JP7063956B2 - 電源をワイヤレスで充電するための電子装置を有する時計ケース裏蓋 - Google Patents

Description

本発明は、接続型の電子式または電気機械式時計の電源のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた電子装置を有する取り外し可能な時計ケース裏蓋に関するものである。

本発明は、さらに、時計の電源のワイヤレス充電のための電子装置を有する取り外し可能なケース裏蓋を備えた電子式または電気機械式時計に関する。

本発明は、さらに、電源のワイヤレス充電のための電子装置を有する取り外し可能なケース裏蓋を組み立てる方法に関する。

スマートウォッチのような接続型の時計におけるセルまたはバッテリの寿命は、現在でも依然として、このような製品の大きな弱点のままである。これは、時計着用者の使用モードに応じた時計バッテリの充電速度または再充電速度を必要とする。通常、バッテリ充電動作のために、電圧源に接続された外部ケーブルコネクタを、時計ケースの対応するコネクタに接続することができる。再充電は、時計の太陽電池セルによって、または充電装置からの電気誘導を用いて、得ることができる。

電気誘導再充電技術は、時計のような製品にとって多くの利点がある。一方で、美的観点から見て、充電ケーブルを接続するための防水の物理的接続部を時計の外装部品に組み込む必要がないからである。他方で、太陽光充電が周辺光に大きく依存するのに対して、電気誘導による充電時間は一定である。

ワイヤレス充電は、コイルに流れる電流によって近接コイルに電流を発生させる電気誘導の原理に基づくことが可能である。時計の場合、コイルの１つ（レシーバコイル）を時計ケース裏蓋に搭載する一方、電流が供給される他の近接コイル（チャージャコイル）によって、バッテリに電力を供給するための誘導電流を（レシーバ）コイルに発生させる磁場を生成する。

なお、時計の何らかの外装部品のような金属要素が近接していると、バッテリ再充電時の効率が低下する可能性があることに留意すべきである。さらに、２つのコイル間の電磁場によって、近接した金属部品に電流が誘導される。この誘導電流は、これらの金属部品を熱くする危険性がある。そのような場合、磁場漏洩を防ぐためのシールドを時計側コイルに対して設けることが想定される。このシールドは、フェライトであってよい。

特許文献１は、ケース内部に導電性コイルが配置されたケースと、ケースの少なくとも一部に作動的に接続された可動要素であって、導電性コイルを通過する磁場を生成する１つ以上の磁石を含む可動要素と、導電性コイルを用いて外部装置から電力をワイヤレスで受信するとともに受信した電力を電子装置のバッテリに供給するために導電性コイルに電気的に接続された第１の充電回路と、可動要素の動きに基づいて導電性コイルに誘導される電力を電子装置のバッテリに供給するために導電性コイルに電気的に接続された第２の充電回路と、を備えた電子装置について開示している。この装置は、ケースカバー内に配置された、ワイヤレス再充電をサポートするためのワイヤレス充電用コイルのような導電性要素を備えることができる。

特許文献２は、内部空間に配置されたワイヤレス充電コイルを備える携帯端末について開示しており、この場合、シールドシートは、ワイヤレス充電コイルとメインボードに実装された部品とが重なり合う位置に空きスペースを有する。バッテリユニットは、メインボードの前面に配置されている。ワイヤレス再充電コイルは、メインボードの背面に配置されて、これに接合されており、リアケースが、ワイヤレス再充電コイルおよびメインボードを覆っている。

上述の先行技術では、充電対象のバッテリと協働する充電コイルは、時計ケースの内部に適切に配置されていない。スペースを無駄にしているとともに、２つの部品間の接続によって、電流の損失がない適切な再充電は確保されない。

米国特許第１０２５００６４号明細書 国際公開第２０１８／１０５７７３号

よって、本発明の主な目的は、バッテリまたはセルのような電源のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた電子装置を有する取り外し可能な時計ケース裏蓋を提案することにより、先行技術の欠点を克服することである。

この目的のため、本発明は、独立請求項１の特徴を有する、電源のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた電子装置を有する取り外し可能な時計ケース裏蓋に関する。

