JP7061255B2 - コンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造 - Google Patents

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この発明は、重油などの液体を貯蔵するためのコンクリート製外槽を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造に関するものである。
平底円筒形タンク1では、雨水に曝されて腐食しないように、従来より様々な構造の雨除け構造9が設置されている。
このような平底円筒形タンクの雨除け構造の従来技術の例として、特許文献1の「低温液化ガス貯槽設備」の発明がある。この発明には、低温液化ガス貯槽の外周部に該貯槽と近接して円筒形ハイダイクを設けると共に、前記貯槽の屋根部外周に、前記ハイダイク内への雨水の浸入を防止するための庇を固設し、且つ該庇に流下した貯槽屋根部からの雨水を前記ハイダイク外へ排出し得るようにした低温液化ガス貯槽設備が開示されている。
また、特許文献2の「低温液化ガス貯留設備」の発明には、外槽の内側に、低温液化ガス貯留用の内槽を断熱材を介して収容し、外槽の外周部を全周に亘って取り囲むコンクリート製の筒状外壁を外槽と一体に立設すると共に、その筒状外壁の上端面を環状に覆う金属製覆い板を設けてある低温液化ガス貯留設備が開示されている。
さらに、特許文献3の「屋外貯蔵タンクの雨仕舞構造」の発明がある。この発明は、貯蔵タンクの外壁下部の外方に、複数枚のカバー部材の相互の端部同士を重ね合わせてボルト止めして貯蔵タンクの周囲を囲む上すぼまりの鍔状に形成した庇が、前記貯蔵タンクの下地層の上面を覆って設けられている屋外貯蔵タンクの雨仕舞構造が開示されている。
さらにまた、特許文献4の「大型鋼板製円筒タンクにおける補強リングを兼ねた基礎外周部分への雨水浸蝕防止リング」の発明には、タンク側板の最下端よりやや上方の水平円周方向外周に、L型鋼の水平片端縁を溶着し、さらにその水平片の適数個所に貫通を穿設するとともに、その貫孔に通じる排水管を前記水平片の下面に接続させたことを要旨とする大型鋼板製円筒タンクにおける補強リングを兼ねた基礎外周部分への雨水浸蝕防止リングが開示されている。
特開昭58-57599号公報 特開2011-252604号公報 特開昭60-123382号公報 実開昭52-2309号公報
従来技術には、平底円筒形タンク1の側板4b外周面から離隔してコンクリート製の側壁3bを構築する技術が開示されているが、当該側壁3bは、規模が大きくなる上、前記側板4bと側壁3b間に雨水が浸入しないように屋根を延伸するか、或いは大きな雨除け構造を設置する必要がある。また、前記側板4bと側壁3b間に雨水が浸入した場合に備えて、当該雨水をタンク1外へ排水するための排水設備を設ける必要があり、施工面及び設備面でコストが増大する。
そこで、前記側板4bと側壁3bとの間に空間を設けず、図1に示すような金属製のタンク1の側板4b外周面の全体又は大部分を囲繞し、かつ該側板4bに接してコンクリート製の側壁3bを構築した平底円筒形タンク1とすることにより、施工面及び設備面でコスト的に有利になる。
但し、当該二重殻構造の平底円筒形タンク1は、前記コンクリート製の外槽側壁3bと金属製の内槽側板4bとの間に雨水5が浸入した場合に、雨水5を排出し難い構造であるため、側板4b外面が腐食することが課題となる。
特許文献1の「低温液化ガス貯槽設備」は、内槽と外槽とから成る低温液化ガス貯槽 の外槽の外周面の高さ方向上部に、該ハイダイク内への雨水の浸入を防止するために該ハイダイクの外径と同様又はそれより外周に延長した庇を固設する貯槽設備に関するものであるが、コンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの内槽側板と外槽側壁との間への雨水浸入や潮風吹き込みを防止するための構造ではない。
また、コンクリート製外槽と接するように設けた金属製内槽との間への雨水の浸入を防止する構造に関するものではない。
