以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置500の構成の一例を示す図である。撮像装置500は、撮像部100、AD変換装置27、第2ラインメモリ28、判定装置29、加算装置32、第1ラインメモリ36、行走査回路41、タイミング制御回路50、第2列走査回路52、第1列走査回路51、および制御部60を備える。撮像部100は、複数の画素14を有する。複数の画素14は、互いに直交するX方向およびY方向により構成される面において、行列状(マトリックス状)に2次元配置される。なお、X方向は撮像部100の行方向であってよく、Y方向は撮像部100の列方向であってよい。Z方向は、X方向およびY方向に直交する。Z方向は、入射光が被写体から撮像部100に入射する方向であってよい。
撮像部100において、画素14はN行×M列に2次元配置される。なお、NおよびMは自然数である。撮像部100において、複数の画素14のそれぞれは、互いに隣接して設けられた複数の光電変換部12を有する。本例では、複数の画素14のそれぞれは、一対の光電変換部12を有する。それぞれの光電変換部12は、入射光に応じた電荷を蓄積する。これにより、複数の光電変換部12の各々に入射した光に応じて、アナログ信号が生成される。本明細書において画素14とは、デジタル画像の最小構成単位である一の画素信号を構成するべく、光電変換部12等が設けられた領域を指す。
各画素14における一対の光電変換部12は、共通の行制御線21および個別の列信号線22に接続される。例えば、iおよびjは、1≦i≦Nおよび1≦j≦Mを満たし、i行の画素14は、行信号線21-iおよび列制御線22-jaに接続された光電変換部12-ia、ならびに、行信号線21-iおよび列制御線22-jbに接続された光電変換部12-ibを有する。例えば、1つの画素14は、行制御線21-1および列信号線22-1aに接続された光電変換部12-1a、ならびに、行制御線21-1および列信号線22-1bに接続された光電変換部12-1bを有する。
なお、画素14が有する光電変換部12の数は2つに限られず、3つ以上としてもよい。例えば、他の例において、1つの画素14が有する光電変換部12の数は4つである。画素14は、光電変換部12に加えて、光電変換部12において生成された電荷の転送等を制御する複数のトランジスタを有してよい。
撮像部100には、マイクロレンズアレイが設けられる。マイクロレンズアレイは複数のマイクレンズを含む。マイクロレンズアレイはZ方向の負側から正側へ入射する光を複数の画素14へ導くよう撮像部100に対して設けられる。マイクロレンズアレイにおける1つのマイクロレンズは、一対の光電変換部12に対して、入射光を導く。
これにより、一対の測距瞳を通過する光束を一対の光電変換部12に導くことができる。よって、1つの画素14における一対の光電変換部12を、被写体の焦点を検出するために用いることができる。また、一対の光電変換部12を、一の画素信号を形成するために用いることもできる。
各行には、それぞれ行制御線21が設けられる。行制御線21の一端は、行走査回路41の出力端に接続される。各行制御線21には行走査回路41から制御信号C(1)~C(N)が出力される。画素14の一対の光電変換部12は、同一の行制御線21により行走査回路41に接続される。制御信号C(1)~C(N)は後述の転送信号Tx、リセット信号Rおよび選択信号Sを有してよい。一対の光電変換部12は、制御信号C(1)~C(N)に応じて同時に電荷蓄積または信号読出し制御が行なわれる。なお、行走査回路41はシフトレジスタ等により構成される。行走査回路41の動作は、タイミング制御回路50により制御される。
各列には、2本の列信号線22が設けられる。画素14における一対の光電変換部12のうち一方の光電変換部12-iaは、列毎に設けられた2本の列信号線22のうち一方の列信号線22-jaに接続される。また、他方の光電変換部12-ibは、列毎に設けられた2本の列信号線22のうち他方の列信号線22-jbに接続される。各々の光電変換部12は、制御信号C(1)~C(N)により制御される。光電変換部12-1aから出力されるアナログ信号は列信号線22-1aに出力され、光電変換部12-1bから出力されるアナログ信号は列信号線22-1bに出力される。
AD変換装置27は、複数のAD変換部23を有する。1つのAD変換部23は、1つの列信号線22に接続される。AD変換部23には、列信号線22に接続された光電変換部12からアナログ信号が出力される。AD変換部23は、光電変換部12における電荷蓄積量に応じたアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換部の一例である。AD変換部23は、タイミング制御回路50から与えられる制御信号TA1に応じて、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して第2ラインメモリ28へ出力する。
第2ラインメモリ28は、複数のメモリ24を有する。1つのメモリ24は、1つのAD変換部23に対応して接続される。メモリ24は、タイミング制御回路50から与えられる制御信号TM2により制御されて、AD変換部23から出力されるデジタル信号を記憶する。
第2列走査回路52は、シフトレジスタ等により構成される。第2列走査回路52の動作は、タイミング制御回路50により制御される。第2列走査回路52は、第2ラインメモリ28における複数のメモリ24のそれぞれを走査信号TS2により制御して、複数のメモリ24に記憶されたデジタル信号を順に第2出力線49に出力させる。これにより、一対の光電変換部12(例えば12-iaおよび12-ib)から出力されるアナログ信号は、デジタル信号としてシステム制御部501へ出力される。当該デジタル信号は、各光電変換部12についてシリアルに出力される。つまり、各光電変換部12のデジタル信号を各々独立に測定することができる。システム制御部501については後述する。
複数の画素14における一対の光電変換部12は、焦点検出に用いることができる。異なる二つの測距瞳から1つの行に設けられた複数の画素14へ導かれた光束は、右用の複数の光電変換部12(例えば、光電変換部12-1a、12-2a…12-ia…等)および左用の複数の光電変換部12(例えば、光電変換部12-1b、12-2b…12-ib…等)を用いて、一対の像の強度分布情報に変換される。当該一対の像の強度分布情報を用いて、像ズレ検出演算処理(相関演算処理および位相差検出処理)が行われる。これにより、いわゆる瞳分割型位相差検出方式で一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔と測距瞳距離の比例関係に応じた変換演算を行い、予定結像面に対する現在の結像面の偏差(デフォーカス量)が算出される。
判定装置29は、複数の判定部25を有する。判定部25は、1つのAD変換部23に対応して1つ設けられる。本例では、1つの判定部25は、1つのAD変換部23に対応して設けられた1つのメモリ24に接続される。判定部25は、メモリ24に記憶されたデジタル信号のビット値を読み出す。これにより、判定部25は、対応するAD変換部23が出力したデジタル信号のビット状態を判定する。判定部25におけるビット状態の判定の詳細については後述する。
