JP7058829B2 - 排水装置 - Google Patents
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さらに、排水部において、封水水位より高い水位まで水を貯め、排水部のより上部まで超音波洗浄を行おうとすればするほど、水が排水部から水受け部に溢れ出やすくなり、水が排水部から水受け部に溢れ出てしまう逆流が問題となる。
本発明の発明者らは、鋭意研究することにより、特許文献1及び2のような排水装置とは異なり、第1排水流路及び第1排水流路よりも大きな流路抵抗を有するように形成された第2排水流路を備えた本体部を有する排水装置により、封水水位より高い所定水位まで超音波洗浄を行う超音波洗浄性能の向上と本体部内の水が入口部から水受け部に溢れ出てしまう逆流の防止とを両立させることを検討した。しかしながら、単に第2排水流路を第1排水流路よりも大きな流路抵抗を有するように形成したのでは、第2排水流路の汚れの詰まりが生じやすくなり且つ第2排水流路の排出性能が低下する懸念がある。
このように構成された本発明においては、第1排水流路は、上記本体部内の水位が上記所定水位を超えないように、上記第1排水流路内の水を上記出口流路に排水させるように機能している。これにより、本体部内の水位が上記所定水位を超えて、本体部内の水が入口部から水受け部に溢れ出てしまうことが防止できる。さらに、第2排水流路は、上記第2排水流路の流路断面積は上記第1排水流路の流路断面積よりも小さく、上記第2排水流路は、上記第1排水流路よりも大きな流路抵抗を有するように形成されている。これにより、第2排水流路は、上記第2排水流路の単位時間あたりの排水量を超える単位時間あたりの流入量の水が上記本体部内に流入する場合に、上記本体部内の水位を、上記封水水位より高く且つ上記第1排水流路により規定される上記所定水位まで少なくとも上昇させるように機能する。これにより、本体部内の水位を所定水位まで上昇させた状態において、封水水位より高い所定水位まで超音波発振器による超音波洗浄ができる。このように機能する本体部において、第2排水流路の流路断面積が第1排水流路の流路断面積よりも小さくされると共に上記第2排水流路の上昇流路の下面の最下部と最上部とを結ぶ直線が水平方向に対してなす角度は、上記第1排水流路の上昇流路の下面の最下部と最上部とを結ぶ直線が水平方向に対してなす角度よりも小さくされている。よって、第2排水流路の流路断面積が第1排水流路の流路断面積よりも小さくされている場合であっても、第2排水流路の上昇流路が比較的緩やかな傾斜により形成され、第2排水流路に流入した汚れを第2排水流路を通って出口流路まで排出するために必要な力が抑制でき、汚れが第2排水流路から出口流路に排出されやすくできる。従って、本発明によれば、封水水位より高い所定水位まで超音波洗浄を行う超音波洗浄性能の向上と本体部内の水が入口部から水受け部に溢れ出てしまう逆流の防止とを両立させながら、第2排水流路の汚れの詰まりを抑制することができ、第2排水流路の排出性能の低下を抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第2排水流路における最下部から最上部までの流路の長さが比較的短く形成されるため、流路断面積が第1排水流路の流路断面積よりも小さく、汚れが詰まり易い部分を比較的短く構成することができる。さらに、第2排水流路における最下部から最上部までの流路の長さが、第1排水流路における上記流路の長さよりも長い場合と比べて、第2排水流路における上記流路の長さが、第1排水流路における上記流路の長さよりも短い場合には、第2排水流路における上記流路を通る間に受ける圧力損失が小さくできる。よって、汚れが第2排水流路から出口流路により排出されやすくでき、第2排水流路の汚れの詰まりをより抑制することができる。
このように構成された本発明においては、本体部内の水位が所定水位から下降し、水頭圧が徐々に減少し、第2排水流路から排水される排水量が減少する場合や排水の終了に近づく場合であっても、第2排水流路は、第1傾斜部より小さい傾きで上昇する第2傾斜部を備えているので、第2排水流路の第2傾斜部からの排水が継続されやすく、汚れを第2傾斜部から出口流路に排出させやすくできる。よって、第2排水流路の汚れの詰まりをより抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第2排水流路は、さらに、上記第2傾斜部よりも下流側に設けられると共に下流側に向けて下方に傾斜する第3傾斜部を備える。これにより、汚れが第2排水流路内の第3傾斜部から第2傾斜部側に逆流することが抑制できる。