JP7065494B2 - ファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服の服本体、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法 - Google Patents

ファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服の服本体、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば空気を流通させることにより人体から出た汗を蒸発させる空気流通式マットや空調衣服等に使用されるファンを、布等のシート状部材に取り付けるためのファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服の服本体、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法に関するものである。
近年、空気を流通させることにより人体から出た汗を蒸発させる空気流通式マットや空調衣服等が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、空調衣服は、空気が漏れにくい素材で縫製され、後側の下方にはファンを取り付けるための二つのファン取付部が設けられている。ファンをファン取付部に取り付け、ファンを作動させると、大量の外気がファンから空調衣服内に取り込まれる。その取り込まれた外気は、人体に平行に上方に流通し、例えば襟周りや袖口から排出される。外気が空調衣服内に流通する間に人体から出た汗を蒸発させ、その蒸発するときの気化熱により体表面の温度を下げることができる。
このような空気流通式マットや空調衣服等においては、ファンをファン取付部に隙間なくしっかりと取り付けることができ、かつ洗濯等の際には、使用者がファンをファン取付部から簡単に取り外すことができるようにする必要がある。
このため、ファンとしては、特許文献1の図12に示された構造のものを用いることが望ましい。
このファンは、ファン本体と環状の係止部材とを備え、ファン本体は、中空状の筒状部と、筒状部の上端から筒状部の側面と略垂直な方向に突出するフランジ部とを有する。ファン本体をシート状部材の表面からシート状部材に設けられた開口部に押し込んだ上で、シート状部材の裏面側から筒状部に係止部材を取り付け、フランジ部の裏面と係止部材の端面とによって、シート状部材の開口部の周囲の端部を挟み込むことによって、ファンがシート状部材に取り付けられる。
このようなファンを取り付けるためのファン取付部としては、単にシート状部材にファンを取り付けるための孔部を形成しただけのものを用いたのでは、シート状部材は伸縮性を有することから、ファンに強い力が働いた際に、ファンがシート状部材から容易に外れてしまう。
そこで、ファン取付部は、孔部が形成されたシート状部材と、当該孔部の周囲におけるシート状部材の端部に設けられた非伸縮性素材と、によって形成される(例えば、特許文献1参照)。
そして、空気流通式マットや空調衣服等の製造効率を向上させるためには、ファン取付部は、可能な限り簡易に作製できることが望ましい。そこで、上記のような非伸縮性素材を備えたファン取付部を簡易に作製することを意図した発明が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
再公表特許第2006/009108号公報 再公表特許第2015/140926号公報 特許第6159047号公報
しかしながら、まず、特許文献2に記載のファン取付部及びファン取付部の作製方法においては、孔部周囲におけるシート状部材のほつれを防止するための強化処理が必須となること等から、ファン取付部の作製工程を十分に簡易化することはできなかった。
また、特許文献3に記載のファン取付部及びファン取付部の作製方法においても、服地となるシート状部材の他に裏地となるシート状部材を別途要すること等から、ファン取付部の作製工程を十分に簡易化することはできなかった。
本発明の課題は、簡易に作製することができるファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服の服本体、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ファン取付用の第1孔部を有するシート状部材に、第2孔部を有する補強リングが固定されたファン取付部であって、
前記第1孔部と前記第2孔部とが重なるように、前記シート状部材の一面と前記補強リングの一面とが固定される第1固定部と、
前記第1固定部により固定された状態の前記シート状部材が前記補強リングの前記第2孔部を貫通して前記補強リングの一面側から他面側に折り返されて、前記シート状部材の他面と前記補強リングの他面とが固定される第2固定部と、
を備え
前記第2孔部の縁に沿って前記シート状部材が前記第2孔部に通され、前記シート状部材の前記第2孔部の縁に沿う部分の内側に、ファンを取り付けるための開口部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のファン取付部において、