制御部60には、複数の判定部25の判定結果が各々出力される。制御部60は、それぞれの判定部25における判定結果に基づいて、それぞれの判定部25に対応する光電変換部12における撮像条件を、複数の画素14の行単位で制御する。本例では、一行の画素14に対して行制御線21を1つ設けるが、一行の画素14のそれぞれの画素14について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14毎に撮像条件を制御することができる。また、一行の画素14のそれぞれの画素14におけるそれぞれの光電変換部12について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14の光電変換部12毎に撮像条件を制御することができる。制御部60の動作の詳細については後述する。
加算装置32は、複数の加算回路30を有する。1つの加算回路30には、AD変換装置27における一対のAD変換部23が接続される。当該一対のAD変換部23は、1つの画素14における一対の光電変換部12に対応して接続されたAD変換部23である。加算装置32は、一対のAD変換部23から出力されるデジタル信号を、タイミング制御回路50から与えられる制御信号TD1に応じて加算する。加算回路30の各々は、加算デジタル信号を、第1ラインメモリ36へ出力する。
第1ラインメモリ36は、複数のメモリ34を有する。1つのメモリ34は、1つの加算回路30に対応して接続される。メモリ34は、加算回路30から出力される加算デジタル信号を、タイミング制御回路50から与えられる制御信号TM1に応じて、デジタル信号として記憶する。これにより、各メモリ34には、各行に対応する画素14において、一対の光電変換部12-iaおよび光電変換部12―ibの出力信号に対応するデジタル信号を加算した加算デジタル信号が記憶される。
第1列走査回路51は、シフトレジスタ等により構成される。第1列走査回路51の動作は、タイミング制御回路50により制御される。第1列走査回路51は、第1ラインメモリ36における複数のメモリ34のそれぞれを走査信号TS1により制御して、複数のメモリ34に記憶された加算デジタル信号を順に第1出力線45に出力させる。これにより、一対の光電変換部12(例えば12-iaおよび12-ib)から出力されるアナログ信号は、加算デジタル信号としてシリアルにシステム制御部501へ出力される。加算デジタル信号は、デジタル画像の最小構成単位である一の画素を構成する画像信号となる。
本例においては、各AD変換部23において変換したデジタル信号を焦点検出のために第2ラインメモリ28に記憶し、かつ、記憶したデジタル信号を第2出力線49にシリアルに出力することができる。加えて、AD変換部23において変換した一対のデジタル信号を画像形成のために加算装置32において加算し、加算デジタル信号を第1ラインメモリ36に記憶し、かつ、記憶した加算デジタル信号を第1出力線45にシリアルに出力することができる。
したがって、撮像装置500は、焦点検出用のデジタル信号と画像形成用の加算デジタル信号とを並列に出力することができる。なお、並列に出力するとは、略同時に出力することを指す。つまり、撮像装置500は、焦点検出用のデジタル信号と画像形成用の加算デジタル信号とを、時間的にオーバーラップして出力することができる。焦点検出用のデジタル信号と画像用の加算デジタル信号とは、個別の画像処理部と焦点検出部とにおいてそれぞれ処理されるので、焦点検出処理と画像処理とを同時に独立して行なうことができる。
図2は、撮影レンズのレンズ特性と、光電変換部12の出力信号との関係を説明する図である。図2は、PO値およびF値に応じた(1-1)~(2-3)の6つの状態における光電変換部12の出力信号を示す。撮影レンズの位置ずれおよび歪等に起因して、光軸から離れた画素14においては光スポットが画素14の中央からずれて当たる現象が生じ得る。この現象を評価する指標としてPO値が存在する。光軸から離れた画素14において光スポットが画素14の光軸とは反対側に当たる場合をPO値が小さいと称し(例えば(1-1)および(2-1))、光軸から離れた画素14において光スポットが画素14の光軸側に当たる場合をPO値が大きいと称する(例えば(1-3)および(2-3))。
(1-1)~(2-3)の横軸は、撮像部100に設けられた複数の画素14について、光軸に対する画素14の距離である像高を示す。なお、当該横軸のゼロ点は光軸に相当する。また、縦軸は、各画素14における一対の光電変換部12の出力を示す。(1-1)~(2-3)においては、例として1つの画素14における一対の光電変換部12-iaおよび12-ibを用いて説明する。光電変換部12-iaの出力信号を点線で示し、光電変換部12-ibの出力信号を実線で示す。
また、(1-1)~(2-3)のそれぞれにおいて、破線円で示した位置に対応して、光スポットの位置を示す図および一対の光電変換部12の出力を示す((a)、(b)および(c))。各(a)、(b)および(c)においては、横軸は光の入射角であり、縦軸は光電変換部12の出力である。各(a)、(b)および(c)において、光電変換部12-iaの出力信号を点線で示し、光電変換部12-ibの出力信号を実線で示す。
通常、撮像部100におけるマイクロレンズは、光軸に対する画素14の位置に応じて、画素14に対してずらして配置される。このように設計することで、ある特定のPO値のレンズに対して、どの位置の画素14であっても、画素14の中心に光のスポットが配置される。このように、どの位置の画素14であっても、画素14の中心に光スポットがくるPO値を、PO値ジャストと称する。(1-2)および(2-2)はPO値ジャストを示す図である。
これに対して、PO値ジャストのレンズよりも、PO値が小さくなるレンズ、または、PO値が大きくなるレンズでは、画素14の位置に応じて、光スポットが画素14の中心からずれてしまう。(1-1)および(2-1)は、PO値ジャストよりもPO値が小さい場合を示す図である。また、(1-3)および(2-3)は、PO値ジャストよりもPO値が大きい場合を示す図である。
画素14は、一対の光電変換部12-iaおよび12-ibに分割されるので、光スポットが画素14の中心からずれる場合、2つの光電変換部12で、出力信号の大きさに差が生じる。例えば、光軸から離れた位置では、光スポットの大部分が、一方の光電変換部12に含まれてしまい、当該光電変換部12の出力信号が非常に大きくなるのに対して、他方の光電変換部12の出力信号が非常に小さくなる。例えば、(1-1)の(a)では、光電変換部12-iaの出力信号が非常に大きくなるのに対して、光電変換部12-ibの出力信号が非常に小さくなる。
また、F値が変動すると、像面における光スポット径が変化する。(2-1)、(2-2)および(2-3)は、(1-1)、(1-2)および(1-3)よりもF値が小さい場合を示す。F値が小さいと光スポットの径は大きくなる。この場合、2つの光電変換部12の出力信号の大きさの差は小さくなる。一方、光軸から離れた位置では、光スポットが、画素14の領域外にはみ出してしまい、画素14全体での出力信号の大きさが減少する。
このように、PO値、F値等のレンズ特性に応じて、2つの光電変換部12の出力信号の大きさは変動する。例えば、(1-3)の(c)に示すように、光スポットが一方の光電変換部12-iaにのみ当たり、他方の光電変換部12-ibには当たらない場合がある。この場合、光電変換部12-iaにおいて光電変換された電荷が、光電変換素子内において飽和しやすくなる。
