以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、被格納物としてコンテナなどを格納するユニット式格納体と、被格納物として自動車Vを格納するユニット式格納体を例に説明する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における上下左右方向及び前後方向の概念は、図1に示すように第1ユニット式格納体1に正面側から向かった状態における上下左右方向及び前後方向の概念と一致するものとする。また、この明細書及び特許請求の範囲の書類中において、「横行」は左右方向への移動をいい、「縦行」は前後方向への移動をいう。
(第1実施形態に係る第1ユニット式格納体の構成)
図1は、第1実施形態に係る第1ユニット式格納体1を示す斜視図である。図2は、図1に示す第1ユニット式格納体1の横行装置30を示す斜視図である。図3(A)、(B)は、図2に示す横行装置30を進出又は後退させた状態を示す側面図である。図4は、図1に示すユニット式格納体1の昇降装置10を示す斜視図である。
図1に示すように、第1ユニット式格納体1は、四隅の鉛直方向に設けられた柱材2と、柱材2を前後方向に連結する前後梁材3と、柱材2を左右方向に連結する左右梁材4とを有する矩形状の枠体5を備えている。1つの枠体5の内部が被格納物を格納する格納スペース7に形成されている。枠体5は、隣接する枠体5と連結可能となっている。枠体5の連結は、例えば、枠体5の対向する位置にボルト穴が設けられ、それらのボルト穴をボルト・ナットで連結する構成などを用いることができる。連結する構成は、図示を省略している。
枠体5の下部には、前部と後部に横行装置30が備えられている。横行装置30の上部には、パレット110が載置されている。パレット110は、前部と後部がそれぞれ横行装置30によって支持され、横行装置30によって左右方向に横行可能となっている。また、枠体5には、パレット110の四隅を支持して昇降させる昇降部を有する昇降装置10が設けられている。昇降装置10は、パレット110を昇降させる索状体たる昇降チェーン11を枠体5の四隅近傍に有している。横行装置30は、左右位置に設けられた昇降装置10の昇降チェーン11の間に設けられている。横行装置30は、昇降チェーン11の間で枠体5の内方に向けて進出又は枠体5の外方に向けて後退するようになっている。
図2,3に示すように、横行装置30は、パレット110の下面に設けられた横行レール(図3)111を支持する複数の横行ローラ32が設けられた横行ユニット31を有している。横行ローラ32は、左右方向に所定間隔で設けられており、横行装置30に設けられた横行駆動機33によって回転させられる。横行ローラ32を回転させる構成は、この例では、横行駆動機33によって各横行ローラ32と同軸に設けられたスプロケット32aに掛けられた横行チェーン34を回転させる構成となっている。横行ローラ32を回転させる構成は、他の公知手段を用いることができる。
図3(A)に示すように、横行装置30は、横行ユニット31を枠体5の内方に向けて進出させてパレット110の支持位置に配置した状態にできる。また、図3(B)に示すように、横行装置30は、横行ユニット31をパレット110の支持位置から枠体5の外方に向けて後退させた状態にできる。横行ユニット31の「進出」は、枠体5の内方に向けた移動をいう。横行ユニット31の「後退」は、枠体5の外方に向けた移動をいう。横行ユニット31は、後退させた状態では昇降させるパレット110に干渉しない位置となる。
横行ユニット31を進出又は後退させる構成は、横行ユニット31の左右端部に設けられている。横行ユニット31には、左右端部に水平方向に延びるガイドレール35が設けられている。ガイドレール35は、上部と下部が水平方向に折り曲げられて形成された板材である。一方、枠体5には、水平方向に延びるガイド板40に複数のガイドローラ41が設けられている。これにより、横行ユニット31は、ガイドレール35の部分がガイド板40に備えられたガイドローラ41に沿って進出又は後退するようになっている。横行ユニット31の進出又は後退は、枠体5に設けられた進退駆動機36によって行われる。この実施形態の進退駆動機36は、横行ユニット31のガイドレール35をガイドローラ41に沿って水平方向に進退させるアクチュエータとなっている。進退駆動機36は、例えば、リンク機構を介して横行ユニット31のガイドレール35をガイドローラ41に沿って水平方向に進退させる構成などにできる。横行ユニット31を進退させる機構は、これらの機構に限定されない。例えば、チェーンキャリア方式やラックアンドピニオンなどの機構とすることもできる。
図4に示すように、昇降装置10は、枠体5の下端部に設けられた回転体たる下部スプロケット13と枠体5から上方に突出して上端部に設けられた回転体たる上部スプロケット12との間に無端状に掛けられた昇降チェーン11を有している。上部スプロケット12は、枠体5から上方に突出するように設けられたブラケット16に支持されている。枠体5の上部には、左右方向に延びる連結軸17が回転可能に設けられている。連結軸17は、枠体5に設けられた昇降駆動機14によって回転させられる。連結軸17に設けられた駆動スプロケット18と上記左右の上部スプロケット12との間には、駆動チェーン19が掛けられている。昇降駆動機14で連結軸17を回転させることにより、駆動チェーン19を介して左右の昇降チェーン11を同期させて旋回駆動することができる。
昇降チェーン11には、所定位置に昇降部の係合部材たる係合フック15が設けられている。昇降チェーン11を回転させることで、後述するように係合フック15をパレット110に係合させ、その状態でパレット110を持ち上げることができる。
