JP2004511286A - 高速な応答により患者の大脳の状態を判定するための方法及び装置 - Google Patents

高速な応答により患者の大脳の状態を判定するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

患者の大脳の状態を確認するための方法及びシステムに関する。本方法/装置は、患者の麻酔の深さ確認することにその用途を見出している。1実施の形態では、患者のEEG信号データのエントロピーが大脳の状態の指示として決定される。周波数領域のパワースペクトルの量は、患者のEMG信号データから取得される。パワースペクトルの量は、その高い周波数のために、EEGエントロピーよりも頻繁に更新することができる。EEGエントロピーの指示及びEMGパワースペクトルの指示は、結合されて複合指示となり、患者の大脳の状態における変化に関する迅速な指示を与える。別の実施の形態では、患者からの生体電位信号のエントロピーが決定される周波数レンジは、EEG信号データ及びEMG信号データの両者を包含するように広帯域化され、エントロピーは、患者の大脳の状態の指示として使用されるように決定される。

Description

【0001】
[発明の分野]
本発明は、患者の大脳の状態を判定するための方法及びシステムに関する。
本発明の方法及び装置の1つの用途は、たとえば、麻酔薬の投与から起こる患者の催眠状態の程度を判定することである。この程度は、「麻酔の深さ」と言われることがある。
本発明の方法及び装置では、大脳の状態の変化を正確かつ迅速に判定することができる。
【0002】
[発明の背景]
極端に単純化された定義では、麻酔は、感覚又は痛みを部分的又は全体的に失った人工的に誘発された状態である。殆どの医療の手順について、感覚を失うことは、患者が麻酔状態にあり、その手順に気付かないように、患者側で意識をなくすことにより伴われる。
【0003】
「麻酔の深さ」は、麻酔薬の投与後に意識がなくなる程度を一般に記述する。麻酔をかける大きさ、すなわち麻酔の深さが増加すると、麻酔が投与された患者は、話しかけられた要求に連続的に応答することが典型的にできず、眼瞼反射を失い、他の反射を失い、生命にかかわる徴候の低下を受ける。
【0004】
意識を失うこと(催眠状態、記憶の喪失)、及び感覚を失うこと(無痛覚)は、麻酔に関する重要な特徴である一方で、バランスされた高品質の麻酔は、筋肉のリラクセーション、自律神経システムの抑圧、神経筋接合部の閉塞も考慮されなければならない。
【0005】
十分な筋肉のリラクセーションは、患者の組織を扱う外科医にとって最適な手術条件を保証するために必要とされる。自律神経システムが抑圧されていない場合、患者にショックの反応で外科医の動作に反応させ、この反応は、血液動力学及び内分泌システムに大きな影響を与える。
【0006】
患者を完全に動きをなくしたままにするために、患者の体が完全に麻痺されるように、脳から筋肉への命令を転送する神経筋接合部は、ブロックされる必要がある。麻酔の全ての5つの要素からなる状態を判定する必要が広く認識されている一方で、信頼性が高い、正確かつ迅速な方法において、催眠又は麻酔の深さの状態を確認及び定量化することが広く注目の主題となってきている。
【0007】
この確認及び定量化についての1つの理由は、その重要性にある。麻酔が十分に深くなければ、患者は手術又は他の医療手順の間に意識を維持するか又は意識を得る場合があり、これにより、患者、麻酔科医及び外科医にとって、極端に外傷性の経験となる。
【0008】
他方で、過度の深い麻酔は、その殆どが高価である麻酔薬の不必要な消費となる。余りに深い麻酔は、手術の回復プロセスの間に、益々多くの医療の監視を必要とし、患者にとって麻酔薬の効果が完全になくなるために必要とされる期間を長引かせる。継続した研究及び患者の催眠状態を監視するために与えられる注目のための第2の理由は、その困難さから生じる。すなわち、麻酔薬は、患者の脳の活動及び状態を変え、これらの変化は検出することが常に容易ではない。
【0009】
研究目的に使用される麻酔の深さの測定は、Observer’s Assessment of Alertness and SedationすなわちOAASにおいて発見される。OAASは、極端な刺激に対する患者の応答に基づいて、意識レベル、或いは逆に、鎮静又は麻酔の深さを判定する。麻酔の深さを6つのレベルに分類するかかるアセスメントの1つは、以下の表により要約される。意識から無意識への遷移は、OAASスコアがレベル3からレベル2に変化するときに生じると思われる。レベル0は、非常な痛みの刺激に対して患者が応答しない深い麻酔の状態に対応する。
【表1】
Figure 2004511286
「下垂」は、上部眼瞼が下がることである。「TOF刺激」(「4連刺激」)は、非常に短い、患者の腕における尺骨神経に印加される痛みを伴う電気的(50mA)な刺激であり、筋収縮の強度を評価するために4回繰り返される。「強縮性刺激」では、5秒のような時間周期について、電流(50mA)が連続的に印加される。尺骨神経は、つねられたときに、よく知られた「ひじの外側の尺骨突起部」の作用を生じる。
【0010】
研究及び他の目的に有効である一方で、OAASスケールは、制限された数のスケーリングレベルのみを提供し、麻酔科医からの要求された注意及び痛みを伴う刺激の使用のために、実際の使用において制限されている。
【0011】
脳の神経系活動は、脳の表面及び頭皮で利用可能な生体電位において反射されることが以前から知られている。したがって、催眠が誘発された麻酔の程度を定量化する試みは、これら生体電位の研究に変化している。生体電位の電気信号は、認識されたプロトコルにより指定された位置で、患者の頭皮に位置される電極のペア又は複数のペアにより通常取得され、電気信号のセット又は複数のセット又はチャネルは、電極から取得される。これらの信号は、増幅及びフィルタリングされる。記録された信号は、脳波(Electroencephalogram)すなわちEEGを含んでいる。
【0012】
フィルタリングの目的は、EEG信号から筋電図(Electromyographic:EMG)信号を除去することである。EMG信号は、患者の筋肉の活動から生じ、患者の額又は頭皮に印加された脳波電極で現れる。これらは、EEG信号に関してアーチファクトと通常考えられる。EMG信号は、その周波数レンジ(40〜300Hz)にそのエネルギーの殆どを特徴的に有しており、該周波数レンジは、EEG信号の周波数レンジとは異なり、EMG信号の主要部分は、EEG信号から離れている。
【0013】
図1には、典型的なEEG信号が示されている。EEG信号パターンのマクロの特徴は、広く定義された低周波の周期、又は所定の周波数帯域において生じる波形の存在である。4つのかかる帯域は、デルタ(Delta:0.5〜3.5Hz)、シータ(Theta:3.5〜7.0Hz)、アルファ(Alpha:7.0〜13.0Hz)及びベータ(Beta:13.0〜32.0Hz)と認識される。
【0014】
アルファ波は、目覚めている期間の間に発見され、眠っている間には全体的に消えている。アルファ波よりも高い周波数のベータ波は、中央神経システムの強い活動の期間の間に記録される。アルファ波よりも低い周波数のシータ波及びデルタ波は、嗜眠状態又は深い睡眠状態の期間を反映している。
【0015】
催眠の深さに対する類似性により、信号の振幅がはじめに増加すると、麻酔の深さの増加につれて、EEGの周波数は減少すると言われている。しかし、この全体の特徴は、あまりに不正確であって、かつ信頼性が低く、催眠の程度としてかかる重要な医療の態様の指示として使用することができない。
【0016】
さらに、麻酔の間のEEG信号の変化は、患者の催眠状態におけるEEG信号の変化に十分に相関していない場合がある。たとえば、12から18Hzの周波数バンドでは、麻酔薬が投与されるにつれて、EEG信号の活動ははじめに増加し、その後は、麻酔が深まるにつれて活動が減少することが報告されている。
【0017】
上記の状況により、研究及び他の技法の使用が行われ、EEG波形を調べて、患者が受ける麻酔の深さを含めた脳の根本的な条件を確かめている。EEG信号は、本来非常にランダムであることが、図1から即座に理解される。心電計(Electrocardiogram:ECG)のような他の生体電位信号とは異なり、EEG信号は、従来では比較及び分析することができる明らかな繰返しパターン、モルフォロジー及びタイミングを通常有していない。また、EEG信号の波形の形状は、脳における固有の根本的なイベントに良好に相関していない。したがって、EEGの視覚的な調査から容易に明らかである、てんかん患者の急発作のような所定の現象を除き、EEGにおける脳の他の条件の指示は、非常に捉えがたい。
【0018】
他の技法の使用の前に、EEG信号は、アナログのEEG信号の振幅を連続的にサンプリングされ、一連のデジタルデータ値に変換されることにより、アナログ/デジタル信号変換を受ける。サンプリングは、典型的に100Hz又はそれ以上で実行される。デジタル信号は、コンピュータの磁気媒体又は他の記憶媒体に記憶され、次いで、更なる処理を受け、脳の根本的な状態が確認される。
【0019】
かかる処理は、共に「エポーク」と呼ばれる連続的なEEG信号のサンプルからなるセット、又は有限時間ブロックを表すデータポイントを典型的に使用する。データの分析では、所定のエポーク及び所定数のバックワードエポークを使用することに基づいた移動平均が通常実行される。
【0020】
麻酔の深さを判定するために、EEG信号を分析することができる幾つかの技術は、Ira J. Rampilによる“A Primer for EEG Signal Processing in Anesthesia” Vol. 89, Anesthesiology No. 4, pgs.980 et seq., October 1998に記載されている。
【0021】
1つのかかる技術は、幾つかの意味あるやり方で、EEG信号の電圧が時間につれてどのように変化するかを調べることである。かかる分析は、「時間領域の分析」と呼ばれる。EEG信号の一般的にランダムな性質のために、EEG信号は、決定論的な信号である。これは、たとえば、ECG信号における過去のQRS複雑さの形状が使用され、分析及び診断向けに次の値を予測することができるやり方で、EEG信号の過去の値から次の値を正確に予測することが困難であることを意味している。しかし、EEG信号のような、ランダム信号の所定の統計的な特徴は、分析の目的で判定及び使用することができる。
【0022】
時間領域ベースのEEG分析方法は、臨床用途で非常に成功していることが証明されていない。これは、結果が完全に一致した振る舞いを示さないためである。しかし、かかる方法は、麻酔薬の投与を制御するために時間領域のEEG信号電圧から導出された電力パラメータの使用において報告されている。時間領域ベースの統計的パラメータの結合は、EEGデータを分析するために使用されている。EEG信号データを分析するために、所与の期間においてEEG信号がゼロ電圧レベルを交差する回数使用するための試みがなされている。
【0023】