特許文献2の「低温液化ガス貯留設備」の発明には、ドーム屋根から、プレストレストコンクリート製の外壁の上端面を環状に覆う鋼製覆い板に亘り、金属製継ぎ板を筒径方向外方側ほど低くなる傾斜姿勢で環状に掛け渡して、外槽と筒状外壁との間への雨水や結露水の浸入を防止するようにした構造であるが、該金属製継ぎ板の両端縁部の夫々を一連に溶接接合で一体化した構造であり、内外槽間に設けたシール部材のメンテナンスを可能とする着脱自在にした雨除け構造に関するものではない。
特許文献3の「屋外貯蔵タンクの雨仕舞構造」の発明は、貯蔵タンクの外壁下部の外方に該貯蔵タンクの周囲を囲む上すぼまりの鍔状に庇を形成し、前記貯蔵タンクの底板周囲に雨水が浸入し、腐食しないようにする雨仕舞構造であるが、コンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの内槽側板外周部に設置するコンクリート製外槽側壁の上方を環状に覆う雨除け構造に関するものではない。
また、コンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの内槽側板と外槽側壁との間への雨水浸入や潮風吹き込みを防止するための構造でもない。
特許文献4の「大型鋼板製円筒タンクにおける補強リングを兼ねた基礎外周部分への雨水浸蝕防止リング」の発明は、タンク側板外殻外周部の補強リングの水平片の適数個所に貫孔を穿設し、タンク側板に沿って流れる雨水を前記桶状の受けで集水し、直接タンク周りの盛土部分へ流れ落ちるのを防止する雨水浸蝕防止リングに関するものであるが、内槽側板外周部に設置するコンクリート製外槽側壁の上方を環状に覆う雨除け構造に関するものではない。
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、津波対策等の目的でコンクリート製外槽を備えた金属製の平底円筒形タンクにおいて、平底円筒形タンク1の内槽4の側板4bを伝わる雨水や海から吹き付ける潮風が前記側板4bと外槽3の側壁3bの間に浸入することを防止でき、内外槽間に設けたシール部材のメンテナンスと、当該メンテナンスを行うための解体、復旧が容易なコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造を提供する。
請求項1の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造は、金属製の内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽を備えた平底円筒形タンクにおいて、前記内槽の側板外周面の高さ方向上部に取付け、かつ前記外槽の側壁の上方を環状に覆う雨除け構造であって、前記側板外周に沿って環状に、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して取付けた取付板と、該取付板の下面に接して、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して固定した上部雨除け板と、該上部雨除け板の外周縁部の下面に円筒状に垂設した側部雨除け板とから成る雨除け構造において、前記取付板を側板上方の外周面に環状に溶接固定し、該取付板に前記上部雨除け板の内周縁端部を重ね合わせてボルトとナットで固定し、前記側部雨除け板に溶接固定され上端部から突出させたボルトを、前記上部雨除け板の外周縁部に設けた挿通孔に下方から挿通し、ナットにより前記上部雨除け板に着脱自在に固定する組立て構造とするとともに、前記側部雨除け板を弾性シール部材を介して前記外槽側壁に設けたアンカーボルトにナットで着脱自在に固定する構造とし、前記取付板は内縁側が前記側板の円弧に沿って湾曲した円周方向に細長い扇面形状の部材であり、前記上部雨除け板はタンク半径方向に幅広の扇面形状の部材であり、前記側部雨除け板は平面形状が矩形でかつ円弧状に湾曲させた部材であって、各々は複数枚で構成し、相互をボルトとナットで締結することにより、組立て及び解体が容易な構造であるとともに各々の締結部をシール部材で水密に封止し、前記内槽の側板と前記外槽の側壁との間への雨水の浸入を防止する構造であることを特徴とする。
