JP7062302B2 - フィルタリング装置及びフィルタリング方法 - Google Patents
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Description
交流信号に対するフィルタリングを行うためのフィルタリング装置であって、
検波部と、線形結合部とを備えており、
前記検波部は、前記交流信号に対する数値位相検波を行なうことにより、積算振動回数に応じた複数の検波結果を取得する構成となっており、
前記線形結合部は、フィルタ特性に応じた線形係数を用いて前記複数の検波結果の線形結合を行う構成となっている
フィルタリング装置。
さらに出力部を備えており、
前記出力部は、前記線形結合部での線形結合により得られた結果を出力する構成となっている
項目1に記載のフィルタリング装置。
さらに、線形係数決定部を備えており、
前記線形係数決定部は、前記線形係数間の関係と、前記数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて、前記線形係数を算出する構成となっている
項目1又は2に記載のフィルタリング装置。
交流信号に対するフィルタリングを行うためのフィルタリング方法であって、
前記交流信号に対する数値位相検波を行なうことにより、積算振動回数に応じた複数の検波結果を取得するステップと、
フィルタ特性に応じた線形係数を用いて前記複数の検波結果の線形結合を行うことにより、前記交流信号に対するフィルタリングを行うステップと
を備えるフィルタリング方法。
項目4に記載のフィルタリング方法のために用いる線形係数決定方法であって
前記線形係数の間の関係と、前記数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて、前記線形係数を算出するステップを備えている
線形係数決定方法。
項目4又は5に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
本実施形態のフィルタリング装置は、検波部1と線形結合部2とを主要な構成として備えている(図1参照)。さらに、本実施形態のフィルタリング装置は、出力部3と線形係数決定部4とを追加的な要素として備えている。
検波部1は、交流信号に対する数値位相検波を行なうことにより、積算振動回数に応じた複数の検波結果を取得する構成となっている。検波部1の動作の詳細については後述する。
線形結合部2は、フィルタ特性に応じた線形係数を用いて、検波部1により得られた複数の検波結果の線形結合を行う構成となっている。線形結合部2の動作の詳細についても後述する。
出力部3は、線形結合部2での線形結合により得られた結果を出力する構成となっている。出力部3の出力先としては、例えば、ディスプレイやプリンタであるが、それ以外にも、何らかの記憶手段やリモート機器であってもよい。本実施形態では、何らかの機器にデータを送ることも出力の概念に含める。
線形係数決定部4は、線形係数間の関係と、数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて、線形結合部2で用いられる線形係数を算出する構成となっている。線形係数の決定手法についても後述する。
つぎに、前記したフィルタリング装置を用いたフィルタリング方法を、図2をさらに参照しながら説明する。
まず、線形係数決定部4により、目的とするフィルタリング特性に応じた線形係数を決定する。線形係数の決定は、線形係数の間の関係と、数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて行われる。線形係数の決定の具体例については後述する。
前記したステップSA-1の前後に、あるいはそれと同時に、検波部1により、入力された交流信号に対する数値位相検波を行なう。これにより、本実施形態では、積算振動回数に応じた複数の検波結果を取得することができる。この検波手法の詳細も後述する。
ついで、線形結合部2により、フィルタ特性に応じた線形係数を用いて複数の検波結果の線形結合を行う。これにより、交流信号に対する所望のフィルタリングを行うことができる。
ついで、出力部3により、得られたフィルタリング結果を出力する。
以下、本実施形態におけるフィルタリング装置の原理について詳しく説明し、その後、具体的な実施例を説明する。
なので、
という条件を課せば自動的に
となる。a1,a2,…,amを決めるためには方程式があとμ-1個必要である。本実施形態の数値フィルタにどのような機能を持たせるかは、a1,a2,…,amに課す条件によって様々なものが考えられる。
なので、
という条件を課せば自動的に
となる。a1/2,a3/2,…,amを決めるためには方程式があとμ-1必要である。この数値フィルタにどういった機能を持たせるかはやはりa1/2,a3/2,…,amに課す条件によって様々なものが考えられる。
のノイズ成分を除去するノッチフィルタ機能をもった数値位相検波を、信号の位相を回転させることなしに、最大でも2mπ/ω0の時間幅の情報だけを使って行うことができる。例として、x=0.3の角振動数の通過利得を実部虚部共に零にするフィルタの設計例と、x=0.3とx=0.5の角振動数の通過利得を同時に実部虚部共に零にするフィルタの設計例とを図5に示す。ここでは例として、除去したいノイズの角振動数を0.3ω0単独とした場合(m=2)と、0.3ω0と0.5ω0の両方とした場合(m=3)とのそれぞれにおいて、線形結合のパラメータを決定した。同様の処理は、nが整数の場合に限らず、半整数の場合であっても同様に行うことができる。