1つの画素14における少なくとも一方の光電変換部12において電荷飽和を生じると、焦点検出用の信号の演算が破綻する場合があり、また、画像形成用の信号としては輝度の階調が小さくなる。それゆえ、光電変換部12における電荷飽和を防止することは、焦点検出用のデジタル信号と画像形成用の加算デジタル信号とを並列出力する構成に対して、さらに有利な効果を与える。
図3は、撮像装置500において電荷飽和を防止する制御を説明する図である。撮像装置500は、例えば静止画または動画を撮像するカメラである。図3において、図1と同じ構成については同一の符号を付した。本例では、1つの行に設けられた複数の画素14が1つの行制御線21により同様に制御される。ただし、説明の便宜上、1つの行における1つの画素14の制御について説明する。
判定部25は、AD変換部23に対応して設けられる。図3においては、AD変換部23-1aは判定部25-1aに、AD変換部23-1bは判定部25-1bに、それぞれ接続される。それぞれの判定部25は、対応するAD変換部23が出力するデジタル信号の上位ビットの少なくともいずれかのビットの状態を判定する。つまり、複数の判定部25は、上位ビットの状態をデジタル信号毎に判定する。
なお、デジタル信号の「上位ビット」は、デジタル信号の各ビットを、対応する電荷蓄積量(または、画像信号の輝度値)の大きさの順に並べた場合に、電荷蓄積量が大きい側の半分のビットである。「対応する電荷蓄積量の大きさ」とは、当該ビットの値が遷移した場合の、電荷蓄積量の変動量の大きさに対応する。例えば、左側のビットから順番に2^(k-1)の大きさに対応しているPビットのデジタル信号においては(ただし、kはPから1の自然数であり、最も左側のビットがk=Pであり、最も右側のビットがk=1である)、「上位ビット」とは、k=P~(P/2)+1までのビットを指す。Pが奇数の場合、P/2は小数点以下を切り上げてよく、切り捨ててもよい。
なお、デジタル信号のビットのうち、対応する電荷蓄積量の大きさが最大のビット(上記の例では、k=Pのビット)を最上位ビット(MSB)、次に電荷蓄積量が大きいビット(上記の例では、k=P-1のビット)をMSB-1、以下同様に、MSB-2、MSB-3・・・と称する。
また、デジタル信号の各ビットは、電荷蓄積量(または、画像信号の輝度値)が小さい状態を示す第1の論理値から、大きい状態を示す第2の論理値に遷移する。本例において第1の論理値は「0」であり、第2の論理値は「1」である。
デジタル信号の上位ビットの状態を判定することで、対応する光電変換部12が所定の電荷蓄積時間で蓄積した電荷蓄積量(すなわち入射光の明るさ)のおおよその値を容易に検出することができる。制御部60は、複数の判定部25における各々の判定結果の少なくとも一つが、予め定められた判定結果であることを条件として、複数の光電変換部12の撮像条件をともに制御する。例えば制御部60は、判定部25-1aの判定結果および判定部25-1bの判定結果の少なくとも一つに基づいて、光電変換部12-1aおよび光電変換部12-1bの撮像条件をともに制御する。これにより、光電変換部12を一行毎に最適な撮像条件が設定することができる。
例えば、デジタル信号の最上位ビットMSBの論理値が「0」の場合、対応する光電変換部12に対しては、電荷蓄積時間を2倍にしてもデジタル信号が飽和しないと推測される。制御部60は、デジタル信号のレンジを最大限利用するべく、当該光電変換部12の電荷蓄積時間をより長く設定する。また、制御部60は、AD変換部23の前段におけるアナログ信号の増幅率を、判定部25における判定結果に基づいて制御することもできる。このように、制御部60は、光電変換部12を一行毎に様々な撮像条件を最適化することができる。撮像条件には、光電変換部12における電荷蓄積時間、フレームレート、アナログ信号の増幅率以外にも、撮像装置500において制御可能なパラメータのうち、上記デジタル信号に影響を与える他の条件も含まれる。
また、判定部25は、最上位ビットMSB以外の上位ビットの状態を判定してもよい。例えば、判定部25は、最上位ビットMSBに加え、上位ビットMSB-1の状態を判定する。これらのビットの論理値がともに「0」の場合、対応する光電変換部12に対しては、電荷蓄積時間を4倍にしてもデジタル信号が飽和しないと推測される。制御部60は、当該光電変換部12の電荷蓄積時間を例えば4倍に設定する。
なお、複数のAD変換部23は、並行してアナログ信号を読み出し、それぞれデジタル信号に変換する。また、複数の判定部25は、並行してデジタル信号の上位ビットの状態を判定する。制御部60は、それぞれの光電変換部12に対して並行して、電荷蓄積時間等の撮像条件を設定する。
本例では、一行の画素14に対して行制御線21を1つ設けるが、一行の画素14のそれぞれの画素14について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14毎に撮像条件を制御することができる。また、一行の画素14のそれぞれの画素14におけるそれぞれの光電変換部12について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14の光電変換部12毎に撮像条件を制御することができる。
図4は、画素14の構成例を示す図である。本例において、それぞれの光電変換部12は、各々一つの、光電変換素子104、転送トランジスタ152、リセットトランジスタ154、増幅トランジスタ156、および、選択トランジスタ158を有する。1つの行に設けられた複数の画素14は、同じ構成を有する。ただし、説明の便宜上、1つの行における1つの画素14について説明する。また、光電変換部12-1bは、光電変換部12-1aと同じ構成であるので、以下では光電変換部12-1aについて述べる。
転送トランジスタ152-1aのソースおよびドレインはそれぞれ、光電変換素子104-1aの出力端、および、増幅トランジスタ156-1aのゲートに接続される。光電変換素子104-1aの出力端と、転送トランジスタ152-1aのソースとの間の配線における寄生容量は、光電変換素子104-1aが発生した電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能する。本例において電荷蓄積部は光電変換素子104-1aの一部である。転送トランジスタ152-1aのゲートには、電荷蓄積部が蓄積した電荷量を転送するか否かを制御する転送信号Tx(1)が入力される。なお、Tx(1)は、転送トランジスタ152-1aおよび転送トランジスタ152-1bに共通に入力される。
リセットトランジスタ154-1aのドレインには基準電圧VDDが入力され、ソースは増幅トランジスタ156-1aのゲートに接続される。リセットトランジスタ154-1aのゲートには、電荷蓄積部が蓄積した電荷量をリセットするか否かを制御するリセット信号R(1)が入力される。なお、R(1)は、リセットトランジスタ154-1aおよび154-1bに共通に入力される。
増幅トランジスタ156-1aのドレインには基準電圧VDDが入力され、ソースは選択トランジスタ158-1aのドレインに接続される。増幅トランジスタ156-1aは、転送トランジスタ152-1aから転送された電荷量に応じたアナログの画像信号を出力する。