なお、昇降装置10は、油圧シリンダやリニアアクチュエータで構成することもできる。この場合、パレット110を油圧シリンダやリニアアクチュエータで昇降させ、上方又は下方の第1ユニット式格納体1に備えられたロッキング装置や昇降装置10、進退するレール又はローラ列で受け取る方式などで構成することができる。また、係合フック15に代えて、前後又は左右に一対の索状体に渡し掛けたレール状の(縄梯子状の)係合部材とし、パレット110に設けたローラや突起部に係合させるようにしてもよい。
また、図1に示すように、昇降装置10の昇降チェーン11は、枠体5の中心線Cに対して左右方向にオフセットされている。この実施形態では、中心線Cに対して、前部の昇降チェーン11が左右方向の外側に位置し、後部の昇降チェーン11が左右方向の内側に位置するようにオフセットされている。すなわち、前部の昇降チェーン11が間隔L1であるのに対して、後部の昇降チェーン11は間隔L2となっている。昇降チェーン11をオフセットさせることで、同一の第1ユニット式格納体1を前後反転させて積み重ねることで、下方の昇降チェーンの11の係合フック15と上方の昇降チェーン11の係合フック15とが逆位置で近接した状態で配置されるようになっている。昇降チェーン11のオフセット量ΔL(図5)としては、後述するように、第1ユニット式格納体1を前後で反転させて積み重ねたときに、一方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11で昇降させたパレット110を、他方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11に受け渡しができる量に設定される。さらに、この実施形態では、昇降装置10の昇降チェーン11が、枠体5から上方に突出している。昇降チェーン11の突出量ΔHは、後述する。ここでのオフセット量ΔLは、反転して組合せたときの相対的なオフセット量で説明する(以下同様)。
なお、この実施形態では、前部の昇降チェーン11が左右方向の外側にオフセットされ、後部の昇降チェーン11が左右方向の内側にオフセットされているが、昇降チェーン11のオフセットは、後述する図9,10に示す第2ユニット式格納体50のように左右方向の一方に片寄るようにしてもよい。また、以下の例では同一の第1ユニット式格納体1を前後反転させて積み重ねるものについて説明するが、これに代えて、昇降部のオフセットの方向や量が互いに異なる2種類の第1ユニット式格納体1を予め用意し、これらを組み合わせるようにしてもよい。
(第1ユニット式格納体の積み重ね)
図5は、第1ユニット式格納体1を積み重ねる状態を示す図面であり、(A)は積み重ねる前の状態を示す正面図、(B)は積み重ねた状態を示す正面図である。図6は、図5に示す第1ユニット式格納体1を積み重ねた状態における昇降装置10の受け渡し位置の要部を示す正面図である。図7は、図6に示す昇降装置10の受け渡し位置の要部を示す斜視図である。図8は、図6に示す昇降装置10の受け渡し位置におけるパレット110の受け渡しを説明する図面であり、(A)は受け渡し前の状態を示す側面図、(B)は受け渡し後の状態を示す側面図である。図8(A)、(B)では、下方の昇降チェーン11と上方の昇降チェーン11を横方向にずらして説明している。
図5(A)に示すように、第1ユニット式格納体1の上部に、前後を反転させた第1ユニット式格納体1が積み重ねられる。図示する前部では、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が外側に位置し、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が内側に位置する。後部では、逆に下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が内側に位置し、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が外側に位置する。
図5(B)に示すように、第1ユニット式格納体1が積み重ねられると、前部では、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11の内側に上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が位置した状態で、これらの昇降チェーン11がオーバーラップして積み重ねられる。後部では、逆に下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11の外側に上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が位置した状態で、これらの昇降チェーン11がオーバーラップして積み重ねられる。このように、第1ユニット式格納体1によれば、1種類の第1ユニット式格納体1を前後で反転させて積み重ねることで、第1ユニット式格納体1を適切に上下方向に配置することができる。
図6に示すように、第1ユニット式格納体1における前部の昇降チェーン11と後部の昇降チェーン11のそれぞれのオフセット量ΔLは、それぞれの昇降チェーン11に設けられた係合フック15が干渉することなく近接して通過ようになっている。このオフセット量ΔLは、一方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15から他方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15にパレット110の受け渡しができる量に設定される。また、図7にも示すように、第1ユニット式格納体1が積み重ねられると、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11の内側に、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11が位置した状態で、それぞれの昇降チェーン11の端部がオーバーラップした状態となる。このオーバーラップは、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11に設けられた係合フック15で支持しているパレット110を、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11に設けられた係合フック15で下方から係合させてパレット110を受け渡すことができる突出量ΔHに設定される。
