JP7066399B2 - 放射線画像診断装置及び医用画像処理装置 - Google Patents

放射線画像診断装置及び医用画像処理装置 Download PDF

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本発明の実施形態は、放射線画像診断装置及び医用画像処理装置に関する。
放射線を用いて被検体内部の形態及び機能のうちの少なくとも一つを画像化する放射線画像診断装置が利用されている。放射線画像診断装置において低線量撮像が行われている。低線量撮像により生成された画像は、高線量撮像により生成された画像に比して、多くのノイズを含む。また、空間分解能及び低コントラスト分解能等が低いため画質が悪い。そこで、低線量撮像により生成される画像の画質向上のため、逐次近似再構成が行われている。
逐次近似再構成法は、オリジナルの撮像データとレプリカの撮像データとの差分を最小化するように繰り返し計算を行う。これにより、被検体内部の形態及び機能のうちの少なくとも一つを正確に再現することができる。オリジナルの撮像データは、被検体を撮像することで収集された撮像データである。レプリカの撮像データは、オリジナルの撮像データを逆投影することで生成された画像を更に順投影することで生成された撮像データである。例えば、複数の時相に亘って被検体の同一部位を撮像するダイナミックスキャンにおいて、各時相の撮像データに対してそれぞれ独立して逐次近似再構成が行われる。これにより、低線量の撮像であっても、各時相において、ノイズを低減し、かつ空間分解能及び低コントラスト分解能等の高い画像を取得することができる。
しかしながら、逐次近似再構成は計算時間が膨大である。特に、ダイナミックスキャンの場合、時相数に比例して再構成処理の計算時間が増大する。
特開2013-085962号公報
発明が解決しようとする課題は、逐次近似再構成法を用いた再構成処理にかかる全体の計算時間を短縮することである。
実施形態に係る放射線画像診断装置は、複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備する。
図1は、本実施形態に係る放射線画像診断装置を示すブロック図である。 図2は、本実施形態に係るX線CT装置を示すブロック図である。 図3は、実施例1に係るX線CT装置におけるダイナミックスキャンの実行からCT画像の生成までの流れを示すフローチャートである。 図4は、実施例1における順方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。 図5は、図4に示す再構成処理のステップS12における逐次近似再構成の一例を示すフローチャートである。 図6は、図4及び図5に示す順方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。 図7は、実施例1における逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。 図8は、図7に示す逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。 図9は、造影された所定の部位に関する造影剤の濃度の変化量を示す時間濃度曲線と、逐次近似再構成に用いる初期画像との対応関係を示す図である。 図10は、実施例2における順方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。 図11は、図10に示す順方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。 図12は、実施例2における逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。 図13は、図12に示す逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。 図14は、応用例2に関し、ヘリカルシャトルスキャンにより収集された投影データを示す図である。 図15は、応用例3に関し、心電波形と、当該心電波形に応じた投影データの収集タイミングと、逐次近似再構成に用いる初期画像との対応関係を示す図である。 図16は、応用例4に係る時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に示す図である。 図17は、応用例5に係る逐次近似再構成の流れを模式的に示す図である。 図18は、応用例6に係る時間濃度曲線と初期画像の更新頻度との関係を示す図である。 図19は、応用例7に係る時系列の逐次近似再構成を模式的に示す図である。 図20は、比較例に関する時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に示す図である。
以下、本実施形態に係る放射線画像診断装置及び医用画像処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る放射線画像診断装置1を示すブロック図である。図1に示す放射線画像診断装置1は、放射線を用いて被検体内部の形態及び機能のうちの少なくとも一つを画像化する。放射線画像診断装置1は、例えば、X線コンピュータ断層(Computed Tomography:CT)撮影装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置及びPET/CT装置のいずれか一つである。
放射線画像診断装置1は、医用画像撮像装置20と医用画像処理装置30とを備える。医用画像撮像装置20と、医用画像処理装置30とは、互いに接続される。医用画像撮像装置20は、対象となる被検体を撮像して、当該被検体に関する撮像データを収集する。医用画像処理装置30は、医用画像撮像装置20において収集された撮像データに基づく医用画像を生成する。以降、実施形態では、放射線画像診断装置1の一例として、X線CT装置1について記載する。
図2は、本実施形態に係るX線CT装置1を示すブロック図である。図1に示すX線CT装置1は、被検体に対してCTスキャンを実行する。X線CT装置1は、架台2と寝台3とコンソール4とを備える。架台2と寝台3とは、図1に示す医用画像撮像装置20に対応する。コンソール4は、図1に示す医用画像処理装置30に対応する。
架台2は、高電圧発生器21とX線管22とX線検出器23とデータ収集回路(DAS:Data Acquisition System)24と非接触データ伝送回路25と架台制御回路26とを有する。
架台2は、寝台3に載置された被検体Sに対してCTスキャンを実行する。架台2は、回転フレーム27を有する。回転フレーム27は、X線管22とX線検出器23とを、撮影領域を含む開口を挟んで保持する。回転フレーム27には、高電圧発生器21とX線管22とX線検出器23とDAS24と非接触データ伝送回路25の一部とが搭載される。また、架台2は、回転フレーム27の開口の中心軸(Z軸)を回転軸として回転自在に回転フレーム27を支持するメインフレーム(固定フレーム)及び回転フレーム27を回転駆動させる回転駆動装置28等を有する。回転フレーム27は、回転駆動装置(例えば、電動機)28からの動力を受けて開口の中心軸回りに一定の角速度で回転する。回転フレーム27の開口には、被検体Sを載置可能な天板31が挿入される。
回転駆動装置28は、架台制御回路26からの制御に従い、回転フレーム27を回転させるための動力を発生する。回転駆動装置28は、架台制御回路26からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。回転駆動装置28は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現される。回転駆動装置28は、例えば、メインフレームに収容される。