選択トランジスタ158-1aのゲートには選択信号S(1)が入力される。ソースはAD変換部23-1aに接続されている。転送トランジスタ152-1aは、選択信号S(1)に応じて、転送トランジスタ152-1aからの画像信号をAD変換部23-1aに入力する。なお、S(1)は、選択トランジスタ158-1aおよび選択トランジスタ158-1bに共通に入力される。また、これら転送信号Tx(1)、リセット信号R(1)、および選択信号S(1)は、図1における制御信号線21-2により供給されてよい。
本例においては、1つの光電変換素子104に対して1つのAD変換部23および判定部25が設けられる。また、それぞれの光電変換部12に対しては、転送信号Tx、リセット信号R、選択信号Sが共通に入力される。このため、1つの行毎に光電変換素子104におけるデジタル信号の上位ビットの状態を判定して、光電変換素子104について一行毎に電荷蓄積時間等の撮像条件を制御することができる。なお、本明細書においては、光電変換素子104が蓄積した電荷、および、電荷蓄積時間を、当該光電変換素子104が存在する光電変換部12が蓄積した電荷、および、電荷蓄積時間と称する場合がある。
本例では、一行の画素14に対して行制御線21を1つ設けるが、一行の画素14のそれぞれの画素14について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14毎に撮像条件を制御することができる。また、一行の画素14のそれぞれの画素14におけるそれぞれの光電変換部12について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14の光電変換部12毎に撮像条件を制御することができる。
図5は、撮像装置500の動作例を示すタイミングチャートである。図5において横軸は時間を示す。縦軸は、一列における光電変換部12-1aおよび12-1b、12-2aおよび12-2b、12-3aおよび12-3b、‥12-iaおよび12-ib、12-(i+1)aおよび12-(i+1)b、ならびに、12-Naおよび12-Nbを示す。なお、1つの画素14における一対の光電変換部12(例えば12-iaおよび12-ib)は、行制御線21(例えば21-i)により同様に制御される。横長の四角の枠は各光電変換部12に対応するデジタル信号を示す。当該四角枠中の1および0は、当該デジタル信号の各ビットを示す。なお、デジタル信号を示す四角枠の長短にかかわらず、各デジタル信号の桁数は同じである。
本例の撮像装置500は、予め設定される設定期間内に取得したデジタル信号に基づいて一つの画像を取得する。当該画像は静止画であってよく、動画における1コマの画像であってもよい。
本例の制御部60は、一行にあるM個のデジタル信号の最上位ビットに基づいて、M個の光電変換部12の電荷蓄積時間をともに制御する。図5において、各デジタル信号のビットのうち、時間軸で最もマイナス方向寄りに記載されたビットが最上位ビットである。
本例における制御部60は、それぞれの光電変換部12の電荷蓄積時間の長さを、予め定められた長さのフレーム単位で制御する。本例において設定期間は、7つのフレームに分割される。
まず、それぞれの光電変換部12は、共通の長さのフレーム1を電荷蓄積期間として電荷を蓄積する。それぞれのAD変換部23は、対応する光電変換部12が蓄積した電荷をデジタル信号に変換する。それぞれの判定部25は、対応するデジタル信号の最上位ビットの状態を判定する。
制御部60は、最上位ビットが、電荷蓄積量が小さい状態を示す第1の論理値から、大きい状態を示す第2の論理値に遷移していない場合(すなわち論理値が「0」である場合)に、対応する光電変換部12の電荷蓄積時間を、予め設定されている電荷蓄積時間より長い時間に設定する。本例の制御部60は、光電変換部12-1a、12-1b、12-2a、12-2b、12-ia、12-ib、12-Naおよび12-Nbの電荷蓄積時間を2フレーム分にする。
次に、対応するデジタル信号の最上位ビットが「0」の光電変換部12は、フレーム2および3を電荷蓄積時間として電荷を蓄積する。対応するAD変換部23および判定部25の動作は、フレーム1と同様である。また、制御部60は、フレーム1においてデジタル信号の最上位ビットが論理値「0」から論理値「1」に遷移している場合に、上記の設定期間が経過するまで、対応する光電変換部12が蓄積した電荷の読み出しを停止させる。本例では、光電変換部12-3a、12-3b、12-(i+1)aおよび12-(i+1)bが蓄積した電荷の読出しを停止させる。AD変換部23の読み出し動作を停止させることで、消費電力を低減することができる。また、デジタル信号の最上位ビットが論理値「0」から論理値「1」に遷移した撮像領域の電荷の読み出しを停止させることで、デジタル信号を格納するために用いるメモリの数(容量)を減少させることができる。さらに、メモリ数の減少に伴い後段における画像処理等の演算量を減少させることができる。
制御部60は、フレーム2およびフレーム3においてデジタル信号の最上位ビットが「0」と判定された光電変換部12の電荷蓄積時間を更に2倍にする。また、フレーム2および3においてデジタル信号の最上位ビットが「1」と判定されたAD変換部23は、以降の読み出し動作を停止する。
以上のように、制御部60は、予め定められた設定期間が経過するまで、それぞれの光電変換部12に対する電荷蓄積時間の設定を繰り返す。制御部60は、設定期間内で取得したデジタル信号を用いて、それぞれの光電変換部12への入射光の明るさ(すなわち、画像信号の輝度値)を算出する。
本例の制御部60は、設定期間内で取得したデジタル信号を、光電変換部12毎に積算する。また、制御部60は、それぞれの光電変換部12の積算デジタル信号に、それぞれの光電変換部12の電荷蓄積時間に応じた係数を乗算して、それぞれの光電変換部12の輝度値を算出する。本例において当該係数は、設定期間の長さを、光電変換部12の電荷蓄積時間の積算値で除算して算出できる。
例えば、図5の例における光電変換部12-1aおよび12-1bについては、フレーム1、フレーム2からフレーム3、フレーム4からフレーム7で取得した3つのデジタル信号を積算する。また、光電変換部12-1aおよび12-1bについては、電荷蓄積時間の累積が、設定期間の全期間に渡るので、係数は1になる。光電変換部12-2aおよび12-2bについては、フレーム1、フレーム2からフレーム3で取得した2つのデジタル信号を積算する。また、光電変換部12-2aおよび12-2bについては、電荷蓄積時間の累積は、設定期間の3/7である。従って、係数は7/3になる。
同様に、光電変換部12-2aについては、フレーム1で取得したデジタル信号に、係数7を乗算する。このような処理により、それぞれの光電変換部12における電荷蓄積時間の累積値の相違を補償して、画像データの輝度値を算出することができる。また、それぞれの光電変換部12の電荷蓄積時間を最適化して、AD変換部23のデジタル値のレンジを最大限に活用できる。これにより、例えば高輝度の被写体に対応して、1つの画素14における少なくとも一方の光電変換部12から出力される画像信号の値が大きくなり、デジタル変換後のデジタル信号が飽和することを防ぐことができる。したがって、高輝度の被写体に対しても焦点検出をすることができる。また、例えば低輝度の被写体に対応する光電変換部12から出力される画像信号の値が小さく、デジタル変換後のデジタル信号における階調差が出ない、いわゆる黒潰れを低減することができる。なお、電荷蓄積時間の初期値(例えばフレーム1の長さ)を十分短くすることで、白とびを防ぐことができる。