取り外し可能なケース裏蓋の具体的な実施形態は、従属請求項２～１１で規定している。

この取り外し可能なケース裏蓋の利点の１つは、大容量の再充電式バッテリまたは蓄電池のような統合電源を時計の少ないスペースに設けることができることにある。電源を筐体構造内に配置することによって、機械的衝撃に対する耐性が確保される。さらに、バッテリ筐体構造は、射出成形されて、ムーブメントの他の部分とは別に、予め組み立てられる。この取り外し可能なケース裏蓋は、厚さが薄いものであるとともに、セラミックまたはプラスチックで構成されたベース支持体を有する。

効果的には、誘導コイルは、第１の多機能サブアセンブリのプリント回路基板上に形成されるか、または第１の多機能サブアセンブリのプリント回路基板内に組み込まれる。このプリント回路基板は、センサまたはコネクタのような部品を含むことができる。それらのコネクタの１つは、時計の時計モジュールのメインプリント回路基板への接続用として、プリント回路基板の可撓舌片上に配置される。

効果的には、閉じた時計ケースのミドル部に固定された取り外し可能なケース裏蓋は、少なくとも１０バールの圧力に耐える防水性である。このケース裏蓋は、誘導充電装置に容易に適合することができるように設計されている。

本目的のため、本発明は、さらに、独立請求項１２の特徴を有する、内部電源のワイヤレス充電または再充電の動作に適した電子式または電気機械式時計に関する。

この時計の少なくとも１つの具体的な実施形態は、従属請求項１３で規定している。

本目的のため、本発明は、さらに、電子式または電気機械式時計と、時計の電源の充電または再充電のための装置と、を含むアセンブリに関する。

本目的のため、本発明は、さらに、独立請求項１５の特徴を有する、取り外し可能な裏蓋を組み立てる方法に関する。

この方法の少なくとも１つの具体的なステップは、従属請求項１６で規定している。

時計の電源のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた電子装置を有する取り外し可能な時計ケース裏蓋の、目的、効果、および特徴は、図面を参照した以下の非限定的な説明において、より明らかになるであろう。

図１は、本発明による時計のワイヤレス充電用電子装置を有する時計ケース裏蓋の、第１の多機能サブアセンブリの一実施形態の上面図および３次元分解図を示している。 図２は、本発明による時計のワイヤレス充電用電子装置を有する時計ケース裏蓋の、第２の多機能サブアセンブリの一実施形態の底面図および３次元分解図を示している。 図３は、図１および２にそれぞれ示す本発明による２つの多機能サブアセンブリからなる、最終的なアセンブリの上面図を示している。 図４は、本発明による時計ケースの３次元分解図を示している。

以下の説明では、電子式または電気機械式時計のような時計の、当該技術分野の当業者に周知の構成部品については、いずれも簡単にのみ説明する。電源のワイヤレス充電のための電子装置を有する時計は、通信装置または充電装置へのワイヤレス接続のための構成部品を備えることが可能な、腕時計のようなスマートウォッチ型のものである。また、電子式または電気機械式時計のための追加電源として、太陽電池セルを設けることもできる。

本発明によれば、電子式または電気機械式時計用ケースの取り外し可能な裏蓋は、時計部品の電源の特にワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた内部電子装置を備える。この取り外し可能なケース裏蓋は、例えば上下配置で実装される少なくとも２つの多機能サブアセンブリを備える。

図１は、取り外し可能なケース裏蓋の第１の多機能サブアセンブリ１の上面図および３次元分解図を示している。この第１の多機能サブアセンブリ１は、主に、圧電ブザーのようなブザー１３と、プリント回路基板１４上の誘導コイル１４’またはプリント回路基板１４内に組み込まれた誘導コイル１４’と、を含む。スパイラル形状のこの誘導コイル１４’は、プリント回路基板１４の下面または上面に形成することができる。誘導コイル１４’は、時計ケースまたは時計の内部の側において磁気シールド１６で覆われている。