架台2は、X線管22、X線検出器23、DAS24、高電圧発生器21、回転駆動装置の他、電源装置(例えば、商用電源)等のCTスキャンに必要なその他の種々の装置を収容してもよい。例えば、回転フレーム27にはX線管22を冷却する冷却装置が取り付けられてもよい。また、空調のためのファンが架台2に取り付けられてもよい。
高電圧発生器21は、架台制御回路26を介したコンソール4による制御に従い、スリップリング(slip ring)を介して架台2の電源装置から供給された電力から、X線源22に印加する管電圧と、X線管22に供給する管電流(フィラメント電流(Filament current))とを発生する。
X線管22は、高電圧発生器21からの管電圧の印加及び管電流の供給を受け、X線の焦点から天板31に載置された被検体Sへ照射するX線を発生する。
X線検出器23は、回転軸を挟んでX線管22に対向する位置及び角度で、回転フレーム27に取り付けられる。X線検出器23は、X線管22から発生され被検体Sを透過したX線を検出する。X線検出器23は、二次元湾曲面に配列された複数のX線検出素子(図示せず)を搭載する。各X線検出素子は、X線管22からのX線を検出し、検出されたX線の強度に応じた波高値を有する電気信号に変換する。各X線検出素子は、例えば、シンチレータと光電変換器とを有する。シンチレータはX線を受けて蛍光を発生する。光電変換器は、発生された蛍光を電荷パルスに変換する。電荷パルスはX線の強度に応じた波高値を有する。光電変換器としては、具体的には、光電子増倍管やフォトダイオード(Photo Diode)等の光子を電気信号に変換する機器が用いられる。なお、本実施形態に係るX線検出器23としてはX線を一旦蛍光に変換してから電気信号に変換する間接検出型の検出器に限定されず、X線を直接的に電気信号に変換する直接検出型の検出器(半導体検出器)であってもよい。
DAS24は、被検体Sにより減弱されたX線の強度を示すディジタルデータを1ビューごとに収集する。DAS24は、例えば、複数のX線検出素子の各々について設けられた積分器とアンプとA/D変換器とが並列して実装された半導体集積回路により実現される。DAS24は、架台2内においてX線検出器23に接続されている。積分器は、X線検出素子からの電気信号を所定のビュー期間に亘り積分し、積分信号を生成する。アンプは、積分器から出力された積分信号を増幅する。A/D変換器は、増幅された積分信号をA/D変換し、当該積分信号の波高値に対応するデータ値を有するディジタルデータを生成する。変換後のディジタルデータは、生データと呼ばれている。生データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、及び収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のディジタル値のセットである。DAS24は、生データを非接触データ伝送回路25へ伝送する。
非接触データ伝送回路25は、磁気送受信手法、無線送受信手法又は光送受信手段を用いる伝送装置により実現される。非接触データ伝送回路25は、DAS24で収集された生データをコンソール4へ伝送する。
架台制御回路26は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。架台制御回路26のプロセッサは、コンソール4から出力される制御信号に応じて、架台2内に設けられる各構成の動作を統括的に制御する。
寝台3は、天板31と寝台駆動装置32とを有する。天板31は、回転フレーム27の中心軸に沿って移動可能に寝台3に支持される。天板31に載置された被検体Sの体軸が回転フレーム27の中心軸に一致するように、天板31が位置決めされる。
寝台駆動装置32は、架台制御回路26を介したコンソール4による制御又は架台制御回路26による制御に従い、天板31を移動する。例えば、寝台駆動装置32は、回転フレーム27の開口の中心軸に沿って天板31を移動する。
コンソール4は、架台2と寝台3とを制御するためのコンピュータ又はワークステーションである。本実施形態に係るコンソール4は、例えば、通信インターフェース(IF)41と入力インターフェース(IF)42とディスプレイ43とコンソール制御回路44とメモリ45と画像再構成回路46とを有する。
通信IF41は、有線あるいは無線にて外部装置と通信するためのインターフェースである。外部装置は、例えば、他のモダリティ、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)及びPACS(Picture Archiving and Communication System)等のシステムに含まれるサーバ、あるいは他のワークステーション等である。本実施形態において通信IF41は、架台2と有線で接続する。
入力IF42は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、及び表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等の入力機器を含む。入力IF42は、例えば、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し、コンソール制御回路44へ出力する。なお、本実施形態において、入力IF42は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号をコンソール制御回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力IF42の例に含まれる。
ディスプレイ43は、コンソール制御回路44による制御に従い、種々のデータ及び上記医用画像等を表示する。ディスプレイ43は、表示インターフェースに接続される。表示インターフェースは、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、ディスプレイ43に供給される。ディスプレイ43は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。ディスプレイ43としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
コンソール制御回路44は、ハードウェア資源として、CPU及びMPU等の所定のプロセッサと、ROM及びRAM等の所定のメモリとにより実現される。コンソール制御回路44のメモリは、統括制御プログラムを記憶する。コンソール制御回路44のプロセッサは、メモリに記憶された統括制御プログラムを読み出す。コンソール制御回路44のプロセッサは、読み出した統括制御プログラムを実行することで、統括制御機能441を実現する。統括制御機能441の実現により、コンソール制御回路44は、コンソール4における各構成の動作及び処理等を統括的に制御する。
また、コンソール制御回路44のメモリは、撮影制御プログラムを記憶する。コンソール制御回路44のプロセッサは、メモリに記憶された撮影制御プログラムを読み出す。コンソール制御回路44のプロセッサは、読み出した撮影制御プログラムを実行することで、撮影制御機能442を実現する。撮影制御機能442の実現により、コンソール制御回路44は、所定のスキャンシーケンスに従って撮影を行うよう、スリップリングを介した高電圧発生器21への電力供給を制御する。また、コンソール制御回路44は、架台制御回路26を介して回転駆動装置28を制御することで、回転フレーム27を回転させる。コンソール制御回路44は、寝台駆動装置32を制御することで天板31を移動させる。天板31の移動により天板31に載置された被検体Sが回転軸に沿って移動される。
