JP7055670B2 - 分散型発電設備 - Google Patents
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Description
従って、この保守システムでは、適切なメンテナンス経路が選択され、作業の高速化、効率化を図ることができるとされている。
1 分散型発電設備において何らかの故障が発生した場合、設備の運転が停止され、当該分散型発電設備からエラーが管理サーバに報知される。このエラーの報知は、センターサーバ、業者サーバに転送される。
a 管理会社では、エラーを報知した分散型発電設備を担当する担当者が、管理サーバからその設備のこれまでの運転履歴を取出し、故障解析を行う。
b 故障解析において、保守作業員が訪問してメンテナンスを行う必要があると判断した場合には、管理会社から保守会社にメンテナンスが依頼される。
c コールセンターは、電力消費者と連絡を取り、保守作業員が訪問しメンテナンスを行うことが必要との旨をお知らせし、保守作業員から電力消費者に連絡が入るので、都合の良いメンテナンス日時を調整して欲しい旨等を連絡する。
d その後、電力消費者と保守作業員との間の連絡により、メンテナンスの日時が決定され、保守作業員が現地を訪問しメンテナンス作業を行う。通常、メンテナンスを行う場合に、分散型発電設備は自動停止しているか、又はメンテナンス作業開始前に停止される。
イ 分散型発電設備が対を成すユニットから構成されており、その片方のユニットの電源をOFFした状態でメンテナンスを行おうとした場合に、ユニット間で相互通信が行われないため、通信エラーとなる。
ロ メンテナンスに伴って、電源・通信等のハーネスを外すが、メンテナンスの完了に際して、それをつなぎ忘れた場合、ハーネスが属する機器について、補機動作エラー、センサエラー、基板エラーとなる。
ハ 分散型発電設備に備えられる発電装置の燃料栓(都市ガス栓)を開け忘れた場合、燃料圧(ガス圧)低エラー或は着火エラーとなる。
二 分散型発電設備に備えられる発電装置で必要となる水栓を開け忘れた場合、断水エラーとなる。
a エラーを転送されたコールセンターや保守会社は、エラーを報知した分散型発電設備が現在メンテナンス中かどうかを確認するため、保守作業員の出動履歴等と照合する必要がある。
設備にメンテナンスが必要となった場合に、管理サーバにエラーを報知する報知手段と、メンテナンスを実施するに際して設備の運転を停止する運転停止手段とを備えた分散型発電設備における、本発明の第1の特徴構成は、
前記運転停止手段による設備の運転停止状態において、前記報知手段による報知を禁止する外部報知禁止手段を備えるとともに、
前記メンテナンスの完了に伴い予め設定された報知禁止解除条件が満たされた場合に、前記外部報知禁止手段による報知禁止を解除し、前記報知手段による報知を許可する外部報知許可手段を備え、
前記運転停止状態から運転を再開する場合に、試運転を行う構成で、
前記報知禁止解除条件に、前記試運転が開始可能となっていること、又は前記試運転を開始したことを条件として含む点にある。
そこで、これら4の手段を備えた機能構成を〔共通構成〕として先ず説明し、以下、個々の〔報知禁止解除条件〕に関して説明する。
従って、現地で設備を停止してメンテナンスが実施しているにも関わらず、エラーが外部に報知されることはない。結果、先に本発明が解決すべき課題の項目で説明した課題が発生することはない。
そして、本発明に係る分散型発電設備は、管理会社、保守会社等が適切と考える報知解除条件の下に、設備の適切且つ無駄のない運用を図ることができる。
前記運転停止状態から運転を再開する場合に、試運転を行う構成で、
前記報知禁止解除条件に、前記試運転が開始可能となっていること、又は前記試運転を開始したことを条件として含まれている。
そこで、本構成によれば、試運転が開始可能となっている、実際に試運転を開始したことをメンテナンスの完了とみなして、通常の運転状態に戻ることができる。
前記報知禁止解除条件に、前記発電装置としての燃料電池に前記燃料を改質して供給する改質装置の昇温が確認されたことを含む、設備を構成する主要装置が安定的に動作する安定動作状態に入ったことを条件として含む点にある。
そこで、設備を構成する主要装置、例えば、分散型発電設備が改質装置と燃料電池とを備えた設備である場合、これら主要な装置がその安定動作状態に入るということは、メンテナンス作業を良好に完了し、設備が発電動作に入ろうとしていることを意味し、保守作業員による補助をもはや必要としていない場合が多い。
そこで、本構成によれば、主要装置が安定動作状態に入ったことをメンテナンスの完了とみなして、通常の運転状態に戻ることができる。