第１の多機能サブアセンブリ１は、ベースとしてベース支持体１７を含むことができ、これを、図４を参照して後述するように、ベース支持体１７の周縁部の孔４１’に貫通させるネジによって、時計ケースのミドル部にネジ止めすることができる。ケース裏蓋支持体１７は、全体として厚さを抑えたものであり、射出成形によって、あるいは、繊維強化ポリマまたはセラミックもしくは強磁性材料のような様々な材料の機械加工によって、製造することができる。これらの材料に色を組み込むことができる。

圧電ブザー１３を収容するために、ベース支持体１７に収容部１８を設ける。圧電ブザー１３を、収容部１８内に配置して、接着結合または保持する。さらに、この収容部内に、圧電ブザー１３を電気的に接続するためのコネクタを設けることもできる。圧電ブザー１３は、時計着用者の手首に直接接触させる目的のベース支持体１７の収容部１８内に、直接接続および接着接合されるので、これにより、ブザー１３が発生させる振動を時計着用者が感じ取る感覚が強くなる。通常、ブザー１３がその収容部１８内に配置および接着接合されるときに、ブザー１３の接触バネも設けることができる。図示していない接触バネは、フェライト磁気シールド１６の隣を通過する。

ベース支持体１７は、さらに２つのポストまたはダウエルピン３１を含み、これらは、ベース支持体１７の底から機械加工されたものであって、時計ケースの内側の上部に向かって垂直方向に向いている。これらのポスト３１は、円筒形状であって、面取りした端を有する。プリント回路基板１４および磁気シールド１６は、それぞれ２つの孔３１’および他の２つの孔３１”を通してポスト３１上に、上下に配置される。誘導コイル１４’を含むプリント回路基板１４は、ブザー１３を含むベース支持体１７の内側部分に接着結合することができる。また、フェライト磁気シールド１６も、プリント回路基板１４上に接着結合することができる。

第２の多機能サブアセンブリが第１の多機能サブアセンブリ１に取り付けられると、ポスト３１は、ブザーおよび何らかのバイブレータと電圧源の端子との接触を確保するという追加機能を有する。また、ネジ取り付けフランジとベース支持体１７の内部との間に、へり３３を設けることもでき、これにより、内部空洞または内側部分を画成する。このへり３３は、さらに、第１の多機能サブアセンブリ１上に取り付けられた後の第２の多機能サブアセンブリを保持するために用いることもできる。

円筒状スタッドの形の圧力センサ１１は、ベース支持体１７に相補的な形状の円筒状レセプタクル１２に収容されるＯリング型の環状シールガスケット１０を受容するための環状の周溝を有する。レセプタクルの底には、圧力センサ１１による圧力測定のために時計ケースの外部へのアクセスを提供するための、少なくとも１つの孔または２つの孔（図示せず）が形成される。圧力センサ１１は、プリント回路基板１４上に実装される。さらに、磁気シールド１６は、磁気シールド１６に接着結合される絶縁発泡層１９によって部分的に覆われるようにも配置される。この裏蓋が時計ケースのミドル部に取り付けられた後に、例えば円状に図示しているこの絶縁発泡体１９によって、バッテリのような電源を圧迫することが可能になるとともに、耐衝撃性を確保することが可能となる。

また、プリント回路基板１４は、少なくとも部分的に可撓性であり得ることにも留意すべきである。これは、以下で説明する第２の多機能サブアセンブリに沿って動く可撓性タブ１５の形の部分を有する。このタブ１５は、時計モジュールのメインプリント回路基板の相補的コネクタに接続するためのいくつかのピンを有するコネクタ３５で終端している。このコネクタ３５を介して、時計モジュールの構成部品に電力を供給することができる。さらに、時計モジュールから２つの多機能サブアセンブリの電子部品への何らかのコマンドまたはコントロールを、マイクロコントローラのような制御ユニットによって供給することができる。プリント回路基板１４は、圧力センサ、コンパス、各種ハードウェア構成部品、ブザーコネクタ、時計ムーブメントへのメインコネクタ３５、誘導電圧を整流するためにコイルに接続された整流回路のような、いくつかの部品を、搭載または電気的に接続することができる。これらの電子部品は、プリント回路基板１４の導電路に接続される。