本例では、各光電変換部12について、設定期間内に取得したデジタル信号を積算したが、他の例では、各光電変換部12について最後に取得したデジタル信号だけを用いて輝度値を算出してよい。この場合、上記係数は、それぞれの光電変換部12について最後にデジタル信号を取得したときの電荷蓄積時間の長さの比で定まる。例えば光電変換部12-1aについては、フレーム4からフレーム7で取得したデジタル信号に係数1を乗算する。光電変換部12-1bについては、フレーム2からフレーム3で取得したデジタル信号に係数4/2=2を乗算する。光電変換部12-2aについては、フレーム1で取得したデジタル信号に係数4/1=4を乗算する。
また、本例の制御部60は、デジタル信号の最上位ビットが1になった光電変換部12に対して、電荷蓄積時間を2倍にしたが、倍率は2倍に限定されない。当該倍率は2倍以下の値であってよく、2倍より大きい値であってもよい。
また、本例の制御部60は、デジタル信号の最上位ビットだけに基づいて電荷蓄積時間を制御したが、デジタル信号の他の上位ビットに更に基づいて電荷蓄積時間を制御してもよい。この場合、電荷蓄積時間を再設定するときの倍率は、再設定に用いるデジタル信号の上位ビットの桁数に応じて制御してよい。例えば、デジタル信号の最上位ビットMSBおよび上位ビットMSB-1の上位2桁がともに「0」の場合、制御部60は、対応する光電変換部12の電荷蓄積時間を2桁×2=4倍にする。同様に上位p桁が全て「0」の場合、制御部60は、対応する光電変換部12の電荷蓄積時間を2×p倍にしてよい。
また、制御部60は、デジタル信号が所定の閾値を超えていない場合に、電荷蓄積時間を長く設定してもよい。例えば、制御部60は、デジタル信号が飽和値の90%を超えていない場合に、電荷蓄積時間をより長く設定する。この場合、電荷蓄積時間は、2倍に設定してよく、10/9倍に設定してよく、その他の倍率に設定してもよい。
また、図5の例においては、全ての光電変換部12の各電荷蓄積時間の始点(図5においては、フレーム1、フレーム2、フレーム4の始点)は同一であるが、当該始点は同一でなくともよい。また、図5の例においては、電荷蓄積時間の長さをフレーム単位で制御したが、フレームの長さを一行毎に変化させてもよい。それぞれの行における電荷蓄積時間の長さは、図4において説明したリセット信号Rのタイミングと、選択信号Sのタイミングにより制御することができる。
なお本例では、一行の画素14に対して行制御線21を1つ設けた例を説明したが、一行の画素14のそれぞれの画素14について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14毎に撮像条件を制御することができる。また、一行の画素14のそれぞれの画素14におけるそれぞれの光電変換部12について行制御線21を1つ設けてもよい。これにより、画素14の光電変換部12毎に撮像条件を制御することができる。
図6は、図5に示した撮像装置500の動作の概要を示すフローチャートである。設定期間が始まると、まずS602において、それぞれの光電変換部12が所定の電荷蓄積時間で電荷を蓄積する。そして、AD変換部23が、電荷蓄積量をデジタル信号に変換する。
S604において、それぞれの判定部25は、対応する光電変換部12について、デジタル信号の最上位ビットMSBが「1」か否かを判定する。制御部60は、最上位ビットMSBが「1」でない光電変換部12について、電荷蓄積時間を2倍に再設定する(S606)。また、制御部60は、最上位ビットMSBが「1」である光電変換部12については、電荷の蓄積および電荷量の読み出しを停止させる(S608)。
S610において、制御部60は、所定の設定時間が終了したか否かを判定する。設定時間が終了していない場合、S606において再設定した電荷蓄積時間を用いて、S602からの処理を繰り返す。所定の設定時間が終了している場合、処理を終了する。当該処理の終了後、制御部60は、取得したそれぞれのデジタル信号に基づいて、それぞれの光電変換部12の輝度値を算出する。
なお、S604の変形例として、制御部60は、複数の判定部25の結果に基づいて光電変換部12の電荷蓄積時間を設定してもよい。例えば、判定部25が複数の画素14からなるブロックについて最上位ビットMSBを判定した場合において、制御部60は、最上位ビットMSBが「1」である光電変換部12の数が予め定められた数以上である場合に、電荷蓄積時間を設定してよい。当該予め定められた数は、複数の画素14からなるブロック当たりにおいて、常に最上位ビットMSBが「1」である(常に飽和信号を出す)いわゆる欠陥画素の数よりも大きくしてよい。
また例えば、判定部25が一行分の画素14の最上位ビットMSBを判定した場合において、制御部60は、最上位ビットMSBが「1」である光電変換部12の数が予め定められた数以上である場合に、電荷蓄積時間を設定してよい。当該予め定められた数は、一行分の画素14におけるいわゆる欠陥画素の数よりも大きくてよい。また、最上位ビットMSBが「1」である光電変換部12の数が予め定められた数以上である場合に、制御部60は、光電変換部12から出力されるアナログ信号を増幅する増幅率を制御してよい。例えば制御部60は、光電変換部12-1aとAD変換部23-1aとの間および光電変換部12-1bとAD変換部23-1bとの間に設けられるアンプの増幅率を制御してよい。なお当該アンプは、AD変換部23-1aの内部に設けられてもよい。当該構成により、いわゆる欠陥画素がある場合において、制御部60が常に電荷蓄積時間または増幅率等を制御することを防ぐことができる。よって、制御部60の負荷および消費電力を抑えることができる。
図7は、撮像装置500の他の動作例を示すタイミングチャートである。本例の制御部60は、デジタル信号の最上位ビットが、第1の論理値「0」から第2の論理値「1」に遷移している場合に、所定の設定期間が経過するまで、対応する光電変換部12について電荷蓄積時間の設定を維持する。そして、対応する光電変換部12に対して当該電荷蓄積時間での電荷の蓄積を繰り返させるとともに、対応するAD変換部23に当該電荷蓄積時間で蓄積された電荷の読み出しを繰り返させる。他の動作は、図5および図6において説明した例と同様である。
例えば、光電変換部12-2aおよび12-2bについては、フレーム2からフレーム3において読み出したデジタル信号の最上位ビットが「1」なので、制御部60は光電変換部12-2aおよび12-2bにおける電荷蓄積時間を2フレーム分に維持して、電荷の蓄積および読み出しを繰り返す。また、光電変換部12-(i+1)aおよび12-(i+1)bについては、フレーム1において読み出したデジタル信号の最上位ビットが「1」なので、制御部60は光電変換部12-(i+1)aおよび12-(i+1)bにおける電荷蓄積時間を1フレーム分に維持して、電荷の蓄積および読み出しを繰り返す。
設定期間が終了した場合、制御部60は、それぞれの光電変換部12について、読み出したデジタル信号を積算する。本例では、それぞれの光電変換部12の累積電荷蓄積時間は等しい。このため、制御部60は、デジタル信号の積算値に係数を乗算しない。そして、制御部60は、加算された一対の光電変換部12(例えば、光電変換部12-iaおよび12-ib)のデジタル信号から、それぞれの画素14について輝度値を算出する。
