JP7057482B2 - Mig・mag溶接の撮影と利用のシステム - Google Patents

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Description

本発明はMIG・MAG溶接法で溶接施工を行っている溶接部をカメラで撮影しその撮影画像を利用するシステムに関するものである。
溶接中の作業者は 溶接光保護マスク/メガネなどの減光フィルターを介して熟練した目視力で溶接部を見ながら作業者の経験と技能で溶接作業を行っているが、熟練溶接作業者は減少、この対策が課題となっている。
この熟練作業を少しでも支援するために、溶接中の溶接電流や溶接電圧などの溶接パラメータを保護マスクに内蔵したディスプレーに表示し、減光フィルターを通して作業者が目視している溶接部の状況とディスプレーの溶接パラメータを同時に目視できるようにした作業支援装置が特許文献1に記載されている。
保護メガネに取り付けた新規に考案された高性能カメラで撮影した鮮明な溶接部画像を同メガネに取り付けたディスプレーに表示し、溶接部の状態が鮮明に認識できるようにして作業者の目視力を支援する装置が特許文献2に記載されている。
溶接品質を作業者の目視力や熟練度だけに頼るのではなく、少しでも目視力や熟練度への依存を軽減するためこのような提案がなされてはいるが普及していない。
溶接の研究時にカメラで溶滴移行などの溶接現象を画像記録し解析することはよく知られているが、この場合のカメラはダイナミックレンジの広い高速度撮影が出来る卓上設置型の専用高性能カメラが使用され、このカメラは非常に高額なもので、一般の溶接作業支援では高速度撮影は不要でかつ大きさの面等からもこのようなカメラを一般の溶接工程で採用することは難しい。
熟練溶接作業に頼らない自動溶接、その視覚情報撮影システムについて着目すると、研究用と同様なダイナミックレンジの広い専用高性能撮影システムの採用(特許文献3)、溶接中の溶接部の鮮明な画像撮影に障害となる特定波長のアーク光を遮光するフィルターの採用(特許文献4)、アーク光より強い強度の特定波長の撮影光・レーザの照射(特許文献5および6)、主にパルスTIG溶接法においてアーク光の弱い特定タイミングで撮影する方法(特許文献6および7および8)が考案され、発電設備など高額な溶接物を高品質に溶接するあるいは溶接をモニタリングするための自動溶接大型設備に採用されてはいるが、一般の手溶接等の汎用溶接工程ではこのようなカメラの適用実績は無い。
汎用の手溶接用トーチのトーチ本体先端部に小型カメラを取り付けシールドガスでカメラレンズをスパッタから保護しノズル内側から溶接部を撮影する、一般のロボット溶接や手溶接等の溶接工程での使用を目的としたカメラ搭載トーチが特許文献9、10に記載されている。
特開2013-504437号公報 特開2001-259883号公報 特開2013-207439号公報 特開2009-220172号公報 特開平8-174217号公報 特開平8-267247号公報 特開2003-220470号公報 特開平9-155544号公報 特開2003-164971号公報 特開2017-056476号公報
近年携帯電話等に適用する小型カメラの開発が進み、特許文献3に示されるようなダイナミックレンジが非常に広い研究用等の高性能撮影システムの性能には及ばないが、風景や人物を撮影する範囲で人の目が感じる高輝度から暗部まで撮影可能な高性能CMOSイメージセンサーやCPU/FPGA等の画像処理用マイクロプロセッサーが安価に提供されるようになってきた。
高性能高機能な光学フィルター、液晶ディスプレー、デジタル記憶装置、デジタルカメラの顔認証に代表される画像処理ソフトなども汎用化され安価に提供されている。
小型高性能な各種デジタル機器/技術が安価に提供され、この汎用小型カメラとその技術を用いて一般溶接工程で汎用的に使用できる特許文献2に示すような溶接部を鮮明に認識できる溶接作業支援機器の実用化の可能性が出てきたが、被写体である溶接部のアークと溶融池と溶接部周辺の溶接物表面の輝度の差は、風景や人物を高輝度から暗部まで日常使用の範囲で撮影可能にした汎用小型カメラのダイナミックレンジ性能ではまだまだ満足できない大きな輝度の差がある。
溶接現象の研究撮影用をはじめ特許文献3に示されたようなダイナミックレンジの非常に広い高性能撮影システムは高額であり、一般の汎用溶接作業で使用することは経済的に出来ない。
本発明が解決しようとする課題は、溶接部の状況を撮影し、熟練した溶接作業者が目視し頭脳で認識している状況と同様の溶接部の状況を保護マスクに内蔵したディスプレーに放映する、溶接施工管理等のため必要な場合はこの動画を録画再生する、あるいはロボットが自律的に溶接するための溶接部の視覚情報として熟練した溶接作業者が目視し頭脳で認識している状況と同様の溶接部の画像データを利用する、これを携帯電話用等の技術で開発された安価な汎用小型カメラを用いて実現することにある。
