JP7060238B2 - 歯科治療ユニットおよび歯科用レーザー機器 - Google Patents
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図1に示した歯科治療ユニット100は、治療椅子110、ワークテーブル120、インスツルメント130、フットコントローラー140等から成り、周知のように、歯科治療に当り、患者は治療椅子110に座り、頭を安頭台111に固定して治療を受ける。
ワークテーブル120は、インスツルメントホルダ121、タービンホース(エアホース)122等から成る。インスツルメントホルダ121には、歯科治療において術者が使用する種々のインスツルメント130が収納されている。本実施形態において、インスツルメント130は、エアタービン(歯科用治療機器)131、マイクロエンジン132、超音波スケーラー133である。
また、インスツルメントホルダ121には、抜き差し検出手段(図示せず)が設けられており、どのインスツルメント130がインスツルメントホルダ121から抜かれたのかが判別できるようになっている。
また、ワークテーブル120には、インスツルメントスタンド123が載置されている。インスツルメントスタンド123には、インスツルメントホルダ121に収まらなかったインスツルメント130が収納されている。本実施形態においては、後に詳述する歯科用レーザー機器150が収納されている。
エアタービン131は、タービンホース122に対して脱着自在であり、患部の状態に応じて適宜最適なハンドピースが選択できるようになっている。そして、エアタービン131は、タービンホース122から供給されるエアタービン駆動用空気(圧縮空気)DAにより回転するエアタービン本体131aと、このエアタービン本体131aに取り付けられエアタービン本体131aの回転動力Vにより回転する切削バー131bとを有している。エアタービン駆動用空気DAがエアタービン本体131aに供給されることにより、エアタービン本体131aと共に切削バー131bが回転し、患部を切削する。なお、エアタービン本体131aに供給されるエアタービン駆動用空気DAは、エアタービン本体131aを通過した後、再度タービンホース122に戻ってくる。
さらにエアタービン131は、患部を切削している際に患部を冷却するための水Wおよび空気Aを噴射するための液体噴出口131cおよび空気噴出口131dを有している。
さらに、タービンホース122の先端には光源(LED)122eが取り付けられており、長軸方向に光線Lを照射している。
なお、マイクロエンジン132や超音波スケーラー133がインスツルメントホルダ121から抜かれている場合、制御信号Sを受信したワークテーブル120内の制御部はそれぞれへの通電量を調整する。
なお、本実施形態では、空気供給検知手段152として、感圧素子を用い、この感圧素子により流路内の圧力を感知しているが、流路中に瞬間流量や流速を検知する素子を配置してもよい。
また、歯科用レーザー機器150は、さらに、患部を切削している際に患部を冷却するための水Wおよび空気Aを噴射する液体噴出口153および空気噴出口154を有している。
さらに、レーザー照射機構151は、レーザーダイオード151aに電力を供給する電源151eと、レーザーダイオード151aへの電力供給量を制御するコントローラー151fとを有している。なお、本実施形態において、電源151eはリチウムイオンバッテリーである。
この空気室158には前述のヒートシンク151bが当接している。これにより、レーザーダイオード151aの発熱はヒートシンク151bを介して空気室158に放熱される。
また、水流路157cの終端側には液体噴出口153が形成されている。同様に空気流路157dの終端側には空気噴出口154が形成されている。
なお、図示されていないが、タービンホース122にはシール機構が複数設けられている。これにより、タービンホース122と歯科用レーザー機器150とを接続した場合において、エアタービン駆動用空気給気路122aと、水供給路122bと、空気供給路122cと、エアタービン駆動用空気排気路122dとがそれぞれ独立している。そのため、例えば、水供給路122b内の水がエアタービン駆動用空気給気路122aなどに漏れることが抑制されている。
前述のように歯科用レーザー機器150は、通常エアタービン131が接続されるタービンホース122に対して脱着可能である。歯科用レーザー機器150を使用する際には、エアタービン131からタービンホース122を外して、歯科用レーザー機器150に接続する。この際、タービンホース122の先端を歯科用レーザー機器150の凹部150aに挿入する。
空気供給検知手段152が、エアタービン駆動用空気DAを検知すると、検知信号がコントローラー151fに伝達され、コントローラー151fはレーザーダイオード151aに通電を行う。これにより、レーザーダイオード151aからレーザービームが照射され、レーザー導光路151cを通り、チップ151dから患部に向けてレーザービームが照射される。
また、このとき、タービンホース122から歯科用レーザー機器150に水Wが供給され、この水Wは歯科用レーザー機器150内の水流路157cを通り、液体噴出口153から噴出される。さらに、タービンホース122から歯科用レーザー機器150に空気Aも供給され、この空気Aは歯科用レーザー機器150内の空気流路157dを通り、空気噴出口154から噴出される。
そして、歯科用レーザー機器150も、空気供給検知手段152により単なるON/OFFの2値を検知するだけでなく、様々な瞬間流量(本実施形態においては、空気圧)を検出することができる。したがって、コントローラー151fには、空気供給検知手段152からON/OFFに対応する2値のみでなく、空気供給検知手段152から様々な値が入力される。コントローラー151fは、この空気供給検知手段152からの入力値に応じて、レーザーダイオード151aへの印加電圧を変えることができる。本実施形態においては、空気供給検知手段152から入力される値が大きくなるほど(すなわち、フットコントローラー140を踏み込むほど)、レーザーダイオード151aへの印加電圧が大きくなり、レーザービームの出力が大きくなる。