図２は、取り外し可能なケース裏蓋の、第２の多機能サブアセンブリ２の底面図および３次元分解図を示している。この第２の多機能サブアセンブリ２は、第１の多機能サブアセンブリ上に、取り付け、接続、および配置される目的のものである。

この第２の多機能サブアセンブリ２は、バッテリまたは蓄電池２４のような電源を収容するための筐体構造２２を含む。好ましくは、以下の説明では、電源としてバッテリ２４について主に記載するが、他の電源を排除するものではない。この筐体構造２２は、特有のプラスチック射出成形部品である。筐体構造２２には、バッテリを収容するために、バッテリに相補的な形状の貫通開口が設けられている。

組み立て後には、第２の多機能サブアセンブリ２は、バッテリ２４と、少なくともコンタクトストリップ２３、２６と、バイブレータ２１と、を含む。バイブレータ２１の出力には、第１の多機能サブアセンブリのプリント回路基板の相補的なフランジコネクタに接続するためのフランジコネクタが設けられている。１つまたは２つの第１のコンタクトストリップ２３は、バッテリ２４の負端子を接続するために用いられる一方、少なくとも１つの第２のコンタクトストリップ２６は、バッテリ２４の正端子を接続するために設けられる。

時計ケースの組み立て時には、図３および４を参照して後述するように、バッテリ２４の組み立て済みの筐体構造２２を、第１の多機能サブアセンブリのベース支持体の２つのポストを用いて、センタリングおよびアライメントする。これにより、ストリップ２３、２６、ブザー、およびコネクタを介して接続されるバイブレータ２１の、接触を確保する。誘導コイルを有するプリント回路基板は、筐体構造２２の上方を通過する可撓性タブを含み、これは、時計モジュールに接続するためのいくつかのピンを有するコネクタを備える。バッテリ２４の組み立て済みの筐体構造２２の高さＺにおける自由度は、時計ケースのミドル部と取り外し可能な裏蓋との間に挟持されるその周縁鍔によって、ロックされる。

なお、コンタクトストリップ２３、２６は、各種構成部品の電力供給のために、プリント回路基板上の導電路に接続された導電パッドに接触することに留意すべきである。

図３は、取り外し可能なケース裏蓋３を形成するための２つの多機能サブアセンブリからなる、最終的なアセンブリの上面図を示している。図３では、図１および２を参照して上述したものと同じ要素を、同じ参照符号を用いて示している。従って、それらの要素の説明は繰り返さない。

図４は、本発明による電子式または電気機械式時計用ケース４の３次元分解図を示している。取り外し可能なケース裏蓋は、第１の多機能サブアセンブリ１と、第２の多機能サブアセンブリ２と、を備え、第２の多機能サブアセンブリについては、簡単にするため、その筐体構造２２のみを図示している。取り外し可能なケース裏蓋は、Ｏリング型の環状ジョイントの形態をとるシールガスケット４２を用いて、時計ケース４のミドル部４３の下側部分に取り付けられる。この目的で、取り外し可能なケース裏蓋は、ベース支持体１７の周縁リムの孔４１’に貫通させるネジ４１によって、ミドルケース４３の下側部分に固定される。時計ケース４は、ミドルケース４３の上側部分において、少なくとも１つのクリスタル４４によって、またはベゼルで囲まれたクリスタルによって、閉じられる。時計モジュール（図示せず）は、時計ケース４の内部で、取り外し可能なケース裏蓋の上方、かつクリスタル４４の下のディスプレイ画面または時計文字盤の概ね下方に、配置される。

電子式または電気機械式時計用ケースの取り外し可能なケース裏蓋を組み立てる方法について、図４を参照して以下で説明する。この組み立て方法は、第１の多機能サブアセンブリ１を実装するステップを含む。それらのステップは以下の通りである。
－ ベース支持体１７の内側部分において、ブザー１３を収容部１８に挿入するとともに、例えば接着結合によって保持する。
－ ブザー１３を含むベース支持体１７の内側部分において、誘導コイル１４’を含むプリント回路基板１４を、例えば接着結合によって保持する。
－ プリント回路基板１４上に、フェライト磁気シールド１６を、例えば接着結合によって保持する。
－ フェライト磁気シールド１６上に、絶縁発泡層１９を、例えば接着結合によって保持する。

