装置とは異なり加熱ローラ54を有していない。そこで、ベルト加熱方式の定着装置に有した定着ベルト51の役割を果たす定着スリーブ52cを有しており、定着スリーブ52cをIHヒータ40で誘導加熱するように構成されている。
加圧ローラ55は、図7を用いて説明したベルト加熱方式の定着装置と同様に、アルミ又は鉄等の中空ローラで、中空ローラの外周上にシリコンゴム等からなる薄い弾性層が設けられた円筒形状のローラである。また、その内部にハロゲンヒータを用いた加熱手段である加熱ヒータを設けても良い。
次に、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を変化させる位置変更手段である、定着ローラ52に向けて加圧ローラ55を加圧する加圧機構について、ベルト加熱方式の定着装置100の場合を例に挙げ、図9を用いて説明する。
図9に示すように、本実施形態の加圧機構60は、加圧ローラ55の軸受け62、ベアリングからなる軸受け62を保持する軸受けホルダ61、及び軸受けホルダ61を用紙搬送方向下流側上方で回動可能に保持するホルダ回動軸63を有している。また、軸受けホルダ61の用紙搬送方向上流側下方に配置され、カム軸65を中心に回転することで、軸受けホルダ61を加圧ローラ55が定着ローラ52に向けて加圧/脱圧される方向に回動させる加圧カム64も有している。
そして、定着ローラ52の位置は固定されており、加圧カム64がカム軸65を中心に回転することで、加圧ローラ55の位置を定着ローラ52に向けて、図9図中上下に移動させる構成である。
このように構成することで、位置変更手段である加圧機構60に係る構成を、定着ローラ52と加圧ローラ55の両方の位置を変化させる場合や定着ローラ52の位置を変化させる場合に比べて簡易な構成にし易い。
次に、定着ニップの幅を適したニップ幅に変更するときの制御フローについて、図を用いて説明する。
図10は、定着ニップの幅を適したニップ幅に制御するときのフロー図である。
図10のフロー図に示すように、定着ニップの幅を封筒等に適したニップ幅に変更する制御を開始(スタート)すると(S101)、まず、印刷ジョブ開始の情報が、画像形成部200Aの制御部に有した作像エンジンソフト(用紙Pにトナー像を載せるためのソフト)に送られる(S102)。この場合、封筒の印刷ジョブが行われる。
次に、封筒の印刷ジョブを受けて、定着装置100が加圧カム64を初期位置に動かし、定着ニップを形成する(S103)。加圧カム64を動かす初期位置は一定の位置(角度の値)でも良いし、封筒の種類ごとに設定された位置でも良い。
このように構成することで、用紙Pを定着装置100に通紙する前の通紙許可が出るまでの時間を短くすることができる。
以降の(S104)〜(S106)の処理は、予め定めた制御周期毎に行われる。
次に、回転速度検知手段30で回転速度検知を行い、定着ローラ52の回転速度を測定又は算出(換算)する(S104)。その後、所定のニップ幅となるターゲット回転速度(回転速度の目標値)と回転速度検知手段30で検知した回転速度とを比較し、予め定めた許容内(許容範囲内)であるかを確認する(S105)。
この確認で許容外の場合(S105のNO)、増分又は減分の角度を与えて加圧カム64の角度を変更し(S106)、ターゲット回転速度の値となるまで、回転速度検知に戻り、定着ローラ52の回転速度を測定又は算出(換算)する(S104)処理を繰り返す。このときの加圧カム64のカム角度の変化量は、予め定めた一定の値でも良いし、ターゲット回転速度との差に応じて、回転角度を決めて良いし、PID計算などを行って決めて良い。
ここで、基本的な加圧カム64の角度を変化させる処理は次の通りである。回転速度検知手段30で検知した回転速度がターゲット回転速度より速い場合にはニップ幅を減らし、遅い場合には逆にニップ幅を増やすように加圧カム64の角度を変化させる。
一方、予め定めた許容内であるかを確認で許容内の値になった(入った)場合(S105のYES)、通紙を開始する(S107)。
その後、一定間隔で定着ローラ52の回転速度を検知して、ターゲット回転速度との誤差を修正するように加圧カム64の角度を変更する(S108)。ここで、加圧カム64の角度を変更するときの変更量については、上述した増分又は減分の角度を与えて加圧カム64の角度を変更する(S106)と同様である。つまり、加圧カム64のカム角度の変化量は、予め定めた一定の値でも良いし、ターゲット回転速度との差に応じて、回転角度を決めて良いし、PID計算などを行って決めて良い。
その後、印刷ジョブが終了し、通紙が終了したら(S109)、定着ニップの幅を封筒等に適したニップ幅に変更する制御を終了(エンド)する(S110)。
ここで、所定のニップ幅となるターゲット回転速度と回転速度検知手段30で検知した回転速度とを比較し、予め定めた許容内であるかを確認するときのターゲット回転速度を、形成される定着ニップのニップ幅に応じて設定しても良い。
このように構成することで、あらゆる定着ニップのニップ幅に対応できる定着装置100を提供ようになる。
次に、上述した制御を行うときの、定着ローラ52の回転速度の時間軸に応じた変化について、図を用いて説明する。
図11は、定着ニップの幅を適したニップ幅に制御するときの、回転速度の時間軸での変化の説明図である。
上述した制御を行うときには、加圧カム64のカム角度を動かし、図11に示すように、回転速度検知手段30で検知した定着ローラ52の回転速度がターゲット回転速度となるように、所定の制御周期毎に制御する。
また、初期ニップの位置を用紙毎に設定すれば、通紙前の調整時間を減らすことが可能となる。
また、通紙中の制御周期は、用紙Pの用紙搬送の紙間にすることによって、定着ニップの間で線速変化が発生しないようにしても良い。つまり、定着ニップを用紙Pが通過していないときに、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を加圧機構60で変化させても良い。
このように構成することで、定着画像が乱れる画像障害の発生を抑えることができる。
一方、定着ニップに用紙Pがある状態で、つまり定着ニップを用紙Pが通過中に加圧カム64のカム角度(カム位置)を変化させることで、いち早くターゲット回転速度にすることができる。したがって、いち早く用紙P(封筒)の種類に応じた適切な定着ニップのニップ幅にすることができる。