前記第1固定部は、前記補強リングの内縁の近傍に形成され、
前記第2固定部は、前記補強リングの外縁の近傍に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、空調衣服の服本体において、
請求項1又は2に記載のファン取付部を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、空調衣服において、
請求項3に記載の服本体を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、ファン取付部の作製方法において、
ファン取付用の第1孔部を有するシート状部材に、第2孔部を有する補強リングを固定するファン取付部の作製方法であって、
前記第1孔部と前記第2孔部とが重なるように、前記シート状部材の一面と前記補強リングの一面とを固定する第1固定部形成工程と、
前記シート状部材を、前記補強リングの前記第2孔部に貫通させることで、前記補強リングの一面側から他面側に折り返して、前記第2孔部の縁に沿って前記シート状部材が前記第2孔部に通された状態とした上で、折り返した前記シート状部材の他面と前記補強リングの他面とを固定する第2固定部形成工程と、
を含み、
前記シート状部材の前記第2孔部の縁に沿う部分の内側に、ファンを取り付けるための開口部を形成することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のファン取付部の作製方法において、
前記第1固定部形成工程及び前記第2固定部形成工程は、縫合により前記シート状部材と前記補強リングとを固定することを特徴とする。
本発明によれば、簡易に作製することができるファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服の服本体、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法を提供することができる。
(a)は、ファン取付部に取り付けて用いられるファンのファン本体を示す図、(b)はファン取付部に取り付けて用いられるファンの取り付けリングを示す図である。 (a)は、第1実施形態に係るファン取付部をシート状部材の表面側から見た図、(b)は、第1実施形態に係るファン取付部をシート状部材の裏面側から見た図である。 第1実施形態に係るシート状部材を表面側から見た図である。 第1実施形態に係る補強部材を表面側から見た図である。 図2(a)のV‐V部における断面図である。 第1実施形態に係るファン取付部にファンを取り付けた状態を示す図である。 第1実施形態に係るファン取付部の作製方法の第2工程及び第2実施形態に係るファン取付部の作製方法の第1工程で使用される縫製用治具を示す図である。 第1実施形態に係るファン取付部の作製方法の第2工程を示す概略図である。 第1実施形態に係るファン取付部の作製方法の第3工程後の状態を示す、図5と同一の部分における断面図である。 第1実施形態に係るファン取付部の作製方法の第4工程を示す概略図である。 第1実施形態に係るファン取付部を備えた空調衣服の非着用時における正面図である。 第2実施形態に係るファン取付部の作製方法の第1工程を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態であるファン取付部、ファン取付部を備えた空調衣服及びファン取付部の作製方法について、図1から図12に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1から図11に基づいて説明する。
{ファンの構成}
ファン取付部1は、空気流通式マットや空調衣服等に使用されるファンをシート状部材に取り付けるためのものである。したがって、まず、ファン取付部1に取り付けて用いられるファンの構成について説明する。
空気流通式マットや空調衣服等に使用されるファン2は、図1に示すように、モータやプロペラが収納されるファン本体21と、取付けリング22とを備える。ファン本体21は、筒状部211と、この筒状部211の上端から筒状部211の側面と略垂直な方向に突出するフランジ部212とを有する。筒状部211をその中心軸に垂直な平面で切ったときの断面の外形は円形である。なお、当該断面における筒状部211の外径をFとする。
また、取付けリング22は、ファン本体21をファン取付部1に取り付けるための専用具であり、内径が筒状部211の外径Fと略同じとなる円環状に形成される。
ファン本体21の筒状部211には、二つの係止爪213が設けられている。一方、取付けリング22の内面には、各係止爪213と係合して、取付けリング22を筒状部211の外表面に固定するための突起部(不図示)が設けられている。