また、レーザーダイオード151aの冷却にエアタービン駆動用空気DAを用いることにより、ペルチェ素子等を使用して冷却する場合に比べて、レーザーダイオード151aの冷却機構を簡便なものとすることができるだけでなく、電源151eのサイズを小型化できる。
さらに、常に歯科用レーザー機器150には新しいエアタービン駆動用空気DAが供給されることになるため、歯科用レーザー機器150内にエアタービン駆動用空気DAが滞留する場合に比べて、レーザーダイオード151aの冷却効率が低下を抑制できる。
例えば、本実施形態において、歯科用レーザー機器150は、歯科医師が使用するものとしていたが、歯科衛生士や歯科助手等が用いるものであってもよい。
また、本実施形態において、歯科用レーザー機器150は、う蝕歯質の除去や根管治療、知覚過敏症の疼痛軽減などの歯牙硬組織に対する処置を目的するものであったが、コンポジットレジンの硬化を目的としてもよい。
また、本実施形態において、インスツルメント130は、エアタービン131、マイクロエンジン132、超音波スケーラー133であったが、インスツルメント130の個数および種類はこれらに限定されるものではない。
また、本実施形態において、歯科用治療機器はエアタービン131であったが、本発明の歯科用治療機器はエアタービンに限定されるものでなく、圧縮空気によって作動するものであれば如何なる治療機器であってもよい。
また、本実施形態において、エアホースはエアタービン131に対して着脱自在なタービンホース122であったが、本発明のエアホースはタービンホースに限定されるものでなく、圧縮空気を歯科用レーザー機器に供給できるものであれば如何なるものであってもよく、例えば、歯科用レーザー機器に圧縮空気を供給する専用ホースであってもよい。
また、本実施形態において、電源151eは、リチウムイオンバッテリーであったが、小型の発電機でもよい。
また、本実施形態において、液体噴出口153および空気噴出口154から噴出される水Wおよび空気Aは、患部の冷却を目的としていたが、他の目的も果たしてもよい。
また、本実施形態において、液体噴出口153から水Wを噴射していたが、薬液等を噴射するものであってもよい。
110…治療椅子
111…安頭台
120…ワークテーブル
121…インスツルメントホルダ
122…タービンホース(エアホース)
122a…エアタービン駆動用空気給気路
122b…水供給路
122c…空気供給路
122d…エアタービン駆動用空気排気路
122e…光源(LED)
123…インスツルメントスタンド
130…インスツルメント
131…エアタービン(歯科用治療機器)
131a…エアタービン本体
131b…切削バー
131c…液体噴出口
131d…空気噴出口
132…マイクロエンジン
133…超音波スケーラー
140…フットコントローラー
150…歯科用レーザー機器
150a…凹部
151…レーザー照射機構
151a…レーザーダイオード
151b…ヒートシンク
151c…レーザー導光路
151d…チップ
151e…電源
151f…コントローラー
152…空気供給検知手段(感圧素子)
153…液体噴出口
154…空気噴出口
155…導光路
156…ガイド光照射口
157a…エアタービン駆動用空気導入路
157b…エアタービン駆動用空気排出路
157c…水流路
157d…空気流路
158…空気室
Claims (4)
- 圧縮空気を供給する給気路および前記圧縮空気を排気する排気路を設けたエアホースと、患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有して前記エアホースに接続される歯科用レーザー機器とを備えた歯科治療ユニットであって、
前記歯科用レーザー機器が、前記エアホースの給気路から前記圧縮空気を導入する空気導入路と、該空気導入路と連通すると共に前記レーザー照射機構の熱が伝導される空気室と、該空気室と連通すると共に前記エアホースの排気路へ前記圧縮空気を排出する空気排出路とを有し、
前記エアホースの給気路から前記歯科用レーザー機器の空気導入路へ供給される圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とする歯科治療ユニット。 - 前記歯科用レーザー機器が、前記圧縮空気の供給を感知する空気供給検知手段を備え、
前記歯科用レーザー機器のレーザー照射機構から照射されるレーザービームの出力は、前記空気供給検知手段が検知した瞬間流量に応じて調整されることを特徴とする請求項1に記載の歯科治療ユニット。 - 前記歯科用レーザー機器に供給する前記圧縮空気の供給量を制御するフットコントローラーを備えていることを特徴とする請求項2に記載の歯科治療ユニット。
- 患部に向けてレーザービームを照射するレーザー照射機構を有し、圧縮空気を供給する給気路および前記圧縮空気を排気する排気路を設けたエアホースに接続される歯科用レーザー機器において、
前記歯科用レーザー機器が、前記エアホースの給気路から前記圧縮空気を導入する空気導入路と、該空気導入路と連通すると共に前記レーザー照射機構の熱が伝導される空気室と、該空気室と連通すると共に前記エアホースの排気路へ前記圧縮空気を排出する空気排出路とを有し、
前記エアホースの給気路から前記歯科用レーザー機器の空気導入路へ供給される圧縮空気の有無に応じて前記歯科用レーザー機器によるレーザービームの照射および非照射が切り換えられることを特徴とする歯科用レーザー機器。
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