よって、第2排水流路の第1傾斜部及び第2傾斜部における汚れの詰まりをより抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第2排水流路により、本体部の底部に溜まりやすい比較的重い汚れを排出しやすくでき、排水装置の汚れの排出性能を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第1排水流路のサイズを維持し、第1排水流路の排水量を低下させることなく、第1排水流路の上昇流路と、下降流路及び出口流路との間に挟まれた空間内に第2排水流路を配置でき、第2排水流路を配置するために排水装置全体のサイズが増加することを抑制することができる。従って、排水装置を比較的コンパクトに形成できると共に、比較的緩やかな傾斜の第2排水流路を形成し、第2排水流路の汚れの詰まりを抑制することができ、第2排水流路の排出性能の低下を抑制することができる。
このように構成された本発明においては、本体部は、第1部材と、第2部材と、第3部材と、を少なくとも組合せることにより形成されることができる。このような本体部に対し、本体部が上記第3部材を省略して上記第1部材と上記第2部材とを組合せることにより形成される場合、本体部は、上記入口部と上記出口流路との間に上記第3排水流路を形成する態様として構成されることができる。よって、本体部の第1部材と、第2部材と、第3部材とのうち、第1部材と第2部材とを利用して、1つのトラップ形状の第3排水流路を形成する態様の本体部も比較的簡単に形成することができる。
図1は本発明の一実施形態による排水装置を備えた水栓システムを正面から見た正面図であり、図2は本発明の一実施形態による排水装置を備えた水栓システムを側面から見た側面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による排水装置1は、水栓システム2に設けられている。水栓システム2は、キッチンに設けられるキッチンシステムである。水栓システム2は、洗面台システム、浴室に設けられる浴室システム、又は水が流入する後述する水受け部6を備えた他のシステムであってもよい。
図3は図1のIII-III線に沿って見た断面図であり、図4は図3の排水装置を拡大して示す拡大断面図である。
排水装置1は、水受け部6の底部6aに設けられる。図4に示すように、排水装置1は、本体部8を備え、この本体部8は、水受け部6側に開口される入口部10と、入口部10の下流側に設けられるトラップ形状の流路である第1排水流路12と、第1排水流路12から分岐される第2排水流路26と、一定の大きさの汚れが第2排水流路26に侵入することを抑制する侵入抑制部30を備えている。入口部10は、底部6aの一部が底面6bよりも下方に窪むことにより形成されている。なお、本体部8には、水受け部6からの流路とは別の水の供給流路が接続されていてもよい。別の水の供給流路は、別の給水源(図示せず)に接続される。本体部8内に流入する水には、水受け部6からの流路とは別の水の供給流路から本体部8内に流入する水も含まれる。また、本体部8内に流入する水には、洗剤、シャンプー、ボディーソープ、食器の汚れ、水受け部の汚れ等のいずれかを含むような水、例えば生活排水も含まれる。
超音波発振器16は、本体部8内の入口部10の下方に設けられている。超音波発振器16は、制御部20と電気的に接続されている。
水位検知センサ18は、入口部10近傍に設けられ、入口部10まで上昇した水位を検知することができる。水位検知センサ18は、制御部20と電気的に接続されている。
制御部20は、CPU及びメモリ等を内蔵し、水位検知センサ18から送信される水位検知信号を受信する機能を有すると共にメモリに記憶された所定の制御プログラム等に基づいて超音波発振器16の動作を制御する。
排水装置1の本体部8の第1排水流路12は、入口部10の下方に接続される接続部12aと、排水トラップを形成するように下流側に向けて斜め上方に上昇する上昇流路である第1排水流路上昇部12bと、第1排水流路上昇部12bと下降部12dとの間において排水トラップの第1排水流路上昇部12bと接続する折り返し部分である頂部12cと、第1排水流路上昇部12bの下流側に設けられ且つ頂部12cから下降する下降流路である下降部12dとを備えている。下降部12dは出口流路22と接続される。