なお、ファン2の構成は、筒状部211とフランジ部212とを有し、ファン取付部1に取り付けることが可能な範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、筒状部211をその中心軸に垂直な平面で切ったときの断面の外形は、円形に限られず、その他の形状、例えば楕円形であってもよい。この場合、取付けリング22も、これに合致する形状に形成される。
{ファン取付部の構成}
次に、ファン取付部1の構成について説明する。図2に示すように、ファン取付部1は、空気流通式マットや空調衣服等を形成するシート状部材11の一部と、補強リング12とによって形成されている。
(シート状部材)
シート状部材11は空気流通式マットや空調衣服等の生地として用いられるものである。このシート状部材11の素材としては、空気が漏れにくい素材、例えば一般の綿布等が用いられる。シート状部材11には、図3に示すように円形の第1孔部111が形成されている。
なお、以下においては、シート状部材11を用いて空気流通式マットや空調衣服等を作製した際に、その表側(空気流通式マットや空調衣服等の外面側)に位置する面をシート状部材11の表面11aとし、その裏側(空気流通式マットや空調衣服等の内面側)に位置する面をシート状部材11の裏面11bとする。
第1孔部111は、ファン2の筒状部211を通すための円形の孔であり、シート状部材11のファン取付部1を形成する所定の位置に形成されている。なお、第1孔部111の直径をL1とする。
第1孔部111は、直径L1が、筒状部211の外径Fよりも僅かに大きく、後述の補強リング12の第2孔部121の直径L2と略同じとなるように形成されている。
なお、第1孔部111は、上記のように直径L1が第2孔部121の直径L2と略同じとなるように形成されていることが最も好ましく、また、そうでない場合においても、ファン2の筒状部211を通し易く、かつ後述の第1固定部13を形成し易いように、少なくとも、直径L1が、第2孔部121の直径L2以上となり、かつ補強リング12の外径L3より小さいことが好ましい。
ただし、シート状部材11は伸縮性を有することから、第1孔部111の大きさは、シート状部材11の伸縮によってある程度調整することができる。したがって、上記の範囲外であっても、シート状部材11の伸縮に伴って、第1孔部111の大きさを変更することによって、ファン2の筒状部211を通すことができ、かつ後述のように第1固定部13を形成できる範囲内であれば、任意の大きさに形成することができる。
また、第1孔部111の形状は、必ずしも円形に限られず、使用するファンの筒状部をその中心軸に垂直な平面で切ったときの断面の外形に合わせて決定される。例えば、使用するファンの筒状部の断面が楕円形であれば、第1孔部111も、楕円形に形成されることとなる。ただし、上記のようにシート状部材11は伸縮性を有することから、必ずしも厳密に使用するファンの筒状部の断面の外形と同一の形状であることを要するわけではない。
(補強リング)
補強リング12は、図4に示すように、扁平な円環状に形成され、内周側に第2孔部121が形成されている。なお、補強リング12の内径(第2孔部121の直径)をL2、外形をL3とする。
補強リング12の素材としては、洗濯可能なものであって、伸縮性があまりなく、しかも、縫合可能な素材が用いられる。具体的には、プラスチック、樹脂含浸布、人工皮革、伸縮性のないゴム等の素材を用いることができる。例えば、厚さ0.5mmのポリプロピレン製のシートを打ち抜き加工することにより、内径65mm、外形73mm、幅4mmの扁平な円環状に形成されたものが用いられる。
なお、以下においては、補強リング12をシート状部材11に取り付けて空気流通式マットや空調衣服等を作製した際にその表側(空気流通式マットや空調衣服等の外面側)を向く面を補強リング12の表面12aとし、その裏側(空気流通式マットや空調衣服等の内面側)を向く面を補強リング12の裏面12bとする。
第2孔部121は、ファン2の筒状部211を通すための円形の孔であり、補強リング12の中央に形成されている。
第2孔部121は、その直径L2が、筒状部211の外径Fよりも僅かに大きくなるように形成されている。
なお、第2孔部121の形状は、円形に限られず、使用するファンの筒状部をその中心軸に垂直な平面で切ったときの断面の外形に合わせて決定される。例えば、使用するファンの筒状部の断面の外形が楕円形であれば、第2孔部121は、それよりも僅かに大きい楕円形に形成されることとなる。
(第1固定部及び第2固定部)
シート状部材11と補強リング12とは、図5に示すように円周状に二重に縫合されることによって固定されている。
すなわち、シート状部材11と補強リング12とは、まず、図5に示すように、シート状部材11の第1孔部111の近傍と、補強リング12の内縁付近の第2孔部121の近傍とが、シート状部材11の表面11aと、補強リング12の裏面12bとが接した状態で、円周状に縫合され、第1固定部13が形成されている。なお、シート状部材11と補強リング12との固定手段は、縫合が好ましいが、これに限られず、両者を円周状に固定可能であれば、接着、融着等任意の手段を用いることができる。
