JP7057183B2 - 銀微粒子分散体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀微粒子分散体の製造方法に関する。
近年、印刷技術を利用して電子回路、デバイス等を形成するプリンテッドエレクトロニクス技術が注目されている。上記プリンテッドエレクトロニクス技術においては、より簡便かつ安価な導電膜パターンの形成方法として、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法又はインクジェット印刷法等の印刷法を用いることが検討されており、それぞれの印刷法に適した導電性インクや導電性ペースト等が研究開発されている。また、上記電子回路、デバイス等を小型化させるためには、配線の材料となる導電性微粒子の微小化技術の開発が必要不可欠であり、そのため、導電性ナノ粒子の生産技術の開発が注目されている。
導電性ナノ粒子の生産技術としては、導電性ナノ粒子の物性が粒子径に大きく依存するため、その合成について粒子の凝集等を防いで粒子径制御を行う手法が用いられている。例えば、化学反応で導電性ナノ粒子を合成する場合、通常は保護剤を含む溶媒中で金属塩などの金属源をクエン酸、ヒドラジン、水素化ホウ素塩、アルコール及びアミン等の還元剤で化学還元し、金属核を生成させる方法がある。また、金属源として金属錯体を用いて、各種保護剤の共存下で還元剤を作用させて、保護剤で安定化された金属ナノ粒子(導電性ナノ粒子ともいう。)を合成させる方法もある。また、金属錯体を前駆体とする熱分解制御やアミン還元によって、粒子制御された導電性ナノ粒子を合成する方法もある。
ここで、金属錯体を固体のまま熱分解する方法では、中心金属の還元と錯体に由来する有機成分による金属ナノ粒子の凝集の抑制並びに金属ナノ粒子保護の作用から、粒子の形状、粒子径と粒子径分布が制御された金属ナノ粒子が簡単かつ大量に合成することができる。しかし、これらのプロセスでは比較的高い温度と充分な反応時間が必要であった。そこで、反応温度の低温化と反応時間の短縮を目的として、還元作用と保護機能が期待できるアミンを金属錯体に反応させ、アミン錯体を得て、これを熱分解する方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、銀化合物にシュウ酸銀を用いるとき、シュウ酸銀単体では、通常200℃程度で熱分解して二酸化炭素と金属銀とを生成するが、シュウ酸銀と、アルキルアミンとを組み合わせて構成される錯化合物(以下、アミン錯体ともいう。)は、100℃程度でシュウ酸イオンが熱分解され金属銀を生成するので、アミン錯体分解法の熱分解温度が比較的低くなることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の銀ナノ粒子の製造方法は、大量にガスの派生する工程において、反応速度の制御が困難であるため、突発的に大量のガスが発生して、反応中の系の体積が不安定に変化するものであった。このような問題点を解決する方法として、例えば、特許文献2には、アミン錯体分解法により銀ナノ粒子を製造する方法において、所定の溶媒を加えることで反応系の粘度を低下させ、ガスの発生速度を制御し、安全性を高めた銀ナノ粒子の製造方法が提案されている。
なお、特許文献3には、予め銀化合物に対して所定量の極性分子を混合して錯化合物などを形成させ、その後に熱分解の際の反応媒となる水相などの極性溶媒に投入して溶解させ、加熱により銀化合物の熱分解を行うことが開示されている。
一方で、上述のような方法で得られた導電性ナノ粒子が分散された導電性インクや導電性ペーストを用いて、電子回路又は半導体デバイスを印刷するプロセス技術の開発も進められている。ここでは印刷適性の観点から、上記導電性インク(ペースト)中の導電性ナノ微粒子の分散安定性が良好であることが求められている。
特開2013-142173号公報 特開2016-132825号公報 国際公開第2014/11973号公報
上記特許文献2に記載の銀ナノ粒子の製造方法では、アルキルアミン-シュウ酸銀錯体(以下、錯化合物ともいう。)に所定の溶媒(アルコール)を添加することで、反応系の粘度を下げることができると記載されている。一方、上記溶媒が上記錯化合物の一部を溶かすことも記載されており、上記反応系では、溶媒に溶けた状態の錯化合物と溶媒に溶けていない状態での錯化合物とが混在している。ここで、溶媒に溶けた状態の錯化合物と溶媒に溶けていない状態での錯化合物とでは、加熱還元の速度が異なるため、上述のように状態の異なる錯化合物が混在している反応系では、銀微粒子の核生成のタイミングに大きなズレが生じ、銀微粒子の成長具合に差が生じ、粒度分布が広がり、粒径が揃いにくくなるといった問題が生じていた。
導電性ナノ粒子は粒径が小さいほど融点降下が起こり、低温で導電性ナノ粒子同士が焼結しやすくなり伝導性能も良くなる。よって、粒度分布が広がり、粒径が揃わず、粗大粒子が生じることは導電特性の低下につながる。例えば、上記特許文献2で得られた銀ナノ粒子を含む分散液を基板上に塗布して焼成された銀焼成膜の体積抵抗値は、約30μΩ・cmと高い値になっている。
また、上記特許文献1には、特定のアミン混合液と銀化合物とから錯化合物を生成させ、これを加熱して熱分解させて得られた銀ナノ粒子は、有機溶剤中に安定な分散状態で含まれる旨記載されている。しかしながら、印刷装置に好適に用いられる導電性インク(ペースト)の適性は明らかにされていない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、いわゆるアミン錯体分解法により銀微粒子を製造する方法において、従来では困難であったアミン錯体形成後の反応系での粘度の低下、粒径制御(凝集防止)及び低温焼結性を並立し、さらに、銀微粒子が均一に分散された銀微粒子分散体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、アミン錯体(以下、錯化合物ともいう。)形成後に溶媒を添加する工程において、上記錯化合物が上記溶媒に溶解及び/又は懸濁している状態であっても粒径制御された銀微粒子が含まれた銀微粒子分散体を得るためには、錯化合物形成後に添加する第一の溶媒と、得られた銀微粒子を分散させるための第二の溶媒との組み合わせが重要であることを見出し、さらに、これらの組合せは分配係数を最適化すること等が有効であることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