しかし、定着ニップ内に用紙Pがあるときにニップを変更することで、上述したように、定着画像が乱れる画像障害が発生する場合がある。
次に、定着ローラ52のターゲット回転速度が、定着ローラ52の芯金52aの温度や加圧ローラ55の温度に依存して微妙に変化する場合に、これらの温度測定手段として、それぞれに温度センサを追加する構成について、図を用いて説明する。
図12は、ベルト加熱方式の定着装置100において、定着ローラ52の芯金52aと加圧ローラ55の表面の温度を、それぞれ温度センサで計測して温度補正する構成の説明図である。図13は、ターゲット回転速度を温度補正した場合の、回転速度の時間軸での変化の説明図である。
図12に示す定着装置100では、定着ローラ52の芯金52aの温度を測定する定着ローラ芯金温度センサ71と、加圧ローラ55の表面の温度を測定する加圧ローラ温度センサ75を設けている。そして、定着ローラ芯金温度センサ71と加圧ローラ温度センサ75の検知結果に応じて、回転速度検知手段で検知する回転速度の前記目標値を変化させる。
ここで、各センサの種類は、熱伝対やサーミスタのような接触式でも良いし、サーモパイルのように非接触式でも良い。
また、上述したように温度補正を行うときの、定着ローラ52の回転速度の時間軸に応じた変化は、図13に示すようになる。すなわち、定着ローラ52のターゲット回転速度が定着ローラ52の芯金52a、又は加圧ローラ55の温度によって変化しても、それに向かってニップ幅を変化させ、回転速度を追従するように制御する。
つまり、定着ローラ52の温度を検知する定着ローラ芯金温度センサ71と加圧ローラ55の温度を検知する加圧ローラ温度センサ75を備え、これらの検知結果に応じて、回転速度検知手段30で検知する回転速度の目標値であるターゲット回転速度を変化させる。
このように構成することで、回転速度検知手段30で検知する定着ローラ52の回転速度の目標値であるターゲット回転速度の温度依存性をキャンセルすることができる。
上述したように、本実施形態の定着装置100は、加熱ローラ54の内部に設けたハロゲンヒータやIHヒータ40等で加熱されつつ回転する定着ローラ52と、定着ローラ52に向けて加圧されつつ回転する加圧ローラ55とを備えている。また、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を変化させる加圧機構60も備えている。そして、定着ローラ52及び加圧ローラ55の少なくともいずれかはシリコンゴム等からなる弾性ゴム層52bを有し、定着ローラ52に向けた加圧ローラ55の加圧で形成される定着ニップを通過する用紙P上のトナー像を定着するものである。
加えて、定着ローラ52及び加圧ローラ55の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段30で検知する。そして、回転速度検知手段30の検知結果に応じて、又は回転速度検知手段30の検知結果がターゲット回転速度となるように、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を加圧機構60で変化させる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
一般的な定着装置では、用紙Pの種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着ローラ52及び加圧ローラ55の少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、硬度が高い方が変形し難く、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。一方、硬度が低い方は変形し易いため、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
他の回転体を含めて説明すると、定着ニップのニップ幅の変化に応じて回転速度が変動し難い(変動しない)ものとしては、一般に熱膨張し難く、定着ニップが形成されても変形し難い加圧ローラ55、定着ベルト51、及び加熱ローラ54が挙げられる。一方、回転速度が変動し易い(変動する)ものとしては、一般に熱膨張し易く定着ニップが形成されたときに変形し易い定着ローラ52が挙げられる。
そして、定着ニップのニップ幅を精度よく維持するためには、回転速度が変動し難いものと、回転速度が変動し易いものとを、定着ニップを形成しているときに駆動するものと、回転速度を検知するものとに排他的に分けて構成する必要がある。
しかし、従来の定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持する定着装置の構成は、加熱ローラの回転速度を検知するものであるため、定着ローラを回転駆動する構成にしか適用できない。
一方、上述した実施形態の構成では、定着ローラ52が加圧ローラ55よりも硬度が低い場合には、加圧部材を回転駆動し、従動回転する定着部材の回転速度を検知した検知結果に応じて、又は検知結果が所定の値となるように、定着ローラ52と加圧ローラ55の相対位置を加圧機構60で変化させることができる。
このため、従来の定着装置とは異なり、加圧ローラ55を回転駆動する場合であっても、定着ニップのニップ幅を封筒等に適した狭いニップ幅に確実に、且つ精度よく維持することができる。
よって、定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持することができる定着装置を提供できる。
また、本実施形態のプリンタ200は、用紙P上のトナー像を定着する定着手段として上述したいずれかの定着装置100を備えている。
このように構成することで、上述したいずれかの定着装置100と同様な効果を奏することができるプリンタ200を提供できる。
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態の定着装置100を備えた構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
具体的な例としては、本実施形態の定着装置では、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が、定着ローラ52が大きく、加圧ローラ55が小さい構成例について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、定着ニップのニップ幅が変化したときの回転速度の変動が、加圧ローラ55が大きく、定着ローラ52が小さい構成にも適用可能である。
