以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態における電子時計の全体構成図である。図2は、実施形態における電子時計のブロック図である。図3は、端末側記憶部に記憶されている情報を示す図である。図4は、時計側記憶部に記憶されているタイムゾーンを示す図である。
実施形態における電子時計1は、衛星からの電波を受信する。電子時計1は、電波によって取得した時刻に関する情報に基づいて時計内部時刻を補正する機能を有する。本実施形態の電子時計1は、GPS(GLOBAL POSITIONING SYSTEM)衛星から、基準となる時刻情報、本実施形態では協定世界時刻(UTC)情報と、緯度経度情報を得る。協定世界時刻情報は、時(24時間)、分、秒である時分秒に関する情報、年月日に関する年月日情報を含むものである。タイムゾーン情報は、時差に関する情報であり、電子時計1の現在位置に対応するタイムゾーンを特定するための情報であり、本実施形態では現在位置情報である。
電子時計1は、時計内部時刻に基づいた表示時刻をユーザーに認識させるものである。本実施形態における電子時計1は、図1に示すように、後述するアナログ表示部14を有するアナログ電子時計であり、アナログ表示部14における秒針14b、分針14c、時針14dおよび日板14e(以下、単に「指針等14b~14e」と称する)と、文字板14aとの位置関係に対応する表示時刻をユーザーに認識させるものである。電子時計1は、図2に示すように、時計側通信部11と、操作部12と、駆動機構部13と、アナログ表示部14と、時計側制御部15と、発電部16と、時計側電源部17と、時計側記憶部18と、アラーム部19とを有する。本実施形態における電子時計1は、ユーザーが腕に装着する腕時計を含めユーザーが携帯する時計とする。
時計側通信部11は、情報を送受信するものであり、少なくともUTC情報および緯度経度情報を受信することができるものである。本実施形態における時計側通信部11は、GPS通信部であり、GPS電波を送受信するアンテナ11aを有する。アンテナ11aが受信した受信情報(受信データ)、例えばUTC情報および緯度経度情報は、変換部において信号処理が行われ、時計側制御部15に出力され、必要に応じて時計側記憶部18に記憶される。
操作部12は、電子時計1を操作するものである。本実施形態における操作部12は、図1におよび図2に示すように、リューズ12aとスイッチ12bとを有する。リューズ12aおよびスイッチ12bは、図示しないセンサにより状態を検出されている。リューズ12aおよびスイッチ12bの動作は、時計側制御部15に出力される。
リューズ12aは、電子時計1の外装ケース1aの外周面に設けられており、円柱形状に形成されている。リューズ12aは、軸方向、すなわちアナログ表示部14の径方向に移動自在であり、軸方向周りに回転自在である。本実施形態におけるリューズ12aは、電子時計1のモードを切り替えるものである。本実施形態では、アラームモードを含む複数のモードを有する。リューズ12aは、0段の状態から、軸方向の一方、すなわち径方向外側に1段引くことで1段の状態とし、モードの変更が可能な状態となり、リューズ12aを軸方向周りに回転させるとモードを切り替えることができる。このとき、ユーザーは、秒針14bの文字板14aに対する位置により、現在のモードを認識することができる。本実施形態においては、アナログ表示部14にアラームモードに関するアラームマーク14hと、アラームマーク14hを挟んでONおよびOFFが記載されている。ユーザーは、モードの切り替え時に、秒針14bがアラームマーク14hを挟んだONあるいはOFFに対応する位置に位置していると、アラームモードであることを認識でき、さらに秒針14bがONに対応する位置に位置しているとアラーム要否情報がONであることを認識でき、OFFに対応する位置に位置しているとアラーム要否情報がOFFであることを認識できる。また、リューズ12aは、アラームモードの場合に、1段の状態から、軸方向の一方、すなわち径方向外側にさらに1段引くことで2段の状態とし、リューズ12aを軸方向周りに回転させることで、指針等14b~14eを回転させ、アラーム時刻を設定することができる。なお、設定されたアラーム時刻は、アラーム時刻情報として、時計側記憶部18に記憶される。また、リューズ12aは、時刻修正モードの場合に、2段の状態とし、リューズ12aを軸方向周りに回転させることで、指針等14b~14eを強制的に回転させ、表示時刻を変更することができる。
スイッチ12bは、電子時計1の外装ケース1aの外周面に設けられており、円柱形状に形成されている。本実施形態におけるスイッチ12bは、少なくともアラーム要否情報をONあるいはOFFに切り替えるものである。
駆動機構部13は、時計側制御部15から出力される駆動信号に応じて回転駆動(例えば、1制御パルスごとに180度)する図示しない複数のステップモータと、輪列とを有する。駆動機構部13は、各ステップモータの回転力を輪列が伝達することで、指針等14b~14eを予め設定されている1回の回転量ごとに回転させる。本実施形態においては、1つステップモータにより秒針14bおよび分針14cを回転させ、他の1つのステップモータにより時針14dおよび日板14eを回転させる。
アナログ表示部14は、時刻表示部であり、電子時計1のうち外部から視認可能な位置に配置されている。アナログ表示部14は、図1および図2に示すように、文字板14aと、秒針14bと、分針14cと、時針14dと、日板14eとを有する。文字板14aは、円盤状に形成されており、外光を透過するものである。文字板14aは、インデックス14fと、日窓14gと、アラームマーク14hとが形成されている。インデックス14fは、秒針14b、分針14cおよび時針14dとの相対位置により、ユーザーに現在時刻を認識させるものである。本実施形態におけるインデックス14fは、文字板14aに対して周方向に等間隔に形成されている。日窓14gは、文字板14aの上下方向において日板14eと対向する位置に形成されており、文字板14aを上下に貫通するものである。本実施形態における日窓14gは、矩形形状であり、文字板14aにおいて「3時」の位置に形成されている。秒針14b、分針14cおよび時針14dは、図示しないフレームに回転自在に支持されており、文字板14aの上側、例えば文字板14aの中心部において同軸上を回転する。秒針14b、分針14cおよび時針14dは、文字板14a上のインデックス14fに対する位置を指し示すことで、表示時刻の秒、分、時を指し示す。日板14eは、図示しないフレームに回転自在に支持されており、文字板14aの下側を回転する。日板14eは、日窓14gにより文字板14aの上側に露出可能であり、日窓14gを介して、時刻のうち「日」を指し示す。秒針14bは表示時刻のうち「秒」を指し、分針14cは表示時刻のうち「分」を指し、時針14dは表示時刻のうち「時」を指すものである。本実施形態における秒針14b、分針14cおよび時針14dは、分針14c、時針14d、秒針14bの順で、回転半径方向において文字板14aの中心からの長さが短く形成されている。