この組み立て方法は、さらに、以下のステップで、第２の多機能サブアセンブリ２を実装するステップを含む。
－ バイブレータ２１を、バッテリ筐体構造２２の専用の収容部に、例えば接着接合によって保持する。
－ 接触バネを、ブザー１３およびバッテリ筐体２２の専用のオリフィス内のアンテナコネクタに接触させる。
－ コンタクトストリップ２３、２６を、バッテリ筐体構造２２上に取り付ける。
－ バッテリ２４を、バッテリ筐体２２内に配置する。

この方法は、さらに、第２のサブアセンブリ２をベース支持体１７のセンタリングおよびアライメント用ポスト３１上に配置するステップと、ブザー１３への接続を確保するステップと、時計モジュールまたは時計モジュール用メインプリント回路基板への接続を確保するために、コネクタ３５を有するプリント回路基板１４の可撓性タブ１５を曲げるステップと、高さ位置決めリム３２を用いて、組み立て済みの多機能サブアセンブリ１、２を時計のミドルケースに接触させて配置するステップと、を含んでもよい。

時計ケース４を、時計モジュールおよび取り外し可能なケース裏蓋１、２のすべての構成部品と共に取り付けたら、この電子式または電気機械式時計を、時計用電源２４のワイヤレス充電または再充電のための装置上に、配置することができる。

なお、バッテリのような電源の充電または再充電用の、本発明によるこのような取り外し可能なケース裏蓋を用いると、これまでのバッテリ充電用電子装置と比較して、いくつかの利点が認められることにも留意すべきである。これまでは、時計の中のブザーによる振動または音の発生は、いずれも適切に知覚されなかった。本発明の取り外し可能なケース裏蓋によって、市販されている標準的なコンパクトなブザーを、容易にベース支持体上に直接組み込むことが、例えばベース支持体がプラスチック材料で構成されている場合でも、可能となる。このようなブザーをベース支持体上に配置することによって、時計着用者が感じ取る感覚を高めることが可能となる。

取り外し可能なケース裏蓋の中のプリント回路基板上に誘導コイルを組み込むことによって、ハードウェア構成部品のためのメインプリント回路基板の表面に相補的な表面を効果的に利用するともに、高さスペースを節約する。これにより、いくつかのハードウェア構成部品を、限界高さを越える領域に移すことができる。

時計ケース内の、特に取り外し可能なケース裏蓋の中の、その９５％がリサイクル可能であるすべての構成部品へのアクセスが極めて容易であり、これにより、組み立てラインで問題が発生した場合に、それらの部品の交換が容易となる。また、グルーまたは接着剤の使用も最小限に抑えられる。２つのサブアセンブリで形成される取り外し可能なケース裏蓋の構造によって、中間チェック、中間ストック、および時計ケース裏蓋の美的変更について、高い柔軟性が確保される。

バッテリが電源である場合には、組み立ておよび耐衝撃性により適した、独自の形状または標準的な円柱形状のバッテリを有する取り外し可能なケース裏蓋を提供することが可能である。通常、使用されるバッテリまたは再充電式蓄電池は、リチウムイオン技術を用いたものであり、例えば太陽電池セルからのエネルギーの常時供給を併用することができる。第２のサブアセンブリのバッテリ筐体内にバッテリを固定することは、時計ムーブメント上のバッテリの場合とは全く異なる良好な高い耐衝撃性を確保するために不可欠である。

最後に、本発明による取り外し可能なケース裏蓋の構造は、プラスチック材料またはセラミックで構成された非常に薄い厚さのアセンブリであるとともに、時計ヘッドに組み付けられると１０バールに耐える防水性であるという点で、現状技術とは異なる。カード間コネクタを用いて、接着剤またはネジを用いることなく機械的接続によって容易に、時計とは独立に予備テストすることができる。

