JP7061687B2 - 脳波解析装置、脳波解析システム及び脳波解析プログラム - Google Patents

脳波解析装置、脳波解析システム及び脳波解析プログラム Download PDF

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Description

本発明の技術は、脳波解析装置、脳波解析システム及び脳波解析プログラムに関する。
多数の電極を用いて脳波を測定し、測定した脳波を用いて対象者の状態を推定する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-192425号公報
しかし、特許文献1に開示されている装置では、脳波の検出精度が高い一方で、対象者に多数の電極を取り付ける必要がある。多数の電極が必要なため、対象者の行動が制限され、対象者の日常環境における脳波を測定し、対象者の状態を推定することはできない。
本発明は、多数の電極を取り付ける場合に比べて、簡易な測定により、環境刺激又は身体感覚などの刺激による集中又は疼痛などの感覚及び機能変化を評価可能な脳波解析装置、脳波解析システム及び脳波解析プログラムを提供することを目的とする。
本開示の第一態様は、脳波解析装置であって、対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する当該波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他の波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する睡眠状態で発生する第3の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第2の比率を算出する算出部と、前記第1の比率、前記第1の比率から定めた第1の基準値、前記第2の比率、及び前記第2の比率から定めた第2の基準値に基づいて、前記対象者の状態を推定する推定部と、を含む。
第一態様において、前記第1の基準値は、全測定時間内の前記第1の比率の平均値、刺激を与える前の期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えている期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えた期間の終了後の期間の前記第1の比率の平均値、又は刺激が無い期間の前記第1の比率の平均値であり、前記第2の基準値は、全測定時間内の前記第2の比率の平均値、刺激を与える前の期間の前記第2の比率の平均値、刺激を与えている期間の前記第2の比率の平均値、刺激を与えた期間の終了後の期間の前記第2の比率の平均値、又は刺激が無い期間の前記第2の比率の平均値である。ここで、第1の基準値は、第1の比率或いは第1の比率を自然対数に変換した値の算術平均値、加重平均値或いは二乗平均平方根などの平均値、又は、第1の比率或いは第1の比率を自然対数に変換した値の中央値である。また、第2の基準値は、第2の比率或いは第2の比率を自然対数に変換した値の算術平均値、加重平均値或いは二乗平均平方根などの平均値、又は、第2の比率或いは第2の比率を自然対数に変換した値の中央値である。上記平均値又は中央値が自然対数変換して求めた値の場合には、それを真数に戻した値を基準値としてもよい。
第一態様において、前記推定部は、前記算出部で算出された前記第1の比率及び前記第2の比率に対応する点が、前記第1の基準値及び前記第2の基準値を原点、前記第1の比率を一方の軸、及び前記第2の比率を他方の軸とする二次元座標のどの象限に属するかを判定することにより前記対象者の状態を推定する。
第一態様において、前記推定部は、前記原点から前記点の距離、前記一方の軸方向における前記原点から前記点の距離、前記他方の軸方向における前記原点から前記点の距離、及び所定期間内に同じ象限内に出現する点の発生頻度の少なくとも一つを更に用いて、前記対象者の状態における程度を推定する。
第一態様において、前記推定部は、前記算出部で算出された前記第1の比率と前記第1の基準値との差、及び前記算出部で算出された前記第2の比率と前記第2の基準値との差に基づいて、前記算出部で算出された前記第1の比率及び前記第2の比率が、前記第1の基準値以上でかつ前記第2の基準値以上か、前記第1の基準値以上でかつ前記第2の基準値未満か、前記第1の基準値未満でかつ前記第2の基準値以上か、又は前記第1の基準値未満でかつ前記第2の基準値未満かを判断することにより、前記対象者の状態を推定する。
第一態様において、前記第1の周波数帯域の波はγ波で、前記第2の周波数帯域の波はβ波で、かつ前記第3の周波数帯域の波はθ波又はδ波である。
第一態様において、前記スペクトルは、前記第2の周波数帯域よりも低く前記第3の周波数帯域よりも高い第4の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する、前記第1の周波数帯域の波又は前記第2の周波数帯域の波の強度の特徴量の比率である第3の比率が、第3の基準値を超えるノイズ部分が除去されたスペクトルである。
第一態様において、前記ノイズ部分は、前記第4の周波数帯域内の波であるLowα波の強度の特徴量に対する、前記第1の周波数帯域の波であるLowγ波又は前記第2の周波数帯域の波であるHighβ波の強度の特徴量の比率である第3の比率が、第3の基準値を超える部分である。
第一態様において、前記波の強度の特徴量は、同じ周波数帯域内に属する波の強度又は波の強度を自然対数に変換した値の算術平均値、加重平均値或いは二乗平均平方根などの平均値、前記波の強度の最大値、前記波の強度の積算値、又は前記波の強度の中央値である。或いは、前記波の強度の特徴量は、波の強度を自然対数に変換して求めた値の場合には、それを真数に戻した値としてもよい。
第一態様において、前記対象者の状態は、注意状態、集中状態、又は散漫状態である。
第一態様において、前記対象者の状態は、疼痛を感じている状態である。
本開示の第二態様は、脳波解析装置であって、対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する当該波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他の波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び睡眠状態で発生する第3の周波数帯域以上、且つ前記第2の周波数帯域未満の帯域を2分割した際の各帯域の波の強度の特徴量から得られる差分量又は各帯域の波の強度の特徴量の比率である第4の比率を算出する算出部と、前記第1の比率、前記第1の比率から定めた第1の基準値、前記差分量又は前記第4の比率、及び前記差分量又は前記第4の比率から定めた第2の基準値に基づいて、前記対象者の状態を推定する推定部と、を含む。
第二態様において、前記差分量は、低周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値と高周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値との差分であり、例えば、低周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値から、高周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値を減じた値である。
第二態様において、前記第4の比率は、低周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値と高周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値との比率であり、例えば、高周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値に対する低周波数側の領域の強度又はパワー値の積分値の比率である。
第二態様において、前記差分量は、低周波数側の領域のパワー値の最大値と高周波数側の領域のパワー値の最小値との差分である。
本開示の第三態様は、脳波解析システムであって、前記対象者の頭部上の所定部位で測定された脳波の時系列データを取得するデータ取得部と、上記の脳波解析装置とを含む。