ここで、前記設備を構成する主要装置が安定的に動作する安定動作状態に入ったことに、発電装置としての燃料電池に燃料を改質して供給する改質装置の昇温が確認されたことを含むことで、改質装置の昇温確認を保守作業員による補助をもはや必要としていない場合の一ケースのとし、このケースに良好に対応できる。
前記報知禁止解除条件に、エラー報知対象とされる補器の交換が完了し、前記発電装置としての燃料電池に前記燃料を改質して供給する改質装置の昇温が完了し、前記発電装置としての燃料電池が発電を開始したことを条件として含む点にある。
ここで、燃料電池が発電を開始したことは、分散型発電設備においてエラー報知対象となる様々の要因に対して、補器の交換が完了し、発電装置としての燃料電池に燃料を改質して供給する改質装置の昇温が完了していることを意味するため、発電の開始からエラー報知の対象が解消していることと推定し、通常の運転状態に戻ることができる。
さらに、メンテナンスの完了まで保守作業員が現地に留まる必要があるとすると、後者の燃料電池の例では、かなりの長時間となり、保守作業員の時間に無駄が生じる。
そこで、例えば設置される燃料電池の種類に応じて、メンテナンスの完了と看做すタイミングを報知禁止解除条件を発電開始としたり、改質装置の着火確認とすることで、適切な運用形態を確保できる。
前記報知禁止解除条件に、
前記メンテナンスが必要とされる機器又は装置に関して機器又は装置の個別メンテナンスが完了したことを条件として含む点にある。
例えば、発電装置の運転期間が一年を過ぎた場合、発電設備は充分安定した運転(運転開始を含む)を行えるため、メンテナンス完了を比較的短時間とする甘い側の条件とすることが可能であるし、設置期間は長いが、その運転期間が短い等の何らかの事情がある場合、始動時の安定性も考慮して比較的厳しい側の条件(先に示した発電開始等)とすることもできる。運転期間には実際に発電を行っていない期間も含まれるが、機器のメンテナンスは実際の累積発電量に大きく依存するため、累積発電量を基準としてもよい。
前記報知手段による前記管理サーバへのエラーの報知に連動して、前記運転停止手段が前記設備の運転を自動停止する点にある。
前記運転停止手段による運転停止において、設備が運転停止移行操作を経て運転停止される点にある。
図1にも示すように、この発電システム100は、多数の分散型発電設備101と、これら多数の分散型発電設備101を統括管理する管理サーバ102、センターサーバ103、業者サーバ104とから、それら4者101、102、103、104をインターネットIにより情報通信可能に接続して構築されている。
この実施形態では、発電装置として燃料電池U1aを備えたものであり、燃料電池U1aは燃料fの改質により得られる水素H2及び水wの供給を受けるとともに、空気aといった酸化剤を吸引して電力pを発生する。発生した電力pは、電力消費者10が有する電力負荷11に供給される。発生された電力pの余剰分は商用電力系統(図示省略)を経て売電可能とされるとともに、電力pが不足する場合は当該商用電力系統から買電することも可能となっている。
同図からも判明するように、この例では、分散型発電設備101を、その機種情報d1、製造番号情報d2、設置場所情報(住所)d3、電力消費者情報(氏名)d4、顧客番号情報d5、機器状態情報d6等で管理している。ここでは機器状態情報d6として説明しているが、装置全体、設備全体も、その括りに従って、状態情報の管理対象となる。
同図には、「エラー発生」「試運転開始」「改質バーナ着火」「発電開始」「発電中」等を示している。
「エラー発生」は、分散型発電設備101から管理サーバ102にエラーが報知されたことを示している。
機器状態情報d6に関して、機器状態1、機器状態2と記載しているのは、メンテナンスが必要となるエラーに関して、その起点となる「エラー発生」と、実質的にメンテナンスを完了したと擬制してよい事象(「試運転開始」「改質バーナ着火」「発電開始」)を対応させて整理しているためである。
同図に示すように、この例では、分散型発電設備101は、所謂、コジェネレーション設備(熱電併供給設備)とされており、燃料電池U1aを備え、この燃料電池U1aにより発電される電力pを電力消費者10の電力負荷11に供給可能に構成されるとともに、発電に伴って発生する熱を湯の形態で回収することで、湯を給湯・暖房・風呂追焚き等の所定の熱利用に用いることができる。
分散型発電設備101を、家庭に設置する場合は、発電電力で家庭内の電力消費を賄うとともに、生成される湯を、給湯・暖房・風呂追焚き等の用に供することとなる。
貯湯ユニットU2は、その主要な装置として貯湯タンクU2aを備えて構成され、発電ユニットU1からその排熱を湯として回収するとともに、貯湯タンクU2aに貯められた湯を、その湯を給湯等の用に供する。