時計側制御部15は、電子時計1に含まれる各種回路や機構等を制御するものであり、少なくとも時計内部時刻に基づいて駆動機構部13による指針等14b~14eの回転を制御するものである。時計側制御部15は、図示しないRTC(Real Time Clock)から出力されたクロック信号に含まれるパルスを図示しないカウンタによりカウントし、カウントされたパルス数に応じた時計内部時刻を決定し、時計内部時刻に基づいて駆動機構部13に制御信号を出力する。時計側制御部15は、時計側記憶部18に記憶されたプログラムにしたがって各種の情報処理を行う。ここで、時計側制御部15のハードウェア構成は、周知の電子時計の制御部のハードウェア構成と同一であり、例えば、図示しない演算部、RAM、ROMを有する。なお、時計内部時刻は、時と、分と、秒と、年月日情報に基づく年月日とを含むものである。また、時計側制御部15は、時計内部時刻に対して、UTC情報、緯度経度情報およびタイムゾーン情報に基づいて時刻修正を行うものである。時計側制御部15は、UTC情報に対して、緯度経度情報およびタイムゾーン情報に基づいたUTCに対する時差を考慮した基準時刻と時計内部時刻とを比較し、差異がある場合に、時計内部時刻を基準時刻と一致させる。時計側制御部15は、時刻修正後の時計内部時刻に基づいて駆動機構部13による指針等14b~14eの回転を制御し、アナログ表示部14の表示時刻を時刻修正後の時計内部時刻とする。
発電部16は、ソーラーパネルであり、電子時計1の外部から内部に入射した光により発電を行うものである。発電部16は、光発電素子の集合体であり、文字板14aの下方向側に受光面が文字板14aと対向して配置されている。発電部16は、図示しない風防および文字板14aを透過した光を受光することで発電する。発電した電力は、電子時計1の各機器に電力を供給、あるいは時計側電源部17に充電される。
時計側電源部17は、電子時計1の電力源であり、時計側通信部11、駆動機構部13、時計側制御部15等、電子時計1内の各部に対して電力を供給する。時計側電源部17は、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオン電池等を含むものである。時計側電源部17は、充電および放電を管理する図示しないバッテリーマネジメント回路により、発電部16が発電した電力を充電、あるいは電子時計1内の各部に対して電力を供給するために放電する。
時計側記憶部18は、時計側制御部15が実行する各種のプログラム、初期設定情報、アラーム情報、タイムゾーン情報などを記憶するものである。時計側記憶部18は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。ここで、アラーム情報は、図3に示すように、ID情報、アラーム時刻情報、アラーム要否情報を一組として1以上の組(同図では、3組)が記憶されている。ID情報は、各アラーム情報の識別情報である。アラーム時刻情報は、時刻に関する時刻情報であり、本実施形態では、時、分に関する時分情報である。アラーム時刻情報は、内部時刻情報のうち時および分と一致すると、アラーム部19によりアラームを作動するための情報である。アラーム要否情報は、アラーム部19によるアラームの作動が要求されているか否かを判定するための情報であり、ONあるいはOFFのいずれかである。タイムゾーン情報は、UTC時刻に対する時差(タイムゾーンの基準エリアに対する時差)、サマータイム、国、位置関係(タイムゾーン同士の位置関係)、電子時計1の位置情報などが含まれるものである。ここで、本実施形態における電子時計1は、タイムゾーン情報のうち、電子時計1の位置情報として受信した緯度経度情報を用いるが、電子時計1の位置情報として電子時計1が有する都市情報から選択してもよい。ここで、タイムゾーンとは、図4に示すように、世界地図を複数の地理的エリアに区画したものであり、例えば、協定世界時刻(UTC)を用い、複数の地理的エリアのうち1つを基準エリアとした場合に、基準エリアと、基準エリアの異なる地理的エリアとの時差を決定するものである。タイムゾーンは、縦を緯度、横を経度として、1つの地理的エリアである。タイムゾーンは、基準エリア(0)の隣り合う地理的エリアが基準エリアに対して±1時間の時差となり、基準エリアから離れるほど、時差が大きくなる。タイムゾーン情報は、国に関する情報も含まれており、同一タイムゾーン(同一地理的エリア)であっても2以上の国が含まれる場合や、1つの国が複数のタイムゾーン(複数の地理的エリア)に跨っている場合がある。
アラーム部19は、アラーム情報および時計内部時刻に基づいて、所定時刻であることを外部にアラーム、すなわちユーザーに報知するものである。アラーム部19は、アラーム制御部19aと、スピーカー19bと、振動モータ19cとを有する。アラーム制御部19aは、時計内部時刻とアラーム時刻とが一致する否かを判断するものである。アラーム制御部19aは、スピーカー19bおよび/または振動モータ19cを駆動させるものであり、原則、アラーム要否情報がON、アラーム時刻情報が時計内部時刻と一致する場合は、スピーカー19bおよび/または振動モータ19cを駆動させる。スピーカー19bは、電子時計1を装着しているユーザーに対して音を出力するものであり、予め設定されているリズム、メロディー、音量の音を電子時計1の外部に出力するものである。振動モータ19cは、電子時計1を装着しているユーザーに対して振動を出力するものであり、予め設定されているリズム、強度の振動を出力し、電子時計1の外装ケース1aを振動させるものである。なお、スピーカー19bに対するリズム、メロディー、音量および振動モータ19cに対するリズム、強度は、各アラーム情報がアラーム作動時情報として有していてもよい。
ここで、アラーム制御部19aは、時計内部時刻に対してタイムゾーン情報に基づいた時刻修正により、時計内部時刻がアラーム情報に含まれるアラーム時刻情報に対応するアラーム時刻を飛び進む場合および時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻る場合において、アラームの実施を制御するものである。アラーム部19は、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを時計側記憶部18に記憶されている時刻修正前のタイムゾーン情報である修正前タイムゾーン情報および時刻修正後のタイムゾーン情報である修正後タイムゾーン情報に基づいて切り替えるものである。本実施形態では、アラーム部19は、修正前タイムゾーン情報に基づいた修正前タイムゾーンと、修正後タイムゾーン情報に基づいた修正後タイムゾーンとを比較して、強制アラーム動作、通常アラーム動作を切り替える。ここで、強制アラーム動作とは、時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進む、すなわちアラーム時刻前の時計内部時刻が時刻修正によりアラーム時刻後の時刻に修正される場合にアラームを実施(飛び進みアラーム実施)し、時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻る、すなわちアラーム時刻後の時計内部時刻が時刻修正によりアラーム時刻前の時刻に修正される場合には時計内部時刻が計時により直後のアラーム時刻となってもアラームを実施しない(飛び戻りアラーム不実施)動作である。つまり、強制アラーム動作において、時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻る場合は、時計内部時刻がアラーム時刻と一致しても、アラームを実施しない、すなわち鳴動させない。一方、通常アラーム動作とは、時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進む場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻よりも後の時刻となるのでアラームが実施されず(飛び進みアラーム不実施)、時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻る場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻よりも前の時刻となるので、時計内部時刻がアラーム時刻となるとアラームが実施される(飛び戻りアラーム実施)動作、すなわちアラーム時刻と時計内部時刻とが一致するとアラーム部19によりアラームを作動させる通常のアラーム動作をいう。