銀化合物と、アミンと、第一の溶媒とを混合し、錯化合物を含む混合液を調製する第一工程と、上記混合液を加熱して上記錯化合物を熱分解させ、上記アミンで被覆された銀微粒子を得る第二工程と、上記銀微粒子に第二の溶媒を添加し、銀微粒子分散体を得る第三工程とを有し、上記第一の溶媒の分配係数(logP値)は、上記第二の溶媒の分配係数(logP値)に対して±5以内であることを特徴とする。
上記銀化合物は、シュウ酸銀であることが好ましい。
上記アミンは、少なくとも1種のアルコキシアミンを含むことが好ましい。
上記アルコキシアミンは、炭素数が5以下のアルコキシアミンを含むことが好ましい。
上記アルコキシアミンは、常圧での沸点が150℃以下のアルコキシアミンを含むことが好ましい。
上記混合液は、湿潤分散剤が添加されたものであることが好ましい。
本発明によれば、種々の分散媒において良好な導電性能と分散安定性能とが実現された銀微粒子分散体を製造することができる。
さらに、本発明の製造方法においては、錯化合物形成後の反応系の粘度を低下させることができるため、銀微粒子分散体を安全に大量合成することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の第一工程では、銀化合物と、アミンと、第一の溶媒とを混合し、錯化合物を含む混合液が調製される。
[銀化合物]
上記第一工程に用いられる銀化合物としては、銀を含む化合物の中で、加熱によって容易に分解して原子状の銀を生成する銀化合物であればよく、種々の公知の銀化合物を用いることができ、例えば、銀塩又は銀塩の水和物を用いることができる。具体的には、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、シュウ酸銀、ギ酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩が挙げられる。これらは還元可能なものであれば特に限定されず、適当な溶媒中に溶解させても、溶媒中に分散させたまま使用してもよい。また、これらは単独で用いても複数併用してもよい。なかでも、シュウ酸銀が好ましい。シュウ酸銀は、最も単純なジカルボン酸銀であり、シュウ酸銀を用いて合成されるシュウ酸銀アミン錯体は、低温かつ短時間で還元が進むことから、本実施形態の銀微粒子の合成に好適である。更に、シュウ酸銀を用いると、合成時には副生成物が発生せず、系外にシュウ酸イオン由来の二酸化炭素が出るのみであるため、合成後に精製の手間が少ない。
[アミン]
上記第一工程に用いられるアミンとしては、特に限定されず、第一級~第三級アミンを用いることができるが、銀化合物を錯体化させ錯化合物を形成させる観点から選択されることが好ましい。
例えば、炭素数が5以下の短鎖アミンが好適に用いられる。炭素数が5以下の短鎖アミンを用いることで、錯化合物の生成が速やかに進行するためである。また、炭素数が5以下の短鎖アミンの他にも、アルコキシ基のような高極性基を含有するアミンについても好適に用いられる。炭素数が5以下のアミンや、アルコキシ基のような高極性基を含有するアミンは、極性が高い傾向にあるため、金属化合物中の金属原子に対して配位結合を生じる際の結合エネルギーが強く、錯体の生成のための駆動力が向上すると考えられるためである。また、短鎖アミンは低分子であるために固体状態の金属化合物中への浸透性が高く、銀原子と配位しやすいと考えられるためである。
上記アミンとしては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、側鎖を有していてもよい。具体的には、N-(3-メトキシプロピル)プロパン-1,3-ジアミン、1,2-エタンジアミン、2-メトキシエチルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、ペンタノールアミン、アミノイソブタノール等のジアミンやアルコキシアミン、アミノアルコールに加えプロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘキシルアミン等のアルキルアミン(直鎖状アルキルアミン、側鎖を有していてもよい。);シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン;アニリン、アリルアミン等の第1級アミン;ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等の第2級アミン;トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、キノリン等の第3級アミン等が挙げられ、単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。上記アミンのなかでも、アルコキシアミンが好ましい。アルコキシアミンは種々の溶媒に対し相溶特性を有するためである。
上記アルコキシアミンは、分子内にアルコキシ基及びアミン官能基を有するものであればよい。また、アルコキシ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、一部に飽和炭素環又は不飽和炭素環を含んでもよいが、直鎖状アルコキシアミンが好適に用いられる。アルコキシアミンの具体例としては、例えば、N-(3-メトキシプロピル)プロパン-1,3-ジアミン、2-メトキシエチルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン等が挙げられる。なかでも、錯体の形成を促進する観点及び極性の高い溶媒への分散性を高める観点からは、炭素数5以下のアルコキシアミンが好適に用いられる。なお、上記アミンの炭素数とは、官能基であるアルコキシ基を含まない炭素数である。
また、上記アルコキシアミンとしては、常圧での沸点が150℃以下である炭素数1~3のアルコキシアミンが好ましく、例えば、3-エトキシプロピルアミン、3-メトキシプロピルアミン等が挙げられる。アルコキシアミンとしては、3-メトキシプロピルアミンが好ましい。
上記アミンは、アルコキシアミンに分類される1種類の化合物のみが用いられてもよいし、アルコキシアミンに分類される2種類以上の化合物が用いられてもよいし、アルコキシアミンに分類される1種類以上の化合物とアルコキシアミン以外のアミンに分類される1種類以上の化合物とが併用されてもよい。