日常生活で使用する安価な汎用小型カメラでは溶接部を鮮明に撮影するには不足する性能(例えばダイナミックレンジ等)を、図1に示す溶接電源3と波形解析信号発生器2からなる起動ブロックXと、カメラ1とストップウオッチ8・画像判定ユニット9等からなる撮影ブロックYと、バッファー処理ユニット17と溶接光保護マスク4やロボット5やパソコン20などからなる利用ブロックZの、X・Y・Z3種のブロックで一つのシステムを構成して、以下に詳細を記すMIG・MAG溶接の溶滴移行現象を応用した短絡光を主体とした撮影用照射光により静止画像を撮影する新規な方法とこの静止画像を連続して撮影する新規な方法と連続して撮影した画像を動画として放映する新規な方法で安価な汎用小型カメラの不足する性能を補足する手段をとる。なお、X・Y・Zのブロックは機能を表現したもので、例えばXとYが物理的に同じプリント基板上に有っても良い。
MIG・MAG溶接のアーク溶接現象の溶滴移行には短絡移行・ドロップ移行(グロビュール移行)・スプレー移行が有り、溶接電流とシールドガスや溶接ワイヤ径により移行形態が異なるが、最も汎用的な溶接施工、Φ1.2のワイヤと炭酸ガスあるいは20%以下の炭酸ガスを含むアルゴンガスをシールドガスとする約250アンペア以下のMAG溶接では短絡移行あるいは時に短絡を含むドロップ移行となる。
厚板を大電流でMIG・MAG溶接する場合やパルスMIG溶接を除き、一般の汎用的なMIG溶接の場合、あるいはΦ1.2以外のワイヤを用いたMAG溶接のなど他の一般的に施工されている汎用的な溶接の場合も短絡移行あるいは短絡を含むドロップ移行となる。
この一般的に施工されている汎用的な溶接時の溶接電圧と溶接電流は、溶接機の電圧・電流計では略一定の値を示しているが、ミリ秒の単位で見ると一定ではなく図2の上段と中段に示すように上下に大きく変化している。
図2の上段の溶接電流波形Cは円弧状の曲線を接続した形状、中段の溶接電圧波形Vは直線を接続した上下の区分が明確な矩形波に近い形状である。
近年溶接電源がインバータ制御になり、短絡後の溶接電流の立ち上がり速度が急峻になる、さらにはスパッタを抑制するために溶接電流を波形制御する等の場合には図2の波形と多少異なる場合があるが、基本はこの波形であり、溶滴移行の基本は変わらない。
ワイヤが母材に短絡した時の電気抵抗とアークが発生している時のアーク柱の電気抵抗の違い等により溶接電圧波形Vは図2の中段のような短絡期間Dとアーク期間Aから構成され、これを合わせた波形が短絡周期Fで繰り返される。
わずかに垂下する溶接電源の電源特性によるアーク長の自己制御作用、ワイヤスプールからワイヤは定速送給されるがトーチ先端までの送給経路での摩擦(機械的抵抗)のため細いワイヤは送給経路を蛇行しスティックスリップした状態でチップに送給される送給性、溶融プールの揺動などの総合的な結果、短絡期間Dとアーク期間Aは一定にはならず、一般的に施工されている汎用的なMAG溶接では、短絡期間Dは約2~20msec、短絡周期Fは約5~100msecとなる。
溶接中の電力(溶接電流×溶接電圧)は主に溶接ワイヤや溶接物を溶かす熱として消費されるが、一部は光として消費され、アーク期間Aではアーク放電による発光(以下”アーク光”と記す)として消費され、短絡期間Dにおいてはワイヤ先端が溶融し溶融池に短絡している状態の溶滴とワイヤ先端が白熱電球のフィラメントの役割をした発光(以下”短絡光“と記す)として消費される。
溶接中の溶接線などを撮影する観点から撮影用照射光源に着目すると、溶融池の溶融金属自身の発光に加え、アーク期間Aにはアーク光が撮影用照射光源に、短絡期間Dにおいては短絡光が撮影用照射光源となる。
人の目には常に明るく光る溶接光は、溶接中のその時々の電力(時々の、溶接電流波形値×溶接電圧波形値)の一部が光になることから、ミリ秒の単位で見ると明るさは一定ではなく、アーク期間Aと短絡期間Dではアーク光と短絡光と発光原理が異なり、光の質や明るさそして光源の大きさも異なり、またアーク期間Aと短絡期間Dのそれぞれの期間内でも時々の溶接電圧と溶接電流に相関して光源の大きさや明るさが変化する。
一般的に被写体を鮮明に撮影する場合、適度な照度(全体の明るさ)と共に明暗差が極度に大きくない画面構成であること、例えば周囲に明る過ぎる大きな発光体が無いこと(例えば逆光を避ける)、仮に発光体がある場合にはその発光体の画面に占める割合が小さいことが重要となる。
溶接施工ではトーチを溶接線に沿って動かすことが大切であり、この溶接線を認識するために溶接中の溶接部直近の溶接線を撮影する場合、強く光る大きなアーク光が画面の一部を占めこれに照らされた溶接線撮影より、短絡直後でワイヤの先端が溶け始めた小さな溶滴が発する短絡光、この溶滴(発光体)は画面に占める割合も小さく、かつ溶接電流も溶接電圧も短絡直後は最も低いため短絡光は最も弱く、この小さな光源と弱い光に照射された溶接線撮影は明暗差も少なく、この時が溶接線の撮影には最も適しているといえる。
図1に示す、起動ブロックXは、溶接電源3から溶接中の溶接電圧と溶接電流を波形解析信号発生器2に取り込み、時々の溶接電圧や溶接電流が図2に示す予め定められた閾値Lに達したときにシャッター起動信号6を発するブロックである。