本例の撮像装置500は、それぞれの光電変換部12が、設定期間の全期間に渡って動作する。このため、設定期間内で生じたノイズ等を平均化することができる。また、それぞれの光電変換部12が動作する期間が同一なので、光電変換部12間の撮像タイミングを同一にすることができる。
図8は、図7に示した撮像装置500の動作の概要を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6に示したフローチャートに対して、S608に代えてS612を有する点で相違する。本例においては、制御部60は、最上位ビットMSBが「1」である光電変換部12については、電荷蓄積時間の設定を維持する(S612)。撮像装置500は、当該電荷蓄積時間の設定を用いて、所定の設定時間が終了するまで電荷の蓄積および読み出しを繰り返す。
また、撮像装置500は、図5示した動作と、図7に示した動作とを選択的に実行してよい。撮像装置500は、ユーザの操作に基づいて、いずれかの動作を選択してよい。また、撮像装置500は、電池の残量が所定値より少なくなった場合に、図5に示した省電力モードを選択し、電池の残量が所定値以上の場合に、図7に示した高精度モードを選択してよい。
図9は、撮像装置500の他の動作例を示すタイミングチャートである。本例の制御部60は、デジタル信号の全てのビットが、第1の論理値「0」から第2の論理値「1」に遷移している場合には、対応する光電変換部12の電荷蓄積時間を、現在設定されている電荷蓄積時間より短い時間に設定する。つまり、制御部60は、デジタル信号の最上位ビットが「1」の場合であっても、デジタル信号の全てのビットが「1」になっている場合には、電荷蓄積時間をより短くする。これにより、例えば高輝度の被写体に対応して、1つの画素14における少なくとも一方の光電変換部12から出力される画像信号の値が大きくなり、デジタル変換後のデジタル信号が飽和することを防ぐことができる。したがって、高輝度の被写体に対しても焦点検出をすることができる。他の動作は、図5から図8において説明したいずれかの動作例と同様である。
図9の例においては、光電変換部12-1aおよび12-1bのデジタル信号の全ビットが、フレーム1において「1」になっている。制御部60は、光電変換部12-1aおよび12-1bの電荷蓄積時間を、1フレーム分よりも短くする。例えば制御部60は、光電変換部12-1aおよび12-1bの電荷蓄積時間を0.5フレーム分にする。制御部60は、光電変換部12-1aおよび12-1bのデジタル信号が飽和(全ビットが「1」の状態)しなくなるまで、光電変換部12-1aおよび12-1bの電荷蓄積時間を徐々に短くする。
また、制御部60は、光電変換部12-1aおよび12-1bのデジタル信号の最上位ビットが「0」になった場合、光電変換部12-1aおよび12-1bの電荷蓄積時間を長くしてもよい。このとき、すでにデジタル信号が飽和することがわかっている電荷蓄積時間よりも短い時間に設定することが好ましい。例えば、1フレーム分の電荷蓄積時間の場合にデジタル信号が飽和し、0.4フレーム分の電荷蓄積時間の場合にデジタル信号の最上位ビットが「0」になった場合、次の電荷蓄積時間を、0.7フレーム分程度に設定する。図5から図9において説明した動作例において、制御部60は、新たに設定する電荷蓄積時間の長さを、設定期間の残りを任意の整数で除算することで算出してもよい。
また、制御部60は、それぞれの光電変換部12について、飽和したデジタル信号を除外して、デジタル信号を積算してよい。この場合、除外したデジタル信号に対応する電荷蓄積時間の長さに応じた係数を、積算デジタル信号に乗算する。これにより、デジタル信号の飽和による誤差をなくすことができる。
また、制御部60は、全ての光電変換部12について、デジタル信号の最上位ビットが「1」となり、且つ、デジタル信号が飽和していないことを条件として、設定期間の経過前に処理を終了してよい。これにより、処理時間を短縮することができる。
図10は、図9に示した撮像装置500の動作の概要を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6または図8に示したフローチャートに対して、S614およびS616の処理が追加される。デジタル信号の最上位ビットが「1」と判定された場合(S604)、S614において、デジタル信号の全ビットが「1」、すなわち飽和しているか否かを判定する。デジタル信号が飽和している場合、対応する光電変換部12の電荷蓄積時間を例えば1/2倍にする(S616)。デジタル信号が飽和していない場合、S608以降の処理を実行する。なお、S608に代えて、図8に示したS612の処理を実行してもよい。
図11は、撮像装置500の他の構成例において電荷飽和を防止する制御を示す図である。本例の撮像装置500は、図1に関連して説明した撮像装置500の構成に加え、操作部186を更に備える。操作部186は、ユーザの操作を受け付ける。
制御部60は、操作部186がユーザから第1の操作を受け付けた場合に、図5から図10に関連して説明したように、設定期間においてそれぞれの光電変換部12に対する電荷蓄積時間の設定を繰り返して、それぞれの光電変換部12について電荷蓄積時間の最適設定を予め取得する。ここで、電荷蓄積時間の最適設定とは、最後にデジタル信号を取得したときの電荷蓄積時間を指す。
例えば図5の例では、光電変換部12-1aおよび12-1bの電荷蓄積時間の最適設定は4フレーム分であり、光電変換部12-2aおよび12-1bの電荷蓄積時間の最適設定は2フレーム分であり、光電変換部12-3aおよび12-3bの電荷蓄積時間の最適設定は1フレーム分である。また、第1の操作は、例えば撮像装置500のシャッターボタンが半押しされた操作である。
制御部60は、操作部186がユーザから第2の操作を受け付けた場合に、電荷蓄積時間の最適設定を用いて撮像部100に被写体を撮像させる。この場合、制御部60は、それぞれの光電変換部12に対して電荷蓄積時間の最適設定を設定して、所定の撮像期間内において当該電荷蓄積時間での電荷の蓄積および読み出しを繰り返す。当該繰り返し回数は1回でもよい。第2の操作は、例えば撮像装置500のシャッターボタンが全押しされた操作である。
制御部60は、例えば撮像期間内で取得したデジタル信号を積算することで、それぞれの光電変換部12の輝度値を算出する。また、制御部60は、光電変換部12間における電荷蓄積時間の累積値の差異に応じた係数を、積算デジタル信号に乗算してもよい。本例の撮像装置500は、それぞれの光電変換部12の電荷蓄積時間の最適設定を予め取得するので、それぞれの光電変換部12の輝度値を効率よく算出することができる。
図12は、撮像装置500の他の構成例において電荷飽和を防止する制御を示す図である。本例の撮像装置500は、図1から図11に関連して説明した撮像装置500の構成に加え、複数のAD変換部23に対応して設けられる複数のアンプ188を備える。アンプ188は、それぞれの光電変換部12およびAD変換部23の間に設けられる。アンプ188は、対応する光電変換部12からのアナログの画像信号を増幅して、対応するAD変換部23に入力する。図12においては、AD変換部23-1およびAD変換部23-2に対応するアンプ188-1およびアンプ188-2を示している。なお、アンプ188は、対応するAD変換部23に内蔵されていてもよい。つまり、アンプ188およびAD変換部23が一つの素子として形成されてよい。