時計側制御部15は、アラーム部19により強制アラーム動作を行う場合に、通常アラーム動作と異なる報知であることをユーザーが認識することができる態様で報知を行う。従って、アラーム時刻を飛び越して時刻修正したために通常アラーム動作と異なる動作をしたことを認識することできる。
次に、本実施形態における電子時計1の時刻修正後のアラームの作動について説明する。図5は、実施形態における電子時計のアラームの作動のフロー図である。なお、電子時計1は、時刻修正を行っていない状態では、アラーム部19により通常アラーム動作が行われるものである。
まず、電子時計1の時計側制御部15は、UTC情報およびタイムゾーン情報を取得する(ステップST101)。ここでは、時計側制御部15は、時計側通信部11によりUTC情報および緯度経度情報を受信する。
次に、時計側制御部15は、時刻修正を行う(ステップST102)。ここでは、時計側制御部15は、UTC情報、緯度経度情報、およびタイムゾーン情報に基づいた基準時刻情報により時計内部時刻の修正を行う。なお、時計側記憶部18は、修正後タイムゾーン情報を修正前タームゾーン情報とともに記憶する。
次に、アラーム部19のアラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致するか否かを判断する(ステップST103)。ここでは、アラーム制御部19aは、時計内部時刻における秒が00であり、アラーム許否情報がONであることを前提として、時計内部時刻の時および分とアラーム時刻の時および分とが一致するか否かを判断する。
次に、アラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致すると判断する(ステップST3:Yes)と、修正前後のタイムゾーンが同一であるか否か、修正前後のタイムゾーンが隣接するか否かおよび修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるか否かを判断する(ステップST104)。ここでは、アラーム制御部19aは、通常であればアラームを実施することとなる状態になると、時計側記憶部18に記憶されている修正前タイムゾーン情報に基づいた修正前タイムゾーンと、修正後タイムゾーン情報に基づいた修正後タイムゾーンとを比較する。本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正前タイムゾーンと修正後タイムゾーンとが同一であるか否かを判断する。また、アラーム制御部19aは、同時に、修正前タイムゾーンと修正後タイムゾーンとが隣接するか否かを判断する。さらに、アラーム制御部19aは、同時に、修正前タイムゾーン情報および修正後タイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国に留まっているか否かを判断する。なお、アラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致しないと判断する(ステップST103:No)と、本制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、アラーム制御部19aは、修正前後のタイムゾーンが同一である、修正前後のタイムゾーンが隣接する、あるいは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST104:Yes)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST105)。ここでは、アラーム制御部19aは、電子時計1のタイムゾーンの変化がない、タームゾーンの変化が小さい、タイムゾーンが変化しても電子時計1が同一国にある場合は、強制アラーム動作を行うために、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断することで、アラームの実施、不実施を判断する。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST105:Yes)と、アラームを実施する(ステップST106)。ここでは、アラーム制御部19aは、通常アラーム動作ではアラームを実施しないが、強制アラーム動作としてアラームを実施する。アラーム制御部19aは、アラーム時刻と時計内部時刻とが一致したので、スピーカー19bおよび/または振動モータ19cを駆動する。そして、アラーム制御部19aは、本制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
また、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST105:No)と、アラームを実施しない(ステップST107)。ここでは、アラーム制御部19aは、通常アラーム動作ではアラームを実施するが、強制アラーム動作としてアラームを実施せず、本制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
また、アラーム制御部19aは、修正前後のタイムゾーンが同一でない、修正前後のタイムゾーンが隣接していない、および修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国でないと判断する(ステップST104:No)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST108)。ここでは、アラーム制御部19aは、電子時計1のタームゾーンの変化が大きい、タイムゾーンが変化して電子時計1が修正前とは異なる国にある場合は、通常アラーム動作を行うために、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断することで、アラームの実施、不実施を判断する。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST108:Yes)と、アラームを実施しない(ステップST109)。ここでは、アラーム制御部19aは、強制アラーム動作ではアラームを実施するが、通常アラーム動作としてアラームを実施せず、本制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST108:No)と、アラームを実施する(ステップST110)。ここでは、アラーム制御部19aは、強制アラーム動作ではアラームを実施しないが、通常アラーム動作としてアラームを実施する。アラーム制御部19aは、アラーム時刻と時計内部時刻とが一致したので、スピーカー19bおよび/または振動モータ19cを駆動する(二度鳴り)。そして、アラーム制御部19aは、本制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