上記アルコキシアミン以外のアミンとしては、アルキルアミンが好ましい。
上記アルキルアミンは、分子内にアルキル基及びアミン官能基を有するものであればよく、分子内にアミン官能基を2つ有するジアミンであってもよい。また、アルキルアミンは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれであってもよいが、錯体の形成を促進する観点から、1級アミンであることが好ましい。アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、一部に飽和炭素環を含んでもよいが、直鎖状アルキルアミンが好適に用いられる。アルキルアミンの具体例としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、1,2-エタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン等が挙げられる。なかでも、錯体の形成を促進する観点及び極性の高い溶媒への分散性を高める観点からは、炭素数5以下のアルキルアミンが好適に用いられる。
上記アミンは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等のアミン以外の官能基を含む化合物であってもよい。また、上記アミンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常圧での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲であれは、上記のアミンに加えて、カルボン酸を含んでいてもよい。カルボン酸の一分子内におけるカルボキシル基が、比較的高い極性を有し、水素結合による相互作用を生じ易いが、これら官能基以外の部分は比較的低い極性を有するため、第一工程において、第一の溶媒中の錯化合物の分散性を向上させることができるためである。更に、カルボキシル基は、酸性的性質を示し易い。
上記カルボン酸としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物を広く用いることができ、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、ヘキサン酸、アクリル酸、オクチル酸、オレイン酸等が挙げられる。カルボン酸の一部のカルボキシル基が金属イオンと塩を形成していてもよい。なお、上記金属イオンについては、2種以上の金属イオンが含まれていてもよい。
上記カルボン酸は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、メルカプト基等の、カルボキシル基以外の官能基を含む化合物であってもよい。この場合、カルボキシル基の数が、カルボキシル基以外の官能基の数以上であることが好ましい。また、上記カルボン酸は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、常圧での沸点が300℃以下、更には250℃以下であることが好ましい。また、アミンとカルボン酸はアミドを形成する。上記アミド基も銀微粒子表面に適度に吸着するため、有機成分にはアミド基が含まれていてもよい。
上記アミンと上記カルボン酸とを併用する場合、上記アミンと上記カルボン酸との組成比(質量)は、1/99~99/1の範囲で任意に選択することができる。好ましくは、上記アミンと上記カルボン酸との組成比が20/80~98/2であり、更に好ましくは30/70~97/3である。なお、上記アミン又は上記カルボン酸は、それぞれ複数種類のアミン又はカルボン酸を用いてもよい。
上記第一工程においては、アミンを銀原子1molに対して2mol以上添加することが好ましい。上記アミンの添加量を銀原子1molに対して2mol以上とすることで、還元によって生成される銀微粒子の表面に上記アミンを適量付着させることができ、上記銀微粒子に種々の分散媒に対する優れた分散性と低温焼結性とを付与することができる。
[第一の溶媒]
上記第一工程で用いられる第一の溶媒としては、その分配係数(logP値)が、上記第三工程で用いられる上記第二の溶媒の分配係数(logP値)に対し、±5以内となるものであれば、種々の溶媒を用いることができる。第一の溶媒の分配係数(logP値)が第二の溶媒の分配係数(logP値)との関係で上記特定の関係を満たす場合は、得られた銀微粒子を分散させるための第二の溶媒における極性と同程度の極性を有することとなり、第一の溶媒と第二の溶媒とが相溶するため、得られた銀微粒子分散体において第一の溶媒は分散助剤として機能するためである。
第一工程で用いられる上記第一の溶媒は、上記アミンに対し上記銀化合物を添加する前、及び/又は、上記アミンに対し上記銀化合物を添加した後に添加されていればよい。また、上記アミンに対し上記銀化合物と上記第一の溶媒とを同時に添加してもよい。一般的に銀化合物とアミンとを混合することにより得られる錯化合物は、ペースト状の増粘物である。そのため、上記第一の工程において、上記第一の溶媒を添加することで、錯化合物の粘度が下がり、上記第二工程における加熱後に得られる銀微粒子の粒径をより小さなものとすることや、銀微粒子の分散性の向上を図ることができる。
ここで、本発明における分配係数(logP)は、溶媒としてn-オクタノールと水を用いたオクタノール/水分配係数を意味しており、オクタノール中の濃度Coと水中の濃度Cwをそれぞれ求め、濃度比P=Co/Cwの常用対数logPを分配係数として算出する。そのため、分配係数logPは銀微粒子がどの範囲の極性溶媒で分散させうることが可能かどうかを表す一つの指標であることを意味する。分配係数logPの測定方法は特に限定されず、例えば、フラスコ振盪法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法、及び定量的構造活性相関アルゴリズムを用いた計算等によって求めることができるが、国立生物工学情報センター等のウェブサイトで公表されている文献値を用いることが好ましい。
