JP7055051B2 - 積層体塗膜 - Google Patents
積層体塗膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7055051B2 JP7055051B2 JP2018069366A JP2018069366A JP7055051B2 JP 7055051 B2 JP7055051 B2 JP 7055051B2 JP 2018069366 A JP2018069366 A JP 2018069366A JP 2018069366 A JP2018069366 A JP 2018069366A JP 7055051 B2 JP7055051 B2 JP 7055051B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating film
- mass
- group
- photocatalyst
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
本開示の積層体塗膜は、中間層が表面に無機高分子が偏析した粒子状の樹脂複合体を含むことにより、中間層と光触媒層との密着性を長期間維持できるため、強い光触媒活性と長期間の耐候性を両立した優れた積層体塗膜を実現でき、強い光触媒活性と長期間の耐候性を要求される用途に好適に適用できる。
本開示に用いる基材は、その上に中間層を形成可能な材料であれば無機材料、有機材料を問わず種々の材料であってよく、その形状も限定されない。材料の観点からみた基材の好ましい例としては、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、石、セメント、コンクリ-ト、繊維、布帛、木、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの表面に少なくとも一層の被膜を有するものが挙げられる。用途の観点からみた基材の好ましい例としては、建材、建物外装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガードレ-ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、屋外用照明器具、台及び上記物品表面に貼着させるためのフィルム、シート、シール等といった外装材全般が挙げられる。
本開示における中間層は、表面に無機高分子が偏析した粒子状の樹脂複合体を含む。これらの特徴によって、本開示における中間層は、光触媒層との長期間の密着性に優れる。上記樹脂複合体は、中間層と光触媒層との長期間の密着性がより優れる点から、凝集構造を形成していることが好ましい。
上記官能基含有フルオロオレフィンとしては、例えば、一般式:
CX3 2=CX4-(Rf)m-Y1
(式中、Y1は-OH、-COOM2、-SO2F、-SO3M2(M2は水素原子、NH4基またはアルカリ金属)、カルボン酸塩、カルボキシエステル基、エポキシ基またはシアノ基;X3およびX4は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子;Rfは炭素数1~40の2価の含フッ素アルキレン基若しくは含フッ素オキシアルキレン基、または炭素数2~40のエーテル結合を含有する2価の含フッ素アルキレン基若しくは含フッ素オキシアルキレン基;mは0または1)で示される化合物が挙げられる。
上記フルオロポリマーとしては、VdF/TFE/CTFE共重合体が特に好ましい。VdF/TFE/CTFE共重合体は、VdF/TFE/CTFE=40~99/1~50/1~30(モル%)がより好ましく、50~90/5~40/1~25 (モル%)が更に好ましく、60~90/5~30/5~20(モル%)が更により好ましい。
上記(メタ)アクリルポリマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のアクリルモノマー単位を含むことが好ましい。
また、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、なかでも、2-HEMA及び2-HEAからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単位は、(メタ)アクリルポリマーを構成する全単量体単位に対して、0~20質量%であることが好ましい。
本明細書において、上記水酸基は、-OHで示される基であるが、カルボキシ基(-COOH)の一部を構成する水酸基を含まない。
-SiX1 nX2 3-n(X1はC1-10のアルコキシ基、X2はH又はC1-10のアルキル基、nは1~3の整数を表す。)で示される基であることが好ましい。
塗膜の耐溶剤性向上の観点から上記加水分解性シリル基の反応性は高い方がよく、上記加水分解性シリル基は、-Si(OCH3)nX2 3-n又は-Si(OC2H5)nX2 3-nであることがより好ましく、-Si(OCH3)3又は-Si(OC2H5)3であることが更に好ましい。
CH2=CHSi(OCH3)3、
CH2=CHSi(CH3)(OCH3)2、
CH2=C(CH3)Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=CHSi(OC2H5)3、
CH2=CHSi(OC3H7)3、
CH2=CHSi(OC4H9)3、
CH2=CHSi(OC6H13)3、
CH2=CHSi(OC8H17)3、
CH2=CHSi(OC10H21)3、
CH2=CHSi(OC12H25)3、
CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=CHCOO(CH2)3Si(OC2H5)3、
CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2O(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)2(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=C(CH3)COO(CH2)11Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)COO(CH2)11Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=CHCH2OCO(o-C6H4)COO(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=CHCH2OCO(o-C6H4)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、
CH2=CH(CH2)4Si(OCH3)3、
CH2=CH(CH2)8Si(OCH3)3、
CH2=CHO(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=CHCH2O(CH2)3Si(OCH3)3、
CH2=CHCH2OCO(CH2)10Si(OCH3)3
等が挙げられる。
(メタ)アクリルポリマーは、水性分散体の長期安定性の観点から、カルボキシ基などの不飽和カルボン酸単位を含んでもよい。
上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3-アリルオキシプロピオン酸、3-(2-アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル、ウンデシレン酸などがあげられる。なかでも、カルボキシル基の導入を制御しやすい点から、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、3-アリルオキシプロピオン酸、及び、ウンデシレン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
さらに好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
t-ブチル基、n-ペンチル基等を挙げることができ、炭素数1~6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基等を挙げることができる。
上記オルガノシランは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、上記オルガノシランの加水分解物の重縮合物は、該加水分解物中のシラノール基が縮合してシロキサン(Si-O-Si)結合を形成したものであるが、これらの基がすべて縮合している必要はなく、一部の基のみが縮合したものであってもよい。
上記シード重合工程は、フルオロポリマーを含む水性分散体中に、(メタ)アクリルモノマー及び必要に応じて他のモノマーを添加して行うことができる。例えば、フルオロポリマーを含む水性分散体に、(メタ)アクリルモノマー、界面活性剤及び水を含む乳化液を滴下して行う方法が挙げられる。
上記水性分散体は、水を含む。水に加えて、アルコール、グリコールエーテル、エステル等の有機溶媒を含有してもよい。
上記シード重合は、反応性アニオン界面活性剤及び反応性ノニオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の存在下に実施することが好ましく、反応性アニオン界面活性剤の存在下に実施することがより好ましい。反応性アニオン界面活性剤としては、反応基がアリル系またはアクリル系が例示でき、アリル系が好ましい。
オルガノシランは、水性分散体中で加水分解されてシラノール化合物となり、該シラノール化合物が縮重合することとなる。
上記pH調整剤としては、アンモニア水やアミン類が挙げられる。上記造膜助剤としては、市販の各種造膜補助剤を使用することができる。具体的には、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、アジピン酸ジエチル、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールモノイソブチレート等の多価アルコールアルキルエーテルや有機酸エステル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。上記消泡剤としては、シリコーン系消泡剤や界面活性剤,ポリエーテル,高級アルコールなどの有機系消泡剤などが挙げられる。
本開示における光触媒層は、光触媒粒子及び無機酸化物粒子を含む。
本開示の積層体塗膜は、粒子状の樹脂複合体を含む中間層用コーティング組成物を基材上に塗布した後、得られた中間層塗布体の基材とは反対の面に、光触媒粒子及び無機酸化物粒子を含む光触媒層用コーティング組成物を塗布することにより簡単に製造することができる。中間層用コーティング組成物は、必要に応じて、硬化剤、顔料、充填剤、増粘剤等を含んでいてもよい。中間層用コーティング組成物及び光触媒層用コーティング組成物の塗装方法は、刷毛塗り、ローラー、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り、スクリーン印刷、電着、蒸着等、一般に広く行われている方法を利用できる。中間層用コーティング組成物の塗布後及び光触媒層用コーティング組成物の塗布後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。
なお、以下の例において中間層用コーティング組成物及び光触媒層用コーティング組成物の作製に使用した原料は以下の通りである。
硬化剤:カルボジイミド系硬化剤
光触媒粒子:チタニア水分散体(平均粒径:60nm、塩基性)平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定した散乱強度からキュムラント解析を用いて算出した。
無機酸化物粒子:水分散型コロイダルシリカ(平均粒径:25nm、塩基性)平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。
無機バインダー:珪酸リチウム