さらに、図5に示すように、シート状部材11は第1固定部13の外周側において裏面11b側に折り返され、シート状部材11の第1孔部111及び補強リング12の第2孔部121を通って、補強リング12の表面12a側に引き出されており、図2及び図5に示すように、シート状部材11の裏面11bと、補強リング12の表面12aとが接した状態で、補強リング12の外縁付近において円周状に縫合され、第2固定部14が形成されている。なお、シート状部材11と補強リング12との固定手段は、縫合が好ましいが、これに限られず、両者を円周状に固定可能であれば、接着、融着等任意の手段を用いることができる。
このように、補強リング12の第2孔部121には、その縁に沿ってシート状部材11が通され、その内側に開口部15が形成されることから、ファン2の筒状部211が通されることとなる開口部15の直径L4は、補強リング12の内径L2よりも、シート状部材11の2枚分の厚みの分小さくなる。
したがって、補強リング12の内径L2は、筒状部211の外径Fよりも、少なくともシート状部材11の2枚分の厚みの分大きい必要がある。
なお、第1固定部13及び第2固定部14の形成位置は、図5に示すように、補強リング12の内縁の近傍に第1固定部13が形成され、外縁の近傍に第2固定部14が形成されるようにすることが、シート状部材11と補強リング12とを安定して固定するために好ましい。
しかし、これに限られず、シート状部材11の表面11aと、補強リング12の裏面12bが接するように第1固定部13が形成され、シート状部材11の裏面11bと、補強リング12の表面12aとが接するように第2固定部14が形成され、シート状部材11が第2孔部121を挿通していれば、上記と異なる位置に第1固定部13及び第2固定部14を形成することも可能である。
{ファンの取付方法}
ファン取付部1にファン2を取り付けるには、まず、ファン本体21の筒状部211を、シート状部材11の表面11a側から開口部15に挿入して、フランジ部212の裏面が、開口部15の周囲におけるシート状部材11の表面11aと接するようにする。次に、取付けリング22を筒状部211の外側に差し込むことにより、フランジ部212の裏面と取付けリング22の端面とによって開口部15の周囲のシート状部材11及び補強リング12を挟み込むと共に、その挟み込んだ状態で筒状部211に設けられた係止爪213と取付けリング22に設けられた突起部とを係合させることにより、取付けリング22をファン本体21に装着する。こうして、図6に示すように、ファン2がファン取付部1に取り付けられる。
{ファン取付部の作製方法}
次に、ファン取付部1の作製方法について説明する。かかるファン取付部の作製方法は、第1工程から第4工程までの4つの工程からなる。
(第1工程)
第1工程は、シート状部材11に第1孔部111を形成する工程である。
具体的には、シート状部材11の、ファン取付部1を形成する所定の位置において、形成する第1孔部111の直径L1と略同一の径の切断刃を有する切断機を用いてシート状部材11を円形に切断することにより、シート状部材11に、図3に示すような第1孔部111を形成する。
(第2工程)
第2工程は、第1固定部13の形成工程である。
第2工程における縫合作業では、所定の縫製用治具3が用いられる。この縫製用治具3は、図7に示すように、略円柱状に形成されている。また、縫製用治具3の外径は、補強リング12の内径L2と略同じである。また、縫製用治具3の上部には面取りが施されている。
この第2工程では、まず、図8に示すように、ミシンテーブル4上に縫製用治具3を載置する。次に、シート状部材11の第1孔部111を、シート状部材11の表面11aが上を向くようにして、縫製用治具3に差し込む。次に、補強リング12の第2孔部121を、補強リング12の表面12aが上を向くようにして縫製用治具3に差し込む。これによって、シート状部材11と、補強リング12とが、第1孔部111と、第2孔部121とが重なった状態で重ね合わせられる。
続いて、図8に示すように、ミシン5の押さえ金の柱部51を縫製用治具3の側壁に直角に当てた状態で、ミシン5を用いてシート状部材11と補強リング12とを、補強リング12の内縁の近傍、すなわち第2孔部121の近傍において、円周状に縫合する。これによって、第1固定部13が形成される。
なお、この際には、第1固定部13が、補強リング12の内縁の近傍に形成されるように、ミシン5の抑え金の柱部51を調整する。
(第3工程)
第3工程は、シート状部材11を、補強リング12の第2孔部121に貫通させる工程である。
具体的には、シート状部材11を第1固定部13の外周側において裏面11b側に折り返し、第1孔部111の周囲の部分以外の全体を、第1孔部111及び第2孔部121を介して補強リング12の表面12a側に引き出し、補強リング12の表面12a側と、シート状部材11の裏面11b側とが接するようにすることで、図9に示す状態とする。
また、補強リング12が、幅が狭い円環状に形成されており、一定の柔軟性を有する場合には、補強リング12を、第2孔部121側に反転させつつ、第2孔部121及び第1孔部111を介してシート状部材11の裏面11b側に引き出し、補強リング12を360°反転させて、補強リング12の表面12a側と、シート状部材11の裏面11b側とが接するようにすることで、図9に示す状態とすることも可能である。
