JP7063281B2 - 荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置に関する。
LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、縮小投影型露光装置を用いて、石英上に形成された高精度の原画パターン(マスク、或いは特にステッパやスキャナで用いられるものはレチクルともいう。)をウェーハ上に縮小転写する手法が採用されている。高精度の原画パターンは、電子ビーム描画装置によって描画され、所謂、電子ビームリソグラフィ技術が用いられている。
従来の電子ビーム描画装置は、パターンが描画される試料を載置するステージと、このステージを収納するチャンバと、このチャンバの天板に配置され、電子ビームを射出する電子ビーム発生源及び、試料上の所望の位置に所望のパターンを描画するために電子ビームを形成する電子ビーム制御系を有する電子光学鏡筒とを有している。
描画を行う際には、電子光学鏡筒内とチャンバ内は、真空ポンプによって真空引きされ、真空中で試料への描画が行われる。チャンバ内のステージの設置、取り出し、点検等のために、チャンバ側面には、ステージを搬出入可能なサイズの開口部が形成されている。チャンバ内が真空引きされている間、この開口部は扉で塞がれている。扉は開閉可能であると共にネジ等で側面に固定されている。
チャンバ内が真空状態になるとチャンバ内外で圧力差が生じるため、チャンバは微小に変形する。その際、開口部が形成された側面と形成されていない側面とでは、その剛性の差により変形量に差が生じ、チャンバ上面に固定された電子光学鏡筒が、剛性の弱い開口部が形成された側面側に傾斜する。
これを防止するために、開口部を支える支柱を別途設置しているが、気圧の変動によりチャンバ内外の圧力差が変動し、チャンバが変形するため、支柱とチャンバの開口部との接合部分で精度よく面接触させることは困難である。そのため、面接触部分で気圧の上昇時と下降時での鏡筒の傾斜特性が変化してしまうという問題がある。
特開2015-38967号公報 特開2010-219373号公報 特開2017-228633号公報 特開2006-136835号公報
本発明は、電子光学鏡筒の傾斜を抑制する荷電粒子ビーム描画装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置は、描画対象基板を載置するステージと、前記ステージを内部に配置し、1つの側面に前記ステージの搬出入用の開口部が形成され、前記開口部が扉で塞がれたチャンバと、前記チャンバ上に配置された電子光学鏡筒と、を備え、前記扉の外面及び内面は、前記扉の上端または下端より前記上端と前記下端の間が前記チャンバの外方に突出するものである。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置において、前記扉の上半側の外面及び内面が、下方ほど外方に位置する斜面となっており、下半側の外面及び内面が、上方ほど外方に位置する斜面となっている。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置において、前記扉は、前記チャンバの壁面よりも薄い。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置において、前記扉の外面に強度調整用プレートが取り付けられている。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置において前記扉は、前記扉の左端または右端より前記左端と前記右端の間が前記チャンバの外方に突出している。
本発明によれば、電子光学鏡筒の傾斜を抑制できる。
本発明の実施形態による描画装置の概略図である。 描画装置の外観図である。 (a)は扉の斜視図であり、(b)は(a)のb-b線断面図である。 チャンバ内を真空引きした状態を説明する図である。 変形例による扉の断面図である。 変形例による扉の断面図である。 変形例による扉の断面図である。 変形例による扉の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは電子ビームに限るものでなく、イオンビーム等でもよい。
図1は、本発明の実施形態における描画装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、描画装置100は、描画部150と制御回路160とを備えている。描画装置100は、電子ビーム200を用いてレジストが塗布された基板101にパターンを描画する。描画部150は、電子光学鏡筒102とチャンバ(描画室)103を有している。電子光学鏡筒102は、チャンバ103上に配置される。
電子光学鏡筒102内には、例えば、電子銃201、照明レンズ202、第1アパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2アパーチャ206、対物レンズ207、及び偏向器208が設けられている。チャンバ103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画対象となる基板101が載置される。基板101には、マスク基板やウェーハ等が含まれる。