メモリ45は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)及びびSSD(Solid State Drive)等である。例えば、メモリ45は、架台2において収集され、通信IF41を介して伝送された生データを記憶する。メモリ45は、後述する画像再構成回路46において生成される投影データと、当該投影データに対応するCT画像とを記憶する。メモリ45は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクと、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクとを利用してもよい。また、メモリ45の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
画像再構成回路46は、CPU及びGPU(Graphical Processing Unit)等の所定のプロセッサと、ROM及びRAM等の所定のメモリとにより実現される。画像再構成回路46のメモリは、前処理プログラムを記憶する。画像再構成回路46のプロセッサは、前処理プログラムを実行することで、前処理機能461を実現する。前処理機能461の実現により、画像再構成回路46は、非接触データ伝送回路25から出力された生データに対して前処理を施す。前処理には、例えば、生データに対する対数変換処理、チャンネル間の感度不均一補正処理、X線強吸収体(主に金属部)による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正する処理等が含まれる。
画像再構成回路46のメモリは、再構成プログラムを記憶する。画像再構成回路46のプロセッサは、再構成プログラムを実行することで、再構成機能462を実現する。再構成機能462の実現により、画像再構成回路46は、前処理を施した生データ(以降、投影データと記載する。)に基づいてCT画像を生成する。例えば、画像再構成回路46は、複数の時相に関する複数の投影データに対して逐次近似再構成法を用いた再構成処理を実行する。これにより、画像再構成回路46は、複数の時相に関する複数のCT画像を生成する。画像再構成回路46は、生成した複数のCT画像をメモリ45へ送信する。画像再構成回路46は、投影データに基づくCT画像を生成するために所定の再構成アルゴリズムを用いる。例えば、画像再構成回路46は、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法と、逐次近似再構成法等の統計学的画像再構成法とのうちの少なくとも一つの既存の画像再構成アルゴリズムを使用する。
なお、本実施形態に係る撮像データは、医用画像診断装置20が被検体に対して医用撮像を施すことにより生成される、画像再構成前のデータを指すものとする。具体的には、本実施形態に係る撮像データは、概念的に生データと投影データとを含むものとする。
ここで、本実施形態に係るX線CT装置1の動作について説明する。
(実施例1)
実施例1に係るX線CT装置1は、被検体Sを載置した天板31を所定の位置で固定させた状態で、複数の時相に亘って被検体Sの同一部位を撮影するダイナミックスキャンを実行する。X線CT装置1は、当該ダイナミックスキャンにより収集された複数の時相に関する複数の投影データに基づく複数のCT画像を生成する。実施例1では、上記X線CT装置1におけるダイナミックスキャンの実行からCT画像の生成までの一連の流れについて、図3乃至図8を参照して説明する。なお、実施例1において、回転フレーム27が1周する間に収集される撮像データを1時相分の撮像データと定義する。
図3は、実施例1に係るX線CT装置1におけるダイナミックスキャンの実行からCT画像の生成までの流れを示すフローチャートである。図3に示すように、ステップS1においてコンソール4は、ダイナミックスキャンを実行する。例えば、コンソール4のディスプレイ43に、架台2に実行させるスキャンを選択するための操作画面を表示する。コンソール制御回路44は、ディスプレイ43に表示された操作画面における上記ダイナミックスキャンの選択を契機として、所定の撮影条件及び再構成条件等に従って撮影を行うよう、架台2を制御する。架台2のDAS24は、被検体に関する生データを収集する。DAS24は、収集した生データを非接触データ伝送回路25へ伝送する。非接触データ伝送回路25は、DAS24で収集された生データをコンソール4へ伝送する。コンソール4のメモリ45は、通信IF41を介して非接触データ伝送回路25から伝送された生データを記憶する。画像再構成回路46は、通信IF41を介して非接触データ伝送回路25から伝送された生データに対して前処理を施して、投影データを算出する。
ステップS2において画像再構成回路46は、逐次近似再構成により、上記投影データに基づくCT画像を生成する。ステップS3において、画像再構成回路46は、生成したCT画像をディスプレイ43又はメモリ45へ出力する。
ここで、画像再構成回路46による時系列の逐次近似再構成について、図4乃至図8を参照して詳しく説明する。図4乃至図8では、具体例として、投影データを収集する時相数を「3」とし、時相1乃至3において収集された投影データに対する再構成処理について想定する。また、実施例1では、架台2により最初に収集された最初の時相1の投影データから、架台2により最後に収集された最後の時相3の投影データの順に逐次近似再構成を実行する場合と、当該最後の時相3の投影データから最初の時相1の投影データの順に逐次近似再構成を実行する場合とに分けて説明する。説明の便宜上、最初の時相1から最後の時相3の順に実行する逐次近似再構成を順方向の再構成処理と記載する。また、最後の時相3から最初の時相1の順に実行する逐次近似再構成を逆方向の再構成処理と記載する。
なお、本実施形態は、実施例1に示す具体例に限定されることなく、複数の時相において収集された被検体Sの同一部位の投影データに対する逐次近似再構成を実行可能であればよい。
(実施例1における順方向の時系列の逐次近似再構成)
図4は、実施例1における順方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。図5は、図4に示す再構成処理のステップS12における逐次近似再構成の一例を示すフローチャートである。図6は、図4及び図5に示す順方向の再構成処理の流れを模式的に表すフローチャートである。図6に示すフローチャートに記載された符号は、図4及び図5に示すフローチャートに記載された符号に対応している。
まず、図4に示すように、ステップS11において、時相T=1とし、時相1において収集された投影データを逐次近似再構成の対象とする。ステップS12において、画像再構成回路46は、時相1において収集された投影データに対して逐次近似再構成を実行する。
図5に示すように、ステップSa1において画像再構成回路46は、時相1において収集された投影データに基づいて初期画像を生成する。例えば、画像再構成回路46は、時相1に関する投影データを逆投影することで生成したCT画像を初期画像として設定する。
ステップSa2において画像再構成回路46は、ステップSa1において生成した初期画像を順投影して、初期画像に関する順投影データを算出する。ステップSa3において画像再構成回路46は、ステップSa1において算出した時相1に関する投影データと、ステップSa2において算出した順投影データとの差分投影データを算出する。算出した差分投影データには、画像再構成回路46における再構成処理により発生する、ボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分が含まれている。