上記第一の溶媒としては、その分配係数が第三工程で用いられる上記第二の溶媒の分配係数(logP値)に対し、±5以内となるものであれば、種々のものを使用可能であるが、製造される銀微粒子の良溶媒となり得る溶媒が好ましく、有機溶剤を用いることが好ましい。上記有機溶剤としては例えば、炭化水素、アルコール、エステル、ケトン等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記炭化水素としては、脂肪族炭化水素、環状炭化水素及び脂環式炭化水素等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
上記環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等が挙げられる。
上記アルコールは、OH基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、OH基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
上記脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール等)、デカノール(1-デカノール等)、トリデカノール(イソトリデカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2-エチル-1-ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の炭素数が6~30の飽和又は不飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
上記環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール、ターピネオール等が挙げられる。更に、脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
上記エステルとしては、例えば、ブチルカルビトールアセテート、エチルジグリコールアセテート(ECA)、ブチルグリコールアセテート(BCA)等のアセテート類が挙げられる。
上記ケトンとしては、チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
また、加熱工程の前に錯化合物の還元が生じると、加熱による均一な銀微粒子の合成が妨げられるため、上記第一の溶媒は、錯化合物に対して還元剤として作用しないものであることが望ましい。このような溶媒としては、例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、テルペン、ターピネオール(テルピネオール)、ジヒドロターピニルアセテート、イソホロン、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、トリデカン等の良溶媒が挙げられる。上記溶媒は、1種類のみが単独で用いられてもよく、2種類以上が併用された混合溶媒が用いられてもよい。
上記第一工程における第一の溶媒の添加量は、混合液中の錯化合物100質量部に対して5~10000質量部であることが好ましく、30~5000質量部であることがより好ましい。また、上記第一の溶媒の添加量が、5質量部以下であると、上記錯化合物の粘度を低下させることができず、また、上記第一溶媒の添加量が10000質量部以上であると、貧溶媒での粒子洗浄操作が行い難くなるためである。また、上記錯化合物の粘度を低下させ、さらに凝集を防止する観点から、上記第一の溶媒は、錯化合物100質量部に対して、50~2000質量部であることが更に好ましい。
なお、上記混合液中の錯化合物は、銀化合物とアミンとから形成されるものであるため、上記錯化合物の質量部は、混合液中の銀化合物の質量部とアミンの質量部との和である。
上記第一工程における銀化合物と、アミンと、第一の溶媒との混合方法は特に限定されないが、例えば、銀化合物とアミンと第一の溶媒との混合容液を、マグネティックスターラー等の回転体を用いて攪拌する方法が用いられる。攪拌は、室温(10~30℃)で行うことが一般的であるが、錯化合物形成時の反応熱により混合液の温度が上昇する場合は、上記混合液を冷却したり、一方で、錯化合物の形成が遅い場合は、上記混合液を加温し、形成反応を促進させることが好ましい。錯化合物(銀化合物-アミン錯体ともいう。)の形成反応の終了は、粘性のある白色の物質の生成により外見的に確認できる。
上記第一工程では、錯化合物(銀化合物-アミン錯体)の形成を妨げない範囲で、銀化合物及びアミン以外の物質を添加してもよく、湿潤分散剤を用いることが好ましい。次の第二工程において還元して析出する銀微粒子の粗大化を防ぐとともに、得られた銀微粒子の分散安定化に寄与するためである。
上記湿潤分散剤は、特に限定されず、一般に使用されているものを用いることができる。
例えば、市販されている湿潤分散剤としては、ソルスパース(SOLSPERSE)11200、ソルスパース13940、ソルスパース16000、ソルスパース17000、ソルスパース18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(以上、日本ルーブリゾール社製);DISPERBYK-102、110、111、170、190.194N、2015、2090、2096(以上、ビックケミー・ジャパン社製);EFKA-46、EFKA-47、EFKA-48、EFKA-49(以上、EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(以上、EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(以上、味の素社製);フローレンDOPA-15B、フローレンDOPA-22、フローレンDOPA-17、フローレンTG-730W、フローレンG-700、フローレンTG-720W(以上、共栄社化学工業社製);TEGO Dispersシリーズの610、610S、630、651、655、750W、755W(エボニック社製)、ディスパロンシリーズのDA-375、DA-1200(楠本化成社製)等が挙げられる。