描画部150は、制御回路160によって制御される。また、描画処理時には、電子光学鏡筒102内とチャンバ103内は真空ポンプ170によって真空引きされる。チャンバ103内にXYステージ105を設置したり、XYステージ105を取り出したり、XYステージ105の点検を行うために、チャンバ103の1つの側面には、XYステージ105を搬出入可能なサイズの開口部20が形成されている。そして、真空引きされている間は、開口部20は、別体の蓋となる扉30で塞がれている。扉30は蝶番(図示略)により開閉可能となっており、開口部20を塞ぐ際は、周縁部をボルト等でチャンバ側面に固定する。
チャンバ103には、開口部20が形成された側面とは異なる側面に、XYステージ105のX方向の位置を測定する第1レーザ干渉計、Y方向の位置を測定する第2レーザ干渉計が設けられている(共に図示略)。
図2に示すように、チャンバ103の外周面のうち1つの側面40には、XYステージ105を搬出入可能なサイズの開口部20が形成されている。よって、そのままだと、開口部20が形成された側面40の剛性が、開口部20が形成されていない側面に比べて弱くなってしまう。
そこで、本実施形態では、開口部20を塞ぐ扉30を、図3(a)(b)に示すように、(開口部20を塞いだ状態で)上下方向の断面形状が上下方向の中間付近ほどチャンバ外方に突出する形状となるようにする。具体的には、扉30の上半側30uの外面及び内面が、下方ほど外方に位置する斜面となっており、下半側30dの外面及び内面が、上方ほど外方に位置する斜面となっている。なお、最も突出している部分は、扉の上端、下端の中央でなくてもよく、上端、下端の間であればよい。
チャンバ103及び扉30の材料としては、インバー等が挙げられる。チャンバ103は、側面の厚みが80mm程度、上面の厚みが120mm程度、底面の厚みが110mm程度である。扉30の厚みは12mm程度とチャンバ103の壁面の厚みと比較して薄くなっている。
扉30の上下方向の長さをH、上下方向の中間付近の突出量をFとした場合、F/Hは0.05~0.1程度であることが好ましい。
側面40の開口部20を扉30で塞ぎ、真空ポンプ170で電子光学鏡筒102内及びチャンバ103内を真空引きすると、図4に示すように、扉30にかかる大気圧が、扉30を上下方向に伸ばす力に変換される。これにより、側面40と他の側面との変形量がほぼ同等となり、チャンバ上面に固定された電子光学鏡筒102の傾斜を抑えることができる。その結果、気圧変動があった場合であっても基板101に照射されるビーム位置の誤差が小さくなり、描画精度が向上する。
扉30は、チャンバ103の壁面(上面、側面、底面)よりも薄くすることで、開口部20を扉30で塞いだ側面40の剛性を他の側面と同等の剛性に合せ込むことができると共に、軽量化を図ることができる。
また、側面40に隣接する、レーザ干渉計が設置された側面の変形も抑えられるため、XYステージ105の位置が精度良く測定でき、描画精度が向上する。
図5に示す扉30Aのように、上下方向の中間部が垂直な平面30pとなっていてもよい。また、図6に示すように、扉30A(又は扉30)の外面に、強度調整用のプレート32が取り付けられるようになっていてもよい。プレート32を取り付けることで、扉20A(30)の上下方向の伸びが抑えられる。
図7に示す扉30Bのように、湾曲した形状であってもよい。
図8に示す扉30Cのように、上下方向及び左右方向の中間付近ほど外方に突出する、寄棟形状(ピラミッド形状)とすることもできる。すなわち、扉30Cは、下方ほど外方に位置する斜面30_1、左方ほど外方に位置する斜面30_2、上方ほど外方に位置する斜面30_3、右方ほど外方に位置する斜面30_4の4つの斜面を有してもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
20 開口部
30 扉
40 側面
100 描画装置
101 基板
102 電子光学鏡筒
103 チャンバ
105 XYステージ
150 描画部
160 制御回路
170 真空ポンプ
200 電子ビーム

Claims (5)

  1. 描画対象基板を載置するステージと、
    前記ステージを内部に配置し、1つの側面に前記ステージの搬出入用の開口部が形成され、前記開口部が扉で塞がれたチャンバと、
    前記チャンバ上に配置された電子光学鏡筒と、
    を備え、
    前記扉の外面及び内面は、前記扉の上端または下端より前記上端と前記下端の間が前記チャンバの外方に突出することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記扉の上半側の外面及び内面が、下方ほど外方に位置する斜面となっており、下半側の外面及び内面が、上方ほど外方に位置する斜面となっていることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記扉は、前記チャンバの壁面よりも薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記扉の外面に強度調整用プレートが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記扉は、前記扉の左端または右端より前記左端と前記右端の間が前記チャンバの外方に突出していることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
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