図8(A)に示すように、パレット110の受け渡しを行う場合、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11に設けられた係合フック15でパレット110を支持した状態で、上方の第1ユニット式格納体1の内部まで上昇させられる。パレット110を上昇させる位置は、上記したように、上方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15でパレット110を支持して、パレット110の受け渡しができる位置である。そして、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11を矢印M1の方向に回転させることで、昇降チェーン11に設けられた係合フック15がパレット110に下方から係合させられる。
その後、図8(B)に示すように、上方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11がさらに回転させられて、下方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15に係合されていたパレット110が、上方の昇降チェーン11の係合フック15に下方から係合させられて受け渡されて上昇させられる。そして、下方の昇降チェーン11を反対方向に回転させることで、下方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15は下方へ移動させられる。または、下方の昇降チェーン11を同一方向に回転させ、上死点を超えて下方へ移動させるようにしてもよい。なお、パレット110を下降させる際の受け渡しについては、上記と逆の手順となる。
このように、この実施形態では、パレット110を上昇させる時のパレット110の受け渡しを、下方の第1ユニット式格納体1の昇降装置10によってパレット110を上方の第1ユニット式格納体1の内部まで搬送し、上方の第1ユニット式格納体1の昇降装置10がそのパレット110を受け取るようにしている。
また、下方の昇降装置10の昇降チェーン11を上方に突出させる量によっては、下方の昇降チェーン11で上方の第1ユニット式格納体1の内部まで上昇させたパレット110を、上方の第1ユニット式格納体1の横行装置30の横行ユニット31に直接受け渡すことができる。この場合、パレット110を下方の昇降チェーン11で上方の第1ユニット式格納体1の内部における所定高さ位置の受け渡し待機位置まで上昇させて、その状態でパレット110を保持し、上方の第1ユニット式格納体1の横行ユニット31を進出させる。そして、下方の昇降チェーン11を反対方向に回転させることでパレット110を上方の第1ユニット式格納体1の横行ユニット31に受け渡すことができる。逆に、下方の第1ユニット式格納体1の昇降チェーン11に設けられた係合フック15によって、上方の第1ユニット式格納体1の横行ユニット31に支持されたパレット110を受け渡し待機位置まで持ち上げる。そして、横行ユニット31を後退させれば、パレット110を上方の第1ユニット式格納体1の横行装置30から下方の第1ユニット式格納体1の昇降装置10に受け渡すことができる。下方の第1ユニット式格納体1の昇降装置10に受け渡されたパレット110は、昇降チェーン11によって下方の第1ユニット式格納体1へ下降させることができる。
一方、横行装置30によるパレット110の横行は、図5(B)に示す状態で、横行ユニット31の横行ローラ32を回転させることにより、図示しない左右方向に隣接する第1ユニット式格納体1の横行ユニット31に向けてパレット110を横行させることができる。この時、隣接する第1ユニット式格納体1の横行ユニット31に設けられた横行ローラ32を回転させることで、これらで協動してパレット110を横行させることができる。
このようなパレット110の受け渡しは、後述するユニット式格納設備100に備えられた制御装置6(図14)によって制御される。制御装置6は、各パレット110を横行させる横行装置30、各パレット110を昇降させる昇降装置10の駆動制御を行う。制御装置6は、パレット110の昇降時に横行装置30の横行ユニット31を進退させる制御も行う。制御装置6は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びI/Oインターフェース等を有する。
(第2実施形態に係る第2ユニット式格納体の構成)
図9は、第2実施形態に係る第2ユニット式格納体50を示す斜視図である。図10は、図9に示す第2ユニット式格納体50を積み重ねる状態を示す正面図である。なお、上記した第1ユニット式格納体1と同一の構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
第2ユニット式格納体50は、上記した第1ユニット式格納体1とは昇降装置10の配置が異なる。このため、異なる部分のみを説明する。第2ユニット式格納体50は、前後の昇降チェーン11の間隔L3は同一であるが、枠体5の中心線Cに対して昇降チェーン11が左方向にオフセットされている。そのため、中心線Cから左位置の昇降チェーン11までは寸法L4であるが、中心線Cから右位置の昇降チェーン11までは寸法L5となっている。この昇降チェーン11のオフセット量ΔLも、第2ユニット式格納体50を前後で反転させて積み重ねた状態で、一方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15から他方の昇降チェーン11に設けられた係合フック15にパレット110の受け渡しができる量に設定される。