しかし、時間領域ベースの分析は、EEGにおけるバースト抑圧の研究及び定量化において有効である。深い睡眠又は麻酔の間は、時間領域のEEG信号は、交互の周期すなわち通常の「バースト」、又は高周波及び振幅、電圧信号、及びその周期が「抑圧」の周期と呼ばれる低電圧又はゼロ電圧の周期により特徴付けられる活動のパターンを発展させる。この現象の範囲は、「バースト抑圧比(BSR)」として表現することができ、EEG電圧がサンプリング周期の一部として抑圧状態にある時間を記述する時間領域のEEGパラメータである。
【0024】
EEG信号の波形を分析する第2のアプローチは、周波数の関数として信号の活動を調べることである。すなわち、「周波数領域の分析」である。EEG信号のような複雑な波形を分解又は変換して、様々な周波数、振幅及び位相からなる単一の正弦波又は余弦波の複数のスペクトルにすることができる。
【0025】
周波数領域のスペクトルは、フーリエ変換により、連続的な時間領域のEEG信号データから取得することができる。周波数領域の分析は、スペクトルの様々な周波数を有する波形において生じる特徴及び機能を判定するために、変換から取得される周波数信号のスペクトルを分析する。EEG信号の周波数領域の分析結果は、周波数が横座標に図示され、電力が縦座標に図示される電力対周波数ヒストグラムとして、典型的にグラフにより表示される。
【0026】
脳電図からの有効な情報を取得するための更なる試みは、バイスペクトル又はトリスペクトルを含んだ上位の分析を使用している。バイスペクトルは、2つの異なる周波数成分の間の位相の相関を測定し、基礎となるEEGの正弦波成分の間の関係を定量化するものであり、かなりの注目を集めている。バイスペクトルは、2つの主要周波数f及びfでの正弦波と、周波数f+fでの変調成分の間の関係を定量化する。周波数f,fと周波数f+fの間の強い位相の関係は、周波数f+fについての大きなバイスペクトル値をつくる。しかし、数千のf,fとf+fの周波数結合について、複素算術を使用して計算が実行されなければならないので、バイスペクトル情報を取得するための計算は、むしろ骨が折れる。
【0027】
臨床の使用について、上述したEEG信号分析又は他のタイプの分析の結果を、患者を診察するときに、臨床設定において麻酔科医により使用することができる作業パラメータに簡単にすることが望まれている。理想的に、望まれるのは、十分な警戒から可逆的に催眠ではない最大の深さまでの、一貫し、連続したスケールに関して麻酔の深さを定量化する簡単な1つのパラメータ又はインデックスである。十分に有効であるために、かかるスケールは、異なる患者の異なる生理学と同様に、異なる麻酔薬の異なる薬理学作用にも拘らず、その一貫性を維持しなければならない。
【0028】
患者の催眠状態にEEG信号データを関連付けるための様々なかかるパラメータは、文献において説明されている。幾つかは、周波数領域のパワースペクトル分析を使用している。これらのパラメータは、ピークパワー周波数(PPF)、メディアンパワー周波数(MPF)及びスペクトルエッジ周波数(SEF)を含んでいる。
【0029】
ピークパワー周波数(PPF)パラメータは、麻酔の深さの指示としてサンプリングされたデータにおいて最高パワーが生じるスペクトルにおける周波数を使用している。メディアンパワー周波数(MPF)パラメータは、その名が示すように、スペクトルを2分する周波数を使用する。同じように、スペクトルエッジ周波数は、EEG信号における最高周波数を使用する。スペクトルエッジパラメータの変更は、SEF95パラメータであり、スペクトルにおけるパワーの95%が存在する周波数である。
【0030】
催眠状態又は麻酔の深さの指示に関する一貫性を改善するために、幾つかのパラメータは、結合されて使用されることがある。たとえば、スペクトルエッジ周波数(SEF)パラメータは、時間領域のバースト抑圧比(BSR)パラメータと結合され、麻酔の深さを指示することができる一貫性及び精度を改善する場合がある。
【0031】
上述したタイプのパラメータは、麻酔薬により引き起こされるEEGにおける変化を検出することができ、麻酔の深さを判定することにおいて有効である一方で、異なる麻酔薬により誘発された異なるEEGパターンへの感度のために、挙動に関するエンドポイントに較正することができない。
【0032】
より複雑なパラメータの結合は、Nassib Chamoun等による米国特許第4,907,597号、第5,010,891号、第5,320,109号、及び第5,458,117号に記載されており、本特許の出願人により製造及び販売されている麻酔モニタプロダクト Aspect Medical Systems of Framingham,MAに使用されている。この特許は、時間領域サブパラメータ及び周波数領域サブパラメータの様々な結合を記載しており、上位のスペクトルサブパラメータを含み、幾つかの麻酔薬について麻酔のレンジにわたる鎮静及び催眠の挙動のアセスメントを相関付けるバイスペクトルインデックス(BIS)と呼ばれる1つの変数を形成する。この能力のために、Aspect Medical Systemsのプロダクトは、臨床の許容を発見している。
【0033】
バイスペクトルインデックスBISは、以下の3つのサブコンポーネントから構成されている。「同期高速低速」、「ベータ比」及び「バースト抑圧」である。サブパラメータ「同期高速低速」の計算は、周波数領域におけるバイスペクトル分析を利用している。「同期高速低速」パラメータは、レンジ40〜47Hzにおける総和で除算される周波数レンジ0.5〜47Hzにおける全てのバイスペクトルピークの総和の比の対数に対応する。
【0034】
「ベータ比」サブパラメータは、周波数レンジ30〜47Hz及び11〜20Hzにおけるパワー比の対数を与える。これは、軽い鎮静において最も作用することがわかっている周波数領域のパラメータである。上述されたように、麻酔が非常に深いレベルでは、EEG信号は、EEGの活動が抑圧されるデータサンプルを含んでいる。「バースト抑圧比」は、EEG信号の時間領域の分析から取得され、信号におけるバースト及び抑圧の相対的な内容を記述する。「バースト抑圧比」は、抑圧が生じている深い麻酔において使用可能である。
【0035】
結果的に得られるバイスペクトルインデックスBISは、これら3つのサブパラメータの結合である。結合アルゴリズムは、最良の性能のレンジに従い、異なるサブパラメータを重み付けする。アルゴリズムの詳細は、発表されておらず、所有権が主張されており、異なるサブパラメータ又はサブパラメータの結合は、催眠又は麻酔の深さのレベルに依存して使用される。
【0036】
たとえば、軽い鎮静は、信頼性の高い結果を得るために、「ベータ比」サブパラメータと共に、バイスペクトルの「同期高速低速」パラメータを使用することが必要である。深い麻酔について、バイスペクトルサブパラメータ「同期高速低速」を「バースト抑圧比」サブパラメータと結合して、信頼性のある結果をつくることが必要である。アルゴリズムは、麻酔の深さを正確に判定するために必要とされるサブパラメータの適切な結合を行うために、麻酔のレベルは何かをアルゴリズムは知らなければならず、これにより、適切なサブパラメータの結合を必要とする点で、回りくどく見える。
【0037】
バイスペクトルインデックス(BIS)のある逆説的な挙動が報告されている。Detsch等による“Increasing Isoflurane Concentration may cause Paradoxical Increases in the EEG bispectral index in Surgical Patients”Br. J. Anaesth.84 (2000), pgs.33−37を参照されたい。インデックスは、複数のサブパラメータ及びその結合を異なる領域の催眠において使用するので、この挙動は、患者の催眠レベルが、たとえば「外科手術のレベル」と「深い催眠」の間の領域において領域の境界にあるときに生じる。
【0038】
さらに、バイスペクトルインデックス(BIS)パラメータの計算は、EEGデータの幾つかのエポークを平均することを必要とする。したがって、このインデックスは、臨床の状況で必要とされるような、患者の状態における変化を検出するために十分に高速ではない。Baker等による“Electroencephalographic Indices Related to Hypnosis and Amnesia During Propofol Anesthesia for Cardioversion”Anaesthesia and Intensive Care, Vol.28, No.4, 2000を参照されたい。
【0039】
したがって、BISインデックスは、患者が彼/彼女の目を既に開いた数秒後に回復を示す。これは、BISインデックスの使用における重要な問題である。麻酔の深さを知ることにより、麻酔科医は、患者に投与する麻酔薬の量をより正確に制御することができる。これは、投与される麻酔薬の量における低減となる。しかし、減少された量の麻酔薬により、患者が手術中に目を覚ますという危険が増加する。したがって、患者が催眠状態から意識のある状態に近づいているかを麻酔科医が即座に知ることが必要である。
【0040】
脳波形による信号の分析に対する異なるアプローチは、麻酔の深さの指示として使用するために、非常にランダムなEEG信号の複雑さを定量化しようと試みることである。このアプローチは、EEG信号の非線形の力学に基づいた測定値が根本的な脳の活動の状態への直接の調査を可能にするように、脳のような神経システムが様々な非線形の挙動を示す、という前提に基づいている。
【0041】
ランダム且つ予測不可能な信号の複雑な性質に向けられる概念及び分析技術は多数存在する。かかる概念の1つは、エントロピーである。エントロピーは、物理的な概念として、物理システムの不秩序の状態を記述する。信号分析で使用されるとき、エントロピーは、信号の複雑さ、予測不可能性又はランダムな特性を説明して記述する。簡単な例では、連続的な値がある固定された振幅、次いで別の固定された振幅が交互に現れる信号は、ゼロのエントロピーを有する。すなわち、信号は、全体的に予測可能である。連続的な値がランダム番号ジェネレータにより発生される信号は、大きな複雑かつ大きなエントロピーを有する。
【0042】
エントロピーの概念を脳に適用することは、上記前提は、患者が目覚めているとき精神は活気に満ちており、脳の状態はより非線形、複雑かつ雑音性があるということになる。EEG信号が脳の活動の根本的な状態を反映するので、このことは、EEG信号データにおいて、相対的に「ランダム性」又は「複雑さ」があることが反映されており、逆に、低レベルの「秩序」であることが反映されている。
【0043】
患者が睡眠に入るとき、又は麻酔が投与されるとき、脳の機能は、少なくなり始め、より秩序的及び規則的となる。脳の活動状態が変化するとき、これは、EEG信号データの「ランダム性」又は「複雑性」が相対的に低くなることにより、EEG信号において反映され、逆に、信号データにおける「秩序」が増加することにより反映される。患者が目覚めているとき、EEGデータ信号は、高いエントロピーを有し、患者が睡眠状態にあるとき、EEG信号は、低いエントロピーを有する。
【0044】
麻酔に関して、人体の徴候の増加は、EEG信号データがより多くの「秩序」を含んでいることを示している。すなわち、高い濃度の麻酔薬により、少ない「ランダム性」及び低いエントロピーを示し、低い濃度の麻酔薬よりも麻酔の深さは深くなる。
【0045】