例えば、溶接線を撮影する場合には、図2の溶接電圧波形Vの値が閾値L1より高い値の時はアーク期間A、低い値の時は短絡期間Dと見なし、溶接電圧波形Vが閾値L1より高い値から閾値L1に達した時がアーク期間Aから短絡期間Dに移行した短絡直後のタイミングと見なし、この撮影タイミングP1で波形解析信号発生器2はシャッター起動信号6を発する。(図1、図2参照)
短絡時の溶接電圧は0~1V程度と言われるが、溶接電源の出力端子付近で溶接電圧を検出する場合にはチップの接触抵抗やチップから出たワイヤの抵抗など溶接電流が流れる経路の種々の電気抵抗のため短絡直後の最低電圧Vd(図2)は5V程度になることもあり、閾値L1は溶接電圧波形の最高値Vp(図2)と溶接電圧波形の最低値Vdの間であればどのような値でも良いが、一般的な溶接条件表に示される溶接電圧の半分程度の値あるいはその値より数V上の値が閾値L1として適当である。
後述するようにカメラ1にとって撮影に必要な光量が不足する場合には発光量(溶接電流×溶接電圧に比例)が多いと見なされる、P1から遅延時間u1が過ぎた撮影タイミングP2,短絡期間Dと見なされる閾値L1より低い電圧の時に(またはP1の後)溶接電流が閾値L2に達した撮影タイミングP3など、撮影条件により予め定められた閾値Lあるいは閾値Lからの遅延時間uで制御される短絡期間D内の撮影タイミングPでシャッター起動信号6を発しても良い。(図2参照)
近年、スパッタ低減を目的とした種々の溶接制御が開発されているが、ここでは溶接波形から次の短絡予測や強制的アーク移行などの制御を行っており、この制御を流用してシャッター起動信号6を発する、例えば短絡予測の一つであるアーク期間Aと見なされる溶接電圧が閾値L1より高い時に溶接電流が閾値L3より高い値から閾値L3に達した撮影タイミングP4でシャッター起動信号6を発しても良い。この時は短絡直前でアーク光は非常に小さく光量は少ない状態で、また閾値L3の値によっては撮影(露出時間W)が短絡期間にずれ込む場合もある。(図2参照)
起動ブロックXの機能の一つは、(後述するシステムとして繰り返し撮影をするための処理完了信号19等を受けた後、)波形解析信号発生器2が溶接電源3から溶接中の溶接電圧や溶接電流を取り込み、溶接電圧や溶接電流が予め定められた閾値Lに達した時に、あるいはその時から遅延時間uが経過した時にシャッター起動信号6を撮影ブロックYに発することである。(図1,図4参照)
近年のカメラの性能について言及すると、カメラが図5に示すようにノズル13の内側から溶接部を撮影する場合、汎用的なノズル使用では出口内径による視界制限のため被写体の大きさはΦ20mm程度に限定され、この程度の被写体サイズでは30万画素もあれば溶接作業者が目視している溶接部の状況をイメージできる画像の緻密さ(一画素当たり約0.05×0.05mmの分解能)があり、30万画素程度の汎用小型カメラでは、携帯電話用等のカメラの技術革新により静止画像撮影のシャッターの最高速度は1/10000秒(0.1msec)以上程度の性能になっている。
短絡期間Dが最短の2msecを想定すると、シャッター速度1/10000秒すなわち露出時間Wが0.1msecで撮影した場合、最短短絡期間Dの1/20の時間の現象の撮影が可能、例えば撮影タイミングP1で発せられたシャッター起動信号6を受け撮影した場合、短絡直後で短絡したワイヤが溶融し始めた直後で発光光源が最も小さくかつ溶接電流も最も少なく光量が少ない時、撮影する観点から考えると撮影画面に占める発光光源が小さくかつ光源の短絡光が最も弱い時の撮影で、溶接線撮影には最も適した時に撮影が出来ることになる。
溶接施工で使用する溶接光保護マスクの遮光フィルターの光の透過度は1%程度で遮光フィルターを外すと100倍の明るさ、また作業者の目の位置はアークから50cm程度であるのに対しトーチに内蔵したカメラ1の位置はアークから約10cmであり距離の比は50/10=5、明るさは距離の自乗に反比例するので作業者の目の位置の明るさに対するカメラ位置の明るさは25倍となり、カメラに溶接用遮光フィルターを取り付けない状態では作業者が遮光フィルターを通して見ている100×25=2500倍がカメラ1の受光素子の明るさとになり、シャッター速度が高速でも十分撮影出来る明るさがある。
ただ、カメラ1には主として受光素子保護を目的とした紫外線・赤外線遮断フィルターと画像の鮮明化を目的とした光学フィルター等からなるフィルターユニット7が取り付けられており、例えばカメラ1の受光素子にとって短絡直後P1の撮影タイミングの短絡光の明るさと1/10000秒の露出時間Wでは光量不足の場合は、撮影を開始する撮影タイミングは短絡直後のP1として、ただしアーク光が発生する可能性がない短絡期間D内に必ず撮影が完了するようにカメラ1の露出時間Wを短絡期間Dの最小値2msec以内、すなわちシャッター速度を1/500秒(2msec)を限度として長く設定して光量を増し溶接部を静止画像撮影しても良い。
あるいは必要な明るさ(溶接電流×溶接電圧)の溶接電流や溶接電圧になった時、例えばP1から遅延時間u1が経過した撮影タイミングP2や、P1後の溶接電流が閾値L2に達した撮影タイミングP3で撮影することも出来る。(撮影タイミングP2やP3の場合はシャッター速度によっては短絡期間D内に必ず撮影が完了するとは限らず、この対応は後述する。)