制御部60は、対応するデジタル信号の上位ビットおよび対応する光電変換部12の電荷蓄積時間に基づいて、それぞれのアンプ188における増幅率を独立に制御する。例えば制御部60は、電荷蓄積時間をより長い時間に再設定した場合に、所定の時間よりも長くなってしまう場合には、電荷蓄積時間を維持して、アンプ188における増幅率を増加させる。これにより、電荷蓄積時間が長くなりすぎることを防ぐことができる。
また、制御部60は、電荷蓄積時間を長くすることで、設定時間内にデジタル信号の最上位ビットが「1」になるかならないかを、デジタル信号の上位ビットに基づいて判別してもよい。制御部60は、最上位ビットが「1」にならないと判別した場合、アンプ188における増幅率を増加させてもよい。例えば、図5の例において、フレーム2からフレーム3において取得したデジタル信号の最上位ビットMSBおよび上位ビットMSB-1がともに「0」である場合、電荷蓄積時間を2倍しても、デジタル信号の最上位ビットMSBは「0」にならないと予測される。このような場合、制御部60は、電荷蓄積時間を2倍にしつつ、対応するアンプ188の増幅率を2倍に増加させる。また、図9に示した光電変換部12-1aのデジタル信号のように、電荷蓄積時間がフレーム長よりも短くなる場合、電荷蓄積時間を維持してアンプ188における増幅率を低下させてもよい。
図13は、撮像部100の他の構成例を示す図である。本例においては、1つの画素14における光電変換部12-1aと光電変換部12-1bとに応じて、それぞれ異なる行制御線21が設けられる点が、図1の構成と異なる。例えば、光電変換部12-1aには行制御線21-1aが接続され、光電変換部12-1bには行制御線21-1bが接続される。これにより、光電変換部12-1aと光電変換部12-1bとにおいて、転送信号Tx(1)、リセット信号R(1)および選択信号S(1)を別々のタイミングで制御することができる。
例えば、光電変換部12-1aの転送信号Tx(1)と光電変換部12-1bの転送信号Tx(1)とのタイミングを異ならせることにより、光電変換部12-1aと光電変換部12-1bとの撮像タイミングに時間差を設けることができる。また、光電変換部12-1aおよび光電変換部12-1bの転送信号Tx(1)のタイミング幅を異ならせることにより、光電変換部12-1aと12-1bとの電荷蓄積時間に差を設けることができる。
また、この場合に、制御部60は、判定部25-1aの判定結果および判定部25-1bの判定結果の少なくとも一つに基づいて、光電変換部12-1aおよび光電変換部12-1bのいずれか一方の撮像条件を制御してもよい。つまり、光電変換部12-1aおよび光電変換部12-1bを、異なる撮像条件で制御してもよい。例えば、光電変換部12-1aの最上位ビットMSBの論理値が「1」であり、かつ、光電変換部12-1bの最上位ビットMSBの論理値が「0」であると判定された場合、制御部60は、光電変換部12-1aの撮像条件を変更し、かつ、光電変換部12-1bの撮像条件を変更しない。これにより、光電変換部12-1aおよび12-1bにおいて撮像条件を最適化することができる。
図14は、撮像部100の他の構成例を示す図である。本例においては、1つの画素14において光電変換部12を4つ設ける点が図1の構成と異なる。本例においては、光電変換部12-1a-1および光電変換部12-1a-2は共通の列信号線22-1aに接続され、光電変換部12-1b-1および光電変換部12-1b-2は共通の列信号線22-1bに接続される。なお、光電変換部12-1a-1、12-1a-2、12-1b-1および12-1b-2は、共通の制御号線21-2に接続される。1つの画素14は4つの光電変換部12を有するので、1つの画素14を、X方向およびY方向の焦点検出に用いることができる。
図15は、本実施形態に係る撮像素子200の断面図である。本例では、いわゆる裏面照射型の撮像素子200を示すが、撮像素子200は裏面照射型に限定されず、表面照射型であってもよい。撮像素子200は、撮像チップ113に積層された積層チップを備える構造であればよい。
撮像チップ113において、素子等が形成されるX‐Y平面の面積は予め定められている。したがって、撮像チップ113において、1列分の画素14に対して2つのAD変換部23および2つの判定部25を全列について設けることには、素子レイアウトおよび配線等についての物理的な制約がある。AD変換部23および判定部25を撮像チップ113とは異なる信号処理チップ111に設けることにより、当該制約をなくすことができる。
本例の撮像素子200は、入射光に対応した画像信号を出力する撮像チップと113と、画像信号を処理する信号処理チップ111と、画像信号を記憶するメモリチップ112とを備える。これら撮像チップ113、信号処理チップ111およびメモリチップ112は積層されており、Cu等の導電性を有する複数のバンプ109により互いに電気的に接続される。本例では、信号処理チップ111およびメモリチップ112が、上述した積層チップに相当する。
なお、図示するように、入射光は主に白抜き矢印で示すZ軸プラス方向へ向かって入射する。本実施形態においては、撮像チップ113において、入射光が入射する側の面を裏面と称する。また、座標軸に示すように、Z軸に直交する紙面右方向をX軸プラス方向、Z軸およびX軸に直交する紙面手前方向をY軸プラス方向とする。
撮像チップ113の一例は、裏面照射型のMOSイメージセンサである。撮像チップ113は、図1から図14に示した撮像部100に対応する。PD層106は、配線層108の裏面側に配されている。PD層106は、光に応じた電荷を生成する複数の光電変換素子104を有する。撮像チップ113は、当該電荷に応じた画像信号を出力する。本例のPD層106は、二次元的に配された複数の光電変換素子104、および、光電変換素子104に対応して設けられたトランジスタ105を有する。トランジスタ105は、図4における各トランジスタに対応する。
PD層106における入射光の入射側にはパッシベーション膜103を介してカラーフィルタ102が設けられる。カラーフィルタ102は、互いに異なる波長領域を透過する複数の種類を有しており、光電変換素子104のそれぞれに対応して特定の配列を有している。カラーフィルタ102、光電変換素子104およびトランジスタ105の組が画素の構成単位となる。
カラーフィルタ102における入射光の入射側には、それぞれの光電変換素子104に対応して、マイクロレンズ101が設けられる。マイクロレンズ101は、対応する光電変換素子104へ向けて入射光を集光する。
配線層108は、PD層106からの画像信号を信号処理チップ111に伝送する配線107を有する。配線107は多層であってもよく、また、受動素子および能動素子が設けられてもよい。
配線層108の表面には複数のバンプ109が配される。当該複数のバンプ109が信号処理チップ111の対向する面に設けられた複数のバンプ109と位置合わせされて、撮像チップ113と信号処理チップ111とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ109同士が接合されて、電気的に接続される。
