JP7057244B2 - 管材固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、主として各種配管をブラケットや架台あるいは振れ止めに取り付ける際に用いられる管材固定具に関する。
空気調和設備工事や衛生設備工事においては、用途や目的に応じてさまざまな配管が用いられており、材質で分類すると概ね金属管と樹脂管に大別される。
例えば、給水管には、ポリエチレンや硬質ポリ塩化ビニルで内面を被覆したライニング鋼管や、硬質ポリ塩化ビニル管、ポリエチレン管などの樹脂管が用いられており、給湯管には、ステンレス鋼管や耐熱性硬質ポリ塩化ビニルライニング鋼管が用いられている。
これらの配管を建物内に設置するにあたっては、横走り管であれば、吊りバンドで天井や上階スラブから吊持するほか、壁面に取り付けられたブラケットや床面に設置された門型架台に載せた上、これらのブラケットや架台にUボルトで固定し、立ち上がり管であれば、立てバンドで壁に固定するほか、壁面に取り付けられた振れ止めにUボルトで固定する。
Uボルトを用いて配管を固定するには、配管を跨ぐようにUボルトを配管に配置した上、該Uボルトの各端に形成された雄ネジをブラケットや門型架台あるいは振れ止めのボルト孔にそれぞれ挿通し、しかる後、該雄ネジにナットを螺合するが、かかる固定作業においては、過大な締付け力がUボルトから配管に作用しないよう、ナットのトルクを適切に管理する必要がある。
特開平9-296881号公報
しかしながら、Uボルトは、断面が円形であるため、配管の周方向に沿った曲線でのみ該配管と接触し、配管には、その曲線に沿ってUボルトによる締付け力が作用する。
そのため、配管には応力集中が生じやすく、ナットのトルク管理が適切に行われていない場合はもちろん、適切なトルク管理を行ったとしても、かかる応力集中に起因して配管の損傷や耐久性低下を招くおそれがあった。
なお、配管が金属管である場合、金属製のUボルト、ブラケット、架台あるいは振れ止めとの間を電気絶縁することで配管の防食に配慮する必要があり、従来においては、特許文献1のように、Uボルトの周面に電気絶縁材が被覆されていたが、かかる場合においても、上述したと同様の問題が生じ得る。
加えて、配管に地震時慣性力が作用した場合、Uボルトからは、その反力が上述した周方向の曲線に沿って配管に集中的に作用し、上述した配管の損傷や耐久性低下といった問題はさらに深刻となる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、固定時の締付け力や地震時反力に起因する配管の損傷や耐久性低下を未然に防止することが可能な管材固定具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る管材固定具は請求項1に記載したように、横断面が円形で全体がU字状をなし各端近傍に雄ネジがそれぞれ形成されてなるボルト本体と、該ボルト本体とその内側空間に挿通配置される管材との間で荷重伝達を行うための荷重伝達部とを備えるとともに、該荷重伝達部を、前記ボルト本体の周面のうち、少なくとも前記内側空間の側に被覆され又は該ボルト本体であって前記内側空間の側に取り付けられる環状基部と、該環状基部から連続一体にかつ側方縁部が該環状基部から前記管材の材軸方向に突設するように形成されるとともに前記管材の外周面に当接する帯状当接面が前記内側空間の側に位置する形で形成されてなる環状延設部とで構成した管材固定具であって、
前記環状基部を、前記ボルト本体の全周が被覆されるように形成し、
前記環状延設部を、ブラケット、門型架台、振れ止め等の固定側部材に前記雄ネジが挿通され該雄ネジに螺合されたナットによって締付けトルクが導入された状態で、該環状延設部の雄ネジ側端部が前記固定側部材又はそれに配置された台座に当接されるように構成することにより、前記ナットによる締込みが制限されるようにしたものである。
本発明に係る管材固定具においては、全体がU字状をなすボルト本体と、該ボルト本体とその内側空間に挿通配置される管材との間で荷重伝達を行うための荷重伝達部とを備えるとともに、該荷重伝達部を環状基部及び環状延設部で構成してあり、環状延設部は、環状基部から連続一体にかつ側方縁部が該環状基部から管材の材軸方向に突設するように形成してあるとともに、管材の外周面に当接する帯状当接面が内側空間の側に位置する形で形成してある。
このようにすると、環状基部を介して伝達されてきたボルト本体からの荷重は、環状延設部であってその内側空間の側に形成された帯状当接面を介して管材の外周面に作用するが、帯状当接面が載荷面となる分、管材との接触領域は、ボルト本体のみ、あるいはボルト本体の周面に電気絶縁材が被覆された従来技術よりも大幅に拡張され、ボルト本体からの荷重は、分散された状態で管材に作用する、換言すれば、より小さな応力で管材に作用する。