撮影ブロックYの機能の一つは、起動ブロックXからのシャッター起動信号6を受けてカメラが定められたシャッター速度(露出時間W)で溶接部を撮影し(イメージデータ16-1を生成)、その画像データ16を利用ブロックZに転送することである。(図1,図4参照)
なお、前述したように撮影に際し、短絡周期Fに関わらず短絡光のみを撮影光とする場合には短絡期間Dで必ず撮影が完了するシャッター速度(露出時間W)を最長1/500秒(2msec)を限度として溶接部を撮影する必要がある。
短絡移行はアーク長の自己制御作用、ワイヤの送給性、溶融プールの揺動などの総合的な結果の移行形態で一般的に短絡期間Dは約2~20msecとなるが、時に瞬時短絡E(図2の中段の溶接電圧波形参照)といわれる短絡期間Dがきわめて短く瞬時にアーク期間Aに復帰する現象が有る。瞬時短絡Eが発生した時、溶接電圧波形Vが閾値L1より高い値から閾値L1に達する為撮影タイミングP1となりシャッター起動信号6が発せられカメラ1は撮影を実行、この画像はアーク光のため過剰露出の画像(後述の未使用画像H;図1,2参照)となる。
この対策として露出時間Wの時間中にアーク期間Aになった場合はこの静止画像を未使用とする。
具体的な一つの方法は溶接電圧が閾値L1(この明細書では撮影タイミングP1と同じ閾値L1を便宜上用いているがこの閾値Lは溶接電圧波形の最高値Vpと溶接電圧波形の最低値Vdの間であれば撮影タイミングP1の閾値L1と異なるどのような値でも良い)より低い値から閾値L1に達した時をアーク期間Aに復帰した撮影停止タイミングOとして、波形解析信号発生器2からシャッター停信号7を発信する。(図2参照)
そして例えばストップウオッチ8を設け、ストップウオッチ8はシャッター起動信号6でタイマーをリセットして計測を開始し、シャッター停止信号7で計測を停止する。ストップウオッチ8の計測値である短絡光撮影時間Rが露出時間Wより長い場合は露出時間Wの間は短絡光であったためカメラ1からの画像を有効とし、短絡光撮影時間Rが露出時間W以下の場合は露出時間W中に短絡光からアーク光(アーク期間)なったため撮影した画像を未使用(図1、図2の未使用画像H)とする画像判定ユニット9を設ける。(図1、図4参照)
このようにすることで、瞬時短絡Eの時の画像はもちろん、撮影タイミングP2やP3での撮影(露出時間)がアーク期間Aにずれ込んだ場合の過剰露出画像も未使用とすることができる。またカメラ1の性能が低く1/500以上の露出時間Wが必要な場合、カメラ1に必要な長い露出時間Wを設定すると、短絡光撮影時間Rが露出時間Wより長い場合のみ撮影できる。(短絡光撮影時間Rが露出時間より短い時に撮影した画像は画像判定ユニット9により未使用となる。)ただし露出時間Wより長い短絡光撮影時間Rの発生率は長い短絡期間Dの発生率に相関し、短絡期間Dの短い溶接状態では撮影枚数は減少、後述する動画としての性能は落ちるが、カメラ1の性能が低い場合でも溶接線を撮影することは出来る。
起動ブロックXの二つ目の機能は、波形解析信号発生器2が溶接電源3から溶接中の溶接電圧を取り込み、溶接電圧が閾値L1より低い値から閾値L1に達した時、シャッター停止信号7を発することである。(図1、図2、図4参照)
撮影ブロックYの二つ目の機能は、このシャッター停止信号を用いて露出時間Wの撮影時間中にシャッター停止信号7が発せられアーク期間Aになったと判定した場合はこの静止画像を未使用とすることである。(図1、図4参照)
なお、この具体的な判定方法の一つとして上記のストップウオッチ8や画像判定ユニット9を設けるが、これらは後述の利用ブロックZに在っても良い。
図4を参照しながら一枚の静止画像の撮影からこの画像の利用までの一連の処理を述べる。カメラ1は撮影タイミングPから露出時間Wで撮影しイメージデータ16-1を生成、カメラ内部でのフレーム転送を行う。続いて撮影が瞬時短絡E等で撮影された画像ではないことを画像判定ユニット9で判定した後、撮影したイメージデータ16-1に後述の撮影時刻データ16-2をメタデータとして付加するなどのカメラ動作S(図2下段参照)を行う。イメージデータ16-1とメタデータ16-2で構成される画像データ16を撮影ブロックYから利用ブロックZに転送する。利用ブロックZでは転送された画像データ16をバッファー処理ユニット17に格納する。そして前後の画像データの撮影時刻差である撮影時間間隔tを計算し、この撮影時間間隔tからなる撮影時間間隔データ16-3を前画像データのイメージデータ16-1のもう一つのメタデータとして付加する等の作業を行う。その後溶接光保護マスク4・ロボット5パソコン20等の利用機器に画像データ16を転送し、利用機器はこの画像データ16を利用する。なお、録画再生機能が不要の場合には撮影時刻データ16-2と撮影時間間隔データ16-3のメタデータ付加処理をバイパスしても良い。
利用ブロックZの一つ目の機能は撮影ブロックYから転送された静止画像の画像データ16を利用機器に転送し、利用機器がこの画像データ16を利用することである。