なお、本明細書における湿潤分散剤とは、水及び有機溶剤等を含む液中の固体粒子の分散を補助する効果のあるものであり、溶媒と相溶する相溶性鎖と、粒子や顔料を吸着する吸着基の両方を併せ持った化合物のことをいう。上記相溶性鎖は主鎖、側鎖から成り、成分としては脂肪酸、ポリアミノ、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレートなどから成る。吸着基は、カルボン酸、アミン、リン酸、又はそれらの塩から成る。化合物の構造はシングル型、グラフト型、スター型、及び、それ以外の分岐型など特に限定されるものではない。また、分子量は数百~数万の化合物が一般的である。
また、上記湿潤分散剤は、銀化合物1質量部に対して、0.03~0.2質量部添加されることが好ましい。銀化合物1質量部に対して、湿潤分散剤が0.2質量部より多いと導電性が悪化し、0.03質量部より少ないと分散の効果が得られないためである。
次いで、第二工程では、上記第一工程で得られた混合液を加熱して錯化合物を熱分解させ、上記アミンで被覆された銀微粒子が得られる。なお、上記熱分解の為の加熱条件(加熱温度及び加熱時間等)は、得られる銀微粒子の粒径が40nm以下となるように調整することができる。
加熱条件としては、例えば、80~150℃の温度に設定されることが好ましく、3~15分加熱されることが好ましい。
ところで、銀化合物とアミンとからなる錯化合物は、常温での粘性が非常に高い。このため、特に100mmol以上の大容量の合成を行う場合には、攪拌が困難であり、オイルバスやヒーター等の伝熱加熱を用いた場合には、温度上昇により粘性が低下して充分に攪拌できるようになるまでの加熱初期の段階(系内温度が90℃近くまで)で、加熱ムラが特に大きくなってしまう。したがって、反応容器の壁面近傍では還元反応が生じるが、反応容器の中心部は温まりにくいため、生成される銀微粒子の核生成が反応系内で不均一になり、粗大粒子が発生しやすくなる。また、上記錯化合物は増粘性であるため、液系の出発原料を用いたとしても、反応系内の温度ムラを抑制することは困難であった。
しかしながら、上記の通り第一工程において第一の溶媒を添加することにより、錯化合物の粘性を低減させることができるため、オイルバスやヒーターなどの伝熱過熱を用いた場合でも、加熱ムラが生じることなく均一に加熱することができる。
また、上記錯化合物を熱分解することで、アミンにより被覆された銀微粒子を製造する熱分解法においては、単一種の分子である銀アミン錯体(錯化合物)の分解反応により原子状銀が生成するため、反応系内に均一に原子状銀を生成することが可能であり、複数の成分間の反応により原子状銀を生成する場合に比較して、反応を構成する成分の組成揺らぎに起因する反応の不均一が抑制され、特に工業的規模で多量の銀微粒子を製造する際に有利である。
また、生成した原子状銀は凝集して銀微粒子を形成するが、上記熱分解法により生成した原子状銀にはアミン分子が配位結合していることから、原子状銀に配位したアミン分子の働きにより凝集を生じる際の原子状銀の運動がコントロールされるものと推察される。この結果として、微細で、粒度分布が狭い銀ナノ粒子を製造することが可能となる。
さらに、上記錯化合物は第一の溶媒下で熱分解されているため、分解前の錯化合物の凝集だけでなく、反応系内に生成された上記原子状銀の凝集も抑制されることから、原子状銀に配位したアミン分子の上記働きとの相乗効果により、非常に微細で、粒度分布が狭い銀微粒子を製造することが可能である。
上記第二工程で得られた銀微粒子は、平均粒子径が40nm以下の銀微粒子が得られる。銀微粒子の粒子径が上記サイズであると、融点降下が生じ、低温で焼成できる。
銀微粒子の粒子径は、動的光散乱法、小角X線散乱法、広角X線回折法で測定することができる。本明細書中、「平均粒子径」とは、分散メジアン径をいう。分散メジアン径は、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering)にて、粒子径基準を体積基準として、分散粒径を得ることで算出される。
更に、第二工程で得られた銀微粒子の表面にも多数のアミン分子が比較的弱い力の配位結合を生じており、これらが銀微粒子の表面に緻密な保護被膜を形成するため、保存安定性に優れ、表面の清浄な有機被覆銀微粒子を製造することが可能となる。また、上記被膜を形成するアミン分子は加熱等により容易に脱離可能であるため、非常に低温で焼結可能な銀微粒子を製造することが可能となる。
ここで、第二工程で得られたアミン(有機成分)で被覆された銀微粒子を含む反応液には、上記銀微粒子の他に、金属塩の対イオン、第一の溶媒、その他の分散剤等が存在しており、反応液全体の電解質濃度や有機物濃度が高い傾向にある。このような状態の反応液は、電導度が高い等の理由で金属粒子の凝析が起こり、沈殿し易い。または、沈殿しなくても、金属塩の対イオン、銀微粒子の分散のために必要な量以上の過剰な第一の溶媒及びその他の分散剤等が残留していると、銀微粒子分散体の導電性能の悪化を招くおそれがある。そこで、上記銀微粒子を含む反応液を精製して余分な残留物を取り除くことにより、アミン(有機成分)で被覆された銀微粒子を確実に得ることができる。
上記精製方法としては、例えば、表面がアミン(有機成分)で被覆された銀微粒子を含む反応液を一定時間静置し、上澄み液を取り除いた後、銀微粒子を沈殿させる溶媒(例えば、水、メタノール、メタノール/水混合溶媒等)を加えて撹枠し、再度一定期間静置して上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法が挙げられる。他の方法としては、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。このような精製方法によって余分な残留物を取り除くと共に必要量以上の過剰な第一の溶媒を除去することにより、表面をアミン(有機成分)で被覆された銀微粒子を得ることができる。
なお、上記精製後の銀微粒子は、スラリー状に存在するが、上記第一の溶媒は上記スラリー内に微量(5.0質量%以下)に残存している。この残存している第一の溶媒が、分散助剤として機能するため、上記第二の工程で添加される第一の溶媒は、次に説明する第四の工程で添加される第二の溶媒に対し、その分配係数が±5以内であることが重要である。上記第一の溶媒と上記第二の溶媒とがその分配係数において特定の関係を満たすことにより、上記第二の溶媒中において、上記第一の溶媒が分散助剤として機能し、銀微粒子の分散安定性が高い銀微粒子分散体を得ることができるためである。
第三工程では、上記第二工程で得られた銀微粒子に第二の溶媒を添加することにより銀微粒子分散体が得られる。