請求項2の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造の前記弾性シール部材は、伸縮自在で、前記側部雨除け板と前記外槽側壁間の距離を調整し、前記外槽側壁に対する前記雨除け構造の位置合わせを容易にする部材であるとともに、前記雨除け構造裏面側と外槽側壁外面間の内部空間に雨水が浸入することを防止することが可能なシール性を有していることを特徴とする。
請求項3の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造は、前記取付け板と前記上部雨除け板と前記側部雨除け板とを備えるとともに、前記内槽側板と接する前記外槽側壁上端の内周部にシール部材を設けて水密構造とすることを特徴とする。
請求項1の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造は、金属製の内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽を備えた平底円筒形タンクにおいて、前記内槽の側板外周面の高さ方向上部に取付け、かつ前記外槽の側壁の上方を環状に覆う雨除け構造であって、前記側板外周に沿って環状に、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して取付けた取付板と、該取付板の下面に接して、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して固定した上部雨除け板と、該上部雨除け板の外周縁部の下面に円筒状に垂設した側部雨除け板とから成る雨除け構造において、前記取付板を側板上方の外周面に環状に溶接固定し、該取付板に前記上部雨除け板の内周縁端部を重ね合わせてボルトとナットで固定し、前記側部雨除け板に溶接固定され上端部から突出させたボルトを、前記上部雨除け板の外周縁部に設けた挿通孔に下方から挿通し、ナットにより前記上部雨除け板に着脱自在に固定する組立て構造とするとともに、前記側部雨除け板を弾性シール部材を介して前記外槽側壁に設けたアンカーボルトにナットで着脱自在に固定する構造とし、前記取付板は内縁側が前記側板の円弧に沿って湾曲した円周方向に細長い扇面形状の部材であり、前記上部雨除け板はタンク半径方向に幅広の扇面形状の部材であり、前記側部雨除け板は平面形状が矩形でかつ円弧状に湾曲させた部材であって、各々は複数枚で構成し、相互をボルトとナットで締結することにより、組立て及び解体が容易な構造であるとともに各々の締結部をシール部材で水密に封止し、前記内槽の側板と前記外槽の側壁との間への雨水の浸入を防止する構造であるので、
前記取付板、上部雨除け板及び側部雨除け板相互をボルト接合することにより、雨除け構造を折り曲げて一体化構造で製作する場合と比較して、板自体の曲げ加工が少なく済み、加工費を削減することが可能である。また、複雑な曲げ加工や溶接施工をすることなく、組立て、取付け、位置合わせが容易である。
前記上部雨除け板及び側部雨除け板相互をボルト・ナットで着脱自在に固定する構造としているため、溶接等で固定する場合と比較して、該上部雨除け板及び側部雨除け板を溶接ひずみにより変形させることなく、上部雨除け板、側部雨除け板の解体、復旧が容易で、内外槽間に設けたコーキング剤等のシール部材のメンテナンスが容易となる。
前記取付板と前記上部雨除け板と前記側部雨除け板は、各々の締結部をシール座金やシーリング剤等のシール部材を介挿し、水密に封止してナット等の固定部材で締結固定することにより、側板を伝わる雨水が板の裏面側に伝わり、内槽側板と外槽側壁との間に浸入することを確実に防止することが可能である。
請求項2の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造の前記弾性シール部材は、伸縮自在で、前記側部雨除け板と前記外槽側壁間の距離を調整し、前記外槽側壁に対する前記雨除け構造の位置合わせを容易にする部材であるとともに、前記雨除け構造裏面側と外槽側壁外面間の内部空間に雨水が浸入することを防止することが可能なシール性を有しているので、