例えば、管材を固定する場合だと、ボルト本体からの締付け力が、環状延設部に形成された帯状当接面が載荷面となって、該載荷面から管材の外周面に分散された状態で作用するとともに、地震時の場合だと、帯状当接面を介してボルト本体に伝達される管材からの地震時慣性力に対し、その反力が、締付け時と同様、環状延設部に形成された帯状当接面が載荷面となって管材の外周面に分散された状態で作用する。
したがって、管材に応力集中が生じるのを未然に回避することが可能となる。
ボルト本体からの荷重としては、上述したように取付けの際の締付け力や地震時反力が主として該当するが、これら以外にも、管材が配管である場合の流体による振動や温度変化に起因する荷重の反力などが該当する。
荷重伝達部は、ボルト本体と管材との間で荷重伝達が行われるように構成され、なおかつ環状基部及び環状延設部が連続一体に形成される限り、どのような材質で形成されるかは任意であるが、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー等の樹脂材料で形成される構成が典型例となる。
環状延設部は、側方縁部が環状基部から管材の材軸方向に突設するように形成されるとともに、管材の外周面に当接する帯状当接面が形成される限り、その形状は任意であるが、例えば半筒状、特に半円筒状に形成される構成が典型例となる。
環状延設部は、帯状当接面の幅が小さすぎると、荷重分散作用が十分に発揮できず、大きすぎると、帯状当接面の側方縁部近傍で荷重伝達が十分に行われないおそれがあるため、帯状当接面の幅が、ボルト本体の外径の1.5倍以上でかつ4倍以下となるように形成されるのが望ましく、2.5倍~3.5倍とするのがさらに望ましい。
ここで、本発明においては、ブラケット、門型架台、振れ止め等の固定側部材に前記雄ネジが挿通され該雄ネジに螺合されたナットによって締付けトルクが導入された状態で、環状延設部の雄ネジ側端部が固定側部材又はそれに配置された台座に当接されるように該環状延設部を構成してあるので、ボルト本体の雄ネジに螺合されたナットを締め込んでいく際、予定された締付けトルクが導入された後は、環状延設部の雄ネジ側端部が固定側部材に当接してそれ以上の締込みができなくなるため、管材に作用する締付け力が過大になるのを未然に防止することが可能となる。
環状基部は、ボルト本体の全周が被覆されるように形成するものとし、例えばボルト本体をインサートとした射出成形で環状延設部とともに形成する構成が典型例となり、かかる典型例においては、樹脂材料を適宜選択することにより、上述した電気絶縁性能に加えて、ボルト本体の防錆を図ることもできる。
管材は、主として空気調和設備工事や衛生設備工事に用いる各種配管が該当するが、かかる配管以外にも、例えばパイプ類を固定するのに用いることができるのであれば、これらのパイプ類も管材に該当する。
加えて、管材がパイプ類の場合、該管材は、円筒断面のものに限定されるものではなく、角パイプのような角筒断面のものも包摂されるし、これに対応して、ボルト本体についても、半円状の湾曲部分に直状部分がそれぞれ延設された狭義のUボルトに加え、全体がコの字状をなす場合もU字状の一形態と考え、かかる形状のUボルト(コの字ボルト)も本発明のボルト本体に包摂される。
本実施形態に係る管材固定具の全体斜視図。 同じく本実施形態に係る管材固定具の図であり、(a)は正面図、(b)はA-A線方向から見た矢視図、(c)はB-B線に沿う断面図。 同じく本実施形態に係る管材固定具の図であり、(a)はC-C線方向から見た矢視図、(b)はD-D線方向から見た矢視図。 本実施形態に係る管材固定具を用いて管材である配管をブラケットに固定する様子を示した斜視図。 同じく本実施形態に係る管材固定具を用いて管材である配管をブラケットに固定する様子を示した断面図。 本実施形態に係る管材固定具の作用を示した説明図。 本実施形態に係る管材固定具を用いて配管をブラケットに固定する際の別の固定構造を示した斜視図。 変形例に係る管材固定具とその取付け構造を示した断面図。 別の変形例に係る管材固定具を示した図であり、(a)は該管材固定具に用いる荷重伝達部の正面図、(b)はE-E線に沿う断面図、(c)は、管材固定具の正面図、(d)はF-F線に沿う断面図。 さらに別の変形例に係る管材固定具を示した図であり、(a)は該管材固定具に用いる荷重伝達部の正面図、(b)はG-G線に沿う断面図、(c)は、管材固定具の正面図、(d)はH-H線に沿う断面図。 さらに別の変形例に係る管材固定具を示した図であり、(a)は正面図、(b)はI-I線に沿う断面図。