上述のように撮影タイミングPでの撮影から始まり利用機器への画像転送が完了するまでには多くの行程が有りこれらの処理を行う処理時間が必要である。上述の静止画像を撮影後、引き続き連続して次の静止画像を撮影することを想定すると、もし撮影から利用機器への画像データ転送の完了までの処理中に次の撮影タイミングPが発生しても、次の撮影から利用機器への画像データ転送という一連の処理は不可能である。このため現在処理中の一連の静止画像撮影処理が完了した時、図4に示すように利用ブロックZから処理完了信号19を起動ブロックXの波形解析信号発生器2に送り、波形解析信号発生器2がこの処理完了信号19を受け取った後、次の撮影タイミングPで波形解析信号発生器2はシャッター起動信号6を発する必要がある。
前述の画像判定ユニット9の判定により撮影した静止画像が未使用となった場合は、未使用という特殊な静止画像撮影処理が完了したとみなし、利用ブロックZから処理完了信号19を起動ブロックXの波形解析信号発生器2に送る。
溶接開始で撮影した最初の撮影後、引き続き連続しての次以降の撮影は、波形解析信号発生器2が処理完了信号19を受けた後、前撮影と同じ撮影タイミングPでシャッター起動信号6を発し、カメラ1は次の静止画像を撮影、この一連の動作が撮影時間間隔t(t1,t2,t3,t4,t・・)で繰り返される。(図2参照)
なお、次以降の撮影には利用ブロックZからの処理完了信号9を用いず、一定の時間後に自動的に引き続き連続しての次の撮影を行う、具体的には、起動ブロックXの波形解析信号発生器2がシステム全体で決まる一連の画像データが処理可能となる一定の処理時間が経過したことを確認した後の次の撮影タイミングPでシャッター起動信号6を発信し撮影しても、または波形解析信号発生器2のシャッター起動信号6は撮影タイミングP毎に発信し続けこれを受けた撮影ブロックYがシステム全体で決まる一連の画像データが処理可能となる一定の処理時間が経過したことを確認(図4のK)した後のシャッター起動信号6で次の撮影をしてもよい。また短絡周期Fが短く利用するには撮影画像数が多すぎる時には、次の次など必要な画像数になるまで撮影タイミングPを飛ばして撮影してもよい。
利用ブロックZの二つ目の機能は、一連の静止画像撮影処理が完了した時、処理完了信号19を起動ブロックXに送ることである。(図1、図2参照)
起動ブロックは利用ブロックZからの処理可能信号19を受けた後等において、前述の一連の処理である波形解析信号発生器2の溶接電圧や溶接電流が予め定められた閾値Lに達した時等の次の撮影タイミングPでシャッター起動信号6を撮影ブロックYに発し次の静止画像18を撮影するが、この次の撮影タイミングPまでの時間は短絡周期Fに依存する。
人の目に動画として見えるようにするには少なくとも毎秒10枚程度(均等割りで0.1秒間隔)の静止画像を連続放映する必要がある。溶接現象の最大短絡周期は100msec程度のため毎秒10回以上の撮影タイミングPが有る。またカメラ1での撮影処理や後述のバッファー処理ユニット17での処理時間と画像データ転送時間等の一連の処理時間は30万画素程度のイメージデータの場合では一般的に最長100msec以下のため毎秒10画像以上の処理が可能である。この結果システムの性能として動画として見るに必要な毎秒10画像程度の撮影タイミングPでの静止画像の撮影と利用機器への画像データ16の転送が出来る。画像データ16を録画再生する必要が無いときは図4の“録画再生機能不要の場合”のバイパスを用い、例えば溶接光保護マスク4のディスプレー4にイメージデータ16-2を連続して放映すると作業者は溶接線とチップの位置関係をリアルタイムに動画で見ることが出来る。
溶接施工確認等のため、画像データ16をパソコン20に保存し必要なときにこれを動画として放映する場合を想定しこの方法を考えると、一般の動画は等時間間隔のコマ画像の放映であるのに対し、撮影が短絡周期Fに依存して等時間間隔ではない連続する静止画像を動画として録画再生(一連の画像データ16をパソコン20で保存し表示する)するためには、前の静止画像を放映し、前の静止画像撮影と次の静止画像撮影の撮影時間間隔tが経過した時に次の静止画像を放映する、これを図3のように繰り返す(スライドショーのスライド表示時間間隔を等時間間隔ではなく撮影時間間隔tの不等時間間隔とする)ことにより撮影時間と同じ時間で再生放映が出来る。
このため、撮影した画像データ16には撮影時間間隔tをデータとするメタデータの撮影時間間隔データ16-3が必要となるが、撮影時間間隔データ16-3の撮影時間間隔tの時間単位が粗い場合は時間単位の丸め誤差により撮影開始から終了までの撮影総時間と放映開始から終了までの放映総時間の誤差が大きくなる。
録画再生で動画として見る場合は、少なくとも毎秒10枚程度の静止画像を撮影総時間と同じ時間で放映することが必要で、このためには撮影時間間隔データ16-3の撮影時間間隔tの精度は毎秒10枚の均等割り時間0.1秒の一桁下の0.01秒単位以下でなければならない。
この録画再生機能のために、人や風景を撮影する一般の静止画像には必要の無い0.01秒単位以下の撮影時刻(溶接開始を時刻=0.0秒としても良い)を、例えば内蔵するmsec精度の時計を用いてmsec単位の撮影時刻データ16-2を画像データ16のメタデータとして付加する。