このように構成された第2ユニット式格納体50によっても、1種類の第2ユニット式格納体50を前後で反転させて積み重ねることで、第2ユニット式格納体50を適切に上下方向に配置することができる。なお、積み重ねられた第2ユニット式格納体50の間でのパレット110の昇降又は横行は上記第1ユニット式格納体1を積み重ねたものと同一であるため、その説明は省略する。
(第3実施形態に係るユニット式格納体の構成)
図11は、第3実施形態に係る第3ユニット式格納体60を示す平面図である。図12は、図11に示す第3ユニット式格納体60を積み重ねる状態を示す正面図である。図13は、図12に示す第3ユニット式格納体60を積み重ねる状態の側面図である。第3ユニット式格納体60は、被格納物として自動車Vを格納する例である。なお、上記第1ユニット式格納体1と同一の構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図11に示すように、第3ユニット式格納体60の枠体5は、前後方向が長辺で、左右方向が短辺となっている。第3ユニット式格納体60では、パレット110を自動車V(図14)の車高方向に昇降させ、車幅方向に横行させる。
また、横行装置30によって左右方向に隣接する第3ユニット式格納体60にパレット110を横行させる場合、隣接する第3ユニット式格納体60の横行装置30と協働して横行させることができる。このようにすれば、送り側の横行装置30によって中間付近まで送られたパレット110は、受け側の横行装置30によって自らの横行装置30上に搬送することができる。よって、パレット110の横行を円滑に行うことができる。また、昇降装置10によるパレット110の昇降も、下方の第3ユニット式格納体60における昇降装置10と上方の第3ユニット式格納体60における昇降装置10との協動によってパレット110を昇降させることができるので、円滑にパレット110を昇降させることができる。
このように、各第3ユニット式格納体60によっても、それぞれに横行装置30及び昇降装置10が備えられているため、積み重ねた第3ユニット式格納体60及び隣接する第3ユニット式格納体60の間で自動車Vを搭載するパレット110をそれぞれ受け渡すことが可能である。よって、ユニットの組合せで自由なレイアウトに対応したユニット式格納設備100(ユニット式駐車設備)を構築することが可能となる。しかも、このユニット式格納設備100によれば、任意のパレット110を昇降及び横行させる、いわゆるパズル式の動作でパレット110を円滑に移動させることが可能となる。なお、パズル式の動作は、各第3ユニット式格納体60の間で昇降、横行させる動作であり、本出願人が先に出願した特開2016-65436号公報に記載された昇降、横行の動作と同様の動作である。
(第3ユニット式格納体によるユニット式格納設備の例)
図14は、第3ユニット式格納体60を積み重ねて構築するユニット式格納設備(ユニット式駐車設備)100の例を示す図面であり、(A)は正面図、(B)はパレット110の移動例を示す説明図である。図示するユニット式格納設備100の左端を1列目とし、右方向に2列目、3列目と順にいう。また、最下段を1段目とし、上方向に2段目、3段目と順にいう。
図14に示す例は、上下方向に4段、左右方向に3列で第3ユニット式格納体60が連結されたユニット式格納設備100である。1つの第3ユニット式格納体60は、パレット110が配置されていない空スペース8となっている。1種類の第3ユニット式格納体60を前後で反転させて積み重ねることで、第3ユニット式格納体60を適切に上下方向に配置することができるので、現地にて円滑な組立作業でユニット式格納設備100を構築することができる。このようなユニット式格納設備100を構築する場合、最上段においては昇降装置は不要である。この例では、最上段の4段目は、横行装置30のみを有する構成となっている。図14(B)では、4段目も四角で示している。
図14(A)に矢印で示すように、各第3ユニット式格納体60の間では、パレット110を上下方向に昇降させることができる。また、パレット110を左右方向に横行させることができる。そのため、空スペース8を移動させることで、任意のパレット110を昇降及び横行させることができる。パレット110の昇降及び横行は、上記した第1ユニット式格納体1における動作と同一であるため、その説明は省略する。このユニット式格納設備100によれば、制御装置6による制御によって、図14(B)に矢印で示すように、各第3ユニット式格納体60の間で横行動作と昇降動作を行う、いわゆるパズル動作によってパレット110を目的位置まで円滑に移動させることができる。
(第3ユニット式格納体によるユニット式格納設備の他の例)
図15は、第3ユニット式格納体60を積み重ねて構築するユニット式格納設備(機械式格納設備)100の他の例を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は第3ユニット式格納体60の構成を示す説明図である。