また、本実施形態の画像形成装置として、カラー対応の電子写真方式のプリンタ200について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、複写機や複合機、又は単色のみに対応した画像形成装置にも適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
加熱ローラ54の内部に設けたハロゲンヒータやIHヒータ40などの加熱手段で加熱されつつ回転する定着ローラ52などの定着部材と、該定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧ローラ55などの加圧部材と、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を変化させる加圧機構60などの位置変更手段とを備え、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかはシリコンゴム等からなる弾性ゴム層52bなどの弾性層を有し、前記定着部材に向けた前記加圧部材の加圧で形成される定着ニップを通過する用紙Pなどの記録媒体上のトナー像などのトナー画像を定着する定着装置100などの定着装置において、前記定着部材及び前記加圧部材の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段30などの回転速度検知手段で検知し、前記回転速度検知手段の検知結果に応じて、又は前記回転速度検知手段の検知結果がターゲット回転速度などの所定の値となるように、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
一般的な定着装置では、記録媒体の種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着部材及び加圧部材の少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、硬度が高い方が変形し難く、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。これは、一般的に硬度が高い方が、温度上昇等による膨張量が小さく変形し難いためである。
一方、硬度が低い方は変形し易いため、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
ここで、回転速度が変動し難いものとしては、一般に熱膨張し難く、定着ニップが形成されても変形し難い加圧部材、及び加熱部材が挙げられる。一方、回転速度が変動し易いものとしては、一般に熱膨張し易く定着ニップが形成されたときに変形し易い定着部材が挙げられる。
そして、定着ニップの幅を精度よく維持するためには、回転速度が変動し難いものと、回転速度が変動し易いものとを、定着ニップを形成しているときに駆動するものと、回転速度を検知するものとに排他的に分けて構成する必要がある。
しかし、従来の定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持する定着装置の構成は、加熱部材の回転速度を検知するものであるため、定着部材を回転駆動する構成でしか、その効果を確実には発揮することができない。仮に、加熱部材の回転速度を検知した検知結果に応じて、又は検知結果が所定の値となるように、定着部材と加圧部材の相対位置を位置変更手段で変化させても定着ニップの幅を維持することができないおそれが高い。
一方、本態様では、定着部材が加圧部材よりも硬度が低い場合には、加圧部材を回転駆動し、従動回転する定着部材の回転速度を検知した検知結果に応じて、又は検知結果が所定の値となるように、定着部材と加圧部材の相対位置を位置変更手段で変化させることができる。このため、従来の定着装置とは異なり、加圧部材を回転駆動する場合であっても、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に確実に、且つ精度よく維持することができる。
よって、定着動作中に定着部材及び加圧部材のいずれを回転駆動する構成であっても、封筒等の記録媒体を定着するときに、定着ニップの幅を封筒等に適した狭いニップ幅に維持することができる定着装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、前記定着部材及び前記加圧部材の内、定着動作中に回転駆動する方は、前記回転速度検知手段で回転速度を検知する方よりも前記定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さいことを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
一般的に定着装置では、記録媒体の種類に応じた所定の搬送速度になるように制御するので、定着部材及び加圧部材の、少なくともいずれかに弾性層を有した構成では、定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さい方が、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が小さい。一方、定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が大きい方が、定着ニップの幅が変化したときの回転速度の変動が大きい。
このため、定着動作中に定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が、小さい方を定着動作中に回転駆動し、大きい方の回転速度を検知する構成により、このように構成しない場合に比べて、確実に定着ニップの幅が変化したことを検知できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、形成される前記定着ニップの幅に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値が設定されていることを特徴とする。
これによれば、あらゆる定着ニップの幅に対応できる定着装置を提供ようになる。
(態様D)