(第4工程)
第4工程は、第2固定部14の形成工程である。
第4工程における縫合作業では、所定の縫製用治具3Aが用いられる。この縫製用治具3Aは、図7に示す第2工程で用いられる縫製用治具3と類似するが、縫製用治具3Aの外形は、補強リング12の内径L2よりわずかに小さく、開口部15の直径L4と略同じである。
この第4工程では、図10に示すように、ミシンテーブル4上に縫製用治具3Aを載置する。次に、第3工程を経て、図9に示す状態となったシート状部材11及び補強リング12を、補強リング12の表面12a側が下方に向くように縫製用治具3Aに差し込む。
続いて、図10に示すように、ミシン5Aの押さえ金の柱部51Aを縫製用治具3Aの側壁に直角に当てた状態で、ミシンを用いてシート状部材11と補強リング12とを、補強リング12の外縁の近傍で、円周状に縫合する。これによって、第2固定部14が形成される。
なお、この際には、第2固定部14が、補強リング12の外縁の近傍に形成されるように、ミシン5Aの抑え金の柱部51Aを調整する。
{ファン取付部を備えた空調衣服}
ファン取付部1を備えた物品の一例として、ファン取付部1、1を備えた空調衣服100について説明する。なお、以下においては、着用者が空調衣服100を着用した状態を基準として、着用者の前側を前、着用者の後側を後、着用者の上側を上、着用者の下側を下、着用者の右手側を右、着用者の左手側を左と定めて説明する。
ファン取付部1、1を備えた空調衣服100は、例えば、図11に示すように、服本体6と、ファン2、2と、ファン2、2に電源を供給するための電源装置(不図示)と、電源装置とファン2、2とを接続する電源ケーブル(不図示)と、を備える。
(服本体)
服本体6は、図11に示すように、ファン取付部1、1を有するシート状部材11で形成された服地部61と、開閉手段62と、裾部空気漏れ防止手段63と、を備える。
本実施形態では、図11に示すように、服本体6をブルゾン型の上衣の形状に形成しているが、服本体6の形状はこれに限られず、例えば着用者の胴部のみを覆うベスト型に形成してもよい。また、つづき服や冬用コートのように下半身も覆うようにしてもよい。
(服地部)
服地部61は、図11に示すように、シート状部材11によって、着用者の胴部及び腕部を覆う形状に形成されている。
服地部61には、着用者の腰の左右に対応する位置に、略同一の高さにおいて、ファン取付部1、1が備えられている。そして、ファン取付部1、1にはファン2、2が取り付けられる。
なお、ファン取付部1、1が備えられる位置としては、上記の位置に限られず、服地部61の側面、前身頃等に形成することも可能である。また、ファン取付部1が形成される箇所は、2か所に限られず、これより少数又は多数のファン取付部1…を形成し、これに対応した数のファン2…を取り付けてもよい。
服地部61の襟部には、ファン2、2によってファン取付部1、1から導入された空気を着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の首と服地部61の襟部の端部との間に形成された開口部である襟部空気排出部612が形成されている。
また、服地部61の袖部には、ファン2、2によってファン取付部1、1から導入された空気を着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の腕と服地部61の袖部の端部との間に形成された開口部である袖部空気排出部613、613が形成されている。
(開閉手段)
開閉手段62は、服地部61の前部に備えられ、空調衣服100を着用する際に、服地部61の前部を開閉するためのものである。開閉手段62としては、例えば、ファスナー等が用いられる。
(裾部空気漏れ防止手段)
裾部空気漏れ防止手段63は、図11に示すように、服地部61下部に備えられた、服地部61と着用者の身体との間の空間内の空気が服地部61の裾部から外部に漏れることを防止するための部材であり、例えば、服地部61の下部の端部付近に、ゴム紐等の伸縮性のある部材を、着用者の身体を周回するように備えることによって形成される。空調衣服100の着用時においては、裾部空気漏れ防止手段63によって、服地部61の裾部が絞り込まれて着用者の身体に密着し、服地部61下部から空気が外部に漏れることを防止することができる。
{効果}
本実施形態に係るファン取付部1及びその作製方法によれば、ファン取付部の作製にシート状部材11と補強リング12以外の部材を要しない。
また、図5に示すように、開口部15の周囲は、シート状部材11によって覆われ、シート状部材11の第1孔部111も、補強リング12の第2孔部121も外部に露出することはない。
したがって、シート状部材11の第1孔部111の周囲に、ほつれを防止するための強化処理を施す必要はない。また、シート状部材11の第1孔部111及び補強リング12の第2孔部121は、共に外部から視認できないのであるから、これらの断面を丁寧に仕上げる必要もない。