以上のように、本実施形態における電子時計1は、強制アラーム動作と通常アラーム動作とを修正前後のタイムゾーン情報に基づいて切り替えるので、電子時計が移動することによるタイムゾーンの変化に応じてアラームを動作させることができる。
修正前後のタイムゾーンが同一である、または修正前後のタイムゾーンが隣接する場合、すなわち電子時計1のタイムゾーンの変化がない、タームゾーンの変化が小さい場合は、タイムゾーンが変化したことをユーザーが意識していない。従って、通常アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施しないことは、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のタイムゾーンの変化がない、タームゾーンの変化が小さい場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施する強制アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。また、通常アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施することは、二度鳴りとなりアラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のタイムゾーンの変化がない、タームゾーンの変化が小さい場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施しない強制アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。一方、修正前後のタイムゾーンが同一でない、または修正前後のタイムゾーンが隣接しない場合、すなわち電子時計1のタイムゾーンの変化が大きい場合は、タイムゾーンが変化したことをユーザーが意識している。従って、強制アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施することは、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のタイムゾーンの変化が大きい場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施しない通常アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。また、強制アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施しないことは、タイムゾーン情報に基づいて電子時計1の時計内部時刻が修正されたことを確認できず、またタイムゾーンが変化した後を考慮してユーザーがアラームを設定した場合にアラームが作動しないこととなり、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のタームゾーンの変化が大きい場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施する通常アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。これらにより、ユーザーの利便性を向上することができる。
修正前後のタイムゾーンが同一国内となる場合、すなわちタイムゾーンが変化しても電子時計1が同一国にある場合は、タイムゾーンの変化自体をユーザーが意識していない。従って、通常アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施しないことは、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1が同一国にある場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施する強制アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。また、通常アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施することは、二度鳴りとなりアラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1が同一国にある場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施しない強制アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。一方、修正前後のタイムゾーンが異なる国となる場合、国境を超えることでタイムゾーンの変化自体をユーザーが意識している。従って、強制アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施することは、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のある国が修正前後で同じ国でない場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むことでアラームを実施しない通常アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。また、強制アラーム動作のように、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施しないことは、タイムゾーン情報に基づいて電子時計1の時計内部時刻が修正されたことを確認できず、また異なる国に移動した後を考慮してユーザーがアラームを設定した場合にアラームが作動しないこととなり、アラームを設定したユーザーに違和感を生じさせることとなる。そこで、電子時計1は、電子時計1のある国が修正前後で同じ国でない場合に、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ることでアラームを実施する通常アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。これらにより、ユーザーの利便性を向上することができる。
なお、本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正前後のタイムゾーンが同一であるか否か、修正前後のタイムゾーンが隣接するか否か、修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるか否かの3つの条件で判断したがこれに限定されるものではなく、いずれか1つあるいは、2つを判断してもよい。