タンクの内槽側板やコンクリート製の外槽側壁が真円に施工されていない場合においても、側部雨除け板内周面とコンクリート製の外槽側壁外周面間の幅を調整し、コンクリート製の外槽側壁と側部雨除け板相互をアンカーボルトで安定して固定することが可能である。
また、弾性シール部材に水密性の高い部材を使用することにより、雨水が雨除け部材裏面側と外槽側壁外面間の内部空間に浸入することを確実に防止することが可能である。
請求項3の発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造は、前記取付け板と前記上部雨除け板と前記側部雨除け板とを備えるとともに、前記内槽側板と接する前記外槽側壁上端の内周部にシール部材を設けて水密構造とするので、
雨除け構造と前記側板と側壁間に設けたコーキング剤等のシール部材により、前記側板と側壁間への雨水の浸入を確実に防止することが可能である。
前記コーキング剤等のシール部材が経年劣化した場合でも前記雨除け構造で雨水や潮風等から保護し、雨水浸入の防止の効果を維持することが可能である。
本発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンク1の事例の全体側面説明図である。 図1のA部の拡大図で、雨除け構造9の詳細構造の事例を説明する側面説明図である。 図2のB部の拡大図で、内槽側板4b外周部の取付板12と上部雨除け板8aとの取付け部の詳細構造の事例を示す側面説明図である。 取付板12の詳細構造の事例を説明する平面説明図である。 上部雨除け板8aの詳細構造の事例を説明する平面説明図である。 下部雨除け板8bの詳細構造の事例を説明する正面説明図である。
本発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造の実施形態例について図1から図6を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の構成要素の省略または付加、構成要素の形状等の実施形態の変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図は概略を示すもので、一部のみを描き詳細構造は省略した。
図1は、本発明に係るコンクリート壁を備えた平底円筒形タンク1の事例の全体側面説明図で、2は基礎、3は外槽、4は内槽、6は固定屋根、10は貯蔵液を示す。
この二重殻構造の平底円筒形タンク1は、金属製の内槽4と該内槽4を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽3とを備えた構造である。
前記内槽4は、基礎2上に打設したコンクリート製の底版3a上に設置され、金属製の底板4aと、該底板4a上に立設した筒体状の金属製の側板4bとからなる構造である。また、前記外槽側壁3bは、設計高さHcを有しており、該外槽側壁3bの上方を環状に覆うように、前記側板4b外周面の高さ方向上部に本発明の雨除け構造9を取付ける。
前記外槽3は、前記コンクリート製の底版3aと、前記内槽側板4bを囲繞するコンクリート製の外槽側壁3bとからなる構造である。通常底版3aは鉄筋コンクリート、側壁3bはプレストレストコンクリートで構築する。
なお図1に示す通り、本発明の雨除け構造9は、前記コンクリート製の外槽側壁3bの設計高さHcが、予想される津波到達高さよりも大きく、タンク高さHtよりも小さい場合に有効な構造である。
図2は、図1のA部の拡大図で、雨除け部材9の詳細構造の事例を説明する側面説明図であり、図3は、図2のB部の拡大図で、内槽側板4b外周部の取付板12と上部雨除け板8aとの取付け部の詳細構造の事例を示す側面説明図である。
雨除け構造9は、前記内槽4の側板4bと前記外槽3の側壁3b間への雨水浸入や潮風吹き込みを防止するために、前記外槽3の側壁3bの上方を環状に覆うように前記側板4b外周面の高さ方向上部に取付ける。なお、図2に示すように、外槽側壁3b上部内周面と内槽側板4b外周面間をコーキング剤等のシール部材16でコーキングする。