上記の説明から、当業者であれば、請求項で規定される本発明の範囲から逸脱することなく、時計ケースのバッテリのワイヤレス充電または再充電のための電子装置を有する取り外し可能なケース裏蓋のいくつかの変形例を考案することができる。サブアセンブリの部品は、簡単な接着接合以外に、機械的手段で組み付けおよび保持することができる。

１ 第１の多機能アセンブリ
２ 第２の多機能アセンブリ
３ ケース裏蓋
４ 時計ケース
１０ 環状シールガスケット
１１ 圧力センサ
１２ 円筒状レセプタクル
１３ 圧電ブザー
１４ プリント回路基板
１４’ 誘導コイル
１５ 可撓性タブ
１６ 磁気シールド
１７ ベース支持体
１８ 収容部
１９ 絶縁発泡層
２１ バイブレータ
２２ 筐体構造
２３ 第１のコンタクトストリップ
２４ バッテリ（電源）
２６ 第２のコンタクトストリップ
３１ ポスト
３１’ 孔
３１” 孔
３２ 高さ位置決めリム
３３ へり
３５ メインコネクタ
４１ ネジ
４１’ 孔
４２ シールガスケット
４３ ミドル部（ミドルケース）
４４ クリスタル

Claims (16)

1. 電子式または電気機械式時計用ケースの取り外し可能なケース裏蓋（３）であって、前記ケース裏蓋は、電源（２４）のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた内部電子装置を有し、前記内部電子装置は２つの多機能サブアセンブリ（１，２）を備え、前記ケース裏蓋は、
   ブザー（１３）と、プリント回路基板（１４）上の誘導コイル（１４’）またはプリント回路基板（１４）内に組み込まれた誘導コイル（１４’）と、が実装された第１の多機能サブアセンブリ（１）であって、前記誘導コイル（１４’）は、前記時計ケースの内側において磁気シールド（１６）で覆われている、第１の多機能サブアセンブリ（１）と、
   前記第１の多機能サブアセンブリ（１）上の第２の多機能サブアセンブリ（２）であって、バッテリまたは蓄電池（２４）のような前記電源を収容するための筐体構造（２２）を含む第２の多機能サブアセンブリ（２）と、を備えることを特徴とする、ケース裏蓋。
2. 前記ブザーは、圧電ブザー（１３）であることを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
3. 前記第１のサブアセンブリ（１）の前記ブザー（１３）、前記誘導コイル（１４’）、および前記磁気シールド（１６）の、ベース支持体（１７）は、射出成形または機械加工された材料で構成された部品であって、前記ブザー（１３）を収容するためのブザーコネクタまたは収容部（１８）を有する、ことを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
4. 前記ベース支持体（１７）は、セラミックまたは繊維強化ポリマで構成されていることを特徴とする、請求項３に記載のケース裏蓋（３）。
5. 前記バッテリまたは蓄電池（２４）を収容するための前記筐体構造（２２）は、射出成形された材料で構成されていることを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
6. 構成部品およびコネクタは、前記誘導コイル（１４’）を有する前記プリント回路基板（１４）上において、実装されるとともに導電路によって接続されていることと、
   前記構成部品およびコネクタは、圧力センサと、コンパスと、少なくとも１つのフランジコネクタと、を含むこと、を特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
7. 前記磁気シールド（１６）は、前記ブザーが前記ブザー（１３）を収容するためのブザーコネクタまたは収容部（１８）内に配置および接着接合されたときに前記ブザー（１３）の接触バネを通過させることができるフェライト部品であることを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
8. 前記磁気シールド（１６）は、前記バッテリ（２４）を圧迫するとともに前記バッテリ（２４）の耐衝撃性を確保する目的の絶縁発泡層（１９）で覆われていることを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