低濃度の麻酔薬では、EEG信号は、高いエントロピーを有する。これは、仮定上、後者の状態よりも前者の状態における少ないレベル脳の活動による。25Hzの遮断周波数に対するエントロピー測定を記載している、I.A. Rezek及びS.J. Robertsによる“Stochastic complexity measures for physiological signal analysis” IEEE Transactions on Biomedical Engineering, Vol.4, No.9, September 1998、及び0.5〜32Hzまでの周波数レンジにおけるエントロピー測定を記載しているBruhn等による“Approximate Entropy as an Electroencephagraphic Measure of Anesthetic Drug Effect during Desflurane Anesthesia” Aneathesiology, 92 (2000), pgs,715−726を参照されたい。また、H. Viertio−Ojaによる“New method to determine depth of anesthesia from EEG measurement”in J. Clim. Monitoring and Comp. Vol. 16(2000) pg.16を参照されたい。ここでは、意識がある状態から意識のない状態への遷移は、患者に依存しないエントロピーの普遍の臨界値で生じることが報告されている。
【0046】
脳の意識のある状態から意識のない状態に対するエントロピーの概念の適切さは、最近の理論的な研究においてサポートされており(Steyn−Ross等によるPhys. Rev. E60 1999, pgs.7229−7311を参照されたい)、熱力学の理論を脳の研究に適用している。この研究は、麻酔が投与されている患者が意識のある状態から意識のない状態に移行するとき、脳の神経システムの熱力学のフェーズの遷移は、水が氷になるときに生じるフェーズ変化に粗く類似して行われる。凍結のプロセスの間、水及び氷が異なるエントロピーを有するように、潜在的な熱のプロセスに比例するエントロピーの量がなくなる。
【0047】
脳の意識のある状態及び意識のない状態は、個別の、異なる値のエントロピーを有することが同様に期待される場合がある。基本的なメカニズムを反映したパワースペクトルのような導出された現象よりはむしろ、脳の基本的なメカニズムを反映する量を使用することとして、麻酔の深さの判定において、意識を失うことが熱力学のフェーズの遷移に類似するものとみなすことができるという前提は、大脳の状態の基本的な特徴としてのエントロピーの概念に対して、及びエントロピーの使用に対して、更なるサポートを与える。
【0048】
要するに、以下のことが言える。第1に、ある形式のエントロピーは、麻酔の深さの関数と一致して挙動することがわかる。Bruhn等及びH. E. Viertio−Oja等による“Entropy of EEG signal is a robust index for depth of hypnosis”Anesthesiology 93(2000) A, pg.1369を参照されたい。これは、催眠のレベルを特徴付けるための自然的かつロバストな選択としてエントロピーを考慮することを保証する。また、全てのレベルの麻酔で、エントロピーが麻酔の深さに相関するので、バイスペクトルインデックス(BSI)におけるような、各種サブパラメータを結合する必要を回避する。
【0049】
第2に、意識のある状態から意識のない状態への遷移は、患者に依存しないエントロピーの臨界レベルで行われる。Viertio−Oja等による“In J. Clim. Monitoring and Computing”を参照されたい。第3に、特に実用的な重要性であり、麻酔から意識のある状態に向かう患者の回復は、臨界レベルに向かってエントロピーの上昇により予測することができることがある。
【0050】
多数の技術及び関連するアルゴリズムは、Rezek及びRoberts等によるIEEE Transaction on Biomedical Engineeringの論文において記載されているように、エントロピーに基づくものを含み、信号の複雑さを定量化するために利用することができる。かかるアルゴリズムの1つは、エントロピーの値が周波数空間で計算されるスペクトルエントロピーを生成するものである。
【0051】
別のアルゴリズムは、Kolmogonov−Sinaiエントロピー規定から導出され、Takenのエンベデッド空間で計算される近似エントロピーを提供する。Steven M. Pincus, Igor M. Gladstone, and Richard A. Ehrenkranzによる“A regularity statistic for medical data analysis” J. Clim. Monitoring 7(1991), pgs. 335−345を参照されたい。近似エントロピーを計算するためのプログラムは、Btuhn等によるAnsthesiologyにおける論文に記載されている。
【0052】
ランダム性の高い信号の非線形の分析のための別の技術は、Lempel−Zivの複雑さにおいて表現され、データポイントの文字列の複雑さは、文字列を生成することが可能な最短の可能なコンピュータプログラムをつくるために必要とされるバイト数により与えられる。Abraham Lempel及びJacob Zivによる“On the complexity of finite sequences”IEEE Trans., IT−22(1976) pgs. 75−81を参照されたい。
【0053】
EEG信号の分析に適用される場合がある更なるアプローチは、カオス理論に基づいたフラクタルスペクトル分析である。フラクタルスペクトル分析では、EEG信号が高調波成分とフラクタル成分に分割される。高調波成分は、単一の周波数を含み、フラクタル成分は、時間的なスケーリングの下で不変である部分を含んでいる。周波数パワー法則1/fβに対応するフラクタル指数ベータは、麻酔の深さの過程で一致して増加する。
【0054】
[発明の概要]
本発明の目的は、患者の催眠状態又は意識のある状態、並びに患者が投与されている麻酔の深さを含んで、患者の大脳の状態を正確に判定するための改善された方法及び装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、特に患者が意識のない状態から意識のある状態に現れるときに、かかる判定を迅速に行うことができるかかる方法/装置を提供することにある。
【0055】
本発明の要旨は、EEG信号データから導出された患者の大脳の状態に関する効果的な測定値を結合することにあり、好ましくは、スペクトルエントロピー又は近似エントロピーのような複雑さに関する測定値と、EMG信号から導出されたより迅速に取得することができる測定値とを結合して、大脳の指示としてこの結合を使用することである。
【0056】
患者の催眠状態の指示又は麻酔の深さの状態の指示として使用されるとき、EMG信号データから導出された測定値は、EEG信号データを使用して行われた催眠状態の判定を拡張及び確認し、患者の催眠状態における変化の確認をより急速にする。これは、麻酔科医がタイムリーに、適切な行動をとることができるように、麻酔が投与された患者がまもなく意識を回復する可能性について、同席する麻酔科医に警告することにおいて特に有効である。EMG信号データから導出された測定値は、スペクトルパワーデータを含んでいる場合がある。
【0057】
EEG信号データ及びEMG信号データの両者は、たとえば、患者の額に取り付けられた同じセットの電極から典型的に取得される。EEG信号成分は、電極に存在する生体電位に含まれる低周波数(約30Hzまで)であることを特徴とし、EMG信号成分は、高周波数(約50Hz及びそれ以上)であることを特徴とする。
【0058】
EMG信号データの存在は、患者に意識があり、患者の意識‐無意識の状態の急速な指示を提供することができることを示している。重要なことに、EMG信号データが高周波であるために、サンプリング時間は、低周波のEEG信号データについて必要とされるサンプリング時間よりも大幅に短縮することができる。これにより、全体的な診断のインジケータを即座に示すことができるように、より頻繁に計算されるEMG信号データは、患者の状態において変化する。
【0059】
本発明の1実施の形態では、EEG信号データ及びEMG信号データは、個別に分析され、その後に診断のインデックスすなわち指示に結合される。上述したように、患者の麻酔の状態における変化がEMG信号データから判定することができる敏速さのために、全体的なインデックスは、患者の状態における変化を麻酔科医に通知することができる。
【0060】
本発明の別の実施の形態では、複雑さの計算、すなわちエントロピーの計算のスペクトルレンジは、EMGレンジに拡張するために広くされる。複雑さの計算が実行されてインジケータを提供するスペクトルレンジは、たとえば0.5から7Hzといったある低周波数から32Hzを超える周波数に拡張される。電源ラインの干渉をフィルタリングにより除去するために、スペクトルレンジは、50、60Hz及び100、120Hz前後の周波数の除去により帯域に分割される場合がある。
【0061】
たとえば、スペクトルレンジが約150Hzに拡張される実施の形態では、低周波数帯域(0.5〜47Hz)は、殆どのEEG信号データを含んでおり、2つの上側帯域(63〜97Hz、及び123〜147Hz)は、主にEMGのデータを含んでいる。広帯域化された周波数レンジの使用は、スペクトルを2つのセグメントに分割することを必要としないか、又は広帯域化された周波数レンジにおける全ての周波数成分が同様に扱われるために、第1の実施の形態では必要としない。
【0062】
また、EEG信号データ及びEMG信号データについての周波数帯域がオーバラップしているので、スペクトルレンジ内の境界は人工的である。同じ分析技術は、意識のある状態から深い麻酔の状態までの催眠の全てのレベルについて使用される。複数のサブパラメータを使用したインジケータにより発見される矛盾した挙動、及び麻酔の様々なレベルについての結合のルールが回避される。
【0063】
さらに、本発明の第2の実施の形態において取得される複雑さに関する測定値は、複雑さの計算の広帯域化されたスペクトルレンジにおけるEMG信号の高周波数により許容されるのと同様な頻度で更新することができる。これにより、患者の麻酔の深さに関する現在の指示を麻酔科医に提供することができる。
【0064】
広帯域化されたスペクトルレンジにわたり信号の複雑さの計算から取得されたインジケータは、周波数スペクトルのEEG部分からのみ取得された複雑さに関する測定値と共に使用することができ、インジケータのどの部分が大脳の活動から到来したか、インジケータのどの部分が筋肉の活動から到来したかに関して、麻酔科医に有効な情報を提供することができる。
本発明の様々な他の機能、目的及び効果は、以下の実施の形態及び添付図面から明らかにされるであろう。
【0065】
[発明の実施の形態]
本発明の好適な実施の形態では、麻酔の深さに関する関連する情報は、信号における不秩序又は複雑さに関する量を特徴付けるパラメータを計算することにより、EEG信号データから抽出される。