本開示の第四態様は、脳波解析プログラムであって、対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する当該波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他の波の強度の特徴量の比率又は前記第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する睡眠状態で発生する第3の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第2の比率を算出する算出ステップと、前記第1の比率、前記第1の比率から定めた第1の基準値、前記第2の比率、及び前記第2の比率から定めた第2の基準値に基づいて、前記対象者の状態を推定する推定ステップと、をコンピュータに実行させる。
本開示の第五態様は、対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する当該波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他の波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び睡眠状態で発生する第3の周波数帯域以上、且つ前記第2の周波数帯域未満の帯域を2分割した際の各帯域の波の強度の特徴量から得られる差分量を算出する算出ステップと、前記第1の比率、前記第1の比率から定めた第1の基準値、前記差分量、及び前記差分量から定めた第2の基準値に基づいて、前記対象者の状態を推定する推定ステップと、をコンピュータに実行させる。
本開示の第一態様~第五態様によれば、簡易な測定により、対象者の日常的な状態を推定できる。
本実施形態に係る脳波解析システムの一例を示す図である。 マウス及び人の脳波の分類を示す図である。 脳波解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 脳波解析装置の機能構成の例を示すブロック図である。 画像形成装置による脳波解析処理の流れを示すフローチャートである。 座標系における対象者の状態を表す図である。 座標系における点の指標値の考え方を示す図である。 指標値の推移を示す図である。 測定期間における振幅スペクトルの推移を示す図である。 図6の第3象限に出現する点の指標値の推移を表す図である。 刺激を与える前と、与えている最中との指標値の平均値を示す図である。 図6の第3象限に出現する点の指標値の推移を表す図である。 図6の第1象限に出現する点の指標値の推移を表す図である。 マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。 対象者の脳波を周波数解析して得られた振幅スペクトルの一例を示す図である。 測定期間における振幅スペクトルの推移を示す図である。 ノイズ除去後の振幅スペクトルの一例を示す図である。 ノイズ除去後の振幅スペクトルの推移を示す図である。 人間に対する実験結果を示す図である。 人間に対する実験結果を示す図である。 人間に対する実験のシーケンスを示す図である。 図21に示した実験の各作業において第1象限に出現する点の頻度を表す図である。 図22に示した頻度から得られる散漫減少率を示す図である。 実施例3においてマウスにホルマリンを投与してからの時間と、侵害刺激反応との関係を示す図である。 実施例3での疼痛時と非疼痛時におけるθ波の周波数帯域での周波数特性を示す図である。 実施例3においてマウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の周波数特性を示す図である。 マウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の差分量を説明するための図である。 マウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の差分量を説明するための図である。 マウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の差分量を説明するための図である。 マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。 マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。 マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。 マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。
以下、本発明の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態に係る脳波解析システムの一例を示す図である。
図1に示すように、脳波システムは、データ取得部10、携帯端末20及び脳波解析装置30を含む。
データ取得部10は、例えば、対象者の額部、側頭部又は後頭部に装着され、対象者の脳波を検出し、脳波データを取得する。データ取得部10は、対象者に接触される少なくとも一つの電極12を有する。電極12は、大脳皮質から発生する電位変化を脳波として検出する。データ取得部10は、図示しない送信部を有する。データ取得部10は、取得した脳波データを、送信部を介して、携帯端末20に送信する。データ取得部10は、更に、参照電極14を有する。参照電極14は、例えば、対象者の耳に取り付けられる。データ取得部10は、電極12と参照電極14との電位変化を示すデータを、送信部を介して、携帯端末20に送信する。なお、本明細書において、対象者との用語を用いるが、対象者はヒトに限らない。脳波が検出される対象であれば、いかなる動物も対象者に含まれうる。また、対象者がヒト以外の動物である場合、当業者が選択した適切な装着位置に、上記電極12及び参照電極14が取り付けられる。
携帯端末20は、対象者により携帯され、データ取得部10において取得された脳波データを蓄積する。蓄積された脳波データは、所定のタイミングで、インターネット等の通信ネットワーク40を介して、脳波解析装置30に送信される。脳波解析装置30は、脳波を解析する。脳波の解析の詳細については、後述する。
なお、図1に示す例では、脳波データが一旦、携帯端末20に蓄積されて、脳波解析装置30に送信される。しかし、データ取得部10において取得された脳波データは、直接脳波解析装置30に送信されても良い。この場合、脳波データは、無線又は有線により、データ取得部10から脳波解析装置30に送信される。
脳波解析装置30により解析された解析結果は、携帯端末20が備える表示部22及び脳波解析装置30の表示部36の少なくとも一方に表示される。これにより、解析結果が対象者及び解析者の少なくとも一方により確認可能となる。
図2は、マウス及び人の脳波の分類を示す図である。図2において、上段には、マウスの脳波の分類を示し、下段には、人の脳波の分類を示す。
図1のデータ取得部10により取得される脳波は、複数の周波数帯域の波が含まれ、周波数帯域毎に名称が付される。図2においては、人の脳波に加え、マウスの脳波も示す。後述の実施例においては、マウスを用いた実験についても説明するため、ここで、類似する人及びマウスの脳波を説明する。
脳波の周波数帯域の分類は、様々であり、図示する分類はあくまで一例である。図2に示す周波数帯域の分類と多少ズレていたとしても、本実施形態の脳波解析システムは適用されうる。
まず、マウスの脳波から説明する。
マウスの脳波は、大きく第1の周波数帯域の波、第2の周波数帯域の波及び第3の周波数帯域の波に分類される。第1の周波数帯域の波は、ストレスが付与された状態で多く発生しうる。第2の周波数帯域の波は、通常の覚醒状態で多く発生しうる。第3の周波数帯域の波は、睡眠状態で多く発生しうる。
周波数帯域が高い順に、第1の周波数帯域には、γ4波~γ1波が含まれ、第2の周波数帯域には、β波が含まれ、第3の周波数帯域には、θ波及びδ波が含まれる。
人の脳波は、第1~第3の周波数帯域に加え、更に第4の周波数帯域に分類される。第1の周波数帯域の波は、ストレスが付与された状態で多く発生しうる。第2の周波数帯域の波は、通常の覚醒状態で多く発生しうる。第3の周波数帯域の波は、睡眠状態で多く発生しうる。第4の周波数帯域は、リラックス状態で多く発生しうる。
周波数帯域が高い順に、第1の周波数帯域には、Highγ波、Midγ波及びLowγ波が含まれ、第2の周波数帯域には、Highβ波及びLowβ波が含まれ、第4の周波数帯域には、Highα波及びLowα波が含まれ、第3の周波数帯域には、θ波及びδ波が含まれる。各波の周波数帯域及び名称は、マウスと人とでは異なる。しかし、同じギリシア文字により表す波は、マウスと人との間であっても類似する特徴があることが知られている。
次に、脳波解析装置30のハードウェア構成について説明する。