図15に示す例は、上下方向に4段、左右方向に3列で第3ユニット式格納体60を連結したユニット式格納設備100であるが、この例では上下方向に高さの異なる第3ユニット式格納体60を連結している。図15(B)に示すように、1段目は高さが高いH1で、2段目は高さが低いH3で、3段目は高さが中くらいの高さH2となっている。4段目は、3段目と同じ高さH2で示している。この例は、例えば、1段目が入出庫階であり、運転者の歩行時における頭上空間を確保するために1段目を高くしたい場合に利用できる。この例では、2段目の高さを自動車V(被格納物)が横行できる高さまで低くすることでユニット式格納設備100の高さを抑えている。また、この例は、入出庫階の高さを建物床面に揃える場合などの目的でも利用できる。この例でも、1つの第3ユニット式格納体60は、パレット110が配置されていない空スペース8となっている。そして、この例によっても、図15(A)に矢印で示すように、各第3ユニット式格納体60の間でパレット110を上下方向に昇降させることができる。また、各第3ユニット式格納体60の間でパレット110を左右方向に横行させることができる。パレット110の昇降及び横行は、上記した第1ユニット式格納体1における動作と同一であるため、その説明は省略する。この例でも、パレット110をいわゆるパズル動作によって目的位置まで円滑に移動させることができる。このように、目的に応じて一部の第3ユニット式格納体60の高さを変更する必要があっても、その部分だけ高さを変更することが可能であり、これにより高さ方向の省スペースなどを図ることができる。
(第3ユニット式格納体によるユニット式格納設備のさらに他の例)
図16は、第3ユニット式格納体60を積み重ねて構築するユニット式格納設備(機械式格納設備)100のさらに他の例を示す正面図である。図17は、第3ユニット式格納体60を積み重ねて構築するユニット式格納設備(機械式格納車設備)100のさらに他の例を示す正面図である。
図16に示す例は、設置場所のレイアウトに応じて、左右方向に3列の第3ユニット式格納体60が連結された構成とし、それぞれの列で段数を異ならせた例である。この例では、左端は4段、中間は3段、右端は2段となっている。第3ユニット式格納体60は、それぞれが横行装置30と昇降装置10を備えているため、積み重ねる段数は任意に設定することができる。図17に示す例は、設置場所のレイアウトに応じて、第3ユニット式格納体60を左右方向及び上下方向に連結したユニット式格納設備100の例である。この例の場合、左右位置に第3ユニット式格納体60が無い部分の第3ユニット式格納体60は、横行機能を省略して昇降機能のみを有する構成にできる。この例のように、設置場所のレイアウトが複雑で、複数箇所に出入口120を設けたい場合などでも対応できる。なお、いずれの例でも、パレット110の経路上の任意の位置に複数の入口及び出口をそれぞれ設置することができる。また、パレット110が配置されていない空スペース8は、レイアウトに応じて、少なくともパレット110の移動に必要な数が設けられる。これらの例は一例であり、第3ユニット式格納体60を連結できる設置場所であれば、他のレイアウトでも対応できる。
このように、上記第3ユニット式格納体60を含むユニット式格納体1,50によれば、1つの枠体5の中に昇降装置10と横行装置30とが備えられているため、これらを一体のユニットとして工場で生産し、現地で組み立てることで容易に機械式のユニット式格納設備100を構築することができる。しかも、ユニット式格納体1,50,60を現地で組み立てることでユニット式格納設備100を構築できるので、現地での施工及び解体期間を短縮できる。その上、昇降装置10の昇降チェーン11を左右方向にオフセットしているため、1つのユニット式格納体1,50,60を反転させて積み重ねることで同一のユニット式格納体1,50,60でユニット式格納設備100を構築することが可能となる。この点でも、現地での組立作業性を大幅に向上させることが可能となる。なお、特定の、例えば出入口120とするユニット式格納体1,50,60に、前面可動柵や自動車Vの走行及び運転者の歩行に適したデッキ等の部材を、必要に応じて付加することができる。また、枠体5を構成する柱材2や梁材3,4を組み立てない状態で現地に搬入して現地で組み立てるようにした場合でも、部品標準化による部品管理の容易性やコストダウンの効果が期待できる。
そして、ユニット式格納体1,50,60で構築されたユニット式格納設備100によれば、制御装置6によって昇降装置10と横行装置30とを駆動制御することで、各パレット110を各列で昇降させ、各段で横行させることができる。よって、格納スペース7の間で、昇降装置10により任意のパレット110を上下方向に昇降させ、また横行装置30により任意のパレット110を横行させる一連の動作により、パレット110をいわゆるパズル動作で昇降、横行させて目的位置まで円滑に移動させることができる。このように、上記したユニット式格納設備100によれば、パレット110を目的位置までパズル動作で移動させることができるので、パレット110に載置された種々の被格納物を円滑に目的位置まで移動させることが可能となる。
(ユニット式格納設備におけるパレット移動例)
図18は、図11に示す第3ユニット式格納体60を連結した状態でパレット110を移動させるときの動作例を示す図面であり、(A)は水平方向に横行移動させるときの動作例を示す正面図、(B)は水平方向に横行移動させた後、下降移動させる動作例を示す正面図である。この例の場合、格納スペース7は、パレット110に自動車V(被格納物)を載置できる高さに加えて、パレット110を上部に退避させることができる高さに形成されている。各第3ユニット式格納体60(他のユニット式格納体を含む)には、昇降装置10と横行装置30とがそれぞれ備えられている。このため、1つの第3ユニット式格納体60において、昇降装置10により1つのパレット110を上部に支持し、横行装置30で他のパレット110を横行又は支持することができる。よって、格納状況などに応じて、以下のような時間短縮動作が可能となる。