【0066】
適切な数学的な技法は、たとえば、Rezek及びRobertsにおいて記載されるスペクトルエントロピー、Pincus等において記載される近似Kolmogorov−Sinaiエントロピー、及びLempel−Zivにおいて記載される複雑さを含んでいる。
【0067】
Rezek及びRobertsに従う信号のスペクトルエントロピーの計算は、4つのステップを含んでいる。第1のステップは、パワースペクトル計算である。信号x(t)のフーリエ変換X(f)は、高速フーリエ変化手法(FFT)により計算される。パワースペクトルP(f)は、フーリエ変換のそれぞれの要素X(f)の振幅を2乗することにより計算される。
【数1】
Figure 2004511286
ここで、X*(f)は、フーリエ変換X(f)の複素共役である。
【0068】
次いで、パワースペクトルが計算される。正規化されたパワースペクトルP(f)は、正規化定数Cを設定することにより計算される。これにより、選択された周波数領域[f,f]にわたる正規化されたパワースペクトルの総和は、1に等しくなる。
【数2】
Figure 2004511286
総和のステップでは、周波数レンジ[f,f]に対応する非正規化スペクトルのエントロピーが総和として計算される。
【数3】
Figure 2004511286
その後、エントロピーの値が正規化される。1(最大の不秩序)と0(完全な秩序)の間のレンジにエントロピーの値を正規化するために、要素log(N[f,f])値が最終的に割り算される。ここで、N[f,f]は、レンジ[f,f]における周波数成分の全体の数に等しい。
【数4】
Figure 2004511286
Rezek及びRobertsによる最初の研究では、殆どのEEGの活動は、約30Hz以下の周波数帯域に限定されていると一般に思われていたので、考慮された周波数のレンジは、f=25Hz以下である。
【0069】
図2は、時間の関数として、麻酔薬が投与された患者について、OAASスケールに比較される上記に計算されたようなエントロピーの値を示している。
【0070】
図2aは、患者に付き添う麻酔科医におり判定されたOAASレベルを示している。上述したように、OAASレベル5では、患者は、十分に目が覚めており、OAASレベル0では、患者が強縮性刺激に応答しない麻酔の深い状態に対応する。水平ライン10は、意識がある状態から意識がない状態への遷移が行われていると思われるレベル、すなわちOAASレベル3及びOAASレベル2を示している。
【0071】
図2に示されている例では、付き添いの麻酔科医は、患者が約3分でOAASレベル5からOAASレベル4に移ったと考える。約4分で、患者はOAASレベル3に下がったと思われる。
【0072】
その後、約4.5分で、患者は、口頭の命令に応答及び眼瞼反射できないことによるように、意識を失っていると思われる。これは、レベル3からレベル2以下への変化及び水平ライン10の交差において証明される。
【0073】
図2bは、グラフ20のように、5秒のデータから計算されたエントロピーの値、及びグラフ30のように、12回の連続な5秒のエポーク(60秒)のデータの中間値として計算された値を示している。図2bからわかるように、患者の意識は、モニタの開始から減少するにつれて、両グラフ20,30は、同様に減少して、意識のある状態から意識のない状態への遷移を特徴付けるエントロピーレベルを識別する水平ライン40を交差する。
【0074】
使用されるOAASについてのプロトコルに従い、麻酔科医は、TOF刺激の適用を開始して、OAASスケールに関して麻酔の深さを判定する。図2において示されるケースでは、刺激は、患者に対して約8分で意識を回復させる。
図2から、グラフ20、30は、OAASスケールに関して与えられるような、患者の意識の状態に関して正確な指示を提供することがわかる。
【0075】
図3a及び図3bは、外科手術レベルの麻酔でのエントロピーの値を示している。すなわち、OAASスケールは、図3aに示されるようにゼロである場合である。図3における水平ライン40は、図1における水平ライン40と同じであり、意識がある状態と意識がない状態の間の境界線を形成しているエントロピーの値を含んでいる。
【0076】
図4a及び図4bは、外科手術レベルの麻酔から意識のある状態への急速な回復を示している。エントロピーの値における上昇は、意識のある状態への回復が近づいていることを麻酔科医に通知する。
【0077】
本発明は、スペクトルエントロピーを使用して記載されているが、図5a、図5b及び図5cは、スペクトルエントロピーと同様に近似エントロピー及びLempel−Zivの複雑さに関する測定値の安定性を示す感覚消失の誘発及び脱出の例を示しており、麻酔の深さを判定する。信号データの短いサンプル及び長いサンプルの両者を使用して行われた測定値が示されている。
【0078】
バイスペクトル及びトリスペクトル、周波数領域のパワースペクトル分析、及びバイスペクトルインデックス(BSI)のような分析量の結合を含んだ上位周波数領域の分析のような、EEG信号を分析するための他の技法もまた、望むのであれば使用することができる。
【0079】
患者の額又は頭皮の他の領域の電極における生体電位に含まれる筋電図(EMG)の活動に関する測定は、麻酔が投与された患者の状態に関する有効な情報を提供することができる。麻酔のレベルが不適切に近づくので、痛みを伴う刺激により、前頭筋の収縮(顔をしかめる)を引き起こし、患者の額に取り付けられる電極から得られる信号のEMG振幅におけるピークとして検出することができる。EMGの活動は、筋肉が麻痺されない限り存在する。この反応は、痛みが患者に意識を遂にもたらす前に、実質的に観察することができる。EMG信号データは、麻酔科医に早期の警告サインを提供して、手術の間に意識及び目覚めを回避するために、麻酔のレベルを増加することができる。
【0080】
さらに、40Hzを超えるEMGの活動の主要部分の高い周波数レンジにより、比較的小さな時間窓は、これら周波数成分を使用した計算のために十分であり、これにより、EMG活動における変化は、EEG信号における変化よりも実質的に速く検出することができる。特に、脳の活動から生じるEEG信号における殆どの成分は、30Hz以下の周波数レンジに含まれる。いずれか数学的な手順によりこの活動の良好な推定を得るために、計算のために使用される信号の長さは、十分でなければならない。
【0081】
実際に、最も低い周波数の帯域は、信号の長さについてサイズを設定する。たとえば、0.5Hzから32HzまでのEEG信号帯域について、それぞれの成分について少なくとも30サイクルを得るために、60秒の信号サンプルが必要とされる。このことは、EEG信号データからの患者の脳の活動における変化を評価するための応答時間に下限を設定する。すなわち、EEG信号データのインジケータの全ての成分が計算及び十分に更新することができる周波数は、約60秒毎である。
【0082】
比較すると、63Hz〜97Hzまでの帯域におけるEMG信号データは、30サイクルを得るために0.5秒のデータのみを必要とする。EMG信号データは、半周期毎に完全に更新することができる。EMG信号データが迅速に更新することができるので、EMG信号データは、麻酔科医に早期の警告サインを提供して、たとえば、手術中の目覚めを回避するために患者に投与される麻酔薬のレベルを増加することができる。
【0083】
図6は、本発明の1実施の形態によるEEG信号データとより急速に指示するEMG信号データを使用した、改善された診断の指示を生成するためのステップを示すフローチャートである。ステップ100では、患者の頭皮に配置された電極に現れる生体電位に対応する信号データが取得される。ステップ110では、信号データは、スペクトル分解を受ける。これは、たとえば、フーリエ解析を使用して実行される場合がある。
【0084】
次いで、スペクトルは、たとえば、30〜50Hz以下の測定された信号の低周波部分を表すスペクトルと、たとえば、50Hzを超える周波数を表すスペクトルとに分割される。
【0085】
その後、ステップ120で、EEGスペクトルの推定が処理され、脳の活動の状態を示すパラメータを計算する。上述したように、この計算のために、エントロピーの計算を使用することが好ましいと思われる。しかし、フラクタルスペクトル分析、Lempel−Zivの複雑さ、或いはバイススペクトルインデックス(BSI)のようなバイスペクトル又はマルチスペクトル分析のような他の定量化をこの計算のために使用することができる。この計算の結果は、ステップ122での、脳の活動の状態に関する指示の準備となる。
【0086】
上述したように、本実施の形態で記載された数学的な分析によるこの活動に関する良好な推定値を取得するために、計算のために使用される信号の長さは、十分なものでなければならない。実施には、最も低い周波数の帯域は、信号の長さについて下限を設定する。ステップ120で生成されるEEG指示のケースでは、信号の下限は約60秒である。これは、ステップ100,110,120及び122を繰り返すことにより、60秒毎に指示を完全に更新することができ、患者の大脳の状態を評価するためにEEG指示の応答時間に下限を設定する。
【0087】
EMG信号のパワースペクトルは、ステップ124で取得される。これは、スペクトルの振幅を取得して、その後にスペクトルの振幅の値を平方してパワースペクトルをつくることによる。EMGパワースペクトルは、ステップ126において、EMGの活動の指示を提供する。
【0088】
たとえば、30Hzを超えるEMGの活動の高周波レンジのために、たとえば、0.5秒の比較的小さな時間窓は、EMGの振幅を計算するために十分である。これは、EMGの活動における変化を検出することができ、ステップ100,110,124及び126を繰り返すことにより更新されるインジケータは、ステップ124,124a、124b等で図的に示されているように、EEGインジケータにおける変化よりも実質的に高速であることを意味する。
【0089】
上記で使用される例では、EMGインジケータは、0.5秒毎の繰返しレートで完全に更新することができる。データ処理における簡単さのために、EEGの指示も典型的に0.5秒毎に再計算される。しかし、EEGインジケータが60秒のデータを必要とするので、それぞれの計算120,120a、120b等は、59.5秒の古いEEG信号データを使用し、0.5秒の新しいEEG信号データを使用する。したがって、EEG信号データに含まれている患者の大脳の状態における変化は、EMGの指示に含まれる変化よりも、ステップ120及び122において生成された指示において更に遅く反映される。
【0090】
EEGインジケータ及びEMGインジケータは、ステップ128において、診断のインジケータ又はインデックスにおいて結合される。
【0091】
ステップ120,122,124,126及び128は、望むのであれば、平均のような統計的な処理を受ける場合がある。
【0092】
このように、ステップ128の診断インデックスにより提供された結合された指示は、EEG信号データに直接的に見られるような催眠又は麻酔の深さのレベルのような、脳の活動状態に関する共に信頼性の高い情報を提供し、患者の大脳の状態に関するより間接的な指示である信号のEMG成分に含まれる迅速に取得可能な情報の十分な活用が行われ、麻酔からの患者の回復を麻酔科医に警告することにおいて特に有効である。