撮影時刻データ16-2から撮影時間間隔データ16-3を生成し付加する方法の一つの事例を示すと、図4に示すようにバッファー処理ユニット17に画像レジスタ21と前画像レジスタ22の二つのレジスタを設ける。撮影ブロックYから撮影時刻データ16-2をメタデータして持つ画像データ16を画像レジスタ21に転送し格納する。この画像レジスタ21の画像データの撮影時刻データから後述する前画像レジスタ22に格納されている(画像レジスタ21の画像データより)ひとつ前に撮影された画像データの撮影時刻データを引き算する。すなわち前後の画像の撮影時刻の差である撮影時間間隔tをバッファー処理ユニット17が計算する。この撮影時間間隔tを前画像レジスタ22に格納されている画像データ16のもう一つのメタデータとして撮影時間間隔データ16-3を付加する。
この付加処理の後、前画像レジスタ22に有る画像データ16は利用機器に転送され、利用機器はこの画像データ16を利用する。
この利用機器への画像データ16の転送が完了し前画像レジスタ22が空き状態となった後、画像レジスタ21の画像データ16を切り取り前画像レジスタ22に貼り付け格納する。その結果、画像レジスタ21は空き状態となり、次の画像データが撮影ブロックYから画像レジスタ21に転送され格納されることが可能となる。一方、前画像レジスタ22には上記の貼り付け処理により撮影ブロックYから転送されてくる画像データより一つ前に撮影した画像データ16が格納されているため、上記の前後の画像の撮影時刻の差すなわち撮影時間間隔tの計算が可能となる。なお、溶接開始直後の画像データ16は特例処理により前画像レジスタ22に格納され、溶接終了直前の画像データ16も特例処理により撮影時間間隔データ16-3が無い状態で利用機器に転送される。
利用機器に転送される前画像レジスタ22の画像データは撮影ブロックYから転送される画像データからみて一つ前の画像データとなる。このため利用機器が溶接時にリアルタイムに画像データ16を利用する場合には利用機器に転送される画像データ16は撮影間隔時間(最大で短絡期間Dの最大値100msec程度)だけ遅くなる。録画再生ではこれは問題とならない。
撮影ブロックYの三つ目の機能は、システムとして録画再生機能が必要な場合はイメージデータ16-1のメタデータとして、0.01秒単位以下の撮影時刻データ16-2を付加した画像データ16を利用ブロックZに送ることである。(図4参照)
利用ブロックZの三つ目の機能は、システムとして録画再生機能が必要な場合は前後の画像データ16の撮影時刻データ16-2の差を撮影時間間隔データ16-3として前の画像データ16のメタデータに書き加えることである。(図4参照) そして録画再生する利用機器は前の画像データ16のイメージデータ16-1を放映し、撮影時間間隔データ16-3の撮影時間間隔tが経過した後に次の画像データ16のイメージデータ16-1を放映する。(図3参照)
なお、画像データ16の撮影時間差データ16-3の撮影時間差はカメラ1が撮影した時刻の時刻差の他、利用ブロックZに時計を内蔵し撮影ブロックYから利用ブロックZのバッファー処理ユニット17に画像データ16が転送された時刻を撮影時刻としこの時刻差など、画像データの特定の処理時刻を撮影時刻としこの時刻差を撮影時間差データ16-3としても良い。
また、不等時間間隔の静止画像を画像処理することにより撮影総時間と同じ表示放映時間のチラツキの少ない円滑な動画にすることも出来る。
利用ブロックZの機器がロボット5の場合、溶接線倣い制御には溶接線が鮮明に写る撮影タイミングP1での短絡光撮影、更に溶接仕上がり形状制御としてビード幅の情報が必要な場合には、仮にビード幅が一番よく写るのは撮影タイミングP4であるとして、撮影タイミングP4での撮影など、数種類の撮影タイミングPで撮影しても良い。
この場合、撮影タイミングをP1とP4を交互に繰り返しても良いし、利用ブロックZからの処理完了信号9に必要な撮影タイミングPに関する情報を含めた信号を発信し、これを受けた波形解析信号発生器2は要求された撮影タイミングPでシャッター起動信号6を発し必要な撮影タイミングPの撮影をしても良い。
溶接電圧波形V、溶接電流波形Cと閾値Lを用いて撮影に適する光源の大きさや光量に照射された撮影タイミングPで溶接部を撮影することで、高価な専用高性能カメラに比較しダイナミックレンジの低い日常生活に使用する安価な汎用小型カメラ1でも溶接線を鮮明に撮影ができる。図6にディスプレー画像の事例(18-2)として示す。
汎用的な溶接施工では短絡周期Fの最大値は一般的に100msec程度、従って同じ溶滴移行現象の撮影タイミングPが少なくとも毎秒10回程度発生し、システム全体で決まる次の画像データが撮影可能となる最長処理時間は30万画素程度では一般的に100msec以下のため、同じ撮影タイミングPで撮影した静止画像を少なくとも毎秒10画像程度の撮影ができ、これをディスプレーに表示するとリアルタイムに動画として見ることが出来る。またこれをパソコンで録画再生(保存と表示)する場合にはこの各画像データに0.01秒単位以下の撮影時間間隔tが分かるメタデータを加えることにより、静止画像を撮影時間間隔tで次々に放映すると、ディスプレーには少なくとも毎秒10画像程度の静止画像が撮影時間と同じ時間で連続放映され人の目には施工状況を再現する動画として見ることができる。