上記第二の溶媒としては、その分配係数(logP値)が上記第一の溶媒における分配係数(logP値)に対して±5以内であるという特定の関係を満たす溶媒であれば、種々の溶媒を用いることができる。また、上記第一の溶媒と上記第二の溶媒との種類は同じものを用いてもよい。銀微粒子の合成工程で用いられる第一の溶媒と、生成された銀微粒子を分散させるための第二の溶媒とのlogP値が、上述の特定の関係を満たすことにより、合成後の銀微粒子の状態と第二の溶媒添加後の銀微粒子の状態とが変化せず、安定して分散すると考えられるためである。
本発明により得られる銀微粒子分散体は、更に、銀微粒子合成前に添加される保護剤としての酸価を有する分散剤(即ち、銀微粒子を分散させるための酸価を有する分散剤)を含んでいてもよい。「酸価を有する分散剤」とは、吸着基ないしは官能基としてアミン価や水酸基価等を有さない分散剤全てを包含するものである。かかる分散剤を用いることで、第二の溶媒中の銀微粒子の分散安定性を向上させることができる。上記分散剤の酸価は5~200であることが好ましく、また、当該分散剤がリン酸由来の官能基を有することが好ましい。「酸価を有する分散剤」が好ましい理由は、必ずしも明らかではないが、本発明者らは、金属への吸着作用だけではなく、短鎖アミンと相互作用することによって、より密な形態で吸着することができ、低温焼結性を有しつつ高い分散性を発現させているものと考えている。
上記第二の溶媒に第二工程で得られた銀微粒子を分散させたい場合は、一般的に極性の高い分散剤を使用することが有効である。例えばlogPがより小さい短鎖アミンを用いることが考えられるが、短鎖アミンは一般的に還元性を発揮して反応速度を適切に保てない場合がある。
具体的には、反応速度を過剰に高めてしまい、分散性に優れた銀微粒子を形成できない場合がある。そこで、より高極性な分散剤を銀微粒子合成後に添加することで、銀微粒子はそのままに分散媒に対する相溶性のみを高めること(表面改質)が可能となる。
上記分散剤の酸価が5以上であるとアミンと配位し粒子表面が塩基性となっている銀微粒子への酸塩基相互作用での吸着が起こり始め、200以下であると過度に吸着サイトを有さないため好適な形態で吸着できるため、分散剤として適している。また、分散剤がリン酸由来の官能基を有することでリンPが酸素Oを介して金属Mと相互作用し引き合うので金属や金属化合物との吸着には最も効果的であり、必要最小限の吸着量で好適な分散性を得ることができるから好ましい。ここで「酸価」とは、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表される。酸価の測定法として、指示薬法(p-ナフトールベンゼイン指示薬)や電位差滴定法をあげることができる。
・ISO6618-1997:指示薬滴定法による中和価試験法→指示薬滴定法(酸価)に対応
・ISO6619-1988:電位差滴定法(酸価)→電位差滴定法(酸価)に対応
なお、第二工程で得られた銀微粒子と第二の溶媒とを混合する方法は特に限定されず、攪拌機やスターラー等を用いて従来公知の方法によって行うことができる。スパチュラのようなもので撹拌したりして、適当な出力の超音波ホモジナイザーを当ててもよい。
上記第三工程で得られた銀微粒子分散体は、第二の溶媒に銀微粒子が均一分散した低温焼結性を有する銀微粒子分散体であり、当該銀微粒子分散体の焼結によって導電性被膜を形成することで、良好な導電性を有する導電性被膜を低温で形成することができる。
第三工程で得られた銀微粒子分散体全体に対する上記第二の溶媒の含有率は、3.0質量%~99質量%であることが好ましい。上記第二の溶媒のより好ましい含有率の下限は3.0質量%、より好ましい上限は80.0質量%、更に好ましい下限は10.0質量%、更に好ましい上限は70.0質量%である。
上記銀微粒子分散体において、不揮発分全体に対する上記銀微粒子の重量比率は、90質量%以上であることが好ましい。上記不揮発分とは、上記第二の溶媒を含む有機溶媒以外の成分をいい、銀微粒子の他に、前述した銀微粒子を被覆するアミン(有機成分)、上記銀微粒子分散体に含まれる水溶性高分子、湿潤分散剤、増粘剤等が含まれる。上記銀微粒子の重量比率が90質量%以上であることで、銀含有率の高い導電性パターンを形成することができる。銀微粒子は、化学的な安定性に優れるため、銀微粒子をメインとすることで、酸化し難く、体積抵抗値が低下し難い導電性パターンを形成することができる。
第三工程で得られた銀微粒子分散体における銀微粒子中の上記有機成分(銀微粒子を被覆するアミン)の含有量は、0.5~50質量%であることが好ましい。有機成分含有量が0.5質量%以上であれば、得られる銀微粒子分散体の貯蔵安定性が良くなる傾向があり、50質量%以下であれば、上記銀微粒子分散体の導電性が良い傾向がある。有機成分のより好ましい含有量は1~30質量%であり、更に好ましい含有量は2~15質量%である。
上記第三工程では、上記第二の溶媒に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、湿潤分散剤、オリゴマー成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
上記湿潤分散剤としては、第一工程で用いられた湿潤分散剤と同様のものを使用することができる。
上記湿潤分散剤の含有量は0.01~15質量%であることが好ましい。第三工程で得られる銀微粒子分散体全量に対する上記湿潤分散剤の含有量が0.01質量%以上であれば、上記銀微粒子分散体の分散安定性が良くなるが、含有量が多過ぎる場合は分散安定性が低下することとなる。このような観点から、湿潤分散剤のより好ましい含有量は0.03~3質量%であり、更に好ましい含有量は0.05~2質量%である。
上記増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第三工程では、更に上記第二の溶媒に加えて、界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の銀微粒子分散体においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本発明の一実施形態として、界面活性剤を添加することによって、これらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成する銀微粒子分散体を得ることができる。