【0093】
上述された診断のインジケータ又はインデックスの成分は、図7に示されている。麻酔薬は、時間ゼロで巨丸として投与される。図7aにおけるOAASレベルのライン10の下により示されているように、患者は意識がない状態に入り、その後、刺激に応答して、又は更なる麻酔がないことに応答して、短時間の期間について回復し、その後、意識がない状態になる。
【0094】
図7bは、図6のステップ120及び122から取得されたようなエントロピーの指示を示している。図7cは、フーリエスペクトルのEMGレンジにわたる誤差平均平方の平方根の総和として、ステップ126及び128から取得されるEMG振幅を示している。5秒間のデータがぎざぎざラインとして示されている。滑らかなラインは、1分間のメディアンフィルタによりフィルタリングされた値を示している。
【0095】
患者の催眠状態に関連するようなエントロピーのグラフは、図2及び図4のエントロピーのグラフに類似している。EMGの活動に関して、時間ゼロに続く最初の2分の間、患者が目覚めていることを示すかなりのEMG活動が存在する。その後、EMG活動は、患者の意識がなくなるにつれて減少する。EMG振幅により与えられた10分の点で、患者が意識を回復したという、あいまいでない即座の指示は、図7cから明らかであり、ステップ128で提供される診断のインジケータで反映される。これは、患者が麻酔から回復していることを麻酔科医に指示する。
【0096】
本発明の別の実施の形態では、EMG信号データを診断のインジケータ又はインデックスに組込むことは、スペクトルエントロピーの計算の周波数レンジをEEGレンジからEMGレンジに拡張するレンジまで広くして、EEG信号データ及びEMG信号データの両者を含むことにより得られる。ある小さな量のEMGの活動が1Hz又は1Hz以下の周波数から開始するが、殆どのEMG活動は、(ノッチフィルタにより、50/60Hzの倍数で電源ラインによる干渉をフィルタリングするために)40Hzから300Hzまでのレンジのような高周波レンジにおいて慣習的に定量化されている。しかし、EEG信号データ及びEMG信号データについて、明らかな周波数の境界は存在せず、30Hzと50Hzの間の中間周波数レンジは、互いにオーバラップするEEG成分とEMG成分の両者を含んでいる。
【0097】
EEGスペクトルとEMGスペクトルの両者を含んだ周波数レンジから取得されたエントロピーに基づいたインジケータを提供することにおいて、これは、特にEMG信号データの通例の表現からの逸脱を表している。すなわち、本発明の第1実施の形態と共に上述されたように、EMG信号の特徴は、たとえば、平均平方の平方根として、電圧の振幅として通例的に表現されており、電圧の振幅は、EMG信号データにおける変動の結果として変化する。比較すれば、EEGエントロピーは、信号における秩序の量を記述する次元のない量である。
【0098】
エントロピーの見地からみたとき、EEG信号のEMG活動の影響は、結合された信号のエントロピーを増加する高周波雑音をつくることである。エントロピーが0から1まで変化するとき、値は信号の振幅に無関係である。したがって、EEG信号データのエントロピーによる表現及びEMG信号データの振幅表現は、両信号データの特徴としてエントロピーの使用により本発明において解決される形式的な非互換性を表す。
【0099】
さらに、本発明の実施の形態は、EMGと比較されるようなEEGが支配的である周波数レンジに制限されているEEG信号データの以前のエントロピーによる処理からの逸脱を表している。これらの周波数レンジは、たとえば、25Hz及び25Hz以下の周波数(Rezek等を参照)、或いは32Hz又は32Hz以下の周波数(Bruhn等を参照)である。本発明は、たとえば0.5Hzのある低い周波数から、32Hzを超える高い周波数までのレンジにおける周波数の使用が意図されている。
【0100】
本発明の第2実施の形態では、約0.5Hzから150Hzまでの周波数レンジを使用することが説明される。拡張された周波数レンジを3つの帯域、0.5〜47Hz帯域、63〜97Hz帯域、及び123〜147Hz帯域に分割することが好ましいと思われる。レンジは、これらの周波数で3つの帯域に分割され、交流電流の電源ラインの周波数に依存した50/100Hz又は60/120Hzでの電源ラインの高調波が除去される。最も低い帯域は、殆どのEEG成分を含んでおり、2つの上側帯域は、主要なEMG活動を含んでいる。
【0101】
図8は、本発明の第2実施の形態によるスペクトルエントロピーの計算のための広帯域化された周波数レンジを使用した改善された診断の指示又はインデックスを生成するステップを示すフローチャートである。
【0102】
ステップ200では、患者の頭皮に位置された電極に現れる生体電位信号に対応する信号データが取得される。ステップ210では、信号データは、フーリエ変換を使用することにより、スペクトル分解を受ける。上述したように、スペクトル分解は、たとえば、約0.5Hzから約150Hzまでの、EEG信号データとEMG信号データの両者を包含する周波数レンジにわたり実行される。また、上述されたように、データは、電源ラインの帯域での周波数を除去するために、スペクトル帯域に分割される。
【0103】
ステップ212では、EEG−EMGスペクトルレンジの低い周波数帯域は、高い周波数帯域と同様にスペクトルエントロピーのような、EEG信号データとEMG信号データの複雑さ、並びに脳の活動及び前頭筋の状態を示す測定値を計算するために処理される。結合されたインジケータ又はインデックスは、ステップ214で提供される。
【0104】
図6と共に上述されたように、EMG信号データは、EEG信号データよりも頻繁に完全に更新するために利用可能であり、EMG信号データのパラメータが更新することができる繰返しレートで結合されたインジケータを更新することは、麻酔科医に患者の催眠状態におけるいずれかの変化に関して急速な指示を提供する。
【0105】
電極コンタクト特性等における変動による信号振幅の変動は、互いに同じ特性においてEEG信号データとEMG信号データに影響を与え、したがって、結合されたEEG−EMGエントロピーのインジケータは、信号の振幅により影響されない。
【0106】
また、本発明の第2実施の形態で行われるアプローチは、EEG信号データの周波数帯域とEMG信号データの周波数帯域がオーバラップしているという事実に一致する。したがって、全ての周波数成分が同様な方法、すなわち複雑さの特性の判定で扱われるので、EEG領域とEMG領域について人工的な境界が定義される必要がない。しかし、本発明が患者の意識のある状態のレンジのための1つのアルゴリズムの使用を特徴とするのに対し、信号対雑音の考慮に基づいて、アルゴリズムに対する変更が必要とされる場合があることを理解されるであろう。
【0107】
低周波帯域からのEEGエントロピーによるデータのみを含んだパラメータは、ステップ216及び218に示されるように、個別のインジケータとして使用される場合がある。これは、EEG−EMGエントロピーによる指示と関連して使用することができ、麻酔科医は、EEG−EMGエントロピーによるインジケータのどの部分が脳の活動から到来したか、及びEEG−EMGエントロピーによるインジケータのどの部分が筋肉の活動から到来したかを判定する。
【0108】
このように、臨床上の麻酔科医が結合されたEEG−EMGエントロピーによるインジケータが非常に有効であることを発見する一方で、研究者は、EEG信号データのエントロピーと、広い周波数レンジにわたり取得された結合されたEEG−EMGエントロピーとの比較は、関心のあるものであることがよく理解されるであろう。
【0109】
同様に、高い周波数帯域からのEMGエントロピーによるデータを含むパラメータは、ステップ220でエントロピーを計算し、ステップ222でインジケータを提供することにより、個別のパラメータとして使用される場合がある。様々な診断のインジケータは、図8におけるステップ224で集合的に示されている。
【0110】
本発明の両実施の形態は、フーリエ変換を利用して電極の生体電位に含まれている信号のスペクトルを分解するものとして記載されてきたが、各種のウェーブレット変換のような他の変換が使用される場合がある。純粋なEEGエントロピー、EEG−EMGエントロピー、及び/又はEMGエントロピーについて、対応するインジケータを取得するために、基本関数が2つのクラスに分割され、一方のクラスがEEG活動についての基本関数を含んでおり、他方がEMG活動についての基本関数を含んでいる。
【0111】
この分類の後、純粋なEEGエントロピー及びEEG−EMGエントロピーについてのインデックスは、上述したように計算される。EEG成分及びEMG成分の良好な区別について、EMGスパイクの形状に匹敵するウェーブレットを含んだ基本関数のセットは、EMG成分をより効果的に抽出する場合がある。
【0112】
図9は、OAASスケールに関して麻酔科医により評価されるような、麻酔の深さと共に、純粋なEEGエントロピーパラメータと、結合されたEEG−EMGエントロピーパラメータとの挙動を時間の関数として例示している。また、平均平方の平方根のスペクトル振幅として慣習的に表現されるようなEMG信号データが示されている。
【0113】
ぎざぎざのラインは、5秒のデータから計算された値を示し、滑らかなラインは、1分のメディアンフィルタによりフィルタリングされた値を示している。麻酔薬は、時間ゼロで巨丸として投与される。はじめの2分の間に、患者が目を覚まし、EMG振幅を示す図9dから見ることができるように、多くのEMG活動が存在している。高いEMG活動の結果として、図9bに示される結合されたEEG−EMGエントロピーは、患者が目覚めていることを確認して比較的高い値を示している。
【0114】
約2分の時点で、図9aに示されるように、OAASのスコアがライン10の下に下がるときに、患者は意識を失う。同時に、EMGの活動は、図9dに示されるように、その大部分が消失する。EEG−EMGエントロピーのインジケータ及びEEGエントロピーのインジケータは、図8のステップ218及びステップ226でそれぞれ生成され、催眠が深くなることを示す、意識を失うことへの遷移の境界線を引いているライン40の下をそれぞれたどる。図9b及び図9cを参照されたい。
【0115】
約6〜7分では、図9b及び図9cのエントロピーの値は、麻酔が軽くなり始めることを示している。これは、更なる催眠が投与されていないためである。約10分では、患者は、目を覚まし、かなりのEMG活動が再び現れる。図9cに示される純粋なEEGエントロピーインジケータは、回復を予測及び指示するが、図9bに示される結合されたEEG−EMGエントロピーインジケータにおけるEMG効果は、そのライン40の交差において、上記回復の予測及び指示をより明らかにしている。
【0116】
その後、10分の時点に続いて、患者は、続けて麻酔が投与される。EMG活動は、図9dに示されるように徐々に消失し、EMG−EEGエントロピーのインジケータは、図9b及び図9cの比較により見ることができるように、純粋なEEGエントロピーのインジケータに減少する。
【0117】