発電ユニットU1を構成する主要な機器は、燃料電池U1a、改質装置U1b、熱回収装置U1d、電力変換装置U1eである。
一方、図2に模式的に示すように、この貯湯タンクU2aの上部から湯を払い出し可能に構成され、給湯、暖房、さらには追焚き等の熱利用の用に供することができる。
以上が、分散型発電設備101のハード側の構成の概要である。
図4は、分散型発電設備101を統括的に制御する設備制御部Cを示しており、内部に記載された「手段」は、本発明に関連する所定の機能を果たす目的で、コンピュータとそれに収納されるソフトウエア及び関連機器で構築される所定の機能手段部である(図1に示す転送手段c0において同じ)。
「設備全体」に関連する事象としては、メンテナンスモード、ユニット間通信チェック、初期動作セルフチェック、試運転開始、改質水注入、カソード空気投入、発電開始、定格出力等を示した。ここで、改質水注入は、改質装置U1bにも関連するが、発電開始の目的でカソード空気投入と対となるため、「設備全体」側に記載した。
「改質装置」に関連する事象としては、改質用バーナb1に対する燃料投入のための燃料弁開、着火、昇温ヒータ作動、昇温確認等がある。
熱利用に関連する機能部位における運転停止は、この排熱回収機能の停止となる。
さらに、図7に、これら外部報知禁止期間Tnと外部報知許可期間Tpとの関係を示した。各期間Tn、Tpの意味はこれまで説明したとおりであるが、図7(a)に示すように、故障に伴ってエラーの報知がなされた場合は、外部報知許可期間Tpにあった分散型発電設備101はエラーの報知とともに外部報知禁止期間Tnに入り、所定の報知禁止解除条件が充足された後、外部報知許可期間Tpに戻る。一方、図7(b)に示すように、例えば特定の補機に関してメンテナンス期間が到来する等に伴って、これをエラーとして報知した場合は、外部報知許可期間Tpにあった分散型発電設備101はエラーの報知に拘わらず運転を続け、保守作業員が分散型発電設備101を訪れて設備101を停止した時点で外部報知禁止期間Tnに入り、所定の報知禁止解除条件が充足された後、外部報知許可期間Tpに戻ることとなる。
即ち、この外部報知許可手段c4が備えられることで、外部報知禁止手段c3による外部報知禁止が解消されるが、本発明に係る分散型発電設備101は、この解消条件として、機器(装置・設備)に関連した様々な報知禁止解除条件を設定できるように構成されている。
即ち、上述様々なタイミングで報知禁止解除を可能としている。
そこで、図4に示すように、分散型発電設備101の設備制御部Cに付属する形態で、様々な報知禁止解除条件を記憶したデータベースDBが備えられ、管理会社20或いは保守会社40の管理意図に従って、各分散型発電設備101に適した報知禁止解除条件を選択設定する運用が可能となっている。
この図は、先に説明したように、横軸を時間とし、故障(エラーの報知)から発電再開に到るまでの間に分散型発電設備101に発生する事象を経時的に示したものである。
図5では、後に示すように、補機が故障して停止される場合(ケース7-1)と、補機のメンテナンス期間が到来することをエラーとして報知し、その後実際に保守作業員104bが現地を訪問してメンテナンスである補機交換を行う場合(ケース7-2)とを記載している。
分散型発電設備全体に関係する報知禁止解除条件
図5の上部のタイムチャートで示すように、発電状態にある分散型発電設備101は、故障の発生に伴い、運転停止手段c1の働きにより設備101を停止(発電を停止)するとともに、報知手段c2が働き、管理サーバ102にエラーを報知する。
ユニット間通信チェックは、発電ユニットU1と貯湯ユニットU2との間で通信が正常に行われているかを確認するためのチェックである。
後述するケース7-2を除いて、外部報知禁止手段c3が働き外部へのエラーの報知が禁止されるタイミングは、故障発生し、エラーを管理サーバ102に報知した後のタイミングとして全てのケースで同一としている。
この解除条件は、設備101に備えられる単独動作可能機器(これまで説明してきた補機)を単独で動作させるメンテナンスモードが解除されたことを条件とする。
この解除条件は、初期動作セルフチェックが完了したことを条件とする。
この初期動作セルフチェックの完了は、試運転が開始可能となっていることの一例である。
この解除条件は、試運転を開始したことを条件とする。
この解除条件は、改質装置U1bに備えられる改質用バーナb1の着火を確認したことを条件とする。
この解除条件は、改質装置U1bが所定温度まで昇温したことを条件とする。
改質装置U1bの昇温確認は、主要装置が安定動作状態に入ったことの一例である。
この解除条件は、発電装置としての燃料電池U1aが発電を開始したことを条件とする。