(態様C)において、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかの温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段の検知結果に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の前記目標値を変化させることを特徴とする。
これによれば、回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値の温度依存性をキャンセルすることができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記定着ニップを記録媒体が通過中に、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
これによれば、回転速度検知手段で検知する回転速度を、いち早く記録媒体の種類に応じた目標の回転速度あわせることができる。
したがって、いち早く記録媒体の種類に応じた適切な定着ニップの幅にすることができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記定着ニップを記録媒体が通過していないときに、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする。
これによれば、定着画像が乱れる画像障害の発生を抑えることができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記定着ニップを通過する記録媒体の種類に応じて、前記定着部材と前記加圧部材の初期の相対位置が設定されていることを特徴とする。
これによれば、記録媒体を定着装置に通紙する前の通紙許可が出るまでの時間を短くすることができる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記位置変更手段は、前記加圧部材の位置を変化させることを特徴とする。
これによれば、位置変更手段に係る構成を、定着部材と加圧部材の両方の位置を変化させる場合や定着部材の位置を変化させる場合に比べて簡易な構成にし易い。
(態様I)
記録媒体上のトナー画像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの定着装置を備えていることを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの定着装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
30 回転速度検知手段
31 回転フィラー
32 回転速度センサ
40 IHヒータ
51 定着ベルト
52 定着ローラ
52a 芯金
52b 弾性ゴム層
52c 定着スリーブ
54 加熱ローラ
55 加圧ローラ
60 加圧機構
71 定着ローラ芯金温度センサ
75 加圧ローラ温度センサ
100 定着装置
200 プリンタ
N 定着ニップ部
P 用紙
特開2017−126025号公報

Claims (9)

  1. 加熱手段で加熱されつつ回転する定着部材と、該定着部材に向けて加圧されつつ回転する加圧部材と、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を変化させる位置変更手段とを備え、前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかは弾性層を有し、前記定着部材に向けた前記加圧部材の加圧で形成される定着ニップを通過する記録媒体上のトナー画像を定着する定着装置において、
    前記定着部材及び前記加圧部材の内、硬度が高い方を定着動作中に回転駆動するとともに、硬度が低い方の回転速度を回転速度検知手段で検知し、
    前記回転速度検知手段の検知結果に応じて、又は前記回転速度検知手段の検知結果が所定の値となるように、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記定着部材及び前記加圧部材の内、定着動作中に回転駆動する方は、前記回転速度検知手段で回転速度を検知する方よりも前記定着ニップの周方向中心近傍における径方向の変形量が小さいことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    形成される前記定着ニップの幅に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の目標値が設定されていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置において、
    前記定着部材及び前記加圧部材の少なくともいずれかの温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記温度検知手段の検知結果に応じて、前記回転速度検知手段で検知する回転速度の前記目標値を変化させることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一に記載の定着装置において、
    前記定着ニップを記録媒体が通過中に、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一に記載の定着装置において、
    前記定着ニップを記録媒体が通過していないときに、前記定着部材と前記加圧部材の相対位置を前記位置変更手段で変化させることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一に記載の定着装置において、
    前記定着ニップを通過する記録媒体の種類に応じて、前記定着部材と前記加圧部材の初期の相対位置が設定されていることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の定着装置において、
    前記位置変更手段は、前記加圧部材の位置を変化させることを特徴とする定着装置。
  9. 記録媒体上のトナー画像を定着する定着手段を備えた画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1乃至8のいずれか一に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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