また、本実施形態における時計側制御部25は、強制アラーム動作において飛び進む場合に、アナログ表示部14の表示時刻を時刻修正後の時計内部時刻とする前に、アラーム時刻情報に対応するアラーム時刻としてもよい。この場合、強制アラーム動作においてアラームが作動した際に、ユーザーがアナログ表示部14を視認すると表示時刻がアラーム時刻となり、アラーム情報に基づいてアラームが作動したことを容易に把握することができる。
なお、本実施形態における時計側通信部11は、タイムゾーン情報を受信することができてもよい。この場合、時計側通信部11により受信されたタイムゾーン情報は、時計側記憶部18に記憶される。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について説明する。図6は、実施形態2における電子時計のアラームの作動のフロー図である。実施形態2における電子時計1は、通常アラーム動作を行う状況であっても、修正前後移動距離LDまたは修正前後時差変化量TDに基づいた条件を満たせば強制アラーム動作を行う点が、実施形態1における電子時計1と異なる。なお、実施形態2における電子時計1は、実施形態1における電子時計1と、基本的構成および基本的動作は共通点を有し、同一符号の構成要素などについては、省略あるいは説明を簡略化する。
アラーム制御部19aは、修正前タイムゾーン情報および修正後タイムゾーン情報に基づいて、時刻修正前後における電子時計1の移動距離である修正前後移動距離LDを算出する。本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正前の緯度経度情報に基づいた修正前タイムゾーン情報の修正前位置情報および修正後の緯度経度情報に基づいた修正後タイムゾーン情報の修正後位置情報に基づいて、修正前後移動距離LDを算出する。また、アラーム制御部19aは、修正前タイムゾーン情報の修正前時差および修正後タイムゾーン情報の修正後時差に基づいて、時刻修正前後における電子時計1のタイムゾーンの変化である修正前後時差変化量TDを算出する。本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正前タイムゾーン情報に対応する修正前タイムゾーンにおける基準エリアに対する修正前時差および修正後タイムゾーン情報に対応する修正後タイムゾーンにおける基準エリアに対する修正後時差の差分に基づいて、修正前後時差変化量TDを算出する。
時計側記憶部18は、修正前後移動距離LDと比較する所定距離Lおよび修正前後時差変化量TDと比較する所定時差変化量Tを記憶するものである。ここで、所定距離Lは、タームゾーンの変化が大きい、タイムゾーンが変化して電子時計1が修正前とは異なる国にある場合であっても、強制アラーム動作を行うことがユーザーの利便性を向上することとなる距離をいい、例えば数十km~数百km程度である。また、所定時差変化量Tは、タームゾーンの変化が大きい、タイムゾーンが変化して電子時計1が修正前とは異なる国にある場合であっても、強制アラーム動作を行うことがユーザーの利便性を向上することとなる時差変化量をいい、例えば±2~3時間程度である。
次に、本実施形態における電子時計1の時刻修正後のアラームの作動について説明する。まず、電子時計1の時計側制御部15は、図6に示すように、UTC情報および緯度経度情報を取得し(ステップST201)、時刻修正を行う(ステップST202)。
次に、アラーム部19のアラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致と判断し(ステップST203:Yes)、修正前後のタイムゾーンが同一である、修正前後のタイムゾーンが隣接する、あるいは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST204:Yes)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST205)。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST205:Yes)とアラームを実施し(ステップST206)、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST205:No)と、アラームを実施しない(ステップST207)。
また、アラーム制御部19aは、修正前後のタイムゾーンが同一でない、修正前後のタイムゾーンが隣接していない、およびは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国でないと判断する(ステップST204:No)と、修正前後移動距離LDが所定距離L以下であるか否か、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であるか否かを判断する(ステップST208)。ここでは、アラーム制御部19aは、強制アラーム動作ではなく通常アラーム動作を行う状況であると、時計側記憶部18に記憶されている修正前後の電子時計1の位置的な変化を比較する。
また、アラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDが所定距離L以下である、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST208:Yes)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST205)。ここでは、アラーム制御部19aは、電子時計1のタイムゾーンの変化が大きい、またはタイムゾーンが変化して電子時計1が修正前とは異なる国にある場合であっても、強制アラーム動作を行うために、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断することで、アラームの実施、不実施を判断する。つまり、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST205:Yes)とアラームを実施し(ステップST206)、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST205:No)と、アラームを実施しない(ステップST207)。
また、アラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDが所定距離Lを超える、および修正前後時差変化量TDが所定時差変化量Tを超えると判断する(ステップST208:No)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST209)。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST209:Yes)とアラームを実施せず(ステップST210)、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST209:No)とアラームを実施する(ステップST211)。