図8のステップ226において取得されたEEGエントロピーのパラメータ、及びステップ218において取得されたEEG−EMGエントロピーパラメータを、EMG活動が完全に停止したときに正確に一致させるようにスケーリングすることは有効である。このスケーリングにより、2つの情報部分の同時のグラフィカルな表現が可能である。これは、以下のやり方で行うことができる。主要なEEG信号データを含む0.5〜32Hzの周波数レンジを周波数レンジRとなるように取る。除去される電源ラインによる周波数を有する32〜147Hzの周波数レンジを、主にEMG信号データについての周波数レンジRとなるように取る。
【0118】
周波数レンジ[R]=[EEG]及び[R]+[R]=[EEG]+[EMG]について、Rezekのアルゴリズムのステップ1〜3(式(1)〜(3))を実行し、以下を得る。
【数5】
Figure 2004511286
及び
【数6】
Figure 2004511286
レンジ[R]内の全ての周波数fについて、P(f)である瞬間を考える。このケースでは、正規化定数C[R+R]=C[R]、及び結果的に正規化スペクトルP[R+R]及びP[R](ステップ2)は、等しい。式(5)及び(6)により与えられる非正規化スペクトルのエントロピーは等しい。これらのエントロピーが式(4)に従い正規化された場合、もはや等しくなくなる。これは、非正規化の要素log(N[R+R])がlog(N[R])よりも明らかに大きいためである。この状況は、正規化エントロピーS[R]を以下のように再定義することにより訂正することができる。
【数7】
Figure 2004511286
正規化エントロピーS[R+R]は、式(4)に先に示されたように定義することができる。
【数8】
Figure 2004511286
これらの定義に従い、EEG−EMGエントロピーは、0から1に変化する。純粋なEEGエントロピーは、0からlog(N[R])/log(N[R+R])<1に変化する。2つのエントロピーの値は、レンジ[R]内の全てのfについてP(f)=0であるようにEMGの活動がないときに一致する。EMGの活動が存在するとき、EEG−EMGエントロピーは、純粋なEEGエントロピーよりも大きい。
【0119】
実際には、患者の生体電位から取得された信号データを処理することにおいて、デジタルフィルタが一般に使用される。かかるフィルタの特性により、完全なランダムノイズ、すなわち白色雑音からなる計算されたエントロピーは、通常1よりも僅かに小さい。この理由のために、エントロピーは、上述した正規化を維持するために、定数により乗算される場合がある。
【0120】
上述した内容は、2つの周波数レンジR、Rを使用して記載されたが、これらの考えは、周波数レンジの数が2つ以上であるケースに対して簡単に一般化することができる。
【0121】
図10は、結果的に得られた正規化EEGエントロピーS[R](太い曲線)を、正規化EEG−EMGエントロピーS[R+R](細い曲線)と共に示している。このやり方で与えられたとき、EEGエントロピーは、患者の脳の活動の傾向の挙動に関する信頼できる情報を与え、EEG−EMGエントロピーは、高速な変化に対して迅速に応答する。
【0122】
図9に示されるEEGエントロピーのインジケータ及びEEG−EMGエントロピーのインジケータの代わりに、図8のステップ220,222に示されるようなEMGの活動のみについて対応するエントロピーのインジケータを計算して、ステップ216,218において取得されたEEGエントロピーのインジケータと共に該対応するエントロピーのインジケータを使用することもできる。
【0123】
しかし、このアプローチに関して、幾つかの注意がなされなければならない。EMGの活動が筋肉のリラクセーションにより停止したとき、いくらかの雑音がスペクトルのEMGレンジに残される。雑音のエントロピーは、比較的高く、EMGの活動のレベルについて誤って高い値を与える場合がある。したがって、EMGの活動が個別であるとみなされるとき、エントロピーの概念は、計算のために使用され、雑音のレベルは、EMG信号がゼロであるとみなされる範囲で確立されるべきである。
【0124】
図11には、本発明を実行するための装置が示されている。電極300は、所望のやり方で患者の頭に取り付けられている。好ましくは、少なくとも幾つかの電極が患者の頭に取り付けられる。少なくとも1つの電極ペア、及び通常は複数の電極ペアが利用される。電極に現れる生体電位は、コンダクタ302で受信され、患者のケーブル304に集められる。
【0125】
ケーブル304は、コンダクタ302を保護回路306に接続し、該回路は、患者が電気外科又は細動除去を受ける場合において使用可能である。電気外科は、典型的に300〜3000Hzの間の無線周波数で交流電流を使用し、組織を切り、出血している血管を腐食させる。細動除去器は、短い電流パルスを伝達し、心筋における不整脈を止める。これらの発生のいずれかは、コンダクタ302における信号に大きな影響を与え、特に、信号のEEG部分は、患者の大脳の状態を判定することにおいて、更なる使用のために通常阻止される。
【0126】
保護回路306の出力は、増幅器308により増幅され、アナログ/デジタル変換器310においてアナログ/デジタル変換を受ける。その後、信号は、帯域通過フィルタに供給され、該フィルタは、信号から雑音及び電源ラインの高調波の周波数成分を除去する。帯域通過フィルタ312の出力は、アーチファクト検出器314に接続される。
【0127】
アーチファクト検出器314は、心電計による活動及び他のソースから生じたアーチファクトを検出する。アーチファクト検出器314の出力は、計算ユニット316に接続され、該ユニットは、上述した、図6及び図8に示された方法のステップを実行し、図3、図4、図5、図7、図9及び図10に示される対応する出力をディスプレイ318に表示する。或いは、情報は、数値的な形式でディスプレイ318に表示される場合がある。ディスプレイ318は、他のモニタから取得された心電図のデータ、呼吸レート、脈、血圧等のような他の生理学上のデータを表示する場合もある。
【0128】
また、アーチファクト検出器314は、アーチファクトを検出するために使用されるが、アーチファクトの存在は、計算ユニット316で行われる信号処理において処理することもできる。たとえば、目の動きは、高周波のEMG信号データと共に低周波のEEG信号データの両者におけるスパイクを同時につくることが発見されている。これら周波数帯域の両者における存在する同時のスパイクを検出することは、目の動きから生じると思われる場合があり、かかるアーチファクトを含んだ特定のEEG信号データは、患者の大脳の状態に関する判定を行う利用から除去することができる。過度の筋肉の活動及び対応する大きなEMG信号データが存在するときにも、同じことが言える。
【0129】
本発明は、麻酔及び投与により誘発された大脳の状態に関して上述されてきた。しかし、本方法及び装置は、患者及び麻酔薬以外の薬品から取得されたEEG信号データ及びEMG信号データにおいて反映される他の生理学的な条件に関連して使用される場合があることを理解されるであろう。したがって、それら明白に示された実施の形態に加えて他の等価構成、代替、及び変更が可能であり、特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
脳電図を示す図である。
【図2a】
麻酔薬が投与された患者について従来のOAASスケールを示すグラフである。
【図2b】
麻酔薬が投与された患者についてエントロピーの値を示すグラフである。
【図3a】
麻酔の外科手術レベルでの従来のOAASスケールを示すグラフである。
【図3b】
麻酔の外科手術レベルでの患者のエントロピーの値を示すグラフである。
【図4a】
麻酔から回復する患者について従来のOAASスケールを示すグラフである。
【図4b】
麻酔から回復する患者について患者のエントロピーの値を示すグラフである。
【図5a】
EEG信号を分析するためのスペクトルエントロピーを示す比較のグラフである。
【図5b】
EEG信号を分析するための近似エントロピーを示す比較のグラフである。
【図5c】
EEG信号を分析するためのLempel−Zivの複雑さを示す比較のグラフである。
【図6】
本発明の1実施の形態を示すフローチャートである。
【図7a】
OAASレベルを示すグラフである。
【図7b】
EEGエントロピーを示すグラフである。
【図7c】
EMG信号の振幅を示すグラフである。
【図8】
本発明の別の実施の形態を示すフローチャートである。
【図9a】
麻酔の深さに関するOAASレベルを示すグラフである。
【図9b】
麻酔の深さに関するEEG−EMGエントロピーを示すグラフである。
【図9c】
麻酔の深さに関するEEGエントロピーを示すグラフである。
【図9d】
麻酔の深さに関するEMGスペクトルパワーを示すグラフである。
【図10】
結合されたEEG及びEMGエントロピーの値を示すグラフである。
【図11】
本発明を実行するための装置を示す図である。

Claims (86)

  1. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認するための方法であって、
    (a)前記患者からEEG信号データを取得するステップと、
    (b)前記患者からEMG信号データを取得するステップと、
    (c)連続的なEEG信号データのサンプルを分析して、前記患者の前記大脳の状態を示す第1の指示を取得するステップと、
    (d)前記EEG信号データのサンプルに時間的に関係する連続的なEMG信号データのサンプルを分析して、前記患者における筋電図による活動を示す第2の指示を取得するステップと、
    (e)前記患者の前記大脳の状態を示す前記ステップ(c)及び前記ステップ(d)で取得された前記第1の指示及び前記第2の指示から複合指示を生成するステップと、
    を備える方法。
  2. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認し、前記状態における変化を急速に示すための方法であって、
    (a)前記患者からEEG信号データを取得するステップと、
    (b)基本的に低周波数からなる前記EEG信号データよりも基本的に高い周波数であるEMG信号データを前記患者から取得するステップと、
    (c)所望の精度の大脳の状態の指示を提供する長さである連続的なEEG信号データのサンプルを分析して、前記患者の前記大脳の状態を示す第1の指示を取得するステップと、
    (d)前記EEG信号データのサンプルに時間的に関連する、前記EMG信号データが高い周波数であるために前記EEG信号データのサンプルの長さよりも短い長さのサンプルを使用することができる連続的なEMG信号データのサンプルを分析して、前記患者における筋電図による活動を示す第2の指示を取得するステップと、
    (e)前記患者の前記大脳の状態を示す前記ステップ(c)及び前記ステップ(d)で取得された前記第1の指示及び前記第2の指示から複合指示を生成するステップとを備え、
    前記複合指示は、前記患者の前記大脳の状態における変化を急速に示すために、前記EMG信号データの短いサンプルの長さにより決定される繰返しレートで更新される、方法。