ステップSa4において画像再構成回路46は、算出した差分投影データを逆投影して、当該差分投影データに関する差分画像を生成する。ステップSa5において画像再構成回路46は、生成した差分画像に基づいて現在画像を更新する。言い換えれば、画像再構成回路46は、ステップSa4において生成した差分画像に含まれるボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分を除去するよう初期画像を補正して、補正した初期画像を現在画像に設定する。
ステップSa6において画像再構成回路46は、更新した現在画像、または差分投影データが収束条件を満たすか否かを判定する。例えば、画像再構成回路46は、上記時相1に関する投影データと、ステップSa2において算出した順投影データとの差分投影データの値が所定の閾値以下になったか否か、または、ステップSa3からステップSa5までの反復回数が予め設定された上限回数に到達したか否かを判定する。当該収束条件を満たさないと判定した場合(ステップSa6のNo)、ステップSa7において画像再構成回路46は、上記現在画像を順投影して、現在画像に関する順投影データを算出する。現在画像に関する順投影データの算出後、画像再構成回路46は、ステップSa3に戻り、上記ステップSa3からステップSa5を繰り返す。当該収束条件を満たすと判定した場合(ステップSa6のYes)、画像再構成回路46は、時系列の逐次近似再構成を終了する。
図4に示すように、ステップS12における再構成処理が終了した後、ステップS13において画像再構成回路46は、上記収束条件を満たすと判定した現在画像を時相1に関する最適画像として、ディスプレイ43又はメモリ45へ出力する。
ステップS14において画像再構成回路46は、時相T=時相数tとなったか否か判定する。上記の通り、時相数tは「3」であり、逐次近似再構成の対象となっている時相Tは「1」である。画像再構成回路46は、時相T=時相数tでないと判定する(ステップS14のNo)。
ステップS15において画像再構成回路46は、時相1に関する最適画像を初期画像に設定する。ステップS16において画像再構成回路46は、時相T=2とし、時相2において収集された投影データを逐次近似再構成の対象とする。すなわち、画像再構成回路46は、時相1に関する最適画像を初期画像として時相2において収集された投影データに対して逐次近似再構成法を用いた再構成処理を実行する。画像再構成回路46は、時相T=時相数tとなるまで、ステップS12に戻り、上記ステップS12からステップS13を繰り返す。時相T=時相数tであると判定した場合(ステップS14のYes)、画像再構成回路46は、ステップS2における再構成処理を終了する。
ここで、時相2に関する逐次近似再構成において画像再構成回路46は、前回時相1に関する最適画像を初期画像として設定している。また、時相3に関する逐次近似再構成において画像再構成回路46は、前回時相2に関する最適画像を初期画像として設定している。上記の通り、初期画像として設定される時相1及び時相2に関する最適画像は、補正により、既にボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分が除去されている。つまり、時相2及び時相3における逐次近似再構成では、ボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分の除去にかかる計算時間が不要になる。すなわち、最適画像を出力するまでに実行される繰り返し計算の回数が減少する。したがって、今回時相(例えば、時相2及び時相3)に関する初期画像として前回時相(例えば、時相1及び時相2)に関する最適画像が設定される場合、今回時相に関する逆投影画像に設定される場合と比較して、データの収束が早まり、計算時間が短くなる。
(実施例1における逆方向の再構成処理)
図7は、実施例1における逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。図8は、図7に示す逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。図8に示すフローチャートに記載された符号は、図7に示すフローチャートに記載された符号に対応している。なお、図7及び図8において、上記図4乃至図6と略一致するステップについては、詳しい説明を省略する。
まず、図7に示すように、ステップS21において、時相T=時相数tとする。時相数tは「3」であるため、画像再構成回路46は、時相3において収集された投影データを逐次近似再構成の対象とする。ステップS22において、画像再構成回路46は、時相3において収集された投影データに対して逐次近似再構成を実行する。
ステップS22における再構成処理が終了した後、ステップS23において、画像再構成回路46は、上記収束条件を満たすと判定した現在画像を時相3に関する最適画像としてディスプレイ43又はメモリ45へ出力する。
ステップS24において画像再構成回路46は、時相T=1となったか否か判定する。上記の通り、時相数tは「3」であり、逐次近似再構成の対象となっている時相Tは「3」である。画像再構成回路46は、時相T=1でないと判定する(ステップS24のNo)。
ステップS25において画像再構成回路46は、時相3に関する最適画像を初期画像に設定する。ステップS16において画像再構成回路46は、時相T=2とし、時相2において収集された投影データを逐次近似再構成の対象とする。すなわち、画像再構成回路46は、時相3に関する最適画像を初期画像として時相2において収集された投影データに対して逐次近似再構成を実行する。
画像再構成回路46は、時相T=1となるまで、ステップS22に戻り、上記ステップS22からステップS23を繰り返す。時相T=1であると判定した場合(ステップS24のYes)、画像再構成回路46は、ステップS2における再構成処理を終了する。
ここで、初期時相である時相3以降に再構成処理の対象となる時相2に関する逐次近似再構成において画像再構成回路46は、前回時相3に関する最適画像を初期画像として設定している。また、時相1における逐次近似再構成において画像再構成回路46は、前回時相2に関する最適画像を初期画像として設定している。上記の通り、初期画像として設定される時相2及び時相3に関する最適画像は、補正により、既にボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分が除去されている。つまり、時相1及び時相2における逐次近似再構成では、ボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分の除去にかかる計算時間が不要になる。すなわち、最適画像を出力するまでに実行される繰り返し計算の回数が減少する。したがって、今回時相(例えば、時相2及び時相1)に関する初期画像として前回時相(例えば、時相3及び時相2)に関する最適画像が設定される場合、今回時相に関する初期画像が今回時相に関する逆投影画像に設定される場合と比較して、データの収束が早まり、計算時間が短くなる。
上記構成によれば、実施例1に係るX線CT装置は、初期時相以降に再構成処理の対象となる時相における逐次近似再構成において、前回時相に関する最適画像を初期画像として設定する。これにより、実施例1に係るX線CT装置は、初期時相以降に再構成対象となる時相における逐次近似再構成の計算時間を、初期時相における逐次近似再構成の計算時間より短縮することができる。すなわち、実施例1に係るX線CT装置は、再構成処理にかかる全体の計算時間を短縮することができる。
また、上記実施例1では、初期時相以降に再構成処理の対象となる時相における逐次近似再構成において、データの収束が早まり、最適画像を出力するまでに実行される繰り返し計算の回数が減少する。上記収束条件が「ステップSa3~ステップSa5までの反復回数が上限回数に到達したか否か」である場合、初期時相以降の時相における逐次近似再構成の上限回数を、初期時相における逐次近似再構成の上限回数より減らしてもよい。