図18(A)に示す例は、左端の1列目における第3ユニット式格納体60に格納されたパレット110を、右端の4列目の第3ユニット式格納体60に移動させる例である。この場合、2列目と3列目の第3ユニット式格納体60のパレット110に自動車V(被格納物)が格納されていなければ、それぞれの昇降装置10によって上部に退避させておくことができる。このようにすれば、1列目の第3ユニット式格納体60から4列目の第3ユニット式格納体60までの横行装置30を駆動することによって、1列目のパレット110を4列目まで直線的に移動させることができる。
図18(B)に示す例は、1列目の3段目における第3ユニット式格納体60に格納されたパレット110を、3列目の1段目における第3ユニット式格納体60に移動させる例である。この場合、1列目の2段目と、2列目の1段目及び2段目の第3ユニット式格納体60に、それぞれ2つのパレット110を退避させておくことができる。このように被格納物を格納していないパレット110を空車の第3ユニット式格納体60に集めるようにすれば、パレット110を目的位置まで移動させる経路にパレット110がない状態にできる。よって、3段目の1列目から3列目までの横行装置30を駆動することでパレット110を1列目から3列目まで移動させるための受け渡し回数を減らし、3列目の3段目から1段目まで昇降装置10で円滑に搬送することができる。
なお、図18(A)、(B)は一例であり、格納状況などに応じて横行装置30に支持されたパレット110を昇降装置10で持ち上げて退避させることで、パレット110を円滑に移動させることができる。
(第4実施形態に係る第4ユニット式格納体の構成)
図19は、第4実施形態に係る第4ユニット式格納体70を示す斜視図である。図20は、第4ユニット式格納体70の平面図である。図21(A)、(B)は、図20に示す横行装置90及び縦行装置80を進出又は後退させた状態を示す側面図である。なお、上記した第1ユニット式格納体1と同一の構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
第4ユニット式格納体70は、パレット110を左右方向に横行させる横行装置90に加え、パレット110を前後方向に移動させる縦行装置80がさらに備えられている。枠体5の前部と後部には横行装置90が備えられ、枠体5の左部と右部には縦行装置80が備えられている。縦行装置80の構成は横行装置90と同一であり、配置方向が異なるものである。縦行装置80は、複数の縦行ローラ82が設けられた縦行ユニット81を有する。縦行ユニット81は、枠体5に対して左右方向に進出又は退避させることが可能となっている。このため、第4ユニット式格納体70に用いられるパレット110は、横行レール111に加えて縦行レール112が設けられる。角部の下面には、昇降チェーン11の係合フック15を係合させる係止片113が設けられている。
以下の説明では、縦行装置80について説明する。横行装置90は、縦行装置80と同一の機構で進出又は後退させる構成であるため、縦行装置80と同一の構成には90番台の符号を付して、その説明は省略する。
図21(A)に示すように、縦行装置80は、縦行ユニット81を枠体5の内方に向けて進出させてパレット110の支持位置に配置した状態にできる。また、図21(B)に示すように、縦行装置80は、縦行ユニット81をパレット110の支持位置から枠体5の外方に向けて後退させた状態にできる。また、第4ユニット式格納体70は、横行装置30によるパレット110の横行時には縦行装置80の縦行ユニット81を下方に退避させ、縦行装置80によるパレット110の縦行時には横行装置30の横行ユニット31を下方に退避させるようになっている。
図19,20に示すように、縦行ユニット81を進出又は後退させる構成は、縦行ユニット81の前後端部に設けられている。縦行ユニット81には、前後端部に水平方向に延びるガイドレール87が設けられている。ガイドレール87は、上部と下部が水平方向に折り曲げられて形成された板材である(図2に示すガイドレール35と同一)。そして、図21に示すように、このガイドレール87には、水平方向にガイド溝88が設けられている。ガイド溝88は、パレット110側の溝部に対してパレット110側と反対側の溝部が所定量下方に位置する段差ΔTを有する溝となっている。ガイド溝88の段差ΔTは、以下に説明するように、縦行ユニット81を後退させた状態で、縦行ローラ82の上端とパレット110の下端との間に隙間Sが形成できる寸法に設定される。
一方、枠体5に設けられたこの実施形態のガイド板45には、水平方向に2つのガイドローラ46が設けられている。そして、ガイドレール87のガイド溝88が、ガイドローラ46に沿って移動するようになっている。これにより、縦行ユニット81を枠体5のガイド板40に備えられたガイドローラ41に沿って水平方向に進出又は後退させることで、縦行ユニット81は、進出させてパレット110を支持する状態に対して、後退させて退避させた状態では段差ΔTの分で下降するようにしている。よって、縦行ユニット81を後退させることで、昇降させるパレット110と干渉しない位置に退避させることができ、同時に縦行ローラ82の上端とパレット110の下端との間に隙間Sを形成することができる。
縦行ユニット81の進出又は後退は、枠体5に設けられた進退駆動機86によって行われる。この実施形態の進退駆動機86は、縦行ユニット81のガイドレール87をガイドローラ46に沿って水平方向に進退させるアクチュエータとなっている。この例では、縦行ユニット81に設けられたブラケット89に、上下方向に延びる長穴89aが設けられ、この長穴89aに進退駆動機86のロッド86aが連結されている。よって、進退駆動機86のロッド86aを縮小させることで、縦行ユニット81を後退させながら下降させることができる。