  3. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データのエントロピーに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項3記載の方法。
  5. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データのスペクトルエントロピーに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項4記載の方法。
  6. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データの近似エントロピーに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項4記載の方法。
  7. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データのLempel−Zivの複雑さに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項3記載の方法。
  8. 前記ステップ(c)は、フラクタルスペクトル分析から前記第1の指示を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項3記載の方法。
  9. 前記ステップ(c)は、バイスペクトル又はトリスペクトルを含んだ上位の周波数領域の分析から前記第1の指示を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  10. 前記ステップ(c)は、前記EEG信号データの周波数領域のパワースペクトル分析から前記第1の指示を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1乃至3のいずれか記載の方法。
  11. 前記ステップ(c)は、前記EEG信号データから取得された分析量の結合から前記第1の指示を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  12. 前記ステップ(c)は、前記第1の指示としての前記EEG信号データのバイスペクトルインデックス(BIS)を使用するステップとしてさらに定義される、
    請求項11記載の方法。
  13. 前記ステップ(c)及び前記ステップ(d)におけるサンプルの分析の前に、前記EEG信号データ及び前記EMG信号データは、スペクトル分解を受ける、
    請求項1又は2記載の方法。
  14. フーリエ変換によるスペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項13記載の方法。
  15. フーリエ関数のセット以外の基本関数からなるセットを使用することにより、前記スペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項13記載の方法。
  16. ウェーブレット変換に対応する基本関数からなるセットを使用することにより、前記スペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項15記載の方法。
  17. 前記ステップ(d)は、前記EMG信号データの周波数領域のパワースペクトルから前記第2の指示を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1乃至3のいずれか記載の方法。
  18. 前記ステップ(d)は、前記第2の指示として前記EMG信号データの複雑さに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項3記載の方法。
  19. 前記ステップ(d)において、前記EMG信号データがゼロであるとみなされる範囲で雑音レベルが確立される、
    請求項18記載の方法。
  20. 前記ステップ(c)、(d)及び(e)を繰り返して、前記複合指示を更新するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  21. 患者の催眠状態を確かめるためのステップとしてさらに定義される、
    請求項1乃至5のいずれか記載の方法。
  22. 患者の催眠状態を確かめるためのステップとしてさらに定義される、
    請求項17記載の方法。
  23. 前記ステップ(c)、(d)及び(e)を繰返し、前記複合指示を更新するステップとしてさらに定義される、
    請求項21記載の方法。
  24. 前記ステップ(c)、(d)及び(e)を繰返し、前記複合指示を更新するステップとしてさらに定義される、
    請求項17記載の方法。
  25. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認するための方法であって、
    (a)EEG信号データと、基本的に低周波数からなる前記EEG信号データよりも基本的に高い周波数であるEMG信号データとを含む生体電位信号を患者から取得するステップと、
    (b)前記EEG信号データと前記EMG信号データの両者を含む十分広い周波数レンジにわたり連続的な信号データのサンプルを分析するステップと、
    (c)前記患者の前記大脳の状態の指示としての測定値を提供するステップと、
    を備える方法。
  26. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認し、前記状態における変化を急速に示す方法であって、
    (a)EEG信号データと、基本的に低周波数からなる前記EEG信号データよりも基本的に高い周波数であるEMG信号データとを含む生体電位信号を患者から取得するステップと、
    (b)前記EEG信号データと、前記EMG信号データが高い周波数であるために前記EEG信号データのサンプルの長さよりも短い長さのサンプルを使用することができる前記EMG信号データとの両者を含む十分広い周波数レンジにわたり連続的な信号データのサンプルを分析するステップと、
    (c)前記患者の前記大脳の状態の指示としての測定値を提供するするステップとを備え、
    前記指示は、前記患者の前記大脳の状態における変化を急速に示すために、前記EMG信号データの短いサンプルの長さにより決定される繰返しレートで更新される、方法。
  27. 前記ステップ(b)は、約0.5ヘルツの周波数から32ヘルツを超える周波数までの周波数レンジにわたり生体電位信号を分析するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  28. 前記ステップ(b)は、前記信号データのエントロピーに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  29. 前記ステップ(b)は、前記信号データのエントロピーに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項27記載の方法。
  30. 前記ステップ(b)は、前記信号データのスペクトルエントロピーを取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項28記載の方法。
  31. 前記ステップ(b)は、前記信号データの近似エントロピーを取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項28記載の方法。
  32. 前記ステップ(b)は、前記信号データのLempel−Zivの複雑さに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  33. 前記ステップ(b)は、フラクタルスペクトル分析からの複雑さに関する測定値を取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  34. 前記ステップ(b)におけるサンプルの分析の前に、前記生体電位信号はスペクトル分解を受ける、
    請求項25又は26記載の方法。
  35. フーリエ変換により前記スペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項34記載の方法。
  36. フーリエ関数のセット以外の基本関数からなるセットを使用することにより、前記スペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項34記載の方法。
  37. ウェーブレット変換に対応する基本関数からなるセットを使用することにより、前記スペクトル分解を実行するステップとしてさらに定義される、
    請求項36記載の方法。
  38. 前記ステップ(c)、(d)及び(e)を繰り返して、前記指示を更新するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  39. 患者の催眠状態を確認するためのステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  40. 患者の催眠状態を確認するためのステップとしてさらに定義される、
    請求項27記載の方法。
  41. 患者の催眠状態を確認するためのステップとしてさらに定義される、
    請求項28記載の方法。
  42. 患者の催眠状態を確認するためのステップとしてさらに定義される、
    請求項29記載の方法。
  43. 前記ステップ(c)、(d)及び(e)を繰り返して、前記指示を更新するためのステップとしてさらに定義される、
    請求項39記載の方法。
  44. 前記EEG信号データのサンプルを分析して前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を取得するステップと、前記患者の前記大脳の状態の更なる指示として前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を提供するステップとを含むことにより定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  45. 前記EEG信号データの分析から取得された前記更なる指示、及びEEG−EMG信号データの指示を正規化するステップとしてさらに定義され、
    前記更なる指示と前記EEG−EMG信号データの指示は、前記EMG信号データが存在しないときに等しい、
    請求項44記載の方法。
  46. 前記正規化するステップは、前記EEG信号データの複雑さに関する測定値に、結合されたEEG−EMG信号データの複雑さに関する測定値のための計算に使用される周波数成分の数の対数により除算される前記EEG信号データの複雑さに関する測定値のための計算に使用される周波数成分の数の対数を含む量で乗算することにより実行される、
    請求項45記載の方法。
  47. 前記正規化された指示に定数を加えることにより、前記正規化を維持するステップとしてさらに定義される、
    請求項45記載の方法。
