JP7057970B2 - コーティング剤、樹脂部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
紫外光が照射された場合に塩基とラジカルとを発生させる光塩基発生剤と、
が含まれており、
上記有機ケイ素化合物の含有量を100質量部とした場合に、上記光塩基発生剤の含有量が0.1~50質量部であり、
上記光塩基発生剤は、キサントン骨格またはチオキサントン骨格を有する芳香族プロピオン酸と強塩基との塩である、コーティング剤にある。
前記の態様のコーティング剤の硬化物からなり、上記基材の表面上に配置されたコーティング膜と、を有し、
上記コーティング膜は、
上記アクリロイル基及び上記メタクリロイル基のうち少なくとも一方に由来する構造単位と、
シロキサン結合を有する構造単位と、を含む、樹脂部材にある。
上記コーティング剤中には、アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方と、アルコキシシリル基とを備えた有機ケイ素化合物が含まれている。
上記コーティング剤中には、必須成分としての有機ケイ素化合物及び光塩基発生剤に加えて、更に、アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方を備えた重合性エステル(但し、上記有機ケイ素化合物を除く。)が含まれていてもよい。重合性エステルは、光塩基発生剤から発生したラジカルによってラジカル重合し、コーティング膜中に有機成分を形成することができる。また、重合性エステルは、有機ケイ素化合物に含まれる(メタ)アクリロイル基と反応し、有機ケイ素化合物に結合することができる。
上記コーティング剤中には、重合性エステルと有機ケイ素化合物との合計を100質量部とした場合に、0.1~50質量部の光塩基発生剤が含まれている。光塩基発生剤の含有量が0.1質量部未満の場合には、紫外光を照射した場合に光塩基発生剤から発生するラジカルや塩基の量が不足するおそれがある。その結果、コーティング剤が十分に硬化せず、コーティング膜の硬さの低下を招くおそれがある。コーティング剤の含有量を0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上とすることにより、かかる問題を容易に回避することができる。
上記コーティング剤中には、必須成分としての有機ケイ素化合物及び光塩基発生剤の他に、コーティング剤の硬化を損なわない範囲で、コーティング剤用として公知の添加剤が含まれていてもよい。例えば、上記コーティング剤中には、添加剤として、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の、コーティング膜の劣化を抑制するための添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤を使用することにより、コーティング膜の耐候性を向上させる効果を期待することができる。
上記コーティング剤の硬化物からなり、基材の表面上に配置されたコーティング膜と、を有している。
また、コーティング膜は、
アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方に由来する構造単位と、
シロキサン結合を有する構造単位と、を含んでいる。
基材の表面上に上記のコーティング剤を塗布する塗布工程と、
コーティング剤に紫外光を照射することにより、基材の表面上にコーティング剤の硬化物からなるコーティング膜を形成する硬化工程と、
を有する製造方法により、製造することができる。
HBA イソシアヌル環含有ウレタンアクリレート化合物
M-315(東亞合成株式会社製) イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートを含む混合物
TMPTA トリメチロールプロパントリアクリレート
APTMS アクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル
PSQ-A メタクリロイル基含有シルセスキオキサン
PSQ-B メタクリロイル基含有シルセスキオキサン
AC-SQ SI-20(東亞合成株式会社製) アクリロイル基含有シルセスキオキサン
AC-SQ TA-100(東亞合成株式会社製) アクリロイル基含有シルセスキオキサン
PBG1 2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(下記構造式(1)参照)
PBG2 2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(下記構造式(2)参照)
PBG3 2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(下記構造式(3)参照)