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤
珪砂:珪砂8号
増粘剤:アルカリ膨潤型増粘剤
撹拌機、還流管、温度計、滴下ロートを備えた内容量2リットルのガラス製四つ口セパラブルフラスコに、VdF/TFE/CTFE重合体(VdF/TFE/CTFE=72/15/13(モル%))の粒子の水性分散液710質量部、メチルメタクリレート(MMA)126質量部、n-ブチルアクリレート(BA)167質量部、n-ブチルメタクリレート(BMA)0.03質量部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)0.03質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)0.03質量部、メタクリル酸5.5質量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.8質量部、水100g、ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩12.5質量部を入れ撹拌しながら加温した。槽温が80℃に達したところで、重合開始剤の添加を始め2時間かけて滴下し重合した。滴下終了から2時間80℃で撹拌した後、室温まで冷却して反応を終了した。pH調整剤で中和を行い、pH8.0として樹脂複合体1の水性分散体を得た。フルオロポリマー(A)と(メタ)アクリルポリマー(B)との質量比(A/B)は50/50であった。
撹拌機、還流管、温度計、滴下ロートを備えた内容量2リットルのガラス製四つ口セパラブルフラスコに、VdF/TFE/CTFE重合体(VdF/TFE/CTFE=72/15/13(モル%))の粒子の水性分散液717質量部、メチルメタクリレート(MMA)112質量部、n-ブチルアクリレート(BA)115質量部、n-ブチルメタクリレート(BMA)0.03質量部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)0.03質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)0.03質量部、メタクリル酸5.3質量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.8質量部、水100g、ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩12.5質量部を入れ撹拌しながら加温した。槽温が80℃に達したところで、重合開始剤の添加を始め2時間かけて滴下し重合した。滴下終了から2時間80℃で撹拌した。
次に、トリメトキシメチルシラン62質量部とテトラエトキシシラン0.6質量部を80℃で0.5時間かけて滴下し、その後1時間攪拌した。その後、室温まで冷却して反応を終了し、pH調整剤で中和を行い、pH8.0として、フルオロポリマーと(メタ)アクリルポリマーとシロキサンポリマーの樹脂複合体2の水性分散体を得た。フルオロポリマー(A)と(メタ)アクリルポリマー(B)とシロキサンポリマー(C)との質量比(A/B/C)は50/45/5であった。
分散媒としてイオン交換水と、樹脂複合体1の水性分散体と、硬化剤とを表1に示される配合比で混合して、中間層用コーティング組成物B1を調製した。フッ素樹脂の固形分濃度は20.0質量%となるように調整した。なお、表1における硬化剤の濃度は、樹脂固形分100質量%に対する硬化剤の固形分濃度を意味する。
樹脂複合体1を樹脂複合体2に変更した以外は、調製例3と同様にして、中間層用コーティング組成物B2を調整した。
光触媒粒子としてのチタニア水分散体と、無機酸化物粒子としての水分散型コロイダルシリカと、分散媒として水と、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤とを表2に示される配合比で混合して、光触媒層用コーティング組成物T1を得た。なお、表2における光触媒粒子と無機酸化物粒子の濃度は、光触媒用塗膜固形分中での濃度を意味し、一方、界面活性剤の濃度は、光触媒層用コーティング組成物100質量%に対する界面活性剤の濃度を意味する。光触媒層用コーティング組成物中の光触媒粒子および無機酸化物粒子の合計の固形分濃度は5.5質量%とした。ここで、固形分濃度とは、光触媒層用コーティング組成物を105~110℃で乾燥し恒量となったときの質量%を意味する。
アルミ板にエポキシ系シーラーを塗装し、常温乾燥させシーラー塗装体を得た。さらに、シーラー塗装体にアクリル系エナメルを塗装し、十分に乾燥させ基材を得た。
得られた基材を板温度60℃に加熱し、表面に中間層用コーティング組成物B1もしくはB2を、150±50g/m2の塗布量でエアスプレーにて塗装し、80℃で5分間乾燥し中間層を得た。
中間層塗装体を板温度60℃に加熱し、光触媒層用コーティング組成物T1を、10±2.5g/m2の塗布量でエアスプレーにて塗装し、自然乾燥させ光触媒層を有する積層体塗膜を得た。
得られた積層体塗膜の断面をイオンミリング法で切り出し、以下の方法により、中間層の断面の二次電子像及び反射電子像を観察した。結果を図1~4に示す。実施例1で得られた積層体塗膜の中間層には、シェル部の厚みが26nmのコアシェル構造を有する樹脂複合体が確認できた。一方、比較例1で得られた積層体塗膜の中間層には、コアシェル構造を有する樹脂複合体は確認できなかった。
得られた積層体塗膜について、以下の方法により、中間層と光触媒層との密着性を評価した。結果を表3に示す。
使用装置:FE-SEM(電解放出型走査型電子顕微鏡)
観察条件:加速電圧 3.0kV
倍率 6万倍
シェル部の厚みは、積層体塗膜からイオンミリング法で切り出した中間層の断面の反射電子像により観察し、6万倍の視野に入る任意の10個の樹脂複合体のシェル部の厚みを測定した個数平均値として算出した。
上記で作製した積層体塗膜について、QUV試験機(Q-LAB社製)にて照度0.63W/m2、照射4時間、結露4時間の繰り返し条件下、のべ600時間暴露処理した。