以上のように、本実施形態における電子時計1は、修正前後のタイムゾーンが同一でない、修正前後のタイムゾーンが隣接していない、および修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国でない、すなわち通常アラーム動作を行う状況であっても、修正前後移動距離LDが所定距離L以下である、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であるのいずれかに該当すると、強制アラーム動作が行われる。修正前後移動距離LDが所定距離L以下であることは、例えば、タイムゾーンの変化が大きくても、自身が短距離しか移動していない場合、タイムゾーンが大きく変化したことをユーザーが意識していない。修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であることは、例えば、自身が陸続きの異なる国に移動しても、タイムゾーンの間隔が狭い場合、タイムゾーンが大きく変化したことをユーザーが意識していない。そこで、電子時計1は、修正前後移動距離LDまたは修正前後時差変化量TDに基づいた条件を満たせば強制アラーム動作を行うことで、ユーザーが違和感を生じることを抑制することができる。
なお、本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDが所定距離L以下であるか否か、修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であるか否かの2つを同時に判断したがこれに限定されるものではなく、一つずつを判断してもよい。
また、本実施形態におけるアラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進む場合と、飛び戻る場合とで、修正前後移動距離LDおよび修正前後時差変化量TDをそれぞれ同じ所定距離Lおよび所定時差変化量Tにて比較するが、これに限定されるものでない。アラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDを飛び進む場合と、飛び戻る場合とで、異なる所定距離L1,L2と比較してもよい。また、アラーム制御部19aは、修正前後時差変化量TDを飛び進む場合と、飛び戻る場合とで、異なる所定時差変化量T1,T2と比較してもよい。図7は、変形例における電子時計のアラームの作動のフロー図である。本変形例では、飛び進む場合にアラームの実施を判断する飛び進みアラーム実施判断時における所定距離L1よりも、飛び戻る場合にアラームの実施を判断する飛び戻りアラーム実施判断時における所定距離L2が短く設定されている。また、本変形例では、飛び進む場合にアラームの実施を判断する飛び進みアラーム実施判断時における所定時差変化量T1よりも、飛び戻る場合にアラームの実施を判断する飛び戻りアラーム実施判断時における所定時差変化量T2が小さく設定されている。なお、変形例における電子時計1の基本的動作は、実施形態2における電子時計システム1の基本的動作と共通点を有し、同一ステップなどはその説明を省略あるいは簡略化する。
次に、本実施形態における電子時計1の時刻修正後のアラームの作動について説明する。まず、電子時計1の時計側制御部15は、図7に示すように、UTC情報および緯度経度情報を取得し(ステップST201)、時刻修正を行う(ステップST202)。
次に、アラーム部19のアラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致と判断し(ステップST203:Yes)、修正前後のタイムゾーンが同一である、修正前後のタイムゾーンが隣接する、あるいは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST204:Yes)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST205)。
次に、アラーム制御部19aは、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むと判断する(ステップST205:Yes)とアラームを実施し(ステップST206)、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び戻ると判断する(ステップST205:No)と、アラームを実施しない(ステップST207)。
また、アラーム制御部19aは、修正前後のタイムゾーンが同一でない、修正前後のタイムゾーンが隣接していない、およびは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国でないと判断する(ステップST204:No)と、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進むか否かを判断する(ステップST212)。
次に、アラーム制御部19aは、飛び進むと判断する(ステップST212:Yes)と、修正前後移動距離LDが所定距離L1以下であるか否か、および修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T1以下であるか否かを判断する(ステップST213)。
次に、アラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDが所定距離L1以下である、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T1以下であるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST213:Yes)とアラームを実施し(ステップST214)、修正前後移動距離LDが所定距離L1を超える、および修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T1を超えると判断する(ステップST213:No)とアラームを実施しない(ステップST215)。
次に、アラーム制御部19aは、飛び戻ると判断する(ステップST212:No)と、修正前後移動距離LDが所定距離L2(<L1)以下であるか否か、および修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T2(<T1)以下であるか否かを判断する(ステップST216)。
次に、アラーム制御部19aは、修正前後移動距離LDが所定距離L2以下である、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T2以下であるのうち、いずれかに該当すると判断する(ステップST216:Yes)とアラームを実施せず(ステップST217)、修正前後移動距離LDが所定距離L2を超える、または修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T2を超えると判断する(ステップST216:No)とアラームを実施する(ステップST218)。
以上のように、本変形例における電子時計1は、修正後の時計内部時刻がアラーム時刻を飛び進む場合と、飛び戻る場合とで、修正前後移動距離LDに対応する所定距離L1,L2を異ならせ、修正前後時差変化量TDに対応する所定時差変化量T1,T2を異ならせることができる。所定距離L1,L2および所定時差変化量T1,T2を異なることで、飛び進みアラーム実施タイミング、および飛び戻りアラーム不実施タイミングを自由に変更することができるので、ユーザーの利便性を向上することができる。また、所定距離L1よりも所定距離L2を短く、および所定時差変化量T1より所定時差変化量T2を小さくすることで、ユーザーが意図しないアラームの不実施の可能性を低くすることができ、アラームの不実施による不都合を抑制することができ、ユーザーの利便性をさらに向上することができる。