同様に、信号処理チップ111およびメモリチップ112の互いに対向する面には、複数のバンプ109が配される。これらのバンプ109が互いに位置合わせされて、信号処理チップ111とメモリチップ112とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ109同士が接合されて、電気的に接続される。
なお、バンプ109間の接合には、固相拡散によるCuバンプ接合に限らず、はんだ溶融によるマイクロバンプ結合を採用してもよい。また、バンプ109は、例えば後述する一つの出力配線に対して一つ設けてよく、複数設けてもよい。バンプ109の大きさは、光電変換素子104のピッチよりも大きくてもよい。また、画素以外の周辺領域において、画素に対応するバンプ109よりも大きなバンプを併せて設けてもよい。
信号処理チップ111は、撮像チップ113が出力するアナログの画像信号を受け取る。信号処理チップ111は、受け取った画像信号に対して所定の信号処理を行い、メモリチップ112に出力する。メモリチップ112は、信号処理チップ111から受け取る信号を保存する。
本例の信号処理チップ111には、複数のAD変換部23および複数の判定部25が設けられる。また、信号処理チップ111には、制御部60が更に設けられてもよい。それぞれのAD変換部23は、撮像チップ113が出力するアナログの画像信号を、デジタル信号に変換する。信号処理チップ111は、当該デジタル信号に対して、補正等の所定の演算を行ってよい。
複数のAD変換部23の少なくとも一部は、複数の画素が設けられた面と平行なADC配置面において、二次元に配置される。例えば、撮像チップ113において複数の画素が行方向および列方向に沿って二次元に配置されており、信号処理チップ111において複数のAD変換部23が行方向および列方向に沿って二次元に配置される。複数のAD変換部23は、信号処理チップ111において等間隔に配置されることが好ましい。
また、ADC配置面に配置された複数のAD変換部23のうちの少なくとも二以上のAD変換部23は並列動作する。並列動作とは、複数のAD変換部23におけるアナログ-デジタル変換処理が、略同時に行われることを指す。これにより、当該二以上のAD変換部23が略同時に発熱することとなり、複数のAD変換部23が独立に動く場合に比べて、温度分布のばらつきを低減することができる。なお、ADC配置面に配置された複数のAD変換部23の全てが略同時に動作することが好ましい。これにより、AD変換部23の発熱による温度分布を均等にすることができる。また、複数のAD変換部23は、信号処理チップ111のADC配置面において、不均一に配置されてもよい。例えば複数のAD変換部23は、信号処理チップ111のADC配置面の中央よりも、端部の方が密度が高くなるように配置されてもよい。
また、複数のAD変換部23は、信号処理チップ111において、Z軸方向における位置が異なる複数のADC配置面に配置されてもよい。つまり、信号処理チップ111は多層チップであり、複数のAD変換部23は、異なる層に設けられてよい。この場合においても、複数のAD変換部23が配置された位置を、単一のADC配置面に投影した場合に、それぞれのAD変換部23が等間隔に配置されることが好ましい。
また、信号処理チップ111は、表裏面にそれぞれ設けられた回路を互いに接続するTSV(シリコン貫通電極)110を有する。TSV110は、周辺領域に設けられることが好ましい。また、TSV110は、撮像チップ113の周辺領域、メモリチップ112にも設けられてよい。
図16は、撮像装置500のより詳細な構成例を示すブロック図である。撮像装置500は、撮影光学系としての撮影レンズ520を備え、撮影レンズ520は、光軸(OA)に沿って入射する被写体光束を撮像部100へ導く。撮影レンズ520は、撮像装置500に対して着脱できる交換式レンズであっても構わない。撮像装置500は、撮像部100、システム制御部501、駆動部502、ワークメモリ504、操作部186、記録部505、表示部506および駆動部514を主に備える。
撮影レンズ520は、複数の光学レンズ群から構成され、シーンからの被写体光束をその焦点面近傍に結像させる。なお、図16では瞳近傍に配置された仮想的な1枚のレンズで代表して表している。駆動部502は、システム制御部501からの指示に従って撮像部100のタイミング制御、領域制御等の電荷蓄積制御を実行する制御回路である。本例において駆動部502およびシステム制御部501は、図1から図15に関連して説明したAD変換部23、判定部25および制御部60の機能を担う。図15に示したように、駆動部502およびシステム制御部501を形成する制御回路の一部は、チップ化されて、撮像部100に積層されてもよい。
撮像部100は、第1出力線45を経由して、加算デジタル信号をシステム制御部501の画像処理部511へ引き渡す。撮像部100は、図1から図15において説明した撮像部100と同一である。画像処理部511は、当該加算デジタル信号に基づいて画素値を算出する。具体的には、画像処理部511は、ワークメモリ504をワークスペースとして種々の画像処理を施し、画像データを生成する。例えば、JPEGファイル形式の画像データを生成する場合は、ホワイトバランス処理、ガンマ処理等を施した後に圧縮処理を実行する。生成された画像データは、記録部505に記録されるとともに、表示信号に変換されて予め設定された時間の間、表示部506に表示される。
撮像部100は、第2出力線49を経由して、デジタル信号をシステム制御部501の画像処理部511へ引き渡してもよい。画像処理部511は、当該デジタル信号に基づいて右目用画素および左目用画素の画素値を算出する。具体的には、画像処理部511は、ワークメモリ504をワークスペースとして算出した画素値に対して種々の画像処理を施し、画像データを生成する。生成された画像データは、記録部505に記録される。
撮像部100は、第2出力線49を経由して、デジタル信号をシステム制御部501の焦点検出部513へ引き渡す。焦点検出部513は、デジタル信号に基づいて焦点位置を検出する。焦点検出部513は、デジタル信号に基づいて焦点位置を検出する。具体的には、焦点検出部513は、右目用および左目用の複数の光電変換部12に由来するデジタル信号を用いて、一対の像の強度分布情報を生成する。焦点検出部513は、当該一対の像の強度分布情報を用いて、像ズレ検出演算処理(相関演算処理および位相差検出処理)を行う。
これにより、焦点検出部513は、いわゆる瞳分割型位相差検出方式で一対の像の像ズレ量を検出する。さらに、焦点検出部513は、像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔と測距瞳距離の比例関係に応じた変換演算を行い、予定結像面に対する現在の結像面の偏差(デフォーカス量)を算出する。駆動部514は当該でフォーカス量を用いて撮影レンズ520の位置を調節する。
撮像部100は、第2出力線49を経由して、デジタル信号をシステム制御部501の演算部512へ引き渡す。システム制御部501の演算部512は、各光電変換部12の出力を受けてシーンの領域ごとの輝度を算出する。演算部512は、算出した輝度分布に従ってシャッタ速度、絞り値、ISO感度を決定する。なお、図1から図15に関連して説明した制御部60が、これらの撮像条件を制御してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。