  48. 前記ステップ(a)は、約0.5ヘルツから32ヘルツの周波数レンジにおいて前記EEG信号データを取得するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  49. 前記ステップ(b)は、約32ヘルツから300ヘルツの周波数レンジにおいて前記EMG信号データを取得するステップをとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  50. 前記EMG信号データをノッチフィルタによりフィルタリングして、電源ラインからの高調波成分を除去するステップとしてさらに定義される、
    請求項49記載の方法。
  51. ノッチフィルタによりフィルタリングして、電源ラインからの高調波成分を除去するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  52. 前記EEG信号データ及び前記EMG信号データは、共通の信号源から取得される、
    請求項1、2、25又は26記載の方法。
  53. 前記EEG信号データ及び前記EMG信号データは、前記患者の頭部に取り付けられる生体電位の電極から取得される、
    請求項52記載の方法。
  54. 少なくとも前記EMG信号データは、前記患者の額に取り付けられる電極から取得される、
    請求項53記載の方法。
  55. 前記EEG信号データ及び前記EMG信号データを処理して、アーチファクトを検出するステップとしてさらに定義される、
    請求項1又は2記載の方法。
  56. 前記生体電位信号又は信号データを処理して、アーチファクトを検出するステップとしてさらに定義される、
    請求項25又は26記載の方法。
  57. 前記信号データをフィルタリングして、アーチファクトを除去するステップとしてさらに定義される、
    請求項55記載の方法。
  58. 前記信号データ又は前記生体電位信号をフィルタリングして、アーチファクトを除去するステップとしてさらに定義される、
    請求項56記載の方法。
  59. アーチファクトによる影響を受けた信号データの使用を防止するステップとしてさらに定義される、
    請求項55記載の方法。
  60. アーチファクトによる影響を受けた信号データ又は生体電位信号の使用を防止するステップとして定義される、
    請求項56記載の方法。
  61. 前記EMG信号データから前記患者における過度の筋肉の活動を検出するステップと、前記筋肉の活動による影響を受けたEEG信号データの使用を防止するステップとしてさらに定義される、
    請求項55記載の方法。
  62. 前記生体電位信号又は信号データから前記患者における過度の筋肉の活動を検出するステップと、前記筋肉の活動による影響を受けたEEG信号データの使用を防止するステップとしてさらに定義される、
    請求項56記載の方法。
  63. 電気外科の周波数での電気エネルギーの存在を感知するステップと、前記アーチファクトによる影響を受けた信号データの使用を阻止するステップとを含むことによりさらに定義される、
    請求項55記載の方法。
  64. 電気外科の周波数での電気エネルギーの存在を感知するステップと、前記アーチファクトによる影響を受けた生体電位信号又は信号データの使用を阻止するステップとを含むことによりさらに定義される、
    請求項56記載の方法。
  65. 前記EEG信号データと前記EMG信号データとの両者における同時のスパイクを目の動きのアーチファクトとして検出するステップと、前記アーチファクトによる影響を受けた信号データの使用を阻止するステップとしてさらに定義される、
    請求項55記載の方法。
  66. 前記EEG信号データと前記EMG信号データとの両者における同時のスパイクを目の動きのアーチファクトとして検出するステップと、前記アーチファクトによる影響を受けた生体電位信号又は信号データの使用を阻止するステップとしてさらに定義される、
    請求項56記載の方法。
  67. 患者の催眠状態における変化を急速に示す、患者の麻酔の深さを確認するための方法であって、
    (a)EEG信号データと、基本的に低周波数からなる前記EEG信号データよりも基本的に高い周波数であるEMG信号データとを含む生体電位信号を患者から取得するステップと、
    (b)前記EMG信号データが高い周波数であるために前記EEG信号データのサンプルの長さよりも短い長さのEMG信号データのサンプルを使用することができ、約0.5ヘルツの周波数から32ヘルツを超える周波数の周波数レンジで存在する連続的な信号データのサンプルを分析して、前記信号データの複雑さに関する測定値を取得するステップと、
    (c)前記患者の前記大脳の状態における変化を急速に示すために前記EMG信号データの短いサンプルの長さにより決定される繰返しレートで更新される、前記患者の前記大脳の状態に関する第1の指示としての複雑さに関する測定値を提供するステップと、
    (d)前記EEG信号データのサンプルを分析して、前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を取得するステップと、
    (e)前記患者の前記大脳の状態に関する第2の指示としての前記EEG信号の複雑さに関する測定値を提供するステップと、
    (f)前記第1の指示と前記第2の指示とが前記EMG信号データが存在しないときに等しいように、前記第1の指示と前記第2の指示とを正規化するステップと、
    を備える方法。
  68. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認するための装置であって、
    (a)EEG信号データとEMG信号データとを含む生体電位信号を患者から取得するための手段と、
    (b)前記患者の前記大脳の状態を示す第1のインジケータを取得するために、連続的なEEG信号データのサンプルを分析し、前記患者における筋電図による活動を示す第2のインジケータを取得するために、前記EEG信号データのサンプルに時間的に関連する連続的なEMG信号データのサンプルを分析するステップと、
    (c)前記患者の前記大脳の状態を示す前記第1の指示と前記第2の指示とから複合インジケータを生成するための手段と、
    を備える装置。
  69. 前記分析する手段は、前記第1のインジケータを決定するためにEEG信号データのサンプルの長さを使用し、前記第2のインジケータを決定するために前記EEG信号データのサンプルよりも短い長さのEMG信号データのサンプルを使用する手段としてさらに定義され、
    前記分析する手段は、前記第1のインジケータよりも頻繁に前記第2のインジケータを完全に更新する、
    請求項68記載の装置。
  70. 前記分析する手段は、前記第1のインジケータとしての前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項68又は69記載の装置。
  71. 前記分析する手段は、前記第1のインジケータとしての前記EEG信号データのエントロピーに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項70記載の装置。
  72. 前記分析する手段は、前記第1のインジケータとしての前記EEG信号データのLempel−Zivの複雑さに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項70記載の装置。
  73. 前記分析する手段は、前記EMG信号データの周波数領域のパワースペクトルから前記第2のインジケータを取得する手段としてさらに定義される、
    請求項68,69又は70記載の装置。
  74. 患者の催眠状態を確認するための手段としてさらに定義される、
    請求項68,69,70又は71記載の装置。
  75. 薬の投与から起こる状態を含む患者の大脳の状態を確認するための装置であって、
    (a)EEG信号データと、基本的に低周波数からなる前記EEG信号データよりも基本的に高い周波数であるEMG信号データとを含む生体電位信号を前記患者から取得するための手段と、
    (b)前記信号データの複雑さに関する測定値を取得するために、前記EEG信号データと前記EMG信号データの両者を含む十分に広い周波数レンジにわたり連続的な信号データのサンプルを分析するための手段と、
    (c)前記患者の前記大脳の状態のインジケータとして複雑さに関する測定値を提供する手段と、
    を備える装置。
  76. 前記分析する手段は、前記EEG信号データの長さを使用し、前記EEG信号データのサンプルよりも短い長さであるEMG信号データのサンプルを使用する手段としてさらに定義され、
    前記分析する手段は、前記患者の前記大脳の状態における変化を急速に示すために、前記EMG信号データの短いサンプルの長さにより決定される繰返しレートで前記インジケータを更新する、
    請求項75記載の装置。
  77. 前記分析する手段は、約0.5ヘルツの周波数から32ヘルツを超える周波数の周波数レンジにわたり前記信号データを分析する手段としてさらに定義される、
    請求項75又は76記載の装置。
  78. 前記分析する手段は、前記信号データのエントロピーに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項75又は76記載の装置。
  79. 前記分析する手段は、前記信号データのエントロピーに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項77記載の装置。
  80. 前記分析する手段は、前記信号データのLempel−Zivの複雑さに関する測定値を取得する手段としてさらに定義される、
    請求項75又は76記載の装置。
  81. 患者の催眠状態を確認するための手段としてさらに定義される、
    請求項75又は76記載の装置。
  82. 前記分析する手段は、前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を取得するために前記EEG信号データのサンプルを分析する手段としてさらに定義され、
    前記提供する手段は、前記患者の前記大脳の状態に関する更なるインジケータとして前記EEG信号データの複雑さに関する測定値を提供する手段としてさらに定義される、
    請求項75又は76記載の装置。
  83. 前記EEG信号データの分析から取得された前記更なるインジケータ及び前記EEG−EMG信号データの指示を正規化する手段をさらに含み、
    前記更なるインジケータと前記EEG−EMG信号データのインジケータは、前記EMG信号データが存在しない場合に等しい、
    請求項82記載の装置。
  84. 電源ラインからの高調波成分を除去するために、前記信号データをノッチフィルタリングするための手段を含むとしてさらに定義される、請求項68又は75記載の装置。
  85. アーチファクトを検出するために前記信号データを処理するための手段を含むことによりさらに定義される、
    請求項68又は75記載の装置。
  86. アーチファクトを除去するために、前記信号データをフィルタリングするための手段を含むことによりさらに定義される、
    請求項85記載の装置。
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