図3は、脳波解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、脳波解析装置30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ストレージ34、入力部35、表示部36及び通信インタフェース(I/F)37の各構成を有する。各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ34には、脳波を解析するための脳波解析プログラムが格納されている。
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力部35は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。表示部36は、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部36は、タッチパネル方式を採用して、入力部35として機能しても良い。
通信インタフェース37は、データ取得部10及び携帯端末20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の規格が用いられる。
次に、脳波解析装置30の機能構成について説明する。
図4は、脳波解析装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4に示すように、脳波解析装置30は、機能構成として、算出部301及び推定部302を有する。各機能構成は、CPU31がROM32又はストレージ34に記憶された脳波解析プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより実現される。
算出部301は、対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、第1の比率及び第2の比率を算出する。算出部301は、第1の比率及び第2の比率の算出のために、スペクトルから、それぞれ二つの特定の周波数の波を抽出し、抽出した波の強度の特徴量の比率を算出する。ここで、所定部位は、上述の通り、対象者の額部、側頭部又は後頭部である。なお、スペクトルには、振幅スペクトル及びパワースペクトルがある。以下では、周波数解析により振幅スペクトルを得る場合について説明する。
第1の比率は、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する当該波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他の波の強度の特徴量の比率である。この場合、第1の比率は、例えば、図2に示す第1の周波数帯域内のLowγ波の強度に対するHighγ波の強度の比率である。或いは、第1の比率は、覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する第1の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である。この場合、第1の比率は、例えば、図2に示す第2の周波数帯域内のHighβ波の強度の特徴量に対する第1の周波数帯域内のHighγ波又はMidγ波の強度の特徴量の比率である。マウスの場合、第1の比率は、例えば、γ1波に対するγ3波又はγ4波、或いはβ波の強度の特徴量に対するγ2波、γ3波又はγ4波の強度の特徴量の比率である。
第2の比率は、覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内の波の強度の特徴量に対する睡眠状態で発生する第3の周波数帯域内の波の強度の特徴量の比率である。第2の比率は、例えば、図2に示す第2の周波数帯域内のβ波の全体、又は、Highβ波或いはLowβ波の強度の特徴量に対する、第3周波数帯域内のθ波又はδ波の強度の特徴量の比率である。マウスの場合、第2の比率は、例えば、β波の全体に対するθ波の強度の特徴量の比率である。
波の強度の特徴量は、同じ周波数帯域内に属する波の強度の平均値、波の強度の最大値、波の強度の積算値、又は波の強度の中央値である。ここで、(第1、第2又は第3の)周波数帯域内の波の強度の特徴量は、当該周波数帯域の一部から導出又は算出されても良いし、当該周波数帯域の全体から導出又は算出されても良い。例えば、周波数帯域内の特定の周波数の波の強度を、当該周波数帯域内の波の強度の特徴量としても良い。また、周波数帯域内の一部又は全体の周波数帯域に属する波の強度の平均値、積算値、中央値又は最大値を、当該周波数帯域内の波の強度の特徴量としても良い。或いは、周波数帯域内に複数の周波数帯域を定め、定めた各周波数帯域に属する波の強度の平均値、積算値、中央値又は最大値を算出し、算出した値同士の平均値、又は加算値を、当該周波数帯域内の波の強度の特徴量としても良い。なお、上記において、平均値は、算術平均値、加重平均値、幾何平均値、二乗平均平方根による値の何れであっても良い。なお、波の強度は、スペクトルが振幅スペクトルである場合は、振幅値であり、スペクトルがパワースペクトルである場合、パワー値である。以下では、波の強度として、振幅を用いる場合について説明する。
推定部302は、第1の比率、第1の比率から定めた第1の基準値、第2の比率、及び第2の比率から定めた第2の基準値に基づいて、対象者の状態を推定する。第1の基準値、第2の基準値及び対象者の状態の推定については、後述する。
次に、脳波解析装置30の作用について説明する。
図5は、画像形成装置による脳波解析処理の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32又はストレージ34から脳波解析プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、脳波解析処理が行なわれる。図6は、座標系における対象者の状態を表す図である。
CPU31は、対象者の脳波を所定時間測定して得た脳波データを取得する(ステップS101)。脳波データは、上述の通り、データ取得部10又は携帯端末20から受信する。
CPU31は、脳波をフーリエ変換等の手法により周波数帯毎の振幅に変換し、振幅スペクトルを得る(ステップS102)。
CPU31は、フーリエ変換によって得られた振幅スペクトルを用いて、第1の比率を算出する(ステップS103)。以下では、第1の比率の一例として、CPU31は、Lowγ波の振幅に対するHighγ波の振幅の比率を算出する場合について説明する。従って、CPU31は、振幅スペクトルから、Lowγ波成分及びHighγ波成分を抽出し、各時間の振幅の比率を算出する。
続けて、CPU31は、フーリエ変換によって得られた振幅スペクトルを用いて、第2の比率を算出する(ステップS104)。以下では、第2の比率の一例として、CPU31は、β波の振幅に対するθ波の振幅の比率を算出する場合について説明する。従って、CPU31は、振幅スペクトルから、β波成分及びθ波成分を抽出し、各時間の振幅の比率を算出する。
CPU31は、第1の比率及び第2の比率を用いて、座標系を作成する(ステップS105)。具体的には、CPU31は、脳波の全測定時間の第1の比率或いは当該第1の比率を自然対数に変換した値の算術平均、加重平均、若しくは2乗平均平方根等の方法により求めた平均値、第1の比率或いは当該第1の比率を自然対数に変換した値の中央値、又は前記平均値、中央値を真数に戻した値を第1の基準値とする。また、CPU31は、全測定時間の第2の比率或いは当該第2の比率を自然対数に変換した値の算術平均、加重平均、若しくは2乗平均平方根等の方法により求めた平均値、第2の比率或いは当該第2の比率を自然対数に変換した値の中央値、又は前記平均値、中央値を真数に戻した値を第2の基準値とする。そして、CPU31は、図6に示すような、第1の比率を縦軸(Y軸)、第2の比率を横軸(X軸)とし、第1の基準値及び第2の基準値を原点とする座標系を作成する。なお、第1の比率を縦軸(Y軸)、第2の比率を横軸(X軸)としさえすれば、必ずしも、第1の基準値及び第2の基準値を原点にしなくても良い。以下では、第1の基準値及び第2の基準値を原点とした座標系により説明する。また、第1の基準値及び第2の基準値は、脳波の全測定時間の平均値でなくても良い。刺激を与える前の期間の平均値、刺激を与えている期間の平均値、又は刺激を与えた期間の終了後の期間の平均値であっても良い。以下では、第1の基準値及び第2の基準値は、全測定時間の平均値として求められる場合について説明する。
