JP7068429B2 - 吸収性シート及び吸収性物品 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の吸収性シート1の表面斜視図であり、図2は、図1におけるx-x断面図を示す図面である。本発明の吸収性シート1は、第1の不織布2及び第2の不織布3に、高吸水性ポリマー6が挟持されたものである。
第1の不織布2及び第2の不織布3は、複数の柱形状又は錐台形状の凸部5を有しており、第1の不織布2及び第2の不織布3のそれぞれにおいて、この凸部5が、縦方向及び横方向に連続して形成されている。第1の不織布2及び第2の不織布3が形成する平面上において、連続する凸部5は、第1の不織布2及び第2の不織布3上の、互いに対応する位置に形成されており、第1の不織布2と第2の不織布3とを互いに積層させたとき、第1の不織布2に形成された凸部5の反対面から構成される凹部に、第2の不織布3の凸部5が、嵌合できるようになっている。ここで、第1の不織布2に形成された凸部5の高さは、第2の不織布3に形成された凸部5の高さよりも高くなっており、例えば、第1の不織布2と第2の不織布3とを積層させた際に、第1の不織布2及び第2の不織布3それぞれの凸部5の上面のみが互いに接触せず、第1の不織布2の凸部5の上面と第2の不織布3の凸部5の上面との間に空隙が形成されるようになっている。第1の不織布2と第2の不織布3との間に高吸水性ポリマー6が挟持される際には、この空隙に高吸水性ポリマー6が局在する。
第1の不織布2及び第2の不織布3は、これらが互いに接する接触部において、例えば、熱エンボス加工や超音波接着等の公知の手法により接着されているものの、柱形状又は錐台形状の凸部5の側面においては、第1の不織布2と第2の不織布3とが互いに接着されていない非接着部7を有する。柱形状又は錐台形状の凸部5の側面に非接着部7を形成することにより、この部分を通じて蒸気や体液を透過させることができ、吸収性シート1における通気性や体液の透過性を十分に確保することができる。非接着部7は、凸部5の側面上、帯状に形成されていることが好ましい。これにより、吸収性シート1の広い領域に対して、非接着部7をより均一に配置することができ、吸収性シート1を全体的に、通気性及び体液の透過性が改善されたものとすることができるとともに、第1の不織布2と第2の不織布3の一部の領域について接着性が低下することもない。
本発明の吸収性シート1は、第1の不織布2及び第2の不織布3の間に、高吸水性ポリマー6(Super Absorbent Polymer;以下、SAPとも称する)を挟持している。SAPとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、といった材料から形成されたものを挙げることができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系を使用することが好ましい。吸収性シート1におけるSAPの坪量は、吸収性能及び肌触りを良好なものとする観点から、50g/m2以上500g/m2以下とすることが好ましい。
本発明の吸収性シート1においては、第1の不織布2に対して、更に第3の不織布4が積層されて、第1の不織布2及び第3の不織布4の間に、高吸水性ポリマー6が挟持されていることが好ましい。ここで、第3の不織布4は、柱形状又は錐台形状の凸部5を有するとともに、第3の不織布4上の凸部5の位置は、第1の不織布2上の凸部5の位置と対応しており、第1の不織布2と第3の不織布4とを積層した際に、第3の不織布4の凸部5が、第1の不織布2の凸部5の反対面で構成される凹部に嵌合できるようになっている。ここで、第3の不織布4に形成される凸部5の高さは、第1の不織布2に形成された凸部5の高さよりも低くなっており、高吸水性ポリマー6が、第1の不織布2上の凸部5の形成されていない面と、第3の不織布4上の凸部5の形成されていない面の間の空間に局在している。吸収性シート1が第3の不織布4を有し、第1の不織布及び第3の不織布4の間に高吸水性ポリマー6を挟持させることにより、吸収性シート1の通気性、体液の透過性を十分に確保しつつも、吸収性シート1の吸水量を向上させることができる。なお、この際、第1の不織布2と第2の不織布3の間に挟持される高吸水性ポリマー6の吸収速度を、第1の不織布2と第3の不織布4の間に挟持される高吸水性ポリマー6の吸収速度と異なるものとしてもよい。この場合、衣類側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度を、身体側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度よりも速いものとしてもよいし、衣類側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度を、身体側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度よりも遅いものとしてもよいが、例えば、衣類側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度を、身体側に配置される高吸水性ポリマー6の吸収速度よりも速いものとすることにより、体液をより迅速に吸収することができる。
図4は、本発明の吸収性シート1の製造方法の一態様を示す図面である。本発明の吸収性シート1を製造するにあたっては、図4(a)に示すように、第2の不織布3を、凸部11を有する熱エンボスロール8で巻き取りながら、SAP散布装置10で凸部11の表面に高吸水性ポリマー6を塗布し、次いで、第1の不織布2とともに、熱エンボス加工を施すことにより、製造することができる。この際、図4(b)に示すように一方の熱エンボスロール8の凸部11と、他方の熱エンボスロール9の凹部12とが、凸部11の頂面と凹部12の底面とが接触しないように嵌合することにより、第1の不織布2の凸部5の高さが、第2の不織布3の凸部5の高さよりも高くなるようにエンボスパターンを形成することができる。そして、第1の不織布2と第2の不織布3とを熱エンボス加工する際に、非接着部7の接する部位においては、熱エンボスロール8の凸部11に凹部13を形成し、第1の不織布2及び第2の不織布3が熱エンボスロール8に接触しないようにすればよい。