雨除け構造9は、前記側板4b外周に沿って環状に取付けられ、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜した取付板12と、該取付板12の下面に接して固定され、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜した上部雨除け板8aと、該上部雨除け板8aの外周縁部の下方側に円筒状に垂設した側部雨除け板8bとから構成される。
前記雨除け構造9は、前記取付板12を側板4b上方の外周面に環状に溶接固定して水密構造とし、該取付板12の下面に前記上部雨除け板8aの内周縁端部を重ね合わせてボルトとナット17で固定し、前記側部雨除け板8bに溶接固定され上端部から突出させたボルト18を、前記上部雨除け板8aの外周縁部に設けた挿通孔18aに下方から挿通し、ナット18により前記上部雨除け板8aに着脱自在に固定する組立て構造とするとともに、前記側部雨除け板8bを弾性シール部材14を介して前記外槽側壁3bに設けたアンカーボルト11にナット11で着脱自在に固定する構造とする。
前記上部雨除け板8aは、図2に示すように、タンク半径方向外方側の先端部を下方に傾斜するよう折曲した傾斜部8a1を有した構造とすることで、該上部雨除け板8aを伝わる雨水5が該上部雨除け板8a裏面に浸入することを確実に防止することができ、雨水浸入防止の効果が向上する。
図4は、取付板12の詳細構造の事例を説明する平面説明図である。
該取付板12は内縁側が前記側板4bの円弧に沿って湾曲した円周方向に細長い扇面形状の部材であり、一定の間隔毎に上部雨よけ板8aと固定するためのボルト17の挿通孔12aを設けるとともに、一定の間隔毎に、図3に示す取付リブ板12bを設置し、溶接固定19する。
図5は、上部雨除け板8aの詳細構造の事例を説明する平面説明図である。
該上部雨除け板8aはタンク半径方向に幅広の扇面形状の部材であり、各上部雨除け板8aは長さ方向の両端部に、複数個のボルト挿通孔8a2を備え、複数枚の上部雨除け板8a相互の端部同士を重ね合わせて、シール部材20を介挿してボルト13を挿通し、ナット13で締結固定し、上部雨除け板8a相互の重ね部分が、水密構造となるように、コーキング剤等のシール部材16を塗布する。
前記上部雨除け板8aは、上面に把手15を設けることにより、作業員が当該把手15を持って、板の搬入と取付作業、内外槽間に設けたシール部材のメンテナンスやそのための解体、復旧が容易になる。
また、前記ボルト挿通孔8a2は、上部雨除け板8aの取付位置や重ね位置を調整できるように必要に応じて長穴形状とする。
図6は、下部雨除け板8bの詳細構造の事例を説明する正面説明図である。
該側部雨除け板8bは平面形状が矩形でかつ円弧状に湾曲させた部材であって、各下部雨除け板8bは、該側部雨除け板8b上部から突出するようにボルト18が溶接固定19され、長さ方向の両端部にボルト挿通孔8b2と、該ボルト挿通孔8b2相互間に複数のアンカーボルト挿通孔8b1を備えた構造とし、複数枚の下部雨除け板8bの相互の端部同士を重ね合わせて、シール部材20を介挿してボルト22を挿通し、ナット22で締結固定し、側部雨除け板8b相互の重ね部分が、水密構造となるように、コーキング剤等のシール部材16を塗布する。
また、前記下部雨除け板8bは、タンク半径方向外周面側に把手15を設けることにより、作業員が当該把手15を持って、板の搬入と取付作業、内外槽間に設けたシール部材のメンテナンスやそのための解体、復旧が容易になる。
さらに、前記ボルト挿通孔8b2は、下部雨除け板8bの取付位置や重ね位置を調整できるように必要に応じて長穴形状とする。
前記取付け板12と前記上部雨除け板8aと前記側部雨除け板8bは、各々が複数枚で構成され、相互にボルトとナットで締結され、組立て及び解体が容易な構造であるとともに各々の締結部をシール座金やシーリング剤等のシール部材20で水密に封止し、前記内槽4の側板4bと前記外槽3の側壁3bとの間への雨水5の浸入を防止する構造である。
雨除け構造9の詳細な取付方法の事例を以下に示す。