9. 前記第２の多機能サブアセンブリ（２）は、組み立て後には、前記バッテリ（２４）と、少なくともコンタクトストリップ（２３，２６）と、バイブレータ（２１）と、を含むことを特徴とする、請求項１に記載のケース裏蓋（３）。
10. 前記ケース裏蓋は、前記第１の多機能サブアセンブリ（１）上で前記第２の多機能サブアセンブリ（２）を位置決めするため、ならびに、前記ストリップ（２３，２６）および前記バイブレータ（２１）の接触を確保するために、前記第１の多機能サブアセンブリ（１）のベース支持体（１７）上に機械加工された２つのポスト（３１）を備えることを特徴とする、請求項９に記載のケース裏蓋（３）。
11. 前記第２の多機能サブアセンブリ（２）は、前記第２の多機能サブアセンブリ（２）が前記第１の多機能サブアセンブリ（１）のベース支持体（１７）と時計ミドルケース（４３）との間に挟持されたときに前記時計ケースの内部において前記第２の多機能サブアセンブリの高さ位置をブロックするためのリム（３２）を含むことを特徴とする、請求項９に記載のケース裏蓋（３）。
12. バッテリまたは蓄電池のような内部電源（２４）をワイヤレスで充電または再充電する動作に適した電子式または電気機械式時計であって、前記時計は、クリスタル（４４）を有するフロント部と、ミドル部（４３）と、請求項１～１１のいずれか一項に記載の取り外し可能なケース裏蓋（３）と、で形成されたケースを有し、機械式または電子式時計モジュールは、前記時計ケースの内部で、前記取り外し可能なケース裏蓋（３）の前記第２の多機能サブアセンブリ（２）の上方に配置される、電子式または電気機械式時計。
13. 前記時計は、電子式スマートウォッチまたは電気機械式腕時計であることと、
    前記時計は、追加電源として太陽電池セルを備えること、を特徴とする、請求項１２に記載の電子式または電気機械式時計。
14. 請求項１２または１３に記載の電子式または電気機械式時計と、前記時計の電源（２４）を充電または再充電するための装置と、を含むアセンブリ。
15. 請求項１～１１のいずれか一項に記載の、電源（２４）のワイヤレス充電または再充電を可能とするための機能を備えた電子式または電気機械式時計用ケースの取り外し可能なケース裏蓋（３）を、組み立てる方法であって、前記方法は、
    前記第１のサブアセンブリ（１）を組み立てるステップであって、
    ベース支持体（１７）の内側部分において、前記ブザー（１３）を前記ブザー（１３）を収容するための収容部（１８）に挿入および接着結合するステップと、
    前記ブザー（１３）を含む前記ベース支持体（１７）の内側部分において、前記誘導コイル（１４’）を含む前記プリント回路基板（１４）を接着結合するステップと、
    前記プリント回路基板（１４）上に、フェライト磁気シールド（１６）を接着結合するステップと、
    前記フェライト磁気シールド（１６）上に、絶縁発泡層（１９）を接着結合するステップと、を含む、第１のサブアセンブリ（１）を組み立てるステップと、
    前記第２のサブアセンブリ（２）を組み立てるステップであって、
    バイブレータ（２１）を、前記バッテリ筐体構造（２２）の専用の収容部に接着接合するステップと、
    接触バネを、前記ブザー（１３）および前記バッテリ筐体（２２）の専用のオリフィス内のアンテナコネクタに接触させるステップと、
    コンタクトストリップ（２３，２６）を、前記バッテリ筐体構造（２２）上に取り付けるステップと、
    前記バッテリ（２４）を、前記バッテリ筐体（２２）内に配置するステップと、を含む、第２のサブアセンブリ（２）を組み立てるステップと、を含むことを特徴とする方法。
16. 前記第２のサブアセンブリ（２）をセンタリングおよびアライメント用ポスト（３１）上に配置するステップと、前記ブザー（１３）への接続を確保するステップと、時計モジュールまたは時計モジュール用メインプリント回路基板への接続を確保するために、コネクタ（３５）を有する前記プリント回路基板（１４）の可撓性タブ（１５）を曲げるステップと、
    高さ位置決めリム（３２）を用いて、組み立て済みの前記多機能サブアセンブリ（１，２）を時計ミドルケースに接触させて配置するステップと、をさらに含む、請求項１５に記載の方法。

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