図10は、本発明の一実施形態による排水装置の本体部が、第1部材と、第2部材と、第3部材とを少なくとも組合せることにより形成される様子を示す分解図であり、図11は本発明の一実施形態による排水装置の本体部が、第1部材と、第2部材と、第3部材とを少なくとも組合せることにより形成された様子を示す側面図であり、図19は比較例の1つのトラップ形状の第3排水流路を形成する態様の本体部が、本発明の一実施形態による排水装置の本体部の第1部材及び第2部材を少なくとも組合せることにより形成される様子を示す側面図である。図11においては、説明のために、第1部材34及び第2部材38の内部に配置される第3部材40を図示している。
本体部8は、第1部材34と、第2部材38と、第3部材40と、を少なくとも組合せることにより形成されている。第3部材40は、第1部材34と第2部材38とを組合せて形成される第3排水流路36の内部に配置される。第1部材34と第3部材40とにより本体部8における入口部10、第1排水流路12等を形成している。さらに、第3部材40と第2部材38とにより本体部8における第2排水流路26、第2排水流路26の絞り部28、侵入抑制部30、出口流路22等を形成している。本体部8は、第1部材34と、第2部材38と、第3部材40とを組み合わせた状態で振動溶着等の手法により固定されている。
このような本体部8は、第1排水流路12及び第2排水流路26等を有さず、第3排水流路36を有している。第3排水流路36を有する本体部8は、例えば、超音波洗浄を行わないような通常のトラップ形状の排水流路として用いることができる。よって、本実施形態の本体部8を、第3排水流路36のような通常のトラップ形状の排水流路を有する本体部と部品を共通化して作ることができる。また、使用者のニーズに応じて、本体部8を第1排水流路12及び第2排水流路26を有した流路構成とするか、第3排水流路36を有した流路構成とするかを容易に選択し、本体部8を製造することができる。
図12は本発明の一実施形態による排水装置の待機状態において汚れを含む水が流入した状態を示す部分拡大断面図であり、図13は本発明の一実施形態による排水装置の本体部に水の流入が開始された状態を示す部分拡大断面図であり、図14は本発明の一実施形態による排水装置の本体部にさらに水が流入し、流入した水が第2排水流路を介して出口流路に流出されると共に、第1排水流路の上昇部内の水位を上昇させる状態を示す部分拡大断面図であり、図15は本発明の一実施形態による排水装置の本体部にさらに水が流入し、第1排水流路内の水位が所定水位まで到達した状態を示す部分拡大断面図であり、図16は本発明の一実施形態による排水装置の本体部への水の流入が停止し、第2排水流路の入口より上方の水が第2排水流路を介して出口流路に流出され、第1排水流路内の水位が徐々に低下する状態を示す部分拡大断面図であり、図17は図16に示す状態から、さらに第2排水流路の入口より上方の水が第2排水流路を介して出口流路に流出され、第1排水流路内の水位が徐々に低下する状態を示す部分拡大断面図であり、図18は本発明の一実施形態による排水装置において一連の洗浄動作の終了後に待機状態に戻った様子を示す部分拡大断面図である。図12乃至図18において、本体部内において水が貯留している部分を点線により図示している。
第2排水流路26の単位時間あたりの第2排水量を超える単位時間あたりの流入量の水が本体部8内に流入し続ける場合において、単位時間あたりの流入量が第2排水流路26の単位時間あたりの第2排水量及び第1排水流路12の単位時間あたりの第1排水量の合計値を超えない限り、本体部内の水位の上昇を封水水位W2から所定水位W1までの間に制御することができる。なお、第2排水流路26の単位時間あたりの第2排水量及び第1排水流路12の単位時間あたりの第1排水量の合計値は、水栓装置4の通常の使用態様において水栓装置4から供給される水の供給量が、この合計値を超えないような値として設定されている。
また、第2排水流路26の流路断面は、入口部26aから絞り部28までの間において扁平形状から正方形形状に近づくように変化される。よって、絞り部28の流路断面を正方形に近づけることができ、絞り部28を形成しつつも流路の高さ及び幅のうちの最小値を比較的大きく形成させ、絞り部28の汚れEの詰まりをより抑制することができる。
また、図4及び図10に示すように、第2排水流路26に流入した水が第2排水流路26における最下部26kから最上部26lまでの流路を通る間に受ける圧力損失は、水が第1排水流路12における最下部12gから最上部12hまでの流路を通る間に受ける圧力損失と比べて小さくなる。よって、水が第2排水流路26を通過する際の流速の低下を比較的抑制することができる。汚れEが第2排水流路26から出口流路22により排出されやすくできる。