なお、実施形態2、変形例におけるアラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致と判断する(ステップST203:Yes)と、修正前後移動距離LDが所定距離L以下であるか否か、および修正前後時差変化量TDが所定時差変化量T以下であるか否かを判断してもよい(ステップST208)。つまり、アラーム制御部19aは、時計内部時刻がアラーム時刻と一致した場合に、強制アラーム動作を行うか否かを、修正前後移動距離LDまたは修正前後時差変化量TDに基づいた条件のみにより判断してもよい。
〔実施形態3〕
次に、実施形態3について説明する。図8は、実施形態3における電子時計システムの全体構成図である。図9は、実施形態3における端末機器のブロック図である。本実施形態にかかる電子時計システム100は、上述の電子時計1と、端末機器2とを備える。電子時計システム100は、電子時計1と端末機器2との間で、基準時刻情報、アラーム動作情報などをやり取りすることで、強制アラーム動作を行う指示を端末機器2から電子時計1に対して行うものである。なお、実施形態3における電子時計1は、実施形態1,2、変形例における電子時計1と、基本的構成および基本的動作は共通点を有し、同一符号の構成要素などについては、省略あるいは説明を簡略化する。本実施形態における電子時計システム100は、電子時計1と端末機器2との間の通信手段として、近距離無線通信手段の1つであるBluetooth(登録商標)を用いる場合について説明するが、通信手段はこれに限定されるものではなく、他の近距離無線通信手段や広域通信網等を用いてもよい。
本実施形態における時計側通信部11は、アンテナ11aにより近距離無線通信規格の1つであるBluetooth(登録商標)規格の電波を送受信するものであり、アンテナ11aを介して、少なくとも外部である端末機器2との間でBluetooth(登録商標)通信を行うための図示しないBluetooth(登録商標)モジュールを有する。時計側通信部11は、端末機器2からの基準時刻情報およびアラーム動作情報を受信することができ、端末機器2に対して時計内部時刻情報を送信するものである。
時計側制御部15は、受信した基準時刻情報に基づいて時刻修正、すなわち時計内部時刻を修正するものである。
アラーム判断部19aは、受信したアラーム動作情報に基づいてアラームの実施を制御するものである。アラーム判断部19aは、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを、アラーム動作情報に基づいて切り替えるものである。
端末機器2は、電子時計1に対してアラーム動作情報を提供するものである。端末機器2は、電子時計1とは別個であり、一部の機能として、電子時計システム100としての機能を有し、他の機能、例えば、電話機能、インターネット接続機能などを有している。端末機器2は、スマートフォン、タブレットなどの端末機器であるがこれに限定されるものではなく、ノートパソコンなどのパーソナルコンピュータであってもよい。端末機器2は、図8および図9に示すように、GPS通信部21と、タッチパネル表示部22と、端末側通信部23と、アラーム判断部である端末側制御部24と、端末側電源部25と、音声入出力部26とを含んで構成されている。なお、端末機器2は、要求される機能に応じて、例えば、振動モータなどが追加されてもよい。
GPS通信部21は、UTC情報およびタイムゾーン情報を受信することができるものであり、GPS電波を送受信するアンテナ21aを有する。アンテナ21aが受信した受信情報(受信データ)、例えばUTC情報および緯度経度情報は、変換部において信号処理が行われ、端末側制御部24に出力され、必要に応じて端末側記憶部25に記憶される。
タッチパネル表示部22は、表示部22aおよび入力部22bとして機能するディスプレイである。タッチパネル表示部22は、端末機器2の表面に配置されており、端末側電源部25からの電力により駆動する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである表示部22aと、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、抵抗膜方式などのタッチパネルである入力部22bとが一体化されたものである。
端末側通信部23は、情報を送受信するものであり、少なくとも時計内部時刻情報を受信することができるとともに、基準時刻情報およびアラーム動作情報を送信することができるものである。端末側通信部23は、近距離無線通信規格の一つであるBluetooth(登録商標)規格の電波を送受信するアンテナ23aを有する。端末側通信部23は、アンテナ23aを介して、少なくとも外部である電子時計1との間でBluetooth(登録商標)通信を行うための図示しないBluetooth(登録商標)モジュールを有する。
端末側制御部24は、タッチパネル表示部22を含む端末機器2を構成する機器を制御するものである。本実施形態における端末側制御部24は、電子時計1のアラーム部19の動作を決定するアラーム判断部である。端末側制御部24は、時計側制御部15が時計内部時刻に対してタイムゾーン情報に基づいた時刻修正を行う場合に、修正前後のタイムゾーン情報に基づいて、アラーム部19に対して行わせる強制アラーム動作または通常アラーム動作を切り替えるアラーム動作情報を生成するものである。つまり、本実施形態3における端末機器2は、電子時計1が判断する強制アラーム動作と通常アラーム動作との切り替え判断を電子時計1のかわりに行うものである。ここで、端末側制御部24のハードウェア構成は、周知の端末機器の制御部のハードウェア構成と同一であり、例えば、図示しない演算部、RAM、ROMを有する。
端末側制御部24は、GPS通信部21が受信したUTC情報および緯度経度情報、図示しない端末側記憶部に記憶されているタイムゾーン情報に基づいて、緯度経度情報およびタイムゾーン情報に基づいたUTCに対する時差を考慮した基準時刻を算出し、基準時刻と受信した時計内部時刻とを比較して、電子時計1が時刻修正を行うか否かを判断する。端末側制御部24は、電子時計1が時刻修正を行うと判断すると、時計内部時刻、すなわち変更前の時計内部時刻と、基準時刻、すなわち変更後の時計内部時刻と、端末側記憶部または電子時計1から受信したアラーム時刻情報に基づいたアラーム時刻とからアラーム時刻の飛び進みあるいは飛び戻りの発生の有無を判断する。端末側制御部24は、時刻修正前のタイムゾーン情報である修正前タイムゾーン情報と、時刻修正後のタイムゾーン情報である修正後タイムゾーン情報とに基づいて、修正前後のタイムゾーンが同一であるか否か、修正前後のタイムゾーンが隣接するか否かおよび修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるか否かを判断する。端末側制御部24は、修正前後のタイムゾーンが同一である、修正前後のタイムゾーンが隣接する、あるいは修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国にあるのうち、いずれかに該当すると判断すると、アラーム部19に強制アラーム動作を行わせるためのアラーム動作情報を生成し、基準時刻情報とともに、端末側通信部23を介して電子時計1に送信する。一方、端末側制御部24は、修正前後のタイムゾーンが同一でない、修正前後のタイムゾーンが隣接していない、および修正前後のタイムゾーン情報に基づいて電子時計1が同一国でないと判断すると、アラーム部19に通常アラーム動作を行わせるためのアラーム動作情報を生成し、基準時刻情報とともに、端末側通信部23を介して電子時計1に送信する。