上記界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等を用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られる観点からは、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(銀微粒子分散体の調製)
3-メトキシプロピルアミン(和光純薬工業株式会社 製試薬一級 炭素数:4)7.0gと、湿潤分散剤であるDISPERBYK-102(ビックケミー社製)0.2gとを混合し、マグネティックスターラーにてよく撹拌してアミン混合液を生成した。次いで、撹拌を行いながら、シュウ酸銀3.0gを添加した。シュウ酸銀の添加後、ここに第一の溶媒としてターピネオール(ヤスハラケミカル株式会社製 logP値1.7)5.0gを加え、室温で攪拌を3分続けたところで攪拌を終了した。(第一工程)。
得られた混合液をオイルバスに移し、120℃で7分間加熱撹拌を行った。撹拌の開始直後に二酸化炭素の発生を伴う反応が開始し、銀微粒子がアミン混合液中に懸濁した懸濁液を得た。
次に、上記懸濁液の分散媒を置換するため、メタノールと水の混合溶媒10mLを加えて撹拌後、遠心分離により銀微粒子を沈殿させて分離した。次に、分離した銀微粒子に対してメタノールと水の混合溶媒10mLを加え、撹拌及び遠心分離を行うことで銀微粒子を沈殿させて精製分離した。分離した銀微粒を室温で20分乾燥させ、銀微粒子を得た(第二工程)。
得られた銀微粒子50重量部に対して、同重量部のエタノール(和光純薬工業株式会社製 logP値-0.1)を第二の溶媒としてくわえ、マグネティックスターラーにて攪拌し、エタノール中に分散させた。その後、遠心分離を行うことで粗大分除去を行い上澄みを回収し実施例1の銀微粒子分散体1を得た(第三工程)。
<実施例2>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりにブチルカルビトールアセテート(和光純薬工業株式会社製 logP値1.1)5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の銀微粒子分散体2を得た。
<実施例3>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりにイソホロン(和光純薬工業株式会社製 logP値1.6)5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の銀微粒子分散体3を得た。
<実施例4>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりにトリプロピレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製 logP値0.6)5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の銀微粒子分散体4を得た。
<実施例5>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりにN-メチル-2-ピロリドン(和光純薬工業株式会社製 logP値-0.5)5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の銀微粒子分散体5を得た。
<実施例6>
上記第一工程におけるアミン混合液として、ブチルアミン(和光純薬工業株式会社 一級 炭素数:4)2.0gと、3-メトキシプロピルアミン3.5gと、湿潤子分散剤であるSOLSPERSE-21000(日本ルーブリゾール社製)0.2gとを混合し、マグネティックスターラーにてよく撹拌して生成されたアミン混合液を用い、上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりにトルエン(和光純薬工業株式会社製 logP値2.7)5.0gを用い、上記第二の溶媒としてエタノールの代わりにテトラデカン(和光純薬工業株式会社製 logP値7.2)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6の銀微粒子分散体6を得た。
<実施例7>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりに1-トリデカノール(和光純薬工業株式会社製 logP値5.7)5.0gを用い、上記第二の溶媒としてエタノールの代わりにブチルカルビトールアセテートを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7の銀微粒子分散体7を得た。
<実施例8>
実施例6のアミン混合液の生成において、3-メトキシプロピルアミンの代わりにヘキシルアミン(和光純薬工業株式会社製 試薬一級 炭素数:6)3.5gを用いた以外は実施例6と同様にして実施例8の銀微粒子分散体12を得た。
<比較例1>
上記第一の溶媒であるターピネオールを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1の銀微粒子分散体8を得た。
<比較例2>
上記第一の溶媒であるトルエンを添加しなかったこと以外は実施例6と同様にして比較例2の銀微粒子分散体9を得た。
<比較例3>
上記第一の溶媒としてターピネオールの代わりに1-トリデカノール 5.0gを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の銀微粒子分散体10を得た。
<比較例4>
上記第一の溶媒としてトルエンの代わりにターピネオール 5.0gを用いた以外は、実施例6と同様にして比較例4の銀微粒子分散体11を得た。
上記各実施例及び各比較例の銀微粒子分散体の各構成成分の含有量は、下記表1及び2に示した通りであった。なお、上記第一工程における混合液について、錯化合物の溶解状態を目視で確認し、完全に溶解している場合を「S」、一部溶解している場合を「PS」、溶解が見られない場合(即ち、懸濁状態)を「I」と記載した。
[評価試験]