(実施例2)
実施例2では、図3に示すステップS2の再構成処理において、初期時相における再構成処理として、例えば、FBP再構成処理を実行する場合について記載する。実施例2では、実施例1と同様に、投影データを収集する時相数を「3」とし、時相1乃至3において収集された投影データに対する再構成処理について想定する。また、実施例2では、順方向の再構成処理と、逆方向の再構成処理とに分けて説明する。
なお、本実施形態は、実施例2に示す具体例に限定されることなく、複数の時相において収集された被検体Sの同一部位の投影データに対する逐次近似再構成法を用いた再構成処理を実行可能であればよい。
(実施例2における順方向の時系列の逐次近似再構成)
図10は、実施例2における順方向の再構成処理の流れを示すフローチャートである。図11は、図10に示す順方向の再構成処理の流れを模式的に表すフローチャートである。図11に示すフローチャートに記載された符号は、図10に示すフローチャートに記載された符号に対応している。なお、図10及び図11において、上記図4と略一致するステップについては、詳しい説明を省略する。
まず、図10に示すように、ステップS31において、時相T=1とし、時相1において収集された投影データをFBP再構成処理の対象とする。ステップS32において画像再構成回路46は、時相1において収集された投影データに対してFBP再構成処理を実行する。画像再構成回路46は、FBP再構成処理により生成されたCT画像を時相1に関する最適画像としてディスプレイ43、またはメモリ45へ出力する。
ステップS32における再構成処理が終了した後、ステップS33において画像再構成回路46は、時相T=2とし、時相2に関する投影データを本実施形態における再構成処理の対象とする。画像再構成回路46は、ステップS32において生成されたCT画像を初期画像として、時相2に関する投影データに対する逐次近似再構成を実行する。
以降、図10に示すステップS34乃至ステップS38は、図4に示すステップS12乃至ステップS16と略一致するため、詳しい説明を省略する。
(実施例2における逆方向の時系列の逐次近似再構成)
図12は、実施例2における逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを示すフローチャートである。図13は、図12に示す逆方向の時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に表すフローチャートである。図13に示すフローチャートに記載された符号は、図12に示すフローチャートに記載された符号に対応している。なお、図12及び図13において、上記図4と略一致するステップについては、詳しい説明を省略する。
まず、図12に示すように、ステップS41において、時相T=時相数tとする。時相数tは「3」であるため画像再構成回路46は、時相3に関する投影データをFBP再構成処理の対象とする。ステップS42において画像再構成回路46は、時相3に関する投影データに対してFBP再構成処理を実行する。画像再構成回路46は、FBP再構成処理により生成されたCT画像を時相3に関する最適画像としてディスプレイ43、またはメモリ45へ出力する。
ステップS42における再構成処理が終了した後、ステップS43において、画像再構成回路46は、時相T=2とし、時相2において収集された投影データを本実施形態における再構成処理の対象とする。画像再構成回路46は、ステップS42において生成されたCT画像を初期画像として、時相2に関する投影データに対する逐次近似再構成を実行する。
以降、図12に示すステップS44乃至ステップS48は、図4に示すステップS12乃至ステップS16と略一致するため、詳しい説明を省略する。
上記構成によれば、実施例2に係るX線CT装置は、初期時相に関する投影データに対してFBP再構成処理を実行し、初期時相以降に再構成処理の対象となる時相に関する投影データに対して前回時相に関する再構成画像を初期画像とする逐次近似再構成を実行する。実施例1のように、初期時相に関する初期画像は、初期時相以降に逐次近似再構成の対象となる時相で使用する初期画像と異なり、ボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分が除去されていない。つまり、ボケ、ノイズ及びアーチファクト等の原因となる成分の除去にかかる計算時間が余計にかかるため、データの収束が遅くなり、最適画像を出力するまでに実行される繰り返し計算の回数が増加する。このため、実施例2に係るX線CT装置は、初期時相に関する投影データに対して、逐次近似再構成よりも計算時間のかからないFBP再構成処理を実行する。これにより、実施例2に係るX線CT装置は、再構成処理にかかる全体の計算時間をさらに短縮することができる。
ここで、実施例2に係るX線CT装置は、初期時相に関する投影データを収集する場合、FBP再構成処理用の撮影条件を設定してもよい。例えば、FBP再構成処理用の撮影条件として、逐次近似再構成用の撮影条件よりX線線量を高く設定する。また、初期時相以降に再構成処理の対象となる時相に関する投影データを収集する場合、逐次近似再構成用の撮影条件を設定してもよい。例えば、逐次近似再構成用の撮影条件として、FBP再構成処理用の撮影条件よりX線線量を低く設定する。
(応用例1)
上記実施例1及び2における時系列の逐次近似再構成は、複数の時相に亘って被検体Sに対する造影剤の投与により造影された部位を撮影する造影ダイナミックスキャンを実行する場合にも適用可能である。
図9は、造影された所定の部位に関する造影剤の濃度の変化量を示す時間濃度曲線(Time Density Curve:TDC)と、逐次近似再構成に用いる初期画像との対応関係を示す図である。図9の上段に示すTDCは、例えば、コンソール制御回路44等により生成される。コンソール制御回路44は、生成したTDCから撮像部位に関する造影剤の濃度の変化量を算出する。コンソール制御回路44は、算出した所定の部位に関する造影剤の濃度の変化量に基づいて、逐次近似再構成に用いる初期画像を判定する。
図9に示すように、時間tから時間tまでの期間は、所定の部位における造影剤の濃度の変化量が所定の範囲内である。すなわち、当該期間において撮像されたスライスに含まれる造影剤の分布は略同一である。期間t-tにおいて、今回時相に関する投影データが収集された場合、図9の下段に示すように、画像再構成回路46は、前回時相に関する最適画像を今回時相に関する初期画像として設定する。
一方、図9の上段に示すように、所定の部位における造影剤の濃度の変化量が所定の範囲を超える時間t以前、または時間t以降において、今回時相に関する投影データが収集された場合、前回時相に関する最適画像を今回時相に関する初期画像として設定しない。時間t以前、または時間t以降において収集された時相に関する投影データに対して本実施形態における逐次近似再構成を実行した場合、各時相で生成される再構成画像間におけるCT値の経時的変化が大きいため、データの収束が遅くなり、最適画像を出力するまでに実行される繰り返し計算の回数が増加する。このため、応用例1における画像再構成回路46は、時間t以前、または時間t以降において収集された時相に関する投影データに対してFBP法を用いた再構成処理を実行する。
(応用例2)
上記実施例1及び2における時系列の逐次近似再構成は、被検体Sが載置された天板31を往復移動させて、被検体Sに関する所定の撮像範囲を撮像する往復ヘリカルスキャン(ヘリカルシャトルスキャン)を実行する場合にも適用可能である。