端末側電源部25は、端末機器2の電力源であり、タッチパネル表示部22と、端末側通信部23と、端末側制御部24と、音声入出力部26などの端末機器2を構成する各種の機器に対して電力を供給する。端末側電源部25は、少なくとも充放電可能なバッテリを有する。
音声入出力部26は、主にユーザーと端末機器2との間で音声を介して情報を伝達するものである。音声入出力部26は、マイク26aと、スピーカー26bとを有する。マイク26aは、主に、ユーザーの音声を入力するものであり、音波を音声信号に変換し、端末側制御部24などに出力するものである。スピーカー26bは、主に、ユーザーに対して音声を出力するものであり、端末側制御部24などから出力された音声信号を音波に変換し、端末機器2の外部に出力するものである。
以上のように、本実施形態における電子時計システム100は、アラーム部19の強制アラーム動作と通常アラーム動作との切り替えの判断を電子時計1ではなく端末機器2が行う。従って、電子時計1は、強制アラーム動作と通常アラーム動作との切り替えの判断を行わないので、電子時計1の演算負荷の低減を図ることができ、ハードウェア構成の簡略化を図ることができ、省電力化を図ることができる。
なお、上記実施形態3においては、実施形態2、変形例における修正前後移動距離LDまたは修正前後時差変化量TDに基づいたアラーム部19の強制アラーム動作と通常アラーム動作との切り替えの判断を端末機器2が行ってもよい。
なお、上記実施形態3においては、端末機器2において、電子時計1の時刻修正を行ってもよい。この場合は、端末機器2の端末側制御部24は、基準時刻と、時計側通信部11を介して電子時計1から受信した時計内部時刻とを比較し、差異がある場合に、時計内部時刻を基準時刻と一致させるための時刻修正情報を生成し、時刻修正情報をアラーム動作情報とともに電子時計1に出力する。電子時計1の時計側制御部1は、受信した時刻修正情報に基づいて時計内部時刻を修正する。これにより、電子時計1は、端末機器2が生成した時刻修正情報を受信した場合に、時刻修正を行うだけとなるので、GPS通信部が不要となり、電子時計1の演算負荷の低減を図ることができ、ハードウェア構成の簡略化を図ることができ、省電力化を図ることができる。
また、上記実施形態3においては、強制アラーム動作のうち、飛び進むことでアラームを実施する場合に、電子時計1によるアラームの作動のみならず、端末機器2においてもユーザーに報知しても良い。この場合は、音声入出力部26によりユーザーに直接的に報知してもよいし、表示部22aにメッセージを表示することで、間接的に報知してもよい。
また、上記実施形態1~3、変形例(以下、単に「実施形態など」と称する)において、飛び進むことでアラームを実施する場合に、各アラーム情報に基づいたアラームの作動と異なる状態で実施してもよい。この場合は、例えば、アラーム情報に基づいて作動するスピーカー19bのリズム、メロディー、音量および/または振動モータ19cに対するリズム、強度とは異なる状態で、スピーカー19bおよび/または振動モータ19cを作動させる。
また、上記実施形態1,2、変形例における電子時計1、または実施形態3における端末機器2がサマータイム情報を受信することができる場合は、時刻修正前のサマータイム情報である修正前サマータイム情報および時刻修正後のサマータイム情報である修正後サマータイム情報に基づいて、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを切り替えてもよい。この場合は、アラーム制御部19aまたは端末側制御部24により、修正前サマータイム情報および修正後サマータイム情報に基づいてサマータイムの開始あるいはサマータームの終了と判断された場合に、アラーム部19が強制アラーム動作を行うこととなる。
また、上記実施形態などにおいては、修正前後タイムゾーン情報に基づいてアラームの動作を強制アラーム動作と通常アラーム動作とを切り替える場合について説明したが、時計内部時刻に対する所定のタイミングでイベントを実施するイベント動作について適用することもできる。この場合は、時計内部時刻が所定のタイミングを飛び進む場合にイベントを実施し、時計内部時刻が所定のタイミングを飛び戻る場合にイベントを実施しない強制イベント動作と、飛び進む場合にイベントが実施されず、飛び戻る場合にイベントが実施される通常イベント動作と、を、修正前タイムゾーン情報および修正後タイムゾーン情報に基づいて切り替えることとなる。ここで、イベント動作としては、運動量、発電量、消費電力などを時計側記憶部18に記憶する記憶動作、運動量情報、発電量情報、消費電力情報などを外部に送信する送信動作、端末機器2に対して、端末機器2に着信があったことを確認する着信確認動作などである。
また、修正前後移動距離LDおよび飛び進みアラーム実施判断時と飛び戻りアラーム実施判断時とで異なる所定距離L1,L2に基づいて、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを切り替えるか否かの判断を行う場合、または、修正前後時差変化量TDおよび飛び進みアラーム実施判断時と飛び戻りアラーム実施判断時とで異なる所定時差変化量T1,T2に基づいて、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを切り替えるか否かの判断を行う場合は、修正前後のタームゾーン情報に基づいて、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを切り替えるか否かの判断を前提としているが、修正前後のタームゾーン情報に基づいて、強制アラーム動作と、通常アラーム動作とを切り替えるか否かの判断を前提としなくてもよい。
また、本実施形態におけるアラーム制御部19aは、飛び進みアラーム実施および飛び戻りアラーム実施を、時刻修正後の時計内部時刻(修正後時計内部時刻)と、アラーム時刻との差分に応じて行うか否かを判断してもよい。飛び進みの場合における修正後時計内部時刻とアラーム時刻との差分を飛び進み時刻差分とし、飛び戻りの場合におけるアラーム時刻と修正後時計内部時刻との差分である飛び戻り時刻差分とする。アラーム制御部19aは、例えば、飛び進み時刻差分が飛び進み所定差分以下であると、飛び進みアラーム実施を行い、飛び戻り時刻差分が飛び戻り所定差分以上であると、飛び戻りアラーム実施を行う。この場合において、飛び進み所定差分および飛び戻り所定差分は、同じ値でも、異ならせてもよい。例えば、飛び進み所定差分は、飛び戻り所定差分より大きくしてもよい。この場合は、ユーザーが意図しないアラームの不実施の可能性を低くすることができ、アラームの不実施による不都合を抑制することができ、ユーザーの利便性をさらに向上することができる。