JP7055323B2 - 質量分析装置及び質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置及び質量分析方法に関する。
樹脂に含まれる複数の規制対象物質(例えばフタル酸エステル類、臭素系難燃剤化合物等)を加熱し、そのガス成分を質量分析する場合、測定対象ごとにガス化温度が異なることを利用し、ガス化温度が低いフタル酸類に合わせた温度で加熱して質量分析した後、ガス化温度が高い臭素系難燃剤化合物に合わせて昇温し順次質量分析を行う。
又、熱重量測定により発生したガスを質量分析する技術も開発されている(特許文献1)。この技術では、熱重量測定の分解能を向上させるため、試料の重量変化速度に応じて加熱温度の変化速度を連続的に変化させている。
特許平7-260663号公報
ところで、規制対象物質等の質量分析には短時間での測定が要求されているが、熱重量測定によりガスを発生させる方法は加熱パターンが複雑で測定に時間が掛かるという問題がある。
一方、加熱時間を速くし過ぎると、フタル酸類と臭素系難燃剤化合物が混在してガス化してしまい、両者を分離して分析することが困難となる。
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、それぞれガス化温度が異なる2以上の物質を短時間で質量分析することが可能な質量分析装置及び質量分析方法の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の質量分析装置は、第1物質と該第1物質よりも高温でガス化する第2物質とを含む試料を加熱してガス成分を発生させる加熱部を備え、該加熱部で生成した前記ガス成分を検出する質量分析装置であって、予め求めた前記第1物質のガスが発生し前記第2物質のガスが発生しない温度及び時間条件である第1温度で第1時間になるまで前記加熱部を加熱し、前記第1時間を超えたときに前記第2物質のガスが発生する第2温度になるまで前記加熱部を加熱する加熱制御部と、前記第1温度にて前記第1時間になるまで前記第1物質に割り当てられた第1測定条件で質量分析を行い、前記第2温度にて前記第2物質に割り当てられた第2測定条件で質量分析を行う分析制御部と、を備え、前記分析制御部は、前記第1測定条件で前記第1物質の質量分析を行った際、前記第1時間が経過しても、該第1物質のピーク強度が所定の閾値を超えていた場合に、該第1物質のピーク強度が所定の閾値以下になるまでの時間に前記第1時間を延長することを特徴とする。
この質量分析装置によれば、予め第1物質のガスが発生し第2物質のガスが発生しない第1温度及び第1時間を求めておき、この第1温度で第1時間になるまで加熱部を加熱することで、第2物質と混在しない第1物質のみのガス成分を質量分析できる。そして、次に第2物質のガスが発生する第2温度になるまで加熱部を加熱することで、第1物質のガスが出切った後の第2物質のみのガス成分を質量分析できる。
このようにして、予め求めておいた加熱パターンに従って、それぞれガス化温度が異なる2以上の物質を短時間で質量分析することができる。
又、第1温度以下のガス発生温度を持ち、第1物質及び第2物質と異なる夾雑物が試料に含まれている場合は、この夾雑物を第1温度にて除去し、その後の第2物質の測定精度を向上させることができる。夾雑物としては試料が樹脂の場合はマトリクスとなる樹脂が挙げられる。
さらに、例えば、測定条件の変動等により、予め求めた第1時間を超えても第1物質のガスが出切らない可能性がある。そこで、この質量分析装置によれば、質量分析中の第1物質のピーク強度が閾値を超えている場合は、閾値以下になるまで第1時間を延長するので、第1物質の測定精度が向上する
前記第1物質はフタル酸エステルであり、前記第2物質は臭化物であってもよい。
本発明の質量分析方法は、第1物質と該第1物質よりも高温でガス化する第2物質とを含む試料を加熱してガス成分を発生させる加熱部を備え、該加熱部で生成した前記ガス成分を検出する質量分析方法であって、予め求めた前記第1物質のガスが発生し前記第2物質のガスが発生しない温度及び時間条件である第1温度で第1時間になるまで前記加熱部を加熱し、前記第1時間を超えたときに前記第2物質のガスが発生する第2温度になるまで前記加熱部を加熱する加熱制御過程と、前記第1温度にて前記第1時間になるまで前記第1物質に割り当てられた第1測定条件で質量分析を行い、前記第2温度にて前記第2物質に割り当てられた第2測定条件で質量分析を行う分析制御過程と、を有し、前記分析制御過程において、前記第1測定条件で前記第1物質の質量分析を行った際、前記第1時間が経過しても、該第1物質のピーク強度が所定の閾値を超えていた場合に、該第1物質のピーク強度が所定の閾値以下になるまでの時間に前記第1時間を延長することを特徴とする。


本発明によれば、それぞれガス化温度が異なる2以上の物質を短時間で質量分析することができる。
本発明の実施形態に係る質量分析装置の構成を示す斜視図である。 ガス発生部の構成を示す斜視図である。 ガス発生部の構成を示す縦断面図である。 ガス発生部の構成を示す横断面図である。 図4の部分拡大図である。 質量分析装置によるガス成分の分析動作を示すブロック図である。 加熱部の加熱パターン及び分析制御部の動作のタイミングチャートを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る質量分析装置200の構成を示す斜視図であり、図2はガス発生部100の構成を示す斜視図、図3はガス発生部100の構成を示す軸心Oに沿う縦断面図、図4はガス発生部100の構成を示す軸心Oに沿う横断面図、図5は図4の部分拡大図である。
質量分析装置200は、筐体となる本体部202と、本体部202の正面に取り付けられた箱型のガス発生部取付け部204と、全体を制御するコンピュータ(制御部)210と、質量分析計110とを備える。コンピュータ210は、データ処理を行うCPUと、コンピュータプログラムやデータを記憶するハードディスク等の記憶部215と、モニタと、キーボード等の入力部等を有する。
ガス発生部取付け部204の内部には、円筒状の加熱炉(加熱部)10と、試料ホルダ20と、冷却部30と、ガスを分岐させるスプリッタ40と、イオン化部50と、不活性ガス流路19fとがアセンブリとして1つになったガス発生部100が収容されている。又、本体部202の内部には、試料を加熱して発生したガス成分を分析する質量分析計110が収容されている。
なお、図1に示すように、ガス発生部取付け部204の上面から前面に向かって開口204hが設けられ、試料ホルダ20を加熱炉10外側の排出位置(後述)に移動させると開口204hに位置するので、開口204hから試料ホルダ20に試料を出し入れ可能になっている。又、ガス発生部取付け部204の前面には、スリット204sが設けられ、スリット204sから外部に露出する開閉ハンドル22Hを左右に動かすことにより、試料ホルダ20を加熱炉10の内外に移動させて上述の排出位置にセットし、試料を出し入れするようになっている。
なお、例えばコンピュータ210で制御されるステッピングモータ等により、移動レール204L(後述)上で試料ホルダ20を移動させれば、試料ホルダ20を加熱炉10の内外に移動させる機能を自動化できる。
次に、図2~図6を参照し、ガス発生部100の各部分の構成について説明する。
まず、加熱炉10は、ガス発生部取付け部204の取付板204aに軸心Oを水平にして取り付けられ、軸心Oを中心に開口する略円筒状をなす加熱室12と、加熱ブロック14と、保温ジャケット16とを有する。
加熱室12の外周に加熱ブロック14が配置され、加熱ブロック14の外周に保温ジャケット16が配置されている。加熱ブロック14はアルミニウムからなり、軸心Oに沿って加熱炉10の外部に延びる一対のヒータ電極14a(図4参照)により通電加熱される。