CPU31は、作成した座標系を用いて、対象者の状態を推定する(ステップS106)。作成した座標系においては、縦軸の値が大きい程、対象者がより興奮した状態を示す。また、横軸の値が大きい程、対象者がより散漫した状態を示す。発生毎(単位時間毎)の第1の比率及び第2の比率の組合せを、作成した座標系に点としてプロットすることにより、同じ象限への出現頻度及び点のプロットの位置の変遷が観察される。なお、点は、ある単位時間の第1の比率及び第2の比率の組合せによりプロットされる場合に限定されない。点は、連続する複数の単位時間(例えば1から5秒間)の第1の比率の平均値及び第2の比率の平均値の組合せとしてプロットされても良い。
象限は、第1象限51から第4象限54に区分される。第1象限51では、点のX軸及びY軸の値の両方が第1の基準値及び第2の基準値以上である。第2象限52では、点のX軸の値が第1の基準値よりも小さく、Y軸の値が第2の基準値以上である。第3象限53では、点のX軸及びY軸の値の両方が第1の基準値及び第2の基準値よりも小さい。第4象限54では、点のX軸の値が第1の基準値以上であり、Y軸の値が第2の基準値よりも小さい。
例えば、第1象限51は、疼痛等の刺激により対象者が散漫な状態となっているときに点がプロットされやすい領域である。第2象限52は、対象者が注意しているときに点がプロットされやすい領域である。第3象限53は、対象者が集中しているときに点がプロットされやすい領域である。注意と集中との違いは、注意が、必要な標的に集中して情報を入力、処理、及び出力しながらも、周りに意識を払っている状態をいうのに対し、集中が、一つの物事に意識を継続的に向けている状態をいう点にある。第4象限54は、対象者が眠さ等により散漫となっているときに点がプロットされやすい領域である。このように、各象限の特性を予め見出し、点がどの象限にプロットされるかにより、対象者の状態を推定できる。
第1象限51~第4象限54のうち、特定の象限にプロットされる点のみに注目することにより、対象者の状態の種類及び程度、対象者が当該状態となる時間等をより明確に推定できる。特定の象限に注目する場合について説明する。
図7は、座標系における点の指標値の考え方を示す図である。図8は、指標値の推移を示す図である。
図7では、第1象限51を注目する例を説明する。点60が第1象限51にプロットされる場合、例えば、次に示す5つの値を指標値にできる。
指標値A 点60の原点50からのX軸方向の距離(x1)
指標値B 点60の原点50からのY軸方向の距離(y1)
指標値C 点60の原点50からの距離((x1+y11/2
指標値D 第1象限51に点がプロットされる(出現する)発生頻度
指標値E 上記A~Cの何れかに上記Dを乗算した値
第1象限51に限らず、第2象限52~第4象限54にプロットされる点も、同様に、原点50からの関係及び各象限での点の発生頻度により指標値が得られる。
上記指標値A~Eの何れかを用いて、指標値の推移を時系列に並べると、例えば図8に示すようなグラフが得られる。
図8に示すグラフでは、対象者に刺激が与えられた刺激期間において、刺激期間の前後の期間よりも指標値が大きいことが分かる。このように、指標値の推移を時系列に表すことにより、対象者の状態の変化が明確に分かり、特定の状態になったことが明確に推定できる。指標値の大きさから、特定の状態における程度、例えば集中の程度等も推定できる。
なお、図8に示す例では、刺激を加える前の期間を原点算出期間とし、原点算出期間における脳波から算出された第1の比率の値及び第2の比率の値の平均値を図7の原点として求めた後、上述の指標値A~Eのような指標値を求め、当該指標値の経時変化を表している。図8では、刺激を加える前の期間の指標値と比較して、刺激期間における指標値の上昇が顕著に分かる。このように、第1の基準値及び第2の基準値をどの期間の脳波を用いて算出するかは、対象者の状態を推定する上で重要である。原点算出期間を、刺激を与えている刺激期間の前の期間の他、刺激期間、刺激期間の後の期間、刺激を与えていない期間(刺激期間と刺激期間の間の期間)又は前の期間から後の期間までの全期間のいずれかにできる。あるいは、脳波の測定後に、第1の基準値及び第2の基準値を算出するのではなく、リアルタイムで順次計算することもできる。この場合、脳波解析装置30は、脳波データを順次受信し、受信した範囲内で第1の基準値及び第2の基準値を更新する。これにより、対象者の急激な状態の変化を特定し、状態を推定できる。
なお、上記実施形態においては、ステップS105において、座標系を作成し、座標系内において、点がどの象限に出現するかにより、対象者の状態を判断している。しかし、本実施形態は、必ずしも座標系を前提としなくても良い。例えば、算出部301で算出された第1の比率と第1の基準値との差、及び算出部301で算出された第2の比率と第2の基準値との差に基づいて、対象者の状態を推定しても良い。この場合、算出部301で算出された第1の比率及び第2の比率が、第1の基準値以上でかつ第2の基準値以上か、第1の基準値以上でかつ第2の基準値未満か、第1の基準値未満でかつ第2の基準値以上か、又は第1の基準値未満でかつ第2の基準値未満かを判断することにより、対象者の状態を推定できる。
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
図9は、測定期間における振幅スペクトルの推移を示す図である。図10は、図6の第3象限53に出現する点の指標値の推移を表す図である。図11は、刺激を与える前と、与えている最中とにおける、原点からの距離と第3象限53への出現頻度の積の平均値を示す図である。
実施例1では、約40分の間、対象者からデータ取得部10により脳波を検出した。脳波の検出を開始してから約20分経過後から検出を終了するまでの間、対象者にパズルゲームを行なわせることにより、刺激を与えた。
脳波の検出が終了した後、データ取得部10から脳波解析装置30に脳波データを送信し、脳波解析装置30において脳波を解析した。脳波の解析は、図5に示す脳波解析処理に従って行なった。ステップS105の座標系作成においては、対象者の測定全期間の脳波データを用い、その平均値である第1の基準値及び第2の基準値を原点とする座標系を作成した。ステップS106においては、図6に示す座標系において、第3象限53に注目し、第3象限53に出現する点についてのみ指標値を算出した。指標値は、原点50から点までの距離として算出した。
以上の条件で実施した結果、脳波の振幅スペクトルの推移として、図9に示す結果が得られた。図9に示す結果では、フーリエ変換により得られる全ての波の振幅が示される。対象者がパズルゲームを行なうと、何れかの波で振幅が上昇しているのが分かる。何れの波で振幅が上昇しているかは分かりにくい。なお、図9に示す振幅スペクトルの推移のデータには、電源由来のノイズが含まれている。電源由来のノイズを、以下では電源ノイズと呼ぶ。電源ノイズは除去した方が好ましい。電源ノイズを除去する場合、商用電源周波数(日本においては、50Hz又は60Hz)、又は、インバータ機器に近接した環境においては、変換された周波数を除去する。電源ノイズの除去の際には、周波数の中央値から幅を取って削除する。当該幅は、電源ノイズの強度によって調整しうる。電源ノイズの強度が強い場合、電源ノイズの強度が小さい場合に比べて、中央値からの広い幅の周波数帯域を削除する。例えば、商用電源周波数が50Hzの場合、49.25Hz~50.75Hzの範囲の周波数帯域を、振幅スペクトルから除去する。削除する範囲は、中央値の前後で、0.25~数Hzで設定されうる。
図6に示す座標系を作成し、第3象限53に出現する点の指標値を算出すると、図10に示す結果が得られた。対象者が集中した時に、第3象限53には点が表れ易いため、図10に示すように、パズルゲームによる刺激中は、刺激前に比べて、指標値が出現する頻度が高い。すなわち、対象者がパズルゲームを行なっている間は、図6に示す座標系で、第3象限53に点が出現する頻度が高い事が分かる。刺激中の方が指標値も若干高いことが分かる。
ここで、刺激前の期間と刺激中の期間のそれぞれにおいて、出現した点の指標値(原点からの距離)の平均値に、点が出現した頻度を乗算する。すると、図11に示すように、刺激前では、0.3以下であった数値が、刺激中では0.7以上となっており、数値が2倍以上になっていることが分かる。このように、期間毎に指標値を用いて状態を数値化することにより、対象者の状態の変化を定量的に明確に表現できることが分かる。
(実施例2)
図12は、図6の第3象限に出現する点の指標値の推移を表す図である。図13は、図6の第1象限に出現する点の指標値の推移を表す図である。
実施例2においては、対象者の両耳にヘッドホンを取り付け、約27分間、脳波を測定した。脳波の測定期間においては、音楽を全く流さない期間P1、ヘッドホンから対象者の両耳にジャズの音楽を流す期間P2、及びヘッドホンから対象者の左耳にワルツの音楽、右耳にジャズの音楽を流す期間P3を設けた。期間P1は約5分、期間P2は約11分、期間P3は約11分であった。
脳波の検出が終了した後、データ取得部10から脳波解析装置30に脳波データを送信し、脳波解析装置30において脳波を解析した。脳波の解析は、図5に示す脳波解析処理に従って行なった。ステップS105の座標系作成においては、全測定時間の脳波データを用い、その平均値である第1の基準値及び第2の基準値を原点とする座標系を作成した。ステップS106においては、図6に示す座標系において、第1象限51及び第3象限53に注目し、第1象限51及び第3象限53に出現する点についてそれぞれの指標値を算出した。指標値は、原点50から点までのX軸方向の距離として算出した。
以上の条件で実施した結果、図12及び図13に示す指標値の推移が得られた。
図12では、第3象限53に点が出現した時の指標値を表している。対象者が集中している場合に、第3象限53に点が出現し易い。音楽のない第1期間P1に対して、両耳でジャズが流れている第2期間P2では点が出現する頻度が低減している事が分かる。また、第1期間P1に対して、左右の耳で異なる音楽が流れている第3期間P3では点が出現する頻度が増加している事が分かる。
また、図13では、第1象限51に点が出現した時の指標値を表している。対象者が散漫な状態の場合に、第1象限51に点が出現し易い。音楽のない第1期間P1に対して、両耳でジャズが流れている第2期間P2では点が出現する頻度が増加している事が分かる。また、第1期間P1に対して、左右の耳で異なる音楽が流れている第3期間P3では点が出現する頻度が低減している事が分かる。
以上のように、図12及び図13では、相反する集中状態と散漫状態を示しており、期間P2及び期間P3では、点が出現する頻度が逆転している事が分かる。これにより、第1象限51を注目して推定できる対象者の集中状態と、第3象限53を注目して推定できる対象者の散漫状態とが、適切に推定されていることが裏付けられる。
(実施例3)
図14は、マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。
実施例3では、マウスを用いて、上述の脳波解析処理による対象者の状態の推定を検証した。
まず、イソフルランで麻酔したマウスを脳定位固定装置に固定し、一次体性感覚野、手綱核および前頭前皮質にタングステン電極の先端が位置するように刺入し、固定した。手術5日以降に、オープンフィールドで自由行動中のマウスから局所電場電位(記録装置:Tucker-Davis Technologies社、RZ5)を記録した。その後左後肢足蹠に5%ホルマリン溶液20μLを皮下注射し、再度オープンフィールド内で1時間局所電場電位を記録した。また投与24時間後にオープンフィールド内で自由行動中のマウスから局所電場電位を記録した。ホルマリン投与後の痛み行動評価として、足を舐めるおよび噛むといった痛み行動の合計時間を、目視でストップウォッチを用いて測定した。
前頭前皮質からの局所電場電位の周波数スペクトル解析を実施して各周波数帯に区切り、それらの強度から脳の活動度を判断した。周波数データはホルマリン投与前、投与後0-10分(Phase1またはP1と称する)、投与後25-35分(Phase2又はP2と称する)、投与後24時間の10分間の4時点の解析を行った。さらに、ホルマリン投与後、0から5分後(PFと称する)、10から15分後(P1-2と称する)の2時点の解析も行った。
脳波に基づく実施結果は、図14に示す通りである。図14では、脳波の全測定時間の平均値をX軸及びY軸の原点、すなわち第1の基準値及び第2の基準値とした場合において、第1象限51にデータ(点)がプロットされる頻度を表す。図14に示すように、ホルマリン投与前のPhase0に比べて、Phase1~3では脳波に基づいて第1象限51に点が出現する出現頻度が格段に上がった。Phase1からPhase3に向かって時間が経過するにつれて、第1象限51に点が出現する出現頻度が徐々に下がった。
上記の第1象限51における点の出現頻度の推移は、目視により監視した痛み行動の合計時間の推移と整合していた。このことから、脳波から推定したマウスの状態の変化は、実際のマウスの状態の変化と整合していることが確認できた。
(筋電由来のノイズキャンセリング)
図15は、対象者の脳波を周波数解析して得られた振幅スペクトルの一例を示す図である。図16は、測定期間における振幅スペクトルの推移を示す図である。図17は、ノイズ除去後の振幅スペクトルの一例を示す図である。図18は、ノイズ除去後の振幅スペクトルの推移を示す図である。なお、図15及び図17において、横軸の単位は1/4Hzであり、例えば、横軸の60は、15Hzを意味する。図15及び図16において、振幅スペクトルのデータからは、50Hzを含む50Hz近傍の周波数帯のデータを除去することにより、電源ノイズを除去している。以下では、電源ノイズに加えて、筋電由来のノイズも除去する。
上記で説明してきた脳波解析処理において、さらに測定中のノイズを除去する形態について説明する。図17は、ノイズ除去後の振幅スペクトルを示す図である。図18は、ノイズ除去後の振幅スペクトルの推移を示す図である。
日常生活で脳波測定を行うにあたり、筋肉の収縮によって起こる活動電位、特に噛歯による電位が、前頭部からの脳波測定において、ノイズとして大きく影響する。ノイズを除くために、噛締め時に観測される筋電と類似の周波数比率を持つデータを除去する。
小児歯科学雑誌32(4):872-888 (1994)には、噛みしめ時の筋電図において、少なくとも0~50Hz(広い場合には0~100Hz)の周波数帯において、周波数の上昇に伴い、ほぼ直線的にパワーが上昇していることが示されている。これがヒトの脳波δ波~γ波の周波数帯とオーバーラップし、かつ、強度が大きな筋電が脳波を覆い隠すため、ウェアラブルな装置を用いる日常生活における脳波測定におけるノイズになってしまう。周波数が大きくなると共に、強度が大きくなっているデータについては、解析に含めないこととして、脳波以外のノイズをキャンセルして解析の精度を高めうる。例えば、Highβ/Lowα>2、Lowγ/Lowα>2のいずれの場合も、脳波ではなく、筋電であると考えて、解析対象から外すことが考えらえる。なお、この例では、基準値(第3の基準値)を2としているが、基準値は2に限定されない。脳波計のスペック等により基準値は変更できる。なお、上記文献中のグラフの縦軸は、20ヘルツ毎のパワー値の積分の全体に対する百分率である。
咀嚼時の対象者の脳波をデータ取得部10により取得し、周波数解析すると、図15に示す振幅スペクトルが得られた。ここで、Lowα、Highβ、Lowγ波が表れる周波数帯域において、ノイズとみられる歪な波形が観察される。咀嚼している期間を含む所定の測定期間における振幅スペクトルの推移は、図16に示す通りである。対象者により咀嚼が行なわれていた期間においては、振幅が大きくなっていることが分かる。
ここで、上述のように、Highβ/Lowα>2及びLowγ/Lowα>2の少なくとも一方を満たすノイズ部分を除去したところ、図17及び図18に示す結果が得られた。
図17に示す振幅スペクトルの図では、咀嚼によるノイズ部分が除去され、歪な波形がなくなっていることが分かる。また、図18に示す振幅スペクトルの推移では、咀嚼により振幅が異常に大きく示されていた咀嚼期間のデータが概ね除去されていることが分かる。
以上を図2に示す波の分類に従って一般化すると、次の通りである。第2の周波数帯域よりも低く第3の周波数帯域よりも高い第4の周波数帯域内の波の振幅に対する、第1の周波数帯域の波又は第2の周波数帯域の波の振幅の比率である第3の比率が、第3の基準値を超える部分がノイズ部分である。当該ノイズ部分を振幅スペクトルから除去することにより、ノイズを除去した脳波の解析結果が得られる。
CPU31は、対象者が目を閉じて安静にしていた期間(安静閉眼時)における脳波から算出された第1の比率の値及び第2の比率の値の平均値を第1の基準値及び第2の基準値として座標系を作成してもよい。
図19及び図20は、人間に対する実験結果の一例を示すグラフである。図19は、4人の対象者が音楽を聴いてリラックスしている状態にある場合の脳波の周波数特性から算出した第1の比率及び第2の比率をプロットしたグラフである。図20は、4人の対象者が安静閉眼の状態にある場合の脳波の周波数特性から算出した第1の比率及び第2の比率をプロットしたグラフである。図19及び図20に示す実験では、4人の対象者に対し、午前と午後の2回脳波の測定を行った。図中、例えば、A1は、第1の対象者の午前の測定結果に基づくプロットを示し、P1は、同じ第1の対象者の午後の測定結果に基づくプロットを示す。