また、第2排水流路26は、第2傾斜部26gよりも下流側に設けられると共に下流側に向けて下方に傾斜する第3傾斜部26mを備える。これにより、第2排水流路26からの排水が弱まる又は停止する場合に、汚れEが第2排水流路26内の第3傾斜部26mから第2傾斜部26g側に逆流することが抑制できる。
待機状態において、絞り部28が封水水位W2を規定する頂部26cよりも低く且つ頂部26cよりも上流側に配置されるので、絞り部28が封水中に配置される。よって、絞り部28に汚れEが付着しにくく且つ汚れEが絞り部28に固着することを抑制することができる。
6 :水受け部
6a :底部
8 :本体部
10 :入口部
12 :第1排水流路
12b :第1排水流路上昇部(上昇流路)
12c :頂部
12d :下降部(下降流路)
12e :下面
12g :最下部
12h :最上部
16 :超音波発振器
22 :出口流路
26 :第2排水流路
26a :入口部
26c :頂部
26f :第1傾斜部
26g :第2傾斜部
26j :下面
26k :最下部
26l :最上部
26m :第3傾斜部
34 :第1部材
36 :第3排水流路
38 :第2部材
40 :第3部材
D3 :流路断面積
G :直線
H :直線
H1 :高さ
H2 :高さ
J :空間
W1 :所定水位
W2 :封水水位
α1 :角度
α2 :角度
Claims (7)
- 水受け部の底部に設けられる排水装置であって、
上記水受け部側に開口される入口部を備えると共に自身の内部に封水を形成する本体部と、
上記本体部内の水に超音波を発振する超音波発振器と、
上記本体部の下流側に設けられる出口流路と、を備え、
上記本体部は、第1排水流路と、第2排水流路と、を備え、
上記第1排水流路は、上昇流路と、上記上昇流路の下流側に設けられる下降流路とを備え、上記上昇流路と上記下降流路との間の頂部により上記入口部の高さ以下の所定水位を規定するように構成され、上記第1排水流路は、上記本体部内の水位が上記所定水位を超えないように、上記第1排水流路内の水を上記出口流路に排水させるように機能し、
上記第2排水流路は、上記本体部内の封水水位を規定するように構成され、上記第2排水流路の流路断面積は上記第1排水流路の流路断面積よりも小さく、上記第2排水流路は、上記第1排水流路よりも大きな流路抵抗を有するように形成され、上記第2排水流路は、上記第2排水流路の単位時間あたりの排水量を超える単位時間あたりの流入量の水が上記本体部内に流入する場合に、上記本体部内の水位を、上記封水水位より高く且つ上記第1排水流路により規定される上記所定水位まで少なくとも上昇させるように機能し、
上記第2排水流路の下面における最下部と最上部とを結ぶ直線が水平方向に対してなす角度は、上記第1排水流路の上記上昇流路の下面における最下部と最上部とを結ぶ直線が水平方向に対してなす角度よりも小さいことを特徴とする排水装置。 - 上記第2排水流路における上記最下部から上記最上部までの流路の長さは、上記第1排水流路における上記最下部から上記最上部までの流路の長さよりも短い、請求項1に記載の排水装置。
- 上記第2排水流路は、その上流側部分において上昇する第1傾斜部と、上記第1傾斜部よりも下流側に設けられると共に上記第1傾斜部より小さい傾きで上昇する第2傾斜部とを備える、請求項1又は2に記載の排水装置。
- 上記第2排水流路は、さらに、上記第2傾斜部よりも下流側に設けられると共に下流側に向けて下方に傾斜する第3傾斜部を備える、請求項3に記載の排水装置。
- 上記第2排水流路の入口部は、上記本体部の底部に位置している、請求項1乃至4の何れか1項に記載の排水装置。
- 上記第2排水流路は、上記第1排水流路の上記上昇流路と、上記第1排水流路の上記下降流路及び上記出口流路との間に挟まれた空間内に設けられている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の排水装置。
- 上記本体部は、
内部に流路を形成する第1部材と、
上記第1部材と組合せることにより、上記本体部の上記入口部から上記出口流路まで延びるトラップ形状の第3排水流路を形成する第2部材と、
上記第3排水流路内に配置されることにより、上記第3排水流路を上記第1排水流路と上記第2排水流路とに区画する第3部材と、を少なくとも組合せることにより形成され、
上記本体部が上記第3部材を省略して上記第1部材と上記第2部材とを組合せることにより形成される場合、上記本体部は、上記入口部と上記出口流路との間に上記第3排水流路を形成する態様として構成される、請求項1乃至6の何れか1項に記載の排水装置。
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