なお、取付板204aは、軸心Oに垂直な方向に延びており、スプリッタ40及びイオン化部50は、加熱炉10に取り付けられている。さらに、イオン化部50は、ガス発生部取付け部204の上下に延びる支柱204bに支持されている。
加熱炉10のうち開口側と反対側(図3の右側)にはスプリッタ40が接続されている。又、加熱炉10の下側にはキャリアガス保護管18が接続され、キャリアガス保護管18の内部には、加熱室12の下面に連通してキャリアガスCを加熱室12に導入するキャリアガス流路18fが収容されている。又、キャリアガス流路18fには、キャリアガスCの流量F1を調整するバルブ18vが配置されている。
そして、詳しくは後述するが、加熱室12のうち開口側と反対側(図3の右側)の端面に混合ガス流路41が連通し、加熱炉10(加熱室12)で生成したガス成分Gと、キャリアガスCとの混合ガスMが混合ガス流路41を流れるようになっている。
一方、図3に示すように、イオン化部50の下側には不活性ガス保護管19が接続され、不活性ガス保護管19の内部には、不活性ガスTをイオン化部50に導入する不活性ガス流路19fが収容されている。又、不活性ガス流路19fには、不活性ガスTの流量F4を調整するバルブ19vが配置されている。
試料ホルダ20は、ガス発生部取付け部204の内部上面に取り付けられた移動レール204L上を移動するステージ22と、ステージ22上に取り付けられて上下に延びるブラケット24cと、ブラケット24cの前面(図3の左側)に取り付けられた断熱材24b、26と、ブラケット24cから加熱室12側に軸心O方向に延びる試料保持部24aと、試料保持部24aの直下に埋設されるヒータ27と、ヒータ27の直上で試料保持部24aの上面に配置されて試料を収容する試料皿28と、を有する。
ここで、移動レール204Lは軸心O方向(図3の左右方向)に延び、試料ホルダ20はステージ22ごと、軸心O方向に進退するようになっている。又、開閉ハンドル22Hは、軸心O方向に垂直な方向に延びつつステージ22に取り付けられている。
なお、ブラケット24cは上部が半円形をなす短冊状をなし、断熱材24bは略円筒状をなしてブラケット24c上部の前面に装着され、断熱材24bを貫通してヒータ27の電極27aが外部に取り出されている。断熱材26は略矩形状をなして、断熱材24bより下方でブラケット24cの前面に装着される。又、ブラケット24cの下方には断熱材26が装着されずにブラケット24cの前面が露出し、接触面24fを形成している。
ブラケット24cは加熱室12よりやや大径をなして加熱室12を気密に閉塞し、試料保持部24aが加熱室12の内部に収容される。
そして、加熱室12の内部の試料皿28に載置された試料が加熱炉10内で加熱され、ガス成分Gが生成する。
冷却部30は、試料ホルダ20のブラケット24cに対向するようにして加熱炉10の外側(図3の加熱炉10の左側)に配置されている。冷却部30は、略矩形で凹部32rを有する冷却ブロック32と、冷却ブロック32の下面に接続する冷却フィン34と、冷却フィン34の下面に接続されて冷却フィン34に空気を当てる空冷ファン36とを備える。
そして、試料ホルダ20が移動レール204L上を軸心O方向に図3の左側に移動して加熱炉10の外に排出されると、ブラケット24cの接触面24fが冷却ブロック32の凹部32rに収容されつつ接触し、冷却ブロック32を介してブラケット24cの熱が奪われ、試料ホルダ20(特に試料保持部24a)を冷却するようになっている。
図3、図4に示すように、スプリッタ40は、加熱室12と連通する上述の混合ガス流路41と、混合ガス流路41に連通しつつ外部に開放された分岐路42と、分岐路42の出側に接続されて分岐路42から排出される混合ガスMの排出圧力を調整するマスフローコントローラ42aと、自身の内部に混合ガス流路41の終端側が開口される筐体部43と、筐体部43を囲む保温部44とを備えている。