図19及び図20に示したように、安静閉眼時の第1の比率の値及び第2の比率の値は、リラックスした状態に比べて小さくなる傾向になる。従って、安静閉眼時の値を原点とした座標系とすると、第2象限52及び第3象限53のデータが減少し、対象者が注意または集中していたかどうかの推定を行うことが難しくなる場合がある。
そこで、CPU31は、安静閉眼時の値を原点とした座標系において、刺激期間での第1象限51への出現頻度を1から減じた値を対象者の集中度の指標として、対象者の状態を推定してもよい。安静閉眼時の値を原点とした座標系において、刺激期間での第1象限51への出現頻度を1から減じた値を散漫減少率とも称する。
図21のようなシーケンスで対象者に作業を行わせた場合を例に挙げる。対象者は、指示がない限り各作業を開眼の状態で行うものとする。安静(1)は、例えばPCへのログインや再起動など、特に集中、注意は払うことがなくできる作業を対象者が行う期間である。タスク(1)は、例えば数字を使用した、難易度が易しめに設定されたパズルを対象者が解く作業を行う期間である。タスク(2)は、例えば様々なパズルを制限時間内に対象者が解く作業を行う期間である。安静開眼は、対象者が目を開けて出来るだけ無心の状態にいる期間である。タスク(3)は、例えば数字を使用した、難易度がタスク(1)のものより難しく設定されたパズルを対象者が解く作業を行う期間である。タスク(4)は、例えばタスク(2)とは異なる内容の様々なパズルを制限時間内に対象者が解く作業を行う期間である。安静閉眼は、対象者が目を閉じて出来るだけ安静の状態にいる期間である。リラックスは、対象者が心を落ち着かせることができるジャンルの音楽を聴きながらリラックスした状態にいる期間である。
図22は、図21に示したそれぞれの作業時における第1象限51への出現頻度を折れ線グラフで示したグラフである。そして、図23は、図21に示したそれぞれの作業時における散漫減少率(刺激期間での第1象限51への出現頻度を1から減じた値)を棒グラフで示したグラフである。図23に示したグラフは、棒の高さが高いほど対象者の集中が高い状態にあることを意味する。従って、CPU31は、対象者の散漫減少率によって対象者の状態を推定してもよい。
本実施形態では、第2の比率を横軸として座標系が作成されていたが、本発明は係る例に限定されるものではない。第2の比率に替えて、睡眠状態等で発生する第3の周波数帯域以上、且つ覚醒状態で発生する第2の周波数帯域未満の帯域を2分割した際の各帯域の波の強度から得られる特徴量を横軸として、座標系が作成されてもよい。すなわち、人間であれば第3の周波数帯域及び第4の周波数帯域、例えば、浅い睡眠状態等で発生する第3の周波数帯域及び第4の周波数帯域(3.5Hz~11.75Hz)を2分割した際の各帯域の波の強度から得られる特徴量を横軸として、座標系が作成されてもよい。またマウスであれば第3の周波数帯域(4Hz~12Hz)を2分割した際の各帯域の波の強度から得られる特徴量を横軸として、座標系が作成されてもよい。
図24は、実施例3においてマウスにホルマリンを投与してからの時間と、侵害刺激反応との関係を示すグラフである。図24に示すように、Phase1(投与後0-10分)及びPhase2(投与後25-35分)では侵害刺激反応が見られたのに対し、Phase1とPhase2との間の期間では侵害刺激反応がほとんど見られない。
図25は、実施例3での疼痛時と非疼痛時におけるθ波の周波数帯域での周波数特性を示すグラフである。符号201は、非疼痛時における周波数特性である。符号202は、Phase1の期間での周波数特性である。符号203は、Phase2の期間での周波数特性である。図25に示すように、マウスを用いた疼痛の実験結果によると、非疼痛時よりも、Phase1及びPhase2の疼痛時の方がθ波のピークが低波数側にシフトする傾向がみられた。
図26は、実施例3において、マウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の周波数特性を示すグラフである。図26においては、マウスにホルマリン投与する前の脳波の強度(Pre)に対する、投与後0から5分後(PF)、投与後0から10分後(Phase1:P1)、10から15分後(P1-2)、25から35分後(Phase2:P2)、24時間後(24H)における各周波数の波の強度比を示す。PFの期間は、P1の期間に含まれるので、以下では、P1の期間及びPFの期間のいずれにも関連する場合は、P1(PF)と記載する。符号211は、P1(PF)の期間での強度比である。符号212は、P1-2の期間での周波数特性である。符号213は、P2の強度比である。符号214は、ホルマリン投与から24時間経過後の強度比である。
図26に示すように、マウスを用いた疼痛の実験結果によると、P1(PF)及びP2の疼痛時のθ波の強度が5Hz辺りで顕著に上昇した。一方、P1(PF)及びP2の間の非疼痛時のθ波の強度比のピーク、並びに24時間経過後の非疼痛時のθ波の強度比のピークは、6~8Hz辺りになだらかに現れた。すなわち、P1(PF)及びP2の疼痛時のθ波のピークが、非疼痛時のθ波のピークよりも低波数側にシフトする傾向がみられた。
また、図26に示すように、P1(PF)及びP2の疼痛時にはγ波の領域において強度比が上昇する傾向がみられた。また、図26に示すように、P1(PF)とP2との間の期間(P1-2)においては、強度比が前後の期間と比べて24時間経過後の非疼痛時(24H/Pre)に近い値となっている傾向がみられた。言い換えれば、マウスにホルマリンを投与すると、P1(PF)及びP2の2つの時点では、非疼痛時(24H/Pre)と比べ、θ波とγ波(60Hz以上の部分)の強度比が高くなる疼痛の二峰性の傾向がみられた。
ここで、疼痛時にはθ波のピークがシフトするという傾向に着目する。CPU31は、θ波の周波数帯域を2つに分割し、それぞれの帯域の波の強度から得られる特徴量の差を横軸として、座標系を作成してもよい。2つの帯域の波の強度から得られる特徴量の差を差分量と定義する。CPU31は、全測定時間の差分量の算術平均、加重平均、若しくは2乗平均平方根等の方法により求めた平均値、脳波の全測定時間の差分量の自然対数の平均値、又は差分量の中央値を第2の基準値とする。
図27、図28、図29は、マウスにホルマリンを投与した際、投与前後のマウスの脳波の強度の比率の差分量を説明するためのグラフである。差分量として用いる値は様々なものが採用され得る。2つに分割した周波数帯域のうち、低周波数側をA領域、高周波数側をB領域とする。
図27は、人の脳波の振幅強度の周波数特性を示すグラフである。符号401は疼痛時の脳波の周波数特性であり、符号402は非疼痛時の脳波の周波数特性である。図27の例では、A領域をおよそ4.0~9.5Hz、B領域を9.5Hz~12Hzとする。図28及び図29は、マウスの脳波の、非疼痛時からの比率の周波数特性を示すグラフである。図28及び図29の例では、A領域を4.0~7.5Hz、B領域を8.0Hz~11.5Hzとする。図29は、図28のグラフから、Phase1における周波数特性を抜き出したグラフである。
なお、本実施形態では上述の周波数帯をA領域及びB領域としたが、各領域の周波数帯は係る例に限定されるものではない。例えば、人間の場合はHighα波及びLowα波の周波数帯で現れるピークの周波数の前後1~2Hzの範囲をA領域、Highα波及びLowα波の周波数帯であってA領域より高周波数側の領域をB領域としてもよい。また例えば、マウスの場合はθ波の周波数帯を等分し、低周波数側をA領域、高周波数側をB領域としてもよい。
CPU31は、A領域の特徴量としてA領域のパワー値の最大値を用い、B領域の特徴量としてB領域でのパワー値の最小値を用いてもよい。またCPU31は、A領域の特徴量としてA領域での振幅値を用い、B領域の特徴量としてB領域での振幅値を用いてもよい。またCPU31は、A領域の特徴量としてA領域でのパワー値の積分値を用い、B領域の特徴量としてB領域でのパワー値の積分値を用いてもよい。そして、CPU31は、A領域の特徴量から、B領域での特徴量を減じた値を差分量としてもよい。図27及び図28のHは、A領域の特徴量としてA領域のパワー値の最大値を用い、B領域の特徴量としてB領域でのパワー値の最小値を用いた場合の差分値に相当する。