上記実施例及び比較例で得られた銀微粒子分散体について、(1)分散メジアン径、(2)分散性、(3)希釈性、及び、上記銀微粒子分散体で形成された導電性パターンについて、(4)体積抵抗値を測定した。各評価結果を、下記表1及び表2に示した。
(1)分散メジアン径
得られた銀微粒子分散体を分散溶媒で100倍に希釈した試料を堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置(型番:LB-550)を用い、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering)にて測定し、分散粒径を得た。なお、上記分散溶媒は、各実施例及び各比較例における銀微粒子分散体に応じて用いる分散溶媒を変更しており、各実施例及び各比較例における第二の溶媒を上記分散溶媒として用いた。
(判定基準)
○:メジアン径40nm以下
△:メジアン径40nm超~50nm以下
×:メジアン径50nm超
(2)分散性
得られた銀微粒子分散体を分散溶媒で2倍希釈して容器中に静置し、室温で1日放置し、その後、沈殿の有無及び上澄みの状態を目視で観察することにより、得られた銀微粒子分散体の分散性を評価した。容器下に沈降物がほとんど認められない場合を「○」、沈降物が少量認められた場合を「△」、容器上下で明らかに濃度差があり、沈降物がはっきり認められる場合を「×」と評価した。なお、上記分散溶媒は、各実施例及び各比較例における銀微粒子分散体に応じて用いる分散溶媒を変更しており、各実施例及び各比較例における第二の溶媒を上記分散溶媒として用いた。
(3)希釈性
得られた銀微粒子分散体を分散溶媒で100倍希釈し、希釈直後(初期)の分散性と、室温で1週間放置した後の分散性を、それぞれ目視で評価した。分散した場合を「○」、一部凝集や銀鏡が見られた場合を「△」、凝集・沈殿が生じた場合を「×」と評価した。なお、上記分散溶媒は、各実施例及び各比較例における銀微粒子分散体に応じて用いる分散溶媒を変更しており、各実施例及び各比較例における第二の溶媒を上記分散溶媒として用いた。
(4)体積抵抗値
25mm×25mmのスライドガラス上に、スピンコート法により2000rpm×15秒の条件で得られた銀微粒子分散体を塗布し、その後ギヤオーブン中で120℃、30分間の条件で加熱・焼成することにより焼結させ、導電性被膜を形成した。この被膜の表面抵抗値を抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、「ロレスタ」、四深針方式)で測定し表面抵抗値を得た。次いで、厚みをレーザー顕微鏡(キーエンス社製)で測定した。そして、以下の式に基づき、表面抵抗値及び導電性被膜の厚みから体積抵抗値を換算した。
式:体積抵抗値(Ω・cm)=表面抵抗値(Ω/□)×被膜厚さ(μm)/10000
算出された体積抵抗値が10Ω・cm以下の体積抵抗値である場合を「○」、10Ω・cmより大きく20Ω・cm以下の体積抵抗値である場合を「△」、20Ω・cmより大きい体積抵抗値である場合を「×」と評価した。
Figure 0007057183000001
表1から分かるように、実施例1~8では、logP値が特定の関係にある第一の溶媒と第二の溶媒とを用いることにより、上記第一工程での混合液において錯化合物が一部溶解又は溶解していない懸濁状態となっている場合であっても、分散メジアン径の小さい粒径が制御された銀微粒子分散体を合成することができた。更に、炭素数が5以下の短鎖アミンを用いた実施例1~7において得られた銀微粒子分散体は、分散メジアン径が40nm以下の小さい粒径に制御された銀微粒子を含み、分散性及び希釈性が良好であり、低温(120℃)で焼成したときの体積抵抗値が10μΩ・cm以下の低いものであった。
Figure 0007057183000002
表2から分るように比較例1及び2の結果より、第一工程において第一の溶媒が混合されていない銀微粒子分散体では、粒径が制御された銀微粒子が得られず、分散性及び希釈性が不良である銀微粒子分散体が得られた。また、比較例3及び4の結果より、上記第一工程において、第一の溶媒が混合されていたとしても、上記第一の溶媒と第二の溶媒とのlogP値差が特定の関係にない場合は、粒径が制御された銀微粒子が得られず、このような銀微粒子を含む銀微粒子分散体の分散性及び希釈性は劣っており、更に低温(120℃)で焼成したときの体積抵抗値は高いものとなっていた。

Claims (6)

  1. 銀化合物と、アミンと、第一の溶媒とを混合し、錯化合物を含む混合液を調製する第一工程と、
    前記混合液を加熱して前記錯化合物を熱分解させ、前記アミンで被覆された銀微粒子を得る第二工程と、
    前記銀微粒子に第二の溶媒を添加し、銀微粒子分散体を得る第三工程とを有し、
    前記第一の溶媒の分配係数(logP値)は、前記第二の溶媒の分配係数(logP値)に対して±5以内であり、
    前記第一の溶媒は、N-メチルピロリドン、テルペン、ターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、イソホロン、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート、トルエン、トリデカン又は1-トリデカノールを含み、
    前記銀微粒子は、分散メジアン径が50nm以下であることを特徴とする銀微粒子分散体の製造方法。
  2. 前記銀化合物は、シュウ酸銀であることを特徴とする請求項1に記載の銀微粒子分散体の製造方法。
  3. 前記アミンは、少なくとも1種のアルコキシアミンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の銀微粒子分散体の製造方法。
  4. 前記アルコキシアミンは、炭素数が5以下のアルコキシアミンを含むことを特徴とする請求項3に記載の銀微粒子分散体の製造方法。
  5. 前記アルコキシアミンは、常圧での沸点が150℃以下のアルコキシアミンを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の銀微粒子分散体の製造方法。
  6. 前記混合液は、湿潤分散剤が添加されたものであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の銀微粒子分散体の製造方法。
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