以下、本発明に係る管材固定具の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る管材固定具を示した全体斜視図、図2(a)~(c)はそれぞれ、本実施形態に係る管材固定具の正面図、A-A線矢視図及びB-B線断面図、図3(a)、(b)はそれぞれ、本実施形態に係る管材固定具のC-C線矢視図及びD-D線矢視図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る管材固定具1は、ボルト本体2及び荷重伝達部3を備える。
ボルト本体2は、横断面が円形で全体がU字状をなし、各端近傍に雄ネジ4,4がそれぞれ形成されてなる。
一方、荷重伝達部3は、ボルト本体2と該ボルト本体に囲まれた空間である内側空間8に挿通配置される管材としての配管5との間で荷重伝達を行うようになっており、環状基部6及び環状延設部7で構成してある。
環状基部6は、ボルト本体2の周面のうち、雄ネジ4,4の形成部位を除いて、内側空間8の側を含むボルト本体2の全周が被覆されるよう円筒状に形成してある。
環状延設部7は、環状基部6から配管5の材軸方向に沿って互いに反対側に、図2(c)で言えば左右方向に側方縁部9,9がそれぞれ突設され、全体としては半円筒状をなすように、該環状基部から連続一体に形成してあり、環状基部6とともに、ボルト本体2をインサートとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー等の樹脂材料を用いた射出成形で形成することができる。
なお、配管5が金属管であって、荷重伝達部3をポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂材料からなる電気絶縁材料で形成した場合においては、荷重伝達部3は、電気絶縁部材としての機能を発揮し、配管5をブラケット41から電気的に絶縁する。
環状延設部7のうち、内側空間8の側に位置する面、つまり該内側空間に面する半円筒状内面が、幅W、長さLの帯状当接面10として形成してあり、該帯状当接面が配管5の外周面に当接するようになっている。
ここで、環状延設部7の幅Wは図2(c)に示すように、側方縁部9,9間の距離であり、長さLは、同図(a)に示すように、半円筒状内面に沿った内周長である。また、環状延設部7のうち、側方縁部9,9に挟まれた中央領域は、環状基部6の内側空間8の側に拡がる部分と共有される。
環状延設部7は、帯状当接面10の幅Wが小さすぎると、荷重分散作用が十分に発揮できず、大きすぎると、帯状当接面10の側方縁部9,9近傍で荷重伝達が十分に行われないおそれがあるため、帯状当接面10の幅Wは例えば、ボルト本体2の外径の1.5倍以上でかつ4倍以下となるように形成されるのが望ましく、2.5倍~3.5倍とするのがさらに望ましい。
本実施形態に係る管材固定具1を用いて配管5を横走り管としてブラケット41に固定するには、図4及び図5に示したように、電気絶縁プレート42をブラケット41の設置面43に載置し、次いで、配管5の外周面が電気絶縁プレート42の当接面44と該当接面を挟む位置に突設された受座45,45にそれぞれ当接されるようにして、該配管を電気絶縁プレート42を介してブラケット41の上に載せる。
次に、配管5を跨ぐようにして管材固定具1をブラケット41の上方から落とし込み、該管材固定具のボルト本体2に設けられた雄ネジ4,4を、電気絶縁プレート42に設けられたプレート側ボルト孔46,46とブラケット41に設けられたブラケット側ボルト孔47,47にそれぞれ挿通するとともに、環状延設部7の帯状当接面10を配管5の外周面に当接させる。
最後に、雄ネジ4,4の各先端にナット48,48をそれぞれ螺合し、これらを締め付けることで、配管5をブラケット41に固定する。
本実施形態に係る管材固定具1においては、全体がU字状をなすボルト本体2と、該ボルト本体とその内側空間に挿通配置される配管5との間で荷重伝達を行うための荷重伝達部3とを備えるとともに、該荷重伝達部を環状基部6及び環状延設部7で構成してあり、環状延設部7は、環状基部6から連続一体にかつ側方縁部9,9が該環状基部から配管5の材軸方向に突設するように形成してあるとともに、配管5の外周面に当接する帯状当接面10が内側空間8の側に位置する形で形成してある。
このようにすると、環状基部6を介して伝達されてきたボルト本体2からの荷重は、環状延設部7であってその内側空間8の側に形成された帯状当接面10を介して配管5の外周面に作用するが、帯状当接面10が載荷面となる、すなわち配管5との接触領域が幅W×長さLの帯状領域となるため(図2(a)、(c))、ボルト本体2からの荷重は、図6(a)に示すように分散された状態で配管5に作用する、換言すれば、より小さな応力あるいは面圧で配管5に作用する。