進退駆動機86は、例えば、リンク機構を介して縦行ユニット81のガイドレール87をガイドローラ46に沿って進退させる構成などにできる。横行ユニット91を進退させる構成は、縦行ユニット81を進退させる構成と同一の構成であるため、説明は省略する。縦行ユニット81及び横行ユニット91を進退させる機構は、これらの機構に限定されるものではなく、後退時に縦行ローラ82及び横行ローラ92を下降させることができる構成であればよい。
また、図19,20に示すように、第4ユニット式格納体70は、枠体5の四隅近傍に昇降装置10の昇降チェーン11が設けられ、これらの昇降チェーン11によってパレット110を昇降させることができる。昇降装置10は、パレット110の角部に係合フック15を係合させるように、枠体5の角部分から枠体5の中心方向に向けて突設された上部ブラケット71と下部ブラケット72との間に設けられている。上部ブラケット71に、昇降装置10の上部スプロケット12が設けられ、下部ブラケット72に下部スプロケット13が設けられている。これら上部スプロケット12と下部スプロケット13との間に昇降チェーン11が掛けられている。上部スプロケット12を駆動する機構は、図4に示す第1ユニット式格納体1の昇降装置10と同一であるが、この実施形態の昇降装置10は、上部スプロケット12を駆動する軸(図4に示す連結軸17)の端部が、上部スプロケット12に向けて斜めに設けられている。この機構には、公知のユニバーサルジョイントや傘歯車機構などを利用することができる。
上部ブラケット71及び下部ブラケット72は、枠体5の角部と枠体5の中心とを結ぶ線に対して一側方にオフセットされている。この例では、前部の上部ブラケット71及び下部ブラケット72が左右方向の内側に位置し、後部の上部ブラケット71及び下部ブラケット72が左右方向の外側に位置するようにオフセットされている。これにより、前部の昇降チェーン11と後部の昇降チェーン11とがオフセットされている。昇降チェーン11をオフセットさせることで、同一の第4ユニット式格納体70を前後反転させて積み重ねることで、下方の昇降チェーンの11の係合フック15と上方の昇降チェーン11の係合フック15とが近接して配置されるようになっている。昇降チェーン11のオフセット量ΔLとしては、上記図6と同様に、一方の第4ユニット式格納体70の昇降チェーン11で昇降させたパレット110を他方の第4ユニット式格納体70の昇降チェーン11に受け渡しができる量に設定される。
このような第4ユニット式格納体70によれば、パレット110を左右方向に横行装置90で横行(図示するx方向)させる動作に加え、前後方向に縦行装置80で縦行(図示するz方向)させる動作も可能となる。よって、パレット110を昇降装置10で昇降(図示するy方向)させる動作とによって、パレット110を3次元で移動させることが可能となっている。
(第4ユニット式格納体におけるパレットの移動動作)
図22は、図19に示す第4ユニット式格納体70におけるパレット110の横行移動を説明する図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。図23は、図19に示す第4ユニット式格納体70におけるパレット110の縦行移動を説明する図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図22に示すように、パレット110を横行させるときは、縦行装置80の縦行ユニット81を後退させることで、縦行ユニット81を段差ΔTの分で下降(変位)させて縦行ローラ82の上端とパレット110の下端との間に隙間Sを形成する。これにより、この状態で横行装置90を駆動することで、パレット110は縦行装置80との間に隙間Sを有する状態で横行させられる。図23に示すように、パレット110を縦行させるときは、横行装置90の横行ユニット91を後退させることで、横行ユニット91を段差ΔTの分で下降(変位)させて横行ローラ92の上端とパレット110の下端との間に隙間Sを形成する。これにより、この状態で縦行装置80を駆動することで、パレット110は横行装置90との間に隙間Sを有する状態で縦行させられる。このように、パレット110を適切に横行及び縦行させることができる。なお、横行装置90、縦行装置80の位置を通過するようにパレット110を昇降させる際は、横行装置90、縦行装置80の両方を後退させる。
(第4ユニット式格納体の積み重ね)
図24は、第4ユニット式格納体70を積み重ねる状態を模式的に示す斜視図である。この図では、各第4ユニット式格納体70を正方形状で示している。第4ユニット式格納体70も、四隅の近傍に設けられた昇降チェーン11が一側方にオフセットされているため、前後を反転させた第4ユニット式格納体70を上部に積み重ねることができる。第4ユニット式格納体70の場合も、積み重ねた状態で下方の第4ユニット式格納体70の昇降チェーン11に上方の第4ユニット式格納体70の昇降チェーン11が近接した状態となる。また、上方の昇降チェーン11の下部と、下方の昇降チェーン11の上部とがオーバーラップした状態となる(図7)。
したがって、第4ユニット式格納体70を積み重ねて構築されたユニット式格納設備(ユニット式駐車設備)100(図25)によれば、パレット110を第4ユニット式格納体70の間で昇降及び横行又は縦行させて移動させることが可能となる。よって、パレット110を、3次元でいわゆるパズル動作をさせて、目的位置まで円滑に移動させることが可能となる。
(第4ユニット式格納体によるユニット式格納設備の例)