本発明は、上記の吸収性シート1を使用した吸収性物品にも関する。吸収性物品は、身体側表面側に配された液透過性のトップシート、及びトップシートに対向して配置された液不透過性のバックシートを有し、トップシートとバックシートとの間に、トップシート側からバックシート側に向かって、上記の吸収性シート1及び吸収体が配置されている。吸収性シート1の下層に吸収体を設けることにより、吸収性シート1で吸収しきれなかった体液を、吸収体で吸収させることができる。
トップシートは、体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材を用いればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシートは、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましく、エンボス加工や穿孔加工は、従来公知の方法により実施することができる。さらに、トップシートの肌への刺激を低減させるために、トップシートにローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。トップシートの坪量は、強度及び加工性の観点から、14g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。トップシートの形状は、特に制限されるものではないが、体液を漏れがないように吸収体へと誘導するため、吸収体を覆う形状であればよい。
吸収体は、体液を吸収、保持するものであり、例えば、フラッフパルプや高吸水性ポリマーを含有している。吸収体の基材となる吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布といった材料から形成される。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。また、吸収体の基材の坪量は、吸収性能及び肌触りを良好なものとするため、100g/m2以上800g/m2以下とすることが好ましい。
バックシートは、吸収体が保持している体液が衣類を濡らすことを防止できるような液不透過性を備えた基材を用いればよく、例えば、ポリエチレンシートを用いることができる。バックシートの坪量は、強度及び加工性の観点から、10g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシートは、通気性を持たせることが好ましい。バックシートに通気性を備えさせるためには、例えば、ポリエチレンフィルムにフィラーを配合したり、バックシートにエンボス加工を施したりすればよい。ここで、フィラーとしては、炭酸カルシウムを挙げることができ、その加工方法としては、公知の方法を制限なく利用することができる。
吸収性物品の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、トップシートとバックシートとの間に吸収体及び吸収性シートを挟持し、さらに、必要に応じて、サイドフラップ、サイドパネル、ファスニングテープ、立体ギャザー等を、トップシートとバックシートとを一部あるいは全周にわたってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。
2 第1の不織布
3 第2の不織布
4 第3の不織布
5 凸部
6 高吸水性ポリマー
7 非接着部
8 熱エンボスロール
9 熱エンボスロール
10 SAP散布装置
11 (熱エンボスロール上の)凸部
12 (熱エンボスロール上の)凹部
13 (凸部上の)凹部
Claims (3)
- 少なくとも2枚の不織布間に高吸水性ポリマーを挟持する、吸収性物品用吸収性シートの製造方法であって、
連続する第1の不織布に、複数の柱形状又は錐台形状の凸部を形成する工程と、
連続する第2の不織布に、前記第1の不織布の前記凸部よりも高さが低い複数の柱形状又は錐台形状の凸部を形成する工程と、
前記第2の不織布の前記凸部の表面に前記高吸水性ポリマーを塗布する工程と、
前記第1の不織布に形成された前記凸部の反対面から構成される凹部に前記第2の不織布の前記凸部が嵌合するように接触部を有して積層する工程と、
前記高吸水性ポリマーが前記接触部の凸部寄り端部と、前記第1の不織布に形成された前記凸部の上面と前記第2の不織布に形成された前記凸部の上面との間の閉空間に局在するように、前記接触部において接着部を形成し、かつ、前記接着部の前記凸部の反対側における、柱形状又は錐台形状の前記凸部の側面に、前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いに接着されていない非接着部を形成する工程と、を含む、吸収性物品用吸収性シートの製造方法。 - 少なくとも2枚の不織布間に高吸水性ポリマーを挟持する、吸収性物品用吸収性シートの製造装置であって、
連続する第1の不織布および第2の不織布を搬送する機構と、
連続する前記第1の不織布に、複数の柱形状又は錐台形状の凸部を形成する機構と、
連続する前記第2の不織布に、前記第1の不織布の前記凸部よりも高さが低い複数の柱形状又は錐台形状の凸部を形成する機構と、
前記第2の不織布の前記凸部の表面に前記高吸水性ポリマーを塗布する機構と、
前記第1の不織布に形成された前記凸部の反対面から構成される凹部に前記第2の不織布の前記凸部が嵌合するように接触部を有して積層する機構と、
前記高吸水性ポリマーが前記接触部の凸部寄り端部と、前記第1の不織布に形成された前記凸部の上面と前記第2の不織布に形成された前記凸部の上面との間の閉空間に局在するように、前記接触部において接着部を形成し、かつ、前記接着部の前記凸部の反対側における、柱形状又は錐台形状の前記凸部の側面に、前記第1の不織布と前記第2の不織布とが互いに接着されていない非接着部を形成する機構と、を有し、
前記接着部及び前記非接着部を形成する機構は、一方の熱エンボスロールの凸部と、他方の熱エンボスロールの凹部とが、前記凸部の頂面と前記凹部の底面とが接触しないように嵌合することを特徴とする、吸収性物品用吸収性シートの製造装置。 - 前記非接着部の接する部位において、前記熱エンボスロールの前記凸部に凹部が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の製造装置。
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