図14は、応用例2に係るX線CT装置において、ヘリカルシャトルスキャンにより収集された投影データを示す図である。なお、応用例2において、撮像範囲の一端から他端までを撮像する間に収集される撮像データを1時相分の撮像データと定義する。図14に示すように、応用例2に係るX線CT装置は、ヘリカルシャトルスキャンの実行により、各時相において、スライス1、スライス2及びスライス3に関する投影データを収集する。すなわち、異なる時相における同一スライスの投影データが収集される。応用例2に係る画像再構成回路46は、同一スライスの投影データに対して逐次近似再構成を実行する場合、前回時相に関する再構成画像を今回時相に関する初期画像として設定する。
(応用例3)
上記実施例1及び2における時系列の逐次近似再構成は、被検体Sの心臓の拍動と同期させて被検体Sを撮像する心電同期スキャンを実行する場合にも適用可能である。
図15は、応用例3に係るX線CT装置において、心電波形と、当該心電波形に応じた投影データの収集タイミングと、逐次近似再構成に用いる初期画像との対応関係を示す図である。
図15に示すように、応用例3に係る架台制御回路26は、心臓の拍動に起因する心臓の変位量が所定の範囲内である期間(安定周期)Tにおいて投影データを収集する。画像再構成回路46は、心電同期スキャンにより収集された複数の時相に関する複数の投影データに対して逐次近似再構成を実行する。画像再構成回路46は、今回時相に関する投影データが安定周期Tに収集された場合、前回時相に関する再構成画像を今回時相に関する初期画像に設定する。
(応用例4)
上記実施例1及び2における時系列の逐次近似再構成は、複数の時相に亘る造影スキャンに対しても適用可能である。
図16は、応用例4に係る時系列の逐次近似再構成の流れを模式的に示す図である。なお、応用例4に係る時系列の逐次近似再構成は、順方向と逆方向との両方に適用可能であるが、図16は、一例として順方向の処理を示している。
図16に示すように、初期時相1に関しては、上記実施例1と同様、画像再構成回路46は、初期時相1に関する投影データにFBPを施して逆投影画像IF1を生成し、逆投影画像IF1に逐次近似再構成IRを施して最適画像IIR1を生成する。
図16に示すように、次の時相2において画像再構成回路46は、時相2に関する投影データにFBPを施して逆投影画像IF2を生成する。逆投影画像IF2は、ボケ等を含み、比較的低画質である。次に画像再構成回路46は、逆投影画像IF2と前回時相1の最適画像IIR1との差分画像IIR1-IF2を生成する。差分画像IIR1-IF2は、時相1から時相2までの造影剤の濃度分布の変化を示す。
図16に示すように、画像再構成回路46は、差分画像IIR1-IF2に逐次近似再構成IRを施して差分最適画像IIRD2を生成する。差分最適画像IIRD2は、差分画像IIR1-IF2に基づく逐次近似再構成IRにより生成されているので、差分画像IIR1-IF2に比して画質が良い。なお、更に画質を向上させるため、差分画像IIR1-IF2に閾値処理を施してノイズを除去し、閾値処理後の差分画像IIR1-IF2に逐次近似再構成IRを施しても良い。
図16に示すように、画像再構成回路46は、時相2に関する差分最適画像IIRD2と前回時相1に関する最適画像IIR1との加算画像IIR1+IIRD2を生成する。加算画像IIR1+IIRD2は、最適画像IIR1に、時相1から時相2までの造影剤の濃度分布の変化分が加算された画像である。加算画像IIR1+IIRD2は、例えば、最適画像IIR1の各画素の画素値に、差分最適画像IIRD2の対応画素の画素値を加算することにより生成される。加算画像IIR1+IIRD2が、時相2に関する最適画像IIR2に設定される。
図16に示すように、時相Tまで上記処理が繰り返される。応用例4によれば、初期時相以降の時相tにおいて、差分画像IIR(t-1)-IFtに逐次近似再構成が施される。差分画像IIR(t-1)-IFtには、前回時相(t-1)から今回時相tまでの造影剤濃度の変化分しか含まれない。よって、差分画像IIR(t-1)-IFtに対する逐次近似再構成は、逆投影画像IFtに対する逐次近似再構成に比して計算量が少なく、計算時間が短くなる。応用例4に係る時系列の逐次近似再構成は、各時相において逆投影画像に対する逐次近似再構成を行う場合に比して短時間で完了することができる。
(応用例5)
応用例4に係る時系列の逐次近似再構成は、種々の変更が可能である。以下、応用例5に係る時系列の逐次近似再構成について説明する。
図17は、応用例5に係る逐次近似再構成の流れを模式的に示す図である。なお、応用例5に係る逐次近似再構成は、順方向と逆方向との両方に適用可能であるが、図17は、一例として順方向の処理を示している。
図17に示すように、初期時相1に関しては、上記実施例1と同様、画像再構成回路46は、初期時相1に関する投影データにFBPを施して逆投影画像IF1を生成し、逆投影画像IF1に逐次近似再構成IRを施して最適画像IIR1を生成する。
図17に示すように、次の時相2において画像再構成回路46は、時相2に関する投影データにFBPを施して逆投影画像IF2を生成する。逆投影画像IF2は、ボケ等を含み、比較的低画質である。次に画像再構成回路46は、逆投影画像IF2と前回時相1の最適画像IIR1との差分画像IIR1-IF2を生成する。差分画像IIR1-IF2は、時相1から時相2までの造影剤の濃度分布の変化を示す。
図17に示すように、画像再構成回路46は、差分画像IIR1-IF2に血管抽出処理を施し、抽出血管画像IE2を生成する。血管抽出処理は、閾値処理を利用する方法、セグメンテーション処理を利用する方法、解剖学的知識を利用する方法、機械学習を利用する方法等の既存の如何なる方法でも良い。抽出血管画像IE2は、差分画像IIR1-IF2からノイズ等が除去された画像である。抽出血管画像IE2は、差分画像IIR1-IF2に比して画質が良い。
図17に示すように、画像再構成回路46は、時相2に関する抽出血管画像IE2と前回時相1に関する最適画像IIR1との置換画像IIR1+IE2を生成する。置換画像IIR1+IE2は、最適画像IIR1に、時相1から時相2までの造影剤の濃度分布の変化分が置換された画像である。置換画像IIR1+IE2は、例えば、抽出血管画像IE2の抽出血管領域の画素値により、最適画像IIR1の当該抽出血管領域に対応する画像領域の画素値が置き換えられた画像である。置換画像IIR1+IE2が、時相2に関する最適画像IIR2に設定される。
図17に示すように、時相Tまで上記処理が繰り返される。応用例4によれば、初期時相以降の時相tにおいて、差分画像IIR(t-1)-IFtに血管抽出処理が施される。差分画像IIR(t-1)-IFtに対する血管抽出処理は、逆投影画像IFtに対する逐次近似再構成に比して計算量が少なく、計算時間が短くなる。よって応用例5に係る時系列の逐次近似再構成は、各時相において逆投影画像に対する逐次近似再構成を行う場合に比して短時間で完了することができる。
(応用例6)
上記応用例1において画像再構成回路46は、造影剤濃度の変化量に応じて、今回時相の初期画像として用いる画像を、今回時相の逆投影画像と前回時相の最適画像との中から選択するものとした。応用例6に係る画像再構成回路46は、造影剤濃度の変化量に応じて初期画像の更新頻度を変更するものとする。
図18は、時間濃度曲線と初期画像の更新頻度との関係を示す図である。図18に示すように、初期画像の更新頻度が時間濃度曲線の変化量に応じて変更される。更新頻度は、処理対象の時相数に占める、今回時相の初期画像として今回時相の逆投影画像を用いた時相数の頻度に規定される。例えば、変化量が比較的少ない安定周期t-t2においては、初期画像を更新する必要が少ない。従って安定周期t-t2に係る更新頻度は、更新なしである。変化量が比較的大きい不安定周期においては、初期画像は任意時相毎に更新される。