図25(A)~(D)は、第4ユニット式格納体70を積み重ねてユニット式格納設備100を構築する例の概略を示す斜視図である。この例は、被格納物が自動車V以外の荷物などの例を示している。図示する斜線部は、被格納物の出入口120を示している。図25(A)は、第4ユニット式格納体70が、前後方向に3列、左右方向に3列、上下方向に3段で積み重ねられたユニット式格納設備100を示している。この例のユニット式格納設備100は、3箇所に出入口120が設けられている。各第4ユニット式格納体70では、3次元でパレット110を移動させることができるので、任意のパレット110を出入口120まで円滑に移動させることができる。図25(B)は、1箇所の出入口120と、その奥の方向に複数の第4ユニット式格納体70が連結されたユニット式格納設備100の例である。図25(C)は、図25(A)に示すユニット式格納設備100から離れた位置に出入口120が設けられた例である。図25(D)は、複数箇所の出入口120と、それらの間が複数の第4ユニット式格納体70で連結されたユニット式格納設備100の例である。このような複雑な形態のユニット式格納設備100でも、パレット110を3次元で移動させて円滑に出入口120まで移動させることができる。出入口120は、入口と出口とが別々になった構成でもよい。被格納物が自動車Vでない場合、出入口120の開口方向は自由である。なお、被格納物が自動車Vの場合、1箇所の出入口120か、自動車Vの入庫方向と出庫方向とが反対方向となるように出入口120の開口方向が設定される。また、図25(A)~(D)は一例であり、これらの他、様々な形態のユニット式格納設備100を構築することができる。
(その他のユニット式格納設備の構築例)
図26は、大きさの異なるユニット式格納体を組み合わせたユニット式格納設備100の概略を示す斜視図である。上記した各ユニット式格納体1,50,60は、それぞれが横行装置30と昇降装置10を備えている。このため、各ユニット式格納体1,50,60を、格納する被格納物の大きさに応じた設計が容易に可能となる。これにより、小さい被格納物を格納するユニット式格納体を連結してユニット式格納設備100を構築することができる。また、中くらいの被格納物を格納するユニット式格納体を連結してユニット式格納設備100を構築することができる。また、大きい被格納物を格納するユニット式格納体を連結してユニット式格納設備100を構築することができる。そして、それらのユニット式格納設備100を並設することで、様々な大きさの被格納物を格納するのに適したユニット式格納設備100を有する設備を構築することができる。図示する例は、複数のユニット式格納設備100を並設した側面に搬送装置130を設け、それぞれのユニット式格納設備100に格納するパレット110を並べた状態を示している。図示する例は一例である。
(その他の変形例)
上記した実施形態では、昇降装置10の昇降チェーン11を枠体5から上方に突出させた例を説明したが、昇降チェーン11を枠体5から下方に突出させるようにしてもよい。この場合、下方の昇降装置10と上方の昇降装置10とにおけるパレット110の乗り継ぎ部分の関係は、上記した図6~図8の関係と上下が逆になった関係にすればよい。この場合、下方のユニット式格納体1,50,60,70の昇降装置10で上昇させたパレット110を、上方のユニット式格納体1,50,60,70から下方のユニット式格納体1,50,60,70の内部まで延設させた昇降装置10の昇降チェーン11の係合フック15に係合させて上昇させる。そして、上方のユニット式格納体1,50,60,70の昇降チェーン11で自らのユニット式格納体1,50,60,70の内部まで上昇させたパレット110は、自らの横行装置30の横行ユニット31を進出させた後、昇降チェーン11を反対方向に回転させることで横行ユニット31に支持することができる。
また、上記した実施形態ではパレット110と、その上部に自動車Vを格納するユニット式格納設備100を主に説明したが、被格納物はこれらに限定されない。コンテナなどを格納する立体倉庫、自転車を格納する立体駐輪場など、様々な被格納物を格納するユニット式格納設備とすることができる。特に、長尺物の被格納物を格納するユニット式格納設備100を構築する場合、ユニット式格納体1,50,60,70を前後方向に延ばす設計変更は容易に行えるため、容易に対応することができる。
また、ユニット式格納体1,50,60,70の追加でユニット式格納設備100としての規模の増減が容易に可能である。例えば、運用の状況等に応じてユニット式格納体1,50,60,70を追加してユニット式格納設備100の規模を拡大できる。また、運用の実情に合わせて不要部分のユニット式格納体1,50,60,70を撤去したり、一部のユニット式格納体1,50,60,70を分割して他の場所に移設することが容易にできる。
さらに、上記した実施形態は一例を示しており、ユニット式格納体1,50,60,70を組み合わせる形態などは一例である。本発明は、要旨を損なわない範囲で種々の構成を変更することは可能であり、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
(総括)
以上のように、上記ユニット式格納設備100によれば、各ユニット式格納体1,50,60,70に横行装置30と昇降装置10を備えさせているため、ユニット式格納体1,50,60,70を組み合わせることにより、設置する場所に応じて自由なレイアウトのユニット式格納設備100を構築することが可能となる。
しかも、各ユニット式格納体1,50,60,70においてパレット110を昇降及び横行させることができるため、パレット110をいわゆるパズル動作で昇降、横行させて目的位置まで円滑に移動させることが可能となる。その上、1つのユニット式格納体1,50,60,70が故障した場合でも、パレット110の枚数を減らして故障したユニット式格納体1,50,60,70を通過させないことで、ユニット式格納設備100としては運転を継続することが可能である。これにより、ユニット式格納設備100の運転効率が低下することを抑えることができる。
また、各ユニット式格納体1,50,60,70においてパレット110を昇降及び横行させることができるため、パレット110の移動経路上の任意の位置に複数の出入口120を設置することが可能となる。