また、CPU31は、A領域の特徴量としてA領域のパワー値の最大ピークの周波数を用い、B領域の特徴量としてB領域でのパワー値の最小ピークの周波数を用いてもよい。そして、CPU31は、A領域の特徴量から、B領域の特徴量までの距離(図27及び図28のW)を差分量としてもよい。
また、CPU31は、θ波の周波数帯域を2つに分割し、それぞれの帯域の波の強度から得られる特徴量の差を横軸とする代わりに、θ波の周波数帯域を2つに分割し、それぞれの帯域の波の強度から得られる特徴量の比率である第4の比率を横軸として、座標系を作成することもできる。CPU31は、全測定時間の第4の比率の算術平均、加重平均、若しくは2乗平均平方根等の方法により求めた平均値、脳波の全測定時間の第4の比率の自然対数の平均値、又は第4の比率の中央値を第2の基準値とする。
(マウスを用いた疼痛の実験)
図30及び図31は、マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。図30及び図31は、図14に示した実験結果と同様に、ホルマリン投与前のPhase0及び、ホルマリン投与後のPhase1~3における第1象限51に点が出現する出現頻度を示したグラフである。図30及び図31は、脳波の全測定時間の平均値をX軸及びY軸の原点、すなわち第1の基準値及び第2の基準値とした。図30及び図31に示した実験結果は、図14に示した実験結果が得られたマウスとは別の個体のマウスから得られたものである。
図30には、図14と同じく、X軸を第2の比率(例えば、θ/β)とした場合の第1象限51への点の出現頻度が示されている。図31には、X軸を第2の比率に替えて差分量(例えば、図27の(H))とした場合の第1象限51への点の出現頻度が示されている。図31の実験結果における差分量は、低帯域でのパワー値の最大値から、高帯域でのパワー値の最小値を減じた値を採用した。脳波解析装置30は、X軸を第2の比率に替えて差分量とした場合であっても、図14に示した実験結果と同様の結果を得ることができる。
図32及び図33は、マウスを用いた疼痛の実験結果を示す図である。図32及び図33では、ホルマリン投与前のPhase0及び、投与後0-5分(PF)、10-15分(Phase1-2:Phase1(投与後0-10分)とPhase2との間)、投与後25-35分(Phase2)、投与後24時間の10分間(Phase3)の5時点の解析を実施した場合における、第1象限51に点が出現する出現頻度を示したグラフである。図32及び図33に示したグラフは、ホルマリン投与前(プレ時間)のデータの平均値をX軸及びY軸の原点、すなわち第1の基準値及び第2の基準値とした。図32には、図14及び図30と同じく、X軸を第2の比率とした場合の第1象限51への点の出現頻度が示されている。図33には、図31と同じく、X軸を第2の比率に替えて差分量(例えば、図27の(H))とした場合の第1象限51への点の出現頻度が示されている。
図26に示したように、マウスにホルマリンを投与した場合、Phase1及びPhase2の疼痛時にθ波のピークが現れる。その際のマウスの脳波を周波数解析し、座標系に点としてプロットした場合、X軸を第2の比率にした場合と差分量にした場合のいずれにおいても、疼痛の二峰性が示されていることが分かる。従って、X軸を差分量とした場合であっても、脳波解析装置30はマウスの状態を推定することが可能となる。
(適用可能性)
次に、上記の脳波解析処理の適用可能性について説明する。
<集中・散漫>
脳波解析処理により、集中度を推定することにより、どのような行動を行なえば集中度を高めることができるかを、個人単位又は集団単位で把握することが可能となる。例えば、ヒト用途、産業用途、動物用途として、以下のような用途が考えられる。
ヒト用途としては、発達障害(ADHD、自閉症など)、睡眠障害、認知症、せん妄、うつ病等の疾患のモニタリング又は治療への適用が考えられる。抑うつ状態等の精神状態、睡眠又は眠気に関連する状態のモニタリングへの適用が考えられる。医薬品等の有効性評価及びこれを利用した医薬品開発への適用が考えられる。健康管理、セルフメディケーション、マインドフルネス、美容、VR酔等の状態の推定への適用が考えられる。ナーシングケア(介護施設の快適性向上、リハビリテーション効果測定又は適正化)への適用が考えられる。更に、技術訓練、技術習得、学習、教育又は競技等への適用が考えられる。
また、産業用途としては、作業安全、商品開発、又は五感センサー(臭覚、味覚、聴覚、視覚又は触覚に対する刺激からの異常検知)等への適用が考えられる。
動物用途としては、愛玩動物、ペットの健康管理、ペットとの意思疎通等への適用が考えられる。畜産、健康管理又は生産量向上への適用が考えられる。
<疼痛>
疼痛を客観的な指標で評価することができるようになり、どのように疼痛を感じ、どのようにすれば、疼痛を緩和できるかを個人単位で把握することが可能性となる。例えば、次の適用が考えられる。
片頭痛等の疼痛疾患の予兆検知への適用が考えられる。疼痛の定量化、疼痛感覚の細分化による治療の効率化、及び新規治療方法の開発効率化への適用が考えられる。また、医薬品等の有効性評価及びこれを利用した医薬品開発への適用が考えられる。
以上のように、本実施形態の脳波解析処理は、様々な用途への適用可能性がある。
上記の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
また、脳波解析装置30を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、脳波解析装置30の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
30 脳波解析装置
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 ストレージ
35 入力部
36 表示部
37 通信インタフェース
39 バス
40 通信ネットワーク
50 原点
51 第1象限
52 第2象限
53 第3象限
54 第4象限
60 点
301 算出部
302 推定部

Claims (17)

  1. 対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量に対する当該γ波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他のγ波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する睡眠状態で発生する第3の周波数帯域内のθ又はδ波の強度の特徴量の比率である第2の比率を算出する算出部と、
    前記第1の比率及び前記第2の比率に対応する点が、第1の基準値及び第2の基準値を原点、前記第1の比率を一方の軸、及び前記第2の比率を他方の軸とする二次元座標のどの象限に属するかを判定することにより、前記対象者の状態を推定する推定部と、
    を含み、
    前記第1の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第1の比率の平均値又は中央値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第2の比率の平均値又は中央値である脳波解析装置。
  2. 前記第1の基準値は、全測定時間内の前記第1の比率の平均値、刺激を与える前の期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えている期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えた期間の終了後の期間の前記第1の比率の平均値、又は刺激が無い期間の前記第1の比率の平均値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間内の前記第2の比率の平均値、刺激を与える前の期間の前記第2の比率の平均値、刺激を与えている期間の前記第2の比率の平均値、刺激を与えた期間の終了後の期間の前記第2の比率の平均値、又は刺激が無い期間の前記第2の比率の平均値である請求項1記載の脳波解析装置。
  3. 前記推定部は、前記原点から前記点の距離、前記一方の軸方向における前記原点から前記点の距離、前記他方の軸方向における前記原点から前記点の距離、及び所定期間内に同じ象限内に出現する点の発生頻度の少なくとも一つを更に用いて、前記対象者の状態における程度を推定する請求項記載の脳波解析装置。
  4. 前記推定部は、前記算出部で算出された前記第1の比率と前記第1の基準値との差、及び前記算出部で算出された前記第2の比率と前記第2の基準値との差に基づいて、