さらに、本例では、分岐路42とマスフローコントローラ42aとの間に、混合ガス中の夾雑物等を除去するフィルタ42b、流量計42cが配置されている。マスフローコントローラ42a等の背圧を調整する弁等を設けず、分岐路42の端部が剥き出しの配管のままであってもよい。
図4に示すように、上面から見たとき、混合ガス流路41は、加熱室12と連通して軸心O方向に延びた後、軸心O方向に垂直に曲がり、さらに軸心O方向に曲がって終端部41eに至るクランク状をなしている。又、混合ガス流路41のうち軸心O方向に垂直に延びる部位の中央付近は拡径して分岐室41Mを形成している。分岐室41Mは筐体部43の上面まで延び、分岐室41Mよりやや小径の分岐路42が嵌合されている。
混合ガス流路41は、加熱室12と連通して軸心O方向に延びて終端部41eに至る直線状であってもよく、加熱室12やイオン化部50の位置関係に応じて、種々の曲線や軸心Oと角度を有する線状等であってもよい。
図3、図4に示すように、イオン化部50は、筐体部53と、筐体部53を囲む保温部54と、放電針56と、放電針56を保持するステー55とを有する。筐体部53は板状をなし、その板面が軸心O方向に沿うと共に、中央に小孔53cが貫通している。そして、混合ガス流路41の終端部41eが筐体部53の内部を通って小孔53cの側壁に臨んでいる。一方、放電針56は軸心O方向に垂直に延びて小孔53cに臨んでいる。
さらに、図4、図5に示すように、不活性ガス流路19fは筐体部53を上下に貫通し、不活性ガス流路19fの先端は、筐体部53の小孔53cの底面に臨み、混合ガス流路41の終端部41eに合流する合流部45を形成している。
そして、終端部41eから小孔53c付近の合流部45に導入された混合ガスMに対し、不活性ガス流路19fから不活性ガスTが混合されて総合ガスM+Tとなって放電針56側に流れ、総合ガスM+Tのうち、ガス成分Gが放電針56によってイオン化される。
イオン化部50は公知の装置であり、本実施形態では、大気圧化学イオン化(APCI)タイプを採用している。APCIはガス成分Gのフラグメントを起こし難く、フラグメントピークが生じないので、クロマトグラフ等で分離せずとも測定対象を検出できるので好ましい。
イオン化部50でイオン化されたガス成分Gは、キャリアガスC及び不活性ガスTと共に質量分析計110に導入されて分析される。
なお、イオン化部50は、保温部54の内部に収容されている。
図6は、質量分析装置200によるガス成分の分析動作を示すブロック図である。
試料Sは加熱炉10の加熱室12内で加熱され、ガス成分Gが生成する。加熱炉10の加熱状態(昇温速度、最高到達温度等)は、コンピュータ210の加熱制御部212によって制御される。
ガス成分Gは、加熱室12に導入されたキャリアガスCと混合されて混合ガスMとなり、スプリッタ40に導入され、混合ガスMの一部が分岐路42から外部に排出される。
イオン化部50には、混合ガスMの残部と、不活性ガス流路19fからの不活性ガスTが総合ガスM+Tとして導入され、ガス成分Gがイオン化される。
コンピュータ210の検出信号判定部214は、分析制御部219の制御のもと、質量分析計110の検出器118(後述)から検出信号を受信する。
流量制御部216は、検出信号判定部214から受信した検出信号のピーク強度が閾値の範囲外か否かを判定する。そして、範囲外の場合、流量制御部216は、バルブ19vの開度を制御することにより、スプリッタ40内で分岐路42から外部へ排出される混合ガスMの流量、ひいては混合ガス流路41からイオン化部50へ導入される混合ガスMの流量を調整し、質量分析計110の検出精度を最適に保つ。
質量分析計110は、イオン化部50でイオン化されたガス成分Gを導入する第1細孔111と、第1細孔111に続いてガス成分Gが順に流れる第2細孔112、イオンガイド114、四重極マスフィルター116と、四重極マスフィルター116から出たガス成分Gを検出する検出器118とを備える。
四重極マスフィルター116は、印加する高周波電圧を変化させることにより、質量走査可能であり、四重極電場を生成し、この電場内でイオンを振動運動させることによりイオンを検出する。四重極マスフィルター116は、特定の質量範囲にあるガス成分Gだけを透過させる質量分離器をなすので、検出器118でガス成分Gの同定および定量を行うことができる。
又、本例では、分岐路42より下流側で混合ガス流路41に不活性ガスTを流すことで、質量分析計110へ導入される混合ガスMの流量を抑える流路抵抗となり、分岐路42から排出される混合ガスMの流量を調整する。具体的には、不活性ガスTの流量が多いほど、分岐路42から排出される混合ガスMの流量も多くなる。
これにより、ガス成分が多量に発生してガス濃度が高くなり過ぎたときには、分岐路から外部へ排出される混合ガスの流量を増やし、検出手段の検出範囲を超えて検出信号がオーバースケールして測定が不正確になることを抑制している。
次に、図7を参照し、本発明の特徴部分について説明する。なお、それぞれフタル酸エステル類、臭素系難燃剤化合物を第1物質、第2物質とする。又、フタル酸エステル類を可塑剤として含み、さらに臭素系難燃剤化合物を含む塩化ビニルを試料とする。
図7は、加熱部の加熱パターン及び分析制御部の動作のタイミングチャートを示す図である。
まず、予め、フタル酸エステル類及び臭素系難燃剤化合物を既知量含む塩化ビニルの標準試料を準備し、図7の加熱パターンC1を求めておく。具体的には、フタル酸エステル類のガスが発生し臭素系難燃剤化合物のガスが発生しない第1温度T1、及び第1温度T1を維持する第1時間t1を質量分析して求める。ここで、第1温度T1を維持する時間txが短く、第2温度T2まで急加熱する加熱パターンC2の場合、時間tx以降にフタル酸エステル類と臭素系難燃剤化合物が混在してガス化してしまい、両者を分離して分析することが困難となる。又、臭素系難燃剤化合物のガスが発生する第2温度T2も求める。
そして、この加熱パターン(第1温度T1、第1時間t1)C1は記憶部215に記憶される。
次に、実際の測定に移行する。まず、加熱制御部212は、記憶部215の加熱パターンC1を読み取り、第1温度T1で第1時間t1になるまで加熱炉10を加熱する。
分析制御部219は、加熱制御部212の制御に基づき、第1温度T1で加熱された時間区間(つまり、加熱開始から第1温度T1に達した時間t0から第1時間t1になるまでの区間)で、第1測定条件で質量分析を行うよう制御する。
この第1測定条件及び後述する第2測定条件は質量分析の各種測定条件であり、例えばイオン化部50のイオン化電圧、流量制御部216によるバルブ19vの開度の情報(つまり、イオン化部50へ導入される混合ガスMの流量)等が含まれ、フタル酸エステル類及び臭素系難燃剤化合物でそれぞれ異なる測定パラメータである。つまり、第1測定条件、第2測定条件はそれぞれフタル酸エステル類、臭素系難燃剤化合物に割り当てられた測定パラメータである。
又、第1測定条件、第2測定条件は記憶部215に記憶されている。
次に、加熱制御部212は、第1時間t1を超えたときに質量分析を停止し、第2温度T2になるまで加熱炉10を加熱する。
分析制御部219は、加熱制御部212の制御に基づき、第2温度T2になった時間t2から、第2測定条件で質量分析を行うよう制御する。その後、所定の時間t3が経過したら加熱制御部212は加熱を停止し、分析制御部219は質量分析を停止するよう制御する。
以上のように、予めフタル酸エステル類のガスが発生し臭素系難燃剤化合物のガスが発生しない第1温度T1及び第1時間t1を求めておき、この第1温度T1で第1時間t1になるまで加熱炉10を加熱することで、臭素系難燃剤化合物と混在しないフタル酸エステル類のみのガス成分を質量分析できる。そして、次に臭素系難燃剤化合物のガスが発生する第2温度T2になるまで加熱炉10を加熱することで、フタル酸エステル類のガスが出切った後の臭素系難燃剤化合物のみのガス成分を質量分析できる。
このようにして、予め求めておいた加熱パターンに従って、それぞれガス化温度が異なる2以上の物質を短時間で質量分析することができる。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、測定条件の変動等により、予め求めた第1時間t1を超えてもフタル酸エステル類のガスが出切らない可能性がある。そこで、分析制御部219は、質量分析中のフタル酸エステル類に由来する特定のピーク強度をモニタし、ピーク強度が閾値以下になったか否かを判定し、閾値を超えている場合は、閾値以下になるまで第1時間t1を延長し、質量分析を続行するよう制御しても良い。この場合、第1温度以下のガス発生温度を持ち、第1物質及び第2物質と異なる夾雑物が試料に含まれている場合は、この夾雑物を第1温度にてより確実に除去することができる。
逆に、ピーク強度が閾値以下になるまでの時間が第1時間t1より短ければ、測定時間の短縮を図ることができる。
第1物質、第2物質は上記実施形態に限定されないし、第1物質、第2物質はそれぞれ複数の物質であってもよい。例えば、第1物質が2つあり、第2物質が1つでもよい。
第1測定条件、第2測定条件も上記実施形態に限定されない。測定条件が3以上でもよい。
10 加熱部(加熱炉)
200 質量分析装置
212 加熱制御部
219 分析制御部
T1 第1温度
T2 第2温度
t1 第1時間

Claims (3)

  1. 第1物質と該第1物質よりも高温でガス化する第2物質とを含む試料を加熱してガス成分を発生させる加熱部を備え、該加熱部で生成した前記ガス成分を検出する質量分析装置であって、
    予め求めた前記第1物質のガスが発生し前記第2物質のガスが発生しない温度及び時間条件である第1温度で第1時間になるまで前記加熱部を加熱し、前記第1時間を超えたときに前記第2物質のガスが発生する第2温度になるまで前記加熱部を加熱する加熱制御部と、
    前記第1温度にて前記第1時間になるまで前記第1物質に割り当てられた第1測定条件で質量分析を行い、前記第2温度にて前記第2物質に割り当てられた第2測定条件で質量分析を行う分析制御部と、
    を備え
    前記分析制御部は、前記第1測定条件で前記第1物質の質量分析を行った際、前記第1時間が経過しても、該第1物質のピーク強度が所定の閾値を超えていた場合に、該第1物質のピーク強度が所定の閾値以下になるまでの時間に前記第1時間を延長する質量分析装置。
  2. 前記第1物質はフタル酸エステルであり、前記第2物質は臭化物である請求項1記載の質量分析装置。
  3. 第1物質と該第1物質よりも高温でガス化する第2物質とを含む試料を加熱してガス成分を発生させる加熱部を備え、該加熱部で生成した前記ガス成分を検出する質量分析方法であって、
    予め求めた前記第1物質のガスが発生し前記第2物質のガスが発生しない温度及び時間条件である第1温度で第1時間になるまで前記加熱部を加熱し、前記第1時間を超えたときに前記第2物質のガスが発生する第2温度になるまで前記加熱部を加熱する加熱制御過程と、
    前記第1温度にて前記第1時間になるまで前記第1物質に割り当てられた第1測定条件で質量分析を行い、前記第2温度にて前記第2物質に割り当てられた第2測定条件で質量分析を行う分析制御過程と、
    を有し、
    前記分析制御過程において、前記第1測定条件で前記第1物質の質量分析を行った際、前記第1時間が経過しても、該第1物質のピーク強度が所定の閾値を超えていた場合に、該第1物質のピーク強度が所定の閾値以下になるまでの時間に前記第1時間を延長することを特徴とする質量分析方法。
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