ちなみに、ボルト本体のみ、あるいはボルト本体の周面に電気絶縁材が被覆された従来技術の場合においては、Uボルト61からの荷重は、図6(b)に示すように、該Uボルトと配管5とが接触する周方向ライン62に沿って該配管に作用するため、きわめて狭い領域への載荷となり、応力集中が懸念される。
図6(a)に基づいてさらに具体的に説明すると、配管5を固定する場合においては、ボルト本体2からの締付け力が、環状延設部7に形成された帯状当接面10が載荷面となって、該載荷面から配管5の外周面に分散された状態で作用するとともに、地震時においては、帯状当接面10を介してボルト本体2に伝達される配管5からの地震時慣性力(上方向)に対し、その反力(下方向)が、締付け時と同様、環状延設部7に形成された帯状当接面10が載荷面となって配管5の外周面に分散された状態で作用する。
なお、水平地震動についても概ね同様であって、帯状当接面10を介してボルト本体2に伝達される配管5からの地震時慣性力(水平方向)に対し、その反力(水平方向)は、帯状当接面10が載荷面となって配管5の外周面に分散された状態で作用する。
以上説明したように、本実施形態に係る管材固定具1によれば、帯状当接面10が載荷面となる分、配管5との接触領域が従来技術の場合よりも大幅に拡張される。
そのため、ボルト本体2からの荷重は、分散された状態で配管5に作用することとなり、かくして配管5に応力集中が生じるのを未然に回避することが可能となる。
また、本実施形態に係る管材固定具1によれば、ボルト本体2のうち、雄ネジ4,4を除く全周が環状基部6で被覆されるため、該ボルト本体の防水性が向上する。
本実施形態では、配管5が金属管であることを前提とし、ブラケット41に配管5を固定するにあたっては、該配管に対する電気絶縁が行われるよう、電気絶縁プレート42を介して配管5をブラケット41に載せるようにしたが、樹脂管である配管5aを対象とするのであれば、電気絶縁の必要がないため、図7に示すように、電気絶縁プレート4を省略してもかまわない。
かかる場合においても、荷重分散に関する作用効果は、上述した実施形態の場合と同様に確実に発揮される。
また、本実施形態では、ボルト本体2の軸部(雄ネジ4が形成されていない領域)が環状基部6ですべて覆われ、雄ネジ4がすべて露出するように、該環状基部の雄ネジ側端部を位置決めしたが、ボルト本体2の材軸方向に沿った環状延設部7の長さをどのように設定するかは任意であって、ボルト本体2の軸部を越えて雄ネジ4,4を部分的に被う構成でもかまわないし、逆に軸部が露出する構成でもかまわない。
また、本実施形態では、環状基部6と環状延設部7の各雄ネジ側端部が揃うように、それらを構成したが、これらが揃っていなくてもかまわない。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、図8に示すように、固定側部材であるブラケット41に雄ネジ4,4が挿通され該雄ネジに螺合されたナット48,48によって、予定されていた締付けトルクが導入された状態で、環状延設部7の雄ネジ側端部81が、ブラケット41に配置された台座としての電気絶縁プレート42に当接されるように該環状延設部を構成してもよい。
かかる構成によれば、ボルト本体2の雄ネジ4,4に螺合されたナット48,48を締め込んでいく際、予定されたトルクが導入された後は、環状延設部7の雄ネジ側端部81が電気絶縁プレート42に当接してそれ以上の締込みができなくなるため、配管5に作用する締付け力が過大になるのを未然に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、本発明の環状基部を、ボルト本体2の周面のうち、雄ネジ4,4が形成された領域を除いて全周を被覆してなる環状基部6で構成したが、これに代えて、図9に示すように、ボルト本体2のうち、内側空間8の側に嵌着可能となるように半円筒状に形成されてなる環状基部6aで本発明の環状基部を構成するとともに、該環状基部と環状延設部7とからなる荷重伝達部3aで本発明の荷重伝達部を構成するようにしてもよい。
かかる構成においては、半円筒状の環状基部6aを径方向に拡張させてボルト本体2に嵌め込み、嵌め込んだ後は、径方向に縮小しようとする環状基部6aの弾性復元力で、荷重伝達部3a全体をボルト本体2に保持させるようにすればよい。
なお、本変形例においては、環状基部6が環状基部6aとなり、それに伴って荷重伝達部3が荷重伝達部3aとなった以外は、上述した実施形態とほぼ同様の構成であって、その作用も概ね同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
また、図10に示すように、本発明の環状基部を、横断面が湾曲状となるように形成されてなる環状基部6bで構成して該環状基部と環状延設部7とからなる荷重伝達部3bで本発明の荷重伝達部を構成するとともに、ボルト本体2が挟まれる形で環状基部6bと連結自在な環状カバー部101を備えた構成を採用することができる。
ここで、環状基部6bは、環状基部6aと同様、半円筒状に構成することができるが、この変形例では、ボルト本体2を挟み込む形で環状カバー部101が環状基部6bに連結されることで、荷重伝達部3bがボルト本体2に保持されるため、環状基部6bがボルト本体2に嵌着される必要はない。
環状カバー部101は、環状基部6bに連結された状態で、該環状基部とともにボルト本体2の全周が被覆されるように、その横断面を適宜決定すればよい。
かかる構成においては、図9の変形例とは異なり、ボルト本体2の周面のうち、内側空間8の反対側が環状カバー部101で覆われるため、全周被覆される上記実施形態と同様、防水性能を確保することが可能となる。
なお、本変形例においても、環状基部6が環状基部6b、荷重伝達部3が荷重伝達部3bとなり、環状カバー部101があらたに備わった以外は、上述した実施形態とほぼ同様の構成であって、その作用も概ね同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
また、本実施形態では、円筒形の配管5を管材としたが、これに代えて、図11に示すように、管材として、角筒断面をなす角パイプ115を対象とした管材固定具111を本発明の管材固定具としてもよい。
管材固定具111は、ボルト本体112及び荷重伝達部113を備えるとともに、ボルト本体112は、横断面が円形で全体がコの字状をなし、各端近傍に雄ネジ4,4がそれぞれ形成されてなる。
一方、荷重伝達部113は、ボルト本体112と該ボルト本体に囲まれた空間である内側空間8に挿通配置される管材としての角パイプ115との間で荷重伝達を行うようになっており、環状基部116及び環状延設部117で構成してある。
環状基部116は、ボルト本体112の周面のうち、雄ネジ4,4の形成部位を除いて、内側空間8の側を含むボルト本体112の全周が被覆されるよう円筒状に形成してある。
環状延設部117は、環状基部116から角パイプ115の材軸方向に沿って互いに反対側に、図11(b)で言えば左右方向に側方縁部9,9がそれぞれ突設され、全体としては半角筒状をなすように、該環状基部から連続一体に形成してあり、環状基部116とともに、ボルト本体112をインサートとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー等の樹脂材料を用いた射出成形で形成することができる。
以下、他の構成や作用効果については、上述の実施形態とほぼ同様であるので、ここではその説明を省略する。
1,111 管材固定具
2,112 ボルト本体
3,3a,3b,113 荷重伝達部
4 雄ネジ
5,115 配管(管材)
6,6a,6b,116 環状基部
7,117 環状延設部
8 内部空間
9 側方縁部
10 帯状当接面
41 ブラケット(固定側部材)
42 電気絶縁プレート(台座)
48 ナット
81 雄ネジ側端部
101 環状カバー部

Claims (1)

  1. 横断面が円形で全体がU字状をなし各端近傍に雄ネジがそれぞれ形成されてなるボルト本体と、該ボルト本体とその内側空間に挿通配置される管材との間で荷重伝達を行うための荷重伝達部とを備えるとともに、該荷重伝達部を、前記ボルト本体の周面のうち、少なくとも前記内側空間の側に被覆され又は該ボルト本体であって前記内側空間の側に取り付けられる環状基部と、該環状基部から連続一体にかつ側方縁部が該環状基部から前記管材の材軸方向に突設するように形成されるとともに前記管材の外周面に当接する帯状当接面が前記内側空間の側に位置する形で形成されてなる環状延設部とで構成した管材固定具であって、
    前記環状基部を、前記ボルト本体の全周が被覆されるように形成し、
    前記環状延設部を、ブラケット、門型架台、振れ止め等の固定側部材に前記雄ネジが挿通され該雄ネジに螺合されたナットによって締付けトルクが導入された状態で、該環状延設部の雄ネジ側端部が前記固定側部材又はそれに配置された台座に当接されるように構成することにより、前記ナットによる締込みが制限されるようにしたことを特徴とする管材固定具。
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