取付板12下面に前記上部雨除け板8aの内周縁端部を重ね合せて、図4の取付板12のボルト挿通孔12aと図5の上部雨除け板8a上部のボルト挿通孔8a2に、図3のシール部材20を介挿して水密構造とし、ボルト・ナット17で締結固定し、前記取付板12と前記上部雨除け板8a相互を連結固定する。
続いて、取付板12上部と内槽側板4b外周部間に、取付リブ板12bを所定の間隔で設置し、取付板12上部及び内槽側板4b外周部に溶接19で固定し、取付板12の下端部と上部雨除け板8aの重ね部をコーキング剤等のシール部材16で封止し、水密構造とする。
続いて、側部雨除け板8b上部から突出するように固定されたボルト18を、前記上部雨除け板8aの前記側部雨除け板8b取付位置に設けた挿通孔8a3にシール部材20を介挿して水密構造とし、ナット18等で着脱自在に締結固定し、前記上部雨除け板8aと側部雨除け板8b相互を接続する。また、上部雨除け板8a下面と、側部雨除け板8b上端部の接合部のタンク半径方向外方側をコーキング剤等のシール部材16で封止し、水密構造とする。
前記ボルト18は、長ネジボルトやスタッドボルト等とする。
前記シール部材20は、弾力性を有すシール座金やシーリング剤等とする。
続いて、コンクリート製の外槽側壁3b外周面と前記側部雨除け板8b内周面との間に、前記側部雨除け板8b内周面と前記外槽側壁3b外周面間の距離を調整するための水平方向に伸縮自在な弾性シール部材14を設置する。
続いて、図6の側部雨除け板8bに設けたアンカーボルト挿通孔8b1と、該弾性シール部材14に設けたアンカーボルト貫通孔14aと、前記外槽側壁3bに設けたアンカーボルト挿通孔3b1に、水密構造となるように、シール部材20を介挿してアンカーボルト11を挿通し、ナット11で締結固定し、前記側部雨除け板8bを前記弾性シール部材14を介挿して前記外槽側壁3bに固定する。
また、前記弾性シール部材14は、弾力性及び水密性を有す合成ゴム等を使用する。
本発明の前記取付板12、上部水切り板8a、側部水切り板8bで構成された雨除け構造9は、下記の効果を有する。
前記取付板12、上部雨除け板8a及び側部雨除け板8b相互をボルト接合することにより、雨除け構造9を折り曲げて一体化構造で製作する場合と比較して、板自体の曲げ加工が少なく済み、加工費を削減することが可能である。また、複雑な曲げ加工や溶接施工をすることなく、組立て、取付け、位置合わせが容易である。
前記上部雨除け板8a及び側部雨除け板8b相互をボルト・ナット18で着脱自在に固定する構造としているため、溶接等で固定する場合と比較して、該上部雨除け板8a及び側部雨除け板8bを溶接ひずみにより変形させることなく、上部雨除け板8a、側部雨除け板8bの解体、復旧が容易で、内外槽間に設けたコーキング剤等のシール部材16のメンテナンスが容易となる。
前記取付板12と前記上部雨除け板8aと前記側部雨除け板8bは、各々の締結部をシール座金やシーリング剤等のシール部材20を介挿し、水密に封止してナット18等の固定部材で締結固定することにより、側板4bを伝わる雨水5が板の裏面側に伝わり、内槽側板4bと外槽側壁3bとの間に浸入することを確実に防止することが可能である。
また、側部雨除け板8bの内周面と外槽側壁3bの外周面との間に弾性シール部材14を設けることにより、下記の効果が得られる。
タンク1の内槽側板4bやコンクリート製の外槽側壁3bが真円に施工されていない場合においても、側部雨除け板8b内周面とコンクリート製の外槽側壁3b外周面間の幅を調整し、コンクリート製の外槽側壁3bと側部雨除け板8b相互をアンカーボルト11で安定して固定することが可能である。
また、弾性シール部材14に水密性の高い部材を使用することにより、雨水5が雨除け部材9裏面側と外槽側壁3b外面間の内部空間21に浸入することを確実に防止することが可能である。
さらに、雨除け構造9と前記側板4bと側壁3b間に設けたコーキング剤等のシール部材16により、前記側板4bと側壁3b間への雨水5の浸入を確実に防止することが可能である。
前記コーキング剤等のシール部材16が経年劣化した場合でも前記雨除け構造9で雨水5や潮風等から保護し、雨水浸入の防止の効果を維持することが可能である。