短絡周期Fの逆数である短絡回数が平均で毎秒24回とすると、この方法では同じ溶撮影タイミングPの24個の静止画像が撮影され連続放映されるが、同じ毎秒24画像(コマ)でも撮影時間間隔が均等である一般の動画撮影の場合は短絡周期のばらつきのため短絡直後のコマ画像や大きなアークが在るコマ画像等が混在し、放映時には大きなアークのコマ画像が人の目には残像として残り、仮に短絡直後の溶接線が鮮明に写されたコマ画像があったとしてもこれを人は認識することは出来ない。
このように日常生活で使用する安価な汎用小型カメラ1でも溶接線が鮮明に撮影出来る短絡期間を主体とした撮影タイミングPで静止画像を繰り返し撮影し、この静止画像を連続して放映することで素人でも熟練した溶接作業者が目視し頭脳で認識している状況と同様の溶接部の状況、溶接線を鮮明に動画として見ることが出来る。
溶接電源3と波形解析信号発生器2からなる起動ブロックXと、カメラ1・フィルターユニット14とストップウオッチ8・画像判定ユニット9からなる撮影ブロックYと、バッファー処理ユニット17と溶接光保護マスク4・ロボット5・パソコン20などからなる利用ブロックZの3種のブロックと各ブロック間の信号や画像データの流れを示すシステム全体のイメージ図 図の上段は溶接電流波形C、中段は溶接電圧波形V、そして各波形の図中に閾値Lと撮影タイミングPや撮影停止タイミングOの関係を示し、下段はカメラ動作Sのイメージ、これらを時間が左から右に進む水平軸上に描いた図 静止画像18を不等時間間隔tで連続して放映(静止画像18-1)するイメージ図 3種類のブロックとその各ブロック内の機器とデータ処理や画像データや信号の流れを描いたフローチャート カメラを内蔵する溶接トーチ10と内蔵するカメラ1の事例の写真 ディスプレー4-3を内蔵した溶接光保護マスク4の事例、図の左側は正面(4-1)から、右側は裏面(4-2)からの写真、右斜め上はディスプレー(4-3)に放映される溶接線が見えるディスプレー画像の事例(18-2)の写真
汎用溶接トーチ10のトーチ本体11にカメラ筐体12を取り付けノズル13内側から溶接前後2方向を撮影する2台のカメラ1を内蔵したトーチの実施例を図5に示す。
汎用的な溶接光保護マスク4にディスプレー4-3を取り付けカメラ1で撮影した画像18-2を表示する撮影画像利用機器の実施例を図6に示す。
図1は起動ブロックXと撮影ブロックYと利用ブロックZの、X・Y・Z3種のブロックで一つのシステムを構成することにより、日常生活で使用する安価な汎用小型カメラを用いて溶接部を鮮明に撮影するには不足する安価なカメラの性能を溶滴移行現象の短絡期間で主として撮影するという方法で補完したシステムの全体を表す実施例である。この各ブロックとその各ブロック内の機器とデータ処理や画像データや信号の流れをフローチャートで示した図4と共に実施例の詳細を説明する。
波形解析信号発生器2は溶接電源3の溶接電圧波形Vが溶接電源の電圧計が示す略半分の電圧の閾値L1(図2参照)より高い電圧からを閾値L1に達した時(撮影タイミングP1)にシャッター起動信号6をカメラ1とストップウオッチ8に、閾値L1より低い電圧からを閾値L1に達した時(撮影停止タイミングO)にシャッター停止信号7をストップウオッチ8に送る。
溶接トーチ10の先端部のカメラ筐体12の内部に取り付けたカメラ1は筐体の覗き穴からノズル13内側を通して溶接物14を撮影する視方向に取り付けられている。
カメラ1には主として受光素子(図示せず)保護を目的とした紫外線・赤外線遮断フィルターと画像の鮮明化を目的とした光の波長により透過率が異なる干渉フィルターと光量制御を目的とした電圧により透過率を変えることが出来る液晶フィルターからなるフィルターユニット14がカメラ1のレンズに取り付けられている。
カメラ1はシャッター起動信号6を受けて、予め定められた1/500秒より短時間の露出時間Wで全ての受光素子(画素)の露光を完了し、カメラ内部のフレーム転送をへて1枚の静止画像のイメージデータ16-1を生成する。
ストップウオッチ8はシャッター起動信号6で時間計測を始めシャッター停止信号7で計測を停止し、この測定した時間を短絡光撮影時間Rとして露光時間Wと比較する。画像判定ユニット9は短絡光撮影時間Rが露出時間W以下(引き算の差がマイナスまたはゼロ)の場合はこのイメージデータ16-1を使用せず後述する処理完了信号19を発する。
短絡光撮影時間Rが露出時間Wより長い(引き算の差がプラス)場合はカメラ1からの静止画像のイメージデータ16-1にmsec単位の撮影時刻データ16-2をメタデータとして付加した画像データ16を生成し利用ブロックに転送する。なお、撮影時刻データ16-2を取得する為に使用する時計は溶接開始と共にカウントアップする内蔵時計(図4参照)でmsec単位の精度をもつ時計である。
図4に示すようにバッファー処理ユニット17には画像レジスタ21と前画像レジスタ22の二つのレジスタが有り、撮影ブロックYから転送された画像データ16は画像レジスタ21に格納される。前回撮影の画像データは前画像レジスタ22に格納されていて、それぞれの画像データのメタデータである撮影時刻データの差である撮影時間間隔tを算出し、これを撮影時間間隔データ16-3として前画像レジスタ22にある前回撮影の画像データ16のメタデータに付加する。