この解除条件は、設備101に備えられ交換が必要とされる交換必要機器(補機等)の交換を完了し、当該交換に伴うリセット操作が行われたことを条件とする。
一方、補機のメンテナンス期間が到来するとエラーとして報知されるが、この場合(ケース 7-2)は、実際に保守作業員104bが現地を訪問して補機交換を行うに際して、補機交換開始から当該補機に関するエラーリセットまでが外部報知禁止期間Tnとなる。先に図7(b)で説明した状況である。
一方、最下段に記載の運転状態では、正常に発電が継続されているため、設備101は外部報知許可期間Tp内とされる。
(1)上記の実施形態では、エラーが故障に起因する場合について主に説明したが、エラーは故障に限定されるものではない。正常な運転において障害となり、設備101を停止してのメンテナンスが必要となる事象が含まれ、先にも説明したように、保守作業員104bによる誤ったメンテナンス処理、不完全な作業等が含まれる。
20 管理会社
100 発電システム
101 分散型発電設備
102 管理サーバ
U1a 燃料電池(発電装置)
c0 転送手段
c1 運転停止手段
c2 報知手段
c3 外部報知禁止手段
c4 外部報知許可手段
f 燃料
Claims (6)
- 燃料の供給を受けて発電する発電装置を備えるとともに、前記発電装置により発電した電力を電力消費者に供給可能に構成され、
設備にメンテナンスが必要となった場合に、管理サーバにエラーを報知する報知手段と、メンテナンスを実施するに際して設備の運転を停止する運転停止手段とを備えた分散型発電設備であって、
前記運転停止手段による設備の運転停止状態において、前記報知手段による報知を禁止する外部報知禁止手段を備えるとともに、
前記メンテナンスの完了に伴い予め設定された報知禁止解除条件が満たされた場合に、
前記外部報知禁止手段による報知禁止を解除し、前記報知手段による報知を許可する外部報知許可手段を備え、
前記運転停止状態から運転を再開する場合に、試運転を行う構成で、
前記報知禁止解除条件に、前記試運転が開始可能となっていること、又は前記試運転を開始したことを条件として含む分散型発電設備。 - 燃料の供給を受けて発電する発電装置を備えるとともに、前記発電装置により発電した電力を電力消費者に供給可能に構成され、
設備にメンテナンスが必要となった場合に、管理サーバにエラーを報知する報知手段と、メンテナンスを実施するに際して設備の運転を停止する運転停止手段とを備えた分散型発電設備であって、
前記運転停止手段による設備の運転停止状態において、前記報知手段による報知を禁止する外部報知禁止手段を備えるとともに、
前記メンテナンスの完了に伴い予め設定された報知禁止解除条件が満たされた場合に、
前記外部報知禁止手段による報知禁止を解除し、前記報知手段による報知を許可する外部報知許可手段を備え、
前記報知禁止解除条件に、前記発電装置としての燃料電池に前記燃料を改質して供給する改質装置の昇温が確認されたことを含む、設備を構成する主要装置が安定的に動作する安定動作状態に入ったことを条件として含む分散型発電設備。 - 燃料の供給を受けて発電する発電装置を備えるとともに、前記発電装置により発電した電力を電力消費者に供給可能に構成され、
設備にメンテナンスが必要となった場合に、管理サーバにエラーを報知する報知手段と、メンテナンスを実施するに際して設備の運転を停止する運転停止手段とを備えた分散型発電設備であって、
前記運転停止手段による設備の運転停止状態において、前記報知手段による報知を禁止する外部報知禁止手段を備えるとともに、
前記メンテナンスの完了に伴い予め設定された報知禁止解除条件が満たされた場合に、
前記外部報知禁止手段による報知禁止を解除し、前記報知手段による報知を許可する外部報知許可手段を備え、
前記報知禁止解除条件に、エラー報知対象とされる補器の交換が完了し、前記発電装置としての燃料電池に前記燃料を改質して供給する改質装置の昇温が完了し、前記発電装置としての燃料電池が発電を開始したことを条件として含む分散型発電設備。 - 前記報知禁止解除条件に、前記メンテナンスが必要とされる機器又は装置に関して機器又は装置の個別メンテナンスが完了したことを条件として含む請求項1~3の何れか一項記載の分散型発電設備。
- 前記報知手段による前記管理サーバへのエラーの報知に連動して、前記運転停止手段が前記設備の運転を自動停止する請求項1~4の何れか一項記載の分散型発電設備。
- 前記運転停止手段による運転停止において、前記設備が運転停止移行操作を経て運転停止される請求項1~5の何れか一項記載の分散型発電設備。
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