前記コンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造は、雨水の浸入や潮風の吹き込み防止が望まれる浮屋根式タンク、固定屋根式タンク、タンク以外の貯蔵庫などの構築物に幅広く適用することができ、コンクリート製の外槽側壁を備える構築物に特に有効である。
1 タンク
2 基礎
3 (コンクリート製の)外槽
3a 底版
3b 側壁
3b1 アンカーボルト挿通孔
4(金属製の)内槽
4a 底板
4b 側板
5 雨水
6 固定屋根
7 トップアングル
8 雨除け板
8a 上部雨除け板
8a1 傾斜部
8a2 ボルト挿通孔
8a3 長ネジボルト挿通孔
8b 側部雨除け板
8b1 アンカーボルト挿通孔
8b2 ボルト挿通孔
9 雨除け構造
10 貯蔵液
11 アンカーボルト
12 取付板
12a (取付板12の)ボルト挿通孔
12b 取付リブ板
13 (上部雨除け板8a相互固定用の)ボルト・ナット
14 弾性シール部材
14a アンカーボルト挿通孔
15 把手
16 コーキング剤(シール部材)
17 (取付板12の)ボルト・ナット
18 長ネジボルト・ナット
19 溶接固定部
20 シール座金(シール部材)
21 (雨除け構造9と外槽側壁3b間の)内部空間
22 (下部雨除け板8b相互固定用の)ボルト・ナット

Hcコンクリート側壁3bの設計された高さ
Htタンク側板4bの高さ

Claims (3)

  1. 金属製の内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽を備えた平底円筒形タンクにおいて、前記内槽の側板外周面の高さ方向上部に取付け、かつ前記外槽の側壁の上方を環状に覆う雨除け構造であって、前記側板外周に沿って環状に、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して取付けた取付板と、該取付板の下面に接して、かつタンク半径方向外方側に向けて下方に傾斜して固定した上部雨除け板と、該上部雨除け板の外周縁部の下面に円筒状に垂設した側部雨除け板とから成る雨除け構造において、前記取付板を側板上方の外周面に環状に溶接固定し、該取付板に前記上部雨除け板の内周縁端部を重ね合わせてボルトとナットで固定し、前記側部雨除け板に溶接固定され上端部から突出させたボルトを、前記上部雨除け板の外周縁部に設けた挿通孔に下方から挿通し、ナットにより前記上部雨除け板に着脱自在に固定する組立て構造とするとともに、前記側部雨除け板を弾性シール部材を介して前記外槽側壁に設けたアンカーボルトにナットで着脱自在に固定する構造とし、前記取付板は内縁側が前記側板の円弧に沿って湾曲した円周方向に細長い扇面形状の部材であり、前記上部雨除け板はタンク半径方向に幅広の扇面形状の部材であり、前記側部雨除け板は平面形状が矩形でかつ円弧状に湾曲させた部材であって、各々は複数枚で構成し、相互をボルトとナットで締結することにより、組立て及び解体が容易な構造であるとともに各々の締結部をシール部材で水密に封止し、前記内槽の側板と前記外槽の側壁との間への雨水の浸入を防止する構造であることを特徴とするコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造。
  2. 前記弾性シール部材は、伸縮自在で、前記側部雨除け板と前記外槽側壁間の距離を調整し、前記外槽側壁に対する前記雨除け構造の位置合わせを容易にする部材であるとともに、前記雨除け構造裏面側と外槽側壁外面間の内部空間に雨水が浸入することを防止することが可能なシール性を有していることを特徴とする請求項1記載のコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造。
  3. 前記雨除け構造は、前記取付け板と前記上部雨除け板と前記側部雨除け板とを備えるとともに、前記内槽側板と接する前記外槽側壁上端の内周部にシール部材を設けて水密構造とすることを特徴とする請求項1記載のコンクリート壁を備えた平底円筒形タンクの雨除け構造。

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