例えば、応用例4の場合、初期画像として、今回時相2の逆投影画像と初期時相の最適画像との差分画像が用いられる。差分画像に逐次近似再構成が施され差分最適画像が生成され、今回時相2の差分最適画像と前回時相1の最適画像との加算画像が今回時相2の最適画像に設定される。時相3においても同様に行われる。すなわち、初期画像1の最適画像が時相2以降の最適画像に影響を及ぼし続けている。
安定周期t-t2の任意の時相に初期時相が設定され、以降の時相において、応用例4の時系列の逐次近似再構成が行われる場合を考える。安定周期においては、造影剤濃度の変化量が少ないので、初期時相の最適画像が安定周期の他の時相の最適画像に影響を及ぼしても問題ない。しかしながら、造影剤濃度の変化量が大きい期間(不安定周期)である場合は問題がある。すなわち、初期時相の最適画像が不安定周期の他の時相の最適画像に影響を及ぼすと、当該他の時相の最適画像の画質が劣化してしまう。そのため、不安定周期においては、任意時相毎に初期画像が更新される。更新対象の時相においては、図16の時相1に対する処理が行われる。すなわち、更新対象の時相に関する逆投影画像に逐次近似再構成が施され最適画像が生成される。例えば、不安定周期においては、2時相毎に初期画像が更新される。
このように、造影剤濃度の変化量が比較的大きい不安定周期において初期画像が更新されることにより、処理対象時相の最適画像において、初期時相からの造影剤の濃度分布の乖離の連鎖を断ち切ることができる。
(応用例7)
上記実施例1及び2においては順方向の時系列の逐次近似再構成と逆方向の時系列の逐次近似再構成とが個別に行われるものとした。
図19は、応用例7に係る時系列の逐次近似再構成を模式的に示す図である。図19に示すように、応用例7に係る画像再構成回路46は、処理対象の時相を複数の期間に区分し、区分毎に独立して時系列の逐次近似再構成を行う。複数の区分について並行して時系列の逐次近似再構成が行われることにより、処理対象の時相に対する時系列の逐次近似再構成の処理時間を低減することができる。
各区分に適用する時系列の逐次近似再構成の種類は任意に設定可能である。例えば、図19に示すように、処理対象の時相が1から20まであり、時相1から10までの区分TS1と、時相11から20までの区分TS2とに分割されているとする。この場合、例えば、各区分に適用する時系列の逐次近似再構成の種類としては、第1のパターンAと第2のパターンとが挙げられる。
第1のパターンAにおいては、区分TS1の各時相の投影データに対して順方向の時系列の逐次近似再構成が施され、区分TS2の各時相の投影データに対して順方向の時系列の逐次近似再構成が施される。
第2のパターンBにおいては、区分TS1の各時相の投影データに対して順方向の時系列の逐次近似再構成が施され、区分TS2の各時相の投影データに対して逆方向の時系列の逐次近似再構成が施される。
なお、パターンは、上記のみに限定されず、区分TS1と区分TS2との双方に対して逆方向の時系列の逐次近似再構成が施されても良い。区分TS1に対して逆方向の時系列の逐次近似再構成が施され、区分TS2に対して順方向の時系列の逐次近似再構成が施されても良い。
上記の説明の通り、実施形態に係る放射線画像診断装置は、架台2と画像再構成回路46とを備える。架台2は、複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する。画像再構成回路46は、複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する。画像再構成回路46は、複数の時相のうちの前回時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して今回時相に関する第2の再構成画像を生成する。例えば、複数の時相に亘って同一の再構成対象のスライスにおける解剖学的形状が略同一の場合、画像再構成回路46は、前回時相の最適画像を今回時相の初期画像に設定する。
上記の構成により、実施形態に係る放射線画像診断装置は、初期時相以降の逐次近似再構成の計算時間を短くすることができる。言い換えれば、今回時相に関する初期画像として前回時相に関する最適画像が設定される場合、図20に示す再構成処理のように、今回時相に関する初期画像が今回時相の逆投影画像に設定される場合と比較して、データの収束が早まり、計算時間が短くなる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、逐次近似再構成法を用いた再構成処理にかかる全体の計算時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、医用画像撮像装置と医用画像処理装置とを放射線画像診断装置に備えられる一つの構成として記載している。しかしながら、本実施形態に係る放射線画像診断装置はこれに限定されない。例えば、ネットワーク等を介して接続される別々の装置に、医用画像撮像装置に係る構成と、医用画像処理装置に係る構成とが含まれていてもよい。
また、上記実施形態において、X線CT装置は、いわゆる第3世代であるとした。すなわち、X線CT装置は、X線管とX線検出器とが一体となって回転軸の周囲を皆伝する回転/回転型(Rotate/Rotate-Type)であるとした。しかしながら、本実施形態に係るX線CT装置は、それのみに限定されない。例えば、X線CT装置は、リング状に配列された多数の受光帯が固定され、X線管のみが回転軸の周囲を回転する固定/回転型(Stationary/Rotate-Type)でもよい。また、X線CT装置は、リング状に配列された多数の受光帯が固定され、リング状に陽極が配置され、電磁偏向により電子ビームを陽極に照射させる第5世代でもよい。
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のprocessor、circuit(circuitry)、processing circuit(circuitry)、operation circuit(circuitry)、arithmetic circuit(circuitry)、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…放射線画像診断装置(X線CT装置)、2…架台、3…CT用寝台、4…CTコンソール、20…医用画像撮像装置、21…高電圧発生器、22…X線源、23…X線検出器、24…データ収集回路(DAS)、25…非接触データ伝送回路、26…架台制御回路、27…回転フレーム、28…回転駆動装置、30…医用画像処理装置、31…天板、32…寝台駆動装置、41…通信インターフェース(IF)回路、42…入力インターフェース(IF)回路、43…表示回路、44…コンソール制御回路、45…記憶回路、46…画像再構成回路、441…統括制御機能、442…撮影制御機能、461…前処理機能、462…再構成機能。

Claims (18)

  1. 複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、
    を具備し、
    前記撮像部は、前記複数の時相に亘って前記被検体に対する造影剤の投与により造影された部位を撮像し、
    前記再構成部は、前記第2の時相に関する撮像データセットが前記部位における造影剤の濃度の変化量が所定の範囲内である期間に収集された場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する、
    放射線画像診断装置。
  2. 複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、
    を具備し、