以上のように、本実施形態に係るファン取付部1及びその作製方法によれば、シート状部材に容易にファン取付部を形成することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図12に基づいて説明する。
なお、第2実施形態は、ファン取付部の作製方法以外は第1実施形態と同様であることから、ファン取付部の作製方法についてのみ説明する。
{ファン取付部の作製方法}
第2実施形態に係るファン取付部の作製方法は、第1工程から第4工程までの4つの工程からなる。
(第1工程)
第1工程は、第1固定部13の形成工程である。
第1工程における縫合作業では、第1実施形態における第2工程と同様の、図7に示す縫製用治具3が用いられる。
第1工程では、まず、図12に示すように、ミシンテーブル4上に、シート状部材11を、表面11aを上に向けて載置する。次に、縫製用治具3を、ファン取付部1を形成する所定の位置において、シート状部材11の上に載置する。具体的には、作製されるファン取付部1の開口部15の中心と、縫製用治具3の中心とが一致するように縫製用治具3を載置する。
次に、補強リング12の第2孔部121を、補強リング12の表面12aが上を向くようにして縫製用治具3に差し込む。
続いて、図12に示すように、ミシン5の押さえ金の柱部51を縫製用治具3の側壁に直角に当てた状態で、ミシン5を用いてシート状部材11と補強リング12とを、補強リング12の内縁の近傍、すなわち第2孔部121の近傍において、円周状に縫合する。これによって、第1固定部13が形成される。
なお、この際には、第1固定部13が、補強リング12の内縁の近傍に形成されるように、ミシンの抑え金の柱部51を調整する。
(第2工程)
第2工程は、シート状部材11に第1孔部111を形成する工程である。
具体的には、形成する第1孔部111の直径L1と略同一の径の切断刃を有する切断機を、補強リング12の表面12a側から第2孔部121に挿入し、シート状部材11を第2孔部121と同心円状の円形に切断することにより、シート状部材11に、第2孔部121と重なるように第1孔部111を形成する。
(第3工程及び第4工程)
第3工程及び第4工程は、第1実施形態における第3工程及び第4工程と同様である。
{効果}
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
1 ファン取付部
11 シート状部材
111 第1孔部
11a 表面(一面)
11b 裏面(他面)
12 補強リング
121 第2孔部
12a 表面(他面)
12b 裏面(一面)
13 第1固定部
14 第2固定部
100 空調衣服
6 服本体

Claims (6)

  1. ファン取付用の第1孔部を有するシート状部材に、第2孔部を有する補強リングが固定されたファン取付部であって、
    前記第1孔部と前記第2孔部とが重なるように、前記シート状部材の一面と前記補強リングの一面とが固定される第1固定部と、
    前記第1固定部により固定された状態の前記シート状部材が前記補強リングの前記第2孔部を貫通して前記補強リングの一面側から他面側に折り返されて、前記シート状部材の他面と前記補強リングの他面とが固定される第2固定部と、
    を備え
    前記第2孔部の縁に沿って前記シート状部材が前記第2孔部に通され、前記シート状部材の前記第2孔部の縁に沿う部分の内側に、ファンを取り付けるための開口部が形成されていることを特徴とするファン取付部。
  2. 前記第1固定部は、前記補強リングの内縁の近傍に形成され、
    前記第2固定部は、前記補強リングの外縁の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファン取付部。
  3. 請求項1又は2に記載のファン取付部を備えることを特徴とする空調衣服の服本体。
  4. 請求項3に記載の服本体を備えることを特徴とする空調衣服。
  5. ファン取付用の第1孔部を有するシート状部材に、第2孔部を有する補強リングを固定するファン取付部の作製方法であって、
    前記第1孔部と前記第2孔部とが重なるように、前記シート状部材の一面と前記補強リングの一面とを固定する第1固定部形成工程と、
    前記シート状部材を、前記補強リングの前記第2孔部に貫通させることで、前記補強リングの一面側から他面側に折り返して、前記第2孔部の縁に沿って前記シート状部材が前記第2孔部に通された状態とした上で、折り返した前記シート状部材の他面と前記補強リングの他面とを固定する第2固定部形成工程と、
    を含み、
    前記シート状部材の前記第2孔部の縁に沿う部分の内側に、ファンを取り付けるための開口部を形成することを特徴とするファン取付部の作製方法。
  6. 前記第1固定部形成工程及び前記第2固定部形成工程は、縫合により前記シート状部材と前記補強リングとを固定することを特徴とする請求項に記載のファン取付部の作製方法。
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