TXT-DBU 2-(9-チオキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(下記構造式(4)参照)
RUVA-93(大塚化学株式会社製) 紫外線吸収剤
Tinuvin(登録商標)123(BASF社製) ヒンダードアミン系光安定剤
Irgacure(登録商標)819(BASF社製) ラジカル発生剤
Irgacure754(BASF社製) ラジカル発生剤
8019add(東レ・ダウコーニング株式会社製) 表面調整剤
CHCl3 クロロホルム
PGM プロピレングリコールモノメチルエーテル
本例では、重合性エステル、有機ケイ素化合物及び光塩基発生剤を含み、表1に示す組成を有するコーティング剤(試験剤1、2)を調製した。そして、樹脂からなる基材上に、これらの試験剤の硬化物からなるコーティング膜を形成して樹脂部材を作製した。樹脂部材の製造方法を以下に詳説する。
本例では、表2及び表3に示す組成を有するコーティング剤(試験剤3~21)を用いてシリコンウエハ上にコーティング膜を作製した。そして、コーティング膜の硬さの評価を行った。
アプリケーターを用いて上述した試験剤をシリコンウエハ上に塗布した後、シリコンウエハを60℃で5分間加熱してプリベークを行った。その後、窒素雰囲気中でシリコンウエハに紫外光を照射して試験材を硬化させ、コーティング膜を形成した。紫外光の照射を行った後、シリコンウエハを100℃で10分間加熱してポストベークを行った。以上により、シリコンウエハ上にコーティング膜を作製した。
JIS K5400に記載された鉛筆法により、コーティング膜の引っかき硬度を評価した。各試験剤から作製されたコーティング膜の引っかき硬度は、表2に示した通りであった。
本例は、上記コーティング剤に紫外光を照射した際の各成分の変化を1H-NMR(核磁気共鳴分光法)によって評価した例である。本例においては、重合性エステルとしてのTMPTAを57.1質量部、有機ケイ素化合物としてのAPTMSを42.9質量部と、光塩基発生剤としてのPBG2を10質量部とを含む重水素化クロロホルム溶液を調製した。また、この溶液に、化学シフトの基準物質であるテトラメチルシランと、内部標準物質としてのジクロロメタンを微量添加した。
2 コーティング膜
3 基材
Claims (9)
- アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方と、アルコキシシリル基とを備えた有機ケイ素化合物と、
紫外光が照射された場合に塩基とラジカルとを発生させる光塩基発生剤と、
が含まれており、
上記有機ケイ素化合物の含有量を100質量部とした場合に、上記光塩基発生剤の含有量が0.1~50質量部であり、
上記光塩基発生剤は、キサントン骨格またはチオキサントン骨格を有する芳香族プロピオン酸と強塩基との塩である、コーティング剤。 - 1~80質量部の上記有機ケイ素化合物と、
アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方を備えた95質量部以下の重合性エステル(但し、上記有機ケイ素化合物を除く。)と、
上記光塩基発生剤と、が含まれており、
上記重合性エステルと上記有機ケイ素化合物との合計を100質量部とした場合に、上記光塩基発生剤の含有量が0.1~50質量部である、請求項1に記載のコーティング剤。 - 上記重合性エステルとして、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計が1分子当たり3個以上である重合性エステルが含まれている、請求項2に記載のコーティング剤。
- 樹脂からなる基材と、
請求項1~3のいずれか1項に記載のコーティング剤の硬化物からなり、上記基材の表面上に配置されたコーティング膜と、を有し、
上記コーティング膜は、
上記アクリロイル基及び上記メタクリロイル基のうち少なくとも一方に由来する構造単位と、
シロキサン結合を有する構造単位と、を含む、樹脂部材。 - 上記コーティング膜中の上記シロキサン結合の濃度は、上記コーティング膜の最表面において最大である、請求項4に記載の樹脂部材。
- 上記コーティング膜中の上記シロキサン結合の濃度は、上記基材に近いほど低い、請求項5に記載の樹脂部材。
- 上記基材は、ポリカーボネート樹脂から構成されている、請求項5または6に記載の樹脂部材。
- 樹脂からなる基材を準備する準備工程と、
上記基材の表面上に、請求項1~3のいずれか1項に記載のコーティング剤を塗布する塗布工程と、
上記コーティング剤に紫外光を照射することにより、上記基材の表面上に上記コーティング剤の硬化物からなるコーティング膜を形成する硬化工程と、
を有する、樹脂部材の製造方法。 - 上記準備工程において、上記基材としてポリカーボネート樹脂からなる基材を準備する、請求項8に記載の樹脂部材の製造方法。
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