    前記撮像部は、前記被検体が載置された天板を往復移動させて前記被検体に関する撮像範囲を撮像し、
    前記再構成部は、前記第2の時相に関するスライス位置と、前記第1の時相に関するスライス位置とが略同一である場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する
    射線画像診断装置。
  3. 複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、
    を具備し、
    前記撮像部は、前記被検体の心臓の拍動と同期させて前記被検体を撮像する心電同期スキャンを実行し、
    前記再構成部は、前記心臓の変位量が所定の範囲内である期間に前記第2の時相に関する撮像データセットが収集された場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する
    射線画像診断装置。
  4. 前記再構成部は、前記第2の時相に関する前記心臓の変位量に応じて更新頻度を変化させ、
    前記更新頻度は、処理対象の時相数に占める、前記第2の時相に関する逆投影画像が初期画像として選択される割合により規定される、
    請求項3記載の放射線画像診断装置。
  5. 複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、
    を具備し、
    前記再構成部は、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像と前記第2の時相に関する撮像データセットに基づく解析学的画像再構成により生成された逆投影画像との差分画像に基づいて、前記第2の時相に関する前記第2の再構成画像を生成する
    射線画像診断装置。
  6. 前記再構成部は、前記差分画像に逐次近似再構成を施して差分逐次近似再構成画像を生成し、前記差分逐次近似再構成画像と前記第1の再構成画像との加算画像を、前記第2の再構成画像として生成する、請求項5記載の放射線画像診断装置。
  7. 前記再構成部は、前記差分画像に血管抽出処理を施して血管領域を抽出し、前記第1の再構成画像のうちの前記血管領域に対応する画像領域の画素値が前記血管領域の画素値に置き換えられた置換画像を、前記第2の再構成画像として生成する、請求項5記載の放射線画像診断装置。
  8. 複数の時相に亘って被検体を放射線により撮像し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを収集する撮像部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、
    を具備し、
    前記再構成部は、前記複数の時相のうちの初回の時相から特定の時相までの範囲については順方向の逐次近似再構成を実行し、前記複数の時相のうちの最終回の時相から前記特定の時相までの範囲については逆方向の逐次近似再構成を実行する
    射線画像診断装置。
  9. 前記再構成部は、前記順方向の逐次近似再構成と前記逆方向の逐次近似再構成とを並列に実行する、請求項8記載の放射線画像診断装置。
  10. 前記第2の時相は、前記第1の時相に対し時系列で隣接し且つ前記第1の時相後の時相である、請求項1から請求項9のいずれか1項記載の放射線画像診断装置。
  11. 前記第1の再構成画像に含まれる前記被検体の解剖学的形状と、前記第2の再構成画像に含まれる前記被検体の解剖学的形状とは略同一である請求項1から請求項10のいずれか1項記載の放射線画像診断装置。
  12. 前記複数の時相のうちの始めに再構成対象となる初期時相は、前記複数の時相のうちの、撮像データセットを収集した最初の時相または最後の時相である、請求項1から請求項11のいずれか1項記載の放射線画像診断装置。
  13. 前記複数の時相のうちの始めに再構成対象となる初期時相よりも後の時相における前記逐次近似再構成の上限回数は、前記初期時相における前記逐次近似再構成の上限回数よりも少ない、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の放射線画像診断装置。
  14. 複数の時相に亘り放射線により撮像された被検体に関し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備し、
    前記複数の撮像データセットは、前記複数の時相に亘って前記被検体に対する造影剤の投与により造影された部位が撮像されたデータセットであり、
    前記再構成部は、前記第2の時相に関する撮像データセットが前記部位における造影剤の濃度の変化量が所定の範囲内である期間に収集された場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する、
    医用画像処理装置。
  15. 複数の時相に亘り放射線により撮像された被検体に関し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備し、
    前記複数の撮像データセットは、前記被検体が載置された天板を往復移動させて前記被検体に関する撮像範囲を撮像されたデータセットであり、
    前記再構成部は、前記第2の時相に関するスライス位置と、前記第1の時相に関するスライス位置とが略同一である場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する、
    医用画像処理装置。
  16. 複数の時相に亘り放射線により撮像された被検体に関し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備し、
    前記複数の撮像データセットは、前記被検体の心臓の拍動と同期させて前記被検体を撮像する心電同期スキャンを実行することにより得られたデータセットであり、
    前記再構成部は、前記心臓の変位量が所定の範囲内である期間に前記第2の時相に関する撮像データセットが収集された場合、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像を前記第2の時相に関する初期画像に設定する、
    医用画像処理装置。
  17. 複数の時相に亘り放射線により撮像された被検体に関し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備し、
    前記再構成部は、前記第1の時相に関する前記第1の再構成画像と前記第2の時相に関する撮像データセットに基づく解析学的画像再構成により生成された逆投影画像との差分画像に基づいて、前記第2の時相に関する前記第2の再構成画像を生成する、
    医用画像処理装置。
  18. 複数の時相に亘り放射線により撮像された被検体に関し、前記複数の時相に関する複数の撮像データセットを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像データセットに逐次近似再構成を実行して前記複数の時相に関する複数の再構成画像を生成する再構成部であって、前記複数の時相のうちの第1の時相に関する撮像データセットに基づき逐次近似再構成を実行して得られた第1の再構成画像を初期画像として、逐次近似再構成を実行して前記第1の時相と異なる第2の時相に関する第2の再構成画像を生成する、再構成部と、を具備し、
    前記再構成部は、前記複数の時相のうちの初回の時相から特定の時相までの範囲については順方向の逐次近似再構成を実行し、前記複数の時相のうちの最終回の時相から前記特定の時相までの範囲については逆方向の逐次近似再構成を実行する、
    医用画像処理装置。
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