式(7)のGn CC(x)と式(8)のGn SS(x)をx=0の回りで展開してみると、
或る程度の幅をもって角振動数ω1(≠ω0)付近に分布するノイズを除去するための高次のノッチフィルタを考える。ここで
実施例1に示した例を用いて、複数の周波数を用いて並行して高速で位相検波を行なう際における混信を防ぐことができる。従来、2つの周波数ν1,ν2で位相検波を行なう場合に、ν2=(p2/p1)ν1(p,qは互いに素の自然数)だとすると、混信を防ぐには、ν1に対してはp1回、ν2に対してはp2回の積算振動回数が必要であった。しかし本例の手法では、共に最大でも2回の積算振動回数で足りるようになり、ほとんどの場合において、従来よりも短い時間で検波が出来るようになる。
となる整数の組p1,p2,…,pNが存在するように各周波数ν1,ν2,…,νNを選ぶところから始まる。すなわち
である。この時τはN個全ての周波数に対する積算時間である。実用上は用いる周波数帯域をなるべく狭く取りたいので、欠番を設けず
とするのが一般的である。MはM≧Nとなる整数であり、最大周波数を決めるパラメータになる。M=Nの場合は
であるが、一般には1から始まらなくとも良く
である。従って
となる。これをτについて書き換えると
となる。
ととってみる。実施例1での考察によれば、N個の周波数において互いに干渉せずに検波をするのに必要な積算振動回数は各々の周波数においてN回である。従って各々の周波数における積算時間をτiとすると
となる。
が成り立てば良い。これをNについて解くとN≦M/2+1/2となる。このことは、最高周波数のおおよそ半分よりは上の周波数を使う場合には、帯域幅が狭いほど、OFDM法よりも、本実施例の手法は、データ転送密度の点で有利になることを意味する。公共の電波を使って通信する場合などでは、利用できる周波数帯域に制約があるため、本例の手法が有用である。
以上のように複数の積算振動回数による数値位相検波結果の線形結合をとることで新たに生まれるフィルタ特性は、例として示したものに限らずそれらの組み合わせのものなどを自在に作ることが可能である。総じて、申請された手法を用いると数値位相検波の「積算時間を短く出来る」という特徴を活かしつつ特定の周波数のノイズを効率よく除去することができるようになる。
2 線形結合部
3 出力部
4 線形係数決定部
Claims (6)
- 交流信号に対するフィルタリングを行うためのフィルタリング装置であって、
検波部と、線形結合部とを備えており、
前記検波部は、復調角振動数(ω 0 )の周期数である積算振動回数(n)に応じた積分区間での、前記交流信号に対する数値位相検波を行なうことにより、前記復調角振動数(ω 0 )に対応する実部又は虚部での通過利得(G n CC 又はG n SS )を複数の検波結果として取得する構成となっており、
前記線形結合部は、フィルタ特性に応じた線形係数を用いて前記複数の検波結果の線形結合を行う構成となっている
フィルタリング装置。 - さらに出力部を備えており、
前記出力部は、前記線形結合部での線形結合により得られた結果を出力する構成となっている
請求項1に記載のフィルタリング装置。 - さらに、線形係数決定部を備えており、
前記線形係数決定部は、前記線形係数間の関係と、前記数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて、前記線形係数を算出する構成となっている
請求項1又は2に記載のフィルタリング装置。 - 交流信号に対するフィルタリングを行うためのフィルタリング方法であって、
復調角振動数(ω 0 )の周期数である積算振動回数(n)に応じた積分区間での、前記交流信号に対する数値位相検波を行なうことにより、前記復調角振動数(ω 0 )に対応する実部又は虚部での通過利得(G n CC 又はG n SS )を複数の検波結果として取得するステップと、
フィルタ特性に応じた線形係数を用いて前記複数の検波結果の線形結合を行うことにより、前記交流信号に対するフィルタリングを行うステップと
を備えるフィルタリング方法。 - 請求項4に記載のフィルタリング方法のために用いる線形係数決定方法であって
前記線形係数の間の関係と、前記数値位相検波における全体の通過利得と、目的とするフィルタ特性とを用いて、前記線形係数を算出するステップを備えている
線形係数決定方法。 - 請求項4又は5に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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Title |
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E. Bidet(他4名),FDF, a 512-TAP FIR filter using a mixed temporal-frequential approach,Proceedings of the IEEE 1995 Custom Integrated Circuits Conference,1995年05月04日,pp.173-176 |
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