前画像レジスタ22にある撮影時間間隔データ16-3のメタデータが書き加えられた前回撮影の画像データ16は利用機器に転送される。
前画像レジスタ22にある前回撮影の画像データ16が利用機器へ転送完了した時、画像レジスタ21にある画像データは切り取られ利用機器への転送により空になった前画像レジスタ22に貼り付けられる。画像レジスタ21は画像データの切り取りにより空き状態で次の画像データ16を格納することが出来る。
また、前画像レジスタ22に格納されている画像データ16が利用機器へ画像転送完了した時、撮影から始まった一連の静止画像撮影処理が完了し、バッファー処理ユニット17は処理完了信号19を、波形解析信号発生器2に送る。
波形解析信号発生器2は処理完了信号9を受信した後、前回撮影と同じ撮影タイミングP1になったときにシャッター起動信号6をカメラ1に送る。
この一連の動作が図2の下段に示すように撮影時間間隔t(t1、t2、t3・・・)で繰り返される。
パソコンで録画再生(保存と表示)する場合は図3に示すように画像データ16のイメージデータ16-1をメタデータ16-3の撮影時間間隔t(t1、t2、t3・・・)で次々に連続して放映(スライドを撮影時間間隔tで順次表示)する。(図3の連続する画像のイメージ18-1参照)
1 カメラ
2 波形解析信号発生器
3 溶接電源
4 溶接光保護マスク
4-1 正面から見る
4-2 裏面から見る
4-3 ディスプレー
5 ロボット
6 シャッター起動信号
7 シャッター停止信号(溶接電圧が低い値から閾値Lに達した時を撮影停止タイミング
Oとして発する信号)
8 ストップウオッチ
9 画像判定ユニット
10 トーチ
11 トーチ本体
12 カメラ筐体
13 ノズル
14 フィルターユニット
15 溶接物
16 画像データ
16-1 イメージデータ
16-2 撮影時刻データ
16-3 撮影時間間隔データ
17 バッファー処理ユニット
18 静止画像
18-1 連続する画像のイメージ
18-2 ディスプレー画像の事例
19 処理完了信号
20 パソコン
21 画像レジスタ
22 前画像レジスタ
C 溶接電流波形
V 溶接電圧波形
D 短絡期間
A アーク期間
F 短絡周期
L 閾値
P 撮影タイミング
W 露出時間
S カメラ動作(イメージ)
u 遅延時間
E 瞬時短絡
O 撮影停止タイミング(溶接電圧が閾値Lより低い値から閾値Lに達したタイミング)
H 未使用画像(イメージ)
t 撮影時間間隔(放映する画像データの放映時間差)
R 短絡光撮影時間(ストップウオッチ8の計測値)
Vp 溶接電圧波形最高値
Vd 溶接電圧波形最低値
K 処理時間経過
X 起動ブロック
Y 撮影ブロック
Z 利用ブロック

Claims (1)

  1. 起動ブロックと撮影ブロックと利用ブロックで構成され、起動ブロックでは溶接電圧値と溶接電流値の少なくとも一方が閾値に達した時にまたは前記閾値に到達後一定の時間が経過した時にシャッター起動信号を発し、次の撮影ブロックでは起動ブロックからのシャッター起動信号を受けカメラが定められた露出時間で静止画像を撮影し、次の利用ブロックでは撮影ブロックから転送された画像データを利用機器に転送し、利用機器はこの画像データを利用し、この起動・撮影・利用ブロックの一連の処理が完了した後、引き続きこの一連の処理を繰り返し行い、連続して静止画像を利用機器に転送するMIG・MAG溶接を撮影するシステムにおいて、 撮影ブロックにおいては画像判定ユニットを設け、画像判定ユニットにはストップウオッチを設け、ストップウオッチはシャッター起動信号でタイマーをリセットして計測を開始し、溶接電圧値が閾値より低い電圧からその閾値に達した時にストップウオッチの計測を停止し、画像判定ユニットは計測値がカメラの露出時間以下の場合には撮影した画像データを未使用とし、計測値がカメラの露出時間より長い場合のみ撮影した画像データに0.01秒単位以下の精度の撮影時刻データをメタデータとして画像データに付加し、利用ブロックにおいてはバッファー処理ユニットを設け、バッファー処理ユニットには転送された今の画像と直前の画像を格納する2個の画像レジスタを設け、今の画像データデータが転送されてきた時に、今の画像データの撮影時刻データと格納している直前の画像データの撮影時刻データの時刻差を計算し、この計算結果を撮影時間間隔データとし、格納している直前の画像データにこの撮影時間間隔データをメタデータとして付加し、利用機器に直前の画像データを転送し、パソコン等の利用機器が撮影後にこの画像データを再生放映する時には、今の画像データのイメージデータを再生放映し、連続する次のイメージデータの再生放映は今再生放映している画像データのメタデータの撮影時間間隔が経過した後に次のイメージデータを再生放映する、これを繰り返すことを特徴とする、MIG・MAG溶接を撮影し後で再生放映するシステム。
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