    前記算出部で算出された前記第1の比率及び前記第2の比率が、前記第1の基準値以上でかつ前記第2の基準値以上か、前記第1の基準値以上でかつ前記第2の基準値未満か、前記第1の基準値未満でかつ前記第2の基準値以上か、又は前記第1の基準値未満でかつ前記第2の基準値未満かを判断することにより、前記対象者の状態を推定する請求項1又は請求項2記載の脳波解析装置。
  5. 前記スペクトルは、前記第2の周波数帯域よりも低く前記第3の周波数帯域よりも高い第4の周波数帯域内のα波の強度の特徴量に対する、前記第1の周波数帯域のγ波又は前記第2の周波数帯域のβ波の強度の特徴量の比率である第3の比率が、第3の基準値を超えるノイズ部分が除去されたスペクトルである請求項1~の何れか一項に記載の脳波解析装置。
  6. 前記ノイズ部分は、前記第4の周波数帯域内の波であるLowα波の強度の特徴量に対する、前記第1の周波数帯域の波であるLowγ波又は前記第2の周波数帯域の波であるHighβ波の強度の特徴量の比率である第3の比率が、第3の基準値を超える部分である請求項記載の脳波解析装置。
  7. 前記γ、前記β波、前記θ波又は前記δ波の強度の特徴量は、同じ周波数帯域内に属する前記γ、前記β波、前記θ波又は前記δ波の強度の平均値、前記γ、前記β波、前記θ波又は前記δ波の強度の最大値、前記γ、前記β波、前記θ波又は前記δ波の強度の積算値、又は前記γ、前記β波、前記θ波又は前記δ波の強度の中央値である請求項1~の何れか一項に記載の脳波解析装置。
  8. 前記対象者の状態は、注意状態、集中状態、又は散漫状態である請求項1~の何れか一項に記載の脳波解析装置。
  9. 前記対象者の状態は、疼痛を感じている状態である請求項1~の何れか一項に記載の脳波解析装置。
  10. 前記第1の基準値は、前記第1の比率若しくは前記第1の比率を自然対数に変換した値の中央値、又は前記平均値若しくは前記中央値を真数に戻した値であり、
    前記第2の基準値は、前記第2の比率若しくは前記第2の比率を自然対数に変換した値の中央値、又は前記平均値若しくは前記中央値を真数に戻した値である請求項1記載の脳波解析装置。
  11. 対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量に対する当該γ波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他のγ波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び睡眠状態で発生する第3の周波数帯域以上、且つ前記第2の周波数帯域未満の帯域を2分割した際の低周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量と高周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量との差分量又は前記低周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量と前記高周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量との比率である第4の比率を算出する算出部と、
    前記第1の比率及び前記第4の比率に対応する点が、第1の基準値及び第2の基準値を原点、前記第1の比率を一方の軸、及び前記第4の比率を他方の軸とする二次元座標のどの象限に属するかを判定することにより、前記対象者の状態を推定する推定部と、
    を含み、
    前記第1の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第1の比率の平均値又は中央値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間内の前記第4の比率の平均値又は中央値である脳波解析装置。
  12. 前記θ波の強度の特徴量は、前記θ波の強度又は前記θ波のパワー値の積分値である請求項1に記載の脳波解析装置。
  13. 前記低周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量は、前記低周波数側の領域のパワー値の最大値であり、前記高周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量は前記高周波数側の領域のパワー値の最小値である請求項1に記載の脳波解析装置。
  14. 前記第1の基準値は、全測定時間内の前記第1の比率の平均値、前記第1の比率若しくは前記第1の比率を自然対数に変換した値の中央値、又は前記平均値若しくは前記中央値を真数に戻した値、刺激を与える前の期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えている期間の前記第1の比率の平均値、刺激を与えた期間の終了後の期間の前記第1の比率の平均値、又は刺激が無い期間の前記第1の比率の平均値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間の前記第4の比率の算術平均、加重平均、若しくは2乗平均平方根等の方法により求めた平均値、脳波の全測定時間の前記第4の比率の自然対数の平均値、又は前記第4の比率の中央値である請求項11に記載の脳波解析装置。
  15. 前記対象者の頭部上の所定部位で測定された脳波の時系列データを取得するデータ取得部と、請求項1~1の何れか一項に記載の脳波解析装置とを含む脳波解析システム。
  16. 対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量に対する当該γ波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他のγ波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する睡眠状態で発生する第3の周波数帯域内のθ又はδ波の強度の特徴量の比率である第2の比率を算出する算出ステップと、
    前記第1の比率及び前記第2の比率に対応する点が、第1の基準値及び第2の基準値を原点、前記第1の比率を一方の軸、及び前記第2の比率を他方の軸とする二次元座標のどの象限に属するかを判定することにより、前記対象者の状態を推定する推定ステップと、
    をコンピュータに実行させ
    前記第1の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第1の比率の平均値又は中央値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第2の比率の平均値又は中央値である脳波解析プログラム。
  17. 対象者の頭部の所定部位で測定された脳波の時系列データを周波数解析することにより得られたスペクトルから、ストレスが付与された状態で発生する第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量に対する当該γ波より高い周波数帯域の前記第1の周波数帯域内の他のγ波の強度の特徴量の比率又は覚醒状態で発生する第2の周波数帯域内のβ波の強度の特徴量に対する前記第1の周波数帯域内のγ波の強度の特徴量の比率である第1の比率、及び睡眠状態で発生する第3の周波数帯域以上、且つ前記第2の周波数帯域未満の帯域を2分割した際の低周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量と高周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量との差分量又は前記低周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量と前記高周波数側の帯域のθ波の強度の特徴量との比率である第4の比率を算出する算出ステップと、
    前記第1の比率及び前記第4の比率に対応する点が、第1の基準値及び第2の基準値を原点、前記第1の比率を一方の軸、及び前記第4の比率を他方の軸とする二次元座標のどの象限に属するかを判定することにより、前記対象者の状態を推定する推定ステップと、
    をコンピュータに実行させ
    前記第1の基準値は、全測定時間内の少なくとも一部の期間の前記第1の比率から定まる平均値又は中央値であり、
    前記第2の基準値は、全測定時間内の前記第4の比率から定まる平均値又は中央値である脳波解析プログラム。
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