そののち、擦りヘッド径20mmのラビングテスターIMC-150F-A型(井元製作所社製)を用い、擦り素材に純水を充分染み込ませた紙製ワイパー(商品名 JKワイパー 日本製紙クレシア社製)を使用し、荷重200g、45往復/分の速度でラビング試験を行った。
1000回往復ラビングさせた時点で、ポータブル接触角計PCA-1(協和界面科学社製)を用いて表面の対水接触角を測定し、下記の基準に従い評価した。
〇:対水接触角50°以下
△:対水接触角50°~70°
×:対水接触角70°以上
無機酸化物粒子として表4に示される平均粒子径のコロイダルシリカを用いて、無機バインダーとして珪酸リチウムを表4に示される量で添加した以外は、調製例5と同様にして、光触媒層用コーティング組成物T2~T7を調整した。
光触媒層用コーティング組成物T1の代わりに、光触媒層用コーティング組成物T2~T7を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層体塗膜を得た。
得られた積層体塗膜について、以下の粘着テープ試験法により、テープ密着力を評価した。結果を表4に示す。
JIS Z 0237:2009を参考に次の1~5の手順で評価した。
1.試験体作製:積層体塗膜作製後、23±1℃、50±5%RHで24時間以上放置
2.試験雰囲気:上記の標準状態(23±1℃、50±5%RH)
3.テープの圧着:2kgゴムローラーを10±0.5mm/secの速度で合計2往復
4.剥離速度:テープを180°で折り返し5.0±0.2mm/secで運転
5.測定値:テープ変位量の初めの30mmを無視し、その後の20mmの測定値を平均する
イオン交換水に樹脂複合体1の水性分散体および珪砂を加えて分散した後、増粘剤を添加して粘度がおよそ800mPa・sとなるように調整し、続いて硬化剤を添加して、中間層用コーティング組成物B3を調整した。得られた中間層用コーティング組成物B3における各成分の質量比を表5に示す。
樹脂複合体1を樹脂複合体2に変更した以外は、調製例6と同様にして、中間層用コーティング組成物B4を調整した。得られた中間層用コーティング組成物B4における各成分の質量比を表5に示す。
アクリル塗料を塗装した150mm×65mm×3mmのスレート板に、中間層用コーティング組成物B3又はB4を塗着量150g/m2となるようにスプレー塗装し、110℃で15分乾燥した。続いて光触媒層用コーティング組成物T1を12.5g/m2となるように塗装して、積層体塗膜を得た。
得られた積層体塗膜について、以下の耐候性試験を行った後の光触媒層の残存量を評価した。結果を図5及び6に示す。実施例8で得られた積層体塗膜は、耐候性試験を行った後でも、塗膜表面の全面を光触媒層が覆っており、剥離していなかった。一方、比較例2で得られた積層体塗膜は、耐候性試験を行った後は、光触媒層が半分程度剥離していた。
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製、S300)を用い、旧JIS K 5400 9.8に準拠する条件にて1500時間の試験を行った。
(評価)
塗膜表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK-8510)、対物レンズ150倍で観察し、光触媒層の残存量を観察した。
Claims (11)
- 基材と、基材上に形成された中間層と、中間層上に形成された光触媒層とからなる積層体塗膜であって、
中間層が、表面に無機高分子が偏析した粒子状の樹脂複合体を含み、
光触媒層が、光触媒粒子及び無機酸化物粒子を含み、
前記樹脂複合体が、フルオロポリマー、(メタ)アクリルポリマー、及び、無機高分子を含む
ことを特徴とする積層体塗膜。 - 前記樹脂複合体は、コアシェル構造を有する請求項1記載の積層体塗膜。
- 前記樹脂複合体は、シェル部の厚みが5.0nm以上である請求項2記載の積層体塗膜。
- 前記無機高分子は、ポリシロキサンである請求項1~3のいずれかに記載の積層体塗膜。
- 前記フルオロポリマーが、ビニリデンフルオライド単位と、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びクロロトリフルオロエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のフルオロオレフィン単位とを含む請求項1~4のいずれかに記載の積層体塗膜。
- 前記(メタ)アクリルポリマーが、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のアクリルモノマー単位を含む請求項1~5のいずれかに記載の積層体塗膜。
- 前記(メタ)アクリルポリマーが、フルオロポリマーを含む水性分散体中で、(メタ)アクリルモノマーをシード重合したものである請求項1~6のいずれかに記載の積層体塗膜。
- 前記樹脂複合体が、シード重合して得られた(メタ)アクリルポリマーの存在下でシラノールを縮重合したものである請求項7に記載の積層体塗膜。
- 前記光触媒層が、1質量%を超え20質量%未満の光触媒粒子と、
70質量%を超え99質量%未満の無機酸化物粒子と、
0質量%以上10質量%未満の無機バインダーとを含む請求項1~8のいずれかに記載の積層体塗膜。 - 前記無機酸化物粒子が、50nm以下の平均粒径を有する請求項1~9のいずれかに記載の積層体塗膜。
- 外装材として使用される請求項1~10のいずれかに記載の積層体塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018069366A JP7055051B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 積層体塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018069366A JP7055051B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 積層体塗膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019177651A JP2019177651A (ja) | 2019-10-17 |
JP7055051B2 true JP7055051B2 (ja) | 2022-04-15 |
Family
ID=68277283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018069366A Active JP7055051B2 (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 積層体塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7055051B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010167779A (ja) | 2008-12-22 | 2010-08-05 | Bekku Kk | 積層体 |
JP2011156852A (ja) | 2010-01-06 | 2011-08-18 | Toto Ltd | 光触媒塗装体 |
WO2018042804A1 (ja) | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 信越化学工業株式会社 | 光触媒積層体 |
JP2019055359A (ja) | 2017-09-20 | 2019-04-11 | 株式会社東芝 | 光触媒塗布液、光触媒付き基材、及び光触媒付き基材の製造方法 |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018069366A patent/JP7055051B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010167779A (ja) | 2008-12-22 | 2010-08-05 | Bekku Kk | 積層体 |
JP2011156852A (ja) | 2010-01-06 | 2011-08-18 | Toto Ltd | 光触媒塗装体 |
WO2018042804A1 (ja) | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 信越化学工業株式会社 | 光触媒積層体 |
JP2019055359A (ja) | 2017-09-20 | 2019-04-11 | 株式会社東芝 | 光触媒塗布液、光触媒付き基材、及び光触媒付き基材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019177651A (ja) | 2019-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5669722B2 (ja) | コーティング組成物、塗膜、積層体、及び積層体の製造方法 | |
JP5599134B2 (ja) | 多官能シランを用いた有機・無機複合組成物 | |
JP5768748B2 (ja) | 有機樹脂積層体 | |
JP5728278B2 (ja) | 複合組成物、当該複合組成物を用いた塗膜の製造方法、当該製造方法により得られる塗膜、及び当該塗膜を具備する部材 | |
JP2008284408A (ja) | 防汚層の形成方法 | |
JP2009019072A (ja) | 水系有機・無機複合組成物 | |
JP2012173428A (ja) | 反射防止コーティング組成物 | |
JP4738367B2 (ja) | 水系有機・無機複合組成物 | |
JP5905658B2 (ja) | 機能性塗膜 | |
JP2004238418A (ja) | 高耐候性ハードコート組成物及び塗装物品 | |
JP5368720B2 (ja) | 光触媒塗膜及び光触媒組成物 | |
JP2012170859A (ja) | 機能性塗膜の製造方法 | |
JP2001279178A (ja) | コーティング組成物および硬化体 | |
JP5692892B2 (ja) | 塗膜及び水系有機無機複合組成物 | |
JP5466868B2 (ja) | 反射防止用コーティング組成物 | |
JP7280271B2 (ja) | ハードコート塗膜、ハードコート塗膜付き基材、塗料組成物及び窓材 | |
JP2009280770A (ja) | 有機・無機複合組成物、これを用いた有機無機複合体、及び機能性複合体 | |
JP7055051B2 (ja) | 積層体塗膜 | |
JP4225133B2 (ja) | 樹脂表面改質用光触媒シート、積層体および樹脂表面改質方法 | |
JPH1067945A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP2013004874A (ja) | 太陽電池モジュール及びそのコーティング方法 | |
JP6105344B2 (ja) | 積層体の製造方法、積層体、太陽電池用カバーガラス、及び太陽熱発電用ミラー | |
JP6794151B2 (ja) | コーティング膜、コーティング膜の製造方法、及びコーティング組成物 | |
JPWO2011099505A1 (ja) | 屋外設置用デバイスおよび屋外設置用デバイス用反射防止層 | |
JP6285152B2 (ja) | 積層体の製造方法、積層体、太陽電池用カバーガラス、及び太陽熱発電